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JP5192869B2 - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板の製造方法、半導体基板、発光素子及び電子素子に関する。
13窒化物であるAlNやGaN、InNおよびその混晶相のPN接合を利用した短波長LEDやレーザなどの素子がこれまでに広く実用化されている。しかし、これらの素子は高価で欠陥の多い直径4インチ以下のサファイアやSiC基板の上にスループットの低い有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて作製されてきた。
一方、Si基板は安価且つ高品質であり、直径12インチの基板が安定に入手できる。また、Si基板を用いることで、Siの集積回路と窒化物化合物半導体素子を一枚のチップ上に混載し光電子集積回路を作製することが可能となる。このため、多くの研究機関がSi基板上に13族窒化物の半導体層を形成する技術開発を行ってきた。
通常のSiの素子を作製する(100)面上に六方晶の窒化物半導体の単結晶を成長することは結晶の対称性のミスマッチから困難であった。また、Siと13族窒化物の熱膨張係数や格子定数におけるミスマッチに起因するクラックの発生も深刻な問題となっていた。
また、結晶の対称性の観点から、Si上に13族窒化物を成長させる際には、通常Siの(111)面が使われてきた。しかしながら、(111)面上にMOS素子を形成しても、当該MOS素子の性能は低くなってしまい、光電子素子の作製は困難であった。近年、Si(110)にも高品質のMOS素子が作製可能という報告(例えば非特許文献1参照)があった。この(110)面上に13族窒化物を成長させることができれば性能の高い光電子素子が作製可能となる。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061213/125395/
しかしながら、回路の形成されたSiの(110)面上に13族窒化物を成長させたという報告は無く、このような半導体基板の実現が求められている。また、工業的に利用する上で、高いスループットで製造可能であることが好ましい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、結晶の対称性のミスマッチが無い半導体基板を高スループットかつ低コストで製造することが可能な半導体基板の製造方法、半導体基板、発光素子及び電子素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る半導体基板の製造方法は、Si基板の(110)面に、パルススパッタ堆積法によって13族窒化物を含む半導体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、Si基板を用いることにより、サファイア基板やSiC基板を用いる場合に比べて製造コストを格段に低下させることができる。また、従来のSi基板の(100)面ではなく、Si基板の(110)面に13族窒化物を成長させることにより、結晶の対称性のミスマッチを解消することができる。さらに、パルススパッタ堆積法によって13族窒化物を成長させるので、例えば12インチ以上の大面積の基板においても製造することができ、高いスループットで製造することができる。
上記の半導体基板の製造方法は、前記Si基板の(110)面に回路を形成し、前記回路の形成後、前記半導体層を形成することを特徴とする。
一般に、MOCVD法やMOVPE法によって13族窒化物を成長させる場合、例えば1150℃以上の高温下で成長させる必要がある。これに対して、Si基板に形成される回路は、例えばMOSトランジスタなどの電子回路の場合、1000℃以上の温度下になると機能が損なわれてしまう。他の回路においても、上記の高温下において機能が損なわれてしまう可能性は高い。よって、回路が形成されたSi基板上に直接13族窒化物を成長させることは困難である。
一方で、パルススパッタ堆積法によって13族窒化物を成長させる場合、950℃以下の温度、例えば300℃〜700℃程度でも13族窒化物及び13族窒化物の混晶を成長させることができるため、回路の機能を損なうことなくSi基板上に直接成長させることができる。そこで、本発明では、Si基板の(110)面に回路を形成し、当該回路の形成後、上記パルススパッタ堆積法によって半導体層を形成することとした。これにより、例えば回路の形成と半導体層の形成とを、Si基板の一連の製造工程の中に組み込むことができる。加えて、従来のSi基板の製造過程を大きく変更することなく半導体基板を製造することができる。
上記の半導体基板の製造方法は、前記13族窒化物は、AlN、GaN及びInNのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、13族窒化物がAlN、GaN及びInNのうち少なくとも1つを含むこととしたので、電気的特性及び光学的特性の高い半導体基板を得ることができる。
上記の半導体基板の製造方法は、Si基板の(110)面に、Siを含む前記半導体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、Si基板の(110)面に、基板を構成する元素と同一の元素であるSiを含む半導体層を形成することとしたので、Si基板の(110)面と半導体層との間の格子不整合をより小さくすることができる。
上記の半導体基板の製造方法は、前記Si基板の(110)面に、パルススパッタ堆積法によってHfN及びZrNの少なくとも一方を含む第1半導体層を形成し、前記第1半導体層上に、13族窒化物の第2半導体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、Si基板の(110)面に、パルススパッタ堆積法によってHfN及びZrNの少なくとも一方を含む第1半導体層を形成し、当該第1半導体層上に、13族窒化物の第2半導体層を形成することとしたので、第1半導体層が第2半導体層の反射層として機能することとなる。これにより、光学的特性の高い半導体基板を得ることができる。
本発明に係る半導体基板は、(110)面に回路が設けられたSi基板と、前記Si基板の(110)面上に設けられ、13族窒化物を含む半導体層とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、(110)面に回路が設けられたSi基板と、当該Si基板の(110)面上に設けられ13族窒化物を含む半導体層とを備えることとしたので、電気的特性及び光学的特性の高い高性能の半導体基板を得ることができる。
上記の半導体基板は、前記13族窒化物は、AlN、GaN及びInNのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、13族窒化物は、AlN、GaN及びInNのうち少なくとも1つを含むこととしたので、電気的特性及び光学的特性の高い半導体基板を得ることができる。
上記の半導体基板は、前記半導体層は、Siを含むことを特徴とする。
本発明によれば、半導体層が、基板を構成する元素と同一の元素であるSiを含むこととしたので、Si基板の(110)面と半導体層との間の格子不整合をより小さくすることができる。
上記の半導体基板は、前記Si基板の(110)面上に設けられ、13族窒化物であるHfN及びZrNのうち少なくとも一方を含む第1半導体層と、前記第1半導体層上に設けられ、13族窒化物の第2半導体層を含む第2半導体層とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、Si基板の(110)面上に設けられ13族窒化物であるHfN及びZrNのうち少なくとも一方を含む第1半導体層と、当該第1半導体層上に設けられ13族窒化物の第2半導体層を含む第2半導体層とを備えることとしたので、第1半導体層が光反射層として機能することとなる。これにより、光学的特性の高い半導体基板を得ることができる。
上記の半導体基板は、前記回路は、MOSトランジスタを含む電子回路であることを特徴とする。
本発明によれば、上記回路がMOSトランジスタを含む電子回路であることとしたので、高性能で汎用性が高い半導体基板を得ることができる。
本発明に係る発光素子は、上記の半導体基板を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電気的特性及び光学的特性の高い半導体基板を備えることとしたので、発光特性の高い発光素子を得ることができる。
本発明に係る電子素子は、上記の半導体基板を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電気的特性及び光学的特性の高い半導体基板を備えることとしたので、高性能の電子素子を得ることができる。
本発明によれば、Si基板を用いることにより、サファイア基板やSiC基板を用いる場合に比べて製造コストを格段に低下させることができる。また、従来のSi基板の(100)面ではなく、Si基板の(110)面に13族窒化物を成長させることにより、結晶の対称性のミスマッチを解消することができる。さらに、パルススパッタ堆積法によって13族窒化物を成長させるので、例えば12インチ以上の大面積の基板においても製造することができ、高いスループットで製造することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体基板1の構成を示す図である。
同図に示すように、半導体基板1は、Si基板2上にバッファ層3が設けられ、当該バッファ層3上に機能層4が積層され、Si基板2と機能層4とが配線5によって接続された構成になっている。この半導体基板1は、LED、半導体レーザなどの発光素子や、半導体チップなどの電子素子などに用いられる。
Si基板2は、図中上側に示す(110)面に例えばMOSトランジスタなどの電子回路2aが形成されている。回路2aは一部が露出した状態になっており、当該回路2aの露出部分に配線5が接続されている。
バッファ層3は、族窒化物であるジルコニウムナイトライド(ZrN(111))からなる導電体層であり、Si基板2の(110)面上に形成されている。図2は、ジルコニウムナイトライドの光反射率を示すグラフである。グラフの横軸は波長、グラフの縦軸は光反射率を示している。図3は、ジルコニウムナイトライドの光反射率と当該光の波長との対応関係を示す表である。
図2及び図3に示すように、ジルコニウムナイトライドにおいて青色光の波長範囲である470nmでの光反射率は65.6%になっている。これをもとにすると、ジルコニウムナイトライドからなるバッファ層3においては、青色光を照射したときにはほぼ65%以上の光を反射することが可能であるといえる。
機能層4は、例えば13族窒化物半導体からなる半導体層であり、発光素子の発光部又は電子素子の導電部として機能させることができるようになっている。13族窒化物としては、例えばGaN(ガリウムナイトライド)、AlN(アルミニウムナイトライド)、InN(インジウムナイトライド)などが挙げられ、一般式InGaAl1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)で表される。また、MgNなど、他の13族窒化物半導体からなる構成であっても構わない。
図4は、上記の機能層4及びバッファ層3の製造装置であるスパッタ装置の構成を示す図である。
同図に示すように、スパッタ装置20は、チャンバ21と、基板加熱機構22と、基板保持部23と、スパッタガン24と、パルス電源25と、制御部26とを有している。このスパッタ装置20においては、基板2をチャンバ21内の基板保持部23上に保持させた状態で基板加熱機構22によって当該基板2を加熱することができるようになっている。また、基板2が基板保持部23上に保持された状態で、複数のスパッタガン24からスパッタビームが基板2へ向けて射出されるようになっている。
複数のスパッタガン24は、例えばGa及びGa合金のビームを射出するスパッタガン24a、Al及びAl合金のビームを射出するスパッタガン24b、In及びIn合金のビームを射出するスパッタガン24c、Si及びSi合金のビームを射出するスパッタガン24d、Zr及びZr合金のビームを射出するスパッタガン24eを有している。各スパッタガン24a〜24eからのビームを構成する金属の種類については、適宜交換することが可能になっている。したがって、上記以外の13族金属元素、例えばMgやHf及びこれらの金属からなるビームを射出できるように構成しても構わない。
複数のスパッタガン24はそれぞれパルス電源25に接続されている。パルス電源25は、スパッタガン24へパルス電圧を印加する電源である。各スパッタガン24a〜24eに対応するパルス電源25a〜25eが設けられている。これらのパルス電源25a〜25eから出力されるパルス電圧の出力タイミングや出力期間、周波数、振幅などは、制御コンピュータなどの制御部26によって制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された半導体基板1を製造する工程を説明する。
まず、図5に示すように、Si基板2の(110)面上に、公知の手法によってMOSトランジスタなどの電子回路2aを形成する。電子回路2aを形成した後、図6に示すように、電子回路2aの形成されたSi基板2の(110)面上に、電子回路2aの一部が露出するようにバッファ層3を形成する。
バッファ層3は、上記のスパッタ装置20を用いて形成する。本実施形態では、基板−ターゲット間にパルス直流電圧を印加するPSD法(パルススパッタ堆積法)を例に挙げて説明する。特に本実施形態では、大面積化が可能なSi基板2上に半導体薄膜を形成するため、例えば製造コストが低下する点、スループットを向上することができる点など、PSD法を行う意義は大きいといえる。
まず、チャンバ21内にアルゴンガス及び窒素ガスを供給する。アルゴンガス及び窒素ガスによってチャンバ21内が所定の圧力になった後、Si基板2を基板保持部23に保持する。Si基板2を基板保持部23に保持させた後、基板加熱機構22によって、Si基板2の周囲温度を調節する。Si基板2の周囲温度を調節したら、パルス電源25を駆動させ、スパッタガン24eからSi基板2の(110)面へ向けてZrのビームを射出する。
パルス電圧が印加されている間、射出されたZr原子は高エネルギーを有した状態でSi基板2上に供給される。Si基板2の表面では、チャンバ内の窒素が窒素ラジカルになっている。Si基板2の(110)面上には高エネルギーを有するZr原子が大量に供給され、当該Si基板2の表面は金属リッチの状態になる。
金属リッチの状態では、Zr原子は安定な格子位置にマイグレーションする。安定な格子位置にマイグレーションしたZr原子は、チャンバ21内で活性化した窒素ラジカルと反応して金属窒化物(ZrN)の結晶となる。パルス電圧が印加される毎に、結晶構造の安定したZrNが間欠的に堆積されることになる。
バッファ層3を形成した後、図7に示すように、当該バッファ層3上に同様の手法によって機能層4を形成し、電子回路2aの露出部分と機能層4との間を配線5によって接続する。
このようにして、半導体基板1が完成する。
本実施形態によれば、Si基板2を用いることにより、サファイア基板やSiC基板を用いる場合に比べて製造コストを格段に低下させることができる。また、従来のようなSi基板の(100)面ではなく、Si基板の(110)面に13族窒化物を成長させることにより、結晶の対称性のミスマッチを解消することができる。さらに、パルススパッタ堆積法によって13族窒化物を成長させるので、例えば12インチ以上の大面積の基板においても製造することができ、高いスループットで製造することができる。
また、本実施形態では、Si基板2の(110)面に電子回路2aを形成し、当該電子回路2aの形成後、半導体層としてバッファ層3及び機能層4を形成することとしたので、例えば電子回路2aの形成とバッファ層3、機能層4の形成とを、Si基板2の一連の製造工程の中に組み込むことができる。加えて、従来のSi基板の製造過程を大きく変更することなく半導体基板を製造することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、バッファ層3及び機能層4の両方をパルススパッタ堆積法によって形成しているが、機能層4についてはこれに限られることはなく、例えばPLD法(パルスレーザ堆積法)やPED法(パルス電子線堆積法)を含むPXD法(Pulsed Excitation Deposition:パルス励起堆積法)有機金属成長法、分子線エピタキシー法など、他の薄膜形成方法によって形成しても構わない。
また、上記実施形態では、Si基板2上にZrNからなるバッファ層3を形成することとしたが、これに限られることは無く、例えばHfNからなるバッファ層3を形成する構成であっても構わない。また、図8に示すように、バッファ層3を形成することなく、Si基板2の(110)面上に直接機能層4を成長させる構成であっても構わない。この場合、機能層4を上記のパルススパッタ堆積法によって形成することとなる。また、機能層4を積層する構成、例えばGaN層/AlN層/Si(110)とする構成などであっても構わない。
また、上記実施形態では、電子回路2aの形成されたSi基板の(110)面上に13族窒化物の半導体層を形成する構成であったが、これに限られることは無く、例えば電子回路2aが形成されていないSi基板の(110)面に半導体層をパルススパッタ堆積法によって形成する場合であっても本発明が適用可能であることは言うまでもない。
また、パルススパッタを行う際に13族窒化物にSiなどをドーピングしてビームを射出するようにしても構わない。この場合、例えばスパッタガン24aとスパッタガン24dとから同時にビームを射出するように制御する。基板と同一の材料であるSiをドーピングすることにより、形成される層とSi基板の(110)面との間の格子不整合をより小さくすることができる。
次に、本発明に係る実施例1を説明する。本実施例では、Si基板を930℃で30minの間アニールした後、Si基板の(110)面上にAlNを成長させた。成長条件としては、成長温度が930℃、成長時の圧力5.0×10−3Torr、窒素ガス流量4.0sccm、アルゴンガス流量6.0sccm、パルス電圧のDuty比(1パルス内の電圧オンの時間の割合)5%、具体的にはオン時間5μsec、オフ時間95μsec、電圧650V、電流0.20Aとした。
図9は、AlN層の[11−20]反射型高速電子線回折(RHEED)図である。また、図10は、AlN層の[10−10]RHEED図である。
これらの図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、Si基板の(110)面上に良質のAlNの単結晶が成長しているといえる。
図11は、AlN層及びSi基板の(110)面についてのEBSD極点図である。AlN層については、[0001]面、[11−20]面及び[10−10]面についてそれぞれ測定を行った。Si基板については、[110]面、[001]面及び[1−11]面についてそれぞれ測定を行った。同図から、(1)AlN[0001]とSi[110]とが平行になっており、(2)AlN[10−10]とSi[001]とが平行になることがわかる。
このうち(1)の場合、格子不整合は0.7%程度と極めて小さい値になっている。したがって、Si基板の(110)面にAlNを形成した場合、格子不整合はほとんど見られず、好ましい態様であるといえる。
次に、本発明に係る実施例2を説明する。本実施例では、FeをドーピングしたGaN基板上に、SiをドーピングしたGaNの半導体層(Siドーピング半導体層)をパルススパッタ堆積法によって形成した。また、SiをドーピングしたGaNの半導体層と、Siをドーピングせずに形成したGaNの半導体層(非ドーピング半導体層)とを比較した。
パルススパッタの条件として、GaN用スパッタガンの電圧を600V、電流を0.045A、パルス周波数を10kHz、Duty比を5%とした。また、Si用スパッタガンの電圧を800V、電流を0.02A、パルス周波数を10kHz、Duty比を5%とした。
図12は、形成した半導体層のRHEED図である。図12(a)が非ドーピング半導体層、図12(b)がSiドーピング半導体層のRHEED図をそれぞれ示している。また、図13は、形成した半導体層の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したときの写真図である。図13(a)が非ドーピング半導体層、図13(b)がSiドーピング半導体層のSEM写真をそれぞれ示している。
図12に示すように、非ドーピング半導体層及びSiドーピング半導体層について、共に回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、Siをドーピングした場合についても良質なAlNの単結晶を成長させることができる。また、図13に示すように、非ドーピング半導体層には凹凸がほとんど見られないのに対してSiドーピング半導体層の表面には若干の凹凸が見られた。
また、非ドーピング半導体層のチルト方向のEBSD半値幅が0.12°、ツイスト方向のEBSD半値幅が0.25°であったのに対して、Siドーピング半導体層のチルト方向のEBSD半値幅が0.12°、ツイスト方向のEBSD半値幅が0.24°であり、両者の間でほとんど差がなかった。これにより、Siをドーピングした場合であっても、非ドーピング半導体層と同様の良質な結晶が成長することがわかる。
次に、本発明に係る実施例3を説明する。本実施例では、Si基板の(110)面上にAlGaNの半導体層を上記のスパッタ装置を用いたパルススパッタ堆積法によって形成した。半導体層の成長温度を300℃、成長時の圧力を20mTorrとした。また、Ga用のスパッタガンの電圧を607V、電流を0.05A、出力を30.4W、Duty比を5%、瞬間供給電流量を1.0Aとした。また、Al用のスパッタガンの電圧を412V、電流を0.10A、出力を41.2W、Duty比を5%、瞬間供給電流量を2.0Aとした。なお、両スパッタガンのパルス周波数を10kHzとした。この結果、本実施例では、組成がAl0.35Ga0.65Nの半導体層が得られた。このように、上記スパッタ装置において複数種類の13族元素を有する13族窒化物の薄膜を得ることができる。また、このときの半導体層の成長速度は100nm/hrであった。
次に、本発明に係る実施例4を説明する。本実施例では、Si基板の(110)面上にAlNの半導体層を上記のスパッタ装置を用いたパルススパッタ堆積法によって形成した。本実施例では、半導体層の成長温度を700℃、1000℃とした。
図14は、本実施例によって形成された半導体層のRHEED図である。図14(a)は成長温度を700℃で成長させた場合、図14(b)は成長温度を1000℃で成長させた場合の図である。これらの図に示すように、成長温度700℃の場合及び成長温度1000℃の場合共に、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、700℃程度〜1000℃程度の比較的低温の成長温度であっても良質のAlN単結晶を成長させることができるといえる。
次に、本発明に係る実施例5を説明する。本実施例では、Si基板の(110)面上にAlNの半導体層を上記のスパッタ装置を用いたパルススパッタ堆積法によって形成した。本実施例では、上記のスパッタ装置内の窒素ガスとアルゴンガスとの分圧比が異なる場合についてそれぞれ半導体層を形成した。具体的には、N/Ar比が4.0の場合、0.83の場合、0.67の場合、0.43の場合、0.38の場合、0.25の場合のそれぞれについて、半導体層を形成した。本実施例では、半導体層の成長温度を900℃として形成した。
図15は、本実施例によって得られた半導体層のRHEED図である。図15(a)はN/Ar比が4.0の場合、図15(b)はN/Ar比が0.83の場合、図15(c)はN/Ar比が0.67の場合、図15(d)はN/Ar比が0.43の場合、図15(e)はN/Ar比が0.38の場合、図15(f)はN/Ar比が0.25の場合のRHEED図である。
図15(a)及び図15(b)に示すように、回折スポットにリングパターンが確認できる。このことから、N/Ar比が4.0の場合及び0.83の場合では、半導体層が多結晶を含んでいることがわかる。また、図15(f)のようにN/Ar比が0.25の場合にはAlの析出が生じていることがわかる。これらの場合には良質な単結晶が形成されなかった。
図15(c)〜図15(e)に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、N/Ar比が0.67の場合、0.43の場合、0.38の場合のそれぞれの場合においては、良質のAlN結晶が形成されているといえる。また、この3つの場合の間では、N分圧比が低い場合ほど平坦性が向上することがわかる。
本発明の実施形態に係る半導体基板の構成を示す図。 ジルコニウムナイトライドの光反射率を示すグラフ。 ジルコニウムナイトライドの光反射率と反射波長の対応関係とを示す図。 本実施形態に係るスパッタ装置の構成を示す図。 半導体基板の製造過程を示す工程図。 同、工程図。 同、工程図。 本発明に係る半導体基板の他の構成を示す図。 本発明の実施例1に係る半導体層のRHEED図。 本実施例に係る半導体層のRHEED図。 本実施例に係る半導体層のEBSD極点図。 本発明の実施例2に係る半導体層のRHEED図。 本実施例に係る半導体層のSEM写真。 本発明の実施例4に係る半導体層のRHEED図。 本発明の実施例4に係る半導体層のRHEED図。
符号の説明
1…半導体基板 2…Si基板 2a…電子回路 3…バッファ層 4…機能層 5…配線 20…スパッタ装置

Claims (4)

  1. Si基板の(110)面上に、パルススパッタ堆積法によってHfN及びZrNの少なくとも一方からなるバッファ層を形成し、前記バッファ層上にパルススパッタ堆積法によって13族窒化物からなる半導体層を形成するものであり、
    前記バッファ層を形成するパルススパッタ堆積法及び前記半導体層を形成するパルススパッタ堆積法は、前記Si基板を配置させるチャンバと、前記チャンバに設けられ13族金属元素を前記Si基板に供給する第一供給部と、前記チャンバに設けられHf又はZrを前記Si基板に供給する第二供給部とを有するスパッタ装置を用いて行うものであり、
    前記半導体層を形成するパルススパッタ堆積法においては、
    前記Si基板上の前記バッファ層上に窒素ラジカルが供給された状態とする工程と、
    前記Si基板上の前記バッファ層上に窒素ラジカルが供給された状態で前記Si基板上に13族金属原子のビームを射出し前記Si基板上を金属リッチの状態とする工程と、
    前記13族金属原子が所定の格子位置に配置されるように、前記Si基板上の前記バッファ層上において前記13族金属原子をマイグレーションさせる工程と、
    前記所定の格子位置に配置された前記13族金属原子と前記窒素ラジカルとを反応させ、前記13族窒化物を生成する工程と
    を行う
    ことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 前記Si基板の(110)面に回路を形成し、
    前記回路の形成後、前記半導体層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 前記13族窒化物として、一般式InXGaYAl1−X−YN(但し、0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)で表される化合物が用いられる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 前記Si基板の(110)面上に、Siを含む前記半導体層を形成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
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