JP5174423B2 - 玉縁縫いミシン - Google Patents
玉縁縫いミシン Download PDFInfo
- Publication number
- JP5174423B2 JP5174423B2 JP2007276374A JP2007276374A JP5174423B2 JP 5174423 B2 JP5174423 B2 JP 5174423B2 JP 2007276374 A JP2007276374 A JP 2007276374A JP 2007276374 A JP2007276374 A JP 2007276374A JP 5174423 B2 JP5174423 B2 JP 5174423B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cut
- straight
- knife
- corner
- cutting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B3/00—Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing
- D05B3/10—Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing for making piped openings
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B37/00—Devices incorporated in sewing machines for slitting, grooving, or cutting
- D05B37/02—Slitting or grooving devices
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B37/00—Devices incorporated in sewing machines for slitting, grooving, or cutting
- D05B37/04—Cutting devices
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Sewing Machines And Sewing (AREA)
Description
このような斜め形状の開口の玉縁縫いでは、切断長の等しい二枚のコーナーメスをV字状に並べた状態から二本の縫い目の縫い端部位置のズレ長さ(偏差とする)と同じ長さだけずらして配置し、それぞれのコーナーメスを身生地に突き通すことで斜め切れ目の形成が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記玉縁縫いミシンには図18に示すような問題点が存在する。図18(A),(B)は特許文献1の問題点を示す状態説明図であり、図中の符号TL,TRは縫い目、Sは直線切れ目、201,202,はコーナーメスを示し、二本の縫い目の縫い目側寄りの端部位置のズレ長さ(偏差とする)をCとする。
偏差Cで斜め切れ目を形成する場合、直線切れ目Sの先端から内側のコーナーメス202の根本部分までの距離C’は偏差Cと一致する。ところで、玉縁縫いミシンによるコーナー切れ目の形成は、センターメス機構による直線状の切れ目(センター切れ目)の形成後にコーナーメスが上昇するように構成されているから、玉縁縫いミシンにあっては、コーナーメス202を身生地に突き通そうとすると、図18(B)に示すように、コーナーメス202の挿通箇所の両側にセンター切れ目が形成されているため、身生地がコーナーメス202の進行方向にめくれ上がってしまい、予定された切断長さ分の切断が行えないという不都合があった。
しかしながら、その一方で各コーナーメスについて切断長の調節や向き角度の調節が必要となり、作業準備が煩雑となるという問題があった。
そのため、斜めポケットを形成することのできる玉縁縫いミシンにおいては、作業の迅速化が求められる場合には左右で同じ切断長のコーナーメスをずらして斜め切れ目を形成し、高い縫い品質が要求される場合には切断長と向きとが異なる二枚のコーナーメスを用いて斜め切れ目を形成するというように、上述の2種類の斜め切れ目の形成方式を容易に切り替えて形成することのできる玉縁縫いミシンが求められていた。
身生地及び玉布を保持して搬送する布送り機構と、
身生地及び玉布に布送り方向に沿って平行な二本の直線縫い目を形成する二本の縫い針を上下動する針上下動機構と、
前記二本の直線縫い目の間に布送り方向に沿って直線切れ目を形成する動メス機構と、
前記二本の直線縫い目の端部と前記直線切れ目の端部との間に斜め切れ目を形成可能なコーナーメス機構と、
前記各直線縫い目と直線切れ目の布送り方向の前後端部の少なくとも一方において、二本の直線縫い目の端部位置がそれぞれ布送り方向について異なる位置となるように端部位置偏差を設けて形成すると共に、前記斜め切れ目が、前記二本の直線縫い目の端部から前記直線切れ目に向かう方向に沿って形成された二本の斜め切れ目から形成されるように前記各機構を制御する斜め切れ目形成制御手段と、
を備えた玉縁縫いミシンにおいて、
前記コーナーメス機構は、前記直線切れ目の前後両端部のそれぞれに対応して設けられ、
前記斜め切れ目形成制御手段は、端部位置偏差が設けられた端部に対応するコーナーメス機構に対して、
直線切れ目を挟んだ左右両側の斜め切れ目について、一方の斜め切れ目を形成した後、身生地及び玉布を前記布送り機構により前記端部位置偏差分送り、その後他方の斜め切れ目を形成して、互いの切断長を等しくしつつ前記各斜め切れ目の一端部をそれぞれ対応する直線縫い目の端部に一致させる配置で前記斜め切れ目を形成させる第一の切断制御と、
直線切れ目を挟んだ左右両側の斜め切れ目について、互いの切断長を異ならせると共に各斜め切れ目の両端部をそれぞれ対応する直線縫い目の端部と直線切れ目の端部とに一致させる配置で前記各斜め切れ目を形成させる第二の切断制御とを、
選択的に実行することを特徴とする。
前記コーナーメス機構が、
切断長の異なる複数のコーナーメスを保持するインデックスと、
前記インデックスを移動させて、コーナーメスを選択するインデックスモータと、
選択されたコーナーメスを上下動するエアシリンダとを備えている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、
前記コーナーメス機構は、切断長が長い斜め切れ目を形成する長メスと短い斜め切れ目とを形成する短メスとを備え、前記第一の切断制御における左右両側の斜め切れ目はいずれも短メスで形成すると共に、前記第二の切断制御における左右両側の斜め切れ目は短メスと長メスとの組み合わせで形成し、
前記短メスによる切断長の布送り方向長さを記憶する短メス布送り方向長さ記憶手段と、
