図1により、本実施形態における画像形成装置としてのカラーコピー機1の全体構造を説明する。図1は、カラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための図である。
カラーコピー機1は、該カラーコピー機1における上方側に配置され所定の原稿を送り出す原稿送り部70と、原稿送り部70により送り出された原稿に形成された画像を読み込む画像読み込み部71と、を備える。また、カラーコピー機1は、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給装置6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9と、を備える。また、カラーコピー機1は、該コピー機の下方側に引き出し可能に配置され用紙Tが積層された状態で収納される給紙カセット52を備える。また、カラーコピー機1は、給紙カセット52から送り出された用紙Tが搬送される搬送路54を備える。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、円筒形状の部材である。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、図1に対して垂直な回転軸を中心に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に配置される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれから離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの側方(図1において左側)に配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナー画像を現像する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに対向配置可能な現像ローラ116a、116b、116c、116dとトナー攪拌用の攪拌ローラとを有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給装置6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
ドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの側方(図1において右側)に配置される。ドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に残留したトナーや付着物を除去する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7における感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7のトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。ここで、2次転写ローラ8における接離動作は、後述するように、中間転写ユニット200全体が回動移動されることによりなされる。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の表面(画像が1次転写された側)に押し当てられる。このようにして2次転写ニップN2が形成され、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
ここで、2次転写ローラ8は、中間転写ユニット200に含まれる。中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動部として回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置される被回転駆動部としてのローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置される伝達ギア部としてのアイドルギア230とを備える。中間転写ユニット200は、後述する接離手段により、後述するシャフト310(図2、図3参照)の回転軸I(図2、図3参照)を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な当接位置と、中間転写ベルト7に当接しない離間位置とに回動移動される。この中間転写ユニット200については、後に詳述する。
定着装置9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融定着させる。定着装置9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは溶融定着される。
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
カラーコピー機1における下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すためのローラ対63からなる重送防止機構を備える。
カセット給紙部51と排出部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9までの第2搬送路56と、定着装置9から排出部50までの第3搬送路57とを有する。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55における後述する湾曲路55aとの間には、用紙Tを第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が形成される。
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。第1搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、第1搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
第2搬送路56は、定着装置9側に向かって下方側に傾いた直線状の搬送路である。第2搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。また、第2搬送路56における所定位置には、用紙Tを検出するためのセンサが配置される。
第3搬送路57は、定着装置9の出口から図1における左斜め上方に向かうよう形成される。第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に位置し上方へ向かって形成される縦搬送路57aを有して構成される。第3搬送路57により搬送される用紙Tは、分岐爪58の上面側を通過した後、ほぼ垂直上方に向かって搬送されて排出部50からカラーコピー機本体Mの外部に排出される。第3搬送路57は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成される。
戻し搬送路59は、分岐爪58から第3搬送路57とは反対側の下方に分岐し、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、更に上方に向かうよう形成される。戻し搬送路59は、第1搬送路55における湾曲路55aに合流するように形成される。戻し搬送路59は、定着装置9を通過した用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路である。戻し搬送路59は、用紙Tの両面にトナー画像(文字等を含む)を印刷(印字)する、いわゆる両面印刷(印字)をする場合に用いられる搬送路である。用紙Tは、例えば、反転ローラ600により表裏が反転された状態で戻し搬送路59を介して第1搬送路55に戻される。戻し搬送路59は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成されると共に、所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
カラーコピー機1の図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを第1搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
次いで、図2から図7により、第1実施形態における中間転写ユニット200の構造及び動作について説明する。図2は、第1実施形態における中間転写ユニット200が当接位置に配置された状態を説明する斜視図である。図3は、第1実施形態における中間転写ユニット200が離間位置に配置された状態を説明する斜視図である。図4は、第1実施形態における中間転写ユニット200が当接位置に配置された状態を説明する正面図である。図5は、第1実施形態における中間転写ユニット200を構成するハウジング201の正面図である。図6は、第1実施形態における中間転写ユニット200が接離手段により当接位置に配置された状態を説明する図である。図7は、第1実施形態における中間転写ユニット200が接離手段により離間位置に配置された状態を説明する図である。
図2から図4に示すように、中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動部として回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸J方向であってハウジング201の側面に配置される被回転駆動部としてのローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置される駆動力伝達手段を構成するアイドルギア230とを備える。
ハウジング201は、図2における下方に形成される底面202と、図2における手前側に位置し底面202に対して垂直に形成される第1壁部203と、図2における左側に位置し第1壁部203に対して垂直に形成される第2壁部204と、第1壁部203の底面側に図2における手前側に延びるように形成される突出板部205と、第1壁部203における第2壁部204側に位置し図2における上方に延びるように形成される細壁部206と、細壁部206から該細壁部206に対して垂直であって図2における奥側に向かって延びるように形成されるピン部材207と、を備える。
また、図5に示すように、ハウジング201における第1壁部203には、シャフト310(図2、図3参照)が挿通される横長状の第1孔271と、アイドルギア230(図2、図3参照)の回転軸部が上下方向に移動可能に挿通される縦長状の第2孔272と、2次転写ローラ(図1から図3参照)8の両端に形成された軸部8a(図2、図3参照)が挿通される円状の第3孔273と、が形成される。
ハウジング201は、カラーコピー機本体Mに対して、後述する第1孔271に挿通されるシャフト310の回転軸I(図2、図3参照)を中心に回動可能に取り付けられる。
ハウジング201には、2次転写ローラ8が収容される。ハウジング201には、2次転写ローラ8がハウジング201に回転可能に軸支された状態で収容される。2次転写ローラ8は、回転軸J(図2、図3参照)方向側の側方に形成される軸部8aを有する。軸部8aがハウジング201の第1壁部203に形成される第3孔273に挿通されることで、2次転写ローラ8は、ハウジング201に回転可能に軸支された状態で収容される。
軸部8aには、ローラ側ギア220(図2、図3参照)が連結される。ローラ側ギア220は、第1壁部203を挟んで2次転写ローラ8と反対側である外側に配置される。ローラ側ギア220が回転されることで、2次転写ローラ8が回転される。
図2又は図3に示すように、ローラ側ギア220は、円筒形状の部材であって側面に複数のギア歯221aが形成されたギア歯部221を有する。また、ローラ側ギア220は、回転軸Jに垂直な面であって図2における手前側の面に配置され規制部を構成する円板状のローラ側フランジ223を有する。ローラ側フランジ223は、ローラ側ギア220の外面に配置されるローラ側ギア220の歯先円半径よりも半径が小さい円板状の部材である。具体的には、ローラ側フランジ223は、ローラ側ギア220のピッチ円半径と略同じ半径である円板状の部材である。
ギア歯部221には、後述するアイドルギア230のギア歯部231が噛み合うようにして当接される。また、ローラ側フランジ223には、後述する規制部を構成するアイドルギア側フランジ233が当接される。
ハウジング201には、第1孔271(図5参照)に挿通されたシャフト310に連結される回転駆動ギア210が配置される。回転駆動ギア210は、ハウジング201の第1壁部203における外側に配置される。回転駆動ギア210は、ハウジング201の第1壁部203におけるローラ側ギア220と同じ側に配置される。
回転駆動ギア210は、円筒形状の部材であって側面に複数のギア歯211aが形成されたギア歯部211を有する。また、回転駆動ギア210は、回転軸Iに垂直な面であって図2における手前側の面に配置され規制部を構成する円板状の回転駆動側フランジ213を有する。回転駆動側フランジ213は、回転駆動ギア210の外面に配置される回転駆動ギア210の歯先円半径よりも半径が小さい円板状の部材である。具体的には、回転駆動側フランジ213は、回転駆動ギア210のピッチ円半径と略同じ半径である円板状の部材である。
ギア歯部211には、後述するアイドルギア230のギア歯部231が噛み合うようにして当接される。また、回転駆動側フランジ213には、後述するアイドルギア側フランジ233が当接される。
図2から図4に示すように、回転駆動ギア210は、連結されるシャフト310が横長状(水平方向に長い形状)に形成された第1孔271に挿通されるので、水平方向に移動可能に構成される。言い換えると、図4における回転駆動ギア210の回転軸Iとローラ側ギア220の回転軸Jとの水平距離Bが可変に構成される。
ハウジング201には、縦長状の第2孔272(図5参照)に挿通された不図示の第1軸部に連結されるアイドルギア230が配置される。アイドルギア230は、ハウジング201の第1壁部203における外側に配置される。アイドルギア230は、ハウジング201の第1壁部203における回転駆動ギア210及びローラ側ギア220と同じ側に配置される。
アイドルギア230は、円筒形状の部材であって、側面に複数のギア歯231aが形成されたギア歯部231を有する。また、アイドルギア230は、回転軸Kに垂直な面であって図2における手前側の面に配置される円板状のアイドルギア側フランジ233を有する。アイドルギア側フランジ233は、上述の通り、規制部を構成する部材であって、アイドルギア230の外面に配置されるアイドルギア230の歯先円半径よりも半径が小さい円板状の部材である。具体的には、アイドルギア側フランジ233は、アイドルギア230のピッチ円半径と略同じ半径である円板状の部材である。ここで、上述の通り、各フランジの半径が各ギアにおけるピッチ円半径と略同じになるよう設定されるので、各フランジ同士の周速差をなくすことができる。これにより、周速差により各フランジの外周が削れることを抑制できる。
アイドルギア230は、不図示の第1軸部が縦長状の第2孔272(図5参照)に挿通されるので、上下方向に移動可能に構成される。更には、アイドルギア230は、後述する第1付勢部材としてのバネ部材240により加えられる力により上下方向に移動可能に構成される。
アイドルギア230には、不図示の第1軸部と反対側に延びる第2軸部235が形成される。第2軸部235は、該第2軸部235を回転可能に受ける軸受け部237と、軸受け部237の下方に配置され該軸受け部237を保持する保持部材245と、保持部材245と突出板部205との間に弾力Fを有した状態で配置されるバネ部材240とより支持される。
突出板部205には、円柱状の支持部250が形成される。支持部250には、螺旋状に巻き回されるように形成されたバネ部材240が被嵌される。
バネ部材240は、一端側(下方)が支持部250を介して突出板部205に取り付けられる。バネ部材240の他端側(上方)には、保持部材245が取り付けられる。
保持部材245は、軸受け部237を保持するU字状の保持部246と、保持部246に連結される取り付け部247とを有して構成される。保持部材245は、取り付け部247がバネ部材240の他端側(上方)に嵌合されて該バネ部材240に取り付けられる。
バネ部材240は、自然長よりも短い状態で配置される。バネ部材240は、上方に向かう弾力Fを有した状態で配置される。つまり、軸受け部237を介して第2軸部235を保持する保持部材245は、バネ部材240により上方に向かうように付勢される。
上述より、アイドルギア230は、保持部材245を介してバネ部材240により図2における上方に向かうように付勢される。これにより、アイドルギア230は、保持部材245を介してバネ部材240により回転駆動ギア210とローラ側ギア220との双方に押し当てられるように付勢される。
ここで、本実施形態においては、第2軸部235が軸受け部237を介して保持部材245により保持されているが、第2軸部235が保持部材245により直接保持されるように構成してもよい。
アイドルギア230は、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との双方に当接して配置される。具体的には、アイドルギア230は、該アイドルギア230におけるギア歯部231が回転駆動ギア210におけるギア歯部211及びローラ側ギア220におけるギア歯部221の双方に当接して配置される。つまり、アイドルギア230は、該アイドルギア230におけるギア歯部231が回転駆動ギア210におけるギア歯部211及びローラ側ギア220におけるギア歯部221と噛み合うようにして配置される。伝達ギア部としてのアイドルギア230は、回転駆動ギア210における回転駆動力をローラ側ギア220に伝達させる。アイドルギア230を介してローラ側ギア220に伝達された回転駆動力により、ローラ側ギア220及び該ローラ側ギア220が連結される2次転写ローラ8が回転される。
アイドルギア230は、アイドルギア側フランジ233が回転駆動側フランジ213及びローラ側フランジ223に当接された状態で、回転駆動ギア210及びローラ側ギア220との双方に当接して配置される。具体的には、アイドルギア230は、アイドルギア側フランジ233が回転駆動側フランジ213及びローラ側フランジ223に当接された状態で、アイドルギア230におけるギア歯部231が回転駆動ギア210におけるギア歯部211及びローラ側ギア220におけるとギア歯部221の双方と噛み合うようにして配置される。
アイドルギア230は、バネ部材240により回転駆動ギア210及びローラ側ギア220に押し当てられるように付勢されるので、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との距離が変更された場合でも各ギア部同士における噛み合い状態が維持される。また、アイドルギア230は、アイドルギア側フランジ233により回転駆動ギア210側及びローラ側ギア220側への過剰な移動が規制される。つまり、アイドルギア230は、各ギア歯部同士における噛み合いが好適に維持された状態で、回転駆動ギア210及びローラ側ギア220に当接して配置される。
中間転写ユニット200は、シャフト310における回転軸Iを中心にして、図2に示す当接位置と、図3に示す離間位置とに回動可能に構成される。詳細には、中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な当接位置と、2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接しない離間位置とに回動可能に構成される。中間転写ユニット200は、接離手段としての後述するカム機構390(図6、図7参照)により回転軸Iを中心に回動移動される。中間転写ユニット200は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動されて2次転写ニップN2を形成し、他の場合には離間位置に移動される。
図6及び図7に示すように、接離手段としてのカム機構390は、駆動モータ400と、駆動モータ400の回転駆動力を伝達するモータ側ギア405と、モータ側ギア405と噛み合うように配置される中間ギア410と、中間ギア410と噛み合うように配置されるカム側ギア420と、カム側ギア420に連結される偏心カム430とにより構成される。
中間転写ユニット200は、偏心カム430の回転に対応して当接位置と離間位置とに移動される。具体的には、駆動モータ400からの回転駆動力が該駆動モータ400に連結されるモータ側ギア405を介して中間ギア410に伝達される。中間ギア410に伝達された回転駆動力は、偏心カム430の回転軸方向における端部に取り付けられるカム側ギア420に伝達される。これにより、偏心カム430が回転される。そして、偏心カム430に下方から当接支持される中間転写ユニット200(ハウジング201)は、偏心カム430の回転に応じて、回転軸Iを中心に当接位置と離間位置とに回動移動される。例えば、中間転写ユニット200(ハウジング201)は、図6に示す当接位置から、駆動モータ400より伝達された回転駆動力による偏心カム430の回転に対応して、図7に示す離間位置に回転軸Iを中心に回動移動される。図7に示すように、偏心カム430が矢印r方向に回転することで、中間転写ユニット200(ハウジング201)は、当接位置から矢印R方向に回動移動して離間位置に移動される。
図2に示すように、中間転写ユニット200は、位置決め手段を構成するピン部材207と、カラーコピー機本体Mに固定されるU字状壁部300の外縁に形成される切り欠き部301とにより当接位置に位置決めされる。具体的には、中間転写ユニット200は、ピン部材207がU字状壁部300に形成された切り欠き部301に嵌合することで、当接位置に位置決めされる。
図3及び図4に示すように、切り欠き部301は、U字状に形成される。切り欠き部301における曲面状の係止部301aは、ピン部材207の外周形状に対応して形成される。切り欠き部301における開口部301bと係止部301aとの間には、ピン部材207が挿通された状態で移動可能な導入部301cが形成される。導入部301cは、ピン部材207の移動をガイドする。
切り欠き部301は、開口部301bが導入部301cの幅(図3及び図4における上下方向)よりも広い幅となるよう形成される。また、導入部301cは、開口部301bに向かうにしたがって幅が広くなるように形成される。これにより、中間転写ユニット200が離間位置から当接位置に回動移動される場合において、ピン部材207は、切り欠き部301に挿入されやすくなる。
続けて、図4及び図5により、本実施形態における作用について説明する。
図4に示すように、中間転写ユニット200は、当接位置において、シャフト310(図2、図3参照)と、切り欠き部301に嵌合したピン部材207とにより位置決め固定される。シャフト310は、カラーコピー機本体Mに対して固定された位置に配置される。また、切り欠き部301がカラーコピー機本体Mに対して固定された位置に形成されるので、切り欠き部301に嵌合したピン部材207も同様にカラーコピー機本体Mに対して固定された位置に配置される。つまり、中間転写ユニット200は、当接位置において、カラーコピー機本体Mに対する固定位置に配置されるシャフト310と、カラーコピー機本体Mに対する固定位置に配置されるピン部材207とにより位置決め固定される。言い換えると、シャフト310と切り欠き部301に嵌合したピン部材207との水平方向における距離Aは、所定の固定値(固定距離)に設定されている。
ここで、製造時の公差や製造精度の関係により、シャフト310とピン部材207との水平方向における距離Aにおいて、所定の固定値に対し誤差が生じる場合がある。この誤差を補うため、図5に示すように、第1孔271は、横長状に形成される。つまり、シャフト310(図2、図3参照)が挿通される第1孔271が円形状であった場合、該第1孔271の位置が公差等による原因で所定位置からズレて形成されると、上述した水平距離Aが所定の固定距離とは異なる距離になる。この場合、中間転写ユニット200(図2、図3参照)の回動移動時におけるピン部材207が切り欠き部301(図4参照)に挿入されにくいという問題や、ピン部材207が切り欠き部301に嵌合した当接状態においてシャフト310に負荷がかかるという問題が生じ得る。このような問題が発生することを抑制するため、第1孔271は、上述した水平方向の距離Aが所定の固定距離に調整されるよう横長状に形成される。
そして、シャフト310とピン部材207との水平方向における距離Aが所定の固定距離になるよう調整された場合、シャフト310に連結される回転駆動ギア210とローラ側ギア220との距離Bは、調整された誤差に対応した距離分だけ変更される。アイドルギア230の位置が固定されている場合、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との距離Bが変更されることで、ギア歯底当たりによる異常音の発生、トルクの増大、ギア歯飛びやギア歯の先端が割れるという問題が生じ得る。
これに対し、本実施形態においては、距離Bの変更に対応するため、アイドルギア230を上下方向へ移動可能に構成すると共に、バネ部材240により該アイドルギア230を回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに押し当てるように付勢する。具体的には、アイドルギア230における不図示の第1軸部が挿通される第2孔272を縦長状に形成すると共に、バネ部材240により第2軸部235を受ける軸受け部237を介してアイドルギア230を回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに押し当てるように付勢する。
このように構成することで、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との水平方向における距離Bが変更された場合、アイドルギア230は上下方向に移動して回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接した状態を維持することができる。特に、距離Bが長くなった場合において、アイドルギア230が回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接した状態を好適に維持して、回転駆動ギア210における回転駆動力をローラ側ギア220に伝達させる。
更に、アイドルギア230は、噛み合い状態においてアイドルギア側フランジ233が回転駆動側フランジ213とローラ側フランジ223に当接されるので、回転駆動ギア210及びローラ側ギア220に過剰に近づく移動が規制される。このように構成することで、アイドルギア230は、距離Bが変更された場合において、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との当接が維持されると共に、過剰に近づくことが抑制される。つまり、距離Bが変更された場合であっても、アイドルギア230は回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに好適な噛み合い状態で当接される。
本実施形態によれば、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との距離Bが長くなるように変更された場合、バネ部材240により付勢されたアイドルギア230が移動されることで、回転駆動ギア210における回転駆動力はローラ側ギア220に好適に伝達される。この場合において、ギア歯飛びやギア歯の先端が割れることが抑制される。
また、本実施形態によれば、回転駆動ギア210とローラ側ギア220との距離Bが短くなるように変更された場合、アイドルギア230が移動されることで、回転駆動ギア210における回転駆動力はローラ側ギア220に好適に伝達される。更に、アイドルギア側フランジ233により、アイドルギア230が回転駆動ギア210及びローラ側ギア220に過剰に近づくことが抑制されるので、アイドルギア230は、最適な噛み合い状態を維持しながら回転駆動ギア210における回転駆動力をローラ側ギア220に伝達させることができる。この場合において、ギア歯底当たりによる異常音の発生やトルクの増大が抑制される。
つまり、本実施形態によれば、中間転写ユニット200において公差や製造精度による誤差が生じた場合であっても回転駆動ギア210における回転駆動力がローラ側ギア220に好適に伝達される。
続けて、図8により、第2実施形態における中間転写ユニット200Aについて説明する。図8は、第2実施形態における中間転写ユニット200Aが当接位置に配置された状態を説明する斜視図である。以下、第2実施形態における中間転写ユニット200Aについて、主に、第1実施形態における中間転写ユニット200と相違する構成等を中心に説明する。第1実施形態における中間転写ユニット200と同様の構成等については説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態における中間転写ユニット200Aは、シャフト310に連結される回転駆動部としての回転駆動プーリ210Aと、2次転写ローラ8に連結される被回転駆動部としてのローラ側プーリ220Aと、回転駆動プーリ210Aとローラ側プーリとを囲むように掛けわたされる無端状の伝達ベルト230Aと、伝達ベルト230Aの下方側に配置され該伝達ベルト230Aの外面に当接される当接部材としての当接プーリ500と、当接プーリ500を伝達ベルト230A側に付勢する第2付勢部材としてのバネ部材240Aと、を備える。第2実施形態において、駆動力伝達手段は、伝達ベルト230Aと、当接プーリ500と、バネ部材240Aとを有して構成される。
当接プーリ500は、ハウジング201の第1壁部203に上下方向へ移動可能に取り付けられた板部材502に回転可能な状態で取り付けられる。
バネ部材240Aは、一端が突出板部205に固定され、他端が板部材502に形成される突起部504に取り付けられる。バネ部材240Aは、弾性力F1を有した状態で取り付けられる。突起部504に取り付けられたバネ部材240Aにより、板部材502は上方に向かうよう付勢される。つまり、バネ部材240Aにより、当接プーリ500は、上方に向かうように付勢される。具体的には、バネ部材240Aにより、当接プーリ500は、伝達ベルト230Aにおける下方側に位置する部分の外面に押し当てられるように付勢される。言い換えると、当接プーリ500は、該伝達ベルト230Aにおける下方側に位置する部分を押し上げるように付勢される。これにより、伝達ベルト230Aには、所定の張力FAが生じる。
更に、第1実施形態における場合と同様に、回転駆動プーリ210Aと切り欠き部301に嵌合したピン部材207との水平方向における距離A(図4参照)が変更されることにより、回転駆動プーリ210Aとローラ側プーリ220Aとの水平方向における距離B(図4参照)が変更された場合、バネ部材240Aにより付勢された当接プーリ500が上下方向に移動して伝達ベルト230Aにおける張力FAを所定以上に維持させる。
これにより、回転駆動プーリ210Aとローラ側プーリ220Aとの水平方向における距離Bが変更された場合においても、伝達ベルト230Aは、回転駆動プーリ210Aにおける回転駆動力をローラ側プーリ220Aに伝達させる。
本実施形態によれば、第1実施形態における中間転写ユニット200において得られる作用効果を得ることができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、画像形成装置としてカラーコピー機1につい説明しているが、これに限定されず、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
また、本実施形態において、第1付勢部材及び第2付勢部材として螺旋状のバネ部材について説明をしたが、これに限定されず、板バネや、ゴム部材等の弾力性を有する材料により構成される部材であってもよい。
また、本実施形態において、位置決め手段として、中間転写ユニット200に配置されるピン部材207と、カラーコピー機本体Mに固定されるU字状壁部300の外縁に形成される切り欠き部301とについて説明しているが、これに限定されない。例えば、位置決め手段として、ピン状部材をカラーコピー機本体M側に形成し、切り欠き部を中間転写ユニット200側に形成した構成であってもよい。
1……カラーコピー機(画像形成装置)、2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体)、16a、16b、16c、16d……現像器、7……中間転写ベルト、8……2次転写ローラ、200……中間転写ユニット、201……ハウジング、207……ピン部材(位置決め手段)、210……回転駆動ギア(回転駆動部)、213……回転駆動側フランジ(規制部)、220……ローラ側ギア(被回転駆動部)、223……ローラ側フランジ(規制部)、230……アイドルギア(駆動力伝達手段、伝達ギア部)、230A……伝達ベルト(駆動力伝達手段)、233……アイドルギア側フランジ(規制部)、240……バネ部材(第1付勢部材)、240A……バネ部材(第2付勢部材)、301……切り欠き部(位置決め手段)、390……カム機構(接離手段)、500……当接プーリ(当接部材)、I……回転軸、J……回転軸、K……回転軸、N2……2次転写ニップ