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JP5219201B2 - フォトマスク、フォトマスク用ブランク、フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法 - Google Patents

フォトマスク、フォトマスク用ブランク、フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォトマスク、フォトマスク用ブランク、フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法等に関する。
近年、大型FPD(フラットパネルディスプレイ)用マスクの分野において、半透光性領域(いわゆるグレートーン部)を有する多階調フォトマスク(いわゆるグレートーンマスク)を用いてマスク枚数を削減する試みがなされている(例えば、非特許文献1)。
ここで、多階調フォトマスクは、図5(1)及び図6(1)に示すように、透明基板上に、露光光を遮光する遮光部1と、露光光を透過する透光部2と、露光光を一部透過する半透光部3とを有する。半透光部3は、遮光部と透光部の中間的な透過率を得るための領域であり、例えば、図5(1)に示すように遮光部と透光部の中間的な透過率を有する半透光膜3a’を形成した領域、あるいは、図6(1)に示すように多階調フォトマスクを使用(搭載)してパターン転写を行う大型FPD用露光機の解像限界以下の微細遮光パターン3a及び微細透過部3b(いわゆるグレートーンパターン)を形成した領域であって、これらの領域を透過する露光光の透過量を低減しこの領域による照射量を低減して、係る領域に対応するフォトレジストの現像後の膜減りした膜厚を所望の値に制御することを目的として形成される。
大型多階調マスクを、ミラープロジェクション方式や、レンズを使ったレンズプロジェクション方式の大型露光装置に搭載して使用する場合、半透光部3を通過した露光光は全体として露光量が足りなくなるため、この半透光部3を介して露光したポジ型フォトレジストは膜厚が薄くなるだけで基板上に残る。つまり、レジストは露光量の違いによって通常の遮光部1に対応する部分と半透光部3に対応する部分で現像液に対する溶解性に差ができるため、現像後のレジスト形状は、図5(2)及び図6(2)に示すように、通常の遮光部1に対応する部分1’が例えば約1μm、半透光部3に対応する部分3’が例えば約0.4〜0.5μm、透光部2に対応する部分はレジストのない部分2’となる。そして、レジストのない部分2’で被加工基板の第1のエッチングを行い、半透光部3に対応する薄い部分3’のレジストをアッシング等によって除去しこの部分で第2のエッチングを行うことによって、1枚のマスクで従来のマスク2枚分の工程を行い、マスク枚数を削減する。
月刊FPD Intelligence、p.31-35、1999年5月
ところで、マイクロプロセッサ、半導体メモリ、システムLSIなどの半導体ディバイスを製造するためのLSI用マスクは、最大でも6インチ角程度と相対的に小型であって、ステッパ(ショット−ステップ露光)方式による縮小投影露光装置に搭載されて使用されることが多い。また、LSI用マスクでは、レンズ系による色収差排除及びそれによる解像性向上の観点から、単色の露光光が使用される。このLSI用マスクについての単色の露光波長の短波長化は、超高圧水銀灯のg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)へと進行してきている。
また、LSI用マスクを製造するための小型マスクブランクにおいては、高いエッチング精度が必要であるため、ドライエッチングによってマスクブランク上に形成された薄膜のパターニングが施される。
これに対し、FPD用大型マスクは、例えば、330mm×450mmから1220mm×1400mmと相対的に大型であって、ミラープロジェクション方式やレンズを使ったレンズプロジェクション方式の露光装置に搭載されて使用されることが多い。また、FPD用大型マスクを、ミラープロジェクション(スキャニング露光方式による、等倍投影露光)方式の露光装置に搭載して使用する場合、(1)反射光学系だけでマスクを介した露光が行われるので、LSI用マスクの如きレンズ系の介在に基づき生じる色収差は問題とならないこと、及び、(2)現状では多色波露光の影響(透過光や反射光に基づく干渉や、色収差の影響など)を検討するよりも、単色波露光に比べ大きな露光光強度を確保した方が総合的な生産面から有利であることから、またレンズ方式の大型露光装置に搭載して使用する場合上記(2)に記載したことなどから、超高圧水銀灯のi〜g線の広い帯域を利用し多色波露光を実施している。
また、FPD用大型マスクの製造においては、大型のドライエッチング装置の作製が難しく、作製したとしても非常に高価で均一にエッチングすることは技術的に難しい。このようなことから、FPD用大型マスクを製造するための大型マスクブランクにおいては、コスト面及びスループットを重視してエッチング液を用いたウエットエッチングを採用し、マスクブランク上に形成された薄膜のパターニングが施されることが多い。
近年、FPD用大型多階調マスクの要求精度(規格値)が厳しくなってきている。これと同時にコスト削減も要望されている。
そこで、本発明者らは、FPD用大型多階調マスクブランク及びマスクに関し、半透光膜及び遮光膜のそれぞれにウエットエッチングによるパターニングが施される場合について、厳しくなる要求精度(規格値)を満たすための課題について検討した。
その結果、厳しくなる要求精度や細線化に対応して、面内CD(線幅)異常が生じ、エッチング不良(例えば、標準のエッチング時間に対し局所的にエッチング時間が極端に長くなる)が生じる課題があり、厳しくなる要求精度(規格値)を満たすための障害になることが判った。詳しくは、パターンの違いによって最適エッチング時間が数十秒単位で変化し、CDの中心値の制御が困難となり、厳しくなる要求精度(規格値)を満たすことが困難となる課題があることが判った。また、パターンによって(例えば線幅が極細いライン状の透光部において)エッチング不良(Crの抜け不良)が発生する課題があることが判った。
本発明は、FPD用大型多階調マスクブランク及びマスクに関し、半透光膜及び遮光膜のそれぞれにウエットエッチングによるパターニングが施される場合について、上記課題を解決することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究開発を行った。具体的には、従来より面内CD(線幅)異常やエッチング不良の原因及び対応策に関しては検討されているのでそれを踏まえつつ、それに加え、CrとMoを単板と重ねた場合でエッチングレートを比較する実験を行った。その結果、図1に示すように、Cr単板に比べ、CrとMoの単板を重ねた場合は、Crのエッチング液に対するエッチングレートが約半減し、その影響が予想を超えて大きいことが判った。
上記の結果に基づき、次のように考察した。半透光膜で半透光部を形成するタイプの多階調マスクでは、その製造工程の過程で、基板上に複数の層(半透光膜層と遮光膜層)が直接積層されている(つまり互いに接している)。ここで、透過率を制御する関係並びにスパッタ成膜で成膜する関係上、半透光膜や遮光膜は金属又は金属化合物の膜となる場合が多いが、これら半透光膜や遮光膜の各々にある程度の導電性があると、電解質溶液に接したときに、電池(局部電池、ガルバニ電池)を構成してしまい、一方から他方に向けて、(電解質溶液中を)電子が移動する。尚、典型的なクロムエッチャントは、硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えたもので、強酸性溶液である。このような関係にある積層膜にエッチングを施すと、面内で酸化反応が不均一に生じ、エッチング速度が相対的に速い部分と、エッチング速度が相対的に遅い部分が生じる。結果として、面内CD(線幅)異常が生じ、エッチング不良(例えば、標準のエッチング時間に対し局所的にエッチング時間が極端に長くなる)が生じるのではないかと考えられる。
例えば、透明基板側からみて半透光膜と遮光膜がこの順に積層されるマスクにおいて(例えば、基板/MoSi半透光膜/Cr遮光膜のブランクを使用した場合)では、上層Cr遮光膜のウエットエッチング時に、面内のエッチング速度のばらつきによって、他よりも先にCr遮光膜のエッチングが終了しこれによって他よりも先にMoSi半透光膜が露出した箇所で電池が構成され、エッチング速度が相対的に速い部分と、エッチング速度が相対的に遅い部分が生じる。その結果、面内CD(線幅)異常が生じ、エッチング不良(例えば、Cr遮光膜が標準以上の時間をかけないと抜けない箇所が局所的に生じる)が生じ、厳しくなる要求精度(規格値)を満たすための障害になる。
そして、本発明者らは、上記課題解決のためには、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合であっても、そのことに基づいて面内のエッチング速度の差異が生じることによる弊害を回避しうるようにすること(言い換えると、そのことに基づいて電池が構成されることによる弊害を回避しうるようにすること)、具体的には、前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有する構成とすること、が有効であることこと見出し、本発明に至った。
本発明方法は、以下の構成を有する。
(構成1)透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成された多階調フォトマスクにおいて、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする多階調フォトマスク。
(構成2)前記半透光膜は、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光に対する透過率変化量が、1.5%以下となる材料からなることを特徴とする構成1に記載の多階調フォトマスク。
(構成3)前記絶縁膜は、前記半透光膜、前記遮光膜のいずれとも、エッチング選択性のある材料からなることを特徴とする構成1又は2に記載の多階調フォトマスク。
(構成4)前記半透光膜と前記遮光膜は、同一のウエットエッチャントによってエッチング可能であることを特徴とする構成1〜3のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
(構成5)前記半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜のみで構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
(構成6)該半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜と前記絶縁膜で構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
(構成7)前記半透光部は、露光光の透過率の異なる第1の半透光部と第2の半透光部を有し、前記第1の半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜のみで構成される半透光部が形成されてなり、前記第2の半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜と前記絶縁膜で構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
(構成8)透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で形成する工程と、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれウエットエッチングによってパターニングを行うことにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部を形成する工程を含む多階調フォトマスクの製造方法において、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする多階調フォトマスクの製造方法。
(構成9)透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成された多階調フォトマスク用ブランクにおいて、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする多階調フォトマスク用ブランク。
(構成10)構成1〜7のいずれかに記載のフォトマスク又は構成8に記載のフォトマスク製造方法によるフォトマスクを用い、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光によって、フォトマスクに形成された多階調パターンを被転写体上に転写する工程を含む、パターン転写方法。
本発明によれば、半透光膜で半透光部を形成するタイプの多階調フォトマスクを、ウエットエッチングによるパターニングによって製造する工程において、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合に生じることのある弊害を回避しうるマスクブランク、フォトマスク及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多階調フォトマスクは、
透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成された多階調フォトマスクにおいて、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする(構成1)。
本発明の多階調フォトマスクの製造方法は、
透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で形成する工程と、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれウエットエッチングによってパターニングを行うことにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部を形成する工程を含む多階調フォトマスクの製造方法において、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする(構成8)。
本発明の多階調フォトマスク用ブランクは、
透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成された多階調フォトマスク用ブランクにおいて、
前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有することを特徴とする(構成9)。
上記構成1、8、9に係る発明によれば、前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、前記半透光膜と前記遮光膜の間に、非導電性材料からなる絶縁膜を有する構成とすることによって、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合に生じることのある弊害、例えば、面内のエッチング速度の差異が生じることによる弊害、を回避しうる。また、前記半透光膜と前記遮光膜がそれぞれ導電性材料からなり、従って、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒されたときに弊害が生じる場合であっても、前記半透光膜と前記遮光膜についてはその材料やその導電性を変更することなくそのまま使用できる。
本発明において、絶縁膜は、上述した弊害を回避しうる程度に、導電性を小さくした非導電性材料が含まれる。
本発明において、絶縁膜は、電気抵抗がシート抵抗値50kΩ/□以上の非導電性材料からなることが好ましい。シート抵抗値50kΩ/□以上の非導電性材料とすることによって、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合に生じることのある弊害、例えば、面内のエッチング速度の差異が生じることによる弊害、を実質的に回避しうるからである。
本発明において、絶縁膜は、上記電気抵抗値を得る観点等から、50〜100オングストロームの厚さであることが好ましい。
本発明においては、上記構成1、8、9において、非導電性材料からなる絶縁膜は、金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物のいずれかからなる材料であり、該材料に含まれる酸素、窒素、又は炭素の含有量が、シート抵抗値50kΩ/□以上とするに足りるもので構成することができる。
このような素材として好ましいものは、具体的には、例えば、上述した弊害を回避しうる程度の非導電性を有するMo化合物、SiやSiの化合物、Cr化合物、Al化合物等が挙げられる。このうち、Mo化合物としては、MoSixのほか、MoSiの窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物などが含まれる。Siの化合物、Cr化合物、Al化合物としては、Si、Cr、Alのそれぞれ窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物などが含まれる。これらの化合物の組成を決定するに際しては、窒素、酸素、炭素量を調整することにより、非導電性をもつものとする。
本発明においては、上記構成1、8、9において、前記遮光膜及び前記半透光膜の双方の膜を、導電性とすることができる。
このような素材として好ましいものは、具体的には、例えば、導電性を有するCrやCr化合物、導電性を有するMo化合物、WやW化合物、AlやAl化合物等が挙げられる。このうち、Mo化合物としては、MoSiのほか、MoSiの窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物などが含まれる。Crの化合物、W化合物、Al化合物としては、Cr、W、Alのそれぞれ窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物などが含まれる。これらの化合物の組成を決定するに際しては、金属含有量を調整することにより、導電性をもつものとする。
本発明において、半透光膜(光半透過膜)の材質としては、膜厚を選択することにより、透光部の透過率を100%とした場合に透過率20〜60%程度(好ましくは40〜60%)の半透過性が得られるものが好ましく、例えば、MoSi系材料、Cr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、Si,W,Al等が挙げられる。Si,W,Al等は、その膜厚によって高い遮光性も得られ、或いは半透過性も得られる材質である。
ここで、半透光膜の材料としては、MoとSiで構成されるMoSi系材料に限らず、金属及びシリコン(MSi、M:Mo、W、Zr、Ti、Cr等の遷移金属)、酸化窒化された金属及びシリコン(MSiON)、酸化炭化された金属及びシリコン(MSiCO)、酸化窒化炭化された金属及びシリコン(MSiCON)、酸化された金属及びシリコン(MSiO)、窒化された金属及びシリコン(MSiN)、などが挙げられる。
本発明において、遮光膜の材質としては、膜厚を選択することによりで高い遮光性が得られるものが好ましく、例えばCr、Si、W、Al等が挙げられる。
遮光膜の材質としては、例えば、CrN、CrO、CrN、CrC、CrONなどCrを主成分とするものが挙げられる。遮光膜は、これらの単層でもこれらを積層したものであっても良い。遮光膜は、好ましくは、Crからなる遮光層にCr化合物(CrO、CrN、又はCrC)からなる反射防止層を積層したものが好ましい。
本発明においては、絶縁膜の欠陥などによって絶縁性が破られた際の備えとして、あるいは、絶縁膜の絶縁性を補う手段として、遮光膜及び半透光膜の少なくとも一方における絶縁膜との接触面側の層の導電性を小さくすること(好ましくは非導電性とすること)ができる。
このための具体的手段としては、例えば、膜の深さ方向(厚さ方向)の組成を変化させて、絶縁性との接触面側の層の導電性を小さくする。
詳しくは、(1)半透光膜における絶縁膜との接触面側の層の導電性を小さくする(非導電性とする)態様、(2)遮光膜における絶縁膜との接触面側の層の導電性を小さくする(非導電性とする)態様、及び、(3)半透光膜と遮光膜の双方について絶縁膜との接触面側の層の導電性を小さくする(非導電性とする)態様、がある。
例えば、絶縁膜上に形成される遮光膜の下層側の導電性を小さくする(例えばCr遮光膜の下層をNリッチのCrN層として導電性を小さくする)態様がある。また、例えば、絶縁膜の下に形成される半透光膜の上層側の導電性を小さくする(例えばCrN半透光膜の上層をNリッチのCrN層として導電性を小さくする、又は、MoSi半透光膜の上層をNリッチのMoSiN層として導電性を小さくする)態様がある。
本発明において、前記半透光膜は、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光に対する透過率変化量(i線〜g線の波長帯域における透過率の最大値と最小値との差)が、1.5%以下となる材料からなることが好ましい(構成2)。
このような材料としては、MoSi、CrNなどが挙げられる。これらのなかでも、(1)i線〜g線の波長帯域に亘る露光光に対する透過率の波長依存性が小さいこと、(2)耐薬品性(耐洗浄性)及び耐光性に優れること、(3)エッチング速度を制御できること、(4)中間絶縁膜(例えば非導電性MoSiN)のエッチング液に対してエッチング選択性が十分にあり、そのため中間絶縁膜(例えば非導電性MoSiN)のエッチングに際して半透光膜が受けるダメージが小さく半透光膜として十分に機能すること、などの点から、CrNが最も好ましい。
本発明において、前記絶縁膜は、前記半透光膜、前記遮光膜のいずれとも、エッチング選択性のある材料からなることが好ましい(構成3)。
前記絶縁膜の上層の膜に対してはエッチングストッパの作用が十分に求められ、前記絶縁膜の下層の膜に対しては前記絶縁膜を除去する際に下層の膜にダメージを与えずに前記絶縁膜を除去できる特性が十分に求められるからである。
例えば、前記半透光膜及び前記遮光膜の双方をCr系材料で形成し、前記絶縁膜をMoSi系材料で形成した場合、Cr系材料を硝酸第2セリウムアンモニウムと過酸素塩を混合させて希釈したエッチング液を用いてウェットエッチングすると、MoSi系の絶縁膜との間では高いエッチング選択比が得られる。しかし、MoSi系の絶縁膜を単に用いただけでは、本願発明で必要となる絶縁性(非導電性)が得られるとは限られず、むしろ通常はそのような絶縁性(非導電性)は得られ難い。上述したように、本発明では、必要な絶縁性(非導電性)が得られるように組成を制御している。
このように、本発明においては、前記絶縁膜は、エッチングストッパの作用を有するだけでは不十分であり、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合に生じることのある弊害、例えば、面内のエッチング速度の差異が生じることによる弊害、を回避しうる程度の非導電性を有することが前提である。
本発明は、前記遮光膜及び前記半透光膜が互いに接してエッチング液に晒された場合に生じることのある弊害を回避しうる作用を有し、これに加えエッチングストッパの作用を奏しえるものを用いるのが好ましい。
本発明において、前記半透光膜と前記遮光膜は、同一のウエットエッチャントによってエッチング可能であることが好ましい(構成4)。
エッチング液の種類が少ない工程の方が好ましいからであり、プロセスによっては半透光膜と遮光膜を同時に加工できる工程を一部に取り入れられ好ましいからである。
本発明の多階調フォトマスクにおいては、図3(1)に一例を示すように、前記半透光部は、透明基板21上に、前記半透光膜22のみで構成される半透光部が形成されてなる態様が含まれる(構成5)。
本発明の多階調フォトマスクにおいては、図3(2)に一例を示すように、前記半透光部は、透明基板21上に、前記半透光膜22と前記絶縁膜40で構成される半透光部が形成されてなる態様が含まれる(構成6)。
本発明の多階調フォトマスクにおいては、図3(3)に一例を示すように、前記半透光部は、露光光の透過率の異なる第1の半透光部と第2の半透光部を有し、前記第1の半透光部は、透明基板21上に、前記半透光膜22のみで構成される半透光部が形成されてなり、前記第2の半透光部は、透明基板21上に、前記半透光膜22と前記絶縁膜40で構成される半透光部が形成されてなる態様が含まれる(構成7)。この場合、絶縁膜として、一定の透過率を有する半透光膜を用い、選択的に残すことによって、4階調マスクを得ることが可能となる。
本発明において、透明基板の露出した透光部の露光光透過率を100%としたとき、半透光膜の露光光透過率は20〜60%が好ましく、40〜60%が更に好ましい。ここで透過率とは、多階調フォトマスクを使用する例えば大型LCD用露光機の露光光の波長に対する透過率のことである。
本発明において、形成されるマスクの遮光部は、半透光膜と遮光膜の積層となる場合は、遮光膜単独では遮光性が足りなくても半透光膜と合わせた場合に遮光性が得られれば良い。
本発明において、遮光膜、半透光膜と、絶縁膜とは、基板上に成膜したときに互いに密着性が良好であることが望ましい。
本発明の多階調フォトマスクの製造方法においては、半透光膜のエッチング後、半透光膜上の絶縁膜を除去する工程を有しても良く、有しなくても良い。
本発明では、透明基板上に半透光膜、遮光膜を成膜する工程を有するが、成膜方法は、スパッタ法、蒸着法、CVD(化学的気相成長)法など、膜種に適した方法を適宜選択すればよい。
本発明では、金属及び珪素を含む材料からなる半透光膜のエッチング液としては、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化水素アンモニウムから選ばれる少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いることができる。
本発明では、Crを含む材料のエッチング液としては、硝酸第2セリウムアンモニウムを含むエッチング液を用いることができる。
本発明の多階調フォトマスクは、薄膜トランジスタ(TFT)製造用の多階調フォトマスク及びブランクであり、該半透光部は、該薄膜トランジスタのチャネル部に相当する部分のパターンを転写するものとして好適に使用することができる。
TFT基板製造用のマスクパターンの一例を図7に示す。TFT基板製造用のパターン100は、TFT基板のソース及びドレインに対応するパターン101a、101bからなる遮光部101と、TFT基板のチャネル部に対応するパターンからなる半透光部103と、これらパターンの周囲に形成される透光部102とで構成される。
本発明のパターン転写方法は、上記構成1〜7のいずれかに記載のフォトマスク又は上記構成8に記載のフォトマスク製造方法によるフォトマスクを用い、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光によって、フォトマスクに形成された多階調パターンを被転写体上に転写する工程を含むパターン転写方法として好適に使用することができる(構成10)。
本発明において、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光源としては、超高圧水銀灯などが例示されるが、本発明はこれに限定されない。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(マスクブランクの作製)
大型ガラス基板(合成石英(QZ)10mm厚、サイズ850mm×1200mm)上に、大型インラインスパッタリング装置を使用し、多階調フォトマスク用の半透光膜の成膜を行った。具体的には、Crターゲットを用い、ArとN(8:2sccm)ガスをスパッタリングガスとしてCrN膜(半透光膜)を、露光光源の波長に対する透過率が40%となる膜厚(約80オングストローム)で成膜した。この半透光膜(CrN)のシート抵抗は1kΩ/□以下の導電性であった。
続いて、上記半透光膜上に、Mo:Si=20:80(原子%比)のターゲットを用い、ArとNをスパッタリングガス(流量比;Ar 5 :N 50 sccm)として、モリブデン及びシリコンの窒化膜からなる絶縁膜(MoSiN)を、120オングストロームの膜厚で形成した。この絶縁膜(MoSiN)のシート抵抗(は50kΩ/□以上の非導電性であった。
続いて、上記絶縁膜上に、遮光膜として、まずArガスをスパッタリングガスとしてCr膜(主遮光膜)を620オングストローム、次いでArとNOガスをスパッタリングガスとしてCrON膜(膜面反射防止膜)を250オングストローム、連続成膜した。尚、各膜はそれぞれ組成傾斜膜であった。この遮光膜(Cr/CrON)のシート抵抗は1kΩ/□以下の導電性であった。
以上のようにして、FPD用大型マスクブランクを作製した。
(多階調フォトマスクの作製)
上記のようにして、透明基板21(QZ)上に、半透光膜22(導電性CrN)、絶縁膜40(非導電性MoSiN)、及び遮光膜23(基板側からCr遮光膜23a/CrON反射防止膜23b)を順次成膜したマスクブランクを準備する(図2(1)参照)。
次に、このマスクブランク上に例えば電子線或いはレーザ描画用のポジ型レジストをCAPコータ装置を用いて塗布し、ベーキングを行って、レジスト膜を形成する。次に、電子線描画機或いはレーザ描画機などを用いて描画を行う。描画後、これを現像して、マスクブランク上に透光部を除く領域(即ち遮光部及び半透光部に対応する領域)にレジストパターン24aを形成する(図2(2)参照)。
次に、形成されたレジストパターン24aをマスクとして、遮光膜23をウエットエッチングする。使用するエッチング液は、硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えたもので、強酸性溶液である。図2(3)は、CrON反射防止膜23bがエッチングされ消失した時点での状態を示しており、Cr遮光膜23aの一部に局所的にエッチングが進んでしまった箇所が生じた状態を示している。一般にパターンの広い領域においては、狭い領域よりエッチングが速く進む(マイクロローディング効果)ため、Cr遮光膜上でのエッチング速度は、位置によって差異がある。図2(4)は、Cr遮光膜23aのエッチングが進行し、一部で絶縁膜22が露出した状態を示している。本発明では絶縁膜40は非導電性のMoSiN膜であるので、Cr膜とMoSiN膜との間で電位差が生じない。そのため、Cr膜とMoSiN膜が接触した部分付近でも特にCr膜の酸化反応が阻害されることはない。図2(5)は、Cr遮光膜23aのエッチングが終了した状態を示している。位置によるパターン形状や粗密のちがいはあるものの、導電膜との接触(電池の形成)などの加速によってCrパターンが残るようなことはない。
次に、形成されたレジストパターン24a等をマスクとして、絶縁膜40をウエットエッチングする(図2(6)参照)。使用するエッチング液は、弗化水素アンモニウムに過酸化水素を加えたものである。
次に、形成されたレジストパターン24a等をマスクとして、半透光膜22をウエットエッチングする(図2(7)参照)。使用するエッチング液は、硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えたものである。
次に、残存するレジストパターン24aを、濃硫酸などを用いて、あるいは酸素によるアッシングにより、除去する(図2(8)参照)。
次に、再び全面に前記レジストを塗布してレジスト膜を形成する。そして、2回目の描画を行う。描画後、これを現像して、少なくとも遮光部に対応するレジストパターン24b及び後述する24cを形成する(図2(9)参照)。
次に、形成されたレジストパターン24bをマスクとして、半透光部となる領域の遮光膜23をウエットエッチングにより除去する。これにより、半透光部上の透光膜が除去される(図2(10)参照)。
次に、形成されたレジストパターン24bをマスクとして、半透光部となる領域の絶縁膜40をウエットエッチングにより除去する。これにより、半透光部上の絶縁膜が除去される(図2(11)参照)。
最後に、残存するレジストパターン24b、24cを、濃硫酸などを用いて除去する(図2(12)参照)。
以上のようにして多階調フォトマスクが出来上がる。
なお、上記実施例において、半透光部を形成するために2回目のフォトリソグラフィー工程において、レジスト膜を形成して描画を行う際に、遮光部を保護すべき領域(例えば、図2(9)の右から2番目に示す遮光部など)に関しては、必要なサイズより透光部側に少し大きめのマージン領域(例えば0.1〜1μm程度)に描画領域を設定して描画を行い、遮光部全体を覆う少し大きめ(幅広)のレジストパターン24bが形成されるようにしてもよい。これにより、2回目の描画における位置ずれやアライメントずれがあっても、遮光部を保護すべき領域にある遮光部を保護できる。
また、図2(9)〜(11)に示すように、基板保護や描画効率のため、透光部の領域に、2回目の描画における位置ずれやアライメントずれを考慮して透光部の領域よりも小さめのレジストパターン24cが形成されるようにしてもよい。
なお、上記実施例では、図2(12)のTFTの部分が、前述の図7で説明したTFT基板製造用のマスクパターンの一部分に相当する。
(評価)
実施例に係る多階調フォトマスクは、ウエットエッチング工程中に電池が構成されることに基づくと考えられる、面内CD(線幅)異常や、エッチング不良(例えば、Crが標準の以上の時間をかけないと抜けない)は生じることはないことが確認された。
(実施例2)
上記実施例1において、図2の工程(6)でレジストパターン24aを除去した後、遮光膜23のパターンをマスクとして、絶縁膜40をウエットエッチングした。その他は実施例1と同様として評価を行った。
評価の結果は実施例1と同様であった。
(比較例1)
(マスクブランクの作製)
大型ガラス基板(合成石英(QZ)10mm厚、サイズ850mm×1200mm)上に、大型インラインスパッタリング装置を使用し、多階調フォトマスク用の半透光膜の成膜を行った。具体的には、Mo:Si=20:80(原子%比)のターゲットを用い、Arをスパッタリングガスとして、としてモリブデン及びシリコンからなる半透光膜(MoSi)を、露光光源の波長に対する透過率が40%となる膜厚で形成した。この半透光膜(MoSi)の電気抵抗値はシート抵抗値は1kΩ/□以下であり導電性であった。
上記半透光膜上に、遮光膜として、まずArガスをスパッタリングガスとしてCr膜(主遮光膜)を620オングストローム、次いでArとNOガスをスパッタリングガスとしてCrON膜(膜面反射防止膜)を250オングストローム、連続成膜した。尚、各膜はそれぞれ組成傾斜膜であった。この遮光膜(Cr/CrON)のシート抵抗値は1kΩ/□以下の導電性であった。
以上のようにして、FPD用大型マスクブランクを作製した。
(多階調フォトマスクの作製)
上記のようにして、透明基板21(QZ)上に、半透光膜22(導電性MoSi)、及び遮光膜23(基板側からCr遮光膜23a/CrON反射防止膜23b)を順次成膜したマスクブランクを準備する(図4(1)参照)。
次に、このマスクブランク上に例えば電子線或いはレーザ描画用のポジ型レジストをCAPコータ装置を用いて塗布し、ベーキングを行って、レジスト膜を形成する。次に、電子線描画機或いはレーザ描画機などを用いて描画を行う。描画後、これを現像して、マスクブランク上に透光部を除く領域(即ち遮光部及び半透光部)に対応するレジストパターン24aを形成する(図4(2)参照)。
次に、形成されたレジストパターン24aをマスクとして、遮光膜23をウエットエッチングする。使用するエッチング液は、硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えたもので、強酸性溶液である。図4(3)は、CrON反射防止膜23bがエッチングされ消失した辺りの状態を示しており、Cr遮光膜23aの一部に局所的にエッチングが進んでしまった箇所が生じた状態を示している。上述のとおり、パターンの広い領域においては狭い領域よりエッチングが速く進む(マイクロローディング効果)傾向があるため、面内でのエッチングの進行には不均一が生じる。図4(4)は、Cr遮光膜23aのエッチングが進行し、一部で半透光膜22が露出した状態を示している。比較例では半透光膜22は導電性のMoSi膜であるので、Cr膜とMoSi膜との間で電位差が生じる。そのため、Cr膜とMoSi膜が接触した部分付近ではCr膜の酸化反応が進む一方、Cr膜の残留している部分は、更に酸化反応が遅くなる。図4(5)は、Cr遮光膜23aのエッチングを終了した状態を示しているが、一部Cr膜が残留している。
次に、形成されたレジストパターン24a等をマスクとして、半透光膜22をウエットエッチングする(図4(6)参照)。使用するエッチング液は、弗化水素アンモニウムに過酸化水素を加えたものである。
次に、残存するレジストパターン24aを、濃硫酸などを用いて、あるいは酸素によるアッシングにより、除去する(図4(7)参照)。
次に、再び全面に前記レジストを塗布してレジスト膜を形成する。そして、2回目の描画を行う。描画後、これを現像して、少なくとも遮光部に対応するレジストパターン24b及び前述と同様に24cを形成する(図4(8)参照)。
次に、形成されたレジストパターン24bをマスクとして、半透光部となる領域の遮光膜23をウエットエッチングにより除去する。これにより、半透光部上の遮光膜が除去されて半透光部が形成される(図4(9)中程参照)。また、半透光部は遮光部と画されて半透光部及び遮光部が形成される(図4(9)右側参照)。このとき、比較例では半透光膜22は導電性のMoSiであるので、CrとMoSiとの間で電位差が生じる。すなわち、CrとMoSiが薬液に接触する側壁部分で、MoSiと薬液の間の電子のやりとりが生じ、Crのエッチング速度が阻害される。(図4(9)中程参照)。一方、エッチングが比較的進んだ箇所においては、エッチング時間を長くすると、パターンのサイドエッチングが生じて、線幅精度を劣化する。
最後に、残存するレジストパターン24b、24cを、濃硫酸などを用いて除去する(図4(10)参照)。
以上のようにして多階調フォトマスクが出来上がる。
(評価)
比較例に係る多階調フォトマスクは、ウエットエッチング工程中に電池が構成されることに基づくと考えられる、面内CD(線幅)異常が生じ、エッチング不良(例えば、Crが標準以上の時間をかけないと抜けない)が生じ、厳しくなる要求精度(規格値)を満たすための障害になることがわかった。
以上、好ましい実施例を掲げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
CrとMoを単板と重ねた場合でエッチングレートを比較する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1に係る製造方法を工程順に示す概略断面図である。 本発明の半透光部の態様を説明するための模式図である。 本発明の比較例1に係る製造方法を工程順に示す概略断面図である。 半透光膜を有する多階調フォトマスクを説明するための図であり、(1)は部分平面図、(2)は部分断面図である。 解像限界以下の微細遮光パターンを有する多階調フォトマスクを説明するための図であり、(1)は部分平面図、(2)は部分断面図である。 TFT基板製造用のマスクパターンの一例を示す図である。
符号の説明
1 遮光部
2 透光部
3 半透光部
3a 微細遮光パターン
3b 微細透過部
3a’ 半透光膜
10 多階調フォトマスク
20 多階調フォトマスク用ブランク
21 透明基板
22 半透光膜
23 遮光膜
24 レジスト膜
40 絶縁膜
100 TFT基板用パターン
101 遮光部
102 透光部
103 半透光部

Claims (8)

  1. 透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれ、レーザ描画及びウェットエッチングを用いてパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成された、FPD用多階調フォトマスクにおいて、
    前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり
    前記半透光膜と前記遮光膜の間に、シート抵抗値50kΩ/□以上の非導電性材料からなる絶縁膜を有し、
    前記半透光膜と前記遮光膜は、Cr又はCr化合物からなり、
    前記絶縁膜は、前記半透光膜及び前記遮光膜のいずれとも、エッチング選択性のある材料からなることを特徴とするFPD用多階調フォトマスク。
  2. 前記半透光膜は、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光に対する透過率変化量が、1.5%以下となる材料からなることを特徴とする請求項1に記載のFPD用多階調フォトマスク。
  3. 前記半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜のみで構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のFPD用多階調フォトマスク。
  4. 該半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜と前記絶縁膜で構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のFPD用多階調フォトマスク。
  5. 前記半透光部は、露光光の透過率の異なる第1の半透光部と第2の半透光部を有し、
    前記第1の半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜のみで構成される半透光部が形成されてなり、
    前記第2の半透光部は、透明基板上に、前記半透光膜と前記絶縁膜で構成される半透光部が形成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のFPD用多階調フォトマスク。
  6. 透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と、シート抵抗値50kΩ/□以上の非導電性材料からなる絶縁膜と、露光光を遮光する遮光膜をこの順で形成したフォトマスクブランクを準備する工程と、
    前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれ、レーザ描画及びウエットエッチングを施してパターニングを行うことにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部を形成する工程を含む多階調フォトマスクの製造方法において、
    前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ、Cr又はCr化合物からなる導電性材料からなり、かつ
    前記絶縁膜は、前記半透光膜及び前記遮光膜のいずれとも、エッチング選択性のある材料からなることを特徴とするFPD用多階調フォトマスクの製造方法。
  7. 透明基板上に、露光光の一部を透過する半透光膜と露光光を遮光する遮光膜をこの順で有し、前記半透光膜と前記遮光膜にそれぞれレーザ描画及びウェットエッチングを用いてパターニングが施されることにより、露光光を透過する透光部、露光光を一部透過する半透光部、露光光を遮光する遮光部が形成されたFPD用多階調フォトマスク用ブランクにおいて、
    前記半透光膜と前記遮光膜はそれぞれ導電性材料からなり、かつ、
    前記半透光膜と前記遮光膜の間に、シート抵抗値50kΩ/□以上の非導電性材料からなる絶縁膜を有し、
    前記半透光膜と前記遮光膜は、Cr又はCr化合物からなり、
    前記絶縁膜は、前記半透光膜及び前記遮光膜のいずれとも、エッチング選択性のある材料からなることを特徴とするFPD用多階調フォトマスク用ブランク。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のFPD用多階調フォトマスク又は請求項に記載のフォトマスク製造方法によるFPD用多階調フォトマスクを用い、i線〜g線の波長帯域に亘る露光光によって、フォトマスクに形成された多階調パターンを被転写体上に転写する工程を含む、パターン転写方法。
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