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JP5193062B2 - 多孔体及びその製造方法 - Google Patents

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JP5193062B2 JP2008551069A JP2008551069A JP5193062B2 JP 5193062 B2 JP5193062 B2 JP 5193062B2 JP 2008551069 A JP2008551069 A JP 2008551069A JP 2008551069 A JP2008551069 A JP 2008551069A JP 5193062 B2 JP5193062 B2 JP 5193062B2
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Description

本発明は、多孔体及びその製造方法に関する。
多孔体を製造する方法としては、例えば、樹脂と炭酸ガスやアンモニアガス等の揮発型発泡剤とを混練し、混練物を揮発ガスにより発泡させる方法や分解型発泡剤を樹脂と混練し、分解型発泡剤の分解によって生じるガスにより混練物を発泡させる方法がある。分散型発泡剤としては、アゾジカルボンアミドやジニトロソペンタメチレンテトラミン及びヒドラゾジカルボンアミドがある。
これらの発泡による方法の場合、独立気泡タイプの発泡体が形成される。そこで、発泡体に機械的変形を加えて独立気泡を破壊することにより、連続気泡が形成された多孔体を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしこの方法では、すべての独立気泡を破壊することは難しく、連続気泡の割合が高い多孔体を得ることは困難であった。
そのため、熱可塑性樹脂をその融点よりも高い融点を有する水溶性粉末を溶融混練して成形物を得た後に、成形物から水溶性粉末を抽出して多孔体を得る方法(以下「抽出法」という。)が知られている(特許文献2参照)。
一方、各種機能を付加した樹脂発泡体又は樹脂多孔体として、例えば、多孔質粒子が充填された複合発泡体(特許文献3)や、無機吸湿剤を含有する樹脂多孔体(特許文献4)が提案されている。
特公昭62−19294号公報 特開2002−322310号公報 特開2002−1829号公報 特開2002−191929号公報
しかしながら、上記の抽出法では、水溶性粉末を多量に用いると、成形物を得るための成形工程で混練物の流動性が低下して、成形性が悪化したり、外観が悪くなる傾向がある。そのため、水溶性粉末の充填率(混合比率)を高めることにより十分に高い気孔率を有する多孔体を得ることは事実上困難であった。
また、気泡が実質的に形成されていない充実成形品からの抽出により気泡が形成されるため、滑らかな表面から内部に向かって順次現われる密な表面を溶かしながら水溶性粉末を抽出する必要がある。したがって、抽出時間が長くなるという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第一に、気孔率の高い多孔体およびその製造方法を提供することにある。さらに本発明の第二の目的とするところは、短時間で多孔体を得る製造方法を提供することにある。本発明の第三の目的とするところは、新規な機能性多孔体およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る多孔体の製造方法は、高分子物質、気孔形成剤及び分解型発泡剤を含有する組成物の成形物を、高分子物質が溶融する温度に加熱して分解型発泡剤の分解により発泡させる工程と、発泡した成形物から気孔形成剤を溶媒への溶解により抽出して、成形物内に連続気泡を形成させる工程とを備える。
上記本発明に係る製造方法によれば、発泡及び抽出を組み合わせ、これらを順に行うことにより、高い気孔率を有する多孔体を短時間で得ることが可能になった。
上記気孔形成剤は、高分子物質の融点Maよりも高い融点Mbを有する第1の成分を含むことが好ましい。これにより、高分子物質及び気孔形成剤を含有する組成物を、溶融しない気孔形成剤が含まれた状態で高分子物質を溶融させて混練して、粉末状又は粒子状の気孔形成剤を含んだ成形用の混練物を容易に得ることができる。その結果、連続気泡を更に効率的に形成させることが可能になる。
気孔形成剤の第1の成分は、100〜350℃の融点Mbを有する多価アルコールであることが好ましい。多価アルコールはペンタエリスリトールであることが好ましい。
気孔形成剤が上記第1の成分を含む場合、上記組成物は、高分子物質 100重量部、気孔形成剤の第1の成分 50〜400重量部、及び分解型発泡剤 1〜50重量部を含有することが好ましい。
気孔形成剤は、高分子物質の融点Maよりも低い融点Mcを有する第2の成分を更に含むことが好ましい。この第2の成分はポリエチレンオキシドであることが好ましい。
気孔形成剤が上記第1及び第2の成分を含む場合、上記組成物は、高分子物質 100重量部、気孔形成剤の第1の成分 40〜450重量部、気孔形成剤の第2の成分 20〜450重量部、及び分解型発泡剤 1〜50重量部を含有することが好ましい。
本発明に係る製造方法は、Ma以上、且つ、Mb及び分解型発泡剤の分解温度Mdのうち低い温度よりも低い温度、で組成物を溶融混練する工程と、溶融混練された組成物を成形して成形物を得る工程とを更に備えていてもよい。この場合、組成物を、押出成形法、カレンダ−成形法、プレス成形法又は射出成形法を利用して成形して成形物を得ることが好ましい。
高分子物質は熱可塑性樹脂又は熱可塑エラストマーであってもよい。高分子物質はオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂であってもよい。高分子物質はエチレン−酢酸ビニル共重合体であってもよい。
上記溶媒は水又は水性溶媒であることが好ましい。
上記組成物は機能性充填材を更に含有していてもよい。これにより、連続気泡を利用した各種機能を多孔体に付与することができる。
上記機能性充填材は機能性高分子粒子であることが好ましい。この機能性高分子粒子は分子鋳型であることが好ましい。この機能性高分子はイオン交換樹脂であることも好ましい。
機能性高分子粒子を構成する高分子化合物と多孔体を構成する高分子物質との溶解度パラメータの差は1以内であることが好ましい。
機能性高分子粒子はその表面に官能基を有することが好ましい。この官能基は、高分子物質との反応性を有することが好ましい。
本発明に係る多孔体は、連続気泡を形成している高分子物質を含有し、50〜90容積%の気孔率を有する。
本発明に係る多孔体は、上述の機能性充填材を更に含有していてもよい。この場合、機能性充填材は連続気泡の壁面に露出していることが好ましい。上記多孔体は、その気孔率が高いことから、機能性充填材をその連続気泡の壁面に露出させたときに機能性充填材の機能を特に有効に発揮させることができる。
機能性高分子粒子は、その表面の官能基と高分子物質との反応により高分子物質と結合していることが好ましい。
本発明に係る多孔体は、連続気泡を形成している高分子物質と、分子鋳型である機能性高分子粒子とを含有するものであってもよい。また、本発明に係る多孔体は、連続気泡を形成している高分子物質と、イオン交換樹脂である機能性高分子粒子とを含有するものであってもよい。
本発明に係る濾過材は、上記本発明に係る多孔体を備える。本発明に係るイオン交換体母材は、上記本発明に係る多孔体を備える。
本発明の製造方法によれば、気孔率の高い多孔体を短時間で得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、発泡後に気孔形成剤の除去を行うため、連続気泡が形成され、良好な通水性を有する多孔体を短い抽出時間で容易に製造することができる。高い気孔率の多孔体を製造する場合も気孔形成剤の使用量を低減することができ、気孔形成剤の除去も容易である。そのため、生産効率がよく、また、得られる多孔体をより堅牢にすることができる。
本発明に係る多孔体は、気孔率が高いことから良好な通気性を有しており、濾過用フィルター材料、イオン交換構造材、モノリス型カラム等に特に適している。
また、本発明の製造方法によれば、機能性充填材を用いたときに、良好な通水性等を維持しながら、連続気泡を利用した各種機能が付与された多孔体を容易に製造することができる。
通水性の測定装置を示す模式図である。 実施例1、実施例2及び比較例1の抽出時間と多孔体の気孔率との関係を示すグラフである。 実施例3、実施例4及び比較例2の抽出時間と多孔体の気孔率との関係を示すグラフである。 実施例5、実施例6及び比較例3の抽出時間と多孔体の気孔率との関係を示すグラフである。 実施例7で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 実施例8で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 実施例9で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 実施例10で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例11で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例12で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例13で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例14で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例15で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例16で得られた多孔体の電子顕微鏡写真(右下:35倍、左下:100倍、右上;1000倍、左上:2000倍)である。 実施例11及び比較例4における抽出時間と多孔体の気孔率との関係を示すグラフである。 実施例14及び比較例5における抽出時間と多孔体の気孔率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…多孔体、2…濾過用フィルターホルダー、3…減圧ポンプ接続口付容器、4…クランプ、5…減圧ポンプ接続口。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る多孔体の製造方法は、高分子物質、気孔形成剤及び分解型発泡剤を含有する組成物を溶融混練する混練工程と、溶融混練された組成物(混練物)を成形して成形物を得る成形工程と、成形物を高分子物質が溶融する温度に加熱して分解型発泡剤の分解により発泡させる発泡工程と、発泡した成形物から気孔形成剤を溶媒への溶解により抽出して、成形物内に連続気泡を形成させる抽出工程とを備える。
