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JP5226143B1 - ソイルセメント分散剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散保持力に優れるソイルセメント分散剤を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位と共重合モノマー(B)単位から構成される共重合体(X)であって、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位が20〜85モル%、共重合モノマー(B)単位が15〜80モル%であることを特徴とするソイルセメント分散剤、及び、前記ソイルセメント分散剤を含むソイルセメント組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はソイルセメント分散剤に関する。
ソイルセメント分散剤(流動化剤)は、ソイルセメントに添加されることによりソイルセメント粒子を分散させる働きを有し、ソイルセメント施工の効率的な作業性を向上させることができる。
特許文献1には、アクリル酸アルカリ土類金属塩、アクリル酸アルカリ金属塩およびアクリル酸を必須構成単量体とする共重合体とアルカリ金属炭酸塩などとからなるソイルセメント用流動化剤が、ソイルセメントに流動性を付与することができることが開示されている。
特許文献2には、カルボン酸またはその1価塩を主要構成単量体単位とする重量平均分子量が25000以下の低分子量重合体及びアルカリ金属炭酸塩を含むソイルセメントの流動化剤が記載されている。
特許文献3には、カルボン酸基を有する高分子化合物からなり、この高分子化合物のカルボン酸基がアルカリ土類金属により当量換算で10〜80%中和されている地盤改良用粉体添加剤が、ソイルセメントスラリーの流動性向上による掘削性の向上などを実現できることが記載されている。
特開2010−159183号公報 特許第3554496号公報 特開2001−172629号公報
しかし従来のソイルセメント分散剤(流動化剤)は、セメントの分散性をわずかな時間しか保つことができず、高い分散性を長時間保持する能力、すなわち分散保持力が不十分であった。
本発明は、分散保持力に優れるソイルセメント分散剤(流動化剤)を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために検討を重ね、2価の塩の構成単位を含む共重合体(X)に着目した。セメント混和剤の分野においては一般に、中和度の上昇と共に粘度が上昇する2価塩を含むポリマーではなく、水に溶けやすい1価の塩を含むポリマー(例えば、ナトリウム塩)が用いられてきた(例えば、特開平8−239662号公報の段落[0016]参照)。このような状況下、本発明者らは、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位、共重合モノマー(B)単位を特定の割合で含む共重合体(X)が、セメントに対し優れた分散保持力を発揮することを見出した。本発明は係る知見に基づくものである。
本発明のソイルセメント分散剤の特徴は、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位20〜85モル%、共重合モノマー(B)単位15〜80モル%から構成される共重合体(X)を含むことを要旨とする。
本発明によれば、分散保持力に優れるソイルセメント分散剤、これを含むソイルセメント組成物及びその製造方法が提供される。
図1は、実施例(炭酸ナトリウム無添加)の分散保持力評価の結果を示すグラフである。 図2は、実施例(炭酸ナトリウム添加)の分散保持力評価の結果を示すグラフである。 図3は、実施例(炭酸ナトリウム添加)の分散保持力評価の結果を示すグラフである。 図4は、実施例(炭酸ナトリウム添加)の分散保持力評価の結果を示すグラフである。
本発明のソイルセメント分散剤は、共重合体(X)を含む。有効成分である共重合体(X)は、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位と、共重合モノマー(B)単位とから構成される。
(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位のアルカリ土類金属塩としては例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いてもよい。これらのうち、ベリリウム、マグネシウム及びカルシウムが好ましく、より好ましいのはマグネシウム及びカルシウム、更に好ましいのはマグネシウムである。
共重合体(X)に占める(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位の含有量(モル%)は、20〜85モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、更に好ましくは35〜60モル%、更により好ましくは50〜60モル%である。この範囲であると、分散保持力(流動性の保持力)がさらに良好となる。中でもアルカリ土類金属がマグネシウムの場合は、50〜60モル%とすることにより、共重合体(X)による金属(鉄)の腐食を回避することができ、貯蔵設備や添加装置の配管に鉄製部材を使用することが可能となる。
共重合体(X)は、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位20〜85モル%及び共重合モノマー(B)単位15〜80モル%を含み、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位20〜60モル%及び共重合モノマー(B)単位40〜80モル%を含むことが好ましい。
なお、上記(A)単位の含有量(モル%)、及び下記の(B)単位の含有量(モル%)は、共重合体(X)の全単位の合計モル数を100モル%とした場合の含有量である。
共重合体(X)に占める共重合モノマー(B)単位としては、(メタ)アクリル酸(B1)単位、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(B2)単位、ビニル単量体(塩)(B3)単位などが挙げられる。共重合モノマー(B)単位は、(メタ)アクリル酸(B1)単位、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(B2)単位及びビニル単量体(塩)(B3)単位から選ばれる1種以上の単位から構成されていることが好ましい。共重合モノマー(B)単位は、(メタ)アクリル酸(B1)単位及び/又は(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(B2)単位から構成されていることが好ましい。
共重合体(X)に占める共重合モノマー(B)単位の含有量(モル%)は、15〜80モル%であり、より好ましくは40〜80モル%、更に好ましくは40〜65モル%、更により好ましくは40〜50モル%である。この範囲であると、分散保持力(流動性の保持力)がさらに良好となる。
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(B2)単位のアルカリ金属としては例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いてもよい。これらのうち、リチウム、ナトリウム及びカリウムが好ましく、より好ましくはリチウム及びナトリウム、更に好ましくはナトリウムである。
ビニル単量体(塩)(B3)単位を構成するビニル単量体又はその塩としては例えば、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)と共重合できれば特に制限はなく、例えば、炭素数4〜17の不飽和カルボン酸(塩)、炭素数4〜20の不飽和カルボン酸エステル、炭素数4〜20の脂肪酸ビニルエステル、炭素数2〜20のオレフィン、炭素数3〜5の不飽和ニトリル、炭素数2〜8の不飽和アミド及び炭素数5〜60の不飽和エーテル等の単量体等が使用できる。
不飽和カルボン酸(塩)(不飽和カルボン酸又はその塩)としては、例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(塩としては、アクリル酸塩と同様な塩が使用でき、含有量比も同様である)が含まれる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜10の脂肪族モノカルボン酸、炭素数6〜10の脂環式モノカルボン酸及び炭素数9〜17の芳香族モノカルボン酸等が使用できる。
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、3−メチル−2−ブテン酸、3−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−2−ブテン酸、2−エチル−2−プロペン酸、2−ヘキセン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−ヘプテン酸、4,4−ジメチル−2−ペンテン酸、2−オクテン酸、3−メチル−2−ヘプテン酸、2−ノネン酸、3−メチル−2−オクテン酸、2−デセン酸及び2−ヒドロキシプロペン酸等が挙げられる。
脂環式モノカルボン酸としては、例えば、1−シクロペンテンカルボン酸、3−シクロペンテンカルボン酸、4−シクロペンテンカルボン酸、1−シクロヘキセンカルボン酸、3−シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセンカルボン酸、1−シクロヘプテンカルボン酸、3−シクロヘプテンカルボン酸、4−シクロヘプテンカルボン酸、5−シクロヘプテンカルボン酸、1−シクロオクテンカルボン酸、3−シクロオクテンカルボン酸、4−シクロオクテンカルボン酸、5−シクロオクテンカルボン酸、1−シクロノネンカルボン酸、3−シクロノネンカルボン酸、4−シクロノネンカルボン酸、5−シクロノネンカルボン酸、1−シクロデセンカルボン酸、3−シクロデセンカルボン酸、4−シクロデセンカルボン酸及び5−シクロデセンカルボン酸等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、例えば、オルトカルボキシスチレン、パラカルボキシスチレン、桂皮酸、アトロパ酸(α−フェニルアクリル酸)、(メタ)アクリル酸ベンジル、5−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸、4−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸及び4−ビニル−1−アントラキノンカルボン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜11の脂肪族ジカルボン酸、炭素数6〜10の脂環式ジカルボン酸、炭素数9〜17の芳香族ジカルボン酸及びこれらの分子内酸無水物等が含まれる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ブテン二酸、2−ペンテン二酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−エチル−2−プロペン酸、2−ヘキセン二酸、2−ヘプテン二酸、2−オクテン酸、3−メチル−2−ヘプテン二酸、2−ノネン二酸、2−デセン二酸及び2−ヒドロキシプテンロ二酸等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,2−シクロペンテンジカルボン酸、1,3−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロペンテンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、1,3−シクロヘキセンジカルボン酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸、1,2−シクロヘプテンジカルボン酸、1,3−シクロヘプテンジカルボン酸、1,4−シクロヘプテンジカルボン酸、1,5−シクロヘプテンジカルボン酸、1,2−シクロオクテンジカルボン酸、1,3−シクロオクテンジカルボン酸、1,4−シクロオクテンジカルボン酸、1,5−シクロオクテンジカルボン酸、1,2−シクロノネンジカルボン酸、1,3−シクロノネンジカルボン酸、1,4−シクロノネンジカルボン酸、1,5−シクロノネンジカルボン酸、1,2−シクロデセンジカルボン酸、1,3−シクロデセンジカルボン酸、1,4−シクロデセンジカルボン酸及び1,5−シクロデセンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、o,p−ジカルボキシスチレン、o,p−ジカルボキシスチレン、4−ビニル−1,2−ナフタレンジカルボン酸及び4−ビニル−1,3−アントラキノンジカルボン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸の分子内酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水シトラコン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、クロトン酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ヘキシル及びイタコン酸ブチル等が挙げられる。
脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ラウリン酸ビニル及びステアリン酸ビニル等が挙げられる。
オレフィンとしては、例えば、α−オレフィン(エチレン、プロピレン、ブチレン、へキシレン、オクチレン、ウンデシレン、テトラデシレン及びノナデシレン等)、ジイソブチレン、ブタジエン、ピペリレン、クロロプレン、ピネン、リモネン、インデン、シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等が挙げられる。
不飽和ニトリルとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノプロペン及びシアノペンテン等が挙げられる。
不飽和アミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−アミノエチル)(メタ)アクリルアミド及びN−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
不飽和エーテルとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(重合度25)(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度5)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度20)モノ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール(重合度10)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのビニル単量体のうち、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ニトリルが好ましく、より好ましくは不飽和ニトリル、更に好ましくはアクリロニトリルである。
共重合体(X)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜10,000が好ましく、より好ましくは2,000〜7,000、更に好ましくは3,000〜5,500である。また、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.1〜3.0が好ましく、より好ましくは1.2〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.0である。この範囲内であるとソイルセメントの分散保持力(流動性の保持力)がさらに良好となる。
なお、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、分子量既知の(ポリ)アクリル酸を標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される(カラム温度40℃、溶離液:0.1−MPBのリン酸水素二ナトリウム水溶液:0.1−MPBリン酸二水素ナトリウム水溶液=1:1(モル比)、流速0.8ml/分、試料濃度:0.4重量%溶離液溶液。)。
共重合体(X)は、例えば、通常のビニルモノマーの重合方法を用いて得ることができる。重合方法としては例えば懸濁重合、塊状重合及び溶液重合等が適用でき、生産性の観点等から、溶液重合が好ましい。
共重合体(X)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)、(メタ)アクリル酸(B1)、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(B2)及び必要によりビニル単量体(塩)(B3)を共重合して製造する方法(方法1)、(メタ)アクリル酸(B1)、並びに必要によりビニル単量体(塩)(B3)を共重合してから、水酸化アルカリ土類金属や水酸化アルカリ金属等で中和して製造する方法(方法2)、並びにこれらの方法1及び2を併用する方法(方法3)により得ることができる。
重合には、重合触媒を使用することができる。重合触媒としては、通常の重合触媒等が用いられ、アゾ化合物、過硫酸塩、無機過酸化物、レドックス触媒及び有機過酸化物等が含まれる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’−アゾビス(1ーアセトキシー1−フェニルエタン)等が挙げられる。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等が挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過硼酸塩及び過酸化水素等が挙げられる。レドックス触媒としては、アスコルビン酸−過酸化水素等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。これらの重合触媒は、単独又は混合して用いられてもよい。これらのうち、過硫酸塩及びアゾ化合物が好ましく、より好ましくは過硫酸塩及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、更に好ましくは過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムである。
重合触媒を使用する場合、重合触媒の使用量(重量%)は、構成単量体の重量に基づいて、3〜100が好ましく、より好ましくは8〜80、更に好ましくは10〜60である。
溶液重合及び懸濁重合の場合、溶媒としては、水(水道水、イオン交換水及び工業用水等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコール等)及び/又は芳香族溶剤(トルエン及びキシレン等)等が使用できる。これらのうち、水、水及びアルコール溶剤の混合溶媒が好ましく、より好ましくは水及びアルコールの混合溶媒、更に好ましくはイオン交換水及びイソプロピルアルコールの混合溶媒である。
溶媒を使用する場合、この使用量(重量%)は、構成単量体の全重量に基づいて、50〜900が好ましく、より好ましくは60〜800、更に好ましくは100〜600である。
重合反応温度は、40〜130℃程度が好ましく、重合反応時間は、1〜15時間程度が好ましい。
なお、構成単量体の全量又は一部を滴下しながら重合してもよい。また、重合触媒の全量又は一部を滴下しながら重合してもよい。また、溶媒の全量又は一部を構成単量体又は重合触媒と共に滴下しながら重合してもよい。一方、溶媒の全量を重合槽に仕込んでおき溶媒を除去しながら重合してもよい。これらのうち、生産性の観点等から、構成単量体と重合触媒との全量を滴下する方法及び溶媒の一部を構成単量体又は重合触媒と共に滴下する方法が好ましく、さらに好ましくは構成単量体と重合触媒との全量を溶剤の一部と共に滴下する方法である。
共重合体(X)の形態としては特に限定はなく、液状でも、固状でもよい。
共重合体(X)が液状の場合、水性溶媒に共重合体(X)が溶解又は分散した状態を意味する。この場合、共重合体(X)を懸濁重合又は溶液重合等によって得て、溶媒をすべて除去しないで得てもよいし、塊状重合等によって得た共重合体(X)を水性溶媒に溶解又は分散させて得てもよい。
水性溶媒としては、水、炭素数1〜6のアルコール(エチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等)及び炭素数1〜6のケトン(メチルイソブチルケトン及びアセトン等)等が挙げられ、これらは単独又は混合して用いられてよい。
一方、共重合体(X)が固状の場合、共重合体(X)からなる固体であってもよく、液状の共重合体(X)を粉体に担持させた粉であってもよい。
共重合体(X)からなる固体の場合、塊状重合によって得てもよいし、共重合体(X)を含む溶液又は分散液を懸濁重合又は溶液重合等によって得てから、溶媒を除去することにより得てもよい。
共重合体(X)を含む溶液又は分散液から溶媒を除去する方法としては、乾燥粉砕法、凍結粉砕法、スプレイドライヤー法及びドラムドライヤー法等の公知の方法を用いることができる。これらのうち、乾燥粉砕法及びスプレイドライヤー法が好ましい。
固状の共重合体(X)の大きさ(mm;最大長)は、本発明のソイルセメント分散剤の溶解性の観点等から、0.01〜5が好ましく、より好ましくは0.05〜3、更に好ましくは0.08〜1である。
液状の共重合体(X)を粉体に担持させる場合、粉体としては、活性炭、炭酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、シラスバルーン及びベントナイト等が挙げられる。
これらの粉体に液状の共重合体(X)を担持させる方法としては、公知の撹拌混合機(リボンミキサー及びヘンシェルミキサー等)を使用して、粉体と液状の共重合体(X)とを撹拌混合する方法等が適用できる。
共重合体(X)の形態のうち、液状が好ましく、さらに好ましくは水性溶媒に共重合体(X)が溶解した状態である。
本発明のソイルセメント分散剤は、炭酸ナトリウムを更に含んでいてもよい。これにより、より高い分散保持力を得ることができるので、好ましい。炭酸ナトリウムの含有量(重量)は、共重合体(X)の含有量(重量)を1とした場合に、1〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜6である。この範囲であると、ソイルセメントの硬化性への影響が小さく、分散保持力(流動性の保持力)がさらに向上する。
炭酸ナトリウムの形態としては特に限定はなく、液状でも、固状でもよい。
炭酸ナトリウムが液状の場合、水性溶媒に炭酸ナトリウムが溶解又は分散した状態を意味する。この場合、炭酸ナトリウムは、市場から液状製品を購入してもよいし、固状製品を購入して水性溶媒に溶解又は分散させてもよい。
一方、炭酸ナトリウムが固状の場合、炭酸ナトリウムからなる固体であってもよく、炭酸ナトリウムを粉体に担持させた粉であってもよい。
炭酸ナトリウムからなる固体の場合、市場から固状製品を購入しもよいし、市場から購入した液状製品から溶媒を除去することにより得てもよい。
炭酸ナトリウムを含む溶液又は分散液から溶媒を除去する方法としては、好ましいものも含めて共重合体(X)の場合と同様である。
固状の炭酸ナトリウムの大きさ(mm;最大長)は、本発明のソイルセメント分散剤の溶解性の観点等から、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.05〜8、特に好ましくは0.08〜5である。
液状の炭酸ナトリウムを粉体に担持させる場合、粉体及び担持方法は共重合体(X)の場合と同様である。
炭酸ナトリウムの形態のうち、固状が好ましく、さらに好ましくは固体である。
本発明のソイルセメント分散剤には、セメントと共に用いられる公知の添加剤(AE剤、AE減水剤、高性能減水剤、遅延剤、早強剤、硬化促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、急結剤、膨張剤、増粘剤及び防水剤等)等を含有させることができる。これらは、単独又は混合して用いられてよい。
添加剤を含有させる場合、これらの含有量(重量%)は、共重合体(X)及び炭酸ナトリウムの合計重量に基づいて、1〜30が好ましく、より好ましくは2〜15、更に好ましくは3〜10である。
また、本発明のソイルセメント分散剤には水性溶媒等を含有させることができる。水溶性溶媒を含有させる場合、この含有量(重量%)は、ソイルセメント分散剤の取扱性(粘度等)の観点等から、共重合体(X)、炭酸ナトリウム及び必要により添加される添加剤の合計重量に基づいて、70〜2,000が好ましく、より好ましくは80〜1,000、更に好ましくは90〜500である。
本発明のソイルセメント分散剤の形態は、(1)共重合体(X)と、炭酸ナトリウムとが一緒に存在する形態{液体でも固体でもよい、また共重合体(X)と炭酸ナトリウムとが反応してもよい}、または(2)共重合体(X)と、炭酸ナトリウムとが別々に存在する形態{それぞれ、液体でも固体でもよい、また使用時にそれぞれが混合される}のいずれでもよい。なお、(2)の場合、必要により含有される添加剤及び/又は水は、それぞれに含まれても、いずれかに含まれてもよい。
本発明のソイルセメント分散剤は、水溶液の形態、あるいは乾燥させて粉体化した形態で使用することが可能である。尚、ソイルセメント分散剤をソイルセメント組成物を構成する他の成分やソイルセメント組成物以外の水硬性材料に添加する時期は、ソイルセメント組成物の使用時であってもよい。また、セメント粉末やドライモルタルのような、ソイルセメント組成物を構成する水以外の成分に、粉体化した形態の本発明のソイルセメント分散剤を予め混合しておいて、左官、床仕上げ、グラウト等の際に水を添加して用いるプレミックス製品として用いることもできる。
本発明のソイルセメント分散剤は、セメント等の水硬性材料に添加してセメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等のソイルセメント組成物として利用することができる。
本発明のソイルセメント組成物は、ソイルセメント分散剤を含有すればよく、組み合わせる水硬性材料は特に限定されない。水硬性材料としては、例えば、セメント、石膏(半水石膏、二水石膏など)、ドロマイトが例示される。最も一般的な水硬性材料はセメントである。
セメントとしては、特に限定はない。例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられる。セメントには、高炉スラグ、転炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体、石膏などが添加されていてもよい。
また、ソイルセメント組成物は骨材を含んでいてもよい。骨材は、細骨材および粗骨材のいずれであってもよい。骨材としては、例えば、砂、砂利等の天然骨材;砕石、砕砂、再生骨材等の加工骨材;高炉スラグ、転炉スラグ、フェロニッケルスラグ、銅スラグ、一般廃棄物や下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融固化した溶融スラグ等のスラグ骨材;再生骨材等;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
上記ソイルセメント組成物における上記ソイルセメント分散剤の配合割合については、特に限定はないが、通常はセメントの全重量に対する共重合体(X)の固形分換算添加率として、通常は0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、更により好ましくは0.7重量%以上である。この範囲とすることにより分散保持力が十分に発揮される。一方上限は、通常5.0重量%以下、好ましくは3.0重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下である。この範囲とすることにより経済的にも有利な範囲でソイルセメントの改質が可能である。
本発明のソイルセメント分散剤の分散保持力の確認は、日本道路公団規格(平成4年4月)JHS A 313「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」のうちの1.2 シリンダー法に準じて試験を行うことにより明らかである。具体的な条件は後述の実施例の通りである。セメントの種類などにもよるが、例えば、1.5〜2時間経過時のフローが200mm程度あればよく、2時間経過時のフロー値が250mm以上あると更に好ましい。
本発明の製造方法は、共重合体(X)をソイルセメントに添加する、ソイルセメント組成物の製造方法である。共重合体(X)及びソイルセメントについては、それぞれ、上記ソイルセメント分散剤の項で説明したのと同様である。共重合体(X)の添加量についても、上記ソイルセメント分散剤の項で説明したのと同様である。
本発明の製造方法においては、炭酸ナトリウムを更に添加してもよい。炭酸ナトリウムについては、その添加量も含めて、上記ソイルセメント分散剤の項で説明したのと同様である。炭酸ナトリウムのソイルセメントへの添加時期に制限はなく、共重合体(X)と同時に添加してもよいし、それぞれ時間差を持って添加してもよい。時間差を持って添加する場合、炭酸ナトリウムを共重合体(X)に先立って添加するほうが、分散保持力を高める観点から好ましい。
本発明の製造方法で得られるソイルセメント組成物は分散保持力に優れている。ソイルセメント組成物の分散保持力の確認は、上記ソイルセメント分散剤の項で説明したのと同様の方法で行うことができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造参考例1>(共重合体(1):参考例1、5及び7にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]24.3部を分割投入し、更に48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]277.3部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(1)[アクリル酸マグネシウム塩(20モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(80モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(1)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例2>(共重合体(2):実施例2、6、8及び15にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]103.1部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(2)[アクリル酸マグネシウム塩(85モル%)−アクリル酸(15モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(2)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例3>(共重合体(3):実施例3及び9にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]24.3部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(3)[アクリル酸マグネシウム塩(20モル%)−アクリル酸(80モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(3)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例4>(共重合体(4):実施例4、10及び13にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]60.7部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(4)[アクリル酸マグネシウム塩(50モル%)−アクリル酸(50モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(4)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<比較製造例1>(共重合体(5):比較例2にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、40℃以下まで冷却した。そして濃度を40%に調整して、共重合体(5)[アクリル酸(100モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(5)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<比較製造例2>(共重合体(6):比較例3にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]121.3部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(6)[アクリル酸マグネシウム塩(100モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(6)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<比較製造例3>(共重合体(7):比較例4と6にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]346.9部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(7)[アクリル酸ナトリウム塩(100モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(7)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例5>(共重合体(8):実施例11にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]42.5部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体[アクリル酸マグネシウム塩(35モル%)−アクリル酸(65モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例6>(共重合体(9):実施例12にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]48.6部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(9)[アクリル酸マグネシウム塩(40モル%)−アクリル酸(60モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(9)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造実施例7>(共重合体(10):実施例14にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化マグネシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]72.8部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(10)[アクリル酸マグネシウム塩(60モル%)−アクリル酸(40モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(10)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<製造参考例8>(共重合体(11):参考例16にて使用)
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水200.0部及びイソプロピルアルコール300.0部を投入し、撹拌下、アクリル酸300.0部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100.0部をそれぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保った後、150.0部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した後、30℃まで冷却し、撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に水酸化カルシウム[試薬特級、和光純薬工業(株)製]77.1部を分割投入した。そして加水して濃度を40%に調整して、共重合体(11)[アクリル酸カルシウム塩(50モル%)−アクリル酸(50モル%)共重合体]を得た。なお、共重合体(11)の重量平均分子量は4,750、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。
<実施例〜4、参考例1及び比較例1〜3>
(1)スラリーの調製
表1及び表2に従って各種材料を混合した。更に表3に示す各成分を添加して、スラリーを調製した。用いた土の土壌湿潤密度は1.77g/cm3、含水比は39%であった。表3に示す共重合体(X)の添加率は、セメントの重量に対する固形分換算の添加重量を重量%にて表したものである。
Figure 0005226143
Figure 0005226143
(2)分散保持力の評価
日本道路公団規格(平成4年4月)JHS A 313「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」のうちの1.2 シリンダー法に準じて試験を行った。
すなわち、シリンダー(内径80cm、高さ80mm)を水平な板の上に静置し、スラリーをシリンダーの上端まで静かに入れた。シリンダーを静かに鉛直上方に引き上げた。引き上げ後経時的に板状に広がったスラリーの最大方向の径とこれに直角方向の径を測定し、測定値の平均をフロー値(mm)として算出した。フロー値が大きいほど分散性が高いと評価される。
試験結果を表3及び図1に示した。
Figure 0005226143
表3および図1から明らかな通り、比較例1〜3のスラリーと比較して実施例〜4及び参考例1のスラリーはフローの経時変化が少なく、中でも実施例3、及び参考例1のスラリーは顕著な分散保持力を示していた。この結果は、共重合体(X)を含む本発明のソイルセメント分散剤が優れた分散保持力を有することを示している。
<実施例6、8〜10、参考例5、7及び比較例4及び5>
(1)スラリーの調製
表4に従い各種材料を混合し、更に表5に示す量の炭酸ナトリウム剤「(製品名;ソーダ灰(工業用)、メーカー;トクヤマ、(固体状);粒状、サイズ(最大長);最大粒径 1.0mm)」を添加して、スラリーを調製した。表4に示す土の土壌湿潤密度は1.77g/cm3、含水比は39%であった。表5に示す共重合体(X)及び炭酸ナトリウムの添加率は、セメントの重量に対する固形分換算の添加重量を重量%にて表したものである。
Figure 0005226143
(2)分散保持力の評価
実施例1と同様に分散保持力の評価を、日本道路公団規格(平成4年4月)JHS A 313「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」のうちの1.2 シリンダー法に準じて試験を行った。試験結果を表5、図2及び図3に示した。
Figure 0005226143
比較例4〜5のスラリーと比較して実施例6、8〜10及び参考例5、7のスラリーはフロー値の経時変化が少なく、中でも実施例9及び10のスラリーは顕著な分散保持力を示していた(表5および図2)。また、実施例5の共重合体(X)の量を2倍量とした参考例7のスラリー、及び実施例6の共重合体(X)の量を2倍量とした実施例8のスラリーは、時間を経てもフロー値が全く変化せず、顕著な分散保持力を示していた(図3)。これらの結果は、本発明のソイルセメント分散剤において、共重合体(X)と炭酸ナトリウムとを併用することにより、更に優れた分散保持力を有すること、及び、共重合体(X)の添加量を増量することにより更に優れた分散保持力が発揮されることを示している。
実施例11〜15、参考例16及び比較例6
共重合体(X)として共重合体(8)〔Mg−35%〕(実施例11)、共重合体(9)〔Mg−40%〕(実施例12)、共重合体(4)〔Mg−50%〕(実施例13)、共重合体(10)〔Mg−60%〕(実施例14)、共重合体(2)〔Mg−85%〕(実施例15)、共重合体(11)〔Ca−50%〕(参考例16)を用いたこと、Na2(CO3)の添加量を1.5%としたこと以外は、実施例5と同様の試験を行った。また、コントロールとして、共重合体(X)の代わりに共重合体(7)〔Na−100%〕を用いたほかは、実施例5と同様の試験を行った(比較例6)。試験結果を図4に示した。
比較例6のスラリーと比較して実施例11〜16のスラリーはフロー値の経時変化が少なく、中でも実施例11〜14のスラリーは顕著な分散保持力を示していた(図4)。この結果は、本発明において、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位のアルカリ土類金属塩がマグネシウム、カルシウム等の2価の塩であることにより、優れた分散保持力が発揮されることを示している。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位と共重合モノマー(B)単位から構成される共重合体(X)であって、
    共重合モノマー(B)単位が(メタ)アクリル酸(B1)単位であり、
    (メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位のアルカリ土類金属がマグネシウムであり、
    (メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位が20〜85モル%、共重合モノマー(B)単位が15〜80モル%であり、共重合体(X)の重量平均分子量が1,000〜10,000である共重合体(X)を含むことを特徴とするソイルセメント分散剤。
  2. (メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩(A)単位が20〜60モル%、共重合モノマー(B)単位が40〜80モル%である請求項1に記載のソイルセメント分散剤。
  3. 炭酸ナトリウムを更に含む、請求項1又は2に記載のソイルセメント分散剤。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のソイルセメント分散剤を含む、ソイルセメント組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のソイルセメント分散剤をソイルセメントに添加する、ソイルセメント組成物の製造方法。
  6. 炭酸ナトリウムを更に添加する、請求項に記載のソイルセメント組成物の製造方法。
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