JP5207596B2 - 導電性硬化性樹脂組成物、その硬化体およびその成形体 - Google Patents
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Description
優れ、更にモールド成形性に優れた硬化性樹脂組成物、その硬化体、およびそれらの成形
体に関する。
れてきた。中でも、炭素材料は導電性に優れ、金属のような腐食がなく、耐熱性、潤滑性
、熱伝導性、耐久性等にも優れた材料であることから、エレクトロニクス、電気化学、エ
ネルギー、輸送機器等の分野で重要な役割を果たしてきた。そして、炭素材料と高分子材
料の組み合わせによる複合材料においても目覚ましい発展を遂げ、その結果、このような
複合材料も高性能化、高機能性化の一躍を担って来た。特に、高分子材料との複合化によ
り成形加工性の自由度が向上したことが、導電性が要求される各分野で炭素材料が発展し
てきた一つの理由である。
電池は、水素と酸素を利用して電気分解の逆反応で発電し、水以外の排出物がないクリー
ンな発電装置である。この燃料電池の分野においても、炭素材料と高分子材料が大きな役
割を担うことができる。燃料電池は、その電解質の種類に応じて数種類に分類されるが、
これらの中でも、固体高分子型燃料電池は低温で作動するため、自動車や民生用として最
も有望である。このような燃料電池は、例えば、高分子固体電解質、ガス拡散電極、触媒
、セパレータから構成された単セルを積層することによって、高出力の発電が達成できる
。
酸化剤ガス(酸素等)を供給し、発生した水分(水蒸気)を排出するための流路(溝)が
形成されている。それゆえ、セパレータにはこれらのガスを完全に分離できる高い気体不
透過性と、内部抵抗を小さくするために高い導電性が要求される。更には、強度、熱伝導
性、耐久性等に優れていることが要求される。
素材料の両面から検討されてきた。金属材料は耐食性の問題から、表面に貴金属や炭素を
被覆させる試みがされてきたが、充分な耐久性が得られず、更に被覆にかかるコストが問
題になる。
トをプレス成形して得られた成形品、炭素焼結体に樹脂を含浸させ硬化させた成形品、熱
硬化性樹脂を焼成して得られるガラス状カーボン、炭素粉末と樹脂を混合後成形した成形
品等が燃料電池用セパレータ用材料の例として挙げられる。
えて加熱混合後CIP成形(Cold Isostatic Pressing;冷間等
方圧加工法)し、次いで焼成、黒鉛化して得られた等方性黒鉛材に熱硬化性樹脂を含浸、
硬化処理し、溝を切削加工によって彫るという煩雑な工程が開示されている。
を含む紙に熱硬化性樹脂を含浸後、積層圧着し、焼成することが開示されている。特開2
001−68128号公報(特許文献3)には、フェノール樹脂をセパレータ形状の金型
に射出成形し、焼成することが開示されている。
時間が長く生産性が乏しく、また、曲げ強度が劣るという問題もある。更に、切削加工が
必要な場合は、量産性が更に乏しく高コストであるため、将来普及する材料としては難し
い面が多い。
が、それに適用可能な材料としては、炭素質材料と樹脂のコンポジットが一般的である。
例えば、特開昭58−53167号公報(特許文献4)、特開昭60−37670号公報
(特許文献5)、特開昭60−246568号公報(特許文献6)、特公昭64−340
号公報(特許文献7)、特公平6−22136号公報(特許文献8)には、フェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛、カーボンからなるセパレータが、特公昭57−42157号
公報(特許文献9)には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とグラファイト等の導電性物質
とからなる双極隔離板が、特開平1−311570号公報(特許文献10)には、フェノ
ール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂に膨張黒鉛およびカーボンブラックを配合してな
るセパレータが開示されている。
るため、炭素系フィラーの充填量を大幅に増やす必要があるが、モールド成形性を保持す
るために樹脂の含有量を多くするため、十分に高い導電性を得ることが困難であった。
加熱を行う焼成の工程を含むと、製造に要する時間が長くなると共に、製造工程が煩雑と
なってコストが上昇してしまうという問題があった。
しながら、上述したような従来の熱硬化性樹脂と炭素材料からなる硬化体は、燃料電池用
セパレータ用途に関して要求される高い耐熱水性に対して、充分な性能を有していなかっ
た。すなわち、その構造にエステル結合や、ウレタン結合を有する熱硬化性樹脂は、燃料
電池から発生する熱水により、加水分解を起こしてしまう場合があった。このため、使用
時間が長時間となることが想定される自動車用途や家電製品用途においては、従来の熱硬
化性樹脂と炭素材料からなる硬化体を用いた場合には、充分な耐久性を有する製品を得る
ことが出来なかった。
る性能を満足させると考えられる例としては、特開2004−250661号公報(特許
文献11)に開示されているセパレータがあるが、上述した燃料電池が単セルを積層する
ため、セパレータには基本的に貫通方向に電流が流れる。貫通方向の抵抗が大きいと、電
圧損失およびそれに伴う発熱量が大きくなり、望む高出力を得るためには、積層するセル
数が増加し、また過剰な発熱量の放熱に対する負荷が大きくなる。このような点からもさ
らに高い導電性が要求されている。
、かつ、モールド成形性(圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、射出圧縮成形等)
に優れ、高い導電性の硬化体が得られる導電性硬化性樹脂組成物を提供するものである。
さらに、該組成物をモールド成形して得られる、導電性に優れた燃料電池用セパレータ、
電池用集積体または電極及びその製造方法を提供することを課題とする。
複数個有する炭化水素化合物と、炭素−炭素二重結合を複数個有する炭化水素化合物を除
くエラストマーと、炭素質材料との組合せが、モールド成形性に優れる硬化性樹脂組成物
を与えるのみならず、その硬化物が優れた導電性をも有することを発見し、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[23]の事項に関する。
除くエラストマー、および(C)炭素質材料を少なくとも含む導電性硬化性樹脂組成物。
炭素二重結合を有する重合体であることを特徴とする、前記[1]に記載の導電性硬化性
樹脂組成物。
有し、かつ、主鎖は飽和しているモノマー単位を60モル%以上含有する重合体であるこ
とを特徴とする、前記[2]に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
を60モル%以上含有する重合体が、ジエン化合物を主モノマーとして重合されたもので
あることを特徴とする、前記[3]に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
も一種である、前記[4]に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
ブタジエン、3,4−ポリイソプレン、およびスチレンイソプレン共重合体の内の少なく
とも一種であることを特徴とする、前記[1]に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
)または式(2):
1]に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
オクテン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、イ
ソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ノルボルネンゴム、及びブチルゴムから
なる群より選ばれる1種または2種類以上の組み合わせであることを特徴とする、前記[
1]〜[7]のいずれかに記載の導電性硬化性樹脂組成物。
オクテン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム
、アクリルゴム、ノルボルネンゴム、及びブチルゴムからなる群より選ばれる1種または
2種類以上の組み合わせであることを特徴とする、前記[1]〜[8]のいずれかに記載
の導電性硬化性樹脂組成物。
、炭素繊維、繊維径が0.05〜10μmであり繊維長が1〜500μmの気相法炭素繊
維、繊維径が0.5〜100nmであり繊維長が0.01〜10μmのカーボンナノチュ
ーブ中から選ばれた1ないし2種類以上の組み合わせであることを特徴とする、前記[1
]〜[9]のいずれかに記載の導電性硬化性樹脂組成物。
状態において、加圧方向に対して直角方向の粉末電気比抵抗が0.1Ωcm以下であるも
のであることを特徴とする、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の導電性硬化性樹脂
組成物。
を特徴とする、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の導電性硬化性樹脂組成物。
B)成分のエラストマーとの質量比が20〜98質量%:80〜2質量%であり、かつ、
前記(A)成分と前記(B)成分の和を100質量部としたとき、その100質量部に対
して前記(C)成分の炭素質材料が40〜1,900質量部の割合で含まれることを特徴
とする、前記[1]〜[12]のいずれかに記載の導電性硬化性樹脂組成物。
いずれかに記載の導電性硬化性樹脂組成物。
得られることを特徴とする導電性硬化体。
、トランスファー成形、射出成形または射出圧縮成形のいずれかの方法により成形されて
なることを特徴とする導電性硬化体。
とを特徴とする、前記[15]又は[16]に記載の導電性硬化体。
する、前記[15]〜[17]のいずれかに記載の導電性硬化体。
、トランスファー成形、射出成形または射出圧縮成形のいずれかの方法により成形されて
なることを特徴とする導電性硬化体の製造方法。
記[15]〜[18]のいずれかに記載の導電性硬化体からなることを特徴とする導電性
成形体。
記[15]〜[18]のいずれかに記載の導電性硬化体からなることを特徴とする、両面
または片面にガスを流すための流路が形成された燃料電池用セパレータ、電池用集電体ま
たは電極。
、トランスファー成形、射出成形または射出圧縮成形のいずれかの方法により成形されて
なることを特徴とする、両面または片面にガスを流すための流路が形成された燃料電池用
セパレータ、電池用集電体または電極の製造方法。
記[15]〜[18]のいずれかに記載の導電性硬化体から得られる、JIS K719
4に準拠した体積固有抵抗が2×10-2Ωcm以下、貫通方向の抵抗率が2×10-2Ωc
m以下、かつ、JIS K6911に準拠した曲げ強度が30MPa以上であることを特
徴とする、両面または片面にガスを流すための流路が形成された燃料電池用セパレータ。
いて量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
本発明の導電性硬化性樹脂組成物は、(A)炭素−炭素二重結合を複数個有する炭化水
素化合物、(B)(A)成分を除くエラストマー、および(C)炭素質材料を少なくとも
含む。
本発明における(A)成分である炭素−炭素二重結合を複数個有する炭化水素化合物は
、炭素と水素を基本の構成元素とする化合物であるが、酸素、窒素原子を含でもよい。但
し、熱水による加水分解を避けるため、エステル結合やウレタン結合、アミド結合を有す
る構造は極力少ない化合物が好ましい。当該化合物が重合体である場合には、エステル結
合等の結合数はモノマー単位の総数の5%以内が望ましい。
しい。当該重合体は単独重合体でも、共重合体であってもよい。また、単独重合体、即ち
モノマーは一種類の重合体であっても、そのミクロ構造は重合方法(触媒、温度等の条件
)によって異なる場合がある。例えば、ブタジエンの単独重合体の場合、そのモノマー単
位が1,4−cis結合または1,4−trans結合を主体とするものは、主鎖に炭素
−炭素二重結合を有しており、その性状は常温においてゴム状態である。この重合体は一
般にポリブタジエンゴムと呼ばれる。一方、1位と2位の炭素が主鎖を形成しているモノ
マー単位(1,2−結合)を主体とした重合体は、分子量が高くなるといわゆる樹脂状態
を示す。分子量が低い(重合度が低い)場合は粘稠な液体となる。
モノマー単位とは、好ましくは1,2−結合を意味する。なお、全モノマー単位数とは、
例えば、ポリブタジエンの場合、1,2−結合、1,4−cis結合、1,4−tran
s結合を1つのモノマー単位としてカウントしたものの総和である。他のモノマーが共重
合されていればそのモノマーの1つを1つのモノマー単位としてカウントする。モノマー
単位とは重合体において原料となるモノマーの1つ1つに相当する部分をいう。
はその重合体を構成する全モノマー単位数に対して、60モル%以上存在することが好ま
しく、70モル%が更に好ましく、85モル%以上がもっとも好ましい。この量比が60
モル%未満では側鎖の炭素−炭素二重結合を反応させて硬化させた場合の硬化性が不充分
となる場合がある。また、炭素質材料を含んだ硬化物の曲げ弾性率、曲げ強度、Tg(ガ
ラス転移温度)も低下する傾向がある。
また、側鎖に炭素−炭素二重結合を有し、主鎖は飽和しているモノマー単位を60モル
%以上含有する重合体は、先に記載したジエン化合物(ブタジエン、ペンタジエン、イソ
プレン等)を主モノマー(原料となるモノマー中の50モル%以上を占めるモノマー)と
する重合体が好ましい(本発明ではこのようなジエン化合物を主モノマーとする重合体を
「ジエンポリマー」と称する場合がある)。このジエンポリマーは複数のジエン化合物モ
ノマーの共重合体であってもよい。また、側鎖の炭素−炭素二重結合の一部が水添(水素
添加により飽和炭素−炭素結合となる)されていてもよい。
、3,4−ポリペンタジエン、3,4−ポリイソプレン、ポリシクロペンタジエン等を挙
げることができるが、これに限定されるわけではない。本発明において、ジエンポリマー
は好ましくは1,2−ポリブタジエン、3,4−ポリイソプレンであり、より好ましくは
、1,2−ポリブタジエンである。これらの重合体はミクロ構造としてポリブタジエンの
3,4−結合に相当するモノマー単位を含んでいても構わない。更にジエン化合物以外の
モノマーが共重合されていてもよい。ジエン化合物以外のモノマーとしてはスチレン、ノ
ルボルナジエン、無水マレイン酸、メタクリル酸などが挙げられる。3,4−結合のモノ
マー単位および他のモノマーによるモノマー単位は、全モノマー単位数の40モル%未満
が好ましく、30モル%未満が更に好ましく、15モル%未満がより好ましい。
性、親水性を表すパラメータであり、本発明における(A)成分の重合体は疎水性である
ことが好ましい。親水性が大きくなると、水との親和性が増加し、その結果、耐熱水性が
低下する傾向を有するため、過大な親水性は好ましくない。
第4版 実験化学講座 高分子合成(社団法人 日本化学会編 丸善株式会社発行 平成
4年5月6日 第4版)」の41頁「実験例2・20 コバルト触媒による1,2−ポリ
ブタジエンとcis−1,4−ポリブタジエンの合成」や、「第4版 実験化学講座 高
分子合成(社団法人 日本化学会編 丸善株式会社発行 平成4年5月6日 第4版)」の
48頁「実験例2・26 (Pr−O)4Ti−有機アルミニウム系触媒による3,4−
ポリイソプレンの合成」に記載されているものが挙げられるが、これに限定されるもので
はない。
ような方法を用いてもよい。例えば、核磁気共鳴法(以下、「NMR法」と略す。)や、
フーリエ変換赤外分光法(以下、「FT−IR法」と略す。)等で行うことができる。こ
れらの具体的例としては、「高分子合成の実験法(株式会社 化学同人発行1984年3
月1日第8刷発行)」45頁「実験例223 赤外スペクトルによるポリブタジエンのミ
クロ構造の測定」の項や、「高分子合成の実験法(株式会社 化学同人発行1984年3
月1日第8刷発行)」49頁「実験例225 NMRによるポリブタジエンのミクロ構造
の測定」の項や、「高分子合成の実験法(株式会社 化学同人発行1984年3月1日第
8刷発行)」51頁「実験例226 NMRによるポリイソプレンのミクロ構造の測定」
の項に記載されている。本発明では上記のNMR法によってミクロ構造を測定する。
加えたものも使用できる。それらの具体例としては、アクリル変性、メタクリル変性、カ
ルボキシ変性、無水マレイン変性、エポキシ変性等種々の構造のものが挙げられるが、こ
れに限定するものではない。
本発明における(B)成分であるエラストマーは、(A)成分を除くゴム弾性を示す高
分子化合物であれば特に限定されるものではないが、機械強度、導電性、耐久性、耐熱性
、耐熱水性、加工面、炭素−炭素二重結合を複数個有する炭化水素化合物との相溶性、組
成物中への分散性、導電性フィラーの高充填性の面から適当なエラストマーが選ばれる。
特に耐熱水性の面からでは、熱水による加水分解を避けるため、エステル結合、ウレタン
結合等加水分解を受ける結合部位を有するエラストマーの使用量は少ないほうが好ましい
が、他の物性とのバランスで適切な量とすることができる。具体的には、水素化アクリロ
ニトリルブタジエンゴム、エチレンオクテン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレ
ンプロピレンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ノル
ボルネンゴム、及びブチルゴムからなる群より選ばれた1種または2種類以上の組み合わ
せによるものが好ましく、更には水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンオク
テン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ア
クリルゴム、ノルボルネンゴム、及びブチルゴムからなる群より選ばれた1種または2種
類以上の組み合わせが好適であるが、これらに限定するものではない。
本発明における(C)成分の炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、カ
ーボンブラック、炭素繊維、気相法炭素繊維、カーボンナノチューブ中から選ばれた1な
いし2種類以上の組み合わせが挙げられる。
圧圧縮したときの、加圧方向に対して直角方向の粉末電気比抵抗ができるだけ低いことが
望ましい。このような炭素質材料の粉末電気比抵抗値は0.1Ωcm以下であることが好
ましく、更に0.07Ωcm以下であることがより好ましい。炭素質材料の粉末電気比抵
抗が0.1Ωcmを超えると、硬化して得られる硬化物の導電性が低くなり、所望の硬化
物が得られ難くなる傾向がある。
からなる電極、2は樹脂からなる圧縮ロッド、3は受け台、4は側枠で、いずれも樹脂か
らなる。5は試料の炭素質材料粉末である。6は試料の下端で、紙面に垂直方向の中央部
に設けられている電圧測定端子である。
料を圧縮ロッド2により圧縮する。電極1より電極1’へ電流(I)を流す。端子6によ
り端子間の電圧(V)を測定する。このとき電圧は試料を圧縮ロッドにより嵩密度1.5
g/cm3としたときの値を用いる。試料の電気抵抗(端子間)をR(Ω)とするとR=
V/Iとなる。これからρ=R・S/Lにより電気比抵抗を求めることができる〔ρ:電
気比抵抗、S=試料の通電方向、即ち加圧方向に対し、直角方向の断面積(cm2)、L
は端子6間の距離(cm)である。〕。実際の測定では試料は直角方向の断面は横が約1
cm、縦(高さ)が0.5cm〜1cm、通電方向の長さ4cm、端子間の距離(L)は
1cmである。
本発明の(C)炭素質材料の一例である上記人造黒鉛を得るためには、通常は先ずコー
クスを製造する。コークスの原料は石油系ピッチ、石炭系のピッチ等が用いられる。これ
らの原料を炭化してコークスとする。コークスから黒鉛化粉末にするには一般的にコーク
スを粉砕後黒鉛化処理する方法、コークス自体を黒鉛化した後粉砕する方法、あるいはコ
ークスにバインダーを加え成形、焼成した焼成品(コークスおよびこの焼成品を合わせて
コークス等という)を黒鉛化処理後粉砕して粉末とする方法等がある。原料のコークス等
はできるだけ、結晶が発達していない方がよいので、2,000℃以下、好ましくは1,
200℃以下で加熱処理したものが適する。
熱体により粉末を加熱する方法等を使用することができる。
コークス、人造黒鉛および天然黒鉛等の粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピ
ンミル、ケージミル)や各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拌ミル(
ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。また、微
粉砕機であるスクリーンミル、ターボミル、スーパーミクロンミル、ジェットミルでも条
件を選定することによって使用可能である。これらの粉砕機を用いてコークスおよび天然
黒鉛等を粉砕し、その際の粉砕条件の選定、および必要により粉末を分級し、平均粒径や
粒度分布をコントロールすることができる。
能であれば特に制限はないが、例えば、篩分法や強制渦流型遠心分級機(ミクロンセパレ
ーター、ターボプレックス、ターボクラシファイアー、スーパーセパレーター)、慣性分
級機(改良型バーチュウアルインパクター、エルボジェット)等の気流分級機が使用でき
る。また湿式の沈降分離法や遠心分級法等も使用できる。
上記した膨張黒鉛粉末は、例えば、天然黒鉛、熱分解黒鉛等高度に結晶構造が発達した
