JP5229005B2 - 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 - Google Patents
含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5229005B2 JP5229005B2 JP2009052996A JP2009052996A JP5229005B2 JP 5229005 B2 JP5229005 B2 JP 5229005B2 JP 2009052996 A JP2009052996 A JP 2009052996A JP 2009052996 A JP2009052996 A JP 2009052996A JP 5229005 B2 JP5229005 B2 JP 5229005B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monomer
- group
- fluorine
- carbon atoms
- acrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Description
含フッ素アクリレート系ポリマーの製造のために乳化重合を用いる場合、乳化剤の量を多量にする必要があることや乳化剤の種類が限られるといった問題や、他の非フッ素モノマーとの相溶性が劣るため補助溶剤を使用しなければならないという問題があった。また、含フッ素アクリレート系ポリマーの製造のために溶液重合を用いる場合、含フッ素アクリレート系モノマーの重合溶媒に対する溶解性が低く、充分なモノマー溶液が得られないという問題があった。
また、含フッ素アクリレート系ポリマーの性能については、基材に充分な撥水性を与えることができないという問題がある。この問題は、長いフルオロアルキル鎖が与える過度の疎水性に原因すると考えられる。
特開昭63-90588、特開昭63-99285および特開平1-315471は、α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーは基材等への接着性が良好で膜強度も強靭でかつ撥水撥油性が良好であるなど優れた特性をもつということを開示している。これら公報においても、実施例において使用されているフルオロアルキル基の炭素数は8以上であり、6以下の炭素数のフルオロアルキル基を有するアクリレート系モノマーを用いるということは考えられていない。
一方、Federal Register(FR Vol.68,No.73/April 16,2003[FRL-2303-8])
(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafr.pdf)や
EPA Environmental News FOR RELEASE: MONDAY APRIL 14, 2003
EPA INTENSIFIES SCIENTIFIC INVESTIGATION OF A CHEMICAL PROCESSING AID(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoaprs.pdf)や
EPA OPPT FACT SHEET April 14, 2003(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf)は、「テロマー」が分解または代謝によりPFOAを生成する可能性があると公表している。また、「テロマー」が、泡消火剤;ケア製品と洗浄製品;カーペット、テキスタイル、紙、皮革に設けられている撥水撥油被覆および防汚加工被覆を含めた多くの製品に使用されていることをも公表している。
また、本発明の目的は、上記「テロマー」とは異なる化学骨格構造をもつ代替化合物を提供する。
(A)式:
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、
(B)フッ素原子を含まない単量体から誘導された構成単位、および
(C)必要により存在する、架橋性単量体から誘導された構成単位
を有して成る含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤を提供する。
本発明の表面処理剤を構成する含フッ素重合体は、(a)α位がX基で置換されている式(I)の含フッ素単量体、(b)フッ素原子を含まない単量体、および場合により存在する(c)架橋性単量体を含んでなる共重合体である。
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH2CH(OY1)CH2−基(但し、Y1は水素原子またはアセチル基である。)である。脂肪族基はアルキレン基(特に炭素数1〜4、例えば、1または2)であることが好ましい。芳香族基および環状脂肪族基は、置換されていてもあるいは置換されていなくてもどちらでもよい。
CH2=CA1COOA2
[式中、A1は水素原子またはメチル基、A2はCnH2n+1(n=1〜30)で示されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート類であってよい。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜10時間、加熱撹拌する方法が採用される。重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、例えば0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
シャワー撥水性は、JIS-L-1092のスプレー法による撥水性No。(下記表1参照)をもって表す。
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(イソプロピルアルコール(IPA)、水、及びその混合液、表2に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験液を試験布上に 0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥水性は、パスした試験液のイソプロピルアルコール(IPA)含量(体積%)の最大なものをその点数とし、撥水性不良なものから良好なレベルまでFail、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の12段階で評価する。
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(表3に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験布上に 0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥油性は、パスした試験液の最高点数とし、撥油性不良なものから良好なレベルまでFail、1、2、3、4、5、6、7、及び8の9段階で評価する
製造例及び比較製造例で得られたポリマーについて試験溶液(酢酸エチル中に3mass%)を作成し室温(25℃)で24時間放置し、沈降の発生を観察する
〇:全く沈降なし
△:わずかに沈降あり
×:多く沈降あり
製造例1
9F-Alc/αFモノマーの合成
200ml4つ口フラスコに2-フルオロアクリル酸 19g(0.21mol)とトリエチルアミン 22.94g(0.23mol)を仕込み、攪拌下30分間窒素パージを行った。その後内温が5℃になるまで氷冷後、窒素気流下で内温の上限が15℃となるように、4.5時間掛けて2-(パーフルオロブチル)エタノール(9F-Alc) 54.52g(0.21mol)を滴下した。滴下終了後、発熱反応が収まるまで30分間内温が5℃となるように氷冷しつづけた。その後室温まで昇温して内温が上昇しないことを確認し、1時間反応を熟成させた。反応液をろ過して一晩放置後、10%NaHCO3水溶液で中和後3回水洗し、茶褐色の液体54.00g(収率 77.82%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
