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JP5177334B2 - 剥離層形成用コーティング用組成物 - Google Patents

剥離層形成用コーティング用組成物 Download PDF

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JP5177334B2
JP5177334B2 JP2001203623A JP2001203623A JP5177334B2 JP 5177334 B2 JP5177334 B2 JP 5177334B2 JP 2001203623 A JP2001203623 A JP 2001203623A JP 2001203623 A JP2001203623 A JP 2001203623A JP 5177334 B2 JP5177334 B2 JP 5177334B2
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俊規 阪上
浩司 志保
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離、非粘着機能を有し、かつ平滑性が高く、特に剥離・非粘着フィルム形成用に有用なコーティング用組成物に関し、詳しくは、シリル基を有するフッ素系重合体を含有するオルガノシラン系の剥離・非粘着性コーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、剥離材としては、反応型シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、長鎖アルキルアクリレート系などが用いられてきたが、いずれも耐熱性、耐湿性、耐候性などの耐久性や表面硬度、耐摩擦摩耗性などの機械的強度、耐溶剤性などが充分でなく、かつ剥離性と濡れ性のバランスや切断成形性が乏しい。これらは、界面活性剤、柔軟剤、架橋剤、粒子、ガラス繊維などの充填剤を多く用いることで改良されるが、一方で添加剤の移行、表面平滑性の低下、寸法安定性の低下が問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合体を含有し、保存安定性に優れ、かつ耐熱性、耐湿性、耐候性などの耐久性に優れ、かつ耐アルカリ性、耐薬品性を有し、高硬度で摩擦摩耗性などの機械的強度を有する平滑な剥離性、非粘着性塗膜を形成することができ、例えば、印刷回路基板、プリント基板、グリーンシート、太陽電池モジュール製造用剥離材、情報表示体製造用剥離材、転写シート、印刷用定着ロール、加圧ロール、FPD製造用剥離材、EL製造用剥離材などに有用な、剥離・非粘着性コーティング用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)下記一般式(1)
(R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1)
(式中、R1 は、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種、ならびに
(B−1)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有アクリル系重合体(以下「(B−1)フッ素含有アクリル系重合体」ともいう)
を含有することを特徴とする剥離・非粘着性コーティング用組成物に関する。
また、本発明は、上記(A)成分、ならびに
(B−2)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル系重合体(以下「(B−2)フッ素含有ビニルエーテル系重合体」ともいう)
を含有することを特徴とする剥離・非粘着性コーティング用組成物に関する。
以上の剥離・非粘着性コーティング用組成物には、さらに、(B−3)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するアクリル系重合体(以下「(B−3)シリル基含有アクリル系重合体」ともいう)、を含有させてもよい。
また、本発明の剥離・非粘着性コーテイング用組成物には、さらに、(G)光酸発生剤や(H)脱水剤を含有させることにより、光硬化性組成物として用いることができる。
次に、本発明は、上記剥離・非粘着性コーティング用組成物を基材に塗布し、熱硬化および/または光硬化させてなる剥離・非粘着硬化体に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の組成物を構成する各成分について、順次説明する。
(A)成分
本発明のコーティング用組成物に配合される(A)成分は、上記一般式(1)で表されるオルガノシラン(以下「オルガノシラン(1)」という)、オルガノシラン(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮合物から選択された少なくとも1種である。すなわち、(a)成分は、これら3種のうちの1種だけでもよいし、任意の2種の混合物であってもよいし、3種類すべてを含んだ混合物であってもよい。
ここで、上記オルガノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)に2〜4個含まれるOR2 基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
また、上記オルガノシラン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
【0006】
一般式(1)において、R1 の炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、アシル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
【0007】
1 の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。
一般式(1)中に、R1 が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
【0008】
また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
一般式(1)中に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよい。
【0009】
このようなオルガノシラン(1)の具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
【0010】
これらのうち、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、また、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
【0011】
本発明において、オルガノシラン(1)としては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシシラン60〜5モル%との組み合わせが好ましい。ジアルコキシシランをトリアルコキシシランと併用することにより、得られる塗膜を柔軟化し、耐アルカリ性を向上させることができる。
【0012】
オルガノシラン(1)は、そのまま、あるいは加水分解物および/または縮合物として使用される。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または縮合物として使用する場合は、予め加水分解・縮合させて(A)成分として使用することもできるが、後述するように、オルガノシラン(1)を残りの成分と混合して組成物を調製する際に、適量の水を添加することにより、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させて、(A)成分とすることが好ましい。
(A)成分が縮合物として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量(以下「Mw」という)は、好ましくは、800〜100,000、さらに好ましくは、1,000〜50,000である。
【0013】
また、(A)成分の市販品には、三菱化学(株)製のMKCシリケート、コルコート社製のエチルシリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化学工業(株)製のシリコンレジン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、または縮合させて使用してもよい。
【0014】
本発明において、(A)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
(B)成分
本発明における(B)成分は、加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(以下「特定シリル基」という)を有するフッ素系重合体である。これらのフッ素系重合体としては、上記(B−1)成分および(B−2)成分が挙げられる。
なお、(B)成分としては、上記(B−1)成分および/または(B−2)成分に、さらに上記(B−3)シリル基含有アクリル系重合体を併用することができる。
このような(B)成分は、本発明の組成物から得られる塗膜を硬化させる際に、そのシリル基の加水分解性基および/または水酸基が、上記(A)成分と共縮合することにより、優れた塗膜性能をもたらすことができる。
また、(B)成分〔(B−1)〜(B−2)〕は、フッ素原子を含有することから、優れた撥水性および撥油性による、防汚性機能のほか、剥離・非粘着機能を有する高硬度の塗膜を形成することができる。
【0016】
(B)成分における特定シリル基の含有量は、ケイ素原子の量に換算して、特定シリル基の導入前の重合体に対して、通常、0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜18重量%である。
【0017】
(B−1)フッ素含有アクリル系重合体;
(B−1)成分は、加水分解性基および/または特定シリル基を有し、好ましくは、特定シリル基が重合体分子鎖の末端および/または側鎖に有するフッ素含有アクリル系重合体である。
【0018】
特定シリル基は、好ましくは下記一般式(2)
(R3 3-i
| ・・・・・(2)
−Si−Xi
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基または水酸基を示し、R3 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜3の整数である)で表される。
【0019】
(B−1)成分は、例えば、(B−a)フッ素原子を含有する単量体(以下「(B−a)単量体」という)、(B−b)アルキル(メタ)アクリレート(以下「(B−b)単量体」という)、(B−c)シリル基を有する単量体(以下「(B−c)単量体」という)を重合して得られ、また、必要に応じて、(B−d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下「(B−d)単量体」という)をさらに含めて重合して得てもよい。
【0020】
上記(B−a)単量体としては、例えば、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合基および少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができる。
具体的には、
(イ)テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフィン類;
(ロ)CH2 =CH−O−Rf
(Rfは、フッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコキシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類;
(ハ)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;
(ニ)パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;
(ホ)2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
などを挙げることができる。
【0021】
これらのフッ素原子を含有する単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましくは、(ホ)群の単量体単独、または、(ホ)群の単量体と(イ)〜(ニ)群から選ばれる単量体との組み合わせが使用される。特に、フッ素含有単量体として、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルまたはパーフルオロアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテルとを組み合わせて使用することが好ましい。
なお、(B−a)フッ素原子を含有する単量体の使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは10〜90重量%程度である。
【0022】
上記(B−b)単量体としては、炭素数4〜12のものが好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、 エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
なお、(B−b)単量体の使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは10〜95重量%程度である。
【0023】
上記(B−c)単量体としては、例えば、
下記一般式(3)
(R3 3-i
| ・・・・・(3)
4 −Si−Xi
〔式中のX,R3 ,iは、上記一般式(2)におけるそれぞれX,R3 ,iと同義であり、R4 は、重合性二重結合を有する有機基を示す)で表されるシラン化合物(以下「不飽和シラン化合物」という)などを挙げることができる。
【0024】
上記不飽和シラン化合物の具体例としては、
CH2 =CHSi(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHSi(OCH3)3 、CH2 =CHSi(OC2 5 3
CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2 =CHSiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)2 SiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 SiCl3
【0025】
【化1】
Figure 0005177334
【化2】
Figure 0005177334
【化3】
Figure 0005177334
【化4】
Figure 0005177334
【0026】
を挙げることができる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
なお、(B−c)単量体の使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは0.1〜95重量%、さらに好ましくは1〜90重量%程度である。
【0027】
(B−d)単量体としては、例えば、
(イ)スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
【0028】
(ロ)ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;
【0029】
(ハ)ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量体;
【0030】
(ニ)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;
(ホ)塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物;
(ヘ)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジエン;
(ト)(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、モノアルキルイタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;
【0031】
(チ)アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなどのフッ素原子含有単量体;
(リ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマー;
そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。
【0032】
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
なお、(B−d)単量体の使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは0.1〜80重量%、さらに好ましくは0.5〜60重量%程度である。
【0033】
上記(B−1)成分を製造する際の重合方法としては、例えば、一括して単量体を添加して重合する方法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を重合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられる。また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を採用することもできる。好ましい重合方法としては、溶液重合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通常のものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコール類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のものを使用することができる。
【0034】
(B−1)成分のポリスチレン換算数平均分子量(以下「Mn」という)は、通常、1,000〜70,000、好ましくは、1,200〜50,000である。
【0035】
本発明において、(B−1)成分は、単独でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
本発明における(B−1)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0.1〜800重量部、好ましくは、0.5〜700重量部、さらに好ましくは、1〜600重量部である。この場合、(B−1)成分の使用量が0.1重量部未満では、得られる塗膜の剥離性が低下す傾向がある。一方、800重量部を超えると、塗膜の耐候性、耐熱性、耐摩耗性などが低下する傾向がある。
【0037】
(B−2)フッ素含有ビニルエーテル系重合体;
本発明における(B−2)成分は、上記特定シリル基を重合体分子鎖の末端および/または側鎖に有するフッ素含有ビニルエーテル系重合体である。
【0038】
(B−2)成分は、上記の(B−a)単量体、上記の(B−c)単量体、(B−e)ビニルエーテル単量体(以下「(B−e)単量体」という)を重合して得られ、また、必要に応じて、(B−f)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下「(B−f)単量体」という)をさらに含めて重合して得てもよい。
【0039】
上記(B−e)単量体としては、例えば、
(イ)ビニルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
【0040】
(ロ)アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどのアリルエーテル類;
(ハ)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;
などを挙げることができる。
これらは、1種単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
なお、(B−e)単量体の使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは0.1〜95重量%、さらに好ましくは0.5〜90重量%程度である。
【0041】
なお、(B−a)単量体および(B−c)単量体の種類および使用量は、(B−1)フッ素含有アクリル系重合体におけるものと同様である。また、(B−f)単量体の種類は、(B−1)成分において示した(B−d)成分のほかに、(B−b)成分も適用することができ、(B−f)成分のその使用量も、これらの単量体の使用量と同様である。
【0042】
(B−2)成分を製造する際の重合方法は、(B−1)成分において例示した重合方法を適用することができ、好ましい重合方法としては、溶媒重合が挙げらる。溶液重合の際に用いられる溶媒は、通常のものを使用することができ、好ましくは、ケトン類、アルコール類を挙げることができる。また、この重合においても、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化剤および無機電解質は、公知のものを使用することができる。
【0043】
(B−2)成分のMnは、通常、1,000〜70,000、好ましくは、1,200〜50,000である。
【0044】
本発明において、(B−2)成分は、単独でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明における(B−2)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0.1〜800重量部、好ましくは、0.5〜700重量部、さらに好ましくは、1〜600重量部である。この場合、(B−2)成分の使用量が0.1重量部未満では、得られる塗膜の剥離性が低下する傾向がある。一方、800重量部を超えると、塗膜の硬度の低下による耐摩耗性の低下や、密着性が低下する傾向がある。
【0046】
なお、本発明において、上記(B−1)成分と上記(B−2)成分とを組み合わせて、本発明の組成物を得てもよい。
【0047】
(B−3)シリル基含有アクリル系重合体;
(B−3)成分は、加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するアクリル系重合体である。
(B−3)成分は、例えば、上記(B−b)アルキル(メタ)アクリレート、および(B−c)シリル基を有する単量体を重合して得られ、また、必要に応じて、(B−d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体をさらに含めて重合して得てもよい。
(B−3)成分は、以上のように、(B−a)を除き、(B−b)および(B−c)、さらに必要に応じて(B−d)からなり、これらの単量体の割合は、上記の(B−1)成分あるいは(B−2)成分における各単量体の割合と同様である。
【0048】
なお、(B−3)成分を製造する際の重合方法は、(B−1)成分において例示した重合方法を適用することができ、好ましい重合方法としては、溶媒重合が挙げられる。溶液重合の際に用いられる溶媒は、通常のものを使用することができ、好ましくは、ケトン類、アルコール類を挙げることができる。また、この重合においても、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化剤および無機電解質は、公知のものを使用することができる。
【0049】
(B−3)成分のポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、通常、1,000〜70,000、好ましくは、1,200〜50,000である。
本発明において、(B−3)成分は、単独でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して使用することができる。
【0050】
本発明における(B−3)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、0〜800重量部、好ましくは、0.5〜700重量部、さらに好ましくは、1〜600重量部である。この場合、(B−3)成分の使用量が800重量部を超えると、塗膜の硬度や耐候性、耐熱性、耐摩耗性などの塗膜強度、耐久性が低下する傾向がある。
【0051】
さらに、本発明の組成物には、下記の(C)〜(F)成分を配合することができる。以下、これらの成分につき説明する。
【0052】
(C)成分
(C)成分は、水および/または有機溶剤からなる。
本発明の組成物は、上記(A)成分および(B)成分を必須とし、後述する(D)〜(F)成分などを含有するものであり、通常、組成物を調製する際に、水がオルガノシラン(1)や(B)成分を加水分解・縮合反応させ、あるいは、粒子状成分を分散させるために添加される。
本発明における水の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)1モルに対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは、0.7〜2モル程度である。
【0053】
また、上記有機溶剤は、主として、(A)〜(B)成分や、(D)〜(F)成分などを均一に混合させ、組成物の全固形分濃度を調整すると同時に、種々の塗装方法に適用できるようにし、かつ組成物の分散安定性および保存安定性をさらに向上させるために使用される。
【0054】
このような有機溶剤としては、上記各成分を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。
【0055】
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0056】
本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、50重量%以下であり、使用目的に応じて適宜調整される。例えば、薄膜形成基材への含浸を目的とするときには、通常、20重量%以下であり、また厚膜形成を目的で使用するときには、通常、20〜50重量%、好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固形分濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低下する傾向がある。
【0057】
(D)成分
(D)成分は、(A)成分、(B)成分などの加水分解・縮合反応を促進する触媒である。
(D)成分を使用することにより、得られる塗膜の硬化速度を高めるとともに、使用されるオルガノシラン成分の重縮合反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大きくなり、強度、長期耐久性などに優れた塗膜を得ることができ、かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易となる。
【0058】
このような(D)成分としては、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をまとめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。
上記酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸である。
また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができ、好ましくは、水酸化ナトリウムである。
また、上記塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
【0059】
また、上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリエトキシシランである。
【0060】
また、上記有機金属化合物等としては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物(以下「有機金属化合物(4)」という)、同一のスズ原子に結合した炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価スズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」という)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物などを挙げることができる。
【0061】
M(OR5)p (R6 COCHCOR7)q ・・・(4)
〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウムを示し、R5 およびR6 は、同一または異なって、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R7 は、R5 およびR6 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、pおよびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子価)である。〕
【0062】
有機金属化合物(4)の具体例としては、
(イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;
【0063】
(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合物;
(ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
などを挙げることができる。
【0064】
これらの有機金属化合物(4)およびその部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0065】
また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C4 9 2 Sn(OCOC11232
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOC4 9 2
(C8 172 Sn(OCOC8 172
(C8 172 Sn(OCOC11232
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC4 9 2
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC8 172
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC16332
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC17352
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC18372
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC20412
【0066】
Figure 0005177334
などのカルボン酸型有機スズ化合物;
【0067】
(C4 9 2 Sn(SCH2 COOC8 172
(C4 9 2 Sn(SCH2 CH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 CH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 COOC12252
(C8 172 Sn(SCH2 CH2 COOC12252
(C4 9 )Sn(SCOCH=CHCOOC8 173
(C8 17)Sn(SCOCH=CHCOOC8 173
【0068】
Figure 0005177334
などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0069】
Figure 0005177334
などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0070】
Figure 0005177334
などのクロライド型有機スズ化合物;
(C4 9 2 SnO、(C8 172 SnOなどの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
などを挙げることができる。
【0071】
(D)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0072】
(D)成分は、組成物を調製する際に配合してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
(D)成分の使用量は、有機金属化合物等以外の場合、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは、0.01〜80重量部、さらに好ましくは、0.1〜50重量部であり、有機金属化合物等の場合、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは、0.1〜80重量部、さらに好ましくは、0.5〜50重量部である。この場合、(D)成分の使用量が100重量部を超えると、組成物の保存安定性が低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0073】
(E)成分
(E)成分は、下記一般式(5)
6 COCH2 COR7 ・・・(5)
〔式中、R6 およびR7 は、有機金属化合物(4)における上記各一般式のそれぞれR6 およびR7 と同義である〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
このような(E)成分は、特に、上記(D)成分として有機金属化合物等を使用する場合に併用することが好ましい。
【0074】
(E)成分は、組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、(E)成分が上記有機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合物等による上記(A)成分と(B)成分の共縮合反応を促進する作用を適度にコントロールすることにより、得られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用をなすものと推定される。
【0075】
(E)成分の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコール、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げることができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルが好ましい。
(E)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
(E)成分の使用量は、上記有機金属化合物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、2モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、(E)成分の使用量が2モル未満では、得られる組成物の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
【0077】
(F)成分
(F)成分は、無機化合物の粉体および/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗膜の所望の特性に応じて配合される。
【0078】
(F)成分をなす化合物の具体例としては、SiO2 、Al2 3 、AlGaAs、Al(OH)3 、Sb2 5 、Si3 4 、SnO2 、Sn−In2 3 、In2 3 、Sb−In2 3 、InP、InSb、InAs、InGaAlP、MgF、CeF3 、CeO2 、3Al2 3 ・2SiO2 、BeO、SiC、AlN、Fe、Fe2 3 、Co、Co−FeOx 、CrO2 、Fe4 N、BaTiO3 、BaO−Al2 3 −SiO2 、Baフェライト、SmCO5 、YCO5 、CeCO5 、PrCO5 、Sm2 CO17、Nd2 Fe14B、ZrO2 、Al4 3 、AlN、SiC、α−Si、SiN4 、CoO、Sb−SnO2 、MnO2 、MnB、Co3 4 、Co3 B、LiTaO3 、MgO、MgAl2 4 、BeAl2 4 、ZrSiO4 、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnSb、ZnTe、PbTe、PbS、PbSe、GeSi、FeSi2 、CrSi2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2 Si、β−B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、HfB2 、Ru2 Si3 、RuO2 、TiO2 、TiO3 、SrTiO3 、FeTiO3 、PbTiO3 、Al2 TiO5 、Zn2 SiO4 、Zr2 SiO4 、2MgO2 −Al2 3 −5SiO2 、WO3 、Bi2 3 、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3 、MoS2 、LaRhO3 、GaN、CdP、Nb2 5 、GaAsP、Li2 O−Al2 3 −4SiO2 、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなどを挙げることができる。
これら(F)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0079】
(F)成分の存在形態には、粉体、水に分散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアルコールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
【0080】
(F)成分が水系のゾルもしくはコロイド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
【0081】
(F)成分を組成物中に配合する方法としては、組成物の調製後に添加してもよく、あるいは、組成物の調製時に添加して、(F)成分を、上記(A)成分、(B)成分などと共加水分解・縮合させてもよい。
【0082】
(F)成分の使用量は、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは、0.1〜400重量部である。
【0083】
さらに、本発明の組成物には、所望により、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホヒドラジンなどのヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほか、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料などの他の添加剤を配合することもできる。
【0084】
また、組成物のコーティング性をより向上させるためにレベリング剤を配合することができる。このようなレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤(商品名。以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミー(BM−CHEMIE)社のBM1000、BM1100;エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ777;共栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友スリーエム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフルオナールTFシリーズなどを挙げることができ、シリコーン系のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー社のBYKシリーズ;シュメグマン(Sshmegmann)社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ社のエフカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ35、エフカ36、エフカ39、エフカ83、エフカ86、エフカ88などを挙げることができ、エーテル系またはエステル系のレベリング剤としては、例えば、日信化学工業(株)のカーフィノール;花王(株)のエマルゲン、ホモゲノールなどを挙げることができる。
【0085】
このようなレベリング剤を配合することにより、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均一に塗布することができる。
レベリング剤の使用量は、全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.02〜3重量%である。
【0086】
レベリング剤を配合する方法としては、組成物を調製する際に配合してもよく、また塗膜を形成する段階で組成物に配合してもよく、さらには組成物の調製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
【0087】
本発明の組成物を調製するに際しては、(D)成分と(E)成分とを使用しない場合は、各成分の混合方法は特に限定されないが、(D)成分と(E)成分とを使用する場合は、好ましくは、(A)〜(F)成分のうち(E)成分を除いた混合物を得たのち、これに(E)成分を添加する方法が採用される。
【0088】
組成物の調製法の具体例としては、下記(i)〜(iv)の方法などを挙げることができる。
(i)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、(B)成分、(C)成分、(D)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
(ii) (A)成分を構成するオルガノシラン(1)、および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分および(D)成分を加えて混合して、さらに縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
【0089】
(iii)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、(D)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分を加えて混合して、さらに部分縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
(iv)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)の一部、(B)成分、(D)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いでオルガノシラン(1)の残部を添加して、さらに加水分解・部分縮合反応を行なったのち、(E)成分を添加する方法。
【0090】
なお、本発明においては、(A)〜(E)成分以外の成分は、組成物を調製する適宜の段階で添加することができる。
【0091】
本発明の組成物は、保存安定性に優れ、かつ高硬度で剥離性、非粘着性を有する塗膜を形成し得る。
【0092】
本発明の組成物を基材に塗布する際には、刷毛、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーターなどを用いたり、ディップコート、流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、電着、蒸着などの塗布方法により、1回塗りで厚さ0.1〜40μm程度、2〜3回塗りでは厚さ0.2〜80μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは、30〜200℃程度の温度で10〜60分程度加熱して乾燥(熱硬化)することにより、各種の基材に塗膜(剥離・非粘着硬化体)を形成することができる。
【0093】
本発明の組成物を適用しうる基材としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属;セメント、コンクリート、ALC、フレキシブルボード、モルタル、スレート、石膏、セラミックス、レンガなどの無機窯業系材料;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)などのプラスチック成型品;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックフィルムや、木材、紙、ガラスなどを挙げることができる。また、本発明の組成物は、劣化塗膜の再塗装にも有用である。
【0094】
これらの基材には、下地調整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的として、予め表面処理を施すこともできる。
金属系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッキ処理、クロメート処理、火炎処理、カップリング処理などを挙げることができ、プラスチック系基材に対する表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理などを挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、模様付けなどを挙げることができ、木質基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、防虫処理などを挙げることができ、紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、防虫処理などを挙げることができ、さらに劣化塗膜に対する表面処理としては、例えば、ケレンなどを挙げることができる。
【0095】
本発明の組成物による塗布操作は、基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。例えば、金属系基材の場合、防錆の必要があればプライマーを用い、無機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、アルカリ性など)により塗膜の隠ぺい性が異なるため、通常はプライマーを用いる。また、劣化塗膜の再塗装の場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマーを用いる。
それ以外の基材、例えば、プラスチック、木材、紙、ガラスなどの場合は、用途に応じてプライマーを用いても用いなくてもよい。
【0096】
プライマーの種類は特に限定されず、基材と組成物との密着性を向上させる作用を有するものであればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プライマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また顔料などの着色成分を含むエナメルでも、該着色成分を含まいクリヤーでもよい。
【0097】
プライマーの種類としては、例えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステルエマルジョンや、本発明における(A)成分からなる組成物、(A)成分と(B−3)成分とからなる組成物などを挙げることができる。また、これらのプライマーには、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場合、各種の官能基を付与することもできる。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、アルコキシシリル基、エーテル結合、エステル結合などを挙げることができる。
なお、これらのプライマー成分は、密着性を向上させるために、密着性向上成分として、本発明の剥離・非粘着性コーテイング用組成物に添加することもできる。
【0098】
以上の本発明の剥離・非粘着性コーテイング用組成物は、熱硬化性組成物として用いられるが、この組成物に、さらに、(G)光酸発生や、(H)脱水剤を配合することにより、光硬化性組成物として用いることができる。
【0099】
(G)光酸発生剤
▲1▼定義
本発明の組成物に添加する(G)光酸発生剤は、光などのエネルギー線を照射することにより、(A)成分である加水分解性のオルガノシランを光硬化(架橋)可能な酸性活性物質を放出することができる化合物と定義される。
なお、光酸発生剤を分解させて、カチオンを発生するするために照射する光エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線などを挙げることができる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が大(速く)であり、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
【0100】
なお、本発明の剥離・非粘着硬化体を形成するにおいて、組成物に、光酸発生剤とともに後述するラジカル発生剤を併用することも好ましい。中性の活性物質であるラジカルは、シラノール基の縮合反応を促進することはないが、(A)成分中にラジカル重合性の官能基を有する場合に、この官能基の重合を推進させることができる。したがって、光硬化性組成物をより効率的に硬化させることができる。
【0101】
▲2▼光酸発生剤の種類
次に、本発明に用いられる光酸発生剤の種類を説明する。この光酸発生剤としては、一般式(6)で表される構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一般式(7)で表される構造を有するスルホン酸誘導体(第2群の化合物)を挙げることができる。
【0102】
〔R8 a 9 b 10 c 11 d W〕+m〔MZm+n -m (6)
〔一般式(6)中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Clまたは−N≡Nであり、R8 〜R11は同一または異なる有機基であり、a,b,cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯体〔MXm+n 〕の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えば、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Coである。Zは、例えば、F,Cl,Brなどのハロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。〕
【0103】
s −〔S(=O)2 −R12t (7)
〔一般式(7)中、Qは一価もしくは二価の有機基、R12は炭素数1〜12の一価の有機基、添え字sは0または1、添え字tは1または2である。〕
【0104】
まず、第1群の化合物であるオニウム塩は、光を受けることにより酸性活性物質を放出することができる化合物である。このような第1群の化合物のうち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好ましくは下記一般式(8)で表されるジアリールヨードニウム塩である。
[R13−Ar1 −I+ −Ar2 −R14][Y- ] (8)
〔一般式(8)中、R13およびR14は、それぞれ1価の有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R13およびR14の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基を有しており、Ar1 およびAr2 はそれぞれ芳香族基であり、同一でも異なっていてもよく、Y- は1価の陰イオンであり、周期律表3族,5族のフッ化物陰イオン、もしくはClO4 - ,CF3 - およびSO3 - から選ばれる陰イオンである。〕
【0105】
また、第2群の化合物としての一般式(7)で表されるスルホン酸誘導体の例を示すと、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類を挙げることができる。
また、一般式(7)で表されるスルホン酸誘導体のうち、より好ましくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくはイミドスルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホネート誘導体である。
【0106】
▲3▼光酸発生剤の添加量
次に、光硬化性組成物に使用される光酸発生剤の添加量(含有割合)について説明する。
この光酸発生剤の添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分を構成するオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部の範囲内の値とするのが好ましい。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない場合がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する場合がある。
したがって、光硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好な観点から、光酸発生剤の添加量を、オルガノシラン(1)100重量部に対して1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0107】
(H)脱水剤
▲1▼定義
本発明の光硬化性組成物に使用される脱水剤は、化学反応により水以外の物質に変換する化合物、物理吸着または包接により、光硬化性および保存安定性に影響を与えなくする化合物と定義される。
すなわち、このような脱水剤を含有することにより、光硬化性組成物の耐候性や耐熱性を損なうことなく、保存安定性や光硬化性という相反する特性を向上させることができる。この理由として、外部から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収するために光硬化性組成物の保存安定性が向上し、一方、光硬化反応である縮合反応においては、生成した水を順次に脱水剤が有効に吸収するために光硬化性組成物の光硬化性が向上するものと考えられる。
【0108】
▲2▼脱水剤の種類
次に、光硬化性組成物に使用される脱水剤の種類を説明する。この脱水剤の種類は特に制限されるものでないが、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセタール類(ケタール類を含む)、およびカルボン酸無水物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。また、無機化合物として、脱水機能を有するセラミック粉体の使用も好ましい。これらの脱水剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水剤の機能を効率的に発揮することができる。
【0109】
また、脱水剤としてのカルボン酸エステルは、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエステルなどの中から選ばれる。
ここで、好ましいカルボン酸オルトエステルとしては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよびオルトプロピオン酸エチルなどが挙げられる。また、これらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させることができる観点から、オルトギ酸エステルが、本発明における脱水剤として特に好ましい。
また、好ましいカルボン酸シリルエステルとしては、酢酸トリメチルシリル、酢酸トリブチルシリル、ギ酸トリメチルシリル、シュウ酸トリメチルシリルなどが挙げられる。
【0110】
また、好ましいアセタール類としては、例えば、アセトンジメチルアセタール、アセトンジエチルアセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、シクロヘキサノンジメチルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチルアセタールが挙げられる。これらのアセタール類は、優れた脱水効果を示し、光硬化性組成物の保存安定性や光硬化性をより向上させることができる。
【0111】
また、好ましいカルボン酸無水物としては、例えば、ギ酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安息香酸無水物などが挙げられる。特に、無水酢酸および無水コハク酸は、脱水効果に特に優れており好ましい。
【0112】
また、好ましい脱水機能を有するセラミック粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリカアルミナ粒子、活性白土、ゼオライトなどが挙げられる。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができる。
【0113】
▲3▼脱水剤の添加量
次に、光硬化性組成物に使用される脱水剤の添加量について説明する。脱水剤の添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分を構成するオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、脱水剤の添加量が0.1重量部未満となると、添加効果の発現に乏しく、保存安定性や光硬化性の向上効果が低い場合があるためであり、一方、脱水剤の添加量が100重量部を超えると、保存安定性や光硬化性の向上効果が飽和する場合がある。
したがって、より好ましくは、脱水剤の添加量を、オルガノシラン(1)100重量部に対して、0.5〜50重量部の範囲内の値とすることであり、さらに好ましくは、1〜10重量部の範囲内の値とすることである。
【0114】
(G)〜(H)成分以外のその他の添加剤
光硬化性組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、有機溶剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料などの添加剤をさらに含有させることも好ましい。
【0115】
剥離・非粘着硬化体
▲1▼剥離・非粘着硬化体の形成方法
光硬化性組成物から剥離・非粘着硬化体を形成する場合、コーテイングする方法を採ることが好ましい。このようなコーテイング方法としては、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェット法等の方法を用いることができる。これらのうち、基材が板状の場合には、特にディッピング法を用いることが好ましい。
【0116】
また、光硬化性組成物を光硬化する手段も特に制限されるものではないが、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプなどの光源を用いて、波長150〜400nmの光を照射することが好ましい。また、レーザ光、あるいはレンズ、ミラーなどを用いて得られた収束光などを走査させながら光硬化性組成物に光照射することも好ましい。さらに、所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に光照射したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光照射することも好ましい。
【0117】
▲2▼厚さ
剥離・非粘着硬化体の厚さは特に制限されるものではないが、例えば、一層の場合、0.05〜100μmの範囲内の値であることが好ましい。この理由は、厚さが0.05μm未満となると、均一な連続膜が得られず、剥離・非粘着効果が低下する場合があるためであり、一方、厚さが100μmを超えると、耐クラック性、密着性が低下するためである。好ましくは、0.1〜80μmである。
【0118】
なお、剥離・非粘着硬化体を複数層設けて多層構造とする場合には、その厚さをこの膜が一層の場合の好ましい厚さに層数を掛けた値とするのが良い。例えば、剥離・非粘着硬化体を2層設ける場合には、合計した厚さを0.1〜200μmの範囲内の値とするのが好ましい。
【0119】
積層体
なお、本発明に係わる積層体としては、上記剥離・非粘着硬化体を基材表面に有する積層体である。なお、積層体は、少なくとも基材と、剥離・非粘着硬化体とを含んでいれば良く、種々の変形例が含まれる。
基材の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂またはフッ素樹脂からなる樹脂板や樹脂フィルムなどを挙げることができる。
【0120】
剥離・非粘着硬化体の製造方法
本発明の光硬化性組成物から剥離・非粘着硬化体を製造する方法としては、その第1の工程は、上述した光硬化性組成物を基材上で成形する工程(成形工程と称する場合がある)であり、第2の工程は、露光機を用いて露光することにより、光硬化性組成物を光硬化させる工程(露光工程と称する場合がある)である。
【0121】
(1)第1の工程
光硬化性組成物の成形方法は特に制限されるものではないが、例えば、ディップコータやスピンコータ、あるいはバーコータを用いて、光硬化性組成物を塗布、形成することが好ましい。具体的に、スピンコータを用いた場合、スピンコータ内に、基材を固定したのち、一例として、回転数1,000rpmの条件で、予め粘度調整した光硬化性組成物を回転塗布することが好ましい。
また、光硬化性組成物の成形後(光硬化前)の厚さは特に制限されるものではないが、例えば、0.05〜100μmの範囲内の値であることが好ましい。この理由は、成形後の厚さが0.05μm未満では、光硬化性組成物を所定形状に保持することが困難となる場合があり、一方、100μmを超えると、耐クラック性、密着性が低下する。
【0122】
また、第1の工程において、光硬化性組成物の成形後に、100〜150℃の温度で予備加熱(プリベイク)することが好ましい。このような条件で光硬化性組成物を予備加熱することにより、光硬化性組成物における揮発部分を有効に除去することができ、光硬化性組成物の成形品が型崩れすることがなくなる。また、(A)成分を構成するオルガノシラン(1)のシラノールの一部を反応させることができ、基材に対する密着力や現像時における耐薬品(現像剤)性を向上させることもできる。
ただし、過度に加熱して、現像特性が逆に低下しないように、110〜140℃の温度で加熱することがより好ましく、115〜130℃の温度で加熱することがより好ましい。
【0123】
さらに、加熱時間については、加熱温度を考慮して定めるのが好ましいが、100〜150℃の温度で予備加熱する場合、1〜20分の加熱時間とするのが好ましい。この理由は、加熱時間が1分未満となると、シラノールの反応が不均一となる場合があり、一方、加熱時間が10分を超えると、シラノールが過度に反応して、現像液を用いて精度良く現像することが困難となる場合があるためである。したがって、加熱時間を2〜15分の範囲内の値とするのが好ましく、3〜10分の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
なお、加熱手段については特に制限されるものではなく、例えば、オーブンや赤外線ランプを用いることができる。
【0124】
(2)第2の工程
また、第2の工程における光硬化方法は、全面露光して光硬化させることはもちろんのこと、所定パターンを有するフォトマスク介して非収束光を光硬化性組成物にパターン露光したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねた導光部材を用い、フォトマスクのパターンに対応する光ファイバーからのみ光照射して、パターン露光することも好ましい。
このようにパターン露光することにより、露光して硬化させた光硬化物部分と、露光せず未硬化の光硬化性組成物部分とを精度良く形成することができる。具体的に、マスクパターンのライン/スペース(比率50/50)が10μm以上の範囲、より好ましくは30μm以上の範囲、さらに好ましくは、50μm以上の範囲において、光硬化させた後、現像により基材の露出部を再現性良く形成できることが確認されている。
したがって、未硬化の光硬化性組成物部分のみを、現像液を用いて容易にウエット現像(除去)することができ、基材の露出部、すなわち剥離・非粘着硬化体が設けられていない部分を短時間かつ容易に形成することができる。よって、このような基材の露出部を利用して、所望の部材を強固に接着固定などをすることができる。
【0125】
さらに、第2の工程において、光硬化物である剥離・非粘着体をさらに加熱することも好ましい。その場合、基材もしくは塗膜の分解開始温度以下である温度25〜200℃、5分〜72時間の条件で加熱するのが好ましい。このように剥離・非粘着硬化体を加熱することにより、より耐熱性や耐候性に優れた剥離・非粘着硬化体(積層体)を得ることができる。
【0126】
以上のように、本発明の剥離・非粘着性コーティング用組成物(熱硬化性組成物、光硬化性組成物)は、特定のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系含有重合体を含有し、保存安定性に優れ、かつ耐熱性、耐湿性、耐候性などの耐久性に優れ、かつ耐アルカリ性、耐薬品性を有し、高硬度で摩擦摩耗性などの機械的強度を有する平滑な剥離性、非粘着性塗膜を形成することができる。
したがって、本発明の剥離・非粘着性コーティング用組成物は、例えば、印刷回路基板、プリント基板、グリーンシート、太陽電池モジュール製造用剥離材、情報表示体製造用剥離材、転写シート、印刷用定着ロール、加圧ロール、FPD製造用剥離材、EL製造用剥離材、剥離・非粘着フィルムなどに有用である。
【0127】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例になんら制約されるものでない。なお、実施例および比較例中の部および%は、特記しない限り重量基準である。また、実施例および比較例における各種の測定・評価は、下記の方法により行った。
【0128】
(1)Mw
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガノシランの縮合物1gまたはシリル基含有ビニル系樹脂0.1gを、それぞれ100ccのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用した。
装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラム(モデル150−C ALC/GPC)
カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M(長さ50cm)
測定温度:40℃
流速:1cc/分
【0129】
(2)保存安定性
硬化促進剤を添加しない組成物を、ポリエチレン製ビン内に、常温で3ヶ月密栓保存して、ゲル化の有無を目視により判定した。ゲル化を生じていないものについては、東京計器(株)製のBM型粘度計による粘度測定を行い、変化率が20%以内のものを、“良好”とした。
(3)密着性
JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に拠った。
(4)硬度
JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
【0130】
(5)耐アルカリ性
試験片を、飽和水酸化カルシウム水溶液中に60日間浸漬した後、塗膜の状
態を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
(6)耐有機薬品性
塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
(7)耐湿性
試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、連続1,000時間保持したのち、取り出して塗膜の状態を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
(8)耐候性
JIS K5400により、サンシャインウエザーメーターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観(割れ、剥がれなど)を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
【0131】
(9)耐水性
試験片を、水道水中に常温で60日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
(10)耐温水性
試験片を、60℃の温水中に14日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。変化のないものを“良好”とした。
(11)耐汚染性
塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間放置したのち、スポンジを用いて水洗して、塗膜の汚染状態を観察し、下記基準で評価した。
○;汚染なし
△;少し汚染されている。
×;汚染が著しい。
【0132】
(12)透明性
各組成物を、石英ガラス上に、乾燥膜厚10μmとなるように塗布したのち、可視光の透過率を測定して、下記基準で評価した。
◎;透過率が80%を超える。
○;透過率が60〜80%
△;透過率が60%未満
【0133】
(13)撥水性・撥油性
塗膜に超純水またはサラダ油(日清製油(株)製食用菜種油)を1滴乗せ、傾けたときに液滴の滑り落ち具合を観察し、下記基準で評価した。
○;傾斜角60度未満で容易に滑り落ちる。
△;傾斜角60〜90度で滑り落ちる。
×;傾斜角90度を越えても滑り落ちない。
【0134】
(14)接触角
塗膜に超純水またはコールタール(JIS K2439規定工業用コールタール)を3μl乗せたときの接触角を、協和界面化学(株)製、自動接触角計により測定した。
(15)耐摩擦摩耗性
テーバー摩耗試験機により、摩耗輪cs−10、荷重0.5kgを負荷させて500回転の摩擦摩耗試験を行い、試験前と試験後とのヘイズの差を求め、下記基準で評価した。
○;ヘイズの差が1未満
△;ヘイズの差が1以上、5未満
×;ヘイズの差が5以上
(16)剥離性
トルエンに溶解したポリビニルアルコール(固形分濃度50%)を厚さ50μmになるようコートし、JIS K6854に準拠し180度剥離テストを行った。
○:全剥離
△:部分剥離
×:剥離せず
【0135】
参考例1〔フッ素含有アクリル系重合体(B−1)の調製〕
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表1に示す単量体成分と、イソブチルアルコール105部、メチルエチルケトン70部、メタノール35部を加えて混合したのち、撹拌下で80℃に加温し、この混合物に、アゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、さらに80℃で5時間反応させて、固形分濃度40%のフッ素含有アクリル系重合体〔(B1)成分〕を得た。
【0136】
参考例2〔フッ素含有ビニルエーテル系重合体(B−2)の調製〕
電磁攪拌機を備えたステンレス製のオートクレーブを窒素ガスで十分置換したのち、当該オートクレーブ内にメチルイソブチルケトンを150部とエチルビニルエーテル30部と過酸化ラウロイル(ラジカル重合開始剤)2部とを仕込み、オートクレーブ内の溶液をドライアイス−メタノールにより−50℃まで冷却したのち、窒素ガスによって系内の酸素を再度除去した。次いで、ヘキサフルオロプロピレン65部、ビニルトリメトキシシラン5部を添加し、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点におけるオートクレーブ内の圧力は、5kgf/cm2 であった。反応系の温度を60℃に保持しながら攪拌することにより、20時間重合反応を継続させ、オートクレーブ内の圧力が1.5kgf・cm2 に低下した時点で水冷して反応を停止させ、固形分濃度40%の(B−2)成分(以下「(B2−1)」ともいう)を得た。
【0137】
参考例3〜6<(B−2)成分の重合>
表2に示す単量体成分を用いた以外は、参考例1と同様にして、(B2−2)〜(B2−5)の(B−2)成分を得た。
【0138】
【表1】
Figure 0005177334
【0139】
(*1)1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート
(*2)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
【0140】
【表2】
Figure 0005177334
【0141】
参考例7<シリル基含有ビニルアクリル系重合体(B−3)の合成>
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリレート63部、2−エチルヘキシルアクリレート5.7部、n−ブチルアクリレート4.3部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11.3部、アクリル酸3.9、ジカプロラクトン0.8部およびi−プロピルアルコール150部メチルエチルケトン50部、メタノール25部を加えて混合したのち、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下したのち、80℃で5時間反応させて固形分40%のアクリル系重合体〔(B−3)成分〕である(B3)を得た。
【0142】
【表3】
Figure 0005177334
【0143】
(*1)1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート
(*2)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
【0144】
合成例1〜20、比較合成例1〜2
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表4〜6に示す各成分(水と後添加成分を除く)を加えて混合し、水を添加後、撹拌し、60℃で5時間反応させた。次いで、後添加成分を加えて室温まで冷却し、固形分濃度20%の本発明のコーティング用組成物(A)〜(T)および比較用の組成物(a)〜(b)を得た。得られた組成物の保存安定性を評価した。評価結果を表4〜6に併せて示す。
表中、「MTMS」は「メチルトリメトキシシラン」を、「DMDMS」は「ジメチルジメトキシシラン」、「DiPEAAAl」は「ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム」を、「TEAAAl」は「トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム」を、「iPA」は「イソプロピルアルコール」を、「PTMS」は「フェニルトリメトキシシラン」を示す。
【0145】
【表4】
Figure 0005177334
【0146】
【表5】
Figure 0005177334
【0147】
【表6】
Figure 0005177334
【0148】
(*1):トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30%)
(*2):水分散(pH4)アナターゼ型酸化チタン(固形分30%)
(*3):メチルエチルケトン分散シリカゾル(固形分30%)
(*4)ii−1,ii−2;下塗り用組成物表7参照
【0149】
参考例8<下塗り用コーティング組成物の合成>
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン70部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30部、水20部、i−プロピルアルコール150部および10-2mol/L塩酸水溶液20部を加えてよく攪拌し、60℃で4時間反応させた。次いで、室温まで冷却し、トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30%)20部を添加して、固形分濃度20%の組成物を得た。得られた組成物100部に、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウムのイソプロピルアルコール溶液20%品を30部添加、よく攪拌し、下塗り用コーティング組成物(ii−1)を得た。
【0150】
参考例9〜16<下塗り用コーティング組成物の合成>
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表7〜8に記載した種類、部数の各成分(後添加成分以外)を加えてよく攪拌し、60℃で4時間反応させた。次いで、室温まで冷却し、後添加成分を添加して固形分濃度20%の組成物を得た。
【0151】
【表7】
Figure 0005177334
【0152】
【表8】
Figure 0005177334
【0153】
表7および表8において
(*3)i−プロピルアルコール分散コロイダルシリカ(固形分濃度30%)
(*4)トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30%)
(*5)高松油脂(株)製、ポリエステル樹脂(固形分濃度20%)
(*6)i−プロピルアルコール分散In−Snオキサイド(固形分濃度30%)
【0154】
実施例1〜4、参考例17〜54、比較例1〜2
膜厚50μmのPETフィルム表面に、必要に応じて、表7〜8に記載した下塗り用コーティング組成物100部に対しイソプロピルアルコール100部、ジブチルジアセテートスズとシリケートオリゴマ−からなる反応物のイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度25%)10部を添加混合し、乾燥膜厚が1μmになるように塗布、乾燥し、次いで表4〜6で得られた本発明のコーティング用組成物100部に対しイソプロピルアルコール50部、メチルエチルケトン50部、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウムのイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度20%)15部を添加混合し、乾燥膜厚が1μmになるように塗布、乾燥し、コーティングフィルムのサンプルとした。得られたサンプルに対して各種評価を行った。結果を表9〜15に併せて示す。
【0155】
【表9】
Figure 0005177334
【0156】
【表10】
Figure 0005177334
【0157】
【表11】
Figure 0005177334
【0158】
【表12】
Figure 0005177334
【0159】
【表13】
Figure 0005177334
【0160】
【表14】
Figure 0005177334
【0161】
【表15】
Figure 0005177334
【0162】
参考例55〜62
本発明の組成物A100部に対し、イソプロピルアルコール50部、メチルエチルケトン50部、各種硬化剤のイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度20%)15部を添加混合し、乾燥膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、以下の評価を行った。
【0163】
【表16】
Figure 0005177334
【0164】
参考例63〜70
本発明の組成物A100部に対し、イソプロピルアルコール50部、メチルエチルケトン50部、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウムのイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度20%)15部を添加混合し、各種基材に乾燥膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、以下の評価を行った。
【0165】
【表17】
Figure 0005177334
【0166】
(*1)コロナ放電処理を行ったPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
実施例5、参考例71〜86、比較例3〜4
厚さ5mmのガラス表面に、必要に応じて、表18〜20に記載した下塗り用コーティング組成物を乾燥膜厚が1μmになるように塗布、乾燥し、次いで本発明のコーティング用組成物を乾燥膜厚が1μmになるように塗布、乾燥し、コーティングガラスのサンプルとした。得られたサンプルに対して各種評価を行った。結果を表18〜20に併せて示す。
【0167】
【表18】
Figure 0005177334
【0168】
【表19】
Figure 0005177334
【0169】
【表20】
Figure 0005177334
【0170】
合成例21〜27
(光硬化性組成物の調製)
攪拌機および蒸留装置を備えた容器内に、メチルトリメトキシシラン70部、参考例1で得られたB成分30部、ジ−iプロポキシエチルアセトアセテートトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム5部と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水10部、メチルエチルケトン100部とを収容したのち、温度60℃、5時間の条件で加熱攪拌することにより加水分解縮合を行った。次いで、容器内の温度を80℃に昇温させたのち、メチルイソブチルケトン(以下「MIBK」と略記)を滴下しながら、加水分解により副生したメタノールを蒸留除去した。そして、最終的に固形分を22%に調整し、(A)成分であるポリシロキサンを含有する溶液(以下「ポリシロキサン溶液」と称する)を得た。得られたポリシロキサン溶液について、GPCを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、16,000という値が得られた。
次いで、得られたポリシロキサン溶液(固形分および溶剤の合計)100部あたり、(G)成分の光酸発生剤として、SI−100L〔三新化学(株)製〕を3部、脱水剤として、オルト蟻酸メチル〔和光純薬工業(株)製〕5部をそれぞれ添加して、光硬化性組成物A′を得た。
同様にして、光硬化性組成物B′〜G′を調製した。結果を表21に示す。
なお、表21中、「MTMS」は「メチルトリメトキシシラン」を、「PTMS」は「フェニルトリメトキシシラン」を、「γ−MPTMS」は「γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン」を、「GPTMS」は「グリシドキシプロピルトリメトキシシラン」を、「DMDMS」は「ジメチルジメトキシシラン」を示す。
【0171】
【表21】
Figure 0005177334
【0172】
実施例6、参考例87〜92
(光硬化性組成物からの反射防止膜の形成および評価)
(1)光硬化性1
得られた光硬化性組成物(溶液)に、MIBKとn−ブタノールとの等量混合溶媒を添加して、固形分濃度を3%に調整した。次いで、大気条件下に、PETフィルム〔厚さ50μm、帝人化成(株)製〕上に、アプリケーターを用いて塗膜を形成した。
次いで、室温(25℃)、2分の条件で乾燥して、厚さ0.1μmの塗膜を得たのち、大気下、温度25℃、露光量が100mJ/cm(照射時間1秒)、200mJ/cm(照射時間2秒)および300mJ/cm(照射時間3秒)となるように、オーク製作所(株)製のコンベア式高圧水銀ランプ(2kW)を用いて紫外線を照射し、反射防止膜を形成した。また、窒素中、温度25℃の条件で、同様に紫外線を照射して、反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜につき、指触で表面タックを測定し、以下の基準で光硬化性を評価した。結果を表22に示す。
◎:100mJ/cm露光後、反射防止膜の表面タックがない。
○:200mJ/cm露光後、反射防止膜の表面タックがない。
△:300mJ/cm露光後、反射防止膜の表面タックがない。
×:300mJ/cm露光後、反射防止膜の表面タックがある。
【0173】
(2)光硬化性2
得られた光硬化性組成物(溶液)を温度40℃で1ケ月間および3ケ月間保管したのち、目視で外観変化(粘度増加)を測定し、さらに上記(1)の光硬化性を測定して、以下の基準で長期保存後の光硬化性を評価した。得られた結果を表22に、保存安定性として示す。
◎:3ケ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察されない。
○:1ケ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察されない。
×:1ケ月経過後に、外観変化あるいは光硬化性の低下が観察される。
【0174】
なお、密着性、硬度、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐湿性、耐汚染性、透明性、撥水性、水の接触角、油の接触角、耐摩擦摩耗性、剥離性の評価については、上記熱硬化性組成物の評価測定における場合と同様である。
【0175】
【表22】
Figure 0005177334
【0176】
【発明の効果】
本発明の剥離・非粘着性コーティング用組成物は、特定のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合体を含有しているため、保存安定性に優れ、かつ剥離性、非粘着性に優れた高硬度の塗膜を形成することができる。
したがって、例えば、印刷回路基板、プリント基板、グリーンシート、太陽電池モジュール製造用剥離材、情報表示体製造用剥離材、転写シート、印刷用定着ロール、加圧ロール、FPD製造用剥離材、EL製造用剥離材、さらには剥離・非粘着フィルムなどに有用である。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)
    (RSi(OR4−n ・・・・・(1)
    (式中、Rは、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、Rは、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは1また2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種、ならびに
    (B−1)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有アクリル系重合体
    を含有する剥離層形成用コーティング用組成物であって、
    該オルガノシランが、トリアルコキシシラン含有量40〜95モル%とジアルコキシシラン含有量60〜5モル%との混合物(ただし、トリアルコキシシランとジアルコキシシランの合計は100モル%である。)であることを特徴とする剥離層形成用コーティング用組成物。
  2. (A)下記一般式(1)
    (RSi(OR4−n ・・・・・(1)
    (式中、Rは、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、Rは、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは1また2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種、ならびに
    (B−2)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル系重合体
    を含有する剥離層形成用コーティング用組成物であって、
    該オルガノシランが、トリアルコキシシラン含有量40〜95モル%とジアルコキシシラン含有量60〜5モル%との混合物(ただし、トリアルコキシシランとジアルコキシシランの合計は100モル%である。)であることを特徴とする剥離層形成用コーティング用組成物。
  3. さらに、前記(B−1)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有アクリル系重合体以外の(B−3)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するアクリル系重合体を含有する請求項1または2記載の剥離層形成用コーティング用組成物。
  4. さらに、(G)光酸発生剤を含有する請求項1〜3いずれか1項記載の剥離層形成用コーティング用組成物。
  5. さらに、(H)脱水剤を含有する請求項1〜4いずれか1項記載の剥離層形成用コーティング用組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか1項記載の剥離層形成用コーティング用組成物を基材に塗布し、熱硬化および/または光硬化させてなる剥離材。
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