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JP5162212B2 - 新規乳酸菌、乳酸菌組成物及び植物エキス、並びに、植物エキス及び低分子ポリフェノールの製造方法 - Google Patents

新規乳酸菌、乳酸菌組成物及び植物エキス、並びに、植物エキス及び低分子ポリフェノールの製造方法

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JP5162212B2
JP5162212B2 JP2007299592A JP2007299592A JP5162212B2 JP 5162212 B2 JP5162212 B2 JP 5162212B2 JP 2007299592 A JP2007299592 A JP 2007299592A JP 2007299592 A JP2007299592 A JP 2007299592A JP 5162212 B2 JP5162212 B2 JP 5162212B2
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Description

本発明は、強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、腸で好適に定着でき、安全に摂取できる新規の乳酸菌、この乳酸菌を含む乳酸菌組成物及び植物エキス、並びに、この乳酸菌を用いる植物エキス及び低分子ポリフェノールの製造方法に関する。
タンニンとは、植物起源のポリフェノールであって、タンパク質、塩基性物質、金属などと反応することで、水に対して難溶性の沈殿を生じる化合物群である。その作用としては、収斂作用、皮なめし作用をはじめとして、抗腫瘍作用、抗酸化作用など、様々な生理作用が知られている。タンニンは、その構造から、没食子酸やエラグ酸と糖とがエステル結合した加水分解型タンニン、及び、フラボノイド化合物などが重合した縮合型タンニンに大別される。
カテキン類は縮合型タンニンの一種であり、その作用としては、抗腫瘍作用、抗酸化作用、抗老化作用、血圧降下作用など、様々な生理作用が知られている。カテキン類は、その構造から、ガロイル基を有するガレート型カテキンと、ガロイル基を有さない非ガレート型カテキンとに大別される。前記ガレート型カテキンとしては、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)などが挙げられる。非ガレート型カテキンとしては、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)などが挙げられる。カテキン類は、緑茶に豊富に含まれることが知られている。
2005年の野菜茶葉研究所・機能解析部・茶品質化学研究室の報告によると、ガレート型カテキンは、ペクチンやタンパク質との反応性が高いことが示されている。また、茶を摂取した後のカテキン類のAUC(血中濃度−時間曲線下面積)が測定された結果、EGCに比べて、EGCgの方がAUCが低いことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。これらのことから、ガレート型カテキンは、ペクチンやタンパク質と複合体を形成することで、腸管からの吸収効率が低下していることが示唆される。
タンナーゼ(タンニンアシルヒドロラーゼ、EC3.1.1.20)は、加水分解型タンニンのエステル結合を加水分解する反応を触媒する酵素である。また、タンナーゼは、ガレート型カテキンのエステル結合を加水分解する反応も触媒する。タンナーゼは、糸状菌であるアスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガーなどが有することが報告されている。
従来、乳酸菌は、タンナーゼ活性を有しないと考えられていたが、一部の乳酸菌がタンナーゼ活性を有することが報告された(例えば、特許文献1参照)。したがって、前記タンナーゼ活性を有する乳酸菌は、ガレート型カテキン及び加水分解型タンニンの吸収効率の向上を目的として、食品の製造時又は腸内においてガレート型カテキン及び加水分解性タンニンの加水分解に利用されることが期待されている。
しかしながら、特許文献1に記載される乳酸菌は、タンナーゼ活性を有する一方で、没食子酸脱炭酸酵素活性も有している。没食子酸脱炭酸酵素は、没食子酸を脱炭酸し、ピロガロールを生成する酵素である。加水分解性タンニン又はガレート型カテキンをタンナーゼ処理した後に遊離される、没食子酸、エラグ酸などの低分子ポリフェノールは、抗酸化作用を有することが知られている。また、没食子酸とピロガロールとを比較すると、ピロガロールの方がDNA損傷能が高く、大腸癌の原因となりやすいことが、報告されている(例えば、特許文献2参照)。したがって、没食子酸、エラグ酸などの低分子ポリフェノールを生成でき、生成した没食子酸をピロガロールに変換しない乳酸菌が求められている。
近年、乳酸菌であるラクトバシルス・プランタラムにおいて、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さない株が報告された(例えば、非特許文献2、3参照)。前記非特許文献2、3によれば、上記の問題点を改善可能な乳酸菌株を提供することができる。
しかしながら、非特許文献2、3に記載の、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないラクトバシルス・プランタラム株は、必ずしもタンナーゼ活性が強いものではない。
一方、イヌリンは、主にフルクトースが重合した構造であって、胃や十二指腸では消化されずに腸まで到達し、腸内細菌の増殖に好適に利用されることから、効果的なプレバイオティクスとして注目されている。イヌリンは、チコリー、ニンニク、ゴボウなどに豊富に含有されており、近年では、健康食品などに添加されて利用されることも多い。したがって、イヌリン資化性を有している細菌は、腸内においてイヌリンを資化できるので、増殖・定着しやすくなる。このような性状は、例えば乳酸菌などの、腸内で有益とされる細菌に対して、強く求められている。
しかしながら、通常、ラクトバシルス・プランタラムは、イヌリン資化性が低いことが知られている(例えば、非特許文献2、4参照)。前記非特許文献2、3に記載の、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないラクトバシルス・プランタラム株も、そのいずれもが、イヌリン資化性を有していない。
したがって、強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、腸で好適に定着でき、安全に摂取できる新規の乳酸菌株は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
特表2006−521817号公報 特許第3822813号 Henning SM,Niu Y,Lee NH,Thames GD,Minutti RR,Wang H,Go VL,Heber D.Bioavailability and antioxidant activity of tea flavanols after consumption of green tea,black tea,or a green tea extract supplement.Am J Clin Nutr.2004;80:1558−64. Osawa,R.,K.Kuroiso,S.Goto,and A.Shimizu(2000).Isolation of tannin−degrading lactobacilli in humans and fermenter foods.Applied and Environmental Microbiology.66(7):3093−3097. Nishitani,Y.,Sasaki,E.,Fujisawa,T.,Osawa,R(2004).Genotypic Analysesof Lactobacilli with a Range of Tannase Activities Isolated from Human Feces and Fermented Foods.System.Appl.Microbiol.27:109−117. Kandler,O.And Weiss,N.,1986.Genus Lactobacillus.In:Sneath,P.H.A.,Mair,N.S.Sharpe,M.E.and Holt,J.G.,Editors,1986.Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology vol.2,Williams & Wilkins,Baltimore,pp.1209−1234.
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、腸で好適に定着でき、安全に摂取できる新規の乳酸菌、この乳酸菌を含む乳酸菌組成物及び植物エキス、並びに、この乳酸菌を用いる植物エキス及び低分子ポリフェノールの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、漬物から単離された新規乳酸菌の性状を分析したところ、前記乳酸菌は強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、更にイヌリン資化性を有しており、そのため、前記乳酸菌は加水分解性タンニン及びガレート型カテキンを効果的に加水分解することができて、更に腸での定着に優れるので、植物エキスや医薬品などに添加する乳酸菌として、又は、植物エキスや低分子ポリフェノールの製造に用いる乳酸菌として、好適に利用できるという知見である。
前記したように、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌については既に報告されている。しかしながら、従来の乳酸菌に比べて強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、更にイヌリン資化性まで有する乳酸菌が存在することは従来全く知られておらず、本発明者らの新たな知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> タンナーゼ活性を有し、かつ、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さない乳酸菌であって、イヌリン資化性を有することを特徴とする乳酸菌。
<2> ラクトバシルス・プランタラムである<1>に記載の乳酸菌。
<3> ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM −21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM −21411)、ラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM −21410)のうちいずれかである<2>に記載の乳酸菌。
<4> <1>から<3>のいずれかに記載の乳酸菌を含む乳酸菌組成物。
<5> <1>から<3>のいずれかに記載の乳酸菌と、植物からの抽出物とを含む植物エキス。
<6> <1>から<3>のいずれかに記載の乳酸菌を用いて、植物からの抽出物に含有されるガレート型カテキンを加水分解する工程を含む植物エキスの製造方法。
<7> 請求項1から3のいずれかに記載の乳酸菌を用いて、植物からの抽出物に含有される加水分解型タンニンを加水分解する工程を含む植物エキスの製造方法。
<8> <1>から<3>のいずれかに記載の乳酸菌を用いて、加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つを加水分解する工程を含む低分子ポリフェノールの製造方法。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、腸で好適に定着でき、安全に摂取できる新規の乳酸菌、この乳酸菌を含む乳酸菌組成物及び植物エキス、並びに、この乳酸菌を用いる植物エキス及び低分子ポリフェノールの製造方法を提供することができる。
(乳酸菌)
本発明の乳酸菌は、タンナーゼ活性を有し、かつ、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さない乳酸菌であって、イヌリン資化性を有することを特徴とし、更に必要に応じてその他の性状を有する。
−タンナーゼ活性−
前記タンナーゼ活性とは、加水分解型タンニンのエステル結合を加水分解する反応を触媒する活性である。加水分解型タンニンにおいてエステル結合が加水分解されると、通常、没食子酸、エラグ酸などの低分子ポリフェノールが遊離する。
また、前記タンナーゼ活性は、ガレート型カテキンのエステル結合を加水分解する反応も触媒する活性である。ガレート型カテキンにおいてエステル結合が加水分解されると、通常、ガレート型カテキンが非ガレート型カテキンに変換されるとともに、没食子酸が遊離する。
前記乳酸菌がタンナーゼ活性を有しているか否かを調べる方法としては、特に制限はないが、没食子酸メチルを基質として反応させ、反応産物である没食子酸を検出する方法が一般的である。前記没食子酸を検出する方法としては、特に制限はなく、例えば、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)や質量分析計を用いて検出したり、遊離した没食子酸に由来する緑色乃至茶色への呈色を、分光光度計を用いて又は目視により検出したりすることができる。
前記没食子酸に由来する緑色乃至茶色への呈色を利用した、タンナーゼ活性の定量方法としては、例えば、Nishitaniらの論文(Nishitani,Y.,Osawa,R.(2003) A novel colorimetric method to quantify tannase activity of viable bacteria. Journal of Microbiological Methods 54(2):281−284.)に詳細に記載されている。
前記乳酸菌が有するタンナーゼ活性の強さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記Nishitaniらの論文に記載のタンナーゼ活性の定量方法により測定した場合には、2.0mU/mL以上が好ましく、6.0mU/mL以上が特に好ましい。前記タンナーゼ活性の強さが2.0mU/mL以上であると、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有する公知の乳酸菌と比べて、タンナーゼ活性が強い点で好ましい。前記タンナーゼ活性の強さが6.0mU/mL以上であると、タンナーゼ活性を有する公知の乳酸菌と比べて、タンナーゼ活性が強い点で好ましい。
−没食子酸脱炭酸酵素活性−
前記没食子酸脱炭酸酵素活性とは、没食子酸を脱炭酸し、ピロガロールを生成する活性を意味する。
前記乳酸菌が没食子酸脱炭酸酵素活性を有しているか否かを調べる方法としては、特に制限はないが、没食子酸を基質として反応させ、反応産物であるピロガロールを検出する方法が一般的である。前記ピロガロールを検出する方法としては、特に制限はなく、例えば、HPLCや質量分析計を用いて生成したピロガロールを検出したり、生成したピロガロールに由来する橙色への呈色を、分光光度計を用いて又は目視により検出したりすることができる。
−イヌリン資化性−
前記イヌリン資化性とは、イヌリンを炭素源として増殖できることを意味する。
前記乳酸菌がイヌリン資化性を有しているか否かを調べる方法としては、特に制限はないが、イヌリンのみを炭素源として添加した寒天培地に前記乳酸菌を播種し、その生育を観察する方法が挙げられる。また、前記イヌリン資化性の有無は、例えば、市販されている細菌同定キットを利用して簡便に調べることができる。
−乳酸菌−
前記乳酸菌としては、特に制限はなく、発酵により乳酸を産生することができる細菌の中から、タンナーゼ活性を有し、かつ、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、イヌリン資化性を有する細菌を、目的に応じて適宜選択することができる。前記乳酸菌としては、例えば、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、リューコノストック属(Leuconostoc)、エンテロコッカス属(Enterococcus)に属する細菌などが挙げられる。
前記乳酸菌の種としては、例えば、ラクトバシルス属として、ラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス サリバリウス(Lactobacillus salivalius)、ラクトバシルス アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバシルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチル キタサトニス(Lactobacillus kitasatonisi)、ラクトバチル ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチル ジョンソニ(Lactobacillus jhonsonii)、ラクトバシルス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシルス ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバシルス コリニホルミス(Lactobacillus coryniformis)、ラクトバシルス カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバシルス デルブリュキィ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバシルス ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバシルス ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus);ペディオコッカス属として、ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosusu)、ペディオコッカス ハロフィラス(Pediococcus halophilus)、ペディオコッカス パルバラス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus);ビフィドバクテリウム属として、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダス((Bifidobacterium bifidus);ラクトコッカス属として、ラクトコッカス クレモリス(Lactococcus cremoris)、ラクトコッカス ラクティス(Lactococcus lactis);リューコノストック属として、リューコノストック エノス(Leuconostoc oenos)、リューコノストック ラクティス(Leuconostoc lactis)、リューコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides);エンテロコッカス属として、エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)などが挙げられる。中でも、効率よく増殖し、得られた発酵物の活性が強い点で、ラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)が特に好ましい。
前記ラクトバシルス・プランタラムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM −21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM −21411)、ラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM −21410)のうちいずれかが特に好ましい。
−22A−1株、22A−3株及び22B−2株−
前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM −21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM −21411)、ラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM −21410)の3株は、本発明者らにより漬物から単離・同定された株であり、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている。
前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−1は、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、イヌリン資化性を有する。前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−1のタンナーゼ活性は、前記Nishitaniらの論文に記載のタンナーゼ定量方法により測定した結果、6.64mU/mLであった。
前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−3は、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、イヌリン資化性を有する。前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−3のタンナーゼ活性は、前記Nishitaniらの論文に記載のタンナーゼ定量方法により測定した結果、7.18mU/mLであった。
前記ラクトバシルス・プランタラム 22B−2は、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、イヌリン資化性を有する。前記ラクトバシルス・プランタラム 22B−2のタンナーゼ活性は、前記Nishitaniらの論文に記載のタンナーゼ定量方法により測定した結果、6.95mU/mLであった。
前記ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM −21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM −21411)、ラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM −21410)の3株の菌学的性質を、下記表1及び表2に示す。なお、表2においては、前記3株の比較対象として、公知のラクトバシルス・プランタラム ATCC 14917の糖の分解性も併せて示す。
Figure 0005162212
(+:陽性、−:陰性)
Figure 0005162212

(+:陽性、−:陰性)
(植物エキス)
本発明の植物エキスは、前記乳酸菌と、植物からの抽出物とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−乳酸菌−
前記植物エキスにおける前記乳酸菌としては、特に制限はなく、前記した本発明の乳酸菌の項目で記載した乳酸菌の中から適宜選択することができる。前記乳酸菌は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記乳酸菌組成物における前記乳酸菌の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−植物からの抽出物−
前記植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガレート型カテキン、加水分解型タンニンを含有することが好ましく、ガレート型カテキンを含有することが特に好ましい。
前記ガレート型カテキンとしては、特に制限はなく、例えば、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)などが挙げられる。
前記植物としては、例えば、アザミ、アマチャ、アヘン、アロエベア、イチョウ、ウイキョウ、ウコン、ウスベニアオイ、ウラジロガシ、エイジツ、エゾウコギ、延命草、黄精、オウギ、オウゴン、オウバク、大麦、オトギリ草、柿、カミツレ、甘草、キダチアロエ、ギムネマ、キャベツ、玉竹、キラヤ、金銀花、菊花、クコ、紅参、苦参、熊笹、クワ、月桂樹葉、決明子、ゲンチアナ、小麦、米、ゴボウ、ゴマ、サルビア、サンザ、紫蘇、サンシシ、サンシュ、山椒、山薬、椎茸、紫恨、芍薬、車前草、十薬、生姜、白樺、スギナ、ステビア、センキュウ、センナ、センブリ、ソバ、大根、タイソウ、大豆、タマリンド、タラ、チンピ、甜茶、テンニンカ、当帰、トチュウ、冬虫夏草、トウモロコシ、刺梨、人参、忍冬、パセリ、浜防風、ハマメリス、姫松茸、ビルベリー、ビワ、ブクリョウ、ブドウ、ブルーベリー、ヘチマ、ヘマティン、菩提樹、牡丹皮、ホップ、松葉、桃、メリッサ、ユッカ、ヨクイニン、ヨモギ、ライ麦、ラカンカ、緑茶、リンゴ、ルイボス、ルスカス、霊芝、連銭草、ローズヒップ、ローズマリー、ワレモコウ等が挙げられる。中でも、ガレート型カテキンを豊富に含んでいる点で、緑茶が好ましい。
前記植物からの抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法により容易に得ることができる。なお、前記植物からの抽出物には、植物の抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
前記植物の抽出原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物の葉部、茎部、花(蕾)部、種子、(これらを地上部という)、根部などを用いることができる。
前記抽出原料である植物は、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記植物は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記抽出に用いる溶媒としては、水、親水性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を室温乃至溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1質量部〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部添加することが好ましい。
本発明において、抽出原料である植物から抽出物を抽出するにあたって、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽内に、抽出原料としての植物を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分間〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50℃〜95℃にて1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40℃〜80℃にて30分間〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであれば、前記乳酸菌を添加した後に、そのまま本発明の植物エキスとして用いることができる。
得られる植物の抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るため、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
前記植物エキスは、前記植物からの抽出物を含有するので、前記植物からの抽出物が有する様々な生理作用を発揮することができる。
前記植物からの抽出物がタンニン及びカテキン類のうち少なくとも1つを含有する場合には、前記植物エキスは、タンニン及びカテキン類のうち少なくとも1つが有する生理作用を発揮することができる。前記タンニン及びカテキン類のうち少なくとも1つが有する生理作用としては、特に制限はなく、例えば、抗腫瘍作用、抗酸化作用、抗老化作用、血圧降下作用などが挙げられる。
更に、前記植物エキスは、強いタンナーゼ活性を有する前記乳酸菌を含むので、加水分解型タンニンが加水分解されてなる腸管吸収に優れたタンニン、及び、ガレート型カテキンが加水分解されてなる腸管吸収に優れたカテキン類のうち、少なくとも1つを豊富に含有する。したがって、前記植物エキスは、タンニン及びカテキン類が有する生理作用を、生体内において一層効果的に発揮することができる。
また、前記植物エキスは、強いタンナーゼ活性を有する前記乳酸菌を含むので、加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つが加水分解されたときに生じる、没食子酸、エラグ酸などの低分子ポリフェノールを、豊富に含有する。したがって、前記植物エキスは、前記低分子ポリフェノールが有する生理作用を発揮することができる。前記低分子ポリフェノールが有する生理作用としては、特に制限はなく、例えば、抗酸化作用などが挙げられる。なお、前記植物エキスに含まれる前記乳酸菌が、没食子酸脱炭酸酵素活性を有しておらず、没食子酸をピロガロールに変換しないことも、前記植物エキスに低分子ポリフェノールが豊富に含まれる理由の一つとして挙げられる。
また、前記植物エキスに含有される乳酸菌は、イヌリン資化性を有しているので、植物エキスが経口摂取された後に、乳酸菌が腸内で増殖・定着して、腸内細菌叢を改善することができる。
前記植物エキスの使用方法としては、特に制限はなく、食品、医薬、化合物の製造など分野を問わず幅広く利用することができ、例えば、そのまま経口摂取したり、既成の食品に添加する添加剤として利用したり、没食子酸やエラグ酸などの低分子ポリフェノールの精製原料として利用したりすることができる。
前記食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康食品や栄養補助食品;などが挙げられる。
(乳酸菌組成物)
本発明の乳酸菌組成物は、前記乳酸菌を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記乳酸菌組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される機能性食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
−乳酸菌−
前記乳酸菌組成物における前記乳酸菌としては、特に制限はなく、前記した本発明の乳酸菌の項目で記載した乳酸菌の中から適宜選択することができる。前記乳酸菌は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記乳酸菌組成物における前記乳酸菌の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記乳酸菌組成物は、前記乳酸菌そのものであってもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記乳酸菌組成物の利用形態に応じて適宜選択することができるが、例えば、薬理学的に許容される担体が挙げられる。
前記担体としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、前記有効成分を各種の剤型として用いる場合において、その剤型に応じて適宜選択することができる。前記剤型としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤など)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤など)、などが挙げられる。
前記経口固形剤としては、例えば、前記乳酸菌に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤などの添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸などが挙げられる。
前記添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ、前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられ、前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、前記着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられ、前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
また、前記乳酸菌の腸への定着補助を目的として、前記乳酸菌組成物にイヌリンを添加してもよい。
前記経口液剤としては、例えば、前記乳酸菌に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤などの添加剤を加え、常法により製造することができる。ここで、前記添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられ、緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ、安定剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチンなどが挙げられる。
前記乳酸菌組成物は、日常的に経口摂取することが可能であり、含有される前記乳酸菌の働きによって、強いタンナーゼ活性を効果的に発揮させることができるので、腸内において加水分解性タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つを加水分解して、タンニン及びカテキン類のうち少なくとも1つの腸管からの吸収を促進することができる。
更に、前記乳酸菌組成物に含有される前記乳酸菌は、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないので、タンナーゼ活性により生成した没食子酸がピロガロールに変換されることがない。そのため、腸内で生成される没食子酸により優れた抗酸化作用が発揮される。更には、ピロガロールによる大腸癌などのリスクを低減することが期待される。
また、前記乳酸菌組成物は、日常的に経口摂取することが可能であり、含有される前記乳酸菌がイヌリン資化性を有しているので、経口摂取された後に腸内で増殖・定着しやすく、上記のタンナーゼ活性による作用を、腸内でより効果的に発揮させることができる。
なお、本発明の植物エキス及び乳酸菌組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
(植物エキスの製造方法)
本発明の植物エキスは、前記乳酸菌を用いて植物からの抽出物に含有される加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つを加水分解する工程を含み、更に必要に応じて、乳酸菌除去工程、植物からの抽出物の製造工程などの、その他の工程を含有してなる。
前記乳酸菌及び前記植物からの抽出物としては、特に制限はなく、前記した本発明の乳酸菌の項目で記載した乳酸菌及び植物からの抽出物の中から適宜選択することができる。
前記加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つを加水分解する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記乳酸菌と前記植物からの抽出物とを同一の溶液中に添加することによって行うことができる。前記加水分解の条件としても、特に制限はないが、前記乳酸菌の生育条件、前記乳酸菌が有する酵素活性の至適条件などを考慮して、適宜選択することができる。
なお、前記加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つを加水分解する工程において使用した前記乳酸菌は、前記植物エキスに含有されたままでもよく、除去されていてもよいが、前記乳酸菌自体が安全に摂取できて腸内で有益な点、及び、植物エキス製造時に特に乳酸菌除去工程を必要としない点で、前記植物エキスに含有されたままであることが好ましい。
前記植物エキスの製造方法によれば、製造に用いる前記乳酸菌が強いタンナーゼ活性を有しているので、前記植物からの抽出物に含有される加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つが加水分解されて、腸管から吸収されやすい植物エキスを製造することができる。更に、前記製造方法に用いる前記乳酸菌は、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないので、タンナーゼ活性により生成した没食子酸がピロガロールに変換されることがない。そのため、優れた抗酸化作用を有する低分子ポリフェノールを豊富に含む植物エキスを製造することができる。
(低分子ポリフェノールの製造方法)
本発明の没食子酸の製造方法は、乳酸菌を用いて加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つを加水分解する工程を含み、更に必要に応じて、低分子ポリフェノール精製工程などのその他の工程を含有してなる。
前記乳酸菌としては、特に制限はなく、前記した本発明の乳酸菌の項目で記載した乳酸菌の中から適宜選択することができる。
前記加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つを加水分解する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記乳酸菌と、前記加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つとを同一の溶液中に添加することによって行うことができる。前記加水分解の条件としても、特に制限はないが、前記乳酸菌の生育条件、前記乳酸菌が有する酵素活性の至適条件などを考慮して、適宜選択することができる。
前記低分子ポリフェノールとしては、前記加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つを基質としてタンナーゼ処理することにより製造可能な、低分子ポリフェノールである限り、特に制限はなく、例えば、没食子酸、エラグ酸などが挙げられる。
前記低分子ポリフェノールの製造方法によれば、製造に用いる前記乳酸菌が強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないので、低分子ポリフェノールを効率的に製造することができる。また、前記乳酸菌は、漬物から単離された菌であり安全性が高いので、低分子ポリフェノールの製造に用いた反応液をそのまま又は簡易な処理を施した後に、排水として流すことができる点でも有利である。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−菌株の同定−
漬物から単離された22A−1株,22A−3株及び22B−2株から、公知の手法により染色体DNAを抽出し、Dongらの論文(Dong,X.,Xin,Y.,Jian,W.,Liu,X.,Ling,D.(2000).Bifidobacterium thermacidophilum sp.nov.,isolated from an anaerobic digester. International Journal of Systematic and Evolutional Microbiology 50,199−125)に記載されている細菌全菌種に共通反応するプライマー 27f(5‘−AGAGTTTGATCC/ATGGCTCAG−3’)及び1541R(5‘−AAGGAGGTGATCCAGCC−3’)を用いてPCRを行い、16S rDNAをほぼ網羅する領域を増幅した。
得られた約1.6kbのPCR産物をpGEM−T EASY Vector(Promega)に挿入し、ヒートショック法にてコンピテント細胞DH5αに導入し、Xgal−Ampicilin添加LB平板培地にてカラースクリーニングを行った。選択した白色コロニーよりプラスミドを抽出し、pGEM−T EASY Vectorの配列を基に設計したプライマーSP6(5‘TATTTAGGTGACACTATAG−3’)、T7(5‘−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)を用いて前記PCR産物(16S rDNA)のシークエンスを決定した(22A−1株:配列番号1、22A−3株:配列番号2、22B−2株:配列番号3)。
DNAデータベース(DDBJ)にアクセスして、FASTAプログラムを用いて、16S rDNAの塩基配列の相同性検索を行った結果、22A−1株,22A−3株及び22B−2株の16S rDNA塩基配列は、いずれも、従来公知のラクトバシルス・プランタラム WCFS1株の16S rDNA塩基配列(配列番号4)と高い相同性を有していた。結果を表3に示す。
Figure 0005162212
また、22A−1株,22A−3株及び22B−2株が、16S rDNA塩基配列においてラクトバシルス・プランタラムと非常に近似しているラクトバシルス・パラプランタラム(Lactobacillus plantarum)及びラクトバシルス・ペントサス(Lactobacillus pentosus)ではないことを確認するため、ラクトバシルス・プランタラムの16S/23S rDNA スペーサー領域の種特異的配列に注目したBerthierらの論文(Berthier,F.,Ehrhich,S.D.(1998).Rapid species identification within two groups of closely related lactobacilli using PCR primers that target the16S/23S rRNA spacer region.FEMS Microbiologilcal Letters 161,97−106)に記載されているPCR法を用いて種の同定を行った結果、22A−1株,22A−3株及び22B−2株は全て、ラクトバシルス・プランタラムであることが確認された。
(実施例2)
−定性的タンナーゼ試験−
22A−1株,22A−3株及び22B−2株について、下記の試験法により、定性的タンナーゼ試験を行った。この試験法は、Osawaらの論文(Osawa,R.,and T.P.Walsh(1993).A visual reading method for detection of bacterial tannase.Applied and Environmental Microbiology,59:1251−1252.)に記載の方法に準拠するものである。
リン酸二水素ナトリウム(33mM;Wako)とタンニン様の構造を持つ没食子酸メチル(20mM;Aldrich Chemical Compan,Inc.,Milwaukee,U.S.A)を含むpH5.0に調整した溶液を、滅菌フィルター(孔径0.45μm;Millipore Co.,Bedford,U.S.A.)を用いて試験管に5mlずつ無菌的に分注して基質培地とした。MRS寒天平板培地で37℃、24時間培養した被験菌群を滅菌綿棒で掻き取り、上述の基質培地に懸濁させ、O.D.660nmでの吸光度が0.4となるように調整した。これを37℃、24時間で静置培養した。培養後、よく懸濁した培養液1mlを採取して小試験管に移し、予め用意しておいた飽和炭酸水素ナトリウム(Wako)溶液(pH8.6)を等量加えてアルカリ化させ、室温で静置した。30分後に溶液が緑又は茶色に発色したものをタンナーゼ陽性とした。
定性的タンナーゼ試験の結果、22A−1株,22A−3株及び22B−2株の全てに、タンナーゼ活性が認められた。
(実施例3)
−定性的没食子酸脱炭酸酵素試験−
22A−1株,22A−3株及び22B−2株について、下記の試験法により、定性的没食子酸脱炭酸酵素試験を行った。この試験法は、Osawaらの論文(Osawa,R.,and T.P.Walsh(1995).Detection of bacterial gallate decarboxylation by visual color discrimination.Journal of General and Applied Microbiology.41:165−170.)に記載の方法に準拠するものである。
5mlのMRS液体培地に、滅菌フィルター(孔径0.45μm)を用いて予め用意した100mM没食子酸(Wako)溶液(pH5.0)を最終濃度10mMになるように無菌的に添加してよく混合した。この溶液に、MRS寒天培地に増殖した新鮮分離菌株を1コロニー釣菌し、接種して37℃、24時間嫌気培養した。培養後、培養液を1ml採取して小試験管に移し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH8.6)を等量加えてアルカリ化させ、室温で静置した。30分後に溶液が鮮やかな橙色に変色すれば、GDase陽性、深い緑色又は褐色に変色すればGDase陰性とした。橙色に変色すれば、没食子酸が脱炭酸され、代謝産物であるピロガロールが存在することを示すとされている。
定性的没食子酸脱炭酸酵素試験の結果、22A−1株,22A−3株及び22B−2株のいずれにも、没食子酸脱炭酸酵素活性が認められなかった。
(実施例4)
−定量的タンナーゼ試験−
22A−1株,22A−3株及び22B−2株について、下記の試験法により、定量的没食子酸脱炭酸酵素試験を行った。この試験法は、Nishitaniらの論文(Nishitani,Y.,Osawa,R.(2003).A novel colorimetric method to quantify tannase activity of viable bacteria.Journal of Microbiological Methods 54(2):281−284.)に記載の方法に準拠するものである。
まず、アスペルギルス・オリゼ由来のタンナーゼ(Wako)と、リン酸二水素ナトリウム(33mM;Wako)を含むpH5.0に調整した溶液を酵素溶液として、検量線の作成に用いた。このとき、酵素溶液に含まれるアスペルギルス・オリゼ由来のタンナーゼ(Wako)の濃度を変えて、タンナーゼの濃度が0.63〜1000mUの酵素溶液を調製した。酵素溶液から50μLずつ分取し、予め用意しておいた基質溶液(没食子酸メチル(5mM;Aldrich Chemical Compan,Inc.,Milwaukee,U.S.A)、リン酸二水素ナトリウム(33mM;Wako)、pH5.0)を5mL加えて混合した。これを37℃、24時間静置した。静置後、100μLを分取し、予め用意しておいた飽和炭酸水素ナトリウム(Wako)溶液(pH8.6)を等量加えてアルカリ化させ、37℃で2時間静置した。静置後、よく攪拌し、8,000×gで20秒間遠心した。上清から100μLを96穴マイクロプレートに分取し、マイクロプレートリーダー(Model 550、Bio−Rad社)を用いてO.D.450nmの吸光度を測定した。得られた吸光度から、検量線を作成した。
次に、リン酸二水素ナトリウム(33mM;Wako)とタンニン様の構造を持つ没食子酸メチル(5mM;Aldrich Chemical Compan,Inc.,Milwaukee,U.S.A)を含むpH5.0に調整した溶液を、滅菌フィルター(孔径0.45μm;Millipore Co.,Bedford,U.S.A.)を用いて試験管に1mlずつ無菌的に分注して基質培地とした。MRS寒天平板培地で37℃、24時間培養した被験菌群を滅菌綿棒で掻き取り、上述の基質培地に懸濁させ、O.D.660nmでの吸光度が0.4となるように調整した。これを37℃、24時間で静置培養した。培養後、よく懸濁した培養液1mlを採取してエッペンチューブに移し、8,000×gで5分間遠心した。上清を100μL分取し、予め用意しておいた飽和炭酸水素ナトリウム(Wako)溶液(pH8.6)を等量加えてアルカリ化させ、37℃で2時間静置した。静置後、よく攪拌し、8,000×gで20秒間遠心した。上清から100μLを96穴マイクロプレートに分取し、マイクロプレートリーダー(Model 550、Bio−Rad社)を用いてO.D.450nmの吸光度を測定した。得られた吸光度から、前記検量線に基づいて、タンナーゼ活性(mU/mL)を求めた。
定量的タンナーゼ試験の結果、22A−1株、22A−3株及び22B−2株のタンナーゼ活性は、それぞれ、6.64、7.18、6.95mU/mLであった。
即ち、22A−1株、22A−3株及び22B−2株のタンナーゼ活性は、前記Nishitaniらの論文に記載のいずれのラクトバシルス・プランタラム株のタンナーゼ活性(最大で5.73mU/mL(ATCC 14917株))よりも高い値であることが示された。
また、22A−1株、22A−3株及び22B−2株のタンナーゼ活性を、前記Nishitaniらの論文に記載のラクトバシルス・プランタラム株の中で、タンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないラクトバシルス・プランタラム株のタンナーゼ活性(最大で1.52mU/mL(KOG11株))と比較すると、著しく高いことが示された。
本発明の乳酸菌は、強いタンナーゼ活性を有し、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さず、腸で好適に定着でき、安全に摂取できるので、例えば、腸内細菌叢の改善を目的とした乳酸菌組成物として利用することができる。また、本発明の乳酸菌を植物からの抽出物に添加することにより、植物に含有される加水分解型タンニン及びガレート型カテキンのうち少なくとも1つを加水分解することができるので、腸からの吸収に優れた植物エキスを提供することができる。前記植物エキスは、食品、医薬、化合物の製造など、分野を問わず幅広く利用することができる。

Claims (7)

  1. タンナーゼ活性を有し、かつ、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないラクトバシルス・プランタラムであって、イヌリン資化性を有することを特徴とするラクトバシルス・プランタラム
  2. ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM P−21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM P−21411)及びラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM P−21410)のうちいずれかである請求項1に記載のラクトバシルス・プランタラム。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載のラクトバシルス・プランタラムを含むラクトバシルス・プランタラム組成物。
  4. 請求項1から2のいずれかに記載のラクトバシルス・プランタラムと、植物からの抽出物とを含む植物エキス。
  5. 請求項1から2のいずれかに記載のラクトバシルス・プランタラムを用いて、植物からの抽出物に含有されるガレート型カテキンを加水分解する工程を含む植物エキスの製造方法。
  6. 請求項1から2のいずれかに記載のラクトバシルス・プランタラムを用いて、植物からの抽出物に含有される加水分解型タンニンを加水分解する工程を含む植物エキスの製造方法。
  7. 請求項1から2のいずれかに記載のラクトバシルス・プランタラムを用いて、加水分解型タンニン、ガレート型カテキン及び没食子酸メチルのうち少なくとも1つを加水分解する工程を含む低分子ポリフェノールの製造方法。
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