黒鉛を、濃硫酸と硝酸との混液、濃硫酸と過酸化水素水との混液の強酸化性の溶液に浸漬
処理して黒鉛層間化合物を生成させ、水洗してから急速加熱して、黒鉛結晶のC軸方向を
膨張処理することによって得られた粉末や、それを一度シート状に圧延したものを粉砕し
た粉末である。
上記した炭素繊維としては、重質油、副生油、コールタール等から作られるピッチ系と
、ポリアクリロニトリルから作られるPAN系が挙げられる。
気相法炭素繊維とは、例えばベンゼン、トルエン、天然ガス等の有機化合物を原料に、
フェロセン等の遷移金属触媒の存在下で、水素ガスとともに800℃〜1,300℃で熱
分解反応させることによって得られる。更に、その後約2,500℃〜3,200℃で黒
鉛化処理することが好ましい。より好ましくは、ホウ素、炭化ホウ素、ベリリウム、アル
ミニウム、ケイ素等の黒鉛化触媒とともに約2,500℃〜3,200℃で黒鉛化処理す
る。
気相法炭素繊維を用いることが好ましく、より好ましくは繊維径が0.1μm〜5μm、
繊維長が5μm〜50μmであり、更に好ましくは繊維径が0.1μm〜0.5μm、繊
維長が10μm〜20μmである。
カーボンナノチューブとは、近年その機械的強度のみでなく、電界放出機能や、水素吸
蔵機能が産業上注目され、更に磁気機能にも目が向けられ始めている。この種のカーボン
ナノチューブは、グラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファ
イバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロ
チューブ、カーボンナノファイバー等とも呼ばれている。カーボンナノチューブにはチュ
ーブを形成するグラファイト膜が一層である単層カーボンナノチューブと、多層である多
層カーボンナノチューブがある。本発明では、単層および多層カーボンナノチューブのい
ずれも使用可能であるが、単層カーボンナノチューブを用いた方が、より高い導電性や機
械的強度の硬化物が得られる傾向があるため好ましい。
3〜P57、コロナ社出版、1998年発行)に記載のアーク放電法、レーザ蒸発法およ
び熱分解法等により作製し、更に純度を高めるために水熱法、遠心分離法、限外ろ過法、
および酸化法等により精製することによって得られる。より好ましくは、不純物を取り除
くために約2,500℃〜3,200℃の不活性ガス雰囲気中で高温処理する。更に好ま
しくは、ホウ素、炭化ホウ素、ベリリウム、アルミニウム、ケイ素等の黒鉛化触媒ととも
に、不活性ガス雰囲気中、約2,500℃〜3,200℃で高温処理する。
mのカーボンナノチューブを用いることが好ましく、より好ましくは繊維径が1nm〜1
0nm、繊維長が0.05μm〜5μmであり、更に好ましくは繊維径が1nm〜5nm
、繊維長が0.1μm〜3μmである。
査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した数百本分の各繊維の直径と長さを測定し、その
数平均をとったものである。
本発明のカーボンブラックとしては、天然ガス等の不完全燃焼、アセチレンの熱分解に
より得られるケッチェンブラック、アセチレンブラック、炭化水素油や天然ガスの不完全
燃焼により得られるファーネスカーボン、天然ガスの熱分解により得られるサーマルカー
ボン等が挙げられる。
また、本発明の(C)成分の炭素質材料に含まれるホウ素は、炭素質材料の全質量を基
準として、炭素材料中に0.05質量%〜10質量%含まれることが好ましい。ホウ素量
が0.05質量%未満では、ホウ素含有の目的とする高導電性の黒鉛粉末が得られ難い傾
向がある。他方、ホウ素量が10質量%を超えて含まれていても、炭素材料の導電性向上
の改善効果は小さくなる傾向がある。炭素質材料に含まれるホウ素の量の測定方法は特に
制限はなく、どのような測定方法でも測定できる。本発明では誘導型プラズマ発光分光分
析法(以下、「ICP」と略す。)又は誘導型プラズマ発光分光質量分析法(以下、「I
CP−MS」と略す。)により測定した値を用いる。具体的には試料に硫酸および硝酸を
加え、マイクロ波加熱(230℃)して分解(ダイジェスター法)し、さらに過塩素酸(
HClO4)を加えて分解したものを水で希釈し、これをICP発光分析装置にかけて、
ホウ素量を測定する。
ものが好ましい。ホウ素を含有させる方法としては、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、カ
ーボンブラック、炭素繊維、気相法炭素繊維、カーボンナノチューブ等の単品、あるいは
それらの1種以上の混合物にホウ素源として、B単体、B4C、BN、B203、H3B03
等を添加し、よく混合して約2,500〜3,200℃で黒鉛化処理することによって、
炭素質材料中にホウ素を含有させることができる。ホウ素化合物の混合が不均一な場合に
は、黒鉛粉末が不均一になるだけでなく、黒鉛化時に焼結する可能性が高くなる。ホウ素
化合物を均一に混合させるために、これらのホウ素源は50μm以下、好ましくは20μ
m以下程度の粒径を有する粉末にしてコークス等の粉末に混合することが好ましい。
きくなり、高導電性の黒鉛粉末が得られない場合がある。また、黒鉛中にホウ素および/
またはホウ素化合物が混合されている限り、ホウ素の含有の形態は特に制限されないが、
黒鉛結晶の層間に存在するもの、黒鉛結晶を形成する炭素原子の一部がホウ素原子に置換
されたものも、より好適なものとして挙げられる。また、炭素原子の一部がホウ素原子に
置換された場合のホウ素原子と炭素原子の結合は、共有結合、イオン結合等どのような結
合様式であってもよい。
本発明の導電性硬化性樹脂組成物は、(A)炭素−炭素二重結合を複数個有する炭化水素化合物、(B)(A)成分を除くエラストマー、および(C)炭素質材料を少なくとも含む。(A)成分と(B)成分との質量比は、20〜98質量%:80〜2質量%である。(B)成分が80質量%を超えると硬化体の強度、耐熱性が低下し、2質量%未満では(A)成分を除くエラストマーの添加効果が顕現しない。好ましくは(A)成分と(B)成分との質量比は、30〜95質量%:70〜5質量%、更に好ましくは、(A)成分と(B)成分との質量比は、40〜90質量%:60〜10質量%である。また、(C)成分の炭素質材料については、(A)成分と(B)成分の和を100質量部としたとき、その100質量部に対して(C)成分が40〜1,900質量部であり、より好ましくは100〜1,900質量部であり、更に好ましくは200〜1,200質量部である。炭素質材料が40質量部未満であると硬化体の導電性が低くなる。炭素質材料が1,900質量部を超えると成形性が悪くなる傾向があるので好ましくない。
本発明の導電性硬化性樹脂組成物は(D)反応性モノマーを含んでもよい。反応性モノ
マーとしては、特に制限はなく、種々のものが使用できる。例えば、ビニル基、アリル基
等の不飽和二重結合を含有するラジカル反応性モノマーを反応速度のコントロール、粘度
調整、架橋密度の向上、機能付加等を目的に添加することができる。ビニル基、アリル基
等の不飽和二重結合を含有するラジカル反応性モノマーとしては不飽和脂肪酸エステル、
芳香族ビニル化合物、飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステルおよびその誘
導体、架橋性多官能モノマー等が挙げられる。
上記した不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ
)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ
)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル(
メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)ア
クリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート
等のアクリル酸芳香族エステル;フルオロメチル(メタ)アクリレート、クロロメチル(
メタ)アクリレート等のハロアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリ
レート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、α−シアノアクリル酸エステル等が挙げ
られる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ア
セナフチレン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン等を挙げることがで
きる。
上記飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステルおよびその誘導体としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等がある。
また、上記した架橋性多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ
)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ω−(メタ)アクリロイロキシピリエトキシ)フェニル)プ
ロパン、等のジ(メタ)アクリレート;フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソ
フタル酸ジメタアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリ
ル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−キシレンジカルボン酸ジアリル
、4,4’−ジフェニルジカルボン酸ジアリル等の芳香族カルボン酸ジアリル類;シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジアリル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,4−ジイ
ソプロペニルベンゼン等の二官能の架橋性モノマー;トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリ
ルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート等の三官能の架橋
性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのような四官能の架橋性
モノマー等が挙げられる。
橋性多官能モノマーの添加が望ましい。また、熱水による加水分解を避けるため、エステ
ル結合、ウレタン結合等加水分解を受ける結合部位を有する反応性モノマーの使用量は少
ない方が好ましいが、他の物性とのバランスで適切な量とすることができる。
合物と(B)(A)成分を除くエラストマーの和を100質量部としたとき、その100
質量部に対して1〜40質量部、より好ましくは2〜30質量部、特に3〜25質量部で
あることが好ましい。(D)反応性モノマーが40質量部を超えると、例えば本発明の硬
化体、成形体の耐熱水性が充分でなくなる場合や成形性が悪くなる場合がある。
本発明の導電性硬化性樹脂組成物は、硬度、強度、導電性、成形性、耐久性、耐候性、
耐水性等を改良する目的で、滑剤、増粘剤、架橋剤、架橋助剤、硬化開始剤、硬化促進剤
、硬化遅延剤、可塑剤、低収縮剤、チクソ剤、界面活性剤、溶剤、ガラスファイバー、無
機繊維フィラー、有機繊維、紫外線安定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤
、撥水剤、親水性付与剤等の添加剤を必要に応じて添加することできる。
好ましい。有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル等の公知のものが
使用可能である。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミル
パーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙
げられる。これらの硬化開始剤は1種でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における導電性硬化性樹脂組成物は特に制限されないが、例えば、該硬化性組成
物の製造方法において、上記した各成分をロール、押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー等の樹脂分野で一般的に用いられている
混合機、混練機を使用し、硬化が開始しない温度で一定に保ちながら、なるべく均一に混
合させるのが好ましい。また、有機過酸化物を添加する場合は、その他の全ての成分を均
一に混合してから、最後に有機過酸化物を加えて混合するのがよい。
金型への材料供給を容易にする目的で、粉砕あるいは造粒することができる。粉砕には、
ホモジナイザー、ウィレー粉砕機、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミ
ル、ブレンダー)等が使用でき、材料同士の凝集を防ぐため冷却しながら粉砕することが
好ましい。造粒には、押出機、ルーダー、コニーダー等を用いてペレット化する方法、あ
るいはパン型造粒機等を使用する。
本発明における導電性硬化性樹脂組成物の成形法は、特に限定されるものではないが、
圧縮成形、トランスファー成形、射出成形または射出圧縮成形等の方法が用いられる。例
えば、本発明の導電性硬化性樹脂組成物を厚み精度の良い硬化体を得るために、押出機、
ロール、カレンダー等を用いて硬化が始まらない温度で所定の厚み、幅のシートに一度成
形する。より厚みを精度良く成形するためには、押出機で成形後、ロールやカレンダーで
圧延することが好ましい。シート中のボイドやエアーをなくすためには、真空状態で押出
成形することが好ましい。
得られたシートは目的の大きさにカットまたは、打ち抜き、そのシートを両面溝付きの
金型内に1枚、または2枚以上並列に並べるか、重ねて挿入し、圧縮成形機で熱硬化する
ことによって、硬化体を得る。欠陥のない良品を得るためには、硬化の際にキャビティ内
を真空にすることが好ましい。硬化後は製品の反りを矯正するために、10〜50℃に制
御された押さえ板で、3MPa以上で加圧して冷却することが好ましい。
硬化の条件としては、導電性硬化性樹脂組成物の種類に応じて最適温度を選定、探索す
ることができる。例えば、120〜300℃の温度範囲で、5秒間〜2,700秒間とい
う範囲で適宜決定することができる。また必要があれば、硬化後、150〜200℃の温
度範囲で10分間〜600分間アフターキュアーを施すことによって完全な硬化を実施し
得る。アフターキュアーは5MPa以上に加圧して行うことによって製品の反りを抑制で
きる。
本発明の導電性硬化体は、曲げ強度が30MPa以上であることが好ましい。より好ま
しくは35MPa以上であり、更に好ましくは40MPa以上である。曲げ強度が30M
Paより小さいと得られた硬化体が充分な強度を有し難くなる傾向がある。曲げ強度の測
定は、JIS K6911に規定されている方法で測定する。具体的には、試験片(80
mm×10mm×4mm)をスパン間隔64mm、曲げ速度2mm/minの条件で3点
式曲げ強度測定法により測定する。
本発明の導電性硬化体は、体積固有抵抗が2×10-2Ωcm以下であることが好ましい
。より好ましくは8×10-3Ωcm以下であり、更に好ましくは5×10-3Ωcm以下で
ある。体積固有抵抗が2×10-2Ωcmより大きいと、充分な導電性が得られず、好まし
くない。体積固有抵抗は、JIS K7194に準拠した四探針法で測定する。
より好ましくは1×10-2Ωcm2以下であり、更に好ましくは7×10-3Ωcm2以下で
ある。接触抵抗は2×10-2Ωcm2より大きいと、充分な導電性が得られ難い傾向があ
る。接触抵抗値は、試験片(20mm×20mm×2mm)と炭素板(1.5×10-3Ω
cm、20mm×20mm×1mm)を接触させ、それを二つの銅板ではさみ、98Nの
荷重を加える。そして、1Aの定電流を貫通方向に流して、試験片と炭素板の界面にプラ
スとマイナスの端子を接触させて電圧を測定することによって抵抗値を計算し、その値に
接触している断面積を積算して接触抵抗値とする。
2×10-2Ωcm以下であることが好ましい。より好ましくは15×10-3Ωcm以下で
あり、更に好ましくは10×10-3Ωcm以下である。貫通方向の抵抗率が2×10-2Ω
cmより大きいと、例えば導電性硬化体を板状に成形した場合、板厚方向(貫通方向)に
充分な導電性が得られず、好ましくない。貫通方向の抵抗率は、まず試験片(50mm×
50mm×2mm)4枚を接触させ、それを銅板に金メッキした電極(100mm×50
mm×0.3mm)で挟み、2MPaの荷重を加え、1Aの定電流を貫通方向に流して金
メッキ電極間の電圧を測定することによって抵抗を測定(測定値:Raとする)する。次
に同じ試験片を2枚として同様の操作で抵抗値を測定(測定値:Rbとする)する。これ
らから、次式:
)]
り好ましくは4.0W/m・K以上であり、更に好ましくは10W/m・K以上である。
熱伝導率が1.0W/m・Kより小さくなると、材料の放熱性が悪くなり、使用中に高温
になるため好ましくない。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法(t1/2法、レーザーフラ
ッシュ法熱定数測定装置 LF/TCM FA8510B 理学電気社製)により、試験
片(φ10mm、厚さ 1.7mm)を温度80℃、真空中、照射光ルビーレーザー光(
励起電圧2.5kV)の条件で測定できる。
本発明の導電性硬化体は、耐熱水性を高くできることが特徴である。耐熱水性の指標と
しては、例えば吸水率や質量変化率が挙げられる。これらは、JIS K7202に準拠
した方法で測定できる。
例えば、一定の大きさの試験片を耐圧容器に入れ、一定容量の蒸留水を加え、一定温度
のオーブン中で一定時間の試験を行い、試験前後の試験片の質量変化を測定することによ
り求めることができる。
の蒸留水を加えた状態で、150℃で1,562hr試験後の質量変化率が−1.5%〜
+1.5%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、−1.0%〜+1.0%の
範囲内である。
質量変化率が、−1.5%より少なくなる、あるいは+1.5%より大きくなると、長
時間使用したときの質量変化が大きくなり、成形品の寸法が大きく変化し、好ましくない
。また、質量変化率が−1.5%より少なくなると、材料が劣化し、ヒビや割れが多くな
り、特に好ましくない。
ランスを保つことが好ましい。曲げ強度のみが大きい硬化物は、脆い材料となる。また、
歪みのみが大きい硬化物は、強度に劣る。したがって、曲げ強度と歪みのバランスがとれ
た硬化物を作成することが望ましい。このような観点からも、本発明における導電性硬化
性樹脂組成物を用いて得られる導電性硬化体は、曲げ強度と歪みのバランスのとれた優れ
た性能を示す。
本発明の導電性硬化性樹脂組成物から得られる導電性成形体は、限定されるものではないが、特に燃料電池用セパレータ、電池用集電体または電極等の作製を目的として開発されたものであり、燃料電池用セパレータ、電池用集電体または電極に有用である。
しくは、35MPa以上であり、更に好ましくは40MPa以上である。曲げ強度が30
MPaより小さいと得られた成形体が充分な強度を有し難くなる傾向がある。
。より好ましくは8×10-3Ωcm以下であり、更に好ましくは5×10-3Ωcm以下で
ある。体積固有抵抗が2×10-2Ωcmより大きいと、充分な導電性が得られず、好まし
くない。
本発明の導電性成形体は、接触抵抗は2×10-2Ωcm2以下であることが好ましい。
より好ましくは1×10-2Ωcm2以下であり、更に好ましくは7×10-3Ωcm2以下で
ある。接触抵抗は2×10-2Ωcm2より大きいと、成形体は充分な導電性が得られず、
好ましくない。
2×10-2Ωcm以下であることが好ましい。より好ましくは15×10-3Ωcm以下で
あり、更に好ましくは10×10-3Ωcm以下である。貫通方向の抵抗率が2×10-2Ω
cmより大きいと、例えば導電性硬化体を板状に成形した場合、板厚方向(貫通方向)に
充分な導電性が得られず、好ましくない。
り好ましくは4.0W/m・K以上であり、更に好ましくは10W/m・K以上である。
熱伝導率が1.0W/m・Kより小さくなると、材料にかかる負担が大きくなり好ましく
ない。
ー成形、射出成形または射出圧縮成形等の成形法で硬化、成形することで得ることができ
る。
さらに具体的に説明するために、本発明の導電性硬化性樹脂組成物から得られる両面ま
たは片面にガスを流すための流路が形成された燃料電池用セパレータについて記述する。
本発明で得られるセパレータの流路の形状、サイズは、セパレータ自体のサイズ、形状、
ガスの流量等に応じて適宜設定すればよい。一般的には流路の断面は長方形であり、深さ
は0.5mm前後、幅は1.0mm前後であるが、これらに限定されるものではない。
、曲げ強度が30MPa以上であることが好ましい。より好ましくは35MPa以上であ
り、更に好ましくは40MPa以上である。曲げ強度が30MPaより小さいと得られた
燃料電池セパレータが充分な強度を有し難くなる傾向がある。
、体積固有抵抗は2×10-2Ωcm以下であることが好ましい。より好ましくは8×10
-3Ωcm以下であり、更に好ましくは5×10-3Ωcm以下である。体積固有抵抗が2×