前記斜め切れ目形成制御手段が前記第一の切断制御を選択したときには、前記二本の内でより延出されている一方の直線縫い目の端部から前記短メスによる切断長の布送り方向長さ分だけ非延出側寄りの位置を前記直線切れ目の端部位置とし、前記斜め切れ目形成制御手段が前記第二の切断制御を選択したときには、前記二本の内で延出されていない他方の直線縫い目の端部から前記短メスによる切断長の布送り方向長さ分だけ非延出側寄りの位置を前記直線切れ目の端部位置として当該直線切れ目を形成するように、前記布送り機構及び動メス機構を制御するセンター切れ目形成制御手段とを備えることを特徴とする。
また、「非延出側寄り」とは、二本の直線縫い目の縫製時の布送り方向前端部に端部位置偏差を設ける場合にあっては布送り方向における後側寄りを示し、二本の直線縫い目の縫製時の布送り方向後端部に端部位置偏差を設ける場合にあっては布送り方向における前側寄りを示すものとする。
端部位置偏差に対応して互いの切断長を異ならせた左右の斜め切れ目のそれぞれを、直線縫い目の端部と直線切れ目の端部とに一致させる配置で前記各斜め切れ目を形成させる第二の切断制御とを、選択して実行することができるので、ことを特徴とする。
従って、端部位置偏差の変更を生じ得る場合であって作業の迅速化が求められる場合には第一の切断制御を選択し、高い縫い品質が要求される場合には第二の切断制御を選択することで、種々の要求や作業状況に応じて適切な玉縁縫いを行うことが可能となる。
また、以下の説明において、「左右」とは、水平方向であって布送り方向に直交する方向を示すものとする。
図11,12に示すように、コーナーメス機構が長短二種類のコーナーメスを使い分けて第一の切断制御と第二切断制御を行う場合、長メスによる切断長の布送り方向長さXLと短メスによる切断長の布送り方向長さXSとの差は、端部位置偏差CFと一致することを前提とする(CF=XL−XS)。つまり、第二の切断制御において、延出されている直線縫い目の端部PFR(図2参照)から長メスによる切断長の布送り方向長さXL分だけ非延出側寄りの位置と延出されていない直線縫い目の端部PFL(図2参照)から短メスによる切断長の布送り方向長さXS分だけ非延出側寄りの位置とはいずれも図12に示されるように一致しており、単に直線切れ目の端部位置を設定するのであれば、第二の切断制御に対応して直線切れ目を形成する場合にはその端部位置を、延出されている直線縫い目の端部と延出されていない直線縫い目の端部のいずれを基準としても特定することが可能である。
しかし、第一の切断制御と第二の切断制御のいずれの場合でも、延出されている直線縫い目の端部PFRを基準に直線切れ目の端部位置を特定する場合には、第一の切断制御から第二の切断制御に選択を切り替えた場合(或いはその逆の場合)に、直線縫い目の端部から直線切れ目の端部位置までの距離を長さXSから長さXLへ(又はその逆)設定し直す必要が生じてしまう。
一方、請求項2記載の発明では、第一の切断制御時には延出されている直線縫い目の端部PFRを基準とし、第二の切断制御時には延出されていない直線縫い目の端部PFLを基準とすることにより、いずれの場合でも、短メスによる切断長の布送り方向長さXSに基づいて直線切れ目の端部位置を特定することが可能となる。従って、第一と第二の切断制御の切り替え時に、新たに直線縫い目の端部と直線切れ目の端部との距離差を長さXSから長さXLへ(又はその逆)の設定し直しを行う作業負担を軽減し、容易に切断制御の切り替えを行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態である玉縁縫いミシン10について図1乃至図17に基づいて説明する。図1は玉縁縫いミシン10の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施の形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてそれぞれの方向を定めるものとし、Z軸方向は後述するセンターメスの上下動方向と一致し、縫製作業を行う平面はZ軸方向と垂直となり、当該作業平面に平行であって布送りが行われる方向をX軸方向とし、作業平面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
斜め形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いでは、いずれか一方の直線縫い目(図2では右側の縫い目TR)の前後の端部のそれぞれが他方の直線縫い目の前後の端部よりも前側に位置するように形成される。ここで、直線縫い目TRの後側端部から直線縫い目TLの後側端部までの布送り方向のズレ量を後側の偏差CRといい、直線縫い目TRの前側端部から直線縫い目TLの前側端部までの布送り方向のズレ量を前側の偏差CFというものとする。
なお、この玉縁縫いミシン10は、前端部と後端部のいずれにも偏差を設けない縫い、つまり二本の直線縫い目が前後にズレのない長方形状の開口を形成する玉縁縫いを実行することも可能であることはいうまでもない。
そして、当該玉縁縫いミシン10は、縫製の作業台となるミシンテーブル11と、ミシンテーブル11に配置されたミシンフレーム12と、身生地M及び玉布Bからなる布地の送りを行う布送り機構としての大押さえ送り機構20と、身生地Mの上側で玉布Bを上方から押さえるバインダー30と、バインダー30の布送り方向Fにおける前端部近傍で切れ目Sの両側に針落ちを行う縫い目形成機構としての針上下動機構40と、各縫い針41の布送り方向Fの前側で動メスとしてのセンターメス51を昇降させて重ねて載置される身生地M及び玉布Bからなる被縫製物に切れ目Sを形成する動メス機構としてのセンターメス機構50と、直線状の切れ目S(以後、直線切れ目Sとも称する)の両端にそれぞれ個別に対応して設けられ、それぞれ略V字状の切れ目Vを形成するコーナーメス機構100A,100Bと、上記各部の制御を行う動作制御手段80とを備えている。
以下各部を詳説する。
ミシンテーブル11はその上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。このミシンテーブル11の上面は布の送り方向F即ちX軸方向に沿って長い長方形状に形成されている。かかるミシンテーブル11上に大押さえ送り機構20とバインダー30とが配置され、ミシンテーブル11の下側にコーナーメス機構100A,100Bが配置されている。
また、ミシンテーブル11における二つの縫い針41,41の下方の位置には針板13が設けられている。この針板13には二本針41,41の各々に対応する針穴が設けられており、各針穴の下側には図示しない水平釜がそれぞれ設けられている。つまり、各縫い針41,41のそれぞれに挿通された縫い糸は、それぞれ針板13の下側で対応する各水平釜に捕捉され、水平釜から繰り出される下糸に絡められて縫製が行われるようになっている。
さらに、針板13の二つの針穴のほぼ中間であって布送り方向Fの前側にはセンターメス51が挿入されるスリットが形成され、当該スリットの内側にはセンターメス51との協働により布地を切断する図示しない固定メスが配置されている。
図4は針上下動機構40の斜視図である。針上下動機構40は、二本針を構成する二つの縫い針41,41と、各縫い針41を個別に下端部に保持する二本の針棒42と、各針棒42を上下動可能に支持する支持枠49と、二本の針棒42を同時に保持する針棒抱き44と、縫い針上下動の駆動源となるミシンモータとしてのミシン主軸モータ45と、ミシン主軸モータ45(図10)により回転駆動を行うミシン主軸46と、ミシン主軸46の一端部に固定連結され回転運動を行う回転錘47と、回転錘47の回転中心から偏心した位置に一端部が連結されると共に他端部が針棒抱き44に連結されたクランクロッド48とを有している。
かかる針切り替えソレノイド43により、両針棒42,42がラッチ機構に保持された状態と、一方の針棒42がラッチ機構に保持されて他方の針棒42が保持機構に保持された状態と、一方の針棒42が保持機構に保持されて他方の針棒42がラッチ機構に保持された状態とを切り替え可能となっており、何れの状態においても針棒抱き44に保持された針棒は上下動し、ラッチ機構に保持された針棒は上死点近傍で停止するようになっている。
斜め形状の玉縁縫いを行う際には、上記三つの保持状態を所定のタイミングで切り替えることにより、左右の直線縫い目TL,TRについて、前後の端部において布送り方向に偏差を生じるように形成することを可能としている。
図5は針上下動機構40及びセンターメス機構50の切断可能状態の斜視図である。
センターメス機構50は、上下動により直線状の切れ目Sを形成するセンターメス51と、針板13の下に固定されると共にセンターメス51に摺接して布地B、Mの切断を促す図示しない固定メスと、センターメス51を下端部に備えると共にアーム部12c内でZ軸方向に沿って滑動可能に支持されたメス棒52と、センターメス51の上下動を行うステッピングモータであるメスモータ57と、メスモータ57の出力軸57bに対して偏心して装着された偏心カム58を介してメス棒52に上下動駆動力を伝達する複数のリンク体59と、センターメス51の切断可能状態(下位置)と切断規制状態(上位置)との切り替え動作の駆動源となるアクチュエータとしてのエアシリンダ65と、エアシリンダ65の突出時のプランジャを所定位置で停止させるストッパ68とを備えている。
一方、エアシリンダ65が前進した状態にある時には、複数のリンク体59はメスモータ57の動力がメス棒52まで伝えられない配置とされ、且つセンターメス51が針板13よりも上方に待避した状態が維持される。
従って、エアシリンダ65の駆動により、センターメス51の切断可能状態と切断規制状態とが切り替えられるようになっている。
バインダー30は、長尺状平板である底板部31と、底板部31の長手方向に沿ってその上面に垂直に立設された立板部32と、立板部32の布送り方向前側端部に、センターメス51を回避して玉布Bを案内する案内部材33と、玉布Bの幅方向の両端部が立板部32の両面に沿ってそれぞれ送られるように案内する縦ガイド(図示略)とを備えている。
上記バインダー30は、エアシリンダを備える図示しない支持機構に支持されており、非使用時には図1に示すように二本針41,41の針下の位置から離れて待避されている。そして、使用時には、エアシリンダの駆動により針板位置にセットされるようになっている。
立板部32は、案内部材33の近傍の部分を除いてその全体が平板状であり、底板部31の上面において、当該底板部31の幅方向(Y軸方向)の中間位置に、底板部31と長手方向を揃えた状態で、垂直に立設されている。即ち、バインダー30は、底板部31と立板部32とがその長手方向から見て逆さのT字状となるように一体形成されている。
また、バインダー30の布送り方向Fのすぐ前側には、センターメス51により切り裂かれてしまわないように、案内部材33が設けられている。かかる案内部材33は、同方向Fに向かって二又に分岐して平面視形状が略V字状となるように形成されている。そして、かかる形状により、布送りの際に玉布Bの幅方向両端部はそれぞれ立板部32から離間する方向に誘導されて、センターメス51を回避する方向に案内される。
大押さえ送り機構20は、バインダー30にセットされた玉布Bの幅方向両側で身生地Mを上方から押さえる大押さえ21,21と、これらの大押さえ21,21を支持する支持体22と、支持体22を介して大押さえ21,21を上下に移動させる図示しないエアシリンダと、各大押さえ21,21に内蔵されて互いに内側に進出することで玉布Bの幅方向両端部をそれぞれバインダー30の底板部31の上側に折り込む図示しない折り込み板と、大押さえ21,21により押さえた玉布B及び身生地Mを支持体22を介して布送り方向Fに移動させる送り駆動手段としての押さえモータ23(図10)とを備えている。
各大押さえ21,21は、それぞれ長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体22に支持されている。また、各大押さえ21,21はその平板面がX−Y平面に平行となるように支持されている。そして、エアシリンダの駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはミシンテーブル11の上面から離間し、下位置でミシンテーブル11の上面高さとなる。また、二つの大押さえ21,21は、その間に、少なくともバインダー30の立板部32を通すことができるようにY軸方向について離間した状態で支持されている。
支持体22は、ミシンテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持されており、支持する二つの大押さえ21,21が二本針41,41の上下動経路の外側を通過するように配置されている。また、支持体22は、図示しないボールネジ機構を介して押さえモータ23により駆動されるようになっている。
図6は各コーナーメス機構100A,100Bの斜視図、図7は各コーナーメス101〜104の装備状態を示す拡大斜視図、図8は上下動を行うコーナーメス101〜104の選択動作を示す説明図である。なお、図6では、各コーナーメス機構100A,100Bが四つのコーナーメス101〜104の内の二つを取り外した状態を図示している。
コーナーメス機構100A,100Bは、いずれも、ミシンテーブル11の下方であって大押さえ送り機構20による大押さえ21,21の通過経路上であってセンターメス51よりも布送り方向前側に配置されており、大押さえ送り機構20により搬送されてきた玉布B及び身生地Mを下方から一対のコーナーメスにより突き通すことで直線状の切れ目Sの両端となる位置に略V字状の切れ目を形成する。
各コーナーメス機構100A,100Bは布送り方向Fに沿って並んで配設され、コーナーメス機構100Aがコーナーメス機構100Bよりも後方に配置されている。つまり、一方のコーナーメス機構100Aは直線切れ目Sの後方端部側に一対の斜め切れ目を形成し、他方のコーナーメス機構100Bは直線切れ目Sの前方端部側に一対の斜め切れ目を形成するためのものである。そして、コーナーメス機構100Bのみがユニット移動モータ90(図10参照)により布送り方向Fに沿って移動位置決め可能にテーブル11に対して装備されている。以下、二つのコーナーメス機構を区別して説明する場合には、コーナーメス機構100Aを「固定側」といい、コーナーメス機構100Bを「移動側」と称する場合があるものとする。
なお、コーナーメス機構100Aとコーナーメス機構100Bとは、互いにY−Z平面を基準に鏡面対称となるほぼ同一の構造を採っているため、その詳細はコーナーメス機構100Bについてのみ行い、鏡面対称構造であるコーナーメス機構100Aの各構成については同符号を付して説明を省略することとする。
ここで、上方から見た各コーナーメス101〜104の調整例について図8(B)に基づいて説明する。右側の二つのコーナーメス101,102は、直線切れ目Sに対して右側に形成される斜め切れ目を形成するためのものであり、いすれも前方に向かって右寄りとなる方向に傾斜しているが、コーナーメス102の方が斜め切れ目の切断長が長くなるように傾けられている。また、各コーナーメス101,102により形成される斜め切れ目のY軸方向における幅h1とh2とは等しくなるように調整される。
左側の二つのコーナーメス103,104は、直線切れ目Sに対して左側に形成される斜め切れ目を形成するためのものであり、いすれも前方に向かって左寄りとなる方向に傾斜しているが、コーナーメス104の方が斜め切れ目の切断長が長くなるように傾けられている。また、各コーナーメス101,102の場合と同じように、各コーナーメス103,104により形成される斜め切れ目のY軸方向における幅h1とh2とは等しくなるように調整される。つまり、コーナーメス101,103は「短メス」、コーナーメス102,104は「長メス」に相当する。
ネジ軸122はY軸方向に沿った状態でユニット本体105の上面に回転可能に支持されており、その一端部がカップリングを介してインデックスモータ121の出力軸に連結されている。
移動体123は、インデックス106のY軸方向一端部から延出されたアーム部106bに保持されている。これにより、ネジ軸122がインデックスモータ121により回転駆動されると、移動体123がボールネジ機構の作用によってネジ軸122の長手方向(Y軸方向)に移動力を受けてインデックス106のY軸方向移動が行われる。
かかるインデックス移動機構120によるインデックス106のY軸方向移動は、後述する上下動機構130が上下動させる一対のコーナーメスを各コーナーメス101〜104の中から選択する際に使用されると共に、選択されたコーナーメスによる斜め切れ目の形成位置をY軸方向について位置調節する際にも使用される。
各シリンダブラケット133,134は、円柱の軸方向中間部のみを小径化して形成される鼓状の部材であって、その中心線をZ軸方向に向けた状態で各エアシリンダ131,132の出力軸に装備されている。そして、インデックス106がY軸方向に沿って移動する際に、各昇降ブラケット107a〜110aの先端部が各シリンダブラケット133,134の小径化された部位の間を通過するように、各エアシリンダ131,132及び各シリンダブラケット133,134がユニット本体105に配置されている。
また、ユニット本体105の下面には、インデックス106が(1)コーナーメス101の昇降ブラケット107aがシリンダブラケット133に係合する位置にあるとともにコーナーメス103の昇降ブラケット109aがシリンダブラケット134に係合する位置にある場合、場合、(2)102の昇降ブラケット108aがシリンダブラケット133に係合する位置にある場合、(3)コーナーメス104の昇降ブラケット110aがシリンダブラケット134に係合する位置にある場合の三つの位置にあることを検出する光学式のインデックスセンサ111(図10参照)を備えており、かかるセンサ検出によりインデックス106の位置決め制御を行っている。なお、これら(1)〜(3)の状態を各コーナーメス101〜104が作動位置にある状態というものとする。
図10は、玉縁縫いミシン10の動作制御手段80を含む制御系を示すブロック図である。
動作制御手段80には、所定の文字又は画像情報を表示すると共に各種の設定を行うための入力を行うための表示入力手段85と、縫製の開始を入力するスタートスイッチ87とが図示しない入出力回路を介して接続されている。また、動作制御手段80には、ミシン主軸モータ45の回転数を検出するエンコーダ88が入力回路88aを介して接続されており、所定の原点からの回転角度及び回転速度を検出することが可能となっている。
また、動作制御手段80には、その制御の対象となるミシン主軸モータ45,押さえモータ23,メスモータ57,ユニット移動モータ90,センターメスの作動状態と駆動状態とを切り替えるエアシリンダ65の電磁弁70がそれぞれドライバ45a,23a,57a,90a,70aを介して接続されている。
また、バインダー30の上下動を行うエアシリンダ及び大押さえ21,21の昇降を行うエアシリンダをそれぞれ駆動する電磁弁(図示略)がドライバを介して動作制御手段80に接続されている。また同様に、インデックスモータ121とコーナーメスの昇降を行う第1と第2のエアシリンダ131,132の電磁弁135,136と前述したインデックスセンサ111ととがドライバ121a,135a,136a,入力回路111aを介して接続されている。
また、動作制御手段80には、縫い糸の切断を行うメスを駆動するための図示しないメス駆動シリンダ駆動用の電位弁89と前述した針切り替えソレノイド43とがドライバー70a,43aを介して接続されている。
なお、コーナーメス機構は二基設けられているが、図10では、コーナーメス機構に関する構成はコーナーメス機構100Bの一基分のみの内部構成を図示し、もう一基分のコーナーメス機構100Aについては内部構成を省略して図示するものとする。
玉縁縫いの実行の際には、予め、布送り方向Fにおける左右の直線縫い目TL,TRの前端部位置PFL,PFRと後端部位置PRL,PRR(図2参照)と、二本の直線縫い目TL,TRの端部に対するセンターメス51による直線切れ目SのX軸方向における端部位置XSと、コーナー切れ目の形成を後述する第一の切断制御で行うか第二の切断制御で行うかの選択設定と、一針ごとの大押さえ21,21による布地B,Mの送り量設定とが表示入力手段85により設定入力され、EEPROM71に記憶される。
このように玉縁縫いミシン10では、縫製対象となる身生地Mや玉布Bが正しい所定位置にセットされたことを前提として布送りの動作制御を行うものである。つまり、身生地Mや玉布Bが所定位置にセットされていれば、大押さえ21,21の移動をどの程度行えば、予め設定された「布送り方向Fにおける左右の直線縫い目TL,TRの前端部位置PFL,PFRと後端部位置PRL,PRR」が各縫い針41,41の直下位置となるかが分かるため、これに従って、大押さえ21,21より送られている身生地Mや玉布Bに対して各直線縫い目TL,TRの縫い開始と縫い終了のタイミングを計る制御が行われる。
このため、CPU81は設定入力プログラム82aに従って、布送り方向Fにおける左右の直線縫い目TL,TRの前端部位置PFL,PFRと後端部位置PRL,PRRとが表示入力手段85から入力されると、その値をEEPROM71に記憶する処理を実行する。
前述のように、各コーナーメス101〜104のZ軸回りの角度調節と(図9(A)参照)、歯先の向けられた傾斜角度(図9(B)参照)とは手作業により調節されるから、動作制御手段80が直線縫い目TL,TRの端部位置に対する直線切れ目Sの布送り方向(X方向)端部位置を決定するためには、各コーナーメス101〜104のZ軸回りの角度調節と歯先の向けられた傾斜角度とを調整するとともに、設定入力プログラム82aによって直線切れ目Sの前側端部位置FE(前端部位置FEとも記載する)あるいは後端部位置RE(後端部位置REとも記載する)を特定する情報を入力する必要がある。
また、この布送り方向長さXSは、例えば、図12に示すような第二の切断制御で玉縁縫いを行う場合に、CPU81がセンター切れ目形成制御プログラム82dを実行することにより、二本の直線縫い目TL,TRの内でより延出されていない直線縫い目TLの端部から長さXS(短メスによる切断長の布送り方向長さ)分だけ直線縫い目TLの非延出側寄りの位置FEを直線切れ目Sの前側端部位置として特定する場合に用いられる。
なお、図11及び12は、直線切れ目Sの前側端部位置FEを特定する場合の説明図であるが、直線切れ目Sの後端部位置REについても同様に対応する短メスによる切断長の布送り方向長さを入力するだけで特定可能である。
玉縁縫いのコーナー切れ目形成制御は、上記ROM82に記憶された第一の切断制御プログラム82bと第二の切断制御プログラム82cとにより行われる。つまり、これらのプログラム82b,82cを実行することでCPU81は斜め切れ目形成制御手段として機能する
第一の切断制御プログラム82bは、大押さえ送り機構20の押さえモータ23とコーナーメス機構100A,100Bに対して、図2に示すコーナー切れ目の形成を行うために、直線切れ目Sを挟んだ左右両側の斜め切れ目VFL,VFR(又はVRL,VRR)について、互いの切断長を等しくしつつ各斜め切れ目VFL,VFR(VRL,VRR)の一端部を対応する直線縫い目TL,TRの端部に一致させる配置でコーナー切れ目を形成させる第一の切断制御をCPU81に行わせるプログラムである。
一方、第二の切断制御プログラム82cは、大押さえ送り機構20の押さえモータ23とコーナーメス機構100A,100Bに対して、図3に示すコーナー切れ目の形成を行うために、直線切れ目Sを挟んだ左右両側の斜め切れ目VFL,VFR(又はVRL,VRR)について、互いの切断長を異ならせると共に各斜め切れ目VFL,VFR(VRL,VRR)の両端部をそれぞれ対応する直線縫い目の端部TL,TRと直線切れ目Sの端部とに一致させる配置でコーナー切れ目を形成させる第二の切断制御をCPU81に行わせるプログラムである。
これら第一及び第二の切断制御プログラム82b,82cは、選択手段としての表示入力手段85によりオペレータがいずれを実行するか選択設定することで、CPU81が選択に従って実行する。以下、第一及び第二の切断制御についてそれぞれ詳細に説明することとする。
第一の切断制御では、コーナーメス機構100Bのコーナーメス101及び103が使用される。即ち、CPU81は、大押さえ送り機構20により布地M、Bの直線縫い目TRの前端部位置PFRがコーナーメス機構100Bに到達すると、まず、コーナーメス101を上昇させることで斜め切れ目VFRを形成し、次いで、大押さえ機構20により端部位置偏差CF分だけ送られると、コーナーメス103を上昇させることで斜め切れ目VFLを形成する。
なお、コーナーメス機構100Bはユニット移動モータ90により、予め、コーナーメス機構100Aに対して所定距離離れた配置とされ、各コーナーメス機構100A,100Bは同時に切断を実行する。
なお、コーナーメス機構100Bが、ユニット移動モータ90により、予め、コーナーメス機構100Aに対して所定距離離れた配置とされて、各コーナーメス機構100A,100Bが同時に切断を実行する点は第一の切断制御と同様である。
玉縁縫いのセンター切れ目形成制御は、ROM82に記憶されたセンター切れ目形成制御プログラム82dにより行われる。つまり、センター切れ目形成制御プログラム82dを実行することでCPU81はセンター切れ目形成制御手段として機能する。
即ち、CPU81はセンター切れ目形成制御プログラム82dを実行することにより、コーナー切れ目形成制御において第一の切断制御と第二の切断制御のいずれが選択されているかを判定し、第一の切断制御の選択時には延出されている直線縫い目の端部を基準に直線切れ目の端部位置を特定し、第二の切断制御の選択時には延出されていない直線縫い目の端部を基準に直線切れ目の端部位置を特定する制御を実行する。
仮に、第一の切断制御と第二の切断制御のいずれの場合でも、延出されている直線縫い目の端部PFRを基準に直線切れ目の端部位置を特定する場合には、第一の切断制御から第二の切断制御に選択を切り替えた場合(或いはその逆の場合)に、直線縫い目の端部から直線切れ目の端部位置までの距離を長さXSから長さXLへ(又はその逆)設定し直す必要が生じてしまう。
しかしながら、センター切れ目形成制御プログラム82dを実行することにより、CPU81は、第一の切断制御時には延出されている直線縫い目TRの端部PFRを基準とし、第二の切断制御時には延出されていない直線縫い目TLの端部PFLを基準とすることにより、いずれの場合でも、コーナーメス103による切断長の布送り方向長さXSに基づいて直線切れ目の端部位置を特定することが可能となる。従って、第一と第二の切断制御の切り替え時に、新たに直線縫い目TRの端部PFRと直線切れ目TLの端部PFLとの距離差を長さXSから長さXLへ(又はその逆)の設定し直しを行う作業負担を軽減することが可能となる。さらに、端部位置偏差CF(またはRF)の設定値に対応して、オペレータは、コーナーメス102(またはコーナーメス104)のZ軸回りの角度調節と歯先の向けられた傾斜角度(θ2)とを調整する必要があるが、その場合も変更された傾斜角度(θ2)に対応する長さXLの入力をしなくて済むことになり、さらに作業負担が軽減される。
玉縁縫いの動作制御について図13〜図17のフローチャートにより説明する。これらのフローチャートによる処理は、各種のプログラム82a〜82dの実行することによりCPU81が行う処理である。
図13は玉縁縫いの動作制御の全体的な流れを示すフローチャート、図14は玉縁縫いの動作制御におけるセット動作)の制御を示すフローチャート、図15は玉縁縫いの動作制御における縫製動作(縫い目及び直線切れ目形成動作)の制御を示すフローチャート、図16は玉縁縫いの縫製に要するデータ作成時の処理を示すフローチャート、図17は玉縁縫いの縫い終わり動作(コーナー切れ目形成)の制御を示すフローチャートである。
縫いが開始されると、まず、身生地Mと玉布Bのセット動作処理が行われ(ステップS20)、次いで、直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作制御が行われ(ステップS50)、最後に縫い終わり動作処理としてコーナー切れ目の形成動作制御が行われ(ステップS70)、一連の玉縁縫いが完了する。このステップS20〜70の処理は繰り返し実行され、それにより複数の身生地及び玉布Bの玉縁縫いが行われる。
まず、押さえモータ23が駆動して原点位置から大押さえ21を所定の縫い開始位置まで移動させる(ステップS21)。
ついで、テーブル11の上面におけるマーキングライトWが照射され、その照射位置が示す基準位置に合わせて身生地Mがセットされ、大押さえ21上に玉布Bがセットされると、大押さえ21が下降し、身生地Mが大押さえ21により保持される(ステップS22)。さらに、大押さえ21と21との間にバインダー30が降ろされる(ステップS23)。そして、この時点で、コーナーメス機構100Bは所定の原点位置に移動し待機する(ステップS24)。
さらに、各大押さえ21内には玉布Bの両側部をバインダー30の上面側に折り返すための折り返し板が装備されており、これがエアシリンダの駆動により内側に移動し、玉布Bがバインダー30に巻き付けられるように保持される(ステップS25)。
また、玉布Tの上面にフラップ布の縫いつけを行う場合には、フラップ布をセットし、その後、フラップ布を押さえるように布押さえ機構を動作させる(ステップS26)。
これにより、セット動作が完了する。なお、フラップ布の縫着は必須ではなく、実行しなくとも良い。
まず、縫製動作の制御では、縫製データの作成処理が実行される(ステップS51)。
即ち、図16に示すように、縫製に要するデータ作成時には、一針ごとの大押さえ21の移動量、直線縫い目TL,TRの前端部位置PFL,PFRと後端部位置PRL,PRRの位置、短メスであるコーナーメス101,103の切断長の布送り長さXSが設定あるいは入力されるとこれらがEEPROM71に記憶され(ステップS11)、次いで、コーナーメス機構100Aに対するコーナーメス機構100Bの移動量が設定されると、同様にEEPROM71に記憶される(ステップS12)。
さらに、コーナー切れ目の設定が第一の切断制御と第二の切断制御のいずれを実行するかの選択設定が入力されると、選択結果EEPROM71に記録すると共にそれがいずれの選択であるかの判定を行う(ステップS13)。
そして、第一の切断制御が選択されたときには、延出されている方の直線縫い目TRの前端部PFR又は直線縫い目TLの後端部PRLを基準に直線切れ目Sの前端部又は後端部位置が設定される(ステップS14)。
また、第二の切断制御が選択されたときには、延出されていない方の直線縫い目TLの前端部PFL又は直線縫い目TRの後端部PRRを基準に直線切れ目Sの前端部又は後端部位置が設定される(ステップS15)。
そして、直線切れ目Sの前端部位置と後端部位置とはEEPROM71に記録される。
また、ミシン主軸モータ45の駆動開始から針数のカウントが実行され、縫い完了までの針数に達しているか判定される(ステップS54)。針数が完了数に達していれば縫いは終了される。
また、達していないときには、一針ごとの大押さえ21,21の設定送り量に従って押さえモータ45を駆動する(ステップS55)。
次に、押さえモータ45の積算回転量から、縫い目端部の端部位置基準で定められたセンターメスの下降位置(直線切れ目Sの前端部)に達したか判定し(ステップS56)、達した場合にはセンターメス51の下降並びに上下動が開始されて直線切れ目Sの形成が開始される(ステップS57)。一方、ステップS56の判定において、センターメスの下降位置を過ぎて、直線切れ目Sの形成がすでに開始されている場合には、ステップS58に処理が進められる。
次いで、押さえモータ45の積算回転量から、縫い目端部の端部位置基準で定められたセンターメスの上昇位置(直線切れ目Sの後端部)に達したか判定し(ステップS58)、達した場合にはセンターメス51の上昇並びに上下動が停止されて直線切れ目Sの形成が終了する(ステップS59)。一方、ステップS56の判定において、センターメスの下降位置を過ぎて、直線切れ目Sの形成がすでに開始されている場合には、ステップS58に処理が進められる。その後、ステップS54に処理が戻され、各直線縫い目TL、TRの後端部位置に達したか判定が行われる。そして、達した場合には、直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作は終了される。
直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作の終了に伴い、予め設定された移動量に従って、コーナーメス機構100Bの所定位置への移動が実行される(ステップS71)。
次に、コーナー切れ目の形成を第一の切断制御で行うか第二の切断制御で行うかの選択設定がいずれかであるか判定される(ステップS72)。
そして、設定が第一の切断制御の場合には、ステップS73〜75の処理が実行される。即ち、各コーナーメス機構100A、100Bにおいて直線縫い目TR側に対して短メスであるコーナーメスの突き上げが実行され(ステップS73)、次に、押さえモータ23により端部位置偏差CF、CR分の移動が行われると(ステップS74)、直線縫い目TL側の短メスであるコーナーメスの突き上げが行われ、コーナー切れ目の形成が完了する(ステップS75)。
また、設定が第二の切断制御の場合には、ステップS76〜78の処理が実行される。
即ち、各コーナーメス機構100A、100Bにおいて直線切れ目Sの前後のそれぞれの端部において短メスであるコーナーメスの突き上げが実行され(ステップS76)、コーナーメスの切り替えのためにインデックスの移動が行われ(ステップS77)、直線切れ目Sの前後のそれぞれの端部において長メスであるコーナーメスの突き上げが行われ、コーナー切れ目の形成が完了する(ステップS78)。
実施形態たる玉縁縫いミシン10は、二本の直線縫い目TL、TRのいずれかの端部に端部位置偏差CF、CRが設けられた場合において、互いに切断長が等しい左右の斜め切れ目のそれぞれを、各直線縫い目の端部に一致させる配置で斜め切れ目を形成させる第一の切断制御と、端部位置偏差に対応して互いの切断長を異ならせた左右の斜め切れ目のそれぞれを、直線縫い目の端部と直線切れ目の端部とに一致させる配置で各斜め切れ目を形成させる第二の切断制御とを選択して実行することができる。
このため、玉縁縫いにおいて、端部位置偏差の変更を生じ得る場合であって作業の迅速化が求められる場合には第一の切断制御を選択し、高い縫い品質が要求される場合には第二の切断制御を選択することで、種々の要求や作業状況に応じて適切な玉縁縫いを行うことが可能となる。
なお、第二の切断制御において、切断長を異ならせる制御は、短メスと長メスの切り替え、同一のメスの移動動作により切断長を可変とするなどの手法を用いても良い。
また、各コーナーメス101〜104の切断長や傾斜角度は当該各コーナーメスをZ軸回りに回転調整するモータや水平軸回りに回動調節するモータを設けて、設定入力プログラム71aに従って求められる斜め切れ目の切断長や傾斜角度に従って、自動的に調節可能な構成としても良い。
また、上記実施の形態では、各コーナーメス101〜104の傾斜角度は、その都度調整して、短メス101(または103)の切断長の布送り長さを直接入力しているが、これら短メスを固定して取り付けておき、その傾斜角度(θ1)をEEPROM71に記憶させ、二本の縫い針の間隔NW(図11及び図12参照)を入力することにより、CPU81が短メスによる切断長の布送り方向長さXSをXS=NW/2tanθ1として算出してもとめた長さXSをEEPROM71に記憶させても良い。
41 縫い針
45 ミシン主軸モータ(ミシンモータ)
50 センターメス機構(動メス機構)
81 ROM
82b 第一の切断制御プログラム
82c 第二の切断制御プログラム
82d センター切れ目形成制御プログラム
100A,100B コーナーメス機構
B 玉布
CF,CR 端部位置偏差
M 身生地
TL,TR 直線縫い目
S 直線切れ目
VFL,VFR,VRL,VRR 斜め切れ目
Claims (3)
- 身生地及び玉布を保持して搬送する布送り機構と、
身生地及び玉布に布送り方向に沿って平行な二本の直線縫い目を形成する二本の縫い針を上下動する針上下動機構と、
前記二本の直線縫い目の間に布送り方向に沿って直線切れ目を形成する動メス機構と、
前記二本の直線縫い目の端部と前記直線切れ目の端部との間に斜め切れ目を形成可能なコーナーメス機構と、
前記各直線縫い目と直線切れ目の布送り方向の前後端部の少なくとも一方において、二本の直線縫い目の端部位置がそれぞれ布送り方向について異なる位置となるように端部位置偏差を設けて形成すると共に、前記斜め切れ目が、前記二本の直線縫い目の端部から前記直線切れ目に向かう方向に沿って形成された二本の斜め切れ目から形成されるように前記各機構を制御する斜め切れ目形成制御手段と、
を備えた玉縁縫いミシンにおいて、
前記コーナーメス機構は、前記直線切れ目の前後両端部のそれぞれに対応して設けられ、
前記斜め切れ目形成制御手段は、端部位置偏差が設けられた端部に対応するコーナーメス機構に対して、
直線切れ目を挟んだ左右両側の斜め切れ目について、一方の斜め切れ目を形成した後、身生地及び玉布を前記布送り機構により前記端部位置偏差分送り、その後他方の斜め切れ目を形成して、互いの切断長を等しくしつつ前記各斜め切れ目の一端部をそれぞれ対応する直線縫い目の端部に一致させる配置で前記斜め切れ目を形成させる第一の切断制御と、
直線切れ目を挟んだ左右両側の斜め切れ目について、互いの切断長を異ならせると共に各斜め切れ目の両端部をそれぞれ対応する直線縫い目の端部と直線切れ目の端部とに一致させる配置で前記各斜め切れ目を形成させる第二の切断制御とを、
選択的に実行することを特徴とする玉縁縫いミシン。 - 前記コーナーメス機構が、
切断長の異なる複数のコーナーメスを保持するインデックスと、
前記インデックスを移動させて、コーナーメスを選択するインデックスモータと、
選択されたコーナーメスを上下動するエアシリンダとを備える請求項1記載の玉縁縫いミシン。 - 前記コーナーメス機構は、切断長が長い斜め切れ目を形成する長メスと短い斜め切れ目を形成する短メスとを備え、前記第一の切断制御における左右両側の斜め切れ目はいずれも短メスで形成すると共に、前記第二の切断制御における左右両側の斜め切れ目は短メスと長メスとの組み合わせで形成し、
前記短メスによる切断長の布送り方向長さを記憶する記憶手段と、
前記斜め切れ目形成制御手段が前記第一の切断制御を選択したときには、前記二本の内でより延出されている一方の直線縫い目の端部から前記短メスによる切断長の布送り方向長さ分だけ非延出側寄りの位置を前記直線切れ目の端部位置とし、前記斜め切れ目形成制御手段が前記第二の切断制御を選択したときには、前記二本の内で延出されていない他方の直線縫い目の端部から前記短メスによる切断長の布送り方向長さ分だけ非延出側寄りの位置を前記直線切れ目の端部位置として当該直線切れ目を形成するように、前記布送り機構及び動メス機構を制御するセンター切れ目形成制御手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の玉縁縫いミシン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007276374A JP5174423B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 玉縁縫いミシン |
DE102008053780.2A DE102008053780B4 (de) | 2007-10-24 | 2008-10-23 | Einfassmaschine |
CN200810173225.1A CN101418497B (zh) | 2007-10-24 | 2008-10-24 | 嵌条缝制缝纫机 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007276374A JP5174423B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 玉縁縫いミシン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009100987A JP2009100987A (ja) | 2009-05-14 |
JP5174423B2 true JP5174423B2 (ja) | 2013-04-03 |
Family
ID=40490527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007276374A Active JP5174423B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 玉縁縫いミシン |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5174423B2 (ja) |
CN (1) | CN101418497B (ja) |
DE (1) | DE102008053780B4 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5174423B2 (ja) * | 2007-10-24 | 2013-04-03 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
JP2010035736A (ja) * | 2008-08-04 | 2010-02-18 | Juki Corp | 玉縁縫いミシンのコーナーメス機構 |
CN112663232B (zh) * | 2020-12-17 | 2022-06-03 | 徐州力达缝纫设备制造有限公司 | 一种自动上料缝纫设备及其工作方法 |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62186891A (ja) | 1986-02-13 | 1987-08-15 | 佐藤精器株式会社 | 自動玉縁縫製機におけるコ−ナ−メスの作動機構 |
JP2871208B2 (ja) * | 1991-07-25 | 1999-03-17 | ブラザー工業株式会社 | 玉縁縫いミシン |
JPH08224386A (ja) * | 1995-02-23 | 1996-09-03 | Juki Corp | ミシンの玉縁穴形成装置 |
DE19845624C1 (de) | 1998-10-05 | 2000-05-11 | Duerkopp Adler Ag | Nähanlage zur Herstellung einer paspelierten Taschenöffnung |
DE19845623C1 (de) | 1998-10-05 | 2000-02-17 | Duerkopp Adler Ag | Nähanlage zur Herstellung einer paspelierten Taschenöffnung |
DE19908894C1 (de) | 1999-03-02 | 2000-08-03 | Beisler Gmbh | Nähanlage zur Herstellung einer paspelierten Taschenöffnung |
JP4799946B2 (ja) * | 2005-07-29 | 2011-10-26 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
JP4823643B2 (ja) * | 2005-10-24 | 2011-11-24 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
JP4943035B2 (ja) * | 2006-03-27 | 2012-05-30 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
DE102008010355B4 (de) | 2007-02-16 | 2018-10-11 | Juki Corp. | Einfassmaschine |
JP4903598B2 (ja) | 2007-02-16 | 2012-03-28 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
DE102008010353B4 (de) | 2007-02-16 | 2022-05-25 | Juki Corp. | Einfassmaschine |
JP5241164B2 (ja) | 2007-07-31 | 2013-07-17 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
JP5174423B2 (ja) * | 2007-10-24 | 2013-04-03 | Juki株式会社 | 玉縁縫いミシン |
-
2007
- 2007-10-24 JP JP2007276374A patent/JP5174423B2/ja active Active
-
2008
- 2008-10-23 DE DE102008053780.2A patent/DE102008053780B4/de active Active
- 2008-10-24 CN CN200810173225.1A patent/CN101418497B/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE102008053780B4 (de) | 2022-11-17 |
CN101418497B (zh) | 2013-06-05 |
JP2009100987A (ja) | 2009-05-14 |
CN101418497A (zh) | 2009-04-29 |
DE102008053780A1 (de) | 2009-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5616587B2 (ja) | ベルトループ付けミシン | |
JP5759158B2 (ja) | ベルトループ付けミシン及びベルトループの折り返し方法 | |
JP4903598B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP4975358B2 (ja) | ミシン及び玉縁縫いミシン | |
JP4975360B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5174423B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP2008295742A (ja) | ボタン穴かがりミシン | |
JP2009160071A (ja) | 玉縁縫いミシンの玉布押さえ機構 | |
JP2000300874A (ja) | ボタン孔ミシン | |
JP2007296073A (ja) | ミシン | |
JP5149557B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5013780B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5084296B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5808969B2 (ja) | ベルトループ付けミシン | |
JP5059435B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5241244B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP5059688B2 (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP2010035988A (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP2006263185A (ja) | 玉縁縫いミシン | |
EP2154282B1 (en) | Corner knife mechanism of welting machine | |
JP4739869B2 (ja) | ミシン | |
JP2007089987A (ja) | 玉縁縫いミシン | |
JP4739594B2 (ja) | 鳩目穴かがりミシン、及び鳩目穴かがり縫目形成方法 | |
JP2017051233A (ja) | 穴かがりミシン | |
JP5468235B2 (ja) | 自動玉縁縫いミシン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120720 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121211 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5174423 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |