JP5234224B1 - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
運転者の運転志向に適合するように車両の制御特性を設定する車両の制御装置において、前記車両の走行状態を変化させる前記運転者による操作の操作速度の変化のパターンに基づいて前記運転者の意図的な操作を検出し、操作量および操作時間と操作志向との相互関係を予め定めた操作志向相関関係と、前記意図的な操作の操作量と、前記意図的な操作の操作時間とに基づいて前記運転志向を判定するように構成されている。したがって、運転者が走行状態を変更するように操作を行うと、その操作の時間や量に基づいて、直ちに運転志向を判定することができ、運転志向を迅速に車両の制御特性に反映させることができる。
Description
この発明は、駆動力や操舵などの制御特性を、運転者の志向(嗜好もしくは指向)に適合するように変化させる制御を行う装置に関し、特に運転者の運転志向を精度良く検出もしくは判定する制御装置に関するものである。
周知のように車両は運転者の加減速操作によって車速が変化し、また操舵することにより走行方向が変化する。その運転者の操作と車両の挙動の変化とが合致していれば、運転者の意図した走行が可能になるので、いわゆる心地良い走行を行うことができ、ドライバビリティが良好になる。しかしながら、運転者が意図する走行は、運転者毎に異なり、あるいは道路の混雑の程度や走行路の幅、湾曲の度合いなどの走行環境によっても異なる。これに対して、設計あるいは製造段階で設定できる制御特性は予め決められたものとなるから、そのままでは、運転者の意図した走行を行い得ない場合が生じる。
従来、車両における各種の制御特性は、電気的に変更できるようになっていることに鑑み、走行中に運転者の運転志向を検出もしくは判定し、その検出もしくは判定された運転志向に適合するように制御特性を変更することが試みられている。この種の制御の前提となる運転志向の検出もしくは判定は、種々の方法によって行うことができ、その一例として特開2007ー132465号公報には、スロットル開度の変化に基づいて制御特性をスポーツ方向に変更するように構成された装置が記載されている。その装置は、アクセル開度およびその操作速度に基づいて操作ポテンシャルを算出し、その操作ポテンシャルが予め定めたしきい値を超えた回数が、モード毎に定めてあるしきい値を超えた場合にスポーツ方向に運転意思レベルを学習するように構成されている。
なお、アクセル操作は必ずしも意図的に行われるわけではなく、無意識に行われる場合もある。無意識に行われるアクセル操作を運転志向の検出もしくは判定に取り込んでしまうと、運転志向の検出もしくは判定の精度が低下してしまう。そのような無意識に行われるアクセル操作を検出する装置が特開平6ー26377号公報に記載されている。この特開平6ー26377号公報に記載された装置は、アクセル操作速度が遅く、かつアクセル開度が定常走行状態の開度に近い場合に、そのアクセル操作は無意識に行われたものであると判定するように構成されている。
上記の特開2007ー132465号公報や特開平6ー26377号公報などに記載されている装置は、アクセル開度やその変化速度に基づいてその操作の意図もしくは意図の有無を判定する装置である。したがってアクセル操作された場合の運転者の意図を検出もしくは判定できるが、車両の走行特性に関係する他の操作が行われた場合には、車両の走行もしくは挙動に対する運転者の意図を検出もしくは判定することができない。また、上記の特開2007ー132465号公報に記載された装置は、過去に実行されたアクセル操作の速度やアクセル開度に基づいて求まる操作ポテンシャルを複数積算する必要があるので、単一の操作に運転者の意図が明確に現れているとしても、その前後で複数のアクセル操作が行われるまでは、運転者の意図を検出もしくは判定することができない。すなわち、複数回のアクセル操作が行われて、前記操作ポテンシャルがしきい値を超えるのを待たざるを得ず、運転者の意図とその意図が走行特性に反映されるまでとの間に時間差あるいは遅れが生じ、これが違和感となる可能性がある。
なお、特開平6ー26377号公報に記載された装置は、無意識のアクセル操作を検出する装置であるから、その装置によっては、走行特性に運転者の意図もしくは走行特性を反映させることはできない。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両の制御特性に反映させるべき運転者の運転指向を、より迅速に、また的確に判定することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、運転者の運転志向に適合するように車両の制御特性を設定する車両の制御装置であって、前記車両の走行状態を変化させる前記運転者による操作の操作速度の変化のパターンに基づいて前記運転者の意図的な操作を検出し、操作量および操作時間と操作志向との相互関係を予め定めた操作志向相関関係と、前記意図的な操作の操作量と、前記意図的な操作の操作時間とに基づいて前記運転志向を判定するように構成されていることを特徴とするものである。
この発明における前記操作志向相関関係は、フィッツの法則によって、前記操作量および操作時間と操作志向とを数式化した関係であってもよい。
また、この発明における前記制御特性は、前記操作に基づく車両の挙動の変化が俊敏となるスポーツ特性と、前記操作に基づく車両の挙動の変化が前記スポーツ特性に比較して緩慢になるマイルド特性とを含み、この発明に係る車両制御装置は、前記車両の少なくとも前後方向および横方向の加速度を合成した合成加速度の絶対値が大きい場合にはその合成加速度の絶対値が小さい場合に比較して前記スポーツ特性の傾向が強い制御特性を指示し、かつ前記合成加速度の絶対値が増大した場合に前記スポーツ特性の傾向が強い制御特性を指示するように変化するとともに、前記合成加速度の絶対値が低下した場合には所定の変更条件が成立するまで従前の値を保持する指標を設定する手段と、前記意図的な操作の操作速度の変化のパターンに基づいて判定された前記運転志向に基づいて前記所定の変更条件を変更する手段とを更に備えることができる。
さらに、この発明における前記所定の変更条件の変更は、前記意図的な操作の操作速度に基づいて判定された前記運転志向が、前記スポーツ特性での車両の挙動に適する運転志向の場合には前記変更条件を成立しにくくし、かつ前記意図的な操作の操作速度の変化のパターンに基づいて判定された前記運転志向が、前記マイルド特性での車両の挙動に適する運転志向の場合には前記変更条件を成立し易くする制御を含むことができる。
そして、この発明における前記制御特性は、前記車両の加減速操作に基づいて駆動力を変化させる駆動力特性と、操舵操作に基づいて旋回量を変化させる操舵特性との少なくともいずれか一方を含むことができる。
運転者が目的もしくは目標を持って何らかの操作を行った場合、その操作速度の変化は特定のパターンを示すので、この発明に係る制御装置は、運転者が車両の走行状態を変化させる操作を行った場合の操作速度の変化パターンから運転者の意図的な操作を検出する。一方、意図的な操作を行った場合の操作時間と操作量との関係は、操作者の操作志向に応じて異なったものとなる。このような関係は、一例としてフィッツの法則で把握することができ、そこでこの発明では、その関係を予め求めておき、上記の操作速度の変化パターンから検出された運転者の意図的な操作における操作時間および操作量から操作志向すなわち運転志向を求める。したがって、この発明の制御装置によれば、運転者による意図的な操作が行われると、直ちにその操作に基づいて運転志向が検出もしくは判定され、かつその運転志向に適合するように制御特性が設定される。その結果、この発明によれば、遅れを生じることなく、また精度良く、運転者の運転志向を車両の制御特性に反映させることができる。
そして、この発明では、上記のようにして検出もしくは判定された運転志向を、車両の挙動が俊敏になるスポーツ特性となるように制御特性を設定し、あるいはこれとは反対のマイルド特性となるように制御特性を設定する場合に利用することができる。特にいわゆる合成加速度に基づく指標がマイルド特性を指示する値に変更する場合の変更条件を、上記の運転志向により変化させるように構成することができるので、運転志向をより精度良く制御特性に反映させることができる。
つぎにこの発明を具体例を参照して説明する。この発明の制御装置を適用できる車両は、運転者が所定の操作機器を操作することによって加減速し、また旋回する車両であり、その典型的な例は内燃機関やモータを駆動力源とした自動車である。その一例を図9にブロック図で示してある。ここに示す車両1は、操舵輪である左右の前輪2と、駆動輪である左右の後輪3との四輪を備えた車両であり、これらの四輪2,3のそれぞれは懸架装置4を介して車体(図示せず)を支持している。この懸架装置4は、従来知られているものと同様であって、スプリングとショックアブソーバー(ダンパー)とを主体として構成されており、図9にはそのショックアブソーバー5を示してある。このショックアブソーバー5は、気体や液体などの流体の流動抵抗を利用して緩衝作用を生じさせるように構成され、モータ6などのアクチュエータによってその流動抵抗を大小に変更できるように構成されている。すなわち、流動抵抗を大きくした場合には、車体が沈み込みにくく、いわゆる堅い感じとなり、車両の挙動としては、コンフォートな感じが少なくなって、スポーティ感が増大する。なお、これらのショックアブソーバー5に加圧気体を給排することによって車高の調整(ハイトコントロール)を行うように構成することもできる。
上記の前後輪2,3には、図示しないブレーキ装置がそれぞれ設けられており、運転席に配置されているブレーキペダル7を踏み込むことにより各ブレーキ装置が動作して前後輪2,3に制動力を与えるように構成されている。
また一方、車両1の駆動力源は、内燃機関やモータあるいはこれらを組み合わせた機構など、従来知られている構成の駆動力源である。図9には内燃機関(エンジン)8を搭載している車両を示してあり、このエンジン8の吸気管9には、吸気量を制御するためのスロットルバルブ10が設けられている。このスロットルバルブ10は、電子スロットルバルブと称される構成のものであって、モータなどの電気的に制御されるアクチュエータ11によって開閉動作させられ、かつ開度が調整されるように構成されている。そして、このアクチュエータ11は、運転席に配置されているアクセルペダル12の踏み込み量すなわちアクセル開度に応じて動作してスロットルバルブ10を所定の開度(スロットル開度)に調整する。
アクセルペダル12の踏み込み量であるアクセル開度とスロットルバルブ10の開度との関係は適宜に設定でき、両者の関係が一対一に近いほど、いわゆるダイレクト感が強くなって車両の挙動は、スポーティな感じになる。これとは反対にアクセル開度に対してスロットル開度が相対的に小さくなるように制御特性を設定すれば、車両の挙動あるいは加速特性はいわゆるマイルドな感じになる。なお、駆動力源としてモータを使用した場合には、スロットルバルブ10に替えてインバータあるいはコンバータなどの電流制御器を設け、アクセル開度に応じてその電流を調整するとともに、アクセル開度に対する電流値の関係すなわち挙動特性もしくは加速特性を適宜に変更するように構成する。
図9に示す例では、エンジン8の出力側に変速機13が連結されている。この変速機13は、入力回転数と出力回転数との比率すなわち変速比を適宜に変更するように構成されており、例えば従来知られている有段式の自動変速機やベルト式無段変速機あるいはトロイダル型無段変速機などのいずれかであってよい。したがって、変速機13は、図示しないアクチュエータを備え、そのアクチュエータを適宜に制御することにより変速比をステップ的(段階的)に変化させ、あるいは連続的に変化させるように構成されている。なお、その変速制御は、基本的には、燃費効率が良好になる変速比を設定するように行われる。具体的には、車速やアクセル開度などの車両の状態に対応させて変速比を決めた変速マップを予め用意し、その変速マップに従って変速制御を実行し、あるいは車速やアクセル開度などの車両の状態に基づいて目標出力を算出し、その目標出力と最適燃費線とから目標エンジン回転数を求め、その目標エンジン回転数となるように変速制御を実行する。
なお、エンジン8と変速機13との間に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータなどの伝動機構を、必要に応じて設けることができる。そして、変速機13の出力軸が終減速機であるデファレンシャルギヤ14を介して後輪3に連結されている。
さらに、前輪2を転舵する操舵機構15について説明すると、ステアリングホイール16の回転動作を左右の前輪2に伝達するステアリングリンケージ17が設けられ、またステアリングホイール16の操舵角度もしくは操舵力をアシストするアシスト機構18が設けられている。このアシスト機構18は、図示しないアクチュエータによるアシスト量を調整できるように構成されており、したがってアシスト量を少なくすることにより操舵角と前輪2の実際の転舵角とが一対一の関係に近くなり、いわゆる操舵のダイレクト感が増して、車両の挙動特性がいわゆるスポーティな感じになるように構成されている。
なお、特には図示しないが、上記の車両1には挙動あるいは姿勢を安定化させるためのシステムとして、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールシステム、これらのシステムを統合して制御するビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などが設けられている。これらのシステムは従来知られているものであって、車体速度と車輪速度との偏差に基づいて車輪2,3に掛かる制動力を低下させ、あるいは制動力を付与し、さらにはこれらと併せてエンジントルクを制御することにより、車輪2,3のロックやスリップを防止もしくは抑制して車両の挙動を安定させるように構成されている。また、走行路や走行予定路に関するデータ(すなわち走行環境)を得ることのできるナビゲーションシステムや、スポーツモード(スポーツD)とノーマルモード(ノーマルD)および低燃費モード(エコモード)となどの走行モードを手動操作で選択するためのスイッチを設けてあってもよく、さらには登坂性能や加速性能あるいは回頭性などの挙動特性を変化させることのできる四輪駆動機構(4WD)を備えていてもよい。
上記のエンジン8や変速機13あるいは懸架装置4のショックアブソーバー5、前記アシスト機構18、上述した図示しない各システムなどを制御するためのデータを得る各種のセンサが設けられている。その例を挙げると、前後輪2,3の回転速度を検出する車輪速センサ19、アクセル開度センサ20、スロットル開度センサ21、エンジン回転数センサ22、変速機13の出力回転数を検出する出力回転数センサ23、操舵角センサ24、前後加速度(Gx)を検出する前後加速度センサ25、横方向(左右方向)の加速度(横加速度Gy)を検出する横加速度センサ26、ヨーレートセンサ27などが設けられている。なお、加速度センサGx,Gyは、上記のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などの車両挙動制御で用いられている加速度センサと共用することができ、あるいはエアバッグを搭載している車両では、その展開制御のために設けられている加速度センサと共用することができる。これらのセンサ19,〜27は、電子制御装置(ECU)28に検出信号(データ)を伝送するように構成されており、また電子制御装置28はそれらのデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムに従って演算を行い、その演算結果を制御指令信号として上述した各システムあるいはそれらのアクチュエータに出力するように構成されている。
この発明に係る制御装置は、車両の挙動が運転者の運転志向に適合するように所定の制御特性を設定する。その運転志向は、車両の挙動が俊敏になるいわゆるスポーティな走行を行う運転志向や、これとは反対に車両の挙動がいわゆる緩慢もしくは緩やかになるマイルドな走行を行う運転志向、あるいはこれらの中間の車両の挙動となるノーマルな走行を行う運転志向などである。また、制御特性は、アクセル操作に対する駆動力の関係である駆動力特性や操舵角に対するヨーレートもしくは旋回量である操舵特性、あるいはサスペンション機構による車体支持のいわゆる硬さあるいは軟らかさである懸架特性などである。これらの制御特性を適宜に設定することにより、車両の走行特性がいわゆるスポーツ特性になったり、あるいはマイルド特性になったりする。
この発明では、運転志向を運転者が所定の操作機器を操作した場合の操作速度や操作量あるいは操作時間に基づいて検出もしくは判定(以下、単に判定という)するように構成されている。その判定制御について先ず説明する。
運転者が何らかの操作機器を、所定の目的もしくは目標を持って操作する場合、その操作の開始から終了に至るまでの操作速度は、一定のパターンを描くように変化する。そのパターンの典型的な形状は、操作速度の変化を波形で示した場合、ピークから左右に末広がりとなるいわゆるベル型である。図10にその一例を模式的に示してあり、ここに示す例は、所定の中立位置からその左右方向の任意に選択した目標箇所に操作した場合の時間毎の操作速度を示すものであって、縦軸に操作速度をとり、横軸に経過時間をとってある。その操作は、例えばコンピュータのモニター上でカーソルが左右方向に移動するようにマウスを移動させる操作である。なお、操作量もしくは操作速度を検出するセンサで得られる信号には、操作の乱れや操作機器の振動などによるいわゆる外乱信号が含まれているので、フィルタ処理することにより図10に示すように波形を得ることができる。
図10における第一の操作aは、中立位置から右方向に任意に選んだ箇所に向けた操作であり、その目標箇所までの中間位置付近で操作速度が極大(ピーク)になり、その前後でなめらかに変化している。また、第二の操作bは、第一の操作aとは反対方向に向けた操作であり、操作速度が急激に増大した後、操作速度が一時的に低下し、その後再度操作速度が増大し、次いで停止している。これは、操作に滞りがあり、目標箇所が定まっていない状態での操作の可能性が高く、明確な意図がある操作には該当しないものと考えられる。これに続く第三ないし第六の操作c,d,e,fは、前述した第一の操作aによる操作速度の変化パターンと同様の操作速度の変化パターンを示す操作であるから、目標箇所を定めた意図の明確な操作と考えられる。これに対して第七の操作gでは、操作速度が急激に増大した後、停止するまでの時間が長くなっている。操作速度波形としてはピークが操作開始点側に大きく偏っている。通常、目標箇所を中心とした許容範囲内に向けて操作する場合、迅速にその目標箇所に到達するように操作し、したがって速度波形は第一の操作aでの波形のようにいわゆるベル型あるいはこれに近い形状になる。第七の操作gについて操作速度波形は、そのようなベル型から大きく外れた形状となっているので、目標もしくは目的を持った意図の明確な操作とは考えられない。同様に、第八の操作hでは、操作速度が極大値を示すが、その値が小さいうえに、その後の操作速度の低下がわずかである。したがってこの第八の操作hは、目標箇所に向けた操作ではなく、それ以降に続く他の操作の予備的操作と考えられる。そして、第九の操作iは、その操作速度波形が上述したいわゆるベル型を示す操作であるから、目標箇所に向けた意図した操作であると考えられる。なお、図10には、意図した操作であって、独立した単一の操作として把握できる操作についての操作速度波形には「〇」印を付し、操作されているものの意図したものとは把握できない操作についての操作速度波形には「×」印を付してある。
この発明に係る制御装置は、上述した操作速度の変化(言い換えれば操作速度の変化パターン)に基づいて、運転者の意図した操作を検出し、その操作から運転者の意図である運転志向を検出もしくは判定するように構成されている。したがって、この発明では、アクセル操作やステアリング操作あるいはブレーキ操作などの操作速度を検出し、その操作速度の変化から独立した操作(以下、単位操作とも言う)を判定し、その単位操作が意図したものであるか否かの判定を行う。運転者が意図して行った操作については、その操作量や操作時間から運転者の意図を判定する。
図11は、操作速度の変化パターンから運転者の意図に基づく単位操作を検出する制御を説明するためのフローチャートであり、先ず、速度の値が読み込まれる(ステップS1)。ここで読み込まれる操作速度は、アクセル操作の速度、ステアリング操作の速度、ブレーキ操作の速度など、運転者が車両の走行状態を制御もしくは変化させるための操作機器の操作速度である。その操作速度は、それぞれの操作機器に速度センサを取り付けて検出することができ、またアクセル開度センサや舵角センサなどの位置センサもしくは操作量センサの検出値を微分処理して速度を求めてもよい。さらに、前述したように外乱信号を除去するためにフィルタ処理することが好ましく、より具体的にはローパスフィルタを適用して外乱信号を除去する。
ついで、操作速度の変化パターンの区切りを認識(判定)する(ステップS2)。目的を持った操作もしくは目標に向けた操作は、その目的を達成し、あるいは目標に到達するまで継続されるのが通常であるから、操作速度はその間、変化し続ける。そして、次の操作が開始されるまでの間で、操作速度が従前とは異なった値を示し、またその操作速度の変化パターンは操作中とは異なったパターンを示す。ステップS2では、このような操作速度の変化の仕方を利用して操作の区切りを判定する。なお、図10には区切りを太線で示してある。
ステップS2で否定的に判断された場合には、現状波形の形状情報が更新される(ステップS3)。すなわち、上記のステップS1で読み込まれた速度の値が、既に読み込まれて保持されている速度値に続けて保持され、操作速度の変化を示す波形の情報に加えられる。その後、時間情報がインクリメント(t=t+Δt)され(ステップS4)、リターンする。なお、tは現在時間であり、Δtは図11に示すルーチンを繰り返し実行するサイクルタイムである。
こうしてステップS3における形状情報の更新が繰り返し実行され、その間に運転者による操作が開始され、かつ終了する。その操作における操作速度情報が蓄積されると、それらの情報によって所定の波形が得られる。その結果、ステップS2で区切りの判定が成立し、肯定的に判断される。この場合は、直前の操作速度変化波形の形状評価が行われる(ステップS5)。この形状評価とは、波形が意図して行われた単位操作によるものか否かを判定すること、言い換えればいわゆるベル型の波形に相当するか否かを判定することであり、その判定は、以下に述べる条件A,B,C,D,Eが成立するか否かを判断することにより行うことができる。
先ず、条件Aは、前述したステップS2で判定された区切りによって区画された操作速度の変化の過程(操作速度変化パターン)の中に、予め定めた速度幅CD 以上の操作速度の低下(極小値、波形では「谷」)が存在しないことである。その速度幅CD は、区切りによって区画されている操作速度波形のピークに応じた値とすることができ、通常の単位操作で生じることのある操作速度の低下幅を参考にして、その低下幅より大きい速度幅とすることが好ましい。図12の(a)に操作速度の一時的な低下が、判断基準となる速度幅CD を超えない例を模式的に示してあり、このような操作速度の一時的な低下があっても条件Dは成立する。また図12の(b)に操作速度の一時的な低下が、判断基準となる速度幅CD を超えた例を模式的に示してあり、このような操作速度の一時的な低下があると条件Aは成立しない。
条件Bは、操作量(すなわち変位)が予め定めた一定値(基準量)CE 以上であることである。その一定値CE は、アクセル操作やステアリング操作などの操作の種類ごとに定めることができ、その値は車両の通常の走行で、運転者が走行状態を変化させる場合に行う操作量の最小値を参考にして定めることができ、あるいは実験やシミュレーションによって、意図しない操作の最大操作量に近似した値を求め、これを参考にして定めることができる。なお、操作量は、操作速度と時間との積で表されるから、図13に示すように、速度波形を区切りの間で時間積分すれば求めることができる。これに替えて、操作変位のデータを直接使用し、操作開始点と終了点とのデータの差として操作量を求めてもよい。
条件Cは、図14に模式的に示すように、操作に対応する波形を区画している区切りの値(境界値)のうち大きい方の値に対するピーク値(区切りの間の波形における最大値)が十分に大きいこと、すなわちその比率が判断基準となるしきい値(すなわち基準量)CF 以上であることである。区切りの後の操作速度が十分に大きくならないのは、従前の操作に関連する操作が継続していると考えられるからであり、また操作速度がピーク値から低下しても区切りでの値が十分に小さくならなければ、未だ一例の操作が継続していると考えられるからである。
条件Dは、波形におけるピークの形状が、いわゆるベル型と言い得る程度に凸形状になっており、またその「鋭さ」が適度であることである。図15に三つの波形を示してあり、左側の波形は、操作速度の緩急の差が大きすぎ、そのためにピークが鋭く尖った形状になっている。これに対して右側の波形は、最大操作速度の継続時間が長すぎ、そのためにピークと言い得る凸形状が明瞭には現れていない。一方、中央の波形は、操作速度がほぼ均一に増大し、また低下し、かつ最大速度の継続時間が特には長くなく、そのためにピークが明瞭に現れ、かつ特には鋭く尖ってはいない。したがって、図15の中央の波形を生じる操作を、運転者の意図に基づく単位操作によるものとみなすことができ、このような波形形状となることにより条件Dが満たされる。このような条件Dの成立の判断は、具体的には、区切りの間に行われる操作量、すなわち区切りの間の波形で囲まれた部分の面積に基づいて行うことができる。例えば、区切りの間の長さを底辺、ピーク値を高さとした四角形を想定し、その四角形の面積に対する比率の下限値CG1と上限値CG2とを予め定めたおき、上記の波形で囲まれた部分の面積(すなわち操作量)が、その下限値CG1と上限値CG2との間に入っている場合に、条件Dが成立したとされる。したがって、図15における中央の例のみが条件Dを満たし、左右の例では、条件Dを満たさない。
条件Eは、波形のピークが左右の区切りの間の中央領域に位置することである。所定の目標に向けた意図的な操作を行った場合、操作速度は次第に増大して極大に達し、その後に増大時と同様な傾向で操作速度が低下し、その操作速度の変化波形はいわゆるベル型もしくはこれに近似した形状になる。このベル型では、ピークがほぼ中央にあり、そのピークの位置が左右に大きくずれてベル型から外れた波形になる操作は、いわゆる通常の操作とは異なっているものとみなし得る。そこで、ピークの位置が中央領域にあることを、形状評価の条件としたのである。ここで、中央領域とは、操作の開始点側の区切りと終了点側の区切りとの間の中心に対して、その左右に所定の幅を取った時間幅のことであり、図16にその例を模式的に示してある。すなわち、ピーク値を示す時点が、時間幅の下限値CH1と上限値CH2との間に入っていれば、条件Eが成立し、そのいずれかの限界値CH1,CH2を超えていれば、条件Eは不成立となる。図16には条件Eが成立する例(〇印)と、成立しない例(×印)とを示してある。
なお、ステップS5における形状の評価では、上記の五つの条件A〜Eの全てを判断する必要は特にはなく、この発明では、少なくともいずれか一つの条件の成立を判断することとしてもよい。なお、形状評価のために採用する条件が多いほど、運転者の意図に基づく操作とそれ以外の操作との峻別の精度が高くなる。
以上のようにして直前の波形の形状の評価が行われ、その結果が肯定的な場合、すなわち運転者が車両の走行状態を変化させるために、所定の運転志向を持って意図的な操作を行ったことが操作速度の波形に基づいて判定された場合、検出結果が出力される(ステップS6)。具体的には、上記のステップS5で肯定的に判定された波形の元になった単位操作についての操作速度や操作量あるいは操作時間などのデータが出力される。次いで、波形形状情報がリセットされる(ステップS7)。新たに波形形状情報を取り込んでその形状評価を行うためである。そして、ステップS4に進んで時間情報がインクリメント(t=t+Δt)され、リターンする。
上記のステップS6で出力された検出結果は、アクセルペダルや操舵装置などの操作機器が運転者の意図に基づいて操作されたこと、およびその操作に現れた運転者の意図を示している。そこでこの発明では、上記のようにして検出された単位操作のデータから運転者の運転志向を判定する。その判定は、単位操作を行った場合の操作量と操作時間とは操作者の志向に応じた一定の関係にある、とする原理もしくは法則を利用して行われる。このような操作量および操作時間と操作志向との相互関係は操作志向相関関係として予め定めておくことができ、そのために利用できる法則として、フィッツ(Fitts)の法則が知られている。フィッツの法則による関係式は、
T=a×Dx
で表すことができる。ここで、Tは操作時間、Dは操作量(操作距離)、aは操作の志向に応じた定数、xは実験やシミュレーションによって求められる定数である。
T=a×Dx
で表すことができる。ここで、Tは操作時間、Dは操作量(操作距離)、aは操作の志向に応じた定数、xは実験やシミュレーションによって求められる定数である。
一方、複数のテストドライバがスポーティな走行を行った場合のアクセル操作の操作時間と操作量とを検出し、それらの検出値を、操作量(操作距離)を横軸に取り、縦軸に操作時間を取ったグラフにプロットし、またそれらのテストドライバが同様の車両でマイルドな走行を行った場合のアクセル操作の操作時間と操作量とを検出し、これを上記のグラフにプロットしたところ、図17が得られた。なお、図17で黒丸はスポーティな走行を行った場合の操作量と操作時間とを示し、白丸はマイルドな走行を行った場合の操作量と操作時間とを示す。スポーティ走行時のデータは特定の傾向を示すようにまとまっており、その中間値もしくは平均値に近い点を求めて線で結ぶと、図17に太い実線で示す曲線が得られる。同様に、マイルド走行時のデータについても同様の処理を行ってその平均値的な点を線で結ぶことにより、図17に太い実線で示す曲線が得られる。これらの曲線は、上記のフィッツの法則による関係式における定数aおよびxを適当な値にした場合に得られる曲線と同じか、きわめて近似しており、そこで、定数xを一定にして定数aを大小に変えて曲線を描くと、上記のスポーティ走行時およびマイルド走行時の曲線に倣った曲線が得られる。これらのことから、操作量および操作時間と操作の志向とは相関関係があり、その関係はフィッツの法則に従う関係となっていることが認められる。したがって、図17に示すグラフあるいはそのデータを制御マップとして予め用意し、実際の操作から得られた操作量と操作時間とを因数としてマップから定数aを求めることにより、その操作を行った運転者の操作志向すなわち運転志向を判定することができる。すなわち、定数aは運転志向を示している。
この発明は上述したベル型操作速度変化パターンおよび、操作量と操作時間と操作志向との相互関係を利用して、運転者の意図した操作を検出するように構成されている。図1はその判定制御の一例を説明するためのフローチャートであって、先ず、運転者が行った操作の速度(その速度の絶対値を含む。以下同じ)が求められる(ステップS11)。この操作速度は、前述したアクセル開度センサ20や操舵角センサ24などのいわゆる変位センサ(もしくは位置センサ)の検出信号を時間微分して求めてもよく、あるいはそれらの操作の速度を直接検出する速度センサを用いて検出してもよい。
ついで、ベル型速度モデル式が設定される(ステップS12)。このステップS12の制御は、前述した図11に示すルーチンにおけるステップS6での制御に相当する(同様の)制御であり、操作速度変化波形についての操作速度や操作量あるいは操作時間などのデータが読み取られて保持される。
そのデータから操作量および操作時間が演算される(ステップS13)。これは、前述したフィッツの法則による関係式における操作量(操作距離)Dおよび操作時間Tに相当する。また一方、ステップS13の制御と相前後して、もしくは並行して、フィッツの法則による関数式が読み込まれる(ステップS14)。この関数式は、前述した定数(べき数)xを実験やシミュレーションなどによって求めて、予め用意しておくことができ、したがって前述した図17で示すマップであってもよい。
前述したようにフィッツの法則による前記の関係式(T=a×Dx)は、操作時間および操作量と操作志向(運転志向)との関係を規定する式となっている。したがって、ステップS13で求められた操作量および操作時間を、ステップS14における関数式に代入することにより、定数aを算出することができ、ステップS15ではこのようにして定数a、すなわち操作志向(運転志向)が算出され、更新される。その後、図1のルーチンが一旦終了される。
こうして得られる定数aあるいは運転志向は、所定の目標を持って意図的に行われた操作が終了することにより直ちに算出されるので、この発明に係る制御装置によれば、運転者の運転志向を迅速に、あるいは遅れを生じることなく判定することができる。そして、このようにして得られる運転志向を車両の制御に反映させることにより、運転者の意図をより良く反映した走行が可能になり、車両のドライバビリティを向上させることができる。
なお、車両が走行している間に行われる操作には、必ずしも意図的には行われていない操作も含まれているから、そのような意図的でない操作によるデータを避けて、運転者の意図すなわち運転志向を判定するために採用するデータを、連続的に生じている操作速度の変化波形から抽出することが好ましい。このような波形もしくはデータの抽出のための制御ステップを追加した制御例を図2に示してある。
ここに示す制御例は、操作速度のピークの有無の判別および操作速度がゼロもしくは速度波形でのいわゆる「谷」の判別を行い、これらの判別の結果に応じて運転志向の判定を行うように構成した例である。すなわち、操作速度が演算(ステップS11)された後、その演算された操作速度に極大値(ピーク)があるか否かが判別される(ステップS16)。このステップS16は、ステップS11で求められた操作速度の変化パターンがいわゆるベル型の波形を描くものであるか否かを判断するためのものであり、ピークの判別は、所定の時点の操作速度とその時点の前後での操作速度とを比較することにより行うことができる。操作速度が連続して増大もしくは減少していることによりピークが生じていないことがステップS16で判別された場合、すなわちステップS16の判断結果が否定的な場合には、特に制御を行うことなく図2のルーチンを一旦終了する。
また、操作速度の変化のパターンにピークが存在していてステップS16で肯定的に判断された場合には、操作速度がゼロになったこと、あるいは操作速度の変化パターンの前述したいわゆる「谷」があることの判別が行われる(ステップS17)。操作速度の変化パターンに前述した区切りが見出せないことによりステップS17の判断結果が否定的である場合には、特に制御を行うことなく図2のルーチンを一旦終了する。なお、操作速度の変化パターンから運転者による単位操作を抽出するためには、その変化パターン(波形)がいわゆるベル型であることが必要であるから、「速度ゼロ・谷の判別」に加えて、前述した条件A〜Eのいずれかが成立すること、もしくは成立しないことを判断し、操作速度の変化を示す波形がいわゆるベル型に相当しないとの判断が成立した場合には、図2のルーチンを一旦終了し、いわゆるベル型に相当するとの判断が成立した場合に次のステップS12に進むように構成してもよい。
上記のステップS17で肯定的に判断された場合、あるいはこれに加えていわゆるベル型の形状評価が成立した場合には、前述したステップS12からステップS15に進み、上記の図1を参照して説明した運転志向の判定のための制御が実行される。
上記の運転志向を車両の制御に反映させる制御の一例は、車両の走行状態に影響する各種の操作機器の制御特性を運転志向に基づいて変更もしくは補正する制御である。図3にはその制御ステップを加えたフローチャートを示してある。図3に示すフローチャートにおけるステップS11、ステップS16、ステップS17、ステップS12からステップS15は、上記の図1や図2に示すフローチャートと同じであり、そのステップS15で前記定数aすなわち運転志向が算出されかつ更新されると、その運転志向に基づいて車両制御特性が演算される(ステップS18)。この車両制御特性は、アクセル操作量に対してスロットル開度や変速比の制御量を設定するいわゆる駆動力特性、あるいは車速毎のアクセル操作量に対してサスペンション機構による車体の支持剛性や支持高さを設定するいわゆる懸架特性、操舵角に対して転舵輪の転舵角を設定し、あるいは発生するべきヨーレートを設定するいわゆる操舵特性など、車両の走行状態を制御する特性である。ステップS18における車両制御特性の演算とは、このような制御特性のいずれかを運転志向に基づいて設定し、あるいは変更する制御であり、具体的には、それらの制御におけるゲインを運転志向に適合する値に設定し、あるいは制御指令値が運転志向に適する走行状態を達成する値となるように、適宜に設けられている補正係数を所定の値に設定する制御である。例えば、運転志向がマイルドな走行を行うものであれば、制御ゲインを小さい値に設定し、あるいは制御量が小さくなるように補正係数の値を設定する。反対にスポーティな走行を希求する運転志向であれば、車両が機敏な挙動を示すように、制御ゲインを大きくし、あるいは制御量が相対的に大きくなるように補正係数の値を設定する。
ここで、車両の前後左右の全方向の加速度もしくはその絶対値に基づいて制御特性(特にスポーティ度)を設定する制御にこの発明を適用した例を説明する。加速度の絶対値に基づいて制御特性を設定する制御では、前後加速度と横加速度との合成加速度を使用し、その合成加速度が従前の値より大きくなることにより、スポーティ度を示す指標の値をスポーティ度が高くなる方向に増大させ、合成加速度が低下した場合には、所定の条件が成立するまで、指標の値を従前の値に保持し、その条件が成立した場合に、スポーティ度が低下する方向に指標を低下させる。この発明の制御装置は、前記指標を低下させる際の制御に適用することができる。
スポーティ度を示す前記指標を決定する合成加速度は、下記の式で演算され、その値は「各瞬間毎のスポーティ度を表している」という意味で、瞬時SPI(瞬時スポーティ指標)とされる。
瞬時SPI=(Gx2+Gy2)1/2
ここで、Gxは前後加速度、Gyは横加速度である。
瞬時SPI=(Gx2+Gy2)1/2
ここで、Gxは前後加速度、Gyは横加速度である。
また、上記の演算式に用いられる前後加速度Gxのうち、加速側加速度もしくは減速側の加速度(すなわち減速度)の少なくともいずれか一方は、正規化処理されたものを用いることが好ましい。すなわち、一般的な車両では、加速側の加速度に対して減速側の加速度の方が大きいが、その相違は運転者にはほとんど体感もしくは認識されず、多くの場合、加速側および減速側の加速度がほぼ同等に生じていると認識されている。正規化処理とは、このような実際の値と運転者が抱く感覚との相違を是正するための処理であり、前後加速度Gxについては、加速側の加速度を大きくし、あるいは減速側の加速度を小さくする処理である。より具体的には、それぞれの加速度の最大値の比率を求め、その比率を加速側あるいは減速側の加速度に掛ける処理である。もしくは横加速度に対する減速側の加速度を補正する処理である。要は、タイヤで生じさせることのできる前後駆動力および横力がタイヤ摩擦円で表されるのと同様に、各方向の最大加速度が所定半径の円周上に位置するように、前後の少なくともいずれか一方を重み付けするなどの補正を行う処理である。したがって、このような正規化処理を行うことにより、加速側の加速度と減速側の加速度との挙動特性に対する反映の程度が異なることになる。
このように、加速度の実際値と運転者が抱く感覚とには、加速度の方向によって相違がある。例えばヨーイング方向やローリング方向での加速度と前後加速度とには、そのような相違があることが考えられる。そこで、方向が異なる加速度ごとの挙動特性に対する反映の程度、言い換えれば、いずれかの方向の加速度に基づく挙動特性の変化の程度を、他の方向の加速度に基づく挙動特性の変化の程度とは異ならせるように構成することが好ましい。
横加速度Gyのセンサ値および上記の正規化処理を行った前後加速度Gyをタイヤ摩擦円上にプロットした例を図4に示してある。これは、一般道を模擬したテストコースを走行した場合の例であり、大きく減速する場合に横加速度Gyが大きくなる頻度は少ないが、減速時にある程度の横加速度Gyが生じるのは一般的な傾向であることが見て取れる。
上記の瞬時SPIから指示SPIが求められる。この指示SPIは、挙動特性を変更する制御に用いられる指標であり、その算出の元になる前記瞬時SPIの増大に対しては直ちに増大し、瞬時SPIの低下に対して遅れて低下するように構成した指標である。特に、所定の条件の成立を要因として指示SPIを低下させるように構成されている。図5には、制動時に加速度(制動G)が生じ、それに伴って変化する瞬時SPIに基づいて求められた指示SPIの変化を示してある。ここに示す例では、瞬時SPIは上記の図4にプロットしてある値で示し、これに対して、指示SPIは、瞬時SPIの極大値に設定され、所定の条件が成立するまで、従前の値を維持するように構成されている。すなわち、指示SPIは、増大側には迅速に変化し、低下側には相対的に遅く変化する指標として構成されている。
具体的に説明すると、図5における制御の開始からT1 の時間帯では、車両に加減速が生じ、その加速度の変化によって得られる瞬時SPIが増減するが、前回の極大値を上回る瞬時SPIが、前述した所定の条件の成立に先行して生じるので、指示SPIが段階的に増大する。これに対してt2 時点あるいはt3 では、低下のための条件が成立したことにより指示SPIが低下する。このように指示SPIを低下させる条件は、要は、指示SPIを従前の大きい値に保持することが好ましくないと考えられる状態が成立することであり、この発明では時間の経過を要因として成立するように構成されている。
すなわち、指示SPIを従前の大きい値に保持することが好ましくないと考えられる状態は、保持されている指示SPIとその間に生じている瞬時SPIとの乖離が相対的に大きく、かつその状態が継続している状態である。したがって、加速後の車速を維持したり、運転者の癖などによってアクセルペダル12を一時的に戻すなど、減速の意図が特にはない操作に起因する瞬時SPIによっては指示SPIを低下させずに、瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態が所定時間継続した場合に、指示SPIを低下させる条件が成立した、とするようになっている。このような指示SPIの低下開始条件(すなわち指示SPIの変更条件)は、瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態の継続時間とすることができ、また実際の走行状態をより的確に指示SPIに反映させるために、指示SPIと瞬時SPIとの偏差の時間積分値(あるいは累積値)が予め定めたしきい値に達することを指示SPIの低下開始条件とすることができる。なお、そのしきい値は、実験やシミュレーションを行って適宜に設定すればよい。後者の積分値を用いるとすれば、指示SPIと瞬時SPIとの偏差および時間を加味して指示SPIを低下させることになるので、実際の走行状態あるいは挙動をより的確に反映した挙動特性の変更制御が可能になる。
なお、図5に示す例では、上記のt2 時点に到るまでの指示SPIの保持時間が、t3 時点に到るまでの指示SPIの保持時間より長くなっているが、これは以下の制御を行うように構成されているためである。すなわち、前述したT1 の時間帯の終期に指示SPIが所定値に増大させられて保持され、その後、前述した低下開始条件が成立する前のt1 時点に瞬時SPIが増大して、保持されている指示SPIとの偏差が予め定めた所定値以下となっている。なお、その所定値は、実験やシミュレーションを行って、あるいは瞬時SPIの算出誤差を考慮して適宜に設定すればよい。このように瞬時SPIが保持されている指示SPIに近くなったということは、保持されている指示SPIの元になった瞬時SPIを生じさせた加減速状態あるいは旋回状態もしくはそれに近い状態になっていることを意味している。すなわち指示SPIを保持されている値に増大させた時点からある程度時間が経過しているとしても、走行状態はその時間が経過する前の時点の走行状態と近似しているので、瞬時SPIが指示SPIを下回る状態が生じていたとしても、前述した低下開始条件の成立を遅延させ、指示SPIを従前の値に保持させることとしたのである。その遅延のための制御もしくは処理は、経過時間の積算値(累積値)や前述した偏差の積分値をリセットして、経過時間の積算や前記偏差の積分を再開したり、あるいはその積算値もしくは積分値を所定量減じたり、さらには積算もしくは積分を一定時間中断したりするなどのことによって行えばよい。
図6は前述した偏差の積分とそのリセットとを説明するための模式図であり、図6にハッチングを施してある部分の面積が積分値に相当する。その過程で、瞬時SPIと指示SPIとの差が所定値Δd以下になったt1 時点に積分値がリセットされ、再度、前記偏差の積分が開始される。したがって、指示SPIを所定の値に保持している継続時間が長くなっても、その低下開始条件が成立しないので、指示SPIは従前の値に維持される。そして、積分を再開した後、瞬時SPIが直前の指示SPIより大きい値になると、指示SPIが瞬時SPIに応じた大きい値に更新され、かつ保持される。
この発明は、上記の指示SPIの低下開始条件を変更する制御に適用することができる。その制御例を図7に示してある。ここに示す例は、操作機器としてアクセルペダルに着目した例であり、先ず、アクセルの戻し操作が行われたか否かが判断される(ステップS21)。これは、アクセル開度センサ20による検出値が減少したことによって判断することができる。アクセル開度が減少したことによってステップS21で肯定的に判断された場合には、その戻し操作速度が演算される(ステップS22)。前述したようにアクセル開度センサ20による検出値を時間微分して速度を求めてもよく、あるいは操作速度を検出するセンサを別途設けて戻し操作速度を検出することとしてもよい。
これに続けて、ピークの有無の判別(ステップS23)、速度ゼロ・谷の判別(ステップS24)、ベル型速度モデル式の設定(ステップS25)、操作量・操作時間の演算(ステップS26)、フィッツ法則の関数式の読み込み(ステップS27)、運転志向(マインド)の算出(ステップS28)が順次実行される。なお、これらステップS23ないしステップS28は、前述した図1や図2あるいは図3に示すステップS16およびステップS17、ならびにステップS12ないしステップS15と同様の制御であり、したがってその説明は省略する。
ステップS28でマインド(すなわち前述した定数a)が算出されると、その算出値に基づいて前記指示SPI指標の保持減少補正係数が演算される(ステップS29)。指示SPIは、その値が大きいことにより、スポーティな特性となるように制御特性を設定する指標であるから、ステップS28で算出されたマインドがスポーティな走行を好む傾向ものであれば、ステップS29では指示SPIの値を保持して低下しにくくなるように係数が演算される。具体的には、前述したように瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態の継続時間がしきい値を超えることを低下開始条件としている場合、あるいは指示SPIと瞬時SPIとの偏差の時間積分値(あるいは累積値)が予め定めたしきい値に達することを指示SPIの低下開始条件としている場合には、それらのしきい値が低下しないように、もしくは大きくなるように補正係数が算出される。なお、その補正係数をしきい値に掛け合わされる係数であってもよく、あるいは加算される係数であってもよい。これとは反対にステップS28で算出されたマインドがマイルドな走行を好む傾向のものであれば、ステップS29では指示SPIの値が低下しやすくなるように係数が演算される。具体的には、前述したように瞬時SPIが指示SPIを下回っている状態の継続時間がしきい値を超えることを低下開始条件としている場合、あるいは指示SPIと瞬時SPIとの偏差の時間積分値(あるいは累積値)が予め定めたしきい値に達することを指示SPIの低下開始条件としている場合には、それらのしきい値が小さくなるように補正係数が算出される。
制御特性を設定する指示SPIが上記のようにして運転志向に応じて変更されると、その指示SPIの値に応じてシャシ特性が演算され(ステップS30)、また駆動力特性が演算される(ステップS31)。これらの特性は、前述したスロットルバルブ10の制御特性、変速機13の変速特性、懸架装置4におけるショックアブソーバー5による減衰特性、アシスト機構18のアシスト特性などをそれぞれに設けられているアクチュエータによって変化させることにより適宜に設定される。その制御特性の変化の一般的な傾向は、指示SPIが大きいほど、車両の挙動が機敏ないわゆるスポーティな走行が可能になる特性への変化である。より具体的には、駆動力が大きくて俊敏な加速が可能な特性、車体がしっかり支持されて沈み込みや浮き上がりが相対的に少ない特性、操舵に対するアシスト量が少なく操舵のいわゆるダイレクト感がある特性である。なお、これらの制御特性の設定あるい変更は、従来、スポーツモードやノーマルモードなどのモード選択スイッチが設けられている車両で実行される制御と同様にして行うことができる。
なお、上記のステップS21およびステップS23ならびにステップS24のいずれかで否定的に判断された場合には、ステップS32に進んで、指示SPIの低下開始条件の成立の判定のための制御が実行される。その一例を前述した偏差の積分値に基づいて低下開始を判定する場合について説明すると、図8はステップS32での制御内容を説明するためのサブルーチンを示しており、先ず、瞬時SPIの値すなわち合成加速度(合成G)の値Iinが演算される(ステップS321)。ついで、その値Iinと既に保持されている指示SPIの値Iout とが比較される(ステップS322)。瞬時SPIの値Iinの方が大きいことによりステップS322で肯定的に判断されると、前述したように、指示SPIの値Iout が更新されて、瞬時SPIの値Iinに置き換えられる(ステップS323)。指示SPIが従前の値Iout に保持されている過程においては、各値Iin,Iout の偏差が累積されているが、指示SPIの値Iout が更新された場合にはその偏差積分値Dがリセットされ(ステップS324)、リターンする。すなわち、偏差積分値Dが、
D=0
として設定される。
D=0
として設定される。
一方、ステップS322で否定的に判断された場合、すなわち瞬時SPIの値Iinが指示SPIの値Iout 以下の場合には、指示SPIの値Iout と瞬時SPIの値Iinとの偏差Δdが演算される(ステップS325)。すなわち、偏差Δdは、
Δd=Iout −Iin
として算出される。
Δd=Iout −Iin
として算出される。
次いで、指示SPIの値Iout と瞬時SPIの値Iinとの偏差積分値Dが演算される(ステップS326)。
D=D+偏差Δd
D=D+偏差Δd
そして、上記の指示SPIの値Iout と瞬時SPIの値Iinとの偏差積分値Dが、予め設定した減少開始しきい値D0 よりも小さいか否かが判断される(ステップS327)。この減少開始閾値D0 は、指示SPIの値Iout を所定値に保持している場合にその指示SPIの値Iout の減少を開始するまでの時間を規定するためのしきい値であり、言い換えると、指示SPIの値Iout の値を従前の値に保持する時間の長さを規定するためためのしきい値である。したがって偏差積分値Dがこの減少開始閾値D0 以上になった場合に、指示SPIの値Iout の減少の開始を判定するように設定されている。
したがって、指示SPIの値Iout と瞬時SPIの値Iinとの偏差積分値Dが減少開始しきい値D0 よりも小さいことにより、このステップS327で肯定的に判断された場合は、指示SPIの値Iout を従前の値に保持したままとするために、特に制御を行うことなく図8のルーチンを一旦終了する。これに対して、指示SPIの値Iout と瞬時SPIの値Iinとの偏差積分値Dが減少開始しきい値D0 以上であることによって、ステップS327で否定的に判断された場合には、ステップS328へ進み、指示SPIの値Iout が減少させられる。なお、その減少のさせ方は、運転者に違和感を与えないように適宜に設定することができる。
図8に示す制御を実行するように構成した場合には、上述した図7におけるステップS29では、上記の減少開始しきい値D0 を運転志向に応じて大小に変更する補正係数を演算することになる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、制御特性をスポーティ特性とマイルド特性との二つの特性に切り替える構成以外に、前述した定数aのように、運転特性を連続的に変化する数値で検出し、その数値に基づいて制御特性を変更もしくは設定することにより、制御特性を連続的に、すなわち無段階に変化させるように構成することもできる。また、この発明で採用する「操作志向相関関係」は、前述したフィッツの法則に正確に一致する関係である必要は特にはなく、フィッツの法則の関係式を修正した関係式で表される相関関係であってもよい。
Claims (5)
- 運転者の運転志向に適合するように車両の制御特性を設定する車両の制御装置において、
前記車両の走行状態を変化させる前記運転者による操作の操作速度の変化のパターンに基づいて前記運転者の意図的な操作を検出し、
操作量および操作時間と操作志向との相互関係を予め定めた操作志向相関関係と、前記意図的な操作の操作量と、前記意図的な操作の操作時間とに基づいて前記運転志向を判定するように構成されている
ことを特徴とする車両制御装置。 - 前記操作志向相関関係は、フィッツの法則によって、前記操作量および操作時間と操作志向とを数式化した関係を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記制御特性は、前記操作に基づく車両の挙動の変化が俊敏となるスポーツ特性と、前記操作に基づく車両の挙動の変化が前記スポーツ特性に比較して緩慢になるマイルド特性とを含み、
前記車両の少なくとも前後方向および横方向の加速度を合成した合成加速度の絶対値が大きい場合にはその合成加速度の絶対値が小さい場合に比較して前記スポーツ特性の傾向が強い制御特性を指示し、かつ前記合成加速度の絶対値が増大した場合に前記スポーツ特性の傾向が強い制御特性を指示するように変化するとともに、前記合成加速度の絶対値が低下した場合には所定の変更条件が成立するまで従前の値を保持する指標を設定する手段と、
前記意図的な操作の操作速度の変化のパターンに基づいて判定された前記運転志向に基づいて前記所定の変更条件を変更する手段と
を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。 - 前記所定の変更条件の変更は、前記意図的な操作の操作速度の変化のパターンに基づいて判定された前記運転志向が、前記スポーツ特性での車両の挙動に適する運転志向の場合には前記変更条件を成立しにくくし、かつ前記意図的な操作の操作速度の変化のパターンに基づいて判定された前記運転志向が、前記マイルド特性での車両の挙動に適する運転志向の場合には前記変更条件を成立し易くする制御を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
- 前記制御特性は、前記車両の加減速操作に基づいて駆動力を変化させる駆動力特性と、操舵操作に基づいて旋回量を変化させる操舵特性との少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両制御装置。
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