9F-Alc/αClモノマーの合成
200ml4つ口フラスコに、2-クロロアクリル酸20g(0.19mol)、2-(パーフルオロブチル)エタノール(9F-Alc) 59.49g(0.23mol)、p-トルエンスルホン酸1.06g(0.0056mol)、t-ブチルカテコール0.16g(0.001mol)、シクロヘキサン90g(1.07mol)を入れて、反応器内温を80℃となるように加熱し、Dean-Stark法を用いて脱水縮合反応を行った。16時間反応させた。反応終了後、反応溶液中の少量の茶色沈殿物を濾過し、水洗を3回行ったのち溶媒と過剰の9F-Alcをエバポレーターで除去し、茶褐色の液体46.86g(収率 70.79%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
9F-Alc/αF ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに製造例1で合成したモノマー(9F-Alc/αFモノマー )15g (0.047mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した黄色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥してクリーム色のフレーク状の固体 10.59g (ポリマー収率70.60%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
9F-Alc/αCl ホモポリマー
100ml 4つ口フラスコに製造例2で合成したモノマー9F-Alc/αClモノマー 10g (0.028mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)80.95gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5.24gに溶かしたパーブチルPV 1.08g (0.062mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物8.17g(ポリマー収率81.77%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
9F-Alc/αF StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに製造例1で合成したモノマー(9F-Alc/αFモノマー )7.00g(0.021mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47gを仕込み、30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F-Alc/αFモノマーとテアリルアクリレートモノマー のピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出したクリーム色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥してクリーム色でゴム状の化合物7.12g(ポリマー収率71.2%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
9F-Alc/αCl StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに製造例2で合成したモノマー(9F-Alc/αClモノマー)7.00g(0.020mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47g(0.19mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた後。トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を追加し6時間反応させた。
9F-Alc/AA ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)15g (0.047mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45gを仕込んで30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、白色水あめ状沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、非常に粘度の高い透明な液状化合物9.36g (ポリマー収率62.40%)が得られた。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
17F-Alc/AA ホモポリマー
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820)15g (0.03mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.45g (0.40mol)を仕込んで30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 7.86gに溶かしたパーブチルPV 1.61g(0.0092mol)を添加し、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉末状化合物 12.55g (ポリマー収率83.33%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
9F-Alc/AA StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)7.00g(0.022mol)、ステアリルアクリレート 3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)56.47g(0.19mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応後、トリクロロエタン 3.67gに溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を追加して、さらに6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F-Alc/AAモノマーとステアリルアクリレートモノマーのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、白色沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、非常に粘度の高い白濁した液状化合物7.06g (ポリマー収率70.60%)が得られた。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
17F-Alc/AA StA 共重合体
200ml 4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820)21.00g(0.041mol)、ステアリルアクリレート 9.00g(0.028mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)170.00g(0.56mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 11.00gに溶かしたパーブチルPV 02.25g(0.013mol)を添加し、5時間反応させた。続けて更にトリクロロエタン 3.67g(0.027mol)に溶かしたパーブチルPV 0.75g(0.0043mol)を再添加して、5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、17F-Alc/AAモノマーとステアリルアクリレート のピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉末状の化合物27.07g(ポリマー収率90.23%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
17F-Alc/αClモノマーの合成
遮光した500mlの4つ口フラスコに2-(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート(17F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1820) (251g,484mmol)、トリエチルアミン(1.47g、14.5mmol)、t-ブチルカテコール(0.1g)を加え、塩素を室温〜50℃で17時間かけて吹き込み、ジクロロ体(285g)を得た。
G.C.分析より、転化率100%、ジクロロ体選択率97%(G.C.Area)であった。目的化合物の構造は1H-nmrでおこなった。
つぎに2Lの3角フラスコにクロロホルム640g、t-ブチルカテコール(0.1g)を加え、氷冷しながらトリエチルアミン(58.7g、581mmol)を加えた。発熱が収まったら氷冷下でジクロロ体(285g,484mmol、G.C.純度97%)をゆっくり添加した。全量を加えた後、室温で30分程度反応させて、ジクロロ体の消失をG.C.により確認した。
つぎに、水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、エバポレートしてクロロホルムを除去し褐色の固体224g(収率84%)を得た。生成物の同定は、1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
17F-Alc/αCl ホモポリマー
100ml 4つ口フラスコに比較製造例5で合成したモノマー17F-Alc/αClモノマー 15g (0.027mol)とテトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)121.4gを仕込んで30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5.gに溶かしたパーブチルPV1.61 g (0.0067mol)を添加し、4時間反応させた後さらにトリクロロエタン2gに溶かしたパーブチルPV 0.32g (0.0013mol)を添加し1時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、モノマーピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物12.4g(ポリマー収率83%)を得た。ポリマーの同定は1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。
17F-Alc/αCl StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに比較製造例5で合成したモノマー(17F-Alc/αClモノマー)14.00g(0.025mol)、ステアリルアクリレート 6.00g(0.019mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S-316)113.3g (0.373mol)を仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン 5gに溶かしたパーブチルPV 1.5g(0.0062mol)を添加し4時間反応させた後、トリクロロエタン 3gに溶かしたパーブチルPV0.3g(0.0012mol)を追加し6時間反応させた。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えて析出した白色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥して白色粉体の化合物17.2g(ポリマー収率86%)を得た。ポリマーの同定は1H-nmr、19F-nmr、13C-nmrで行った。ポリマーにおけるモノマー組成は、仕込み組成とほぼ同様であった。
製造例3で得られたポリマー 6gをHCFC225 600gに溶解した。この試験溶液 150gにナイロン試験布(510mm×205mm)×3枚を浸漬(約5分間)後、遠心脱水機で脱溶媒(500rpm、20秒間)を行った。同じ操作をPET試験布(510mm×205mm)×3枚、PET/綿混紡試験布((510mm×205mm)×3枚、綿試験布(510mm×205mm)×3枚についておこなった。その後夫々の試験布を28℃で一晩乾燥した。
3重量%濃度の酢酸エチル中のポリマー溶液の25℃および24時間における貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
製造例4で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
製造例5で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
製造例6で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
製造例1で合成した9F-Alc/αFモノマーをイソプロピルアルコール、トルエン、n-ヘプタン、ミネラルスピリット、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートのそれぞれに3mass%の濃度で溶解させ、室温(25℃)で24時間放置した。沈降の発生を観察した。評価の基準は貯蔵安定性試験と同様であった。結果を表7に示す。
製造例2で合成した9F-Alc/αClモノマー、比較製造例1でした使用した2-(パーフルオロブチル)エチル アクリレート(9F-Alc/AA)(ダイキン化成品販売(株)製R-1420)、パーフルオロアクリレートモノマー[CF3CF2(CF2CF2)nCH2CH2OC(=O)CH=CH2(n=3、4、5,6、7=50mass%、25mass%、12mass%、6mass%、3mass%の混合物)](17F-Alc/AA)についても同様に溶解性試験をおこなった。結果を表7に示す。
比較例1
比較製造例1で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
試験溶液の貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
比較製造例2で得られたポリマーについて試験溶液の貯蔵安定性を測定した。結果を表6に示す。
比較製造例3で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
試験溶液の貯蔵安定性も測定した。結果を表6に示す。
比較製造例4で得られたで得られたポリマーについて試験溶液の貯蔵安定性を測定した。結果を表6に示す。
比較製造例6で得られたポリマー 6gをHCFC225 600gに溶解した。この試験溶液 150gに綿試験布(510mm×205mm)×3枚を浸漬(約5分間)後、遠心脱水機で脱溶媒(500rpm、20秒間)を行った。その後試験布を28℃で一晩乾燥した。
試験結果を表8に示す。
比較製造例7で得られたポリマーを比較例5と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。試験結果を表8に示す
Claims (8)
- 構成単位(A)において、Rf基の炭素数が1〜4である請求項1に記載の撥水撥油剤。
- 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレン、および炭素数1〜30のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択された請求項1または2記載の撥水撥油剤。
- 構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、一般式:
CH2=CA1COOA2
[式中、A1は水素原子またはメチル基、A2は炭素数1〜30の炭化水素基である。]
で表わされるアクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の撥水撥油剤。 - 含フッ素重合体が(C)架橋性単量体から誘導された構成単位をも有して成り、構成単位(C)を形成する架橋性単量体が、少なくとも2つの反応性基および/または炭素-炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤。
- 含フッ素重合体において、含フッ素単量体100重量部に対して、フッ素原子を含まない単量体の量が0.1〜50重量部であり、架橋性単量体の量が20重量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載の撥水撥油剤。
- 溶液、エマルションまたはエアゾールの形態である請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油剤。
- (A)式:
[式中、Xは、塩素原子、
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 −基(但し、R 1 は炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CH 2 CH(OY 1 )CH 2 −基(但し、Y 1 は水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、および
(B)フッ素原子を含まない単量体であって、1つの炭素-炭素二重結合を有する単量体から誘導された構成単位
を有して成る含フッ素重合体であって、
構成単位(B)を形成するフッ素原子を含まない単量体が、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレン、および炭素数1〜30のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択された単量体である含フッ素重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009052996A JP5229005B2 (ja) | 2003-05-02 | 2009-03-06 | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003126992 | 2003-05-02 | ||
JP2003126992 | 2003-05-02 | ||
JP2009052996A JP5229005B2 (ja) | 2003-05-02 | 2009-03-06 | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004033669A Division JP4329559B2 (ja) | 2003-05-02 | 2004-02-10 | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009191272A JP2009191272A (ja) | 2009-08-27 |
JP2009191272A5 JP2009191272A5 (ja) | 2009-10-08 |
JP5229005B2 true JP5229005B2 (ja) | 2013-07-03 |
Family
ID=36773825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009052996A Expired - Lifetime JP5229005B2 (ja) | 2003-05-02 | 2009-03-06 | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5229005B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5541272B2 (ja) * | 2011-12-12 | 2014-07-09 | ユニマテック株式会社 | 含フッ素共重合体およびそれを有効成分とする撥水撥油剤 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6399285A (ja) * | 1986-05-28 | 1988-04-30 | Daikin Ind Ltd | 撥水撥油剤 |
JPH01197570A (ja) * | 1988-02-01 | 1989-08-09 | Daikin Ind Ltd | 低屈折率ハードコート剤 |
JPH03103409A (ja) * | 1989-09-16 | 1991-04-30 | Daikin Ind Ltd | ポリ(α―フルオロアクリル酸エステル)の製造方法 |
JP3542201B2 (ja) * | 1995-06-29 | 2004-07-14 | 三菱レイヨン株式会社 | 含フッ素重合体 |
JP4329559B2 (ja) * | 2003-05-02 | 2009-09-09 | ダイキン工業株式会社 | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 |
-
2009
- 2009-03-06 JP JP2009052996A patent/JP5229005B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009191272A (ja) | 2009-08-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4329559B2 (ja) | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 | |
JP4329760B2 (ja) | ケイ素を含有する含フッ素表面処理剤 | |
US8153756B2 (en) | Fluorine-containing monomer, fluorine-containing polymer and surface treating agent | |
JP4466649B2 (ja) | 表面処理剤と、含フッ素単量体および含フッ素重合体 | |
JP5397521B2 (ja) | 含フッ素組成物および含フッ素重合体 | |
JP5397520B2 (ja) | 含フッ素組成物および表面処理剤 | |
JP4998260B2 (ja) | S−Sulfate基を持つ含フッ素重合体およびこの重合体を含む撥水撥油剤組成物 | |
JP5397519B2 (ja) | 含フッ素組成物およびその用途 | |
JP5229005B2 (ja) | 含フッ素重合体を含んでなる表面処理剤 | |
JP3864591B2 (ja) | 撥水撥油加工剤 | |
JP2005272741A (ja) | ノルボルナン基を有する含フッ素単量体、含フッ素重合体および表面処理剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090821 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120321 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120517 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130219 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130304 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5229005 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |