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JP5228986B2 - ナノ炭素材料複合基板製造方法 - Google Patents

ナノ炭素材料複合基板製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノ炭素材料複合基板、該ナノ炭素材料複合基板を用いた電子放出素子、および該ナノ炭素材料複合基板の製造に適したナノ炭素材料複合基板製造方法に関する。
ナノ炭素材料は、炭素原子のsp混成軌道で構成された、ナノメーター(nm)サイズの微細形状を有することから、従来の材料を凌駕する特性または従来の材料にはない特性を有しており、強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料などの次世代の機能性材料としての応用が期待されている。
上述したようなナノ炭素材料では、ナノ炭素材料をより高密度に形成し、より大きな表面積を利用することが好ましい場合がある。
例えば、電極材料ではナノ炭素材料の純度が高く、表面積が大きいほど蓄電あるいは発電などの効率が向上する。
例えば、電界放射型の電子放出素子材料として利用する場合には、ナノ炭素材料の純度が高く、かつ、アスペクト比の高い凹凸構造を有することにより、電界集中効率が向上しより低電圧での電子放出が可能となる。
また、上述したようなナノ炭素材料の合成方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法などが知られている。これらの方法のうち、アーク放電法、レーザーアブレーション法およびプラズマ化学気相成長法は、非平衡反応であるため非晶質成分を生成しやすく、一般的に生成するカーボンナノチューブの収率が低く、しかも生成したカーボンナノチューブの太さや種類が一様でないことが知られている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、触媒を用いて炭化水素ガスを熱分解することによりカーボンナノチューブを製造する熱化学気相成長法が開示されている。
熱化学気相成長法は、化学平衡反応を利用するため収率が比較的高いことが知られており、超微粒の鉄やニッケルなどの触媒粒子を核として成長した炭素繊維が得られる。得られた炭素繊維は、炭素網層が同心状、中空状に成長したものである。しかし、これらの方法では、触媒となる金属の粒径や化学状態を制御することが困難であり、ナノ炭素材料の形状や太さを制御して合成することができず、実用化の際に要求される所望の構造の材料を作り分けて得ることができないため、結果的に収率が低下することは避けられなかった。
また、特許文献3には、ナノ炭素材料の合成方法として、固液界面接触分解法が開示されている。
固液界面接触分解法は、固体基板と有機液体が急激な温度差をもって接触することから生じる特異な界面分解反応に基づいており、精製が不要な高純度のカーボンナノチューブを合成することができ、収率が非常に高い合成方法である。
一方、電子ディスプレイデバイスとして、高真空の平板セル中に微小な電子放出素子、特に電界放射型の電子放出素子をアレイ状に配したものが有望視されている。電界放射型の電子放出素子は、物質に印加する電界の強度を上げると、その強度に応じて物質表面のエネルギー障壁の幅が次第に狭まり、電界強度が10V/cm以上になると、物質中の電子がトンネル効果によりそのエネルギー障壁を突破できるようになり、物質から電子が放出されるという現象を利用している。この場合、電場がポアッソンの方程式に従うために、電子を放出する部材、即ちエミッタに電界が集中する部分を形成すると、比較的低い引き出し電圧で効率的に冷電子の放出を行うことができる。
近年、上述した電子放出素子のエミッタ材料としてナノ炭素材料が注目されている。ナノ炭素材料の中で最も代表的なカーボンナノチューブは、炭素原子が規則的に配列したグラフェンシートを丸めた中空の円筒であり、外径がnmオーダー、長さが通常0.5〜数10μmの非常にアスペクト比の高い微小な物質である。そのため、先端部分に電界が集中しやすく高い電子放出能が期待される。また、カーボンナノチューブは、化学的、物理的安定性が高いという特徴を有するため、動作真空中の残留ガスの吸着や反応が生じ難く、イオン衝撃や電子放出に伴う発熱に対して損傷を受け難い特性を有している。
例えば、特許文献4には、カーボンナノチューブをエミッタに利用する方法として、ペースト化し、印刷法により基板上に塗布するエミッタ形成方法が開示されている。
まず、基板上にカソード電極を所定ピッチでストライプ状に形成し、スクリーン印刷によってカソード電極上にカーボンナノチューブを含んだペーストを四角形や円形などの形状に孤立した形でカソード電極と同じピッチに形成し、カーボンナノチューブを含んだ樹脂層の間に絶縁層をスクリーン印刷し、大気雰囲気中で焼成する。これにより、カーボンナノチューブを含む樹脂層の樹脂成分が分解し、カーボンナノチューブが露出して電子放出部が形成される。最後に、グリッド電極を絶縁層上に形成してエミッタを作製する。
上記のようなエミッタの作製に用いるペーストは、一般的には、カーボンナノチューブに溶剤、分散剤、接着剤としてのガラスフリット、フィラーなどを加え、これらの分布状態が均一になるように混合して分散させる。混合後に濾過を行い、溶剤と樹脂とからなるビヒクル中に混ぜ込んでペースト化する。このペーストをよく混合して分散状態を高めた後に濾過してカーボンナノチューブペーストを調製する。そして上記プロセスで得られたカーボンナノチューブペーストを基板上に印刷し、乾燥および焼成によりビヒクルを酸化分解させてカーボンナノチューブを得る。このような方法により、カソード電極上にカーボンナノチューブを形成することができる。
しかしながら、印刷法によりエミッタを形成する場合、カーボンナノチューブをペースト化する必要があり、各種バインダーと混ぜることが不可欠となるため、バインダーの在留による特性の劣化が避けられなかった。また、印刷法により形成されたエミッタでは、ペースト内のカーボンナノチューブの方向を揃えることが困難であり、純粋なカーボンナノチューブそのものを電界が集中する部位として利用することは困難である。
特開2002−255519号公報 特開2002−285334号公報 特開2003−12312号公報 特開2003−272517号公報
本発明は、ナノ炭素材料が基板上にパターン配列されて形成されたナノ炭素材料複合基板を製造できるナノ炭素材料複合基板製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、シリコン基板の表面に、コバルトまたはコバルト酸化物触媒を2〜10nmの厚さで担持させる工程と、前記触媒が担持された前記基板を、空気中で600〜1000℃で熱処理を施す工程と、前記基板の前記触媒が担持された側に、複数の凸部および凹部からなる3次元構造パターンを、エッチングまたは切削刃によって、前記基板の一部を前記触媒と共に除いて前記凹部を形成し、前記凸部の上面にのみ触媒を残存させる工程と、前記基板を、有機液体中に浸漬して550〜1000℃に加熱し、固液界面接触分解法により、前記触媒が担持された基板の表面にナノ炭素材料を成長させる工程と、を有することを特徴とするナノ炭素材料複合基板製造方法である。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法は、基板に触媒を担持し、触媒を熱処理し、基板に3次元構造パターンを形成し、前記触媒が担持された基板の表面に固液界面接触分解法によりナノ炭素材料を成長させる。触媒を担持後に基板に3次元構造パターンを形成することから、凸部の上面にのみ選択的に触媒を残存させることが出来、凸部の上面にのみ選択的にナノ炭素材料を形成することが出来る。よって、好適に、ナノ炭素材料が基板上にパターン配列されて形成されたナノ炭素材料複合基板を製造出来る。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法を示す概略工程図である。 本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法に用いる製造装置の一例を示す概略図である。 本発明のナノ炭素材料複合基板の一例を示す概略図である。 本発明のナノ炭素材料複合基板の一例を示す概略図である。 本発明の電子放出素子の一例を示す概略図である。 実施例で製造された本発明のナノ炭素材料複合基板の走査型電子顕微鏡像写真である。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板の製造方法について、図1(a)〜(c)を参照しながら、具体的に、説明を行なう。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法は、基板の表面に触媒を担持させる工程と、前記触媒が担持された前記基板に熱処理を施す工程と、前記基板の前記触媒が担持された側に、凸部および凹部からなる3次元構造パターンを形成し、前記凸部の上面にのみ触媒を残存させる工程と、前記基板を、有機液体中に浸漬して加熱し、固液界面接触分解法により、前記触媒が担持された基板の表面にナノ炭素材料を成長させる工程と、を有する。
まず、図1(a)に示すように、基板1の表面に触媒4を堆積して担持させる。
触媒4としてはコバルト、鉄、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属、それらの酸化物、または、それらの化合物、などを用いることができる。
基板1表面へのこれらの触媒4の堆積方法としては、適宜公知の薄膜形成方法を用いて良く、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。
また、所定量の金属塩水溶液を塗布し、過剰の水を蒸発させて乾燥した後、400〜500℃の空気気流中で焼成し、金属塩の分解と酸化を起こして金属塩を酸化物に転換してもよい。
堆積させる触媒4の厚さは特に限定されないが、2〜10nmの範囲が好ましい。また、触媒を担持する前に、基板を洗浄しても良い。
次に、触媒4を担持させた基板1に熱処理を施す。熱処理は選択した触媒に応じて適宜公知の方法により行ってよく、例えば、酸化雰囲気、還元雰囲気、不活性雰囲気から適宜選択して良い。
触媒として、上述の遷移金属を用いた場合、温度は、600℃から1000℃、時間は10分以上が好ましい。この処理により、触媒粒子を微小化するとともに、基板に固着することができ、後述の3次元構造パターン形成工程で触媒粒子が基板から剥離することを防ぐ作用がある。
次に、図1(b)に示すように、触媒4が担持された基板1を加工し、基板1に凹部3および凸部2よりなる3次元構造パターンを形成する。
3次元構造パターンの形成方法としては、適宜公知の微細加工技術を用いて行って良い。例えば、具体的には、(1)リソグラフィーによりマスクを形成しエッチングを行なう方法、(2)切削刃を用いた機械加工方法、などが挙げられる。
(1)リソグラフィーによりマスクを形成しエッチングを行なう方法。
光または電子線リソグラフィーを用いれば微細かつ任意のパターン形状を有するエッチングマスクを形成することができ、エッチングにより1μm以上のミクロンオーダー3次元構造パターンを加工することができる。
また、半導体レベルの微細加工が可能で、トレンチエッチングなどの手法を適用することにより、極微細なパターンまたはピッチでアスペクト比の高い3次元構造パターンを加工することができる。
このとき、エッチング法としては、ドライエッチング、ウェットエッチング、などを用いることが出来る。
(2)切削刃を用いた機械加工方法。
切削刃を用いた機械加工方法は、切削刃を1方向に移動させることにより、該方向に沿った線状の溝を形成することが出来ることから、線状の凹部を連続的に形成することが出来る。また、線状の凹部を平行に複数形成し、前記線状の凹部と交差するように再度ライン状の凹部を平行に複数形成することにより、アレイ状に配列された凸部を形成することが出来る。このとき、凸部の形状は、凹部同士の交差角度、切削刃の断面傾斜角度、により制御することが出来る。また、切削刃を用いた機械加工を用いると、ミリメートルオーダーに達するアスペクト比の高い3次元構造パターンを形成することが出来る。
特に、切削刃のような機械加工を用いる場合、「基板はシリコン基板であり、有機液体はメタノールを含み、前記触媒は、コバルトまたはコバルト酸化物を含むこと」が好ましい。機械加工で加工する場合、基板表面に薄膜で担持された触媒は加工の際に薄膜が剥離する方向へ応力がかかり、触媒が剥落する恐れがある。本発明では、触媒担持後の熱処理を行なうことから、シリコン基板にコバルトまたはコバルト酸化物を担持すると熱処理により触媒粒子が微小化するとともに、基板に固着される。このため、機械加工により3次元構造パターンを形成しても触媒が剥離されることを抑制することが出来る。
次に、図1(c)に示すように、触媒4を担持させた基板1を、有機液体中に浸漬して加熱し、固液界面接触分解法により、基板の表面にナノ炭素材料5を成長させて、ナノ炭素材料複合基板10を製造する。
このとき、触媒4は凸部2の表面にのみ存在するため、ナノ炭素材料5も、凸部2の上にのみに選択的に成長する。
固液界面接触分解法では、基板と有機液体とが急激な温度差をもって接触することから特異な界面分解反応が生じ、触媒微粒子上にカーボンナノチューブが合成される。
図2に、固液界面接触分解法を実施するための製造装置の一例を示す。
液体槽11には有機液体12が収容される。液体槽11の周囲には水冷手段(図示せず)が設けられる。液体槽11の上部は蓋13で密閉される。蓋13には、有機液体12に浸漬されるように1対の電極14が取り付けられている。1対の電極14の下部に基板1を保持して有機液体12に浸漬させ、この状態で基板1に電流を流して加熱する。蓋13の上部には、液体槽11から蒸発する有機液体蒸気を冷却凝縮して液体槽11に戻す、水冷パイプ15を備えた凝縮器16が設けられている。凝縮器16の上部にはフィルター17が設けられている。また、蓋13には、液体槽11および凝縮器16の空気を除去するために不活性ガスを導入するバルブ18が設けられている。
表面に触媒4を担持させた基板1を1対の電極13の下部に取り付け、液体槽11内に有機液体12を入れる。有機液体12としては、メタノール、エタノール、オクタノールなどのアルコール類、またはベンゼンなどの炭化水素を用いることができる。バルブ18を介して液体槽11内に不活性ガスを導入して液体槽11内の残留空気と置換することが好ましい。このようにすれば、空気と有機ガスとの混合による爆発、炎上の危険がない。1対の電極13に電流を流して基板1を加熱する。基板1の加熱温度は550〜1000℃の範囲に設定することが好ましい。基板1の表面に有機液体12の気泡が発生し、気泡によって基板1の表面が覆われる。このとき、有機液体12の温度を沸点以下に保つために、液体槽11周囲の水冷手段を用いて冷却する。気相となった有機液体を凝縮器16により凝縮して液体槽11に戻す。このため、有機液体を無駄にすることがない。基板1の温度と加熱時間を制御することにより所望の形態を有するナノ炭素材料を得ることができる。
基板1の材料としてシリコンを用いれば、触媒であるコバルトと安定な酸化状態を形成するため、ナノ炭素材料の形態をより安定に制御することができる。触媒としてコバルトまたはその酸化物を用い、有機液体としてメタノールを用いると、基板1の表面に対して垂直配向したナノ炭素材料を成長させることができる。
上記のように、固液界面接触分解法では基板を550〜1000℃に加熱するので、当業者であれば表面に微細な凹凸を有する基板を適用することは避けようとするであろう。これは、表面に微細な凹凸を有する基板を高温加熱した場合、基板に割れが発生することを懸念されるためである。ところが、本発明者らの研究によれば、表面に微細な凹凸を有する基板を固液界面接触分解法に適用しても、基板に割れが発生することはなく、3次元構造パターンを有する基板上に、高純度で高結晶性のナノ炭素材料を、均一かつ形状を制御して容易に低コストで形成することができることを見出した。
また、本発明者らは、触媒を担持し、直ちに基板加工を行うと、触媒は数nmと非常に薄い、あるいは、クラスター状に点在しているため、切削加工あるいはエッチングプロセスでは、切削の際の応力や、レジスト剥離等の工程で、容易に剥離してしまうが、これに対して、触媒を担持後、熱処理を施すと触媒と基板とが化学反応を起こし基板に十分に固着することを見いだした。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法では、触媒を担持させた後に3次元構造パターンを形成することにより、3次元構造パターンの凸部の上面のみ触媒が担持された状態となり、凸部の上面のみに選択的にナノ炭素材料が成長したナノ炭素材料複合基板を製造することが出来る。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板について、図3を用いながら、説明を行なう。
本発明のナノ炭素材料複合基板は、基板と、前記基板に形成された凸部および凹部からなる3次元構造パターンと、前記凸部の上面に担持された触媒と、前記触媒が担持された基板の表面に形成されたナノ炭素材料と、を有する。
図3(a)および(b)に示す断面概略図を参照して、本発明のナノ炭素材料複合基板の例を説明する。図3(a)に示すナノ炭素材料複合基板10は、基板1の表面に凸部2が形成され、凸部2の上面のみに選択的にナノ炭素材料5が成長している。図3(a)においては、ナノ炭素材料5はランダムに配向している。図3(b)に示すナノ炭素材料複合基板10では、凸部2の上面に対して垂直に配向してナノ炭素材料5が成長している。
基板1としては、単結晶シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素などの半導体基板や、ガラス、セラミックス、石英などを用いることができる。基板1の厚さは特に限定されないが、100〜1500μmが好ましい。
なお、本明細書において、3次元構造パターンの3次元構造とは、具体的には、凸部2の高さ(凹部の底面と凸部の上面との距離)が1μm以上、より好ましくは10μm以上、更には50μm以上、100μm以上、1000μm以上である3次元構造パターンのことをいう。
また、凸部2のアスペクト比が高いほど、表面積がより大きくなる。用途に応じて、凸部2のアスペクト比を適切に設計することが好ましい。
また、凸部2の形状としては、用途によって適宜設計してよい。電子放出素子として用いる場合、凸部2の形状により凸部2周囲の電界の分布が異なるため、電界の集中が行なわれやすいように凸部2の上面と側面とが線で接続されたエッジ部を備えることが好ましい。
図4に、凸部2の形状の一例を具体的に示す。図4(a)は円柱であり、図4(b)は円錐台であり、図4(c)は4角柱であり、図4(d)は4角錐台である。図4(c)および図4(d)では、4角柱および4角錐台を例示したが、本発明において凸部2の形状はこれに限らず、その他の多角柱、多角錐台であっても良い。
ナノ炭素材料5は、ナノサイズの径を持つ結晶性のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノフィラメント、カーボンナノウォール、またはカーボンナノコイル、などである。
図3(b)のように、ナノ炭素材料5が凸部2の上面にのみ基板1の表面に対して垂直に配向していると、電子放出素子のエミッタとして用いたとき、電界が集中するエッジの部位のみに選択的にナノ炭素材料が存在する。よって、ナノ炭素材料が存在する部位に好適に電界が集中することとなり、低い電界強度で電子放出が得られる。
本発明のナノ炭素材料複合基板によれば、特に電界放射型の電子放出素子に適用した場合、凹凸形状を有するため、容易に電界集中し、電子放出が容易になされ、低電圧駆動が可能になる。また、本発明のナノ炭素材料複合体を、構造材料、電子放出材料、電気二重層キャパシタ、電池、燃料電池または一般的な二次電池の電極材料として用いれば、特定部位にのみに選択的にナノ炭素材料を配置することが出来ることから、良好な実用特性を得ることができる。
以下、本発明の電子放出素子について、図5に示す図面を参照しながら、具体的に説明をする。
本発明の電子放出素子は上述したナノ炭素材料複合基板をエミッタとして用いる。
図5(a)には、本発明の電子放出素子の断面図を示している。電子放出素子50は、ナノ炭素材料複合基板10を電子放出部(エミッタ)として用いている。ナノ炭素材料複合基板10は、基板1の表面に凸部2が形成され、凸部2の上面に選択的にナノ炭素材料5が成長している。ナノ炭素材料複合基板10の上方に引き出し用ゲート電極51が設置されている。
本発明のナノ炭素材料複合基板は、凸部の上面のみに選択的にナノ炭素材料が成長している。このため、電子放出素子のエミッタとして用いたとき、電界が集中するエッジの部位に選択的にナノ炭素材料が存在する。よって、ナノ炭素材料が存在する部位に好適に電界が集中することとなり、低い電界強度で電子放出が得られる。
<実施例1>
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板の製造方法について、具体的に実施例を説明する。
まず、基板表面に触媒を担持した。
このとき、基板は、低抵抗のn型単結晶シリコン(100)基板であった。
また、触媒は、コバルトを6nmの厚みでスパッタ成膜を行い、空気中で900℃にて10分の熱処理を施すことにより担持した。
次に、触媒が担持された基板に対し、機械的な切削加工により、線状の溝を平行に複数形成し、前記線状の溝と直角に交差するように再度ライン状の溝を平行に複数形成し、凸部が四角柱の3次元構造パターンを形成した。
このとき、3次元構造パターンの凸部の上面の幅は25μmであり、凹部の底面と凸部の上面との距離である加工深さは、100μmであった。
次に、基板をメタノール中に浸漬して電極を通して通電し、初期に600℃にて3分、続いて900℃にて6分の条件で基板を加熱し、基板近傍で固液界面接触分解反応を起こし、メタノール中の炭素原子を原料としてカーボンナノチューブを生成させた。
以上より、3次元構造パターンの凸部の上面のみに基板上のカーボンナノチューブがパターン配列されたナノ炭素材料複合基板を得ることが出来た。このとき、カーボンナノチューブは基板表面に対し、垂直配向して成長していた。また、成長したカーボンナノチューブの長さは約2〜3μmであった。
図6に、本実施例にて製造された、カーボンナノチューブが形成されたナノ炭素材料複合基板の走査型電子顕微鏡像写真を示す。図6において、図6(a)は凸部全体図であり、図6(b)は凸部の上面拡大図である。
図6より、凸部の上面のみに選択的に垂直配向にて高密度にカーボンナノチューブが成長していることが観察された。
<実施例2>
実施例1で製造されたナノ炭素材料複合基板を用いて電子放出素子としての電界電子放出特性を評価した。
実施例1で製造されたナノ炭素材料複合基板を電界放射型の電子放出素子のエミッタとし、前記エミッタから1mmの間隙を設けてゲート電極(開口径2mm)を設置し、前ゲート電極から約10mmの間隙を設けて蛍光体付きアノードを対向させて設置し、真空中でアノードに5kVを印加し測定した。
測定の結果、ゲート電圧1.0kVにて、蛍光体の発光を確認し、低い電界強度で電子放出が得られることが確認された。また、このとき、ゲート電極の開口部に対応した良好な円形の発光パターンを得ることができた。
<実施例3>
実施例2と同様に、ナノ炭素材料複合基板を用いて電子放出素子としての電界電子放出特性を評価した。ただし、3次元構造パターン形成後に触媒の担持を行い、3次元構造パターンが形成された基板表面の全面にカーボンナノチューブを成長させたナノ炭素材料複合基板を用いた。
測定の結果、ゲート電圧1.4kVにて、蛍光体の発光を確認し、低い電界強度で電子放出が得られることが確認された。また、このとき、円形でない割れた発光パターンを得ることができた。
本発明のナノ炭素材料複合基板は、電子放出素子材料、強度補強材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料、などの基板としての応用が期待される。
特に、強電界によって電子を放出する電界放射型の電子放出素子としての利用が期待され、具体的には、例えば、光プリンタ、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置などの電子発生源や電子銃、照明ランプの超小型照明源、平面ディスプレイを構成するアレイ状のフィールドエミッタアレイの面電子源、などの用途としての電子放出素子として有用である。
なお、上記の用途に本発明のナノ炭素材料複合基板の用途は限定されるものではない。
1…基板
2…凸部
3…凹部
4…触媒
5…ナノ炭素材料
10…ナノ炭素材料複合基板
11…液体槽
12…有機液体
13…蓋
14…電極
15…水冷パイプ
16…凝縮器
17…フィルター
18…バルブ
50…電子放出素子
51…ゲート電極

Claims (4)

  1. シリコン基板の表面に、コバルトまたはコバルト酸化物触媒を2〜10nmの厚さで担持させる工程と、
    前記触媒が担持された前記基板を、空気中で600〜1000℃で熱処理を施す工程と、
    前記基板の前記触媒が担持された側に、複数の凸部および凹部からなる3次元構造パターンを、切削刃によって、前記基板の一部を前記触媒と共に除いて前記凹部を形成し、前記凸部の上面にのみ触媒を残存させる工程と、
    前記基板を、有機液体中に浸漬して550〜1000℃に加熱し、固液界面接触分解法により、前記触媒が担持された基板の表面にナノ炭素材料を成長させる工程と、
    を有することを特徴とするナノ炭素材料複合基板製造方法。
  2. 前記凹部の底面と前記凸部の上面との距離が10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のナノ炭素材料複合基板製造方法。
  3. 前記ナノ炭素材料が前記基板の表面と略垂直に成長していることを特徴とする請求項1に記載のナノ炭素材料複合基板製造方法。
  4. 前記有機液体は、メタノールを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のナノ炭素材料複合基板製造方法。
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