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JP5231143B2 - アルミニウム製ヒートパイプ - Google Patents

アルミニウム製ヒートパイプ Download PDF

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Description

この発明は、アルミニウム製コンテナの内部に封入された凝縮性の作動流体の蒸発・凝縮の相変化によって熱を輸送するアルミニウム製ヒートパイプに関し、不可避的に生じる水素ガスを酸化第二銅によって酸化させて水を生成するように構成したアルミニウム製ヒートパイプに関するものである。
周知のようにアルミニウム製ヒートパイプは、作動流体の潜熱を利用して熱輸送をおこなう伝熱素子であり、密閉構造のコンテナの内部に凝縮性の流体を封入して構成されている。したがってコンテナは長期にわたって気密性を維持するものが好ましく、またそれ自体の熱伝導性が高いものが好ましい。そのため従来では、銅あるいは銅合金によってコンテナを形成するのが一般的である。また、外部からのわずかな入熱で作動流体が蒸発する必要があるので、コンテナの内部は高真空状態に維持する必要がある。
コンテナの材質に酸化アルミニウムを使用したアルミニウム製ヒートパイプでは、コンテナを形成しているアルミニウムと作動流体とが反応して非凝縮性の水素ガスが発生する場合がある。コンテナの内部に発生した水素ガスは、コンテナ内部の真空状態を低下させて、作動流体の蒸気化や蒸気化した作動流体の流動を阻害してアルミニウム製ヒートパイプの熱輸送能力を低下させる。このような、ヒートパイプの熱輸送を阻害する水素ガスを除去できるように構成された例が下記の特許文献に記載されている。
特許文献1には、発生した水素を、コンテナに同封したタンタルとの親和性の高さを利用して除去する技術が記載されている。
特許文献2には、コンテナ内に封入した酸化第二銅により水素ガスを酸化させて水を生成することが記載されている。
また特許文献3には、酸化第二銅を水素ガスの酸化剤として使用する場合に、二酸化クロムを少量混入することで、水素ガスの除去率が向上することが記載されている。
さらにまた特許文献4には、コンテナ内に封入した二酸化鉛により水素ガスを酸化させて水を生成することが記載されている。
米国特許第4,043,387号明細書 米国特許第4,782,890号明細書 米国特許第4,884,628号明細書 米国特許第6,209,625号明細書
銅または銅合金によってコンテナを形成すれば、熱伝導性や気密性が良好になり、また加工性の良いヒートパイプを得ることができる。しかしながら、銅や銅合金はコストが高い傾向にある。そこで、銅などより安価で入手しやすいアルミニウムをコンテナに使用することが考えられるが、作動流体として水やアルコールを使用すると水素ガスが発生し、比較的短期に熱輸送能力が低下する虞がある。
その水素ガスを除去するために、上記の各特許文献に記載された技術を応用することが可能である。しかしながら、それらの特許文献に記載されているように、水素ガスを除去するための物質をコンテナの内部にパウダの形で保持するなどの構造では、倒置されるなど使用時の姿勢が変化するアルミニウム製ヒートパイプにあっては、パウダを安定的に保持できない虞がある。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、水素ガス除去材を凝縮部の内壁に押圧させることによりコンテナに保持させて、水素ガスを酸化して水を生成するアルミニウム製ヒートパイプを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、気密状態に密閉されたアルミニウムから成るコンテナの内部表面にアルミニウムの不動態層が形成され、また該コンテナの内部に封入され、加熱されて蒸気化した作動流体が放熱することによって凝縮される凝縮部に、前記作動流体と前記コンテナとが化学反応することによって生じる水素ガスを除去する水素ガス除去材が設けられているアルミニウム製ヒートパイプにおいて、前記凝縮部の内壁面の複数箇所に、前記水素ガス除去材が接触して嵌め込まれ、前記嵌め込まれた前記水素ガス除去材と前記凝縮部の内壁面との間に空隙が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記コンテナの内部に配置され、前記コンテナとリング状に形成された前記水素ガス除去材に、突形状に形成され、リング状に形成された前記水素ガス除去材の外周に同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材の一方の端部が連結され、前記突形状に形成され、同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材の他方の端部が前記凝縮部の内壁面に接触して嵌め込まれ、前記リング状に形成された前記水素ガス除去材と前記凝縮部の内壁面との間もしくは前記突形状に形成され、リング状に形成された前記水素ガス除去材の外周に同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材間に空隙が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記凝縮部の内壁面に、内歯車形状に形成された前記水素ガス除去材が嵌め込まれていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3の発明において、前記水素ガス除去材は、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかによって形成されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記水素ガス除去材は、金属酸化物からなる多孔質体の表面に、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかとを担持して構成されていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記金属酸化物は、酸化アルミニウムあるいは酸化亜鉛のいずれかを含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、水素ガス除去材が凝縮部の内壁面の複数箇所に、接触して嵌め込まれているので、アルミニウム製ヒートパイプに水素ガス除去材を組み込むことが容易となる。また水素ガス除去材と凝縮部の内壁面との間に空隙が設けられ、凝縮部の内壁が露出しているので、蒸気化した作動流体を凝縮させる凝縮部の内壁面積を確保することができる。これによって、蒸気化した作動流体の凝縮を阻害せず、また水素ガス除去材が凝縮した作動流体によって覆われることを抑制することができる。さらに、水素ガス除去材によって不可避的に発生する水素ガスを除去することが可能となるので、水素ガスによるアルミニウム製ヒートパイプの熱輸送能力の低下、短寿命化を防止もしくは抑制することができる。さらにまた、水素ガス除去材がコンテナの内部空間に設けられるので、コンテナの内部空間を有効に活用できる。以上によって不可避的に発生する水素ガスを除去することが可能となることから、コンテナの材質にアルミニウムを用いることができ、銅や銅合金から成るヒートパイプと比較して、低コスト化および軽量化が図れる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、コンテナの内部空間を活用して水素ガス除去材と水素ガスとの接触面積を大きくすることができるので、効果的な水素ガス除去ができる。また、空隙が多数設けられているので、コンテナの内部に設けられた水素ガス除去材が蒸気化した作動流体の流動を阻害することを、抑制することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、水素ガス除去材と水素ガスとの接触面積を大きくすることができるので、効果的な水素ガス除去ができる。また、コンテナの内部空間の中心に水素ガス除去材が設けられていないので、水素ガス除去材が蒸気化した作動流体の流動を阻害することを、防止もしくは抑制することができる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明による効果と同様の効果に加えて、水素ガス除去材は、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかから形成されているので、アルミニウムから成るコンテナと作動流体との化学反応によって生じる水素ガスは酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムによって酸化されて水になり、除去することができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明による効果と同様の効果に加えて、水素ガス除去材は金属酸化物から成る多孔質体の表面に、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかが担持されて形成されているので、凝縮部の内壁面に水素ガス除去材を設けた場合と比較して、水素ガスを酸化させる面積を大きくすることができる。また、水素ガス除去材を担持させる多孔質体は、金属酸化物から構成されているので、焼成などの加熱処理によって比較的容易に所望の形状に成形することができる。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明による効果と同様の効果に加えて、多孔質体を構成する金属酸化物に所定量の酸化亜鉛あるいは酸化アルミニウムが含まれているので、焼成などの加熱処理を経ることによりそれら酸化金属の緻密な多孔質体を成形することができる。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。図1に、この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1を模式的に示してある。アルミニウム製ヒートパイプ1のコンテナ2は、アルミニウム製のパイプ材を封止して中空密閉状態としたものである。このコンテナ2は、A−A’横断面が円形状をなすように構成されている。なお、扁平型のアルミニウム製ヒートパイプ1であってもよい。またコンテナ2の内部には、真空脱気された状態で、凝縮性の作動流体として純水あるいはアルコール類が封入されている。
このアルミニウム製ヒートパイプ1の一方の端部は、加熱されてコンテナ2の内部の作動流体を蒸発させる蒸発部3であり、他方の端部が放熱して作動流体を凝縮させる凝縮部4とされ、それらの中間部位が断熱部5とされている。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1では、内外表面に酸化アルミニウムの不動態層が形成されているアルミニウムをコンテナ2に用い、純水を作動流体に用いている。また図1に示してあるアルミニウム製ヒートパイプ1は、重力を利用して作動流体の還流をおこなうサーモサイフォン式アルミニウム製ヒートパイプ1であるが、毛細管力を生じさせて作動流体の還流をおこなうウィック式アルミニウム製ヒートパイプであってもよい。このアルミニウム製ヒートパイプ1の内部には、凝縮部4の内壁面7の複数箇所に接触して、水素ガス除去材6が嵌め込まれている。
図2に、アルミニウム製ヒートパイプ1のA−A’断面図を模式的に示してある。図2に示す水素ガス除去材6は、焼結によってY字型に成形した。ここで、水素ガス除去材6には、酸化亜鉛から成る多孔質体に、酸化第二銅(CuO)を担持させた。なお、この発明においては、水素ガス除去材6として酸化第二銅(CuO)の他に、二酸化鉛(PbO)あるいは過酸化バリウム(BaO)を用いることができる。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1の製造方法を説明する。先ず、アルミニウム製ヒートパイプ1の仕様に合わせて、所定の長さ、厚みのアルミニウムパイプを用意する。このアルミニウムパイプを炭化フッ素系の洗浄剤を用いて洗浄し、100℃、1時間乾燥させる。洗浄したアルミニウムパイプは1〜30v/v%過酸化水素水に、室温にて、24時間浸してアルマイト処理し、アルミニウム表面に酸化アルミニウム被膜を形成させる。
アルマイト処理したアルミニウムパイプは一方の端部を閉塞し、有底円筒形状に成形される。この場合に、後述する方法によって製造された水素ガス除去材6を最終的に凝縮部4となるコンテナ2の内部に嵌め込む。次いでコンテナ2の体積、パイプの長さなどを考慮して所定量の純水をパイプ内に封入する。この場合に、純水の封入には、真空脱気法や蒸発追い出し法などの従来知られている方法を用いることができる。そして最後に仕様に合わせてパイプの他方の端部を溶接などにより閉塞する。
前述した水素ガス除去材6の製造方法を説明する。25v/v%のペースト状の酸化亜鉛と75v/v%のペースト状の酸化第二銅との混合物を型に流し込み、350℃にて、30分間処理し、酸化亜鉛と酸化第二銅とを焼結させて、所望の形状の水素ガス除去材6を得る。ここで、前述した酸化亜鉛の変わりに酸化アルミニウムを用いてもよい。この時、水素ガス吸着材(図示せず)として、パラジウム、白金あるいはルテニウムをペーストに5v/v%混合してもよい。酸化第二銅を担持させた酸化亜鉛の多孔質体は、炭化フッ素系の洗浄剤を用いて洗浄し、100℃、1時間乾燥させる。なお、二酸化鉛(PbO)あるいは過酸化バリウム(BaO)を用いて水素ガス除去材6を形成させる場合は、前述した製造方法において、酸化第二銅との記載箇所を二酸化鉛もしくは過酸化バリウムに置き換えればよい。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1の動作例について説明する。図2は、コンテナ2のA−A’線の断面図である。図2に示した形状の水素ガス除去材6が封入されたアルミニウム製ヒートパイプ1では、図示しない発熱源から蒸発部3に熱が伝熱されると、コンテナ2の内部の純水が蒸発し、蒸気化した純水が温度および圧力の低い凝縮部4に流動する。凝縮部4に至った蒸気化した純水は、凝縮部4の内壁面7から放熱されて凝縮して液化する。凝縮した純水は、重力により蒸発部3へ還流される。この場合に、水素ガス除去材6と凝縮部4の内壁7との間に空隙8が設けられているので、蒸気化した純水の流動を妨げることがない。また、この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1は、アルミニウム表面を過酸化水素水によりアルマイト処理を施してあるが、不可避的に、コンテナ2の内部に封入された純水が相変化を繰り返す場合に、コンテナ2のアルミニウムと純水とが反応して、水酸化アルミニウムが形成され、不凝縮性ガスである水素ガスが発生する場合がある。
2Al+6HO→2Al(OH)+3H (1)
水酸化アルミニウムが図示しない発熱源からの熱を受熱して、酸化アルミニウムに変化する場合においても、水素ガスが発生する。
2Al(OH)→Al+3H (2)
前述した(1)式や(2)式に示した化学反応によって発生した水素ガスは、アルミニウム製ヒートパイプ1の内部の蒸気の流れと同様に、コンテナ2の内部の圧力差によって、凝縮部4に流動する。凝縮部4に到達した水素ガスは、水素ガス除去材6と接触して酸化され、水を生成して、蒸発部3へ還流される。水素ガスは下記反応式のように酸化されて水を生成する。
水素ガス除去材6に酸化第二銅を担持させた場合の水素ガスの酸化反応式を以下に示す。
CuO+H→Cu+HO (3)
水素ガス除去材6に二酸化鉛を担持させた場合の水素ガスの酸化反応式を以下に示す。
PbO+H→PbO+HO (4)
水素ガス除去材6に過酸化バリウムを担持させた場合の水素ガスの酸化反応式を以下に示す。
BaO+H→BaO+HO (5)
すなわち、図2に示す構成のアルミニウム製ヒートパイプ1に、(1)式や(2)式に示す化学反応によって発生した水素ガスは、水素ガス除去材6によって(3)式ないし(5)式に示した酸化反応をおこなって水に酸化される。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1に他の形状の水素ガス除去材6を用いた場合の動作例について説明する。なお、前述した構成と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図3は、コンテナ2のA−A’線の断面図である。図3に示した水素ガス除去材6は、蒸発部3からの蒸気化した純水の流動を妨げないように、その中央に空隙8が形成されている。また蒸気化した純水と凝縮部4との接触もしくは凝縮した純水の還流を妨げないために、水素ガス除去材6と凝縮部4との間にも空隙8が形成されている。
図示しない発熱源から蒸発部3に熱が伝熱されると、コンテナ2の内部の純水が蒸発し、蒸気化した純水が凝縮部4に流動する。蒸気化した純水は、その熱が凝縮部4の内壁面7から放熱され凝縮する。凝縮した純水は、重力により蒸発部3へ還流される。この場合に、水素ガス除去材6と凝縮部4の内壁面7との間に空隙8が設けられているので、蒸気化した純水の流動を妨げることがない。また、(1)式や(2)式に示す化学反応によって発生した水素ガスは、水素ガス除去材6によって(3)式ないし(5)式に示した酸化反応をおこなって水に酸化される。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプ1にさらに他の形状の水素ガス除去材6を用いた場合の動作例について説明する。なお、前述した構成と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図4は、コンテナ2のA−A’線の断面図である。図4に示した水素ガス除去材6は、蒸気化した純水の流動を妨げないように、その中央に空隙8が形成されている。また蒸気化した純水と凝縮部4との接触もしくは凝縮した純水の還流を妨げないために、水素ガス除去材6と凝縮部4との間にも空隙8が形成されている。さらにまた、水素ガス除去材6は、水素ガスとの接触面積を拡大するために、コンテナ2の中心軸線および内壁面7に向けてひだ状かつ無端状に形成されている。
図示しない発熱源から蒸発部3に熱が伝熱されると、コンテナ2の内部の純水が蒸発し、蒸気化した純水が凝縮部4に流動する。蒸気化した純水は、その熱が凝縮部4の内壁面7から放熱され凝縮する。凝縮した純水は、重力により蒸発部3へ還流される。この場合に、水素ガス除去材6と凝縮部4の内壁面7との間に空隙8が設けられているので、蒸気化した純水の流動を妨げることがない。また、(1)式や(2)式に示す化学反応によって発生した水素ガスは、水素ガス除去材6によって(3)式ないし(5)式に示した酸化反応をおこなって水に酸化される。さらに、水素ガス除去材6のひだ形状によって、水素ガスと水素ガス除去材6との接触面積が確保されている。
水素ガス除去材6が酸化第二銅(CuO)あるいは二酸化鉛(PbO)あるいは過酸化バリウム(BaO)を担持していることにより、水素ガスを水に酸化させることができる。そしてまた、水素ガスを除去できることにより、アルミニウム製ヒートパイプ1の熱伝達効率の低下を防止もしくは抑制することができる。また、水素ガス吸着材をも使用した場合においては、水素ガス除去材6よりも水素ガスとの反応エネルギが低いことにより、水素ガス除去材6の反応エネルギに達しない場合においても、水素ガスを除去することができる。
なお、前述した実施例では、サーモサイフォン式アルミニウム製ヒートパイプ1を用いた例を示しているが、これに限定されることなく、作動流体の還流手段としてウィックおよび細溝を用いたアルミニウム製ヒートパイプであってもよい。また、この発明で「アルミニウム」あるいは「アルミニウム製」とは、アルミニウム合金あるいはアルミニウム合金製を含む。
この発明に係るアルミニウム製ヒートパイプを模式的に示す図である。 この発明における水素ガス除去材の一形状の断面を模式的に示す図である。 この発明における水素ガス除去材の他の形状の断面を模式的に示す図である。 この発明における水素ガス除去材のさらに他の形状の断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1…アルミニウム製ヒートパイプ、 2…コンテナ、 4…凝縮部、 6…水素ガス除去材、 7…内壁面、 8…空隙。

Claims (6)

  1. 気密状態に密閉されたアルミニウムから成るコンテナの内部表面にアルミニウムの不動態層が形成され、また該コンテナの内部に封入され、加熱されて蒸気化した作動流体が放熱することによって凝縮される凝縮部に、前記作動流体と前記コンテナとが化学反応することによって生じる水素ガスを除去する水素ガス除去材が設けられているアルミニウム製ヒートパイプにおいて、
    前記凝縮部の内壁面の複数箇所に、前記水素ガス除去材が接触して嵌め込まれ、前記嵌め込まれた前記水素ガス除去材と前記凝縮部の内壁面との間に空隙が設けられていること
    を特徴とするアルミニウム製ヒートパイプ。
  2. 前記コンテナの内部に配置され、前記コンテナとリング状に形成された前記水素ガス除去材に、突形状に形成され、リング状に形成された前記水素ガス除去材の外周に同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材の一方の端部が連結され、前記突形状に形成され、同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材の他方の端部が前記凝縮部の内壁面に接触して嵌め込まれ、前記リング状に形成された前記水素ガス除去材と前記凝縮部の内壁面との間もしくは前記突形状に形成され、リング状に形成された前記水素ガス除去材の外周に同心円状に配列された複数の前記水素ガス除去材間に空隙が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のアルミニウム製ヒートパイプ。
  3. 前記凝縮部の内壁面に、内歯車形状に形成された前記水素ガス除去材が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム製ヒートパイプ。
  4. 前記水素ガス除去材は、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかによって形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニウム製ヒートパイプ。
  5. 前記水素ガス除去材は、金属酸化物からなる多孔質体の表面に、酸化第二銅あるいは二酸化鉛あるいは過酸化バリウムのいずれかとを担持して構成されていることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム製ヒートパイプ。
  6. 前記金属酸化物は、酸化アルミニウムあるいは酸化亜鉛のいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム製ヒートパイプ。
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