上記高分子物質としては、熱可塑性樹脂、熱可塑エラストマー又はこれらの混合物が好ましく用いられる。高分子物質の融点Maは100〜300℃であることが好ましい。
熱可塑性樹脂は、押出成形、カレンダー成形、又は射出成形に適したものが好適である。そのため、熱可塑性樹脂は100〜300℃の融点を有することが好ましい。熱可塑性樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のようなオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリカーボネート、ポリアセタール、並びにポリビニルアルコールが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種類で又は2種類以上を組合わせて用いられる。これらのなかでも、オレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂が好ましい。
熱可塑エラストマーは、ゴム状弾性を付与するソフトセグメントおよび三次元網目の結び目を形成するハードセグメントからなる高分子材料であり、常温ではゴム弾性を示し、高温で可塑化する。そのため、熱可塑エラストマーは押出成形、カレンダー成形、又は射出成形によって容易に成形することができる。
熱可塑エラストマーの具体例としては、ハードセグメントがポリスチレンでソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソプレン又はこれらの水素添加物であるポリスチレン系エラストマー、ハードセグメントがポリエチレンまたはポリプロピレンでソフトセグメントがブチルゴムやEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)であるポリオレフィン系エラストマー、ハードセグメントがポリアミドでソフトセグメントがポリエステル又はポリエーテルであるポリアミド系エラストマー、ハードセグメントがポリエステルでソフトセグメントがポリエーテルであるポリエステル系エラストマー、及び、ハードセグメントがウレタン結合を有するポリウレタン系ブロックでソフトセグメントがポリエステル又はポリエーテルであるポリウレタン系エラストマーが挙げられる。これらを1種で又は2種以上を組合わせて高分子物質として用いてもよい。
気孔形成剤としては、抽出のための溶媒に可溶であり、溶媒によって抽出されたときに気泡が形成されるような材料が用いられる。そのため、高分子物質を気孔形成剤とともに溶融混練したときに、粉末状又は粒子状の気孔形成剤が高分子物質中に分散した混練物が得られるような、粉末状又は粒子状の材料が気孔形成剤として好適に用いられる。
気孔形成剤は、高分子物質の融点Maよりも高い融点Mbを有する有機化合物である第1の成分(以下場合により「第一気孔形成剤」という。)を含む。第一気孔形成剤は、高分子物質を含む組成物の成形温度において固体状態を維持することが可能である。そのため、第一気孔形成剤を用いることにより、抽出後に連続気泡が効率的に形成され易くなる。
多孔体の製造方法は、融点Maの高分子物質に、Maより高い融点Mbを有する第一の気孔形成剤及びMaより高い熱分解温度Mdを有する分解型発泡剤を含有する多孔体用組成物の成形物をMd以上に加熱して発泡させる工程と、高分子物質は溶解しないが第一気孔形成剤は溶解する溶媒で第一気孔形成剤を抽出する工程とを含んでいてもよい。
第一気孔形成剤の融点Mbは40〜350℃であることが好ましい。融点Mbの下限はより好ましくは100℃、更に好ましくは150℃である。融点Mbの上限はより好ましくは300℃である。例えば高分子物質の融点Maが100℃〜300℃である場合、第一気孔形成剤の融点Mbは、Ma以上で、且つ、100℃を超え350℃以下であることが好ましく、150℃〜300℃であることがより好ましい。
第一気孔形成剤としては、炭素数2〜5程度の多価アルコール、及び尿素が好ましく用いられる。多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトール、L−エルスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトール及びビナコールが挙げられる。これらの材料の中で特にペンタエリスリトールが好ましい。ペンタエリスリトールは親水性であることから、抽出工程に用いる溶媒として水又は水性溶媒を選択することが可能となる。また、ペンタエリスリトールは、その純度に依存して変化し得るものの、一般に180℃〜260℃の融点を有することから各種の高分子物質と組合わせて適用しやすい。しかも、ペンタエリスリトールは溶融状態から固化する速度が速いことから成形物の冷却時間が短くすることができ、生産性向上のためにも有利である。
第一気孔形成剤は、1種類だけ用いてもよいし、2種類以上組合わせてもよい。2種類以上を組合わせる場合には、粒径の異なる材料や、成形温度での剛性の異なる材料を組み合わせることによって、気孔の形成状態をより容易に変化させることができる。
気孔形成剤は、高分子物質の融点Maよりも低い融点Mcを有する第2の成分(以下場合により「第二気孔形成剤」という。)を更に含むことが好ましい。第二気孔形成剤の融点Mcは、50〜200℃であることが好ましい。第二気孔形成剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド及びポリエチレングリコールが挙げられる。中でも、ポリエチレンオキシド(好ましくは分子量100万〜800万)が溶融粘度等の観点から望ましい。
第一気孔形成剤及び必要に応じて使用される第二気孔形成剤は、成形のための混練物を得るための溶融混練において、高分子物質中に均一に分散されることが大切である。このため、分散剤を適宜用いてもよい。この分散剤としては、例えば、ステアリン酸のような高級脂肪酸、ステアリルアルコールのような高級脂肪族アルコール、パラフィン、並びに、ステアロアミド、パルミチルアミド、メチレンビスステアロアミド及びエチレンビスステアロアミドのような高級脂肪酸アミドが挙げられる。
分解型発泡剤は、所定の分解温度Md以上に加熱されたときに分解してガスを発生することにより、成形物を発泡させる成分である。分解型発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド(ADCA、分解温度195〜210℃)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、分解温度98〜102℃)、バリウムアゾジカルボキシレート(分解温度240〜250℃)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT、分解温度200〜205℃)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH、分解温度157〜162℃)、及びパラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH、分解温度103〜111℃)が挙げられる。
分解型発泡剤の選定に際しては、上述の高分子物質及び気孔形成剤を含有する混練物の成形温度と、分解型発泡剤の分解温度との関係が考慮される。分解型発泡剤の分解温度における混練物の溶融粘度が高すぎると、発泡剤の分解によって発生するガス圧が混練物の機械的強度によって抑えられて混練物が発泡しにくくなる。逆に混練物の溶融粘度が低すぎると、発生するガスが容易に混練物を突き破って発散するため発泡しにくくなる。係る観点から、例えば高分子物質がオレフィン系樹脂の場合には、分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)及びジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が特に好適である。
また、より良い発泡状態を得るために、組成物が架橋剤及び/又は架橋助剤を含有していてもよい。架橋剤としては、例えばジクミルパーオキサイド、2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、及び2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の有機過酸化物を用いることができる。上記架橋助剤は、二種以上組み合わせて使用してもよい。架橋剤の量は、高分子物質100重量部に対して、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは2重量部以下である。架橋剤の効果を発現し易くするためには、架橋剤の量は0.2重量部以上が好ましく、0.4重量部以上がより好ましい。架橋剤は、少なすぎると発泡状態の向上効果が小さくなる傾向があり、多すぎると発泡度の向上が難しくなる傾向がある。
架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、及びトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。架橋助剤は、二種以上組み合わせて使用してもよい。架橋助剤の量は、高分子物質100重量部に対して、好ましくは0〜2重量部、より好ましくは1.5重量部以下である。架橋助剤の量が2重量部を超えても、発泡性の改善効果の著しい向上は得られにくい。架橋助剤による効果を発現し易くするためには0.1重量部以上が好ましい。
成形物を得るための上記組成物は、機能性充填材を更に含有していてもよい。機能性充填材は、特定の機能を多孔体に付与する無機又は有機の充填材である。機能性充填材としては、例えば、研磨機能、熱伝導機能、熱伝導防止機能、導電性機能、光線吸収機能、分子ふるい機能、イオン交換機能、又は分子鋳型機能を多孔体に付与する材料が用いられる。
無機の機能性充填材としては、シリカ、酸化アルミニウム及び酸化セリウム等の研磨剤、炭酸カルシウム及び酸化珪素等の熱伝導又は熱伝導防止を担う物質、金、銀及び銅等の熱伝導性又は導電性の金属粒子、酸化チタン等の顔料粒子がある。
有機の機能性充填材としては、高分子化合物によって形成された機能性高分子粒子がある。機能性高分子粒子は、イオン交換樹脂粒子、分子鋳型、研磨剤、又は有機顔料であってもよい。また、機能性高分子粒子は、ポリスチレン多孔体粒子であってもよい。ポリスチレン多孔体粒子は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィのカラム充填剤として使用される粒子であり、ジビニルベンゼンを用いて形成された架橋構造を含んでいてもよい。機能性高分子粒子は、ポリエチレンパウダー等の改質用高分子微粒子であってもよい。
機能性充填材は、無機と有機の複合材料であってもよい。機能性充填材として用いられる複合材料の例としては、ポリスチレン粒子に金めっきを施した粒子がある。
機能性充填材が融点又は分解点を有するときは、これらの温度は、前記したMa、Mb及びMcのうち最も低い温度よりも高いことが好ましく、Ma、Mb及びMcのうち最も高い温度よりも高いことがより好ましい。機能性充填材の融点又は分解点は、前記した多孔体の製造工程にいて機能性充填材に負荷される温度よりも高いことが好ましい。
機能性高分子粒子を、多孔体を形成する高分子物質に均一に分散させるためには、機能性高分子粒子を構成する高分子化合物と多孔体を構成する高分子物質とで、溶解度パラメータとの差が1以内であることが好ましく、0.5以内であることがより好ましい。
溶解度パラメータ(solubility parameter;SP値)とは、ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)IV−341頁〜IV−368頁(H.−G.ELIASと共同で、J.BRANDRUP/E.H.IMMERGUT編;INTERSCIENCE PUBLISHERS発行)に示される”SOLUBILITY PARAMETER VALUE”(H.Burrell著)に説明される値である。また、「溶剤ハンドブック」(浅原 照三、戸倉 仁一郎、大河原 信、熊野谿 従、妹尾 学編、株式会社 講談社サイエンティフィク 1976年第1刷発行、1993年第13刷発行)第91〜93頁にも同様の溶解度パラメータについて説明されている。溶解度パラメータは、smallの方法で又は実験的に求めることができる。
smallの方法では、SP値をδ、分子中又は繰り返し単位中の原子及び基の全てのF値の総和をΣF(ただし、F値は、molar−attraction constant(単位;(cal・cm1/2/mol、25℃)である。)、分子量(又は繰り返し単位の分子量)をM、分子の密度をρとするとき、SP値δは、式:
により求めることができる。
なお、主な置換基のF値は、次のとおりである。
メチル基(HC−):214
メチレン基(−CH−;2級炭素):133
メチレン基(HC=(二重結合)):190
メチン基(HC;3級炭素):28
メチン基(−HC=(二重結合)):111
四級炭素:93
エステル基(−COO−):310
二級水酸基(−OH):300
フェニル基:735
フェニレン基:658
上記の式によると、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン:酢酸ビニル=9:1(モル比)、密度0.93)のδは8.5(繰り返し単位C2242の分子量:338.56)、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(スチレン:ジビニルベンゼン=1:1(モル比)、密度0.90)のδは7.2(繰り返し単位C1819の分子量:234.32)、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート)重合体(密度1.1)のδは7.7(繰り返し単位C1014の分子量:198.21)、ポリ(グリセロールジメタクリレート)(密度1.1)のδは8.3(繰り返し単位C1116の分子量:228.24)である。
機能性高分子粒子が分子鋳型である場合、分子鋳型を、多孔体を形成している高分子物質に担持させることできる。このような多孔体は、分子鋳型を用いた微量有機化合物の捕捉及び捕捉後の微量有機化合物の回収に際して、取扱に便利がよい。多孔体内に連続気泡が形成されているため、分子鋳型が担持された多孔体に通水すれば、水中に含まれる微量の特定有機化合物を採取することができる。従って、多孔体を濾過剤の一種としても用いることができる。このような目的のためには、多孔体が高い通水性を有することが好ましい。
分子鋳型として用いられる機能性高分子粒子としては、分子インプリントポリマー又はフラグメントインプリントポリマーとして知られている高分子の粒子が挙げられる。インプリントポリマーは、一定の条件下で標的物質を選択的に吸着し、一定の条件下で吸着した標的物質を放出する。
これらインプリントポリマーは、標的物質又はその類似化合物からなる鋳型分子と機能性モノマーとを、水素結合のような非共有結合的な相互作用によって自己会合させた後、架橋剤の存在下に重合を行わせ、次いで、鋳型分子を除去する方法により得られる重合体である。塊状重合を利用した場合、得られた重合体は適宜粉砕して使用される。懸濁重合を利用した場合、粒子状のインプリントポリマーが得られ、この場合、粉砕は必ずしも必要ではない。粒子状のインプリントポリマーを得るには、シード重合、特に二段膨潤重合法又は多段膨潤重合法として知られている方法が好ましい。
上記の標的物質としては、特に制限はないが、比較的低分子量の化合物が好ましい。PCB(パークロロビフェニル)、ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA、及びダイオキシン等が環境ホルモンである故に標的物質として注目される。
ビスフェノールAが標的物質である場合、それ自身だけでなく、パラターシャリーブチルフェノールを鋳型分子として使用することができる。また臭素化ビスフェノールAが標的物質である場合、それ自身だけでなく、2,6−ビス−(トリフルオロメチル)−安息香酸を鋳型分子として使用することができる。
インプリントポリマーを得るために用いられる機能性モノマーとしては、重合性(特にラジカル重合性)を有する化合物が用いられる。機能性モノマーは、重合サイト以外に標的物質と相互作用するサイト(塩基性基、酸性基等の官能基)を有する。機能性モノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、グリシジルメタクリレート及び酢酸ビニルが挙げられる。
インプリントポリマーを得るために用いられる架橋剤としては、二重結合を2個以上有するラジカル重合性化合物が好ましい。その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びジビニルベンゼンがある。二重結合を2個以上有するラジカル重合性化合物とともに、二重結合を1個有するラジカル重合性化合物(以下「1官能モノマー」という。)を適宜併用することができる。この1官能モノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート、並びにスチレンがある。
上記の二段膨潤重合法又は多段膨潤重合法は、フタル酸ジブチル等の膨潤助剤によりポリスチレン等の膨潤可能なポリマーの粒子を膨潤させることと、膨潤した粒子を鋳型分子、機能性モノマー、架橋剤(必要に応じて1官能モノマーを併用する)及び重合開始剤とともに溶媒に懸濁させ、粒子をさらに膨潤させた後、昇温して機能性ポリマーを架橋剤と共に重合させることとを含む。重合開始剤は、膨潤助剤又は架橋剤に予め溶解しておくことが好ましい。
上記の膨潤助剤は、フタル酸ジブチルに代表されるようにポリマーの可塑剤として知られるものが好ましい。膨潤助剤として、1官能モノマー、架橋剤、非水溶性の有機溶剤を使用してもよい。
上記の溶媒としては、水又は水性溶媒が好ましい。水性溶媒としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒がある。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール及びイソブチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン、並びに、ジイソプロピルエーテル及びジブチルエーテル等のエーテルが挙げられる。また、粒子その他の成分をよく懸濁させるために、溶媒にポリビニルアルコール等の高分子分散剤及び陰イオン界面活性剤等の界面活性剤を添加することが好ましい。また、上記のポリマーの粒子や架橋剤等と共にベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン及びヘキサン等の非水溶性の有機溶剤を併用することにより、多孔性の粒子状インプリントポリマーを得ることができる。インプリントポリマーが多孔性であると、標的物質の吸着サイトが多く露出することとなり好ましい。重合開始剤や界面活性剤としては、後記するものが使用できる。
多段膨潤重合法として、ポリマーの粒子を、膨潤助剤による膨潤、非水溶性の有機溶剤による膨潤、及び架橋剤による膨潤を順次行い、その後重合を行ってもよい。この場合、重合前の任意の時点から溶媒(水または水性溶媒)に粒子を懸濁させることができる。
以上のような、分子鋳型の製造に利用されるいずれの重合法においても、重合の最終段階又はその終了後さらに、官能基を有する1官能モノマーを添加しこれを重合させて、分子鋳型を表面修飾することができる。このような官能基を有する1官能モノマーとしては、上記機能性モノマーと同様のものが使用できる。これにより、官能基を表面に有するインプリントポリマー粒子が得られる。この官能基を使用して、インプリントポリマーの担持体への吸着又は結合を容易にすることができる。例えば、官能基を有する1官能モノマーとして、カルボキシル基を有する1官能モノマーを使用して得たインプリントポリマーを、多孔体を形成する高分子物質としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体と組合わせた場合、インプリントポリマーのカルボキシル基とエチレン−酢酸ビニル共重合体のアセチル基とでエステル交換反応させることにより、多孔体にインプリントポリマーを結合させることができる。これにより多孔体にインプリントポリマーを担持させることができる。
分子鋳型、イオン交換樹脂等の機能性充填材(機能性高分子粒子)は、その機能を十分に発揮させるために、多孔体の連続気泡の壁面に露出していることが好ましい。そのためには、機能性充填材を構成する高分子化合物と多孔体を構成する高分子物質との溶解度パラメータの差は好ましくは1以内、より好ましくは0.5以内である。これにより、機能性充填材を均一に分散させて、機能性充填材の多孔体表面への露出が容易に確保される。あるいは、溶解度パラメータの差を、これらの範囲外として、すなわち溶解度パラメータの差を0.5又は1より大きくすることにより機能性高分子粒子と高分子物質とが混ざり難くしてもよい。この場合、多孔体の壁面に機能性高分子粒子を吸着や化学結合などの相互作用によりつなぎ止めるようにすれば、より少量の機能性高分子粒子の使用でより大きな効果を発揮させることができる。そのために、機能性高分子粒子の表面を、多孔体を構成する高分子物質と相互作用し得る官能基で表面修飾することが好ましい。係る観点等から、機能性高分子粒子は、多孔体を構成する高分子物質との反応性を有する官能基をその表面に有していることが好ましい。この官能基としては例えばカルボキシル基がある。
機能性充填材として、機能性高分子粒子である分子鋳型を用いる場合、発泡剤及び気孔形成剤のうちいずれか一方のみを用いてもよいし、両方を用いてもよい。発泡剤を用いないときは、架橋剤及び架橋助剤も用いなくてもよい。
機能性高分子粒子の大きさは任意であるが、その最大粒径が0.1〜1000μmであることが好ましい。また、機能性充填材の量は、多孔体を構成する高分子物質100重量部に対して、0.1〜300重量部であることが好ましく、0.5〜200重量部であることがさらに好ましい。
多孔体を得るための組成物の好適な配合比を以下に示す。以下に示す各配合比において、括弧内の数値範囲はさらに好ましい範囲である。また、以下のいずれの組成においても、混練作業性を改善するために分散剤を追加してもよいことは言うまでもない。
高分子物質 100重量部
第一気孔形成剤 50〜400重量部(100〜350重量部)
分解型発泡剤 1〜50重量部(3〜20重量部)
分散剤 0〜3重量部(0.1〜1重量部)
架橋剤 0〜5重量部(0.2〜2重量部)
架橋助剤 0〜2重量部(0〜1.5重量部)
また、第二気孔形成剤を用いる場合には、下記のような配合比が好ましい。
高分子物質 100重量部
第一気孔形成剤 40〜450重量部(80〜300重量部)
第二気孔形成剤 20〜450重量部(40〜300重量部)
分解型発泡剤 1〜50重量部(3〜20重量部)
分散剤 0〜3重量部(0.1〜1重量部)
架橋剤 0〜5重量部(0.2〜2重量部)
架橋助剤 0〜2重量部(0〜1.5重量部)
機能性充填材を用いる場合には、下記のような配合比が好ましい。
高分子物質 100重量部
第一気孔形成剤 50〜400重量部
分解型発泡剤 1〜50重量部(100〜350重量部)
機能性充填材 0.1〜300重量部(0.5〜200重量部)
またこの場合、下記のような配合比でもよい。
高分子物質 100重量部
第一気孔形成剤 50〜400重量部(100〜350重量部)
分解型発泡剤 1〜50重量部(3〜20重量部)
分散剤 0〜3重量部(0.1〜1重量部)
架橋剤 0〜5重量部(0.2〜2重量部)
架橋助剤 0〜2重量部(0〜1.5重量部)
機能性充填材 0.1〜300重量部(0.5〜200重量部)
更に、第二気孔形成剤を用いる場合、下記のような配合比が好ましい。
高分子物質 100重量部
気孔形成剤の第1の成分 40〜450重量部(80〜300重量部)
気孔形成剤の第2の成分 20〜450重量部(40〜300重量部)
分解型発泡剤 1〜50重量部(3〜20重量部)
機能性充填材 0.1〜300重量部(0.5〜200重量部)
またこの場合、下記のような配合比でもよい。
高分子物質 100重量部
第一気孔形成剤 40〜450重量部(80〜300重量部)
第二気孔形成剤 20〜450重量部(40〜300重量部)
分解型発泡剤 1〜50重量部(3〜20重量部)
分散剤 0〜3重量部(0.1〜1重量部)
架橋剤 0〜5重量部(0.2〜2重量部)
架橋助剤 0〜2重量部(0〜1.5重量部)
機能性充填材 0.1〜300重量部(0.5〜200重量部)
気孔形成剤が少なすぎると気孔率が低下する傾向がある。気孔形成剤が多すぎると気孔率が大きくなりすぎて、機械的強度や成形性が低下する傾向がある。また、第二気孔形成剤は溶融混練時に溶融する改質剤的な役目を担うため、第一気孔形成剤を第二気孔形成剤よりも多く含有させることができる。発泡剤が少なすぎると実質的に発泡せず、多すぎると外観不良等の原因となる。
組成物及びこれを用いて得られる成形物において、第一気孔形成剤及び第二気孔形成剤の合計量は、成形物全体に対して好ましくは40〜90容積%、より好ましくは50〜85容量%であることが好ましい。この合計量が40容積%未満では、抽出時間が長時間化する傾向があり、85容積%を越えると得られる多孔体の機械的強度や成形性が低下する傾向がある。
組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。これにより、水又は水性溶媒によって気孔形成剤を抽出するときに、抽出を更に効率よく行うことができる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び非イオン界面活性剤のいずれでもよい。陰イオン界面活性剤としては例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基に直接SONa基が付加したアルキルスルホン酸塩、ナフタリンにSONa基が付加したβ−テトラヒドロナフタリンスルホン酸塩、及びオレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩が使用される。陽イオン界面活性剤としては、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、及びテトラアルキルアンモンジウム塩等がある。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、及びアルキジエタノールアマイド等がある。界面活性剤の量は、高分子物質100重量部に対して、0〜5重量部であることが好ましく、0.5〜3重量部であることがより好ましい。
多孔体を得るための組成物は、以上のような成分の他、溶融混練の効率を上げること等の目的のために、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、酸化防止剤、金属劣化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、及び顔料等を必要に応じて添加することができる。
混練工程において、高分子物質、気孔形成剤及び分解型発泡剤を含有する組成物を高分子物質を溶融させながら溶融混練する。溶融混練は、熱可塑性樹脂や熱可塑エラストマーの溶融混練のために一般的に用いられる方法により行うことができる。具体的には、混練ロール、ヘンシェルミキサー、単軸押出機又は二軸押出機を用いて溶融混練を行うことができる。混練後の混練物は、必要によりペレット状にカッティングされる。
第一気孔形成材を用いる場合、高分子物質の融点Ma以上、且つ、第一気孔形成剤の融点Mb及び分解型発泡剤の分解温度Mdのうち低い温度よりも低い温度で組成物を溶融混練することが好ましい。これにより粉末状又は粒子状の第一気孔形成剤が均一に分散した混練物を容易に得ることができる。
成形工程において、溶融混練により得られた混練物は成形物に賦形される。言い換えると、混練物を成形して成形物を得る。成形工程は混練工程と同時又はその後で行われる。混練物は、シート状、フィルム状、矩形状、円筒状、円柱状、及び角柱状等の任意の形状に成形される。成形方法は、必要な成形物の形状等に応じて決められる。シート状の成形物は、プレス成形法、カレンダー成形法、又は押出成形法によって得ることができる。円筒形、円柱形、及び角柱形の成形物は押出成形法によって得ることができる。その他任意の3次元形状の成形物は、射出成形法によって得ることができる。3次元形状の成形物は、混練物を一旦シート状の成形した後、真空成形法、圧空成形法等により3次元形状に賦形する方法によって得ることもできる。
発泡工程において、混練物から得られた成形物(充実成形物)を加熱して発泡させる。発泡工程は、成形物を、成形物中に練り込まれた分解型発泡剤の分解温度まで昇温することによって行われる。昇温はたとえば高温槽で行われる。昇温時には、成形物は柔らかくなって敷物にくっついてしまうことがある。特にシート状の成形物の場合は敷物にくっつき易い。そのため、フッ素樹脂シート等の離型性を有するシート上に成形物を載せて成形物を発泡させることが好ましい。また、3次元形状の成形物の場合、型くずれしないよう適当な治具に成形物を担持させることが好ましい。
抽出工程において、発泡させた成形物から、気孔形成剤を溶解する溶媒を用いて気孔形成剤を抽出する。上記溶媒は、高分子物質は実質的に溶解せず、気孔形成剤を溶解する単独の溶媒または混合溶媒であれば特に限定されず、高分子物質及び気孔形成剤の種類によって適宜選択される。ただし、環境への影響等の配慮から水又は水性溶媒(水性媒体)が好ましい。
水性溶媒としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が用いられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール及びイソブチルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン、並びに、ジイソプロピルエーテル及びジブチルエーテル等のエーテルが挙げられる。水溶性有機溶媒の比率は溶媒全体で50質量%以下が好ましい。
抽出は、槽中に収容された液温が常温〜60℃の水又は水性溶媒に発泡工程後の成形物を浸漬する方法によって行うことができる。この際、溶媒をスクリュー等で攪拌したり、高分子物質がエラストマー材料のように伸縮性を有する材料である場合は成形物を2本ロール等に通して絞り加工を繰り返すと、抽出時間を短くすることができる。
抽出時間は、成形物の厚さ、発泡倍率等によって変わるが、通常、10〜200時間の範囲で選ばれる。抽出後、成形物に付着している溶媒を乾燥して、連続気泡が形成された多孔体が得られる。
本実施形態に係る方法において、高分子物質、気孔形成剤、及び分解型発泡剤等の種類及びその量と、製造条件を適宜調整することにより、各種の孔径で、各種の気孔率を有する多孔体を得ることができる。特に、本実施形態によれば高い気孔率を有する多孔体を短時間で容易に得ることができる。
発泡工程において、成形物が発泡する。発泡により、発泡前と比較して膨張した成形物が得られる。例えば、高分子物質が40容積%、気孔形成剤の合計量が60容積%である組成物を成形して得た3mLの体積を有する成形物の場合、発泡工程を経ずに抽出のみによって多孔体を形成させると、60容積%(1.8mL)の気孔形成剤が抽出されて、残り40容積%(1.2mL)の高分子物質によって形成された、見かけの体積が3mLの多孔体(気孔率60容積%)が得られる。これに対して、上記と同様の3mLの組成物を発泡工程により見かけの体積が4mLになるまで膨張させた場合、抽出後、1.2mLの高分子物質によって形成された、見かけの体積が4mL(気孔率70容積%)の多孔体が得られる。すなわち、発泡工程を経ることにより、発泡工程がない場合に見かけの体積が3mLの多孔体が得られる組成物と同じ量の高分子物質を用いて、見かけの体積が4mLの多孔体が得られる。
このことからも明らかなように、本発明では、第一に、発泡工程を加えることによって、発泡工程を含まない従来法では成形性の観点より成形が難しい気孔率の高い多孔体が得られる。第二に、抽出量が少なくすれば、従来法と同じ気孔率の多孔体を、より安価に製造することができる。
第三に、充実な成形物を抽出するということは、滑らかな表面から、順次内部へと溶かしながら抽出することになり、抽出時間が長くかかるのに対して、発泡体を抽出する場合、内部の気泡へと気泡を伝って溶解しながら抽出されるため、抽出時間が短くて済む長所がある。
本実施形態に係る方法によれば、50〜90容積%の気孔率を有する多孔体を容易に作製可能であり、更には、80〜90容積%という従来にない高い気孔率を有する多孔体を得ることも可能である。また、抽出によって形成される気泡は連続気泡であり、高い気孔率で、且つ、連続気泡が形成された多孔体が得られる。連続気泡が形成されることから、通水性に優れた多孔体を得ることができる。
本実施形態に係る方法によって得られた多孔体は、連続気泡タイプである。係る多孔体は、通気性、及び通水性に優れることから、各種濾過材、イオン交換体の母材などに好適に用いることができる。また、含水性も優れることから、係る多孔体を化粧用パフ材、印鑑の朱肉材、生け花等の水分補給材等にも用いることができる。さらに、係る多孔体は、防音材、保温材、衝撃緩衝材、制振材、及びクッション材等に好適に用いることもできる。
円柱状の多孔体は、例えばイオン交換能を有するモノリス型カラムとしての応用が可能である。本発明によれば、高い開孔率を有するモノリス型カラムを短時間に作製することが可能になる。また、例えば、円柱状の多孔体の一端を植木鉢の土中に差し込み、他の一端を植木鉢の脇に置いた水層中の水に差し込むと、水が毛細管現象によって多孔体中を移動することにより、植木鉢に水を供給することができる。すなわち、多孔体を給水用に用いることができる。
円柱状の多孔体は、例えば、上述の組成物の円柱状の成形物を、該成形物の直径よりも大きな内径を有する管状容器内に配する工程と、管状容器内の成形物を加熱により発泡させる工程と、発泡した成形物から気孔形成剤を抽出する工程とを備える方法によって、作製することができる。また、上記の発泡させる工程の後、発泡した成形物を管状容器から取り出す工程と、発泡した成形物から気孔形成剤を抽出する工程と、抽出後の発泡成形体を管状容器に収容する工程と、を備える方法によって円柱状の多孔体を得ることができる。管状容器としては、例えば、ガラス管、プラスチックチューブ、鋼管等が用いられる。
実施例1
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、融点94℃)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、品名:ペンタリット、融点254℃)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z、融点65℃)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ、分解温度199℃)9重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部及び架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmのシート状の成形物を得た。その後、該成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により成形物を発泡させた。
発泡済みの成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、表1の実施例1の抽出時間欄に示す抽出時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例2
発泡剤の量を4.5重量部に変えたこと以外は実施例1と同じ方法で連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例3
第一気孔形成剤の量を100重量部、第二気孔形成剤の量を100重量部に変えたこと以外は実施例1と同じ方法で連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例4
発泡剤の量を4.5重量部に変えたこと以外は実施例3と同じ方法で連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例5
成形物の厚さを10mmに変えたこと以外は実施例1と同じ方法で連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例6
発泡剤の量を4.5重量部に変えたこと以外は実施例5と同じ方法で連続気泡が形成された多孔体を得た。
比較例1
高分子物質としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、及び架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて、150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、表1に示す抽出時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。槽内の40℃の水に浸漬し、表1の実施例1の抽出時間欄に示す抽出時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、多孔体を得た。
比較例2
第一気孔形成剤の量を100重量部、第二気孔形成剤の量を100重量部に変えたこと以外は比較例1と同じ方法で多孔体を得た。
比較例3
成形物の厚さを10mmに変えたこと以外は比較例1と同じ方法で多孔体を得た。
実施例及び比較例で得られた多孔体の気孔率及び通水性の測定結果を表1に示す。気孔率及び通水性の測定は抽出前及び所定の時間の抽出後の成形体に関して以下の手順で行った。
(1)気孔率(容積%)
東京サイエンス株式会社製空気比較式比重計1000型を用いて、真空中での多孔体の容積V1を測定し、V1および多孔体の縦、横及び高さ寸法から算出される容積Vから、下記式により気孔率を算出した。
多孔体の気孔率=(1−(V1/V))×100[容積%]
(2)通水性
図1は通水性の測定装置を示す模式図である。多孔体1を、東洋濾紙株式会社製濾過用フィルターホルダー(内径35mm)2と、同じく内径35mmの口を有する容器3との間に挟み、クランプ4で挟持した。容器3の接続口5を減圧ポンプに接続し、容器内の空気を矢印Aの方向に吸引して、容器内を10cmHgまで減圧した。減圧を継続しつつフィルターホルダー2に50mLの純水を供給し、その純水を多孔体1を通過して容器3内に移動させた。純水を供給してからフィルタホルダー2内に純水がなくなるまでの時間(秒)を通水性の指標として測定した。
図2は、実施例1、実施例2及び比較例1の気孔率と抽出時間との関係を示すグラフである。これらの結果から、発泡工程を経て作製された実施例1及び実施例2の多孔体では、抽出時間がほぼ15時間程度の段階で、気孔率が飽和するまで抽出できており、しかもその気孔率は85容積%以上に達している。一方、発泡工程を経ずに得られた比較例1の多孔体では、抽出が完了するまでほぼ60〜80時間程度を要した。更に、比較例1の気孔率は80容積%程度であり、実施例1、2の85容積%と比較して低いレベルに留まっている。
また、発泡工程を経て作製された実施例1、2の多孔体の通水時間は短く、これら多孔体は非常に良好な通水性を示している。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例1の多孔体の通水時間は長く、その通水性も実施例1、2と比較して劣っていた。
図3は、実施例3、実施例4及び比較例2の気孔率と抽出時間との関係を示すグラフである。これらの結果から、発泡工程を経て作製された実施例3及び実施例4の多孔体では、抽出時間がほぼ20時間程度の段階で、気孔率が飽和するまで抽出できており、しかもその気孔率は80容積%以上に達している。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例2の多孔体では、抽出時間が90時間でも気孔率は65容積%程度にしか達していない。
図4は、実施例5、実施例6及び比較例3の気孔率と抽出時間との関係を示すグラフである。これらの結果から、発泡工程を経て作製された実施例5及び実施例6の多孔体では、抽出時間が40時間程度の段階で、気孔率がほぼ飽和するまで抽出できており、その気孔率は80容積%前後に達している。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例3の多孔体では、抽出が完了するまで90時間以上を要した。
以下のようにして、ビスフェノールAを標的物質とする分子鋳型である参考例1〜4の機能性高分子粒子を作製した。
参考例1:機能性高分子粒子(高分子化合物を用いた分子鋳型)の製造(重合方法:ポリスチレン粒子を使用したシード重合)
平均粒度1μmのポリスチレン粒子6.9g、膨潤助剤(フタル酸ジブチル)4.5g、界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウム0.7g及び水40gの混合物中に、エチレングリコールジメタクリレート/4−ビニルピリジン/パラターシャリーブチルフェノール/(モル比40/8/1)の混合物63.9g、重合開始剤(2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル)3.2g、ポリビニルアルコール25.9g、ドデシル硫酸ナトリウム2.2g、トルエン47.0g、水320gを均一に分散したものを添加し、360分間25℃で攪拌し、ポリスチレン粒子の膨潤を行い、その後50℃に昇温して240分間重合を行った。240分経過後、粒子をメタクリル基により表面修飾するためにメタクリル酸を2.4g添加し、引き続き600分間重合を行った。この後、重合体を濾過で分離し、反応物を水、メタノール、テトラヒドロフランで洗浄し、パラターシャリーブチルフェノールを除去した。得られた機能性高分子粒子(分子鋳型)の平均粒径は5μmであった。また、この分子鋳型の溶解度パラメータは前述の式による計算の結果9.9であった。
参考例2:機能性高分子粒子(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子)の製造
エチレングリコールジメタクリレート/4−ビニルピリジン/パラターシャリーブチルフェノールの混合物63.9gに代えて、スチレン/ジビニルベンゼン/(モル比1/1)の混合物48.6gを用いたこと以外は参考例1と同様に重合を行った。重合240分経過後のメタクリル酸の添加は行わなかった。その他は参考例1と同様にして、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子を製造した。得られた共重合体粒子の平均粒径は4.5μmであった。また、共重合体粒子(分子鋳型)の溶解度パラメータは前述の式による計算の結果7.2であった。
参考例3:機能性高分子粒子(エチレングリコールジメタクリレート重合体粒子)の製造
エチレングリコールジメタクリレート/4−ビニルピリジン/パラターシャリーブチルフェノールの混合物63.9gに代えて、エチレングリコールジメタクリレート55.1gを用いたこと以外は参考例1と同様に重合を行った。重合240分経過後のメタクリル酸の添加を行わなかった。その他は参考例1と同様にして、エチレングリコールジメタクリレート重合体粒子を製造した。得られた重合体粒子の平均粒径は5μmであった。また、重合体粒子(分子鋳型)の溶解度パラメータは、前述の式による計算の結果7.7であった。
参考例4:機能性高分子粒子(グリセロールジメタクリレート重合体粒子)の製造
エチレングリコールジメタクリレート/4−ビニルピリジン/パラターシャリーブチルフェノールの混合物63.9gに代えて、グリセリンジメタクリレート55.6gを用いたこと以外は参考例1と同様に重合を行った。重合240分経過後のメタクリル酸の添加を行わなかった。その他は参考例1と同様にして、グリセロールジメタクリレート重合体粒子(分子鋳型)を製造した。得られた重合体粒子の平均粒径は4.5μmであった。重合体粒子の溶解度パラメータは前述の式による計算の結果8.3であった。
実施例7
高分子物質としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、密度0.93g/ml、溶解度パラメータ:8.5)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらととともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例1で得られた分子鋳型5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmのシート状の成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例8
分子鋳型の量を2重量部に変えたこと以外は実施例7と同じ方法で多孔体を得た。
実施例9
分子鋳型の量を1重量部に変えたこと以外は実施例7と同じ方法で多孔体を得た。
実施例10
分子鋳型の量を0重量部に変えたこと以外は実施例7と同じ方法で多孔体を得た。
実施例7〜10の多孔体を使用し、以下の手順でビスフェノールAの吸着等温線を作成した。吸着等温線はフロインドリッヒの吸着等温式(JIS Z 8830)を用いて作成した。
水にビスフェノールAを0.013g/Lの濃度で溶解させた水溶液を準備し、これを吸着試料として用いた。実施例7〜10で得られたそれぞれの多孔体(吸着材)を、2重量%から0.004重量%までの範囲で8〜9点の異なる濃度となるように吸着試料100mLに加え、5分間超音波振動を与えた後、20時間攪拌を行った。その後、ビスフェノールAの多孔体による吸着量を測定した。吸着量は、吸着試料中のビスフェノールA残留濃度から求めた。残留濃度は、下記条件の液体クロマトグラフィーによる分析を行い、別途調整した標準サンプルとの面積比に基づいて求めた。得られた吸着量からフロインドリッヒの吸着等温式(JIS Z 8830)を求めた。その結果を表1に示す。
(液体クロマトグラフィー条件)
カラム:Shimpak VP−ODS (島津製作所(株)、4.6mm(I.D.)×150mm)
流速 :0.8mL/min
温度 :40℃
検出器:UV220nm
移動相:アセトニトリル:水=6:4
上記表中、「C」はビスフェノールAの平衡時の残留濃度(g/L)である。上記吸着等温式により、ビスフェノールAの平衡時溶液中の残留濃度に対する吸着材1gに対するビスフェノールAの吸着量(mg)がわかる。
吸着率が50%、すなわちビスフェノールAの残留濃度が0.0065g/L(C=0.0065)となるときの吸着量は、表3のように算出される。
表3の結果より、多孔体中への分子鋳型の導入による吸着性能の増大は明らかである。分子鋳型の量を1重量部、2重量部及び5重量部とすることにより、それぞれ、分子鋳型を用いない実施例10と比較して約2倍、約3倍及び約9倍の吸着性能が発現された。
実施例7〜9の多孔体の断面を電子顕微鏡写真(1000倍)で観察した。図5、6及び7は、それぞれ、実施例7、8及び9で得られた多孔体の断面を示す電子顕微鏡写真(倍率1000倍)である。いずれの多孔体においても、細孔壁面に付着する機能性充填材(分子鋳型)の粒子が観察された。実施例7、実施例8及び実施例9の順に機能性充填材(分子鋳型)の粒子がより多く観察された。本実施例の場合、分子鋳型と多孔体を構成する高分子物質の溶解度パラメータとの差が1.4である。分子鋳型の表面には表面修飾によりカルボキシル基が存在しており、これが多孔体を構成する高分子物質と相互作用することにより、分子鋳型の粒子が多孔体表面につなぎ止められていると考えられる。
更に、参考例1で得られた分子鋳型の量を10重量部又は15重量部に変えたことの他は実施例7と同様の方法で得た多孔体の断面も電子顕微鏡により観察したところ、分子鋳型の量が1重量部、2重量部、5重量部、10重量部及び15重量部の順に、分子鋳型の粒子を多孔体表面により多く観察することができた。
図8は、実施例10で得られた多孔体の断面を示す電子顕微鏡写真(35倍、100倍、1000倍、2000倍)である。当然であるが機能性充填材の粒子はは観察されない。
実施例11
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、密度0.93g/ml、溶解度パラメータ8.5)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び参考例4で得られたグリセロールジメタクリレート重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を、高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、表3の実施例4の抽出時間欄に示す抽出時間(5〜90時間)の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例12
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、密度0.93g/ml、溶解度パラメータ8.5)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例3で得られたエチレングリコールジメタクリレート重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例13
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、密度0.93g/ml、溶解度パラメータ8.5)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例2で得られたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
図9、10及び11は、実施例11〜13で得られた機能性充填材入りの多孔体の断面の電子顕微鏡写真である。各図中、右下は35倍、左下は100倍、右上は1000倍、左上は2000倍の写真である。溶解度パラメータが多孔体を構成する高分子物質と最も良く近似するグリセロールジメタクリレート重合体粒子は、多孔体を構成する高分子物質との溶解度パラメータの差がより大きいエチレングリコールジメタクリレート重合体粒子及びスチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子と比べて、多孔体の細孔壁面においてより多く観察された。
実施例14
高分子物質として、ポリエチレン樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:サンテックLD F2225、溶剤溶解性から実験的に求めた溶解度パラメータ8.1、融点112℃)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例4で得られたグリセロールジメタクリレート重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、表4の実施例4の抽出時間欄に示す抽出時間(5〜90時間)の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例15
高分子物質として、ポリエチレン樹脂(PE、旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:サンテックLD F2225)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例3で得られたエチレングリコールジメタクリレート重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例16
高分子物質として、ポリエチレン樹脂(PE、旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:サンテックLD F2225)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部及び上記参考例2で得られたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子5重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。続いて、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
図12、13及び14は、実施例14〜16で得られた機能性充填材入り多孔体の断面を示す電子顕微鏡写真である。各図中、右下は35倍、左下は100倍、右上は1000倍、左上は2000倍の写真である。実施例11〜13と同様に、溶解度パラメータが多孔体を構成する高分子物質と最も良く近似するグリセロールジメタクリレート重合体粒子は、多孔体を構成する高分子物質との溶解度パラメータの差がより大きいエチレングリコールジメタクリレート重合体粒子及びスチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子と比べて、多孔体の細孔壁面においてより多く観察された。
比較例4
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社、製商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、及び架橋剤(日本油脂株式会社製商品名:パークミル)0.8重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmの成形物を得た。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、表4の比較例2の抽出時間欄に示す抽出時間(5〜90時間)の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
比較例5
高分子物質としてポリエチレン樹脂(PE、旭化成ケミカルズ株式会社製商品名:サンテックLD F2225)を用いたこと以外は、比較例4と同じ方法で多孔体を得た。
実施例7〜16及び比較例4、5で得られた多孔体の気孔率及び通水性を上述の方法で測定した。測定結果を配合比等とともに表4に示す。
図15は、実施例11及び比較例4における気孔率と抽出時間との関係を示すグラフである。発泡工程を経て作製された実施例11の多孔体では、抽出時間がほぼ15時間程度の段階で、気孔率が飽和するまで抽出できており、その気孔率は、機能性充填材が5質量部充填されているにも関わらず80容積%以上に達している。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例4の多孔体では、抽出率が飽和するまでに40〜60時間と長い時間を要することがわかる。また、比較例4の気孔率は、機能性充填材が充填されていないにも関わらず、80容積%程度にしか達しなかった。
また、発泡工程を経て作製された実施例11の多孔体は、通水時間が短く、その通水性は非常に良好である。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例4の多孔体は通水時間が長く、通水性が劣っていた。
図16は、実施例14及び比較例5における気孔率と抽出時間との関係を示すグラフである。発泡工程を経て作製された実施例14の多孔体では、抽出時間がほぼ20時間の段階で、気孔率が飽和するまで抽出できており、その気孔率は、機能性充填材が5重量部充填されているのも関わらず80容積%以上に達している。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例5の多孔体では、抽出率が飽和するまでに60〜80時間と長い時間を要することがわかる。また、比較例5の気孔率は、機能性充填材が充填されていないにも関わらず、77容積%程度であり、実施例14に比較して低かった。
また、発泡工程を経て作製された実施例14の多孔体は、通水時間が短く、その通水性は非常に良好である。一方、発泡工程を経ずに作製された比較例4の多孔体は通水時間が長く、通水性が劣っていた。
以上、総合的にみて、発泡剤を使用して成形物を抽出工程の前に発泡させた場合、発泡工程がない場合と比較して気孔率が高くなることがわかる。これは、発泡工程によって成形物が嵩高くなり、その分気孔率が高くなるためであると考えられる。すなわち、発泡剤を使用して成形物を抽出工程の前に発泡させることによって、より少ない材料を用いて、短い抽出時間で高い気孔率の多孔体が得られることがわかる。これにより加工費を低く抑制することが可能になる。更に、得られる多孔体は、通水性試験の結果から明らかなように、良好な通水性を有する連続気泡が形成された多孔体であることがわかる。
実施例17
高分子物質として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:エバフレックスP1007、密度0.93g/mL、溶解度パラメータ8.5)100重量部を、第一気孔形成剤としてペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)225重量部を、第二気孔形成剤としてポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18Z)225重量部を、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5重量部を用い、これらとともに、界面活性剤(花王株式会社製商品名:エレクトロストリッパーTS−5)1重量部、架橋剤(ジクミルパーオキシド)0.8重量部及び市販のゲル型強酸性陽イオン交換樹脂(架橋化ポリスチレンスルホン酸ナトリウム型の陽イオン交換樹脂、粒度範囲200〜240μm(85%以上)、見かけ密度:805g/L、水分:52〜55.5%)100重量部をロール混練(混練温度:150℃)した。
得られた混練物を二軸押出機(スクリュー径20mm)を用い、シリンダー温度150℃で押出成形して、直径3mmの円柱状成形物を得た。この円柱状成形物を長さ10cmに切断し、内径3.5mm、外径4.5mmのガラス管中に挿入した。ガラス管に挿入された円柱状成形物を恒温槽中に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。発泡後、ガラス管を破壊して円柱状の発泡成形物を取り出した。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成された多孔体を得た。
実施例18
実施例17と同様にして得た混練物を、プレス成形機(型締め力50トン)を用いて150℃で5分間加熱及び加圧した後、冷却して、250mm×250mm×厚さ3mmのシート状の成形物を得た。得られた成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に置き、230℃で5分間の加熱により発泡させた。
その後、該成形物を水槽内の40℃の水に浸漬し、90時間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。抽出後、成形物を40℃で24時間乾燥炉中で乾燥させて、連続気泡が形成されたシート状の多孔体を得た。
実施例17、18で得られた多孔体の気孔率及びイオン交換容量を測定した。実施例18は通水性も測定した。イオン交換容量は、以下の手順で測定した。組成物の配合比と多孔体の評価結果を表5、6に示す。
イオン交換容量の測定方法
約0.5gの試料を100mLビーカーに入れ、メタノール及び超純水を用いて10分間ずつの超音波処理を行った。その後、試料の水気を軽くきり、1.5M−塩酸水溶液20mLに試料を浸漬し、エア抜きのため攪拌棒で軽く表面を押しながら3時間超音波を印加した。この後、試料を取り出し、新たな1.5M−塩酸水溶液20mLに試料を浸漬し、さらに前と同様に3時間超音波を印加した。その後、超純水によって十分に洗浄してから水をよくきって試料をシャーレに移し、一晩真空乾燥を行った。乾燥した試料を100mLの三角フラスコに移し、そこに1M−塩化ナトリウム水溶液20mLを加え、フィルムで蓋をして超音波を印加しながら試料を1M−塩化ナトリウム水溶液に6時間浸漬した。次いで、指示薬としてフェノールフタレイン0.1mLを加え、0.1M−水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定を行った。0.1M−水酸化ナトリウム水溶液について0.01M−塩酸水溶液を用いてそのファクター値を求め、測定値の補正を行った。イオン交換能Qは下記式により算出した。
イオン交換能Q[meq./g]=xyf/m
x:水酸化ナトリウム溶液の濃度[N]
y:滴定量[mL]
m:試料質量(乾燥質量)[g]
f:水酸化ナトリウム溶液のファクター値
上記表に示されるように、機能充填剤としてイオン交換樹脂を用いたことにより、高いイオン交換能を有する円柱状又はシート状の多孔体が得られた。円柱状の多孔体はモノリス型カラムとして有効に適用され得る。

Claims (30)

  1. 高分子物質、気孔形成剤分解型発泡剤及び機能性充填材を含有する組成物の成形物を、前記高分子物質が溶融する温度に加熱して前記分解型発泡剤の分解により発泡させる工程と、
    発泡した前記成形物から前記気孔形成剤を溶媒への溶解により抽出して、前記成形物内に連続気泡を形成させる工程と、
    を備え
    前記機能性充填材が機能性高分子粒子である、多孔体の製造方法。
  2. 前記気孔形成剤が、前記高分子物質の融点Maよりも高い融点Mbを有する第1の成分を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第1の成分が、100〜350℃の融点Mbを有する多価アルコールである、請求項2記載の製造方法。
  4. 前記多価アルコールがペンタエリスリトールである、請求項3記載の製造方法。
  5. 前記組成物が、
    前記高分子物質 100重量部、
    前記気孔形成剤の前記第1の成分 50〜400重量部、及び
    前記分解型発泡剤 1〜50重量部
    を含有する、請求項2記載の製造方法。
  6. 前記気孔形成剤が、前記高分子物質の融点Maよりも低い融点Mcを有する第2の成分を更に含む、請求項2記載の製造方法。
  7. 前記第2の成分がポリエチレンオキシドである、請求項6記載の製造方法。
  8. 前記組成物が、
    前記高分子物質 100重量部、
    前記気孔形成剤の第1の成分 40〜450重量部、
    前記気孔形成剤の第2の成分 20〜450重量部、及び
    前記分解型発泡剤 1〜50重量部
    を含有する、請求項6記載の製造方法。
  9. Ma以上、且つ、Mb及び前記分解型発泡剤の分解温度Mdのうち低い温度よりも低い温度、で前記組成物を溶融混練する工程と、
    溶融混練された前記組成物を成形して前記成形物を得る工程と、
    を更に備える、請求項2記載の製造方法。
  10. 前記組成物を、押出成形法、カレンダ−成形法、プレス成形法又は射出成形法を利用して成形して前記成形物を得る、請求項9記載の製造方法。
  11. 前記高分子物質が熱可塑性樹脂又は熱可塑エラストマーである、請求項1記載の製造方法。
  12. 前記高分子物質がオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂である、請求項1記載の製造方法。
  13. 前記高分子物質がエチレン−酢酸ビニル共重合体である、請求項1記載の製造方法。
  14. 前記溶媒が水又は水性溶媒である、請求項1記載の製造方法。
  15. 前記機能性高分子粒子が分子鋳型である、請求項記載の製造方法。
  16. 前記機能性高分子粒子がイオン交換樹脂である、請求項記載の製造方法。
  17. 前記機能性高分子粒子を構成する高分子化合物と前記高分子物質との溶解度パラメータの差が1以内である、請求項記載の製造方法。
  18. 前記機能性高分子粒子がその表面に官能基を有する、請求項記載の製造方法。
  19. 前記官能基が前記高分子物質との反応性を有する、請求項18記載の製造方法。
  20. 連続気泡を形成している高分子物質と、機能性充填材とを含有し、
    50〜90容積%の気孔率を有し、
    前記機能性充填材が機能性高分子粒子であり、
    前記機能性高分子粒子が分子鋳型である、多孔体。
  21. 連続気泡を形成している高分子物質と、機能性充填材とを含有し、
    50〜90容積%の気孔率を有し、
    前記機能性充填材が機能性高分子粒子であり、
    前記機能性高分子粒子を構成する高分子化合物と前記高分子物質との溶解度パラメータの差が1以内である、多孔体。
  22. 前記機能性充填材が前記連続気泡の壁面に露出している、請求項20又は21記載の多孔体。
  23. 前記機能性高分子粒子が分子鋳型である、請求項21記載の多孔体。
  24. 前記機能性高分子粒子がイオン交換樹脂である、請求項21記載の多孔体。
  25. 前記機能性高分子粒子が、その表面の官能基と前記高分子物質との反応により前記高分子物質と結合している、請求項20又は21記載の多孔体。
  26. 連続気泡を形成している高分子物質と、分子鋳型である機能性高分子粒子とを含有する、多孔体。
  27. 前記機能性高分子粒子を構成する高分子化合物と前記高分子物質との溶解度パラメータの差が1以内である、請求項26記載の多孔体。
  28. 前記機能性高分子粒子が、その表面の官能基と前記高分子物質との反応により前記高分子物質と結合している、請求項26記載の多孔体。
  29. 請求項2028のいずれか一項に記載の多孔体を備える濾過材。
  30. 請求項2028のいずれか一項に記載の多孔体を備えるイオン交換体母材。
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