10-2Ωcmより大きいと、充分な導電性が得られず、好ましくない。
、接触抵抗は2×10-2Ωcm2以下であることが好ましい。より好ましくは1×10-2
Ωcm2以下であり、更に好ましくは7×10-3Ωcm2以下である。接触抵抗は2×10
-2Ωcm2より大きいと、燃料電池セパレータは充分な導電性が得られず、好ましくない
。
、貫通方向の抵抗率(貫通方向の体積固有抵抗をあらわす)が2×10-2Ωcm以下であ
ることが好ましい。より好ましくは15×10-3Ωcm以下であり、更に好ましくは10
×10-3Ωcm以下である。貫通方向の抵抗率が2×10-2Ωcmより大きいと、例えば
導電性硬化体を板状に成形した場合、板厚方向(貫通方向)に充分な導電性が得られず、
好ましくない。
、熱伝導率が1.0W/m・K以上であることが好ましい。より好ましくは4.0W/m
・K以上であり、更に好ましくは10W/m・K以上である。熱伝導率が1.0W/m・
Kより小さくなると、材料の放熱性が悪くなり、使用中に高温になるため好ましくない。
また、燃料電池セパレータの発熱のために、運転温度を一定に保つコントロールが難しく
なり好ましくない。
燃料電池セパレータの製造方法は特に制限されない。この製造方法の具体例としては、
圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、注型法、射出圧縮成形法が挙げられる
が、これに限定するわけではない。より好ましくは、成形加工時に金型内あるいは金型全
体を真空状態にして成形する。
、本発明の硬化性組成物を一般の熱硬化性樹脂の成形法で硬化、成形することで得ること
ができる。ガスを流すための流路は本発明の硬化性組成物を一旦硬化させた後、機械加工
により、当該流路(溝等)を形成してもよい。また、ガス流路の反転形状を有する金型を
使用し圧縮成形等によって、硬化性組成物の硬化とガス流路形成を同時に行ってもよい。
法、射出成形法、注型法、射出圧縮成形法が挙げられるが、これに限定するわけではない
。より好ましくは、成形加工時に金型内あるいは金型全体を真空状態にして成形する。
。更に好ましくは、多段プレス(積層プレス)方法を用いると小さな出力で多数の製品を
成形できる。平面状の製品で面精度を向上させるためには、一度未硬化のシートを成形し
てから圧縮成形することが好ましい。
途中から注入し、材料中に溶かし込んで超臨界状態で成形することができる。製品の面精
度を挙げるには、射出圧縮方法を用いることが好ましい。射出圧縮法としては、金型を開
いた状態で射出して閉じる方法、金型を閉じながら射出する方法、閉じた金型の型締め力
をゼロにして射出してから型締め力をかける方法等を用いる。
要である。例えば、120〜300℃の温度範囲で、5秒間〜2,700秒間という範囲
で適宜決定することができる。また必要があれば、硬化後、150〜200℃の温度範囲
で10分間〜600分間アフターキュアーを施すことによって完全な硬化を実施し得る。
アフターキュアーは5MPa以上に加圧して行うことによって製品の反りを抑制できる。
求される分野の複合材料として最適である。更に、その硬化体は、黒鉛の導電性や熱伝導
性を限りなく再現でき、耐熱性、耐熱水性、耐食性、成形精度に優れる点で極めて高性能
なものが得られる。これらの導電性硬化性樹脂組成物ないし硬化体の用途は特に制限され
ないが、該用途の具体例としては、燃料電池用セパレータ、電極、電磁波シールド、放熱
材料、電池用集電体、電子回路基板、抵抗器、ヒーター、集塵フィルタエレメント、面状
発熱体、電磁波材料等を挙げることができる。
るものではない。
以下の実施例において用いた材料を、以下に示す。
<A−1>
1,2−ポリブタジエン:日本曹達株式会社製 B−3000(分子量:3,000、
1,2−結合:91.7%、50℃における粘度:10.7Pa・s)
<A−2>
1,2−ポリブタジエン:JSR株式会社製 RB−810(150℃、21.2Nに
おけるメルトインデックス:3g/10min、1,2−結合:90%)
<A−3>
SIS(スチレンイソプレン共重合体):株式会社クラレ製 ハイブラー 5125(
190℃、2.16kgにおけるメルトインデックス:4g/10min)
<B−1>
水素化NBR(水素化アクリロニトリルブタジエンゴム):日本ゼオン株式会社製 Z
etpol2000(ヨウ素価:<7mg/100mg、ムーニー粘度:70)
<B−2>
エチレンブテン共重合体:デュポンダウエラストマー社製 ENR 7380(190
℃、2.16kgにおけるメルトインデックス:0.5g/10min)
エチレンオクテン共重合体:デュポンダウエラストマー社製 8842(190℃、2
.16kgにおけるメルトインデックス:10g/10min)
<C−1>:ホウ素含有黒鉛微紛
非針状コークスである新日鉄化学(株)製LPC−Sコークス(以下「コークスA」と
いう。)をパルベライザー〔ホソカワミクロン(株)製〕で2mm〜3mm以下の大きさ
に粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)
製)で微粉砕した。その後、分級により所望の粒径に調整した。5μm以下の粒子除去は
、ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)を用い、気流
分級を行った。この調整した微粉砕品の一部14.4kgに炭化ホウ素(B4C)0.6
kgを加え、ヘンシェルミキサーにて800rpmで5分間混合した。これを内径40c
m、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いた黒鉛化炉に入
れてアルゴンガス雰囲気下2,900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り
出し、14kgの粉末を得た。得られた黒鉛微粉は平均粒径20.5μm、B含有量1.
3質量%であった。
コークスAをパルベライザーで2mm〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕
品をジェットミルで微粉砕した。その後、分級により所望の粒径に調整した。5μm以下
の粒子除去は、ターボクラシファイアーを用い、気流分級を行った。これを内径40cm
、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いた黒鉛化炉に入れ
て2,900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し黒鉛微粉を得た。得
られた黒鉛微粉は平均粒径20.5μm、B含有量0質量%であった。
気相法炭素繊維(以下、「VGCF」と略す。昭和電工登録商標。)は、昭和電工社製
VGCF−G(繊維径0.1〜0.3μm、繊維長10〜50μm)を用いた。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略す。)は以下の方法で得た。
直径6mm、長さ50mmのグラファイト棒に、先端から中心軸に沿って直径3mm、
深さ30mmの穴をあけ、この穴にロジウム(Rh):白金(Pt):グラファイト(C
)を質量比率1:1:1の混合粉末として詰め込み、陽極を作製した。一方、純度99.
98質量%のグラファイトからなる、直径13mm、長さ30mmの陰極を作製した。こ
れらの電極を反応容器に対向配置し、直流電源に接続した。そして、反応容器内を純度9
9.9体積%のヘリウムガスで置換し、直流アーク放電を行った。その後、反応容器内壁
に付着した煤(チャンバー煤)と陰極に堆積した煤(陰極煤)を回収した。反応容器中の
圧力と電流は、600Torrと70Aで行った。反応中は、陽極と陰極間のギャップが
常に1mm〜2mmになるように操作した。
その分散液を回収して、ロータリエバポレーターで溶媒を除去した。そして、その試料を
陽イオン界面活性剤である塩化ベンザルコニウムの0.1質量%水溶液中に超音波分散さ
せた後、5,000rpmで30分間遠心分離して、その分散液を回収した。更に、その
分散液を350℃の空気中で5時間熱処理することによって精製し、繊維径が1nm〜1
0nm、繊維長が0.05μm〜5μmのカーボンナノチューブを得た。
<D−1>
ジビニルベンゼン:新日鐵化学株式会社製 DVB−960(1,4−ジビニルベンゼ
ン含有率95〜97%品)
<D−2>
ジビニルビフェニル:新日鐵化学株式会社製 3,3’−ジビニルビフェニル含有率9
8%以上
ジクミルパーオキサイド:日本油脂株式会社製 パークミルD
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン:日本油脂株式会
社製 パーヘキサ25B
フェノール樹脂:昭和高分子株式会社製レゾール樹脂 BRL−274(20℃におけ
る粘度:25Pa・s、不揮発分75%)
上記の表1に示した組成の原材料をニーダーを用いて温度100℃で5分間混練した。
その混練物を100mm×100mmの平板(厚さは物性試験項目ごとに異なる)ができ
る金型に投入し、50t圧縮成形機を用いて金型180℃、圧力30MPaで8分間加圧
加熱し、硬化させて硬化物を得た。
上記の表1に示した組成の原材料をニーダーを用いて、温度90℃で5分間混練した。
その混練物を100mm×100mmの平板(厚さは物性試験項目ごとに異なる)ができ
る金型に投入し、50t圧縮成形機を用いて金型170℃、圧力30MPaで18分間加
圧加熱し、硬化させて硬化体を得た。
上記の表1に示した組成の原材料をニーダーを用いて、温度80℃で15分間混練した
。その混練物を100mm×100mmの平板(厚さは物性試験項目ごとに異なる)がで
きる金型に投入し、50t圧縮成形機を用いて金型180℃、圧力30MPaで7分間加
圧加熱し、硬化させて硬化体を得た。
体積固有抵抗は、JIS K7194に準拠し、四探針法により測定した。
れを銅板に金メッキした電極(100mm×50mm×0.3mm)で挟み、TOYO
BALDWIN製 TENSILON UTM−5Tにより2MPaの荷重を加え、TA
KASAGO.LTD製の定電流電源発生装置(CCP10−1MR)を用いて電流を貫
通方向に流した。金メッキ電極間の電圧をTAKEDA RIKEN製デジタルマルチメ
ータ(TR6840)で測定することによって抵抗を測定(測定値:Raとする)する。
次に同じ試験片を2枚として同様の操作で抵抗値を測定(測定値:Rbとする)する。こ
れらから、次式:
)]
を用いて測定を行った。JIS K6911法で、試験片(80mm×10mm×4mm
)をスパン間隔64mm、曲げ速度2mm/minの条件で3点式曲げ強度測定法により
測定した。
m)をフッ素樹脂製の容器に入れ、蒸留水を50ml加え、SUS316L製の耐圧容器
に入れ、150℃のオーブン内で回転させながら1,562hr試験を行った。試験前後
の質量を測定し、質量変化率を算出した。
化体および成形体は、耐熱水性、耐熱性、機械強度、導電性に優れ、また、成形時の流動
性も良好であった。
実施例3で用いた組成物を、280×200×1.5mmのサイズで1mmピッチの溝
が両面にできる平板を成形できる金型に投入し、500t圧縮成形機を用いて、金型温度
180℃、60MPaの加圧下で15分間硬化して両面溝付きの燃料電池用セパレータ形
状の平板(図2)を得た。
2 樹脂からなる圧縮ロッド
3 受け台(樹脂製)
4 側枠(樹脂製)
5 試料(炭素質材料粉末)
6 電圧測定端子
Claims (12)
- (A)側鎖に炭素−炭素二重結合を有し、かつ、主鎖は飽和しているモノマー単位を60モル%以上含有する重合体である炭化水素化合物、(B)水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンオクテン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ノルボルネンゴム、及びブチルゴムからなる群より選ばれる1種又は2種類以上の、(A)成分を除くエラストマー、及び(C)嵩密度が1g/cm3となるように加圧された状態において、加圧方向に対して直角方向の粉末電気比抵抗が0.07Ωcm以下である、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、気相法炭素繊維、及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれる1種又は2種類以上の炭素質材料を少なくとも含み、該(A)成分:該(B)成分の質量比は、20:80〜98:2であり、かつ、該(A)成分と該(C)成分の合計を100質量部としたとき、該(C)成分を40〜900質量部で含む導電性硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)炭素質材料が、0.05質量%〜10質量%のホウ素を含有する人造黒鉛、繊維径0.05μm〜10μm、繊維長1μm〜500μmの気相法炭素繊維、及び繊維径0.5nm〜100nm、繊維長0.01μm〜10μmのカーボンナノチューブからなる群から選ばれる、請求項1に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- 前記側鎖に炭素−炭素二重結合を有し、かつ、主鎖は飽和しているモノマー単位を60モル%以上含有する重合体が、ジエン化合物を主モノマーとして重合されたものであり、かつ、該側鎖の炭素−炭素二重結合は、1,2−結合である、請求項1又は2に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- 前記ジエン化合物がブタジエン、ペンタジエン及びイソプレンの内の少なくとも一種である、請求項3に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)成分は、1,2−ポリブタジエン、3,4−ポリイソプレン、及びスチレンイソプレン共重合体の内の少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- 前記(B)エラストマーは、エチレンオクテン共重合体、及びエチレンブテン共重合体からなる群より選ばれる1種又は2種類以上の組み合わせである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- (D)反応性モノマーを更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性硬化性樹脂組成物を硬化して得られた導電性硬化体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性硬化性樹脂組成物を圧縮成形、トランスファー成形、射出成形又は射出圧縮成形のいずれかの方法により成形する工程を含む、導電性硬化体の製造方法。
- 請求項9に記載の導電性硬化体からなる導電性成形体。
- 請求項9に記載の導電性硬化体からなる、JIS K7194に準拠した体積固有抵抗が2×10-2Ωcm以下、貫通方向の抵抗率が2×10-2Ωcm以下、かつ、JIS K6911に準拠した曲げ強度が30MPa以上であることを特徴とする、両面又は片面にガスを流すための流路が形成された燃料電池用セパレータ。
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