第一の態様によれば、本発明は、式(I):
[式中:R
1およびR
2は、独立して、水素、C
1−6アルキルもしくはC
3−6シクロアルキルC
1−6アルキルであるか;または、R
1およびR
2は、それらが結合する窒素と一緒になって、非置換3、4、5もしくは6員の飽和環を形成してもよく;
R
3は、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−3アルコキシC
1−3アルキルまたはC
1−3ハロアルコキシC
1−3アルキルであり;
あるいは、R
1およびR
3は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和4〜6員環を形成し;
Xは、炭素または窒素であり;
nは、0、1または2であり、ここで、nが存在する場合、各R
4は、独立して、C
1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC
1−3アルキル、ヒドロキシ、C
1−3アルコキシおよびC
1−3ハロアルコキシからなる群より選択され;
qは1または2であり;
R
5またはR
6のいずれかは、−O−R
7または−OCH
2R
7であり、ここで、他のR
5またはR
6は、水素またはR
4であり;ここで、R
7は、フェニル環または5もしくは6員の芳香族複素環のいずれかであり(独立して、1個または複数の窒素、硫黄または酸素原子を含有)、ここで、フェニル環または複素環のいずれかは、C
1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC
1−3アルキル、ヒドロキシ、C
1−3アルコキシおよびC
1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の置換基で所望により置換されていてもよい]
で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
特に明記しない限り、アルキル基は、別の基の部分、例えば、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシを形成するかどうかにかかわらず、直鎖または分岐鎖である。
本明細書に用いられる、ハロアルキル基は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロアルコキシ基は同様に、構成されうる。
5または6員の芳香族複素環なる語は、1個または複数の炭素原子、1個または複数のハロゲン原子および1個または複数の窒素、酸素および硫黄などのヘテロ原子を含有するヘテロシクリル基を意味し;炭素およびヘテロ原子は環を形成するように相互連結している。例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびテトラゾリル。
ハロは、フロロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
さらなる実施態様において、本発明は、式(I):
[式中:R
1およびR
2は、独立して、水素、C
1−6アルキルもしくはC
3−6シクロアルキルC
1−6アルキルであるか;または、かかるR
1およびR
2は、それらが結合する窒素と一緒になって、非置換3、4、5または6員の飽和環を形成してもよく;
R
3は、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−3アルケニル、C
1−3アルコキシC
1−3アルキル、C
1−3ハロアルコキシC
1−3アルキルまたは(CH
2)tOHであり;
あるいは、かかるR
1およびR
3は、相互連結原子が一緒になって、飽和または不飽和5〜7員環を形成し、ただし、環に1個だけヘテロ原子が存在し、それは窒素でなければならず;
Xは、炭素または窒素であり;
nは、0、1または2であり、ここで、nが存在する場合、各R
4は、独立して、C
1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC
1−3アルキル、ヒドロキシ、C
1−3アルコキシおよびC
1−3ハロアルコキシからなる群から選択され;
qは1または2であり;
tは1または2であり;
R
5またはR
6のいずれかは、−O−R
7または−OCH
2R
7であり、ここで、他のR
5またはR
6は、水素またはR
4であり;ここで、R
7は、フェニル環または5もしくは6員の芳香族複素環のいずれかであり(独立して、1個または複数の窒素、硫黄または酸素原子を含有)、ここで、フェニル環または複素環のいずれかは、C
1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC
1−3アルキル、ヒドロキシ、C
1−3アルコキシおよびC
1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の基で所望により置換されていてもよい]
で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
一の実施態様において、R1およびR2は、独立して、HまたはC1−6アルキルである。他の実施態様において、R1およびR2は両方Hである。別の実施態様において、R1およびR2は、独立して、HまたはC1−3アルキルである。さらなる実施態様において、R1およびR2は、独立して、Hまたはメチルである。
一の実施態様において、R3は、C1−6アルキル、C1−3アルコキシC1−3アルキル、または(CH2)qOHである。さらなる実施態様において、R3はC1−3アルキルである。他の実施態様において、R3はメチル、メトキシメチルまたはCH2OHである。別の実施態様において、R3はメチルである。
一の実施態様において、R1およびR3は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和5、6または7員環を形成し、ただし、環は2個の隣接ヘテロ原子を含有しない。他の実施態様において、R1およびR3は、相互連結原子と一緒になって、5員ピロリジノン環を形成する。別の実施態様において、R1およびR3は、相互連結原子と一緒になって、5員ピロリジノン環を形成し、R2はC1−6アルキルであるか;または、R2はC1−3アルキルであるか;または、R2はメチルである。
さらなる実施態様において、R1およびR3は、相互連結原子と一緒になって、6員ピペリジノン環を形成する。
さらなる実施態様において、R1およびR3は、相互連結原子と一緒になって、7員の不飽和アゼピノン環を形成する。
一の実施態様において、Xは炭素である。
一の実施態様において、qは1である。
一の実施態様において、tは1である。
一の実施態様において、nは0または1である。
一の実施態様において、nは1であって、R4はC1−3アルコキシである。他の実施態様において、nは1であって、R4はメトキシである。
一の実施態様において、R5は−O−R7または−OCH2R7であって、R6は水素またはR4であり;ここで、R7は、フェニル環または5もしくは6員の芳香族複素環のいずれかであり(独立して、1個のまたは複数の窒素、硫黄または酸素原子を含有)、ここで、フェニル環または複素環のいずれかは、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の基で所望により置換されていてもよい。
別の実施態様において、R5は−O−R7または−OCH2R7であって、R6は水素またはR4であり;ここで、R7は、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の基で所望により置換されていてもよいフェニル環のいずれかである。
さらに別の実施態様において、R5は−O−R7または−OCH2R7であって、R6は水素またはR4であり;ここで、R7は、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個の基で所望により置換されていてもよいフェニル環のいずれかである。
またさらに別の実施態様において、R5は−O−R7または−OCH2R7であって、R6は水素またはR4であり;ここで、R7は、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個の基で所望によりオルト位にて置換されていてもよいフェニル環のいずれかである。
さらに別の実施態様において、R5は、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の基で所望により置換されていてもよい−OCH2フェニルである。さらに別の実施態様において、R5は、ハロゲンまたはシアノで置換される−OCH2フェニルである。
さらなる実施態様において、R5は、1個のフッ素原子で置換される−OCH2フェニルである。
さらに別の実施態様において、R5は、C1−3アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロC1−3アルキル、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−3ハロアルコキシからなる群より独立して選択される1個または複数の基で所望により置換されていてもよい−Oフェニルである。さらに別の実施態様において、R5はハロゲンまたはシアノで置換される−OCH2フェニルである。
さらに別の実施態様において、R5は、1個のシアノ基で所望により置換されていてもよい−Oフェニルである。
別の実施態様において、R5は、フェノキシ、フルオロフェノキシまたはシアノフェノキシである。さらなる実施態様において、R5は2−シアノフェノキシである。
別の実施態様において、R5は、ベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシまたはシアノベンジルオキシである。さらなる実施態様において、R5は、2−フルオロベンジルオキシ、3−フルオロベンジルオキシまたは2−シアノベンジルオキシである。
一の実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリンアミド;
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド; および
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
からなる群またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択される。
さらなる実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;または
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド;
あるいはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグである。
またさらなる実施態様において、式(I)の化合物は、(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
一の実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリンアミド;
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;および
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン
からなる群またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択される。
一の実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリンアミド;
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
2−[({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
2−({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)ベンゾニトリル;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.6]ウンデカ−9−エン−6−オン;
(2R,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン;
(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド;
(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R,7R)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン;および
(5S,7S)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン;
からなる群またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグから選択される。
別の実施態様において、式(I)の化合物は、下記の化合物:
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリンアミド;
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
2−[({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
2−({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)ベンゾニトリル;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.6]ウンデカ−9−エン−6−オン;
(2R,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン;
(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド;
(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R,7R)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン;および
(5S,7S)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
の塩酸塩からなる群、またはその溶媒和物より選択される。
さらなる実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド;
またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
別の実施態様において、式(I)の化合物は、下記の化合物:
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド
の塩酸塩からなる群、またはその溶媒和物より選択される。
別のさらなる実施態様において、式(I)の化合物は、(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンまたはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
さらなる実施態様において、式(I)の化合物は、
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンまたはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
別の実施態様において、式(I)の化合物は、
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミドからなる群またはその溶媒和物より選択される。
さらに別の実施態様において、式(I)の化合物は、
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩;もしくは
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オントシレート;
またはその溶媒和物である。
さらに別の実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリンアミド;
(5S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−D−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド;
からなる群またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグより選択される。
別の実施態様において、式(I)の化合物は、
(5R)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−L−プロリンアミド;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
2−[({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
2−({4−[(2R,5R)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−2−イル]フェニル}オキシ)ベンゾニトリル塩酸塩;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.6]ウンデカ−9−エン−6−オン;
(2R,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリンアミド;
(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド;
(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R,7R)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン;
からなる群またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択される。
疑いのないように、特に明記しない限り、「置換される」なる語は、1個または複数の所定の置換基で置換されることを意味する。置換基が、多数の他の置換基から選択されうる場合、選択された置換基は、同一または異なっていてもよい。
疑いのないように、「独立して」なる語は、1個以上の置換基が多数の可能な置換基から選択される場合、該置換基が同一または異なっていてもよいことを意味する。
塩基中心を含有する本発明の化合物の医薬上または獣医学上許容される塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、カルボン酸または有機スルホン酸と形成される非毒性酸付加塩である。例として、HCl、HBr、HI、硫酸塩または二硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩または水素リン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、サッカラート、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、カンシル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩が含まれる。適当な医薬塩の概説について、Bergeら,J.Pharm,Sci.,66,1−19,1977;P L Gould,International Journal of Pharmaceutics,33(1986),201−217;およびBighleyら,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,Marcel Dekker Inc,New York 1996,Volume 13,453−497頁を参照のこと。
最終的な脱保護段階の前に生成されうる式(I)の化合物のある種の保護された誘導体がそれ自体、薬理学的活性を有さないが、場合によっては、経口または非経口投与された後に、体内で代謝されて、薬理学的に活性な本発明の化合物を形成しうることは、当業者に明らかであろう。したがって、かかる誘導体は、「プロドラッグ」と記載されることがある。本発明の化合物のかかるプロドラッグは全て、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物に適当な薬物機能性の例は、Drugs of Today,Volume 19,Number 9,1983,pp 499−538およびTopics in Chemistry,Chapter 31,pp 306−316および「Design of Prodrugs」,H.Bundgaard,Elsevier,1985,Chapter 1(その開示は出典明示により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。さらに、「プロ−モイエティ(pro−moieties)」として当業者に知られている、例えば、H.Bundgaardの「Design of Prodrugs」(その開示は出典明示により本明細書中に組み込まれる)に記載されているような、ある種の基は、本発明の化合物内に官能基が存在する場合、かかる適当な官能基上に置かれてもよい。
多数の有機化合物が、反応するかあるいは沈殿または結晶化させる溶媒と複合体を形成しうることを有機化学の当業者は分かるであろう。該複合体は、「溶媒和物」として既知である。例えば、水との複合体は、「水和物」として既知である。本発明の化合物の医薬上許容される溶媒和物は、本発明の範囲内にある。
以下、本発明のいずれかの態様に記載の化合物ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグは、「本発明の化合物」と称される。
本発明の化合物の医薬上許容される溶媒和物には、その水和物が含まれる。
本発明の様々な塩はその多形であり、本化合物の範囲にも含まれる。
本発明の化合物は、少なくとも2個または複数のキラル中心を保有しうるため、多くの立体異性体で存在しうる。全ての立体異性体およびその混合物は、本発明に範囲に含まれる。
4つのジアステレオ異性体が、式(I)の化合物について予想されうる、すなわち、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id):
[式中:R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X、nおよびqは上記のとおりである]
で示される化合物であることは当業者であれば分かるであろう。
一の実施態様において、本発明は、式(Ia):
[式中:R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X、nおよびqは、上記のとおりである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
別の実施態様において、本発明は、式(Ie):
[式中:R
2、R
4、R
5、R
6、X、nおよびqは、上記のとおりである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
さらに別の実施態様において、本発明は、式(Ih):
[式中:R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X、nおよびqは、上記のとおりである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
本発明の化合物またはその中間体のジアステレオ異性体は、文献既知の方法にしたがって、例えば、分取HPLCまたはクロマトグラフィー精製によって得られうる。ラセミ化合物は、分取HPLCおよびキラル固定相のカラムを用いて分離されるかまたは当業者に既知の方法を利用して個々のエナンチオマーを得るために分解されるかのいずれかであってもよい。さらに、キラル中間化合物は、分解され、本発明のキラル化合物を調製するために用いられうる。
本発明の化合物は、1種または複数の互変異性型で存在してもよい。全ての互変異性体およびその混合物は、本発明の範囲に含まれる。
本発明はまた、本発明の化合物の全ての適当な同位体変化を含む。本発明の化合物の同位体変化は、少なくとも1個の原子が、原子量が天然において通常見出された原子量とは異なるが、同一の原子数を有する原子によって置き換えられるものとして定義される。本発明の化合物の一部としうる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、燐、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、各々、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。本発明の特定の同位体変化、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体を一部とするものは、薬物および/または物質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、3Hおよび炭素−14、すなわち、14C、同位体は、調製が容易で、検出が可能なので、特に好ましい。さらに、ジュウテリウム、すなわち、2Hなどの同位体との置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または必要投与量の減少に由来するある種の治療上の利益を得ることができる。本発明の化合物の同位体変化は、一般に、実例法または適当な試薬の適当な同位体変化を用いて以下の実施例に記載の調製法による一般法によって調製されうる。
本発明の化合物は、種々の方法で調製されうる。以下の反応スキームおよびその後において、特に明記しない限り、R1〜R7、n、qおよびXは、第一の態様に記載のとおりである。これらの方法は、本発明のさらなる態様を形成する。
本明細書を通して、一般式は、ローマ数字(I)、(II)、(III)、(IV)などによって示される。これらの一般式の一部は、(Ia)、(Ib)、(Ic)など…(IVa)、(IVb)、(IVc)などのように定義される。
式(I)の化合物の塩酸塩は、式(II)の化合物を過剰(2,5当量など)の塩化アセチルおよびメタノールを反応させることによって反応スキーム1にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、室温で適当な非プロトン性溶媒中にて(II)を反応させることを含む。
反応スキーム1
式(IIa)の化合物、すなわち、式(II){式中:R
5は−OCH
2R
7である}で示される化合物は、式(III)の化合物を過剰(例えば、1.5当量)のR
7CH
2Y(式中:Yは適当な脱離基である−例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry:reactions,mechanisms,and structure,John Wiley & Sons(1992),第4版,p352を参照のこと)を反応させることによって反応スキーム2にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、室温から溶媒還流温度の範囲の温度で適当な溶媒(アセトニトリルまたはDMF)における反応を含む。式(II){式中:R
6は−OCH
2R
7である}で示される化合物が、対応するヒドロキシ化合物から出発する類似な方法によって調製されうることは分かるであろう。式R
7CH
2Yの化合物は、商業的に入手可能であるかまたは文献既知な方法を介して合成されうるかのいずれかである。
反応スキーム2
式(IIb)の化合物、すなわち、式(II){式中:R
5は−OR
7である}で示される化合物は、式(III)の化合物をR
7−B(OH)
2と反応させることによって反応スキーム3にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、室温から溶媒還流温度の範囲の温度でハロゲン化炭素水素溶媒(DCMなど)における適当な触媒(酢酸銅(II)など)および適当な塩基(トリエチルアミンまたはピリジンなど)の使用を含む。式R
7−B(OH)
2の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは文献既知な方法を介して合成されうるかのいずれかである。
別法として、式(IIb){式中:R7は1個または複数の電気求引性置換基を含有する}で示される化合物は、マイクロ波照射で加熱することによって適当な溶媒(DMFなど)中の適当な塩基(炭酸カリウムなど)の存在下において、式(III)の化合物をR7−Fと反応させることによって反応スキーム3にしたがって調製されうる。式R7−Fで示される化合物は、商業的に入手可能であるかまたは文献既知の方法を介して合成されうるかのいずれかである。
式(II){式中:R6は−OR7である}で示される化合物が、対応するヒドロキシ化合物から出発する類似な方法によって調製されうることが分かるであろう。
反応スキーム3
式(IIc)で示される化合物、すなわち、式(II){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4であって、1または2つの不飽和結合を所望により含有していてもよい)を形成し、R
2は水素以外である}は、0℃〜室温の温度で非プロトン性溶媒(DMFなど)における式(IId)の化合物、すなわち、式(II){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4であって、1または2つの不飽和結合を所望により含有していてもよい)を形成し、R
2は水素である}で示される化合物を適当な塩基(水素化ナトリウムなど)と反応させること、次いで、式R
2−Y{式中:R
2は低級アルキルであって、Yは適当な脱離基である}で示される化合物で処理することによって反応スキーム4にしたがって調製されうる。
反応スキーム4
式(III)で示される化合物は、室温で適当なアルコール性溶媒(メタノールなど)中にて水素雰囲気(1気圧など)下、式(IV)で示される化合物を炭素担体パラジウム金属で反応させることによって反応スキーム5にしたがって調製されうる。
反応スキーム5
式(IVa)の化合物、すなわち、式(IV){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4であって、1または2つの不飽和結合を所望により含有していてもよい)を形成し、R
2は水素以外である}で示される化合物は、式(V)で示される化合物を適当な塩基(水素化ナトリウムなど)で反応させること、次いで、式R
2−Y{式中:R
2は低級アルキルであって、Yは適当な脱離基である}で示される化合物で処理することによって反応スキーム6にしたがって調製されうる。
反応スキーム6
式(V){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和または不飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4であって、1または2つの不飽和結合を所望により含有していてもよい)を形成する}で示される化合物は、式(VI)で示される化合物から出発する反応スキーム7にしたがって得られうる。典型的な反応条件は、室温で溶媒の混合物(THF/水性NaHCO
3/t−BuOHなど)におけるアミン上のt−ブトキシカルボニル基(ジカルボン酸ジ−tert−ブチルなど)を移すのに適当な試薬での処理を含む。
反応スキーム7
式(VIa)の化合物、すなわち、式(VI){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4である)を形成し、R
2は水素である}で示される化合物は、0℃〜室温の温度でハロゲン化炭化水素溶媒(DCMなど)中にて式(VII){式中:RはC
1−3アルキルである}で示される化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることにより反応スキーム8にしたがって得られうる。
反応スキーム8
式(VII)の化合物は、室温でアルコール性溶媒(メタノールなど)中高圧(7気圧など)下、式(VIII)の化合物をラネーニッケルと反応させることによって反応スキーム9にしたがって得られうる。
反応スキーム9
別法として、式(IIIa)の化合物、すなわち、式(III){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和5〜7員環(すなわち、mは2、3または4である)を形成し、R
2は水素である}で示される化合物は、15時間室温でアルコール性溶媒(メタノールなど)中水素の高圧(7気圧)下、式(VIII){式中:RはC
1−3アルキルである}で示される化合物をラネーニッケルと反応させること、次いで、触媒の濾過後、5時間メタノールの還流温度で溶液を加熱することによって反応スキーム10にしたがって得られうる。
反応スキーム10
式(VIII)の化合物は、低温度(−78℃など)で非プロトン性溶媒(THFなど)中にて式(IX)の化合物をリチウムヘキサメチルジシルアジドと反応させ、次いで、Y(CH
2)
m−1CN(式中:Yは、Brなどの脱離基である)で示される化合物の付加によって反応スキーム11にしたがって調製されうる。
反応スキーム11
式(Va){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、不飽和5〜7員環(すなわち、rは0、1または2である)を形成する}で示される化合物は、40℃でハロゲン化炭化水素(ジクロロメタンなど)中にてTFAと、式(X)の化合物を反応させ、次いで、室温で溶媒の混合物(THF/水性NaHCO
3/t−BuOH)中にてアミン上のt−ブトキシカルボニル基(ジカルボン酸ジ−tert−ブチルなど)を移すのに適当な試薬で得られた物質を処理することによって反応スキーム12にしたがって得られうる。
反応スキーム12
式(X)の化合物は、室温で溶媒混合物(水/THFなど)中にて式(XI)の化合物を四酸化オスミウムおよび過リン酸ナトリウムと反応させることによって反応スキーム13にしたがって得られうる。
反応スキーム13
式(XI)の化合物は、式(XII)の化合物をHMDSと反応させることによって反応スキーム14にしたがって得られうる。典型的な反応条件は、適当な溶媒(DMFなど)中にて(XII)をTBTUおよび塩基(ジイソプロピロエチルアミンなど)と反応させ、次いで、室温でHMDSを付加することを含む。
反応スキーム14
式(XII)の化合物は、室温でTHF/水混合物(1:1など)中にて式(XIII){式中:RはC
1−3アルキルである}で示される化合物を適当な塩基(LiOHなど)と反応させることによって反応スキーム15にしたがって調製されうる。
反応スキーム15
式(XIII)の化合物は、低温(−78℃など)で非プロトン性溶媒(THFなど)中にて式(I)の化合物をリチウムヘキサメチルジシルアジドおよびCH
2=CHCH
2(CH
2)
rY(式中:Yは適当な脱離基である)で処理することによって反応スキーム16にしたがって調製されうる。式CH
2=CHCH
2(CH
2)
rYは、商業的に入手可能であるかまたは文献既知な方法を介して合成されうる。
反応スキーム16
式(IX)の化合物は、反応スキーム17にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、室温で非プロトン性溶媒(THFなど)中にて式(XIV)の化合物とアミン上のtert−ブトキシカルボニル基(ジカルボン酸ジ−tert−ブチルなど)を移すのに適当な試薬の反応を含む。
反応スキーム17
式(XIV)の化合物は、室温で適当なアルコール性溶媒(メタノールなど)中高圧の水素雰囲気(2気圧など)下、式(XV)の化合物をPtO
2と反応することによって反応スキーム18にしたがって調製されうる。
反応スキーム18
式(XV)の化合物は、低温(0℃など)でハロゲン化炭化水素溶媒(DCMなど)中にて式(XVI)の化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることによって反応スキーム19にしたがって調製されうる。
反応スキーム19
式(XVI)の化合物は、反応スキーム20にしたがって得られうる。典型的な反応条件は、低温(−78℃など)で適当な溶媒(ジエチルエーテルまたはTHFなど)中にて式(XVII)の化合物を式(XVIII){式中:Mは、例えば、MgZ(式中:ZはCl、BrまたはIである)またはリチウムである}で示される適当な金属化化合物と反応させることを含む。
反応スキーム20
式(XVIIIa)の化合物、すなわち、一般式(XVIII){式中:MはMgZである(ここで、ZはCl、BrまたはIである)}は、エーテル中にて一般式(XIX)の適当な化合物をマグネシウム金属と反応させることによって文献既知なグリニャール法を介して反応スキーム21にしたがって生成されうる。典型的な反応条件は、適当な溶媒(エーテルまたはTHFなど)中の低温(−78℃から0℃の範囲)での反応を含む。
反応スキーム21
一般式(XVIIIb)の化合物、すなわち、式(XVIII){式中:Mはリチウムである}で示される化合物は、一般式(XIX)の適当な化合物をn−ブチルリチウムと反応させることによって文献にて広く知られている方法を介して反応スキーム22にしたがって生成されうる。典型的な反応条件は、適当な溶媒(エーテルまたはTHFなど)中の低温(−78℃から0℃の範囲)での反応を含む。
反応スキーム22
一般式(XIX)の化合物は、商業的に入手可能であるかあるいは室温から還流温度の温度で適当な溶媒(アセトニトリルまたはDMFなど)中にて適当な塩基(炭酸カリウムなど)の存在下において、式(XX)の化合物を臭化ベンジルと反応させることによって反応スキーム23に記載の製法にしたがって合成されうるかのいずれかである。
反応スキーム23
スキーム2〜23に示される反応が、必要に応じて、式(I){式中:R
6は−O−R
7または−OCH
2R
7である}で示される化合物の調製に適用できることが分かるであろう。
式(XVII)の化合物は、室温で非プロトン性溶媒(DCMなど)中塩基(4−DMAPなど)の存在下において、式(XXI)の化合物をアミン上のBOC基(ジカルボン酸ジ−tert−ブチルなど)を移すのに適当な試薬と反応させることによって反応スキーム24にしたがって調製されうる。
反応スキーム24
一般式(XXI)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは文献既知な合成法(S.Huang,J.Nelson,D.Weller,Synthetic Communications,20,3485−96(1989))を介して得られうるかのいずれかである.
別法として、式(Ie)の化合物、すなわち、式(I){式中:R3およびR1は、相互連結原子と一緒になって、飽和5員環を形成し、R2は水素以外である}で示される化合物の塩酸塩は、適当な溶媒(DCM/IPAなど)中にて式(Ie)の化合物を過剰のHClで処理することによって反応スキーム25にしたがって調製されうる。
反応スキーム25
式(Ie)の化合物、すなわち、式(I){式中:R
3およびR
1は、相互連結原子と一緒になって、飽和5員環を形成し、R
2は水素以外である}で示される化合物は、適当な条件下(室温でIPA/MeOH中など)、式(XXII)の化合物を塩酸と反応させ、次いで、適当な塩基(水性アンモニアなど)での処理によって反応スキーム26にしたがって調製されうる。
反応スキーム26
式(XXII)の化合物は、適当な溶媒(MeOHなど)中および適当な還元剤(NaBH(OAc)
3など)の存在下において、式(XXIII)の化合物とR
2NH
2の還元的アミノ化によって反応スキーム27にしたがって調製されうる。
反応スキーム27
式(XXIII)の化合物は、室温で適当な溶媒(アセトン/水など)中の式(XXIV)の化合物とK
2OsO
4およびN−メチルモルホリン−N−オキシドの反応、次いで、NaIO
4で得られる生成物の処理によって反応スキーム28にしたがって調製されうる。
別法として、式(XXIII)の化合物を得る条件は、低温で適当な溶媒(メタノールなど)中の式(XXIV)の化合物とオゾンガスの反応、次いで、還元剤(例えば、ジメチル硫化物または亜鉛)の付加を含む。
反応スキーム28
式(XXIV)の化合物は、式(XXV)の化合物とハロゲン化アリル(臭化アリルなど)の処理、次いで、低温(適当には、−30℃)で適当な溶媒(THFなど)中の適当な塩基(THF中リチウムビス−トリメチルシリルジシルアジド溶液など)での処理によって反応スキーム29にしたがって調製されうる。
反応スキーム29
式(XXV)の化合物は、低温(0℃など)で適当な溶媒(EtOAcなど)中にて式(XXVI)の化合物をジカルボン酸ジ−tert−ブチルの処理によって反応スキーム30にしたがって調製されうる。
反応スキーム30
式(XXVI)の化合物は、室温で適当な溶媒(EtOAcなど)中高圧の水素雰囲気(2気圧など)下、式(XXVII)の化合物をPt/Cと反応させることによって反応スキーム31にしたがって調製されうる。
反応スキーム31
式(XXVII)の化合物は、0℃から室温の温度でハロゲン化炭化水素溶媒(DCMなど)中にて式(XXVIII)の化合物をトリフルオロ酢酸と反応させることによって反応スキーム32にしたがって調製されうる。別法として、q=1の式(XXVII)の化合物は、0℃から還流温度の温度でN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたは同様の物理化学的性質を有する溶媒中にて銀(I)−トリフラートなどの金属触媒を用いて式(XXVIIIa)の化合物から調製されうる。式(XXVIIa)の化合物は、文献(van Esseveldtら,Journal of Organic Chemistry 2005,70,1791−1795およびそれを引用する文献)に記載のものに類似な製法によって容易に調製される。
反応スキーム32
式(XXVIII)の化合物は、反応スキーム33にしたがって得られうる。典型的な反応条件は、低温(−60℃など)で適当な非プロトン性溶媒(ジエチルエーテルまたはTHFなど)中にて式(XVII)の化合物を式(XXIX){式中:ZはCl、BrまたはIである}で示される適当な金属化化合物と反応させることを含む。
反応スキーム33
一般式(XXIX)の化合物は、THF中にて一般式(XXX)の適当な化合物をマグネシウム金属と反応させることによって反応スキーム34にしたがって生成されうる。典型的な反応条件は、適当な溶媒(エーテルまたはTHFなど)中の室温から65℃の温度での反応を含む。
反応スキーム34
式(XXX)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは室温から還流温度の温度で適当な溶媒(アセトンなど)中にて適当な塩基(炭酸カリウムなど)の存在下において、上記の式(XX)の化合物を適当な臭化ベンジル(XXXI)と反応させることによって反応スキーム35に記載の製法にしたがって合成されうるかのいずれかである。
反応スキーム35
式(XXX){式中:R
6は−CH
2OR
7である}で示される化合物は、式(XX)の化合物に対応するヒドロキシ化合物から出発する類似な方法によって調製されうることが分かるであろう。
一般式(XX)または(XXXI)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当業者に既知な製法によって調製されうる。
一般式(IIf)の化合物、すなわち、式(II){式中:R3はCH2OHではない}で示される化合物は、0℃から室温の温度で非プロトン性溶媒(DMFなど)中にて塩基(ジイソプロピルエチルアミンなど)およびカルボン酸基(TBTUなど)を活性化する適当な試薬の存在下において、式(XXXII)の化合物をNHR1R2またはR1=R2=Hについてのヘキサメチルジシラザンと反応させることによって反応スキーム36にしたがって調製されうる。
反応スキーム36
R
3がCH
2OHではない、一般式(XXXII)の化合物は、最終的に、マイクロ波加熱を用いて、室温から還流温度で適当な溶媒(THFなど)中にて一般式(XXXIV){式中:RはC
1−C
3アルキルである}で示される化合物を塩基(LiOH.H
2Oなど)と反応させることによって反応スキーム37にしたがって生成されうる。
反応スキーム37
式(XXXIVa)の化合物、すなわち、式(II){式中:R
3はC
1−C
3アルキルである}で示される化合物は、0℃から室温の温度で非プロトン性溶媒(DMFなど)中にて式(XXXV)の化合物を適当な塩基(水素化ナトリウムなど)と反応させ、次いで、式R’−Y(式中:R’は低級アルキル(C
1−C
3)であって、YはIなどの適当な脱離基である)で示される化合物での処理によって反応スキーム38にしたがって生成されうる。
反応スキーム38
式(XXXV)の化合物は、低温(−40℃など)で非プロトン性溶媒(THFなど)中にて化合物(XXV)を塩基(LiHMDSなど)と反応させ、次いで、適当なアシル化剤(ギ酸エチルなど)での処理によって反応スキーム39にしたがって生成されうる。得られた化合物は、適当な処理をした後、すぐにアルコール性溶媒(メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなど)で溶解され、次いで、0℃から室温の温度で適当な還元剤(NaBH
4など)で処理されうる。
反応スキーム39
一般式(XXXIV)の化合物は、非プロトン性溶媒(THFなど)中にて一般式(XXV)の化合物を適当な塩基(LiHMDSなど)で処理し、次いで、−78℃などの非常に低温でR
3−Y(式中:R
3は(CH
2)
qOHではなく、YはIなどの適当な脱離基である)などのアルキル化剤の付加によって反応スキーム40にしたがって生成されうる。
反応スキーム40
一般式(If)の化合物、すなわち、式(I){式中:R
3は−CH
2OHである}で示される化合物は、室温で適当な溶媒(THFなど)中にて一般式(XXXVI){式中:Pは適当なシリコン保護基(tert−ブチルジメチルシリルなど)である}で示される化合物をフッ化テトラブチルアンモニウムで処理することによって反応スキーム41にしたがって調製されうる。
反応スキーム41
一般式(XXXVI)の化合物は、室温で水素雰囲気(1気圧)中触媒(炭素担体パラジウムなど)の存在下において、極性プロトン性溶媒(メタノールなど)で溶解される一般式(XXXVII)の化合物を処理することによって反応スキーム42にしたがって生成されうる。
反応スキーム42
一般式(XXXVII)の化合物は、0℃から室温の温度で非プロと性溶媒(DMFなど)中にて塩基(ジイソプロピルエチルアミン)およびカルボン酸基(TBTUなど)を活性化する適当な試薬の存在下において、式(XXXVIII)の化合物をNHR
1R
2またはR
1=R
2=Hのヘキサメチルジシラザンと反応させることによって反応スキーム43にしたがって生成されうる。
反応スキーム43
一般式(XXXVIII)の化合物は、最終的にマイクロ波加熱を用いて、室温から還流温度で適当な溶媒(THFなど)中にて一般式(XXXIX)の化合物を塩基(LiOH.H
2Oなど)と反応させることによって反応スキーム44にしたがって生成されうる。
反応スキーム44
一般式(XXXIX)の化合物は、室温で極性プロトン性溶媒(DMFなど)中にて適当な塩基(イミダゾールなど)の存在下において、一般式(XL)の化合物を適当な塩化シリル(塩化tert−ブチルジメチルシリルなど)と反応させることによって反応スキーム45にしたがって生成されうる。
反応スキーム45
式(XL)の化合物は、低温(−40℃など)で非プロトン性溶媒(THF)中にて
化合物(XLI)を塩基(LiHMDSなど)と反応させ、次いで、適当なアシル化剤(ギ酸エチルなど)での処理によって反応スキーム46にしたがって生成されうる。得られた化合物は、適当な処理をした後、すぐにアルコール性溶媒(メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなど)で溶解され、次いで、0℃から室温の温度で適当な還元剤(NaBH
4など)で処理されうる。
反応スキーム46
一般式(XLI)の化合物は、0℃〜室温で適当な塩基(ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下において、塩素化溶媒(ジクロロメタンなど)中にて一般式(XXVI)の化合物をクロロギ酸ベンジルと反応させることによって反応スキーム47にしたがって生成されうる。
反応スキーム47
一般式(Ig)の化合物、すなわち、式(I){式中:R
5は−CH
2OR
7であって、R
1およびR
3は、それらが結合する相互連結原子と一緒になって、不飽和7員環を形成する}で示される化合物は、一般式(XLII)の化合物をアンモニア(例えば、7Mアンモニア)の適当な溶媒中溶液で溶解することによって反応スキーム48にしたがって生成されうる。得られた混合物は、適当な処理をした後、低温、例えば、0℃に冷却され得、適当な溶媒(例えば、DCM)中の適当な酸(トリフルオロ酢酸など)は、保護基を除去するために添加されうる。反応混合物を適当に処理した後、環化は、還流温度で適当な塩基(NaOMeなど)の存在下において、適当な溶媒(メタノールなど)の反応を通して達成されうる。
反応スキーム48
一般式(XLII)の化合物は、式(XXV)の化合物を化合物CH
3CH=CHCH
2Y{式中:Yは適当な脱離基である}と反応させることによって反応スキーム49にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、低温、例えば、−30℃で非プロトン性溶媒(例えば、THF)中にてLiHMDSなどの強塩基の存在下において、THFなどの適当な溶媒で化合物CH
3CH=CHCH
2Yを溶解することに関する。
反応スキーム49
一般式(XXV)の化合物は、反応スキーム30参照の反応にしたがって調製されうる。
式(I)の化合物の4−メチルベンゼンスルホン酸塩は、適当な溶媒(アセトンなど)中にて式(I)の化合物をp−トルエンスルホン酸一水和物で処理することによって反応スキーム50にしたがって調製されうる。
反応スキーム50
別法として、一般式(Im)の化合物、すなわち、式(I){式中:R
1およびR
2は、水素である}で示される化合物は、式(XLIII)の化合物をアンモニアの適当な溶媒中溶液と反応させることによって反応スキーム51にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、適当な温度(例えば、室温)で適当な濃度(例えば、7Nまたは11.2N溶液)のメタノール中アンモニアとの反応を含む。
反応スキーム51
一般式(XLIII){式中:RはC
1−3アルキルである}で示される化合物は、t−ブトキシカルボニル保護基を除去する適当な条件下、式(XXXIV)の化合物の処理によって反応スキーム52にしたがって調製されうる。典型的な反応条件は、当業者に既知であり、適当な酸(TFAまたはHClなど)の存在下において、適当な溶媒(DCMまたはIPA/MeOHなど)中の化合物の反応を含みうる。
反応スキーム52
一般式(XXXIV)の化合物は、反応スキーム38または40参照の反応にしたがって調製されうる。
本明細書で前述されるように、本発明の化合物は、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患および病態の治療に有用であってもよいと考えられている。
したがって、さらなる態様によれば、本発明は、医薬、好ましくは、ヒトの医薬として用いるための本発明の化合物を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患または病態を治療または予防する医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
理論に捕らわれることは望ましくないが、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在しうる疾患または病態は、下記のリストから選択される。下記に列挙した疾患名の後ろの括弧内の数字は、アメリカ精神病医学会(the American Psychiatric Association)によって出版された精神障害の診断および統計学的マニュアル(the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第4版(DSM−IV)および/または国際疾患分類(the International Classification of Diseases)第10版(ICD−10)における分類コードを示す。
i)抑うつおよび気分障害(大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁エピソードを包含する);抑うつ性障害(大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、不特定の抑うつ性障害(311)を包含する);双極性障害(I型双極性障害、II型双極性障害(軽躁エピソードを伴う再発性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および不特定の双極性障害(296.80)を包含する);他の気分障害(うつ病性特徴、大うつ病様エピソード、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを包含する一般的病状に起因する気分障害(293.83)を包含する);物質誘導性気分障害(うつ病性特徴、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを包含する);および不特定の気分障害(296.90)。
ii)統合失調症(サブタイプ妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、鑑別不能(undifferentiated)型(295.90)および残遺型(295.60)を包含する);統合失調症様障害(295.40);統合失調性感情障害(295.70)(サブタイプ双極型および抑うつ型を包含する);妄想障害(297.1)(サブタイプ恋愛(Erotomanic)型、誇大(Gradiose)型、嫉妬(Jealous)型、迫害(Persecutory)型、身体(Somatic)型、混合(Mixed)型および不特定(Unspecified)型を包含する);短期精神障害(298.8);感応性精神障害(297.3);一般的病状に起因する精神障害(妄想を伴うサブタイプおよび幻覚を伴うサブタイプを包含する);物質誘導性精神障害(妄想を伴う(293.81)および幻覚を伴う(293.82)サブタイプを包含する);および不特定の精神障害(298.9)。
iii)パニック発作を包含する不安障害;広場恐怖症を伴わないパニック障害(300.01)および広場恐怖症を伴うパニック障害(300.21)を包含するパニック障害;広場恐怖症;パニック障害の病歴をもたない広場恐怖症(300.22);特定恐症(300.29、以前の単一恐怖症)(動物型、自然環境型、血液注入傷害(Blood−Injection−Injury)型、状況型および他の型のサブタイプを包含する);社会恐怖症(社会不安障害、300.23);強迫障害(300.3);外傷後ストレス障害(309.81);急性ストレス障害(308.3);全般性不安障害(300.02);一般的病状に起因する不安障害(293.84);物質誘導性不安障害;分離不安障害(309.21);不安を伴う適応障害(309.24)および不特定の不安障害(300.00)。
iv)物質使用障害(例えば、物質依存、物質渇望および物質濫用)を包含する物質関連障害;物質誘導性障害(例えば、物質中毒、物質離脱、物質誘導性せん妄、物質誘導性持続性認知症、物質誘導性持続性健忘障害、物質誘導性精神障害、物質誘導性気分障害、物質誘導性不安障害、物質誘導性性的機能不全、物質誘導性睡眠障害および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック));アルコール関連障害(例えば、アルコール依存(303.90)、アルコール濫用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘導性持続性認知症、アルコール誘導性持続性健忘障害、アルコール誘導性精神障害、アルコール誘導性気分障害、アルコール誘導性不安障害、アルコール誘導性性的機能不全、アルコール誘導性睡眠障害および不特定のアルコール関連障害(291.9));アンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害(例えば、アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン濫用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘導性精神障害、アンフェタミン誘導性気分障害、アンフェタミン誘導性不安障害、アンフェタミン誘導性性的機能不全、アンフェタミン誘導性睡眠障害および不特定のアンフェタミン関連障害(292.9));カフェイン関連障害(例えば、カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘導性不安障害、カフェイン誘導性睡眠障害および不特定のカフェイン関連障害(292.9));大麻関連障害(例えば、大麻依存(304.30)、大麻濫用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘導性精神障害、大麻誘導性不安障害および不特定の大麻関連障害(292.9)を包含する);コカイン関連障害(例えば、コカイン依存(304.20)、コカイン濫用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘導性精神障害、コカイン誘導性気分障害、コカイン誘導性不安障害、コカイン誘導性性的機能不全、コカイン誘導性睡眠障害および不特定コカイン関連障害(292.9));幻覚剤関連障害(例えば、幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤濫用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘導性精神障害、幻覚剤誘導性気分障害、幻覚剤誘導性不安障害および不特定の幻覚剤関連障害(292.9));吸入剤関連障害(例えば、吸入剤依存(304.60)、吸入剤濫用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘導性持続性認知症、吸入剤誘導性精神障害、吸入剤誘導性気分障害、吸入剤誘導性不安障害および不特定吸入剤関連障害(292.9));ニコチン関連障害(例えば、ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および不特定のニコチン関連障害(292.9));オピオイド関連障害(例えば、オピオイド依存(304.00)、オピオイド濫用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘導性精神障害、オピオイド誘導性気分障害、オピオイド誘導性性的機能不全、オピオイド誘導性睡眠障害および不特定オピオイド関連障害(292.9));フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害(例えば、、フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン濫用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘導性精神障害、フェンシクリジン誘導性気分障害、フェンシクリジン誘導性不安障害および不特定のフェンシクリジン関連障害(292.9));鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害(例えば、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤依存(304.10)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤濫用(305.40)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒(292.89)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱(292.0)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性認知症、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性健忘障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性精神障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性気分障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性不安障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性性的機能不全、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性睡眠障害および不特定の鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害(292.9));多物質関連障害(例えば、多物質依存(304.80));および他の(または未知の)物質関連障害(例えば、アナボリックステロイド、硝酸塩吸入剤および亜酸化窒素)。
v)統合失調症、双極性障害、うつ病、認識障害(例えば、アルツハイマー病)に関連した他の精神障害および精神異常などの他の疾患における認識障害の治療を包含する認識の強化。
vi)睡眠異常(Dyssomnias)などの原発性睡眠障害を包含する睡眠障害、例えば、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および不特定の睡眠異常(307.47);睡眠時異常行動などの原発性睡眠障害、例えば、悪夢障害(307.47)、睡眠恐怖障害(307.46)、夢中歩行障害(307.46)および不特定の睡眠時異常行動(307.47);別の精神障害に関連した睡眠障害、例えば、別の精神障害に関連した不眠症(307.42)および別の精神障害に関連した過眠症(307.44);一般的病状に起因する睡眠障害、特に、神経学的障害、ニューロパシー痛、下肢静止不能症候群、心臓および肺疾患のような疾患に関連した睡眠障害;および物質誘導性睡眠障害(不眠型、過眠型、睡眠時異常行動型および混合型のサブタイプを包含する);睡眠時無呼吸および時差ぼけ。
vii)摂食障害、例えば、神経性無食欲症(307.1)(制限型および過食/瀉下型サブタイプを包含する);神経性食欲昂進症(307.51)(瀉下型および非瀉下型サブタイプを包含する);肥満;強迫性摂食障害;過食障害および不特定の摂食障害(307.50)。
viii)自閉障害(299.00)、アスペルガー障害(299.80)、レット障害(299.80)、小児期崩壊性障害(299.10)および不特定の広汎性障害(299.80、不定型自閉症を包含する)を包含する自閉症領域の障害。
ix)注意欠陥/多動性障害(混合型の注意欠陥/多動性障害(314.01)、主に不注意型の注意欠陥/多動性障害(314.00)、多動−衝動型の注意欠陥/多動性障害(314.01)および不特定の注意欠陥/多動性障害(314.9)サブタイプを包含する);多動障害;破壊的行動障害、例えば、行為障害(幼児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)および不特定発症型(312.89)を包含する)、反抗的行動障害(313.81)および不特定の破壊的行動障害;およびトゥーレット障害(307.23)などのチック障害。
x)妄想性人格障害(301.0)、統合失調症的人格障害(301.20)、統合失調症型人格障害(301,22)、非社会性人格障害(301.7)、境界性人格障害(301,83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301,81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および不特定の人格障害(301.9)サブタイプを包含する人格障害。
xi)性的欲求障害、例えば、性的欲求低下障害(302.71)および性的嫌悪障害(302.79);性的刺激障害、例えば、女性性的刺激障害(302.72)および男性勃起障害(302.72);オルガスム障害、例えば、女性オルガスム障害(302.73)、男性オルガスム障害(302.74)および早漏(302.75);性的疼痛障害、例えば、性交疼痛症(302.76)および膣痙(306.51);不特定の性的機能不全(302.70);性的倒錯、例えば、露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、摩擦愛好症(302.89)、ペドフィリア(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯性フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)および不特定の性的倒錯(302.9);性的自己同一性障害、例えば、子供の性的自己同一性障害(302.6)および青年または成人における性的自己同一性障害(302.85);および不特定の性的障害(302.9)を包含する性的機能不全。
xii)間欠性爆発性障害(312.34)、窃盗癖(312.32)、病的賭博(312.31)、放火狂(312.33)、抜毛癖(312.39)、不特定の衝動調節障害(312.3)、過食症、衝動買い、強迫的性行動および強迫的貯蔵を包含する衝動調節障害。
別の実施態様において、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在しうる疾患および病態は、うつ病または気分障害である。
別の実施態様において、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在しうる疾患および病態は、物質関連障害である。
さらなる実施態様において、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在しうる疾患および病態は、双極性障害(双極性I型障害および双極性II型障害(すなわち、軽躁エピソードを伴う再発性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および不特定の双極性障害(296.80))を包含する)である。
またさらなる実施態様において、電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在しうる疾患および病態は、ニコチン関連障害、例えば、ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および不特定のニコチン関連障害(292.9)である。
一の実施態様において、本発明の化合物は、鎮痛剤として有用でありうる。例えば、それらは、慢性炎症性疼痛(例えば、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎に関連する疼痛);筋骨格痛;腰痛および頸痛;捻挫および緊張;ニューロパシー痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌および線維筋痛に関連した疼痛;偏頭痛に関連した疼痛;インフルエンザまたは他のウイルス感染、例えば、感冒に関連した疼痛;リウマチ熱;機能的腸障害、例えば、非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群に関連した疼痛;心筋虚血に関連した疼痛;術後疼痛;頭痛;歯痛;および月経困難症の治療において有用でありうる。
本発明の化合物は、ニューロパシー痛の治療において有用でありうる。ニューロパシー痛症候群は、ニューロン傷害に続いて発症し、その結果生じる疼痛は何ヶ月または何年もの間、元々の傷害が治癒した後であっても持続しうる。ニューロン傷害は、末梢神経、後根、脊髄、または脳における特定領域において起こりうる。ニューロパシー痛症候群は、伝統的には、それらを引き起こした疾患または事象にしたがって分類される。ニューロパシー痛症候群は:糖尿病性ニューロパシー;座骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症疼痛;線維筋痛;HIV−関連ニューロパシー;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;および物理的外傷、切断、癌、毒または慢性炎症状態に起因する疼痛を包含する。これらの症状は治療が困難であり、限られた効力を有するいくつかの薬物が知られているが、完全な疼痛抑制はめったに達成されない。ニューロパシー痛の徴候は、信じられないほど不均一であり、しばしば、自発的な撃つような痛みおよび刺すような痛み、または進行中の焼けているような痛みとして描写される。さらに、「しびれ(pins and needles)」のような普通は痛みのない感覚に付随する疼痛(感覚異常および知覚不全)、触感に対する感受性増加(知覚過敏症)、無害の刺激後の痛みのある感覚(動的、静的または温度による異疼痛)、有害な刺激に対する感受性増加(温度、冷気、機械的痛覚過敏)、刺激の除去後に持続する疼痛感覚(痛覚過敏)または選択的知覚経路の不在もしくは該経路における欠損(痛覚不全)がある。
本発明の化合物は、また、炎症障害の緩和、例えば、皮膚の状態(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);眼病;肺障害(例えば、喘息、気管支炎、気腫、アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、咳、呼吸障害症候群、鳩飼病、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD));胃腸管障害(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、局所性回腸炎、過敏性大腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸逆流疾患);炎症性成分を伴う他の症状、例えば、偏頭痛、多発性硬化症、心筋虚血の治療において有用でありうる。
本発明の化合物は、また、抗痙攣剤での治療および/または予防が可能な障害、例えば、外傷後てんかんを包含するてんかん、強迫障害(OCD)、睡眠障害(概日リズム障害、不眠およびナルコレプシーを包含する)、チック(例えば、ジル・ドラ・トゥレット症候群)、運動失調、筋肉固縮(痙性)、および顎関節機能不全の治療および/または予防において有用でありうる。
本発明の化合物は、また、膀胱炎症後の膀胱反射過敏の治療において有用でありうる。
本発明の化合物は、また、認知症、特に神経変性認知症(老年性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏症、パーキンソン防およびクロイツフェルト・ヤコブ病、運動ニューロン疾患を包含する)などの神経変性疾患および神経変性の治療において有用でありうる。該化合物は、また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および神経炎症の治療に有用でありうる。
本発明の化合物は、また、神経保護に有用であり、また、卒中、心臓停止、肺バイパス、外傷性脳傷害、脊髄傷害などの後の神経変性の治療において有用でありうる。
本発明の化合物は、また、耳鳴りの治療において有用であり、また、局所麻酔薬として有用でありうる。
本発明の化合物は、また、他の治療剤と組み合わせて使用されうる。本発明は、かくして、さらなる態様において、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体と、さらなる治療剤とを含む組み合わせを提供する。
本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体が同じ病態に対して活性な第2の薬剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の投与量は、該化合物を単独使用した場合と異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者に容易に明らかであろう。当然のことながら、治療における使用に必要とされる本発明の化合物の量は、治療される疾患の性質ならびに患者の年齢および状態によって変化し、結局、担当の内科医または獣医師の裁量による。本発明の化合物は、他の抗血栓薬、例えば、トロンビン阻害剤、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、プロスタサイクリン模倣物、ホスホジエステラーゼ阻害剤、フィブリノゲンアンタゴニスト、血栓溶解薬、例えば、組織プラミノーゲン活性化剤およびストレプトキナーゼ、非ステロイド性抗炎症薬、例えば、アスピリンなどと組み合わせて使用してもよい。
上記の組み合わせは、好都合には、医薬処方の形態で使用するために提供され、上記の組み合わせと医薬上許容される担体または賦形剤とを含んでなるこのような医薬処方は、本発明のさらなる態様を形成する。かかる組み合わせの個々の成分は、いずれかの都合のよい経路によって、別々または組み合わせた医薬処方において連続的または同時に投与すればよい。
連続投与の場合、本発明の化合物または第2の治療剤のいずれかを最初に投与すればよい。同時投与の場合、該組み合わせは、同一の医薬組成物または異なる医薬組成物のいずれかにおいて投与すればよい。
同一処方において組み合わせる場合、当然のことながら、2つの化合物は安定であり、かつ、互いに、および処方中の他の成分と適合性でなければならない。別々に処方する場合、それらは、いずれかの好都合な処方において、好都合には、当該分野においてかかる化合物のために知られているような方法で提供すればよい。
本発明の化合物は、下記の薬剤との組み合わせにおいて、精神障害の治療または予防のために使用されうる。i)抗精神病薬;ii)錐体外路副作用のための薬剤、例えば、抗コリン作用薬(例えば、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジンおよびトリヘキシフェニジル)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン)およびドーパミン作用薬(例えば、アマンタジン);iii)抗うつ剤;iv)不安緩下剤;およびv)認知強化剤、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、タクリン、ドネペジル、リバスチグミンおよびガランタミン)。
本発明の化合物は、うつ病および気分障害の治療または予防のために抗うつ剤と組み合わせて使用されうる。
本発明の化合物は、双極性疾患の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)気分安定化剤;ii)抗精神病薬;およびiii)抗うつ剤。
本発明の化合物は、不安障害の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)不安緩下剤;およびii)抗うつ剤。
本発明の化合物は、ニコチン離脱を改善するため、およびニコチン渇望を減少するために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)ニコチン置換療法、例えば、ニコチンベータ−シクロデキストリンの舌下処方およびニコチンパッチ;およびii)ブプロピオン。
本発明の化合物は、アルコール離脱を改善するため、およびアルコール渇望を減少するために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、アカムプロセート;ii)GABA受容体アゴニスト、例えば、テトラバマート;およびiii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン。
本発明の化合物は、アヘン剤離脱を改善するため、およびアヘン剤渇望を減少するために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)オピオイドミュー受容体アゴニスト/オピオイドカッパ受容体アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン;ii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン;およびiii)血管拡張性抗高血圧剤、例えば、ロフェキシジン。
本発明の化合物は、睡眠障害の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)ベンゾジアゼピン、例えば、テマゼパム、ロルメタゼパム、エスタゾラムおよびトリアゾラム;ii)非ベンゾジアゼピン睡眠薬、例えば、ゾルピデム、ゾピクロン、ザレプロン、およびインジプロン;iii)バルビツール剤、例えば、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、およびフェノバルビタール;iv)抗うつ剤;v)他の鎮静−睡眠薬、例えば、抱水クロラールおよびクロルメチアゾール。
本発明の化合物は、食欲不振の治療のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)食欲刺激薬、例えば、シプロヘプチジン;ii)抗うつ剤;iii)抗精神病薬;iv)亜鉛;およびv)月経前用の薬、例えば、ピリドキシンおよびプロゲステロン。
本発明の化合物は、病的飢餓の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)抗うつ剤;ii)オピオイド受容体アンタゴニスト;iii)制吐剤、例えば、オンダンセトロン;iv)テストステロン受容体アンタゴニスト、例えば、フルタミド;v)気分安定化剤;vi)亜鉛;およびvii)月経前用の薬。
本発明の化合物は、自閉症の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)抗精神病薬;ii)抗うつ剤;iii)不安緩下剤;およびiv)刺激剤、例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン処方およびペモリン。
本発明の化合物は、ADHDの治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)刺激剤、例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン処方およびペモリン;およびii)非刺激剤、例えば、ノルエピネフリン再取込阻害剤(例えば、アトモキセチン)、アルファ2アドレノセプターアゴニスト(例えば、クロニジン)、抗うつ剤、モダフィニル、およびコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ガランタミンおよびドネゼピル)。
本発明の化合物は、人格障害の治療のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)抗精神病薬;ii)抗うつ剤;iii)気分安定化剤;およびiv)不安緩下剤。
本発明の化合物は、男性性的機能不全の治療または予防のために下記の薬剤と組み合わせて使用されうる。i)ホスホジエステラーゼV阻害剤、例えば、バルデナフィルおよびシルデナフィル;ii)ドーパミンアゴニスト/ドーパミン輸送阻害剤、例えば、アポモルヒネおよびブプロプリオン;iii)アルファアドレノセプターアンタゴニスト、例えば、フェントラミン;iv)プロスタグランジンアゴニスト、例えば、アルプロスタジル;v)テストステロンアゴニスト、例えば、テストステロン;vi)セロトニン輸送阻害剤、例えば、セロトニン再取込阻害剤;v)ノルアドレナリン輸送阻害剤、例えば、レボキセチン;およびvii)5−HT1Aアゴニスト、例えば、フリバンセリン。
本発明の化合物は、女性性的機能不全の治療または予防のために、男性性的機能不全治療または予防のために明記したのと同じ薬剤と、さらに、エストロゲンアゴニスト、例えば、エストラジオールと組み合わせて使用されうる。
抗精神病薬は、典型的な抗精神病薬(例えば、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフルオペラジン、チオチキシン、ハロペリドール、モリンドンおよびロキサピン);および非定型抗精神病薬(例えば、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピラゾール、ジプラシドンおよびアミスルプリド)を包含する。
抗うつ剤は、セロトニン再取込阻害剤(例えば、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリン);セロトニン/ノルアドレナリン二重再取込阻害剤(例えば、ベンラファキシン、ジュロキセチンおよびミルナシプラン);ノルアドレナリン再取込阻害剤(例えば、レボキセチン);三環式抗うつ剤(例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキシアジド、モクロベミド、フェネルジンおよびトラニルシプロミン);およびその他の薬剤(例えば、ブプロピオン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドン)を包含する。
気分安定化剤は、リチウム、ナトリウムバルプロエート/バルプロン酸/ジバルプロエックス、カルバムアゼピン、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラマート、およびチアガビンを包含する。
不安緩下剤は、ベンゾジアゼピン類、例えば、アルプラゾラムおよびロラゼパムを包含する。
当然のことながら、本発明では、「治療」なる語は、予防、再発予防および症状(軽度、中程度または重篤のいずれも)の抑制または緩和ならびに確立された病状の治療にまで及ぶ。
本発明の化合物は、そのままの化学物質として投与してもよいが、好ましくは、活性成分を医薬処方として提供する。
さらなる態様によると、本発明は、本発明の化合物を1以上の医薬上許容される担体、希釈剤および/または賦形剤と共に含んでなる医薬組成物を提供する。担体、希釈剤および/または賦形剤は、該組成物の他の成分と適合性であって、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容」されなければならない。
本発明の化合物は、当該分野でよく知られた従来の方法にしたがって、本発明の化合物を標準的な医薬担体または希釈剤と組み合わせることによって調製された従来の投与形において投与されうる。これらの方法は、成分を適宜、混合、造粒および圧縮または溶解して所望の製剤にすることを含みうる。
本発明の医薬組成物は、いずれかの経路による投与用に処方されていてもよく、ヒトを包含する哺乳動物に対する経口、局所または非経口投与に適応した形態のものを包含する。
該組成物は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、クリームまたは液体製剤、例えば、経口または滅菌非経口溶液もしくは懸濁液の形態であってもよい。
本発明の局所処方は、例えば、軟膏、クリームまたはローション、目用軟膏および点眼剤または点耳剤、含浸包帯およびエーロゾルとして提供されてもよく、適当な従来の添加剤、例えば、保存料、薬物浸透を補助するための溶剤および軟膏およびクリームにおける皮膚軟化剤を含有していてもよい。
該処方は、また、適合性の従来の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤およびローションのためのエタノールまたはオレイルアルコールを含有していてもよい。かかる担体は、処方の約1%〜約98%配合されてもよい。より普通には、それらは処方の約80%までを形成する。
経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位投与提供形態であってもよく、従来の賦形剤、例えば、結合剤、例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴム、またはポリビニルピロリドン、増量剤、例えば、ラクトース、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン、錠剤滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ、崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン、または許容される湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含有していてもよい。錠剤は、通常の製薬習慣においてよく知られた方法にしたがって、被覆されていてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、または使用前に水または他の適当なビヒクルで復元するための乾燥品として提供されてもよい。かかる液体製剤は、従来の添加剤、例えば、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素添加食用油脂、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアラビアゴム、非水性ビヒクル(食用油を包含しうる)、例えば、アーモンド油、グリセリンなどの油性エステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール、保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルあるいはソルビン酸、および所望により、従来のフレーバー剤または着色料を含有していてもよい。
座剤は、従来の座剤基材、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドを含有する。
非経口投与の場合、該化合物および滅菌ビヒクル(好ましくは水)を用いて、流体単位投与形態が調製される。該化合物は、使用されるビヒクルおよび濃度にもよるが、ビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液の調製の場合、該化合物を注射用水に溶解し、濾過滅菌後に、適当なバイアルまたはアンプル中に充填し、密封することができる。
有利には、局所麻酔剤、保存料および緩衝化剤などの剤をビヒクル中に溶解することができる。安定性を向上させるために、該組成物をバイアル充填後に冷凍し、真空下で水分を除去することができる。該凍結乾燥粉末を次いで、バイアル中に密封し、使用前に液体に復元するために、バイアルに添付する注射用水を提供してもよい。非経口懸濁液は、化合物をビヒクル中に溶解する代わりに懸濁し、濾過によって滅菌できないことを除き、実質的に同じ方法で調製される。該化合物は、エチレンオキシドに曝露することによって滅菌することができ、その後、滅菌したビヒクル中に懸濁する。有利には、化合物の均一な分布を容易にするために、界面活性剤または湿潤剤が組成物中に含まれる。
該組成物は、投与方法にもよるが、0.1重量%、好ましくは10−60重量%の活性材料を含有しうる。該組成物が投与単位からなる場合、各単位は、例えば、5〜1000mgの活性成分を含有する。成人の治療に用いられる場合、投与量は、投与経路および頻度にもよるが、10〜3000mg/日であってもよい。経口投与の場合、典型的な投与量は、50〜1500mg/日、例えば、120〜1000mg/日でありうる。
当業者には、本発明の化合物の最適量および個々の投与の間隔が治療されている病態の性質および程度、投与形態、経路および部位、および治療されている特定の哺乳動物によって決定され、かかる最適条件が従来の技術によって決定できることが理解されよう。また、最適な治療方針、すなわち、所定の日数の間に1日に与えられる本発明の化合物の投与回数は、治療決定試験の通常の方針を用いて当業者が確定できることは、当業者に明らかであろう。
限定するものではないが、本明細書中に引用される特許および特許出願を包含する全ての出版物は、あたかも個々の出版物が出典明示により本明細書の一部とされることが詳細かつ個別に示されているかの如く、出典明示により、本明細書の一部とされる。
本発明が下記のさらなる態様を包含することは明らかである。第一の態様に関して記載される実施態様は、同様に、これらのさらなる態様に適用される。上記の疾患および病態は、適宜、これらのさらなる態様に及ぶ。
i)電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患または病態の治療または予防において有用な本発明の化合物。
ii)有効量の本発明の化合物を投与することを特徴とする、哺乳動物における電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患または病態の治療または予防方法。
iii)電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患または病態を治療または予防するための医薬の製造における本発明の化合物の使用。
iv)電位依存性ナトリウムチャネルの調節が介在する疾患または病態を治療または予防するための本発明の化合物の使用。
本発明は、下記の実施例によって説明される。
下記の方法において、典型的には、各出発物質の後ろに数字による記載例または実施例への言及が提供される。これは単に、当該分野の化学者を手助けするために提供されるにすぎない。出発物質は、必ずしも、記載のバッチから調製されなくてもよい。
以下に記載する実施例に記載の化合物は、全て、第一工程として、立体化学的に純粋な5−オキソ−L−プロリン酸メチルまたは5−オキソ−D−プロリン酸エチル、例えば、99%eeから調製された。記載例および実施例の化合物の立体化学は、5−オキソ−プロリナートの純粋な配置がその後に続く反応条件を通して維持されると仮定して決定された。
「同様の」製法の使用に言及する場合、当業者に明らかなように、かかる方法は、少しの変更、例えば、反応温度、試薬/溶媒量、反応時間、後処理条件またはクロマトグラフィー精製条件の変更を含んでいてもよい。
下記に示すように、2位の立体中心の絶対配置は、5位の絶対配置に対して該立体中心の相対的立体化学を決定することによって、NOE 1H NMR実験に基づいて決定された。
化合物は、ACD/Name PRO 6.02化学命名ソフトウェア(Advanced Chemistry Development Inc., Toronto, Ontario, M5H2L3, Canada)を用いて命名される。
プロトン磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian装置において300、400または500MHzにて、またはBruker装置において300MHzおよび400MHzにて記録される。化学シフトは、内部標準として残留溶媒ラインを用いて、ppm(δ)で報告される。分離パターンは、s シングレット;d ダブレット;t トリプレット;q カルテット;m マルチプレット;b 幅広として示される。NMRスペクトルは、25〜90℃で記録した。1以上の配座異性体が検出された場合、最も豊富な1つについての化学シフトを報告する。
Rt(HPLC):x分によって示されるHPLC分析は、Agilent 1100シリーズ装置にて、Luna 3u C18(2)100A(50x2.0mm)カラム(移動相:100%[水+0.05%TFA]〜95%[アセトニトリル+0.05%TFA]を8分、流量=1ml/分、検出波長220nm)を用いて実施された。
質量スペクトル(MS)は、典型的には、ES(+)およびES(−)イオン化モードにおいて操作する4 II三連四重極質量分析計(Micromass UK)またはAgilent MSD1100質量分析計において、またはHPLC装置Agilent1100シリーズと一体となったES(+)およびES(−)イオン化モードにおいて操作するAgilent LC/MSD1100質量分析計において行われる。LC/MS−ES(+):分析はSupelcosil ABZ +Plus(33x4.6mm,3μm)において行う(移動相:100%[水+0.1%HCO2H]1分間、次いで、100%[水+0.1%HCO2H]〜5%[水+0.1%HCO2H]および95%[CH3CN]5分、最後に、これらの条件下で2分間;T=40℃;流量=1mL/分)。LC/MS−ES(−):分析はSupelcosil ABZ +Plus(33x4.6mm,3μm)において行う(移動相:100%[水+0.05%NH3]1分間、次いで、100%[水+0.05%NH3]〜5%[水+0.05%NH3]および95%[CH3CN]5分、最後に、これらの条件下で2分間;T=40℃;流量=1mL/分)。質量スペクトルにおいて、分子イオンクラスターにおける唯一のピークが報告される。
ピークに付随するMSおよびUVスペクトルと一緒の全イオン電流(TIC)およびDAD UVクロマトグラフィートーレスはまた、典型的には、2996 PDA検出器が装備されているUPLC/MS AcquityTMシステム上で処理され、正または負のエレクトロスプレーイオン化モードで作動するWaters製Micromass ZQTM質量分析計に接続している。[LC/MS−ES(+/−):AcquityTM UPLC BEH C18カラム(50x21mm、粒径1.7μm)、カラム温度40℃(移動相:A−水+0.1%HCOOH/B−MeCN+0.075%HCOOH、流速:1.0mL/分、勾配:t=0分 3%B、t=0.05分 6%B、t=0.57分 70%B、t=1.4分 99%B、t=1.45分 3%B)を用いて解析を行った]。該方法の利用は、記載の化合物の分析評価における「UPLC」によって示される。
マイクロ波照射に関する反応について、Personal Chemistry EmrysTM Optimizerを用いた。
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、典型的に、シリカゲル230−400メッシュ(供給元Merck AG Darmstadt, Germany)において、またはVarian Mega Be−Siプレパックカートリッジ、もしくはプレパックBiotageシリカカートリッジ上で行われる。
SPE−SCXカートリッジは、Varianによって供給されるイオン交換固相抽出カラムである。SPE−SCXカートリッジで用いられる溶出液は、メタノール、次いで、メタノール中における2Nアンモニア溶液である。
製法のいくつかにおいて、Biotageマニュアルフラッシュクロマトグラフィー(Flash+)または自動フラッシュクロマトグラフィー(Horizon)システムを用いる精製が行われた。これらの装置の全ては、Biotageシリカカートリッジと共に使用される。
SPE−Siカートリッジは、Varianによって供給されるシリカ固相抽出カラムである。
使用された温度、濃度および装置などの種々の因子にしたがって、スペクトルおよび回折データが非常にわずかに変化することは理解されよう。当業者は、XRPDピーク位置が試料の高さの違いによって影響されることを理解するであろう。本明細書に示されたピーク位置は、かくして、+/−0.15度2−シータの偏差を有する。
X線粉末回折
X線粉末回折(XRPD)分析は、Sol−X検出器を用いてBruker D5005にて行った。取得条件は、照射:Cu Kα、発生器電圧:40kV、発生器電流:50mA、出発角度:2.0°2θ、終止角度:45.0°2θ、ステップサイズ:0.02°2θ、ステップ毎の時間:1秒であった。試料は、ゼロバックグラウンドサンプルホルダーにおいて調製された。
示差走査熱量測定法(DSC)
測定される吸熱ピークが、使用される機械、加熱速度、較正基準、湿度および使用される試料の純度を包含する多くの因子に依存することは、理解されるものである。
実験において報告される融点は、DSC分析の間に記録された吸熱ピークの開始に基づいて概算される。
下記の表には、使用される略語を挙げる。
AcCl 塩化アセチル
DCM ジクロロメタン
DMAP ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
HMDS 1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン
LiHMDS リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N,N’,N’−テトラ
メチルウロニウム テトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
MTBE メチル−t−ブチル−エーテル
EtOAc 酢酸エチル
NMO N−メチル−モルホリン−N−オキシド
Et2O ジエチルエーテル
IPA イソプロピルアルコール
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
記載例1:(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジン−ジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D1)
商業的に入手可能な5−オキソ−L−プロリン酸メチル(Sigma Aldrich Ltd.)(20g、140mmol)のDCM(200ml)中溶液に、TEA(19.6ml、140mmol)、4−DMAP(17.2g、140mmol)を加え、最後に、ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(61g、280mmol)のDCM(100ml)中溶液を滴下した。得られた赤色混合物を、2時間室温で攪拌した。反応終了後、TLCによって示されるように、溶媒を真空中で除去し、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3〜4:6)で溶出しながら粗物質をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、(ヘキサン/ジエチルエーテル 1:1で磨砕した後)白色固体として標記化合物を得た(32.4g、96%);R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=65:35):0.21;
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm):4.62(dd,1H)、3.78(s,3H)、2.68−2.58(m,1H)、2.52−2.45(m,1H)、2.37−2.27(m,1H)、2.08−1.97(m,1H)、1.48(s, 9H)。
記載例2:(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}吉草酸メチル(D2)
窒素雰囲気下、−78℃で商業的に入手可能な(Sigma Aldrich Ltd.)1−ブロモ−4−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(390mg、1.48mmol)の乾THF(2ml)中溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン中1.6M溶液(0.88ml、1.4mmol)を滴下した。得られた懸濁液を、40分間−78℃で攪拌し、次いで、予め−78℃に冷却された(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D1、300mg、1.23mmol)の乾THF(2.4ml)中溶液に滴下した。混合物を、40分間−78℃および1時間−40℃で攪拌し、次いで、−40℃で飽和水性塩化アンモニウム溶液でクエンチした。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。次いで、有機相をブラインで洗浄し、(Na
2SO
4)で乾燥し、真空下で蒸発させ、粗物質を得、次いで、シクロヘキサン:酢酸エチル(95:5)で溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(170mg、32%);R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル 8:2):0.30;
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.95(d,2H)、7.50−7.33(m,5H)、7.03(d,2H)、5.20(bs,1H)、5.15(s,2H)、4.45−4.35(m,1H)、3.78(s,3H)、3.15−2.95(m,2H)、2.36−2.26(m,1H)、2.16−2.02(m,1H)、1.45(s,9H)。
記載例3:(2S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D3)
窒素雰囲気下、0℃で(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}吉草酸メチル(D2、323mg、0.75mmol)の乾DCM(4ml)中溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml)を滴下した。得られた淡いピンク色溶液を1時間かけて室温に加温し、次いで、真空下で蒸発させ、帯緑色油として標記化合物を得(D3、291mg、0.68mmol、91%)、さらに精製することなく次の工程に用いてもよい;MS:(ES/+)m/z:310[MH
+];C
19H
19NO
3の理論値309;R
t(HPLC):3.69分。
記載例4:(5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D4) 記載例5:(5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D5)
(2S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D3、13.7g、32.4mmol)のメタノール(200ml、6ml/mmolの基質)中溶液にPtO
2(240mg、7.4mg/mmolの基質)を加え、混合物を6時間水素下(2気圧)で攪拌した。次いで、触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、赤色油を得、酢酸エチルで溶解し、水性NaHCO
3で洗浄した。得られた粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1〜8:2)で溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た。D4 4.15g、13.3mmol、収率41%;R
t(HPLC):3.80分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3):0.18;MS:(ES/+)m/z:312[MH
+];C
19H
21NO
3の理論値311;
1H NMR(500MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.40(d,2H);7.35(t,2H);7.33(d,2H);7.29(t,1H);6.93(d,2H);5.03(s,2H);4.23(dd,1H);4.00(dd,1H);3.71−3.79(m,3H);2.18−2.30(m,1H);2.09−2.18(m,2H);1.67−1.78(m,1H);C2のプロトンとC5のプロトン間NOEを観察できた、D5,0.6g、1.9mmol、収率6%;R
t(HPLC):3.73分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3):0.32;MS:(ES/+)m/z:312[MH
+];C
19H
21NO
3の理論値311;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.40(d,2H);7.35(t,2H);7.29(d,2H);7.28(t,1H);6.91(d,2H);4.97−5.07(m,2H);4.29(dd,1H);4.09(dd,1H);3.71−3.75(m,3H);2.29−2.42(m,1H);2.09−2.20(m,1H);1.90−2.02(m,1H);1.69−1.82(m,1H);C2のプロトンとC5のプロトン間NOEは観察されなかった。
記載例6:(2S,5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D6)
(5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D4、2.6g、8.35mmol)のDCM(30ml)中溶液に、ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(2.0g、9.18mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、混合物を蒸発させ、残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1〜85:15)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色泡沫として標記化合物を得た(3.29g、96%);R
t(HPLC):6.55分;MS:(ES/+)m/z:434[M+Na+]、312[M−BOC];C
24H
29NO
5の理論値411;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.52−7.43(m,4H);7.43−7.37(m,2H);7.37−7.30(m,1H);6.96(d,2H);5.09および5.06(s,s,2H);4.99−4.93および4.52−4.44(m,m,1H);4.76−4.68および4.39−4.32(m,m,1H);3.82(s,3H);2.36−2.26(m,1H);2.26−2.15(m,1H);2.12−2.01(m,1H);2.01−1.88(m,1H);1.42および1.17(s,s,9H)。
記載例7:(2S,5R)−2−(メトキシカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D7)
−78℃で(2S,5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D6、1.52g、3.7mmol)の乾THF(27ml)中溶液に、LiHMDS(4.0ml、4.0mmol、THF中1M溶液)を加えた。混合物を−20℃に加温し、その温度で40分間攪拌した。次いで、混合物を、再度−78℃に冷却し、ヨウ化メチル(3.15g、22.1mmol)を加えた。混合物を、同温度でさらに30分間攪拌した。標準処理した後、有機相を蒸発させた。粗物質をシクロヘキサンおよび酢酸エチル(1:0〜9:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(1.23g、78%);R
t(HPLC):6.76分;MS:(ES/+)m/z:448[M+Na+];C
25H
31NO
5の理論値425;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.45−7.38(m,4H);7.35(t,2H);7.29(t,1H);6.90(d,2H);5.04および5.01(s,s,2H);4.98および4.79(d,d,1H);3.79(s,3H);2.50−2.35(m,1H);2.34−2.22(m,1H);1.87−1.73(m,2H);1.58および1.55(s,s,3H);1.37および1.09(s,s,9H)、メチル基とC5のプロトン間NOEを観察することができた。
記載例8:(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン(D8)
(2S,5R)−2−(
メトキシカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D7、0.977g、2.29mmol)およびLiOH.H
2O(192mg、4.59mmol、7mlH
2Oで溶解された)のメタノール(7ml)中溶液を、100℃で1時間マイクロ波シンセサイザー中にて加熱した。メタノールの蒸発後、水相を1M HClでpH3に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させ、標記化合物を得た(白色固体、880mg、93%);R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=6:4):0.24;R
t(HPLC):6.07分、MS:(ES/−)m/z:410[M−H];C
24H
29NO
5の理論値411;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):12.92−12.23(br.s,1H);7.48−7.40(m,4H);7.40−7.33(m,2H);7.31(t,1H);6.92(t,2H);5.08および5.06(s,s,2H);4.85および4.76(d,d,1H);2.48−2.34(m,1H);2.19−2.05(m,1H);1.81−1.72(m,1H);1.64−1.57(m,1H);1.46および1.43(s,s,3H);1.32および1.03(s,s,9H)。
記載例9:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D9)
(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン(D8、870mg、2.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.74ml、4.22mmol)およびTBTU(814mg、2.53mmol)の乾DMF(8ml)中溶液を、室温で15分間攪拌した。HMDS(0.70ml、3.17mmol)を加え、室温で一晩攪拌し続けた。混合物を0℃に冷却し、飽和水性NaHCO
3溶液を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、氷冷ブラインで3回洗浄した。有機層を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(7:3)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(857mg、99%);R
t(HPLC):5.85分;MS:(ES/+)m/z:433[M+Na
+];C
24H
30N
2O
4の理論値410;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=6:4):0.32。
記載例10:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D10)
(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D9、850mg、2.07mmol)のメタノール(10ml)中溶液に、10重量%Pd/C(85mg、10重量%)を加え、混合物を5時間、水素(1気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、白色固体として標記化合物を得た(D10、623mg、94%);R
t(HPLC):4.00分;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.16(s,1H)、7.28−7.42(m,1H)、7.16−7.26(m,2H)、7.02−7.14(m,1H)、6.59−6.68(m,2H)、4.56−4.85(m,1H)、2.07−2.41(m,2H)、1.52−1.77(m,2H)、1.51(s,3H)、1.31および1.05(s,s,9H)。
記載例11:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D11)
(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D10、300mg、0.936mmol)および炭酸カリウム(194mg、1.4mmol)のアセトニトリル(4ml)中溶液に、1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(Sigma Aldrich Ltd.)(170μl、1.4mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。反応を終了した後、TLCによって示されるように、酢酸エチルおよび水を加えた。次いで、有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(8:2〜7:3)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(306mg、72%);R
t(HPLC):5.88分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1):0.51;
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ(ppm):7.60−7.49(t,2H);7.46−7.32(m,2H);7.29−7.15(m,3H);7.13−7.02(m,1H);6.98−6.88(m,2H);5.11(s,2H);4.87−4.62(m,1H);2.41−2.16(m,2H);1.78−1.64(m,1H);1.64−1.56(m,1H);1.52(s,3H);1.32および1.03(s,s,9H)。
記載例12:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D12)
標記化合物を、1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼンを1−(ブロモメチル)−2−シアノベンゼンに置き換えて記載例11に示されるものと同様の製法を用いて調製した;R
t(HPLC):5.50分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3):0.07;MS:(ES/+)m/z:458[M+Na
+];C
25H
29N
3O
4の理論値435。
記載例13:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D13)
(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D10、60mg、0.187mmol)、2−フルオロベンゾニトリル(45mg、0.374mmol)および炭酸カリウム(39mg、0.280mmol)のDMF(2ml)中溶液を、マイクロ波照射下で30分間120℃に加熱した。水および酢酸エチルを混合物に加え、有機層を氷冷水で洗浄した。溶液を、(Na
2SO
4)で乾燥し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3〜6:4)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(78mg);R
t(HPLC):5.44分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1):0.21;MS:(ES/+)m/z:444[M+Na
+];C
24H
27N
3O
4の理論値421。
記載例14:(2R)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D14)
標記化合物を、商業的に入手可能な5−オキソ−D−プロリン酸エチル(12g、75.6mmol)から出発して記載例1に示されるものと同様の製法を用いて調製した;R
t(HPLC)3.94分;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):4.61(dd,1H);4.25(q,2H);2.58−2.69(m,1H);2.44−2.55(m,1H);2.26−2.38(m,1H);2.00−2.08(m,1H);1.50(s,9H);1.31(t,3H)。
記載例15:(2R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}吉草酸エチル(D15)
標記化合物を、(2R)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D14、10.5g、40.8mmol)および4−ヨードフェニル フェニルメチルエーテル(13.34g、43mmol)から出発して記載例2に示されるものと同様の製法を用いて調製した(2.9g、16%);Rt(HPLC):6.37分;MS:(ES/+)464m/z:[M+Na
+];C
25H
31NO
6の理論値441;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ(ppm):7.92(d,2H);7.29−7.45(m,5H);6.99(d,2H);5.18(bs,1H);5.12(s,2H);4.29−4.4(bm,1H);4.20(q,2H);2.94−3.16(m,2H);2.22−2.33(m,1H);2.00−2.15(m,1H);1.39(s,9H);1.28(t,3H)。
記載例16:(2R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸エチル(D16)
標記化合物を、(2R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}吉草酸エチル(D15、2.9g、6.57mmol)から出発して記載例3に示されるものと同様の製法を用いて調製した。粗物質を、次の工程で精製せずに用いうる;R
t(HPLC):3.80分;MS:(ES/+)324 m/z:[MH
+];C
20H
21NO
3の理論値323。
記載例17:(5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリン酸エチル(D17)
標記化合物を、記載例16から得られた粗物質を用いて記載例4に示されるものと同様の製法を用いて調製した(1.84g、2工程かけて86%);R
t(HPLC):4.03分;MS:(ES/+)m/z:326[MH
+];C
20H
23NO
3の理論値325;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.30−7.47(m,7H),6.96(d,2H),5.06(s,2H),4.23(q,2H),4.15(dd,1H),3.90(dd,1H),2.17−2.28(m,1H),2.07−2.17(m,2H),1.61−1.76(m,1H),1.31(t,3H)。
記載例18:(2R,5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D18)
標記化合物を、(5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリン酸エチル(D17、1.5g、4.61mmol)を用いて記載例6に示されるものと同様の製法を用いて調製した(1.85g、79%);R
t(HPLC):6.79分;MS:(ES/+)m/z:448[M+Na
+];C
25H
31NO
5の理論値425;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.47−7.52(m,2H);7.42−7.47(m,2H);7.36−7.42(m,2H);7.30−7.36(m,1H);6.95(d,2H);5.06,5.08(s,s,2H);4.40−4.52,4.91−5.00(m,m,1H);4.34,4.71(t,t,1H);4.21−4.31(m,2H);2.14−2.36(m,2H);1.87−2.13(m,2H);1.17,1.43(s,s,9H);1.30−1.39(m,3H)。
記載例19:(2R,5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D19)
標記化合物を、(2R,5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D18、850mg、2mmol)を用いて記載例7に示されるものと同様の製法を用いて調製した(375mg、43%);R
t(HPLC):6.99分;MS:(ES/+)m/z:462[M+Na
+];C
26H
33NO
5の理論値439;
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.28−7.52(br.m.,7H);6.89−6.97(br.m.,2H);4.80−5.10(m,3H);4.18−4.38(m,2H);2.38−2.52(br.m.,1H);2.25−2.37(br.m.,1H);1.76−1.90(br.m.,2H);1.54−1.63(m,3H);1.31−1.47(br.m.,9H);1.09−1.16(m,3H)。
記載例20:(5S)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリン(D20)
標記化合物を、(2R,5S)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル)2−エチル(D19、370mg、0.84mmol)を用いて記載例8に示されるものと同様の製法を用いて調製した(300mg、87%);R
t(HPLC):6.02分;MS:(ES/+)m/z:434[M+Na
+];C
24H
29NO
5の理論値411;
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):12.57(br.s.,1H);7.28−7.49(m,7H);6.89−6.97(m,2H);5.08,5.09(s,s,2H);4.77,4.87(d,d,1H);2.38−2.49(m,1H);2.07−2.21(m,1H);1.73−1.83(m,1H);1.60−1.73(m,1H);1.45,1.48(s,s,3H);1.05,1.34(s,s,9H)。
記載例21:(2R,5S)−2−(アミノカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D21)
標記化合物を、(5S)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−D−プロリン(D20、300mg、0.73mmol)を用いて記載例9に示されるものと同様の製法を用いて調製した(220mg、73%);R
t(HPLC):5.83分;MS:(ES/+)433 m/z:[M+Na
+];C
24H
30N
2O
4の理論値410;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3):0.23。
記載例22:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D22)
標記化合物を、(2R,5S)−2−(アミノカルボニル)−2−メチル−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D21、200mg、0.49mmol)を用いて記載例10に示されるものと同様の製法を用いて調製した(140mg、90%);R
t(HPLC):3.98分;MS:(ES/+)m/z:343[M+Na
+];C
17H
24N
2O
4の理論値320;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ ppm:9.16(s,1H),7.28−7.42(m,1H),7.16−7.26(m,2H),7.02−7.14(m,1H),6.57−6.71(m,2H),4.56−4.85(m,1H),2.07−2.41(m,2H),1.52−1.77(m,2H),1.44−1.57(m,3H),0.87−1.45(m,9H)。
記載例23:(2R,5S)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D23)
標記化合物を、(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D22、55mg、0.17mmol))および臭化2−フルオロベンジルから出発して記載例11に示されるものと同様の製法を用いて調製した(80mg);R
t(HPLC):5.87分;MS:(ES/+)451 m/z:[M+Na
+];C
24H
29FN
2O
4の理論値428。
記載例24:(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D24)
標記化合物を、粗(2S,5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D6、3.25g、7.89mmol)およびブロモアセトニトリル(3.3ml、40mlのTHF中47.38mmol)を用いて記載例7に示されるものと同様の製法を用いて調製した(2.71g、76%);R
t(HPLC):6.4分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3):0.40;MS:(ES/+)m/z:473[M+Na
+];C
26H
30N
2O
5の理論値450;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):7.46−7.24(m,7H);6.94(d,2H);5.11(s,2H);4.94−4.78(m,1H);3.78(s,3H);3.33(d,1H);3.22(d,1H);2.66−2.52(m,1H);2.42−2.29(m,1H);2.29−2.16(m,1H);1.92−1.77(m,1H);1.38−0.97(br.s,9H);芳香族プロトンとメチルエステル間NOEを観察できなかった。
記載例25:(2R,5R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D25)
(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D24、2.7g、5.99mmol)のメタノール(50ml)中溶液に、ラネーニッケル(水中スラリー)を加え、混合物を、14時間水素雰囲気(7気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、固体残渣をトルエン(3x20ml)で処理し、真空下で乾燥した。得られた乾燥白色固体を、環化が終わるまで5時間メタノール(40ml)中で還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、ジクロロメタン/メタノール(95:5〜90:10)を用いてシリカゲル上のクトマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(1.35g、68%);R
t(HPLC):3.91分;R
f(ジクロロメタン:メタノール=9:1):0.41;MS:(ES/+)m/z:665[2M+Na
+],355[M+Na
+];C
18H
24N
2O
4の理論値332;
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):9.11(s,1H);7.76および7.66(s,s,1H);7.43(dd,2H);6.66(dd,2H);4.81−4.70(m,1H);3.29−3.20(m,1H);3.19−3.09(m,1H);2.47−2.20(m,2H);2.08−1.85(m,2H);1.84−1.74(m,1H);1.68−1.52(m,1H);1.33および1.08(s,s,9H)。
記載例26:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D26)
方法a):
標記化合物を、(2R,5R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D25、850mg、2.55mmol)および臭化2−フルオロベンジル(0.5ml、3.83mmol)から出発して記載例11に示されるものと同様の製法を用いて調製した;R
f(HPLC):5.72分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=3:7):0.45;MS:(ES/+)m/z:463[M+Na
+]。C
25H
29FN
2O
4の理論値440;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.61(d,2H);7.56−7.49(m,1H);7.35−7.28(m,1H);7.20−7.13(m,1H);7.12−7.05(m,1H);7.00−6.94(dd,2H);5.64および5.61(s,s,1H);5.14および5.12(s,s,2H);5.08および4.88(d,d,1H);3.58−3.40(m,1H);3.38−3.24(m,1H);2.82−2.56(m,1H);2.43−2.21(m,2H);2.15−2.00(m,1H);1.95−1.75(m,2H),1.45および1.17(s,s,9H)。
方法b):
(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D85、51.3g)のMeOH(約500mL)中溶液に、CoCl2.6H2O(13.04g)を加えた。得られた紫色溶液に、三回分のNaBH4(各々、8.29g、8.29gおよび4.145g;発熱付加)を30分ごとに滴下した。反応混合物を常温に冷却し、濾過し、得られた溶液を、一晩加熱還流した。次いで、混合物を冷却し、濾過した。NH4Cl飽和溶液(513mL)を加え、MeOHを真空中で蒸発させた。水相を、EtOAc(2x500mL)で抽出し、合した有機相を蒸発乾固し、粗物質を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(1:1、4:6、3:7)を用いてシリカゲルパッド上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(22.1g)。
1HNMR(400MHz,CHCl3−d) δ (ppm):7.61(m,2H),7.53(m,1H),7.31(m,1H),7.16(m,1H),7.09(m,1H),6.97(m,2H),5.58(s,1H),5.14(m,2H),5.04−4.86(m,1H),3.58−3.42(m,1H),3.32(m,1H),2.80−2.58(m,1H),2.32(m,2H),2.07(m,1H),1.93−1.78(m,2H),1.45(s,3H),1.17(s,6H)。
記載例27:(2R,5R)−2−(4−{[(2−シアノフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D27)
標記化合物(102mg、90%)を、(2R,5R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D25、84mg、0.252mmol)および臭化2−シアノベンジル(74mg、1.5当量)から出発して記載例11に示されるものと同様の製法を用いて調製した;R
t(HPLC):5.37分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1):0.07;MS:(ES/+)m/z:470[M+Na
+]。C
26H
29N
3O
4の理論値447。
記載例28:(2R,5R)−2−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28)
(2R,5R)−2−{4−[(2−シアノフェニル)オキシ]フェニル}−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D28、58mg、66%)を、(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D25、66mg、0.198mmol)および2−フルオロ−ベンゾニトリルを用いて記載例13に示されるものと同様の製法を用いて合成した;R
t(HPLC):5.34分;MS:(ES/+)m/z:456[M+Na
+];C
25H
27N
3O
4の理論値433。
記載例29:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)
0℃で(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D26)(70mg、0.159mmol)の乾DMF(1ml)中溶液に、NaHの鉱油中60重量%分散液(10mg、0.238mmol)を加え、室温での15分間の攪拌後、ヨードメタン(30μl、0.477mmol)を加え、得られた混合物を、室温で2.5時間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、水(4ml)および酢酸エチル(10ml)を加え、有機層を氷冷ブライン(3x10ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として
標記化合物を得た(63mg、88%);R
t(HPLC):5.99分;R
f(シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1):0.28;MS:(ES/+)m/z:477[M+Na
+];C
26H
31FN
2O
4の理論値454。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.66(d,2H);7.56−7.49(m,1H);7.35−7.25(m,1H);7.20−7.13(m,1H);7.12−7.04(m,1H);6.97(dd,2H);5.14および5.12(s,s,2H);5.02および4.88(d,d,1H);3.52−3.45および3.41−3.22(m,m,2H);2.96および2.92(s,s,3H);2.67−2.56および2.53−2.42(m,m,1H);2.40−2.22(m,2H);2.08−1.79(m,2H);1.77−1.68(m,1H),1.40および1.16(s,s,9H)。
記載例30:1−{[(4−ブロモフェニル)オキシ]メチル}−2−フルオロベンゼン 4−ブロモフェニル(2−フルオロフェニル)メチルエーテル(D30)
4−ブロモフェノール(1200g)をアセトン(15000mL)で溶解し、最初にK
2CO
3(1362g)を、次いで臭化ベンジル(1250g)を加えた。混合物を、約2時間還流した。次いで、反応混合物を、25℃で冷却し、濾過し、MTBE(2500mL)で洗浄した。有機溶液を、2500mLに濃縮し、10000mLのMTBEを加え、次いで、1MのNaOH(3500mL)、ブライン(3125mL)で洗浄し、濃縮乾固した。THF(6250mL)を加え、溶媒を減圧下で除去し、標記化合物を得た(1784g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):7.54(td,1H);7.46(d,2H);7.42(m,1H);7.23(m,2H);7.01(d,2H);5.13(s,2H)。
記載例31:(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−5−オキソ吉草酸メチル(D31)
室温でN
2下Mg(120g)の乾THF(800mL)中攪拌懸濁液に、I
2(0.4g)を加えた。混合物を、63±2℃の内部温度に加熱した。1−{[(4−ブロモフェニル)オキシ]メチル}−2−フルオロベンゼン 4−ブロモフェニル(2−フルオロフェニル)メチルエーテル(D30、924g)のTHF(2000mL)中溶液に、以下の製法にしたがって加えた:最初に分けた溶液(60mL)を加え、次いで、残存溶液(約2900mL)を加えた。添加終了後、反応物を、1時間還流温度で維持した。その後、反応物を室温に冷却した。(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(400g)のTHF(2000mL)中溶液を、−60℃で冷却した。上記のように予め調製した有機マグネシウム溶液を、(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルの溶液をゆっくりと加え、−60℃以下に内部温度を維持した。添加を3時間20分で終了した。有機マグネシウム溶液の添加を終了した後、反応物を1時間攪拌した。IPA(400mL)を溶液に滴下し、温度を−45℃以下に維持した。次いで、飽和NH
4Cl/飽和NaCl=2/1の溶液(1200mL)を、−45℃に温度を維持しながら加えた。水(800mL)を加え、黄色沈渣を溶解した。回収した有機物を、飽和13%NaCl(800mL)で洗浄し、濃縮乾固した。次いで、EtOAc(6000mL)を加え、溶液を減圧下で蒸発させ、水を除去した。残渣をEtOAc(約400mL)で一部溶解し、濾過によって単離されたクロップを得た(273g)。溶液を濃縮乾固した;EtOAc(約200mL)およびシクロヘキサン(約400mL)を加え、濾過された懸濁液を得、第二のクロップを得た(66g)。
1H NMR(600MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):7.93(d,2H);7.57(td,1H);7.44(m,1H);7.27(m,3H);7.14(d,2H);5.24(s,2H);4.04(m,1H);3.61(s,3H);3.03(m,2H);1.94(m,2H);1.38(s,9H)。
記載例32:(2S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D32)
0℃で、(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−5−オキソ吉草酸メチル(D31、339g)の乾DCM(3390mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)(640mL)を滴下した。混合物を室温に加温し、2時間攪拌した。溶媒および過剰のTFAを真空下で除去し、得られた暗色油をEtOAc(1700mL)でストリッピングし、高真空下で一晩置いた。標記化合物を赤色油として得た(818g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ(ppm):8.16(m,2H);7.60(td,1H);7.46(m,1H);7.34(m,2H);7.27(m,2H);5.32(s,2H);5.25(m,1H);3.77(s,3H);3.57(m,2H);2.60(m,1H);2.34(m,1H)。
記載例33:(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリン酸メチル(D33)
(2S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D32)を三群に分けた。最初の群の(2S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D32、10g)を、水素化反応器中にてEtOAc(100mL)で溶解した。Pt/C Degussa型F101 RA/W(5%のC担体Pt、水分含量約50%、0.7g)を加え、次いで、反応器を2気圧に加圧しながらH
2で充填した。攪拌器の電源を入れることによって反応を開始し、攪拌しながら約2時間静置した。反応器を通気し、使用済みの触媒をセライトに通して濾去し、EtOAc(2x50mL)で洗浄した。該溶液をNa
2CO
3の13w/w%溶液(50mL)で処理した。混合物を、少なくとも10分間攪拌し、次いで、相を分離した。水相を除去した。得られた溶液を濃縮乾固した(3.32g)。第二群の(2S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D32、300g)を、水素化反応器中にてEtOAc(3000mL)で溶解した。Pt/C Degussa型F101 RA/W(5%のC担体Pt、水分含量約50%, 21g)を加え、次いで、反応器を2気圧に加圧しながらH
2で充填した。攪拌器の電源を入れることによって反応を開始し、攪拌しながら約2時間静置した。反応器を通気し、使用済みの触媒をセライトに通して濾去し、EtOAc(2x900mL)で洗浄した。該溶液をNa
2CO
3の15w/w%溶液(1500mL)で処理した。混合物を少なくとも10分間攪拌し、次いで、相を分離した。水相を除去し、次いで、有機層を20w/w%NaCl(1500mL)で一回洗浄した。得られた溶液を濃縮乾固した(127g)。第三群の(2S)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D32、360g)を、水素化反応器中にてEtOAc(3600mL)で溶解した。Pt/C Degussa型F101 RA/W(5%のC担体Pt。水分含量約50%、25.2g)を加え、次いで、反応器を2気圧に加圧しながらH
2で充填した。攪拌器の電源を入れることによって反応を開始、攪拌しながら約1.5時間静置した。反応器を通気し、使用済みの触媒をセライトに通して濾去し、EtOAc(2x720mL)で洗浄した。該溶液を、Na
2CO
3の15w/w溶液(1800mL)で処理した。混合物を少なくとも10分間攪拌し、次いで、相を分離した。水相を除去し、次いで、有機層を20w/w%NaCl(1800mL)で一回洗浄した。得られた溶液を濃縮乾固した(141g)。3種の合した残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(6:4〜4:5)で溶出しながらフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(186.4g)。
1H NMR(600MHz,DMSO−d
6) δ(ppm):7.55(dt,1H);7.41(m,1H);7.34(m,2H);7.23(m,2H);6.97(m,2H);5.12(s,2H);4.09(dd,1H);3.83(dd,1H);3.66(s,3H);2.97(bs,1H);2.04(m,2H);1.94(m,1H);1.52(m,1H)。
記載例34:(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D34)
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリン酸メチル(D33、175g)をEtOAc(1000mL)で溶解し、0℃に冷却した。ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(127.5g)のEtOAc(750mL)中溶液を、約1時間滴下し、約0℃に温度を維持した。次いで、温度を25℃に増加させ、反応物を25℃で2時間攪拌した。28w/w%ラセミリンゴ酸(350mL)を加え、混合物を約10分間攪拌した。有機相を飽和NaHCO
3(700mL)で洗浄した。水性pHは約8であった。有機相を低量に濃縮し、次いで、シクロヘキサン(3x350mL)でストリッピングし、標記化合物を得た(240.8g)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ(ppm):7.54(m,1H);7.50(d,2H);7.33(m,1H);7.18(dt,1H);7.11(m,1H);6.98(d,2H);5.16(2s,2H);4.97−4.46(2bm,1H);4.73−4.37(2t,1H);3.83(s,3H);2.32(m,1H);2.21(m,1H);2.08(m,1H);1.96(m,1H);1.43−1.18(2bs,9H)。
記載例35:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−プロペン−1−イル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D35)
前述の粗(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D34)を二群に分けた。最初の群(100g)を乾THF(1000mL)で溶解し、次いで、臭化アリル(42.25g)を加え、最後に、混合物を−30℃に冷却した。1MのTHF中LiHMDS(439mL)を1.5時間滴下し、約−30℃に温度を維持した。水(100mL)を加え、温度を0℃にした。飽和NH
4Cl(500mL)を、次いで、水(400mL)およびEtOAc(500mL)を加えた。反応物を25℃に加温し、水層を除去した。有機層を約700mLに濃縮し、NaHCO
3飽和溶液(200mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、油として標記化合物を得た(119.8g)。第二群(135g)を同様に、乾THF(1350mL)、臭化アリル(57.04g)および1MのTHF中LiHMDS(471.5mL)を用いて反応させた。処理後、標記化合物を油として単離した(179g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.53(m,1H);7.39(m,3H);7.22(m,2H);6.95(m,2H);5.82(m,1H);5.12(m,4H);4.80−4.59(2m,1H);3.74−3.71(2s,3H);3.01−1.52(m,6H);1.29−0.98(2s,9H)。
記載例36:(2R,5R)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D36)
前工程(D35)から得られた2つに分離された群の(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−プロペン−1−イル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルで反応を行った。最初の群(119.8g)を、10/1のアセトン/水(1200mL)の混合物で溶解し、K
2OsO
4 .2H
2O(4.7g)を、次いで、数分後NMO(41.4g)を加えた。混合物を7.5時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(1200mL)で処理し、飽和NH
4Cl(1200mL)、次いで、飽和NaHCO
3(1200mL)で洗浄した。有機層をセライト/活性炭パッドに通して濾過し、低量に濃縮した。EtOAc(500mL)を加え、溶液をブライン(300mL)で洗浄し、有機物をNa
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固し、EtOAc(300mL)を加え、CUNOフィルターに通して濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。有機物を濃縮乾固し、標記化合物を得た(135g)。第二群(179g)を、10/1のアセトン/水(1800mL)の混合物で溶解した。K
2OsO
4 .2H
2O(5.5g)を、次いで、数分後NMO(56.8g)を加えた。混合物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物を、EtOAc(900mL)で処理し、飽和NH
4Cl(2x900mL)、次いで、飽和NaHCO
3(900mL)で洗浄した。有機層をセライトパッドに通して濾過し、低量に濃縮し、標記化合物を得た(250g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.54(m,1H);7.40(m,3H);7.22(m,2H);6.95(m,2H);5.11(m,2H);4.95−4.25(m,3H);3.70(bm,3H);3.50−3.10(m,3H);2.50−1.50(m,6H);1.30−0.95(4bs,9H)。
記載例37:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−オキソエチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D37)
製法1:前工程から得られた(D36)2つに分離された群の(2R,5R)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルで反応を行った。最初の群(135g)を10/1アセトン/水(2000mL)の混合物で溶解し、NaIO
4(74.54g)を加えた。溶液が褐色〜黄色になり、懸濁液を形成した。混合物を25℃で一晩攪拌した。さらに、NaIO
4(2x5.73g)を加え、さらに24時間攪拌した。EtOAc(1000mL)、次いで、水(1000mL)を加えた。混合した後、水相を除去した。有機相を黄色油に濃縮し、EtOAc(250mL)でストリッピングし、標記化合物を得た(109g)。第二群(250g)を10/1アセトン/水(1900mL)の混合物で溶解し、NaIO
4(106g)を加えた。溶液が褐色〜黄色になり、懸濁液を形成した。混合物を6時間攪拌し、次いで、さらにNaIO
4(8.15g)を加え、一晩攪拌した。EtOAc(1000mL)を、次いで、水(2000mL)を加えた。混合した後、水相を除去した。有機相を黄色油に濃縮し、EtOAc(300mL)でストリッピングし、標記化合物を得た(180g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):9.72(m,1H);7.56(m,1H);7.42(m,3H);7.24(m,2H);6.99(m,2H);5.14(m,2H);4.90−4.79(2m,1H);3.80−3.77(2s,3H);3.02(m,1H);2.83(m,1H);2.55−1.55(m,4H);1.32−1.03(2s,9H)。
D37はまた、下記の別の製法を介して得られた:
製法2:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−プロペン−1−イル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D35、15g)のメタノール(200ml)中溶液を−10℃に冷却した。オゾンガスを、2時間溶液に通して、次いで、混合物を0−5℃に加温した。硫化ジメチル(7.04ml)を加え、混合物を、0−5℃で1時間、次いで、室温で3時間攪拌した。次いで、混合物を35−50℃で真空下にて濃縮し、残渣を得た。これを水(45ml)で処理し、次いで、DCM(2x37.5ml)で抽出した。合した抽出物を、60−120メッシュのシリカゲル(45g、DCM(75ml)および10%シュウ酸(6ml)の混合物で4時間攪拌した。次いで、混合物を濾過し、DCM(75ml)で洗浄した。合した濾液を、水(75ml)および10%重炭酸ナトリウム(75ml)および水(75ml)で洗浄した。次いで、溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、次いで、真空下で乾燥し、帯褐色の黄色ペースト状物質として標記化合物を得た(12.7g)。
記載例38:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[2−(メチルアミノ)エチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D38)
前工程(D37、製法1)から得られた2つの分離された群の(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−オキソエチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルで反応を行った。最初の群(109g)をMeOH(440mL)で溶解し、MeNH
2のMeOH中2M溶液(347mL)を加えた。AcOH(11mL)を加えた。10分後、NaBH(OAc)
3(49g)を滴下した。より多くのNaBH(OAc)
3(14.7g)を25℃で加えた。反応混合物を、28%水性リンゴ酸(200mL)、次いで、AcOEt(1000mL)でクエンチした。K
2CO
3をpH約9まで加えた。有機相を濃縮乾固し、EtOAc(500mL)で再溶解し、20%クエン酸(4x300mL)で抽出した。合した水相をEtOAc(500mL)で処理し、固体K
2CO
3をpH約9まで加えた。相を分離し、有機相をNa
2SO
4下で乾燥し、蒸発乾固し、標記化合物を得た(80g)。第二群(180g)をMeOH(628mL)で溶解し、MeNH
2のMeOH中2M溶液(300mL)を加えた。AcOH(31mL)を加えた。NaBH(OAc)
3(78.8g)を、10分後0℃で滴下した。反応混合物を、飽和NH
4Cl(890mL)およびEtOAc(890mL)でクエンチした。相を分離し、水相をEtOAc(4x300mL)で抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮乾固し、EtOAc(500mL)で再溶解し、20%クエン酸(6x150mL)で抽出した。合した水相をEtOAc(600mL)で処理し、固体K
2CO
3をpH8/9まで加えた。相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固し、標記化合物を得た(78g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.55(m,1H);7.42(m,3H);7.25(m,2H);6.98(m,2H);5.14(m,2H);4.85−4.69(2m,1H);3.75−3.73(2s,3H);2.36(bs,3H);2.80−2.25(m,2H);2.20−2.00(m,3H);1.70(m,1H);1.32−1.00(2s,9H)。
記載例39:3−ブロモフェニル フェニルメチルエーテル(D39):
標記化合物を、3−ブロモフェノール(3g、17.3mmol)および臭化ベンジル(2.1ml)から出発して記載例54に示されるものと同様の製法にしたがって合成した(4.8g、定量的);R
t(HPLC):6.42分.
記載例40:(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}吉草酸メチル (D40):
標記化合物を、(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D1、3.69g、15.2mmol)および3−ブロモフェニル フェニルメチルエーテル(D39)から出発して記載例2に示されるものと同様の製法にしたがって合成した(420mg、6%);R
t(HPLC):6.2分。
記載例41:(2S)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D41):
標記化合物を、(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−オキソ−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]−フェニル}吉草酸メチル(D40、420mg、1mmol)から出発して記載例3に示されるものと同様の製法にしたがって合成した(666mg)。粗物質をさらに精製することなく次の工程に用いた。R
t(HPLC):3.99分。
記載例42:(5R)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D42):
標記化合物を、(2S)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D41、666mg)から記載例4に示されるものと同様の方法にしたがって合成した(270mg、87%)。R
t(HPLC):3.70分;MS:(ES/+)m/z:312[MH
+]、C
19H
21NO
3の理論値311;
1H NMR(400MHz,CHCl3−d) δ (ppm):7.41(d,2H);7.35(t,2H);7.26−7.32(m,1H);7.19−7.25(m,1H);7.09(t,1H);7.00(d,1H);6.84(dd,1H);5.04(s,2H);4.17(dd,1H);3.94(dd,1H);3.74(s,3H);2.01−2.24(m,3H);1.63−1.75(m,1H)。
記載例43:(2S,5R)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D43):
標記化合物を、(5R)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D42、1.66g、5.33mmol)から出発して記載例6に示されるものと同様の方法にしたがって合成した(2.6g、定量的)。粗物質をさらに精製することなく次の工程に用いた;R
t(HPLC):6.55分。
記載例44:(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D44)
−78℃で(2S,5R)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D43、1.93g、4.7mmol)の乾THF(20mL)中溶液に、LiHMDS(5.2mLのTHF中1M溶液、5.2mmol)を加えた。混合物を−30℃に加温し、該温度で30分間拡販した。次いで、黄色スラリーを−78℃に冷却し、ブロモアセトニトリル(2.2mL、30.9mmol)を加えた。反応混合物を1時間攪拌しておき、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。水層を酢酸エチルで抽出し、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(1.15g、54%);
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):回転異性体の2/1混合物;7.31−7.47(m,5H);7.22−7.28(m,2H);7.07−7.12(m,1H);6.85−6.91(m,1H);5.05−5.17(m,3H major+3H minor);4.94(bs,1H major);3.88(br.s,3H);3.79(br.s,1H minor);3.52(d,1H major);3.05−2.28(m,1H major+1H minor);2.62−2.77(m,1H);2.39−2.57(m,1H);2.23−2.33(m,1H);1.92−2.08(m,1H);1.44(s,9H minor);1.14(s,9H major)。
記載例45:(2R,5R)−2−(3−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D45)
(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−{3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D44、1.15g、2.55mmol)のメタノール(40mL)中溶液に、ラネーニッケル(水中スラリー、10g)を加え、混合物を、4時間水素雰囲気(7気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、固体残渣をトルエン(3x20mL)で処理し、真空下で乾燥した。得られた粗製油を、環化の終了が観察されるまで7時間メタノール(100mL)で還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、ジクロロメタン/メタノール(100:0〜95:5)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(0.41g、48%)。
記載例46:(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D46)
標記化合物を、記載例11に示されるものと同様の製法を用いて、(2R,5R)−2−(3−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D45、410mg、1.23mmol)および臭化2−フルオロベンジルから調製した(0.420g、78%)。
記載例47:(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D47)
0℃に冷却した(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D46、60mg、0.14mmol)のDMF(1mL)中溶液に、NaH(8mgの鉱油中60%分散液、0.20mmol)を一滴ずつ加えた。氷浴を取り除き、反応混合物を、15分間攪拌しておいた。ヨウ化メチル(25μL、0.41mmol)を混合物に加え、1時間後、反応物を水でクエンチした。水層を酢酸エチルで抽出し、(Na
2SO
4)で乾燥し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(70mg、定量的);R
t(HPLC):6.03分;MS:(ES/+)m/z:477[M+Na+];C
26H
31FN
2O
4の理論値454。
記載例48:(2R,5R)−2−[(2Z)−4−ブロモ−2−ブテン−1−イル]−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D48)
−78℃で(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D34、0.2g、0.47mmol)の乾THF(2mL)中溶液に、LiHMDS(0.51mLのTHF中1M溶液、0.51mmol)を加えた。混合物を−30℃に加温し、該温度で30分間攪拌した。黄色スラリーを−78℃に冷却し、(2Z)−1,4−ジブロモ−2−ブテン(0.30mL、2.81mmol)を加えた。反応混合物を、40分間攪拌しておき、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。水層を、酢酸エチルで抽出し、(Na
2SO
4)で乾燥し、蒸発した。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(101mg、38%);R
t(HPLC)7.42分。MS:(ES/+)m/z:462および464[MH
+−Boc];C
28H
33BrFNO
5の理論値562。
記載例49:(2R,5R)−2−(2−シアノエチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D49)
−78℃で(2S,5R)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D6、200mg、0.49mmol)の乾THF(2mL)中溶液に、LiHMDS(0.53mLのTHF中1M溶液、0.53mmol)を加えた。混合物を、−30℃に加温し、該温度で30分間攪拌した。次いで、黄色スラリーを−78℃に冷却し、ブロモプロピオニトリル(0.24mL、2.92mmol)を加えた。反応混合物を、2時間攪拌しておき、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。水層を酢酸エチルで抽出し、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(107mg、52%)。
記載例50:(5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン(D50)
(2R,5R)−2−(2−シアノエチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D49、215mg、0.46mmol)のメタノール(20mL)中溶液に、ラネーニッケル(水中スラリー、1スパーテル)を加え、混合物を、4.5時間水素雰囲気(6気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をトルエン(3x20mL)で処理し、真空下で乾燥した。粗製油をジクロロメタンで溶解し、得られた溶液を0℃に冷却し、TFA(0.2mL)を滴下した。室温で1時間後、溶媒を真空下で除去し、残渣を、SCXカラムおよびジクロロメタン/メタノール(95:5)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、ベンジル位のエピマーの66/33混合物として標記化合物を得た(22mg、19%)。R
t(HPLC)2.16分;MS:(ES/+)m/z:247[MH
+];C
14H
18N
2O
2の理論値246。
記載例51:(5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D51)
(5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン(D50、21mg、0.85mmol)のTHF(1mL)、5%NaHCO
3水性溶液(1mL)およびt−ブタノール(1mL)中溶液に、Boc
2O(372mg、1.70mmol)を加え、混合物を、室温で24時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、次いで、溶媒を除去し、粗製油を得、シクロヘキサン/酢酸エチル(100:0、95:5、90:10、80:20、50:50:0:100)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、ベンジル位のエピマーの80/20混合物として標記化合物を得た(20mg、68%)。R
t(HPLC)3.69分(マイナーエピマー)および4.14分(メジャーエピマー);LC−MS:(ES/+)R
t5.23分 m/z:693[二量体H
+]マイナー異性体;R
t5.97分 m/z:693[二量体H
+]メジャー異性体。
記載例52:(2R,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D52) 記載例53:(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D53)
標記化合物を、(5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D51)および臭化2−フルオロベンジルから出発して記載例11に示されるものと同様の製法を用いて調製した(D52:20mg、76%;D53:3mg、11%)。D52:R
t(HPLC)5.92分;MS:(ES/+)909[二量体H
+]。D53:R
t(HPLC)5.73分;MS:(ES/+)909[二量体H
+]。
記載例54:4−ブロモ−1−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−(メチルオキシ)ベンゼン(D54)
4−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェノール(3.0g、14.78mmol)、炭酸カリウム(2.99g、22.17mmol)および臭化2−フルオロベンジル(1.78ml、14.78mmol)のアセトニトリル(20ml)中溶液を、室温で一晩攪拌した。ジエチルエーテルを加えた。次いで、有機相を水および1MのNaOHで洗浄し、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させ、標記化合物を得た(4.388g、定量的)。Rt(HPLC):6.25分;1H−NMR(400MHz,DMSO−d6) δ(ppm):7.5(m,1H),7.4(m,1H),7.2(m,2H),7.1(s,1H),7.0(m,2H),5.1(s,2H),3.7(s,3H)。
記載例55:(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−5−オキソ吉草酸メチル(D55)
1,2−ジブロモエタン(106μL、232mg、1.233mmol)を、マグネシウム(300mg、12.33mmol)の乾THF(3mL)中懸濁液に加えた。次いで、4−ブロモ−1−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−(メチルオキシ)ベンゼン(D54、2.40g、8.22mmol)の乾THF(17ml)中溶液を滴下した。混合物を、1.5時間加熱還流した。グリニャール形成が、HPLC(Rt(HPLC、1−フルオロ−2−({[2−(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)ベンゼン):5.59分、Rt(HPLC、D54):6.24分)によって起こった。反応が中断すると、付加的な1,2−ジブロモエタン(0.1当量)を加えた。グリニャール形成が終了した後、混合物を、−65℃で(2S)−5−オキソ−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D1、1g、4.11mmol)の乾THF(20ml)中溶液に滴下した。−65℃で3.5時間攪拌し続けた。次いで、イソプロパノールおよびジエチルエーテルを加え、有機層を水性塩化アンモニウム溶液で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥し、蒸発させた。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(40%〜100%)勾配を用いてフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(900mg、46%)。MS:(ES/+)m/z:376[M−BOC
+]、C
25H
30FNO
7の理論値475;UPLC:0.84分、m/z:476[MH+]、
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ(ppm):7.6(m,2H),7.4(m,2H),7.3−7.2(m,4H),5.2(s,2H),4.1(m,1H),3.8(s,3H),3.6(s,3H),3.2−3.0(m,2H),2.1−2.0(m,1H),1.9(m,1H),1.4(s,9H)。
記載例56:(2S)−5−{4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸メチル(D56):
標記化合物を、(2S)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−メチルオキシ)フェニル]−5−オキソ吉草酸メチル(D55、900mg、1.892mmol)から出発して記載例32に示されるものと同様の製法にしたがって合成した。粗物質(1.6g)をさらに精製することなく次の工程に用いた。UPLC:Rt=0.60分、MS:(ES/+) 358 m/z:[MH
+]、C
20H
20FNO
4の理論値357。
記載例57:(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−L−プロリン酸メチル(D57):
(2
S)−5−{4−
{[(
2−フルオロフェニル
)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボン酸
メチル(D56、1.6g)およびPt/C Degussa型F101 RAW(5%のC担体Pt、水分含量約50%、80mg)の酢酸エチル(10ml)中懸濁液を、水素雰囲気(1気圧)下で2時間攪拌した。溶液をセライトに通して濾過し、蒸発させ、SCXカートリッジを用いて調製し、標記化合物を得た(605mg)。UPLC:Rt=0.56分、MS:(ES/+)m/z:360[MH+]、C
20H
22FNO
4の理論値359;
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.5(m,1H),7.4(m,1H),7.2(m,2H),7.1(s,1H),7.0(m,1H),6.9(m,1H),5.1(s,2H),4.1(m,1H),3.8(m,1H),3.7(s,3H),3.6(s,3H),3.0(bs,1H),2.1(m,2H),1.9(m,1H),1.5(m,1H)。
記載例58:(2S,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D58):
標記化合物(0.58g、89%)を、(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−L−プロリン酸メチル(D57、0.51g、1.42mmol)を用いて記載例6に示されるものと同様の製法にしたがって合成した。Rt(HPLC):6.35分;MS:(ES/+)m/z:482[M+Na] C
25H
30FNO
6の理論値459;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.51−7.60(m,1H),7.33−7.50(m,1H),7.25−7.32(m,1H),7.11−7.18(m,1H),7.03−7.11(m,1H),6.83−6.99(m,2H),5.21および5.23(s,s,2H),4.92−5.02および4.67−4.77(m,m,1H),4.42−4.52および4.30−4.40(m,m,1H),3.94(s,3H),3.81(s,3H),2.24−2.36(m,1H),2.14−2.24(m,1H),2.00−2.12(m,1H),1.85−2.00(m,1H),1.42および1.16(s,s,9H)。
記載例59:(2S,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D59)
標記化合物(0.16g、68%)を、(2S,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D58、0.23g、0.5mmol)を用いて記載例7に示されるものと同様の製法にしたがって合成した;R
t(HPLC):6.58分;MS:(ES/+)m/z:496[M+Na] C
26H
32FNO
6の理論値473。
記載例60:(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリン(D60)
(2S,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D59、160mg、0.34mmol)のMeOH(1ml)中溶液に、LiOH・H
2O(29mg、0.68mmol)のH
2O(0.5ml)中溶液を加え、混合物を、100℃で70分間マイクロ波シンセサイザーにて加熱した。メタノールの蒸発後、水相をクエン酸の溶液でpH3.5/4に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機相を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させ、標記化合物を得た(白色固体、150mg、97%);R
t(HPLC):5.89分。MS:(ES/−)m/z:482[M+Na] C
25H
30FNO
6の理論値459。
記載例61:(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D61)
(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリン(D60、150mg、0.33mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.115ml、0.66mmol)およびTBTU(116mg、0.36mmol)の乾DMF(5ml)中溶液を、室温で15分間攪拌した。HMDS(0.106ml、0.5mmol)を加え、室温で2時間攪拌し続けた。混合物を0℃に冷却し、飽和水性NaHCO
3溶液を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、氷冷ブラインで3回洗浄した。有機層を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をシクロヘキサンおよび酢酸エチル(8:2〜7:3)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(110mg、73%);R
t(HPLC):5.68分;MS:(ES/+)m/z:481[M+Na] C
25H
31FN
2O
5の理論値458。
記載例62:(2R,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D62)
−78℃で(2S,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D58、0.35g、0.76mmol)の乾THF(6ml)中溶液に、LiHMDS(0.80ml、0.80mmol、THF中1M溶液)を滴下した。混合物を、−40℃に加温し、該温度で40分間攪拌した。次いで、混合物を再度、−78℃に冷却し、ギ酸エチル(1.23ml、15.2mmol)を加えた。混合物を、同温度でさらに8時間攪拌しておいた。反応物をブラインでクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質を、0℃でMeOH(5ml)中に溶解し、NaBH
4(30mg、0.79mmol)を加えた。混合物を同温度で1時間攪拌した。反応物を、水性NaHCO
3の5%溶液でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させ、残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(9:1〜75:25)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(170mg、46%);R
t(HPLC):5.78分;MS:(ES/+)m/z:512[M+Na] C
26H
32FNO
7の理論値489。
記載例63:(2R,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D63)
0℃で(2R,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D62、170mg、0.35mmol)およびヨウ化メチル(44μl、0.70mmol)の乾DMF(2ml)中溶液に、NaH(鉱油中60%分散液)(21mg、0.52mmol)を加え、混合物を0℃〜室温で1.5時間攪拌した。反応物をブラインでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を氷冷ブラインで3回洗浄し、(Na
2SO
4)で乾燥し、蒸発させ、残渣をシクロヘキサン/酢酸エチル(1:0〜85:15)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(150mg、86%);R
t(HPLC):6.62分;MS:(ES/+)m/z:526[M+Na] C
27H
34FNO
7の理論値503。
記載例64:(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリン(D64)
標記化合物(白色固体、140mg、97%)を、(2R,5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D63、150mg、0.30mmol)を用いて記載例60に示される同様の製法によって調製した、R
t(HPLC):5.96分。MS:(ES/+)m/z:512[M+Na] C
26H
32FNO
7の理論値489。
記載例65:(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D65)
標記化合物(70mg、50%)を、(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリン(D64、140mg、0.29mmol)を用いて記載例61に示される同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):5.85分;MS:(ES/+)m/z:389[MH−Boc] C
26H
33FN
2O
6の理論値488。
記載例66:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D66)
標記化合物(930mg)を、上記のものと類似の製法で調製された、(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D34、0.80g、1.86mmol)を用いて記載例62に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):6.05分;MS:(ES/+)m/z:482[M+Na] C
25H
30FNO
6の理論値459。
記載例67:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D67)
0℃で(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D66、480mg、1.04mmol)およびヨウ化メチル(130μl、2mmol)の乾DMF(5ml)中溶液に、水素化ナトリウム(60mg、1.5mmol、鉱油中60%分散液)を加え、混合物を0℃〜室温で1.5時間攪拌した。第二群の(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D62、46mg、0.1mmol)を、乾DMF(0.5ml)で溶解し、ヨウ化メチルを加えた。混合物を0℃で冷却し、水素化ナトリウム(6mg, 0.15mmol、鉱油中60%分散液)を加え、混合物を0℃〜室温で1.5時間攪拌した。反応物をブライン/氷でクエンチし、2種の混合物を合し、酢酸エチルで抽出した。有機層を氷冷ブラインで3回洗浄し、(Na
2SO
4)で乾燥し、蒸発させ、無色油として標記化合物を得た(540mg);R
t(HPLC):6.89分;MS:(ES/+)m/z:496[M+Na] C
26H
32FNO
6の理論値473;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.48−7.59(m,1H);7.42−7.48(m,2H);7.28−7.36(m,1H);7.13−7.21(m,1H);7.03−7.13(m,1H);6.89−7.00(m,2H);5.13および5.16(s,s,2H);4.94−5.06および4.74−4.83(m,m,1H);4.09−4.19(m,1H);3.78−3.96(m,1H);3.83(s,3H);3.41(s,3H);2.44−2.70(m,1H);2.17−2.36(m,2H);1.69−1.87(m,1H);1.11および1.40(s,s,9H)。
記載例68:(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリン(D68)
標記化合物(白色固体、510mg、97%)を、(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D67、540mg、1.14mmol)を用いて記載例60に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):6.17分、MS:(ES/−)m/z:482[M+Na] C
25H
30FNO
6の理論値459;
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):12.57−12.98(br.s,1H);7.50−7.61(m,1H);7.34−7.49(m,3H);7.16−7.30(m,2H);6.88−7.01(m,2H);5.11および5.13(s,s,2H);4.63−4.72および4.78−4.86(m,m,1H);3.92および4.03(d,d,1H);3.65および3.72(d,d,1H);3.29(s,3H);2.35−2.46および2.53−2.60(m,m,1H);2.05−2.24(m,2H);1.49−1.71(m,1H);1.02および1.33(s,s,9H)。
記載例69:(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D69)
標記化合物(400mg、78%)を、(5R)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリン(D68、510mg、1.11mmol)を用いて記載例61に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):6.07分;MS:(ES/+)m/z:481[M+Na] C
25H
31FN
2O
5の理論値458。
記載例70:(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D70)
0℃で(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリン酸メチル(D33、2.5g、7.6mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(2ml、11.4mmol)の乾DCM(25ml)中溶液に、クロロギ酸ベンジル(1.3ml、9.1mmol)を滴下し、混合物を0℃〜室温で1時間攪拌した。混合物をクエン酸の20%溶液で、次いで、ブラインで洗浄した。有機層を(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(85:15)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(3.4g、97%)。;R
t(HPLC)6.56分;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.42−7.60(m,3H);7.29−7.42(m,3H);7.15−7.25(m,3H);7.06−7.15(m,1H);6.86−7.03(m,3H);5.10および5.15(s,s,2H);4.84−5.04(m,3H);4.48および4.55(m,m,1H);3.69および3.84(s,s,3H);2.27−2.39(m,1H);2.16−2.27(m,1H);2.03−2.16(m,1H);1.91−2.03(m,1H)。
記載例71:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D71)
標記化合物(1.19g、46%)を、(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D70、2.0g、4.31mmol)を用いて記載例62に示されるものと同様の製法で調製した。R
t(HPLC):6.06分;MS:(ES/+)m/z:494[MH]
+ C
28H
28FNO
6の理論値493。
記載例72:(2R,5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D72)
(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D71、200mg、0.4mmol)およびイミダゾール(60mg、0.88mmol)の乾DMF(1ml)中溶液に、塩化tert−ブチルジメチルシリルを加え、混合物を36時間攪拌した。反応物をブラインでクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を氷冷ブラインで洗浄し、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をシクロヘキサンおよび酢酸エチル(1:0〜9:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(180mg、74%);R
t(HPLC):8.50分;MS:(ES/+)m/z:608[MH]
+ C
34H
42FNO
6Siの理論値607。
記載例73:(5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−{[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}−L−プロリン(D73)
標記化合物(白色固体、120mg、67%)を、(2R,5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D72、180mg、0.3mmol)を用いて記載例60に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):7.98分、MS:(ES/+)m/z:594[MH]
+ C
33H
40FNO
6Siの理論値593。
記載例74:(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−ピロリジンカルボン酸フェニル メチル(D74):
標記化合物(85mg、70%)を、(5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−{[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}−L−プロリン(D73,120mg、0.20mmol)を用いて記載例61に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):7.82分;MS:(ES/+)m/z:593[MH]+ C
33H
41FN
2O
5Siの理論値592。
記載例75:(5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド(D75):
(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−ピロリジンカルボン酸フェニルメチル(D74、85mg、0.14mmol)のメタノール(2ml)中溶液に、パラジウム(10mg、活性炭素担体10重量%無水主成分)を加え、混合物を30分間水素雰囲気(1気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(9:1〜75:25)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(50mg、79%);R
t(HPLC):5.00分;MS:(ES/+)m/z:459[MH]
+ C
25H
35FN
2O
3Siの理論値458。
記載例76:(2S,5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D76):
標記化合物(1.35g、82%)を、(5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−L−プロリン酸メチル(D5、1.24g、3.98mmol)を用いて記載例6に示されるものと同様の製法によって調製した。Rt(HPLC):6.45分;MS:(ES/+)m/z:434[M+Na] C
24H
29NO
5の理論値411;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.21−7.53(m,5H);7.05−7.16(m,2H);6.91−6.98(m,2H);5.00および5.16(d,d,1H);5.05および5.07(s,s,2H);4.51および4.63(d,d,1H);3.77および3.78(s,s,3H);2.37−2.53(m,1H);2.22−2.37(m,1H);1.89−2.00(m,1H);1.72−1.85(m,1H);1.22および1.42(s,s,9H)。
記載例77:(2S,5S)−2−(シアノメチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D77)
標記化合物(0.5g、41%)を、(2S,5S)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D76、1.12g、2.72mmol)を用いて記載例7に示されるものと同様の製法によって調製した。R
t(HPLC):6.39分;MS:(ES/+)m/z:473[M+Na] C
26H
30N
2O
5の理論値450;
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ (ppm):7.30−7.49(m,7H);6.91−7.00(m,2H);5.10(s,2H);4.91および5.08(m,m,1H);3.88および3.90(s,s,3H);3.04−3.59(m,2H);2.55−2.74(m,1H);2.36−2.51(m,1H);2.21−2.36(m,1H);1.90−2.07(m,1H);1.12および1.42(s,s,9H)。
記載例78:(2S,5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D78)
(2S,5S)−2−(シアノメチル)−5−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D77、500mg、1.11mmol)のメタノール(30ml)中溶液に、ラネーニッケル(水中スラリー、1スパーテル)を加え、混合物を6時間水素雰囲気(6気圧)下で攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去し、固体残渣をトルエンで2回処理し、真空下で乾燥した。得られた乾燥白色固体を、環化が終了するまで6時間メタノール(30ml)中で還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、ジクロロメタン/メタノール(1:0〜92:8)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(130mg、35%);Rt(HPLC):3.89分;Rf(ジクロロメタン/メタノール=9:1):0.41;MS:(ES/+)m/z:665[2M+Na+],355[M+Na
+];C
18H
24N
2O
4の理論値332;
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):9.11(s,1H);7.76および7.66(s,s,1H);7.43(dd,2H);6.66(dd,2H);4.81−4.70(m,1H);3.29−3.20(m,1H);3.19−3.09(m,1H);2.47−2.20(m,2H);2.08−1.85(m,2H);1.84−1.74(m,1H);1.68−1.52(m,1H);1.33および1.08(s,s,9H)。
記載例79:(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D79):
標記化合物(130mg、76%)を、(2S,5S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D78、130mg、0.39mmol)を用いて記載例11に示されるものと同様の製法によって調製した。Rf(HPLC):5.71分;Rf(シクロヘキサン/酢酸エチル=3:7):0.45;MS:(ES/+)m/z:463[M+Na+]。C
25H
29FN
2O
4の理論値440;
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.66および7.83(s,s,1H);7.50−7.65(m,3H);7.35−7.49(m,1H);7.16−7.32(m,2H);6.86−7.04(m,2H);5.11および5.12(s,s,2H);4.79および4.84(m,m,1H);3.06−3.28(m,2H);2.18−2.43(m,2H);1.85−2.09(m,2H);1.75−1.85(m,1H);1.51−1.72(m,1H);1.33および1.36(s,s,9H)。
記載例D80:6−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ピリジンカルボン酸メチル(D80):
6−ブロモ−2−ピリジンカルボン酸メチル(1.35g、6.22mmol、1当量)、(4−ヒドロキシフェニル)ボロン酸(0.945g、6.85mmol、1.1当量)、Pd(PPh
3)
4(0.718g、0.06mmoles、0.01当量)およびK
2CO
3(1.7g、12.4mmoles、2当量)のジオキサン(15mL)および水(8mL)中混合物を、100℃で2時間加熱した。次いで、AcOEtを加え、有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗化合物を、溶出液として10/0〜7/3のシクロヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて50gシリカゲルカートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。溶媒を減圧下で除去し、黄色固体として標記化合物を得た(650mg、46%)。1H−NMR(CDCl
3,400MHz): δ 4.03(3H,s),5.28(1H,s),6.90−7.03(2H,m),7.80−7.98(2H,m),8.0−8.06(3H,m)。MS:(ES/+)m/z:230(M+H)
+。C
13H
11NO
3の理論値229。
記載例D81:6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−ピリジンカルボン酸メチル(D81):
6−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ピリジンカルボン酸メチル(D80、650mg、2.84mmol)のアセトン(8ml)中溶液に、K
2CO
3(780mg、5.67mmol)および1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(805mg、4.26mmol)を加えた。混合物を、60℃で窒素雰囲気下にて6時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をAcOEtで溶解した。有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗化合物を、溶出液として10/0〜8/2のシクロヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて、25gシリカゲルカートリッジ上のクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(700mg、73%)。
LC−MS[Supelcosil ABZ+Plus,33x4.6mm,3μm、勾配:A:H
2O+0.1%HCOOH/B:CH
3CN:3分間0%〜95%B,1分間95%B,0.1分間95%B〜0%B、流速:2mL/分]。R
t=2.90分(100%)(m/z=338(M+H)
+)。C
20H
16FNO
3の理論値337。
記載例D82:(2S,6R)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−ピペリジンカルボン酸メチル、(2R,6S)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−ピペリジンカルボン酸メチル(D82)
6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−ピリジンカルボン酸メチル(D81、700mg、2.1mmol、1当量)の酢酸(35ml)中溶液に、PtO
2(200mg、30重量%)を加えた。混合物を、6時間4気圧で水素化した。溶媒を減圧下で除去した。NaOHの1M溶液を加え、次いで、AcOEtを加え、得られた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗化合物を、溶出液として10/0〜9,5/0,5のDCM/MeOH勾配を用いて、20gシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、ラセミ体として標記化合物を得た(420mg、47%)。ES−MS:m/z:344(M+H)
+。C
20H
22FNO
3の理論値343。
記載例D83:(2S,6R)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)、(2R,6S)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D83)
ラセミ体(2S,6R)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−ピペリジンカルボン酸メチル(D82、420mg、1.22mmol、1当量)およびDIPEA(320μL、1.80mmol、1.5当量)のDCM(9ml)中溶液に、0℃でクロリド炭酸フェニルメチル(213μL、1.47mmol、1.2当量)を加えた。混合物を、室温にし、窒素雰囲気下で1時間攪拌した。反応物を水でクエンチした。有機相を分離し、蒸発乾固した。得られた粗化合物を、溶出液として10/0〜8/2のシクロヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて、20gシリカゲルカートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、ラセミ体として標記化合物を得た(525mg、89%)。1H−NMR(CDCl
3,400MHz): δ(ppm):1.60−1.79(2H,m),1.80−2.02(2H,m),2.04−2.29(2H,m),3.22(3H,s),4.88(1H,t),5.13(2H,s),5.21(2H,s),5.39(1H,t),6.89(2H,d),7.08−7.19(2H,m),7.24−7.40(8H,m),7.47(1H,t)。
記載例D84:(2R,6R)−2−(シアノメチル)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)、(2S,6S)−2−(シアノメチル)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D84):
ラセミ体(2S,6R)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D83、525mg、1.10mmol、1.1当量)の乾THF(6 mL)中溶液を−78℃に冷却し、LiHMDS(1.2ml、THF中1M)を滴下した。反応混合物を、窒素雰囲気下−40℃で30分間攪拌した。次いで、温度を−78℃に冷却し、ブロモアセトニトリル(460μl、6.6mmol、6当量)のTHF(2mL)中溶液を加えた。反応物を、窒素雰囲気下−78℃で1時間攪拌した。反応物を、NH
4Clの飽和溶液でクエンチし、AcOEtを加えた。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。得られた粗化合物を、溶出液として10/0〜7/3のシクロヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて、20gシリカゲルカートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(524mg、92%)。
1H−NMR(CDCl
3,400MHz): δ 1.82(2H,m),2.01(2H,m),2.20(1H,m),2.38(1H,m),2.95(1H,d),3.52(1H,d),3.70(3H,s),5.10(2H,s),5.13(2H,s),5.25(1H,t),6.96(2H,d),7.11(2H,t),7.19(2H,t),7.27−7.38(4H,m),7.45(2H,d),7.55(1H,t);Rt(HPLC)=6.65分。
記載例85:(2R,5R)−2−(シアノメチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D85)
予め−65℃に冷却した(2S,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D34、45g)の乾THF(450mL)中溶液に、1MのTHF中LiHMDS(115mL)を滴下した。得られた溶液を−35℃で30分間攪拌した。次いで、混合物を再度、−65℃に冷却し、乾THF(180mL)で溶解されたブロモアセトニトリル(22mL)を加えた。混合物を、同温度でさらに30分間攪拌しておいた。反応物を、飽和塩化アンモニウム溶液(675mL)でクエンチし、THFを真空中で蒸発させ、粗混合物をEtOAc(2x675mL)で抽出した。有機相を蒸発させ、粗物質を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(8:2)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色濃い油として標記化合物を得た(51.3g)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3−d) δ (ppm):7.53(t,1H),7.43(d,2H),7.29−7.37(m,1H),7.17(t,1H),7.07−7.13(m,1H),6.97(d,2H),5.16(s,2H),4.88−4.95(m,1H),3.90(s,3H),3.52(d,1H),3.15(d,1H),2.57−2.70(m,1H),2.38−2.50(m,1H),2.23−2.34(m,1H),1.92−2.06(m,1H),1.44(s,9H)。
記載例86:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[2−(メチルアミノ)エチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルおよび(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D86)
(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(2−オキソエチル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D37、9.5g)のメタノール(38ml)中溶液を5−10℃に冷却した。メタノール中メチルアミン(12.7gの24.7%溶液)を加え、混合物を1時間5−10℃で攪拌した。酢酸(7.6ml)を加え、約7のpHを得、次いで、温度を20−25℃に上昇させた。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.4g)を1時間かけて滴下し、次いで、混合物を20−25℃でさらに2時間攪拌した。メタノールを真空下で蒸留除去し、次いで、混合物を酢酸エチル(50ml)および水(50ml)で処理した。層を分離し、水層を酢酸エチル(25ml)で再抽出した。合した酢酸エチル溶液を28%クエン酸溶液(4x50ml)で抽出し、次いで、合した水層を、pH9になるように30%炭酸ナトリウム溶液(150ml)および酢酸エチルで処理した。水層を酢酸エチル(25ml)で再抽出し、次いで、合した酢酸エチル溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、化合物(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルをまた含有する粗製物として標記化合物を得た(6.6g)。
MS:(ES/+)m/z:455[MH
+](環化生成物)
実施例 実施例1:(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−L−プロリンアミド塩酸塩(E1)
(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D11、306mg、0.69mmol)の酢酸エチル(5ml)およびメタノール(0.5ml)の混合物中溶液に、0℃でAcCl(130μl、2.5当量)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。AcCl(130μl)をさらに加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を、一晩−18℃で保持した。次いで、AcCl (別の100μl)を0℃で加え、15分間、次いで、室温で1時間攪拌した。次いで、(HPLCによって示されるように)反応を終了した。反応物を蒸発させ、白色固体として標記化合物を得た(246mg、95%);R
t(HPLC)3.62分;Chiral HPLC:カラム:chiralpak AD−H 5um,250x4.6mm;移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール;勾配:アイソクラチック30%B;流速:0.8ml/分;UV波長域:200−400nm;分析時間:20分;保持時間:14.3分;MS:(ES/+)m/z:329[MH
+];;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):9.87(br.s.,1H),8.24(br.s.,1H),8.12(s,1H),7.89(s,1H),7.56(t,1H),7.39−7.47(m,3H),7.21−7.30(m,2H),7.11(d,2H),5.16(s,2H),4.60−4.76(m,1H),2.42−2.54(m,1H),2.23−2.34(m,1H),1.99−2.11(m,1H),1.84−1.97(m,1H),1.65(s,3H)。
以下の式(Ie):
はで示される化合物は、上記の実施例1と同様の製法を用いて調製された。各化合物について、出発物質(SM)への言及が提供される。これは単に、当該分野の化学者を手助けするために提供されるにすぎない。出発材料は、必ずしも、記載のバッチから調製されなくてもよい。
以下の式(If):
で示される化合物は、上記の実施例1と同様の製法を用いて調製された。各化合物について、出発物質(SM)への言及が提供される。これは単に、当該分野の化学者を手助けするために提供されるにすぎない。出発物質は、必ずしも、記載のバッチから調製されなくてもよい。
以下の式(Ig):
で示される化合物は、上記の実施例1と同様の製法を用いて調製された。各化合物について、出発物質(SM)への言及が提供される。これは単に、当該分野の化学者を手助けするために提供されるにすぎない。出発物質は、必ずしも、記載のバッチから調製されなくてもよい。
E6はまた、以下のとおり調製された:
実施例6(製法2):(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E6)
0℃で(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D26、29.3g)のAcOEt(325mL)およびMeOH(108mL)中溶液に、塩化アセチル(28.5mL)を加えた。得られた溶液を、0℃で15分間、次いで、常温で16時間攪拌した。溶媒を蒸発させ(浴温:最初は常温、次いで、38℃)、残留固体をEt
2O(3x244mL)で磨砕した。最後に、固体を濾過によって回収し、35℃で高真空下にて一晩乾燥し、白色固体として標記化合物を得た(23g、Y=92%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ (ppm):10.37(t,1H);8.78(t,1H);8.42(s,1H);7.55(m,1H);7.54(d,2H);7.42(dd,1H);7.25(t,1H);7.23(t,1H);7.10(d,2H);5.17(m,2H);4.70(m,1H);3.29(m,2H);2.52(m,1H);2.37(m,2H);2.31(m,2H);2.09(m,1H)。
実施例9:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E9)
製法1:0℃で(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29、61mg、0.134mmol)の酢酸エチル(1ml)およびメタノール(0.1ml)の混合物中溶液に、塩化アセチル(60μl、0.806mmol)を加えた。混合物を、室温で3時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、ゴム状固体をEt
2O(3x2ml)で処理し、白色固体を得た(53mg)。R
t(HPLC):3.72分;MS:(ES/+)m/z:355[MH
+];C
21H
23FN
2O
2の理論値354;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):10.58(br.s.,1H),8.87(br.s.,1H),7.59−7.52(m,3H),7.47−7.39(m,1H),7.31−7.20(m,2H),7.11(d,2H),5.17(s,2H),4.80−4.66(m,1H),3.43−3.37(m,2H),2.81(s,3H),2.59−2.23(m,5H),2.13−2.03(m,1H)。
E9はまた、以下のとおり調製された:
製法2:前述の粗(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン(E10、75.85g)を、Et2O(2x150mL)でストリッピングし、DCM(150mL)で溶解し、5−6MのIPA中HCl(76mL)を室温で加えた。溶媒および過剰のHClを蒸発させ、次いで、Et2O(2x76mL)およびDCM(2x76mL)でストリッピングし、泡になった。泡をEt2O(600mL)およびDCM(76mL)で懸濁し、室温で一晩攪拌した。最後に、固体を回収し、8/1のEt2O/DCM(3x76mL)の混合物で洗浄し、40℃で高真空下にて一晩乾燥し、標記化合物を得た(79g)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6) δ (ppm):10.58(bs,1H);8.87(bs,1H);7.55(m,3H);7.43(m,1H);7.25(m,2H);7.11(d,2H);5.17(s,2H);4.73(m,1H);3.40(m,2H);2.81(s,3H);2.60−2.20(m,5H);2.08(m,1H)。
実施例10:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン(E10)
製法1:2つに分離された群の記載例38から得られた(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[2−(メチルアミノ)エチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルで反応を行った。
最初の群(80g)をMeOH(320mL)で溶解し、5−6NのIPA中HCl(160mL)を加え、混合物を25℃で一晩攪拌した。完全に変換するまで、添加中反応物を0℃に冷却しながら、13%水性NH
3(200mL)を加えた。EtOAc(320mL)、水(160mL)およびNaHCO
3飽和溶液(240mL)を加え、相を分離した。水相をEtOAc(6x80mL)で抽出し、有機相を約400mLに濃縮し、次いで、ブライン(120mL)で洗浄し、EtOAc(80mL)で抽出して戻した。合した有機相をNa
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固し、粗製物を得た(50g)。
第二群(81g)をMeOH(324mL)で溶解し、5−6NのIPA中HCl(162mL)を加え、混合物を25℃で一晩攪拌した。さらに、5−6NのIPA中HCl(20mL)を加え、さらに6時間攪拌した。NaHCO
3飽和溶液(160mL)およびEtOAc(500mL)を、次いで、固体NaHCO
3をpH約8になるように加えた。相を分離し、水相をEtOAc(2x200mL)で抽出して戻した。合した有機相を約400mLに濃縮した。DCM(300mL)およびブライン(200mL)を加え、相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固し、粗製物を得た(67g)。DCM(135mL)を加え、室温で一晩攪拌し、次いで、3時間加熱還流し、次いで、室温に冷却して戻した。環化が不十分であったため、2Mメタノール中NH
3(12.5mL)を加え、次いで、水性13%NH
3を加え、完全に環化するように少なくとも2時間攪拌した。ブライン(100mL)を加え、相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥し、蒸発乾固し、粗製物を得た(58g)。
2種の粗製物を合し、クロマトグラフィーカラム(DCM/MeOH 25/1)に付して精製し、標記化合物を得た(85g)。
1H NMR(600MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.56(dt,1H);7.41(m,3H);7.25(t,1H);7.23(t,1H);6.97(d,2H);5.12(s,2H);4.18(m,1H);3.28(m,1H);3.21(m,1H);2.77(s,3H);2.50(bs,1H);2.12(m,1H);2.01(m,1H);1.92(m,1H);1.72(m,2H)。
E10はまた、以下のとおり得られた:
製法2:(2R,5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[2−(メチルアミノ)エチル]−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチルおよび(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D86、5.8g)の混合物をMeOH(23.2mL)で溶解し、IPA中HCl(14.3%溶液、17.7g)を加え、混合物を25℃で24時間攪拌した。13%水性NH3(14.5ml)および混合物を4時間攪拌した。EtOAc(60mL)および水(40mL)を加え、相を分離した。水相をEtOAc(25ml)で抽出し、次いで、合した有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固し、粗製物を得た(5.52g)。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc〜9:1 EtOAc/MeOH)に付して精製し、標記化合物を得た(2.1g)。
実施例11:(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E11)
0℃に冷却した(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D46、200mg、0.45mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液にTFA(0.4mL)を滴下し、氷浴を除去した。1時間後、溶媒を真空下で蒸発させ、粗混合物をSCXカラムに付して精製し、遊離塩基として標記化合物を得た(154mg、定量的);R
t(HPLC)3.58分。遊離塩基(77mg、0.23mmol)をジクロロメタン(2.5mL)で溶解し、得られた溶液を0℃に冷却し、HCl(0.29mLのジエチルエーテル中1M溶液、0.29mmol)を滴下した。15分後、溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルで磨砕し、標記化合物を得た(68mg、80%);R
t(HPLC)3.72分。MS:(ES/+)m/z:341[MH
+];C
20H
21FN
2O
2の理論値340;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):10.13(br.s.,1H),8.94(br.s.,1H),8.39−8.53(m,1H);7.57(t,1H),7.41−7.47(m,1H);7.38(t,1H),7.31−7.35(m,1H);7.22−7.30(m,2H);7.17(d,1H),7.10(d,1H),5.13−5.18(m,2H);4.72(br.s,1H),3.34−3.41(m,2H);2.25−2.68(m,5H),2.12(br.s,1H)。
実施例12:(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E12):
(2R,5R)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D47、60mg、0.13mmol)の酢酸エチル(1mL)およびメタノール(0.2mL)の混合物中溶液に、0℃でAcCl(58μl、0.82mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、溶媒を除去し、標記化合物を得た。きれいなHPLC跡にもかかわらず、生成物は固体にならなかった。次いで、得られた油を、SCXカラムによってさらに精製に付した。SCXから生じた遊離塩基(40mg、0.11mmol)をジクロロメタン(1mL)で溶解し、0℃に冷却した該溶液に、HCl(0.15mLのジエチルエーテル中1M溶液、0.15mmol)を加えた。15分後、溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルで磨砕した。標記化合物を白色固体として得た(40mg、80%);R
t(HPLC)3.72分;MS:(ES/+)m/z:355[MH
+];C
21H
23FN
2O
2の理論値354;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):10.62(br.s.,1H),9.00(br.s.,1H),7.59(dt,1H);7.42−7.48(m,1H);7.39(t,1H),7.34−7.37(m,1H);7.22−7.31(m,2H);7.18(d,1H),7.11(dd,1H);5.11−5.24(m,2H),4.70−4.80(m,1H);3.35−3.45(m,2H);2.78−2.86(m,3H);2.50−2.56(m,2H);2.24−2.46(m,3H);2.00−2.18(m,1H)。
実施例13:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.6]ウンデカ−9−エン−6−オン塩酸塩(E13)
(2R,5R)−2−[(2Z)−4−ブロモ−2−ブテン−1−イル]−5−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピロリジンジカルボン酸1−(1,1−ジメチルエチル) 2−メチル(D48、80mg、0.14mmol)をメタノール中NH
3の7M溶液(5mL)で溶解し、室温で4時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、油状残渣をジクロロメタン(8mL)で溶解し、0℃に冷却した。TFA(0.8mL)を滴下し、反応混合物を室温に加温した。1時間後、溶媒を除去し、粗混合物をSCXカラムに付して精製した。該段階で、非環化アリルアミンをメタノール(10mL)で溶解し、NaOMe(50mg、過剰)を加え、異種混合物を7時間還流した。溶媒を除去し、次いで、ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン(98.0:1.5:0.5)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して、遊離塩基として標記化合物を得た(25mg、48%);R
t(HPLC)3.93分。MS:(ES/+)m/z:367[MH
+];C
22H
23FN
2O
2の理論値366.。遊離塩基(25mg、0.07mmol)をジクロロメタン(1mL)で溶解し、溶液を0℃に冷却し、HCl(0.10mLのジエチルエーテル中1M溶液、0.10mmol)を加えた。20分後、溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルで磨砕した。標記化合物を白色固体として得た(20mg、73%);R
t(HPLC)3.93分;MS:(ES/+)m/z:367[MH
+];C
22H
23FN
2O
2の理論値366;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):9.95(br.s.,1H),8.61(d,1H);8.40(br.s.,1H),7.55(t,1H);7.45(d,2H);7.39−7.45(m,1H);7.20−7.29(m,2H);7.11(d,2H);5.68−5.79(m,2H);5.16(s,2H),4.68−4.78(m,1H),4.07(d,1H);3.58−3.69(m,1H);2.61−2.78(m,3H);2.31−2.39(m,1H);2.08−2.20(m,1H);1.97−2.08(m,1H)。
実施例14:(2R,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン塩酸塩(E14):
(2R,5S)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D52、20mg、0.044mmol)の酢酸エチル(0.5mL)およびメタノール(30μL)の混合物中溶液に、0℃でAcCl(19μl、6当量)を加えた。混合物を、室温で6時間攪拌した。混合物を蒸発させ、白色固体として標記化合物を得た(12mg、70%);R
t(HPLC)3.72分;MS:(ES/+)m/z:355[MH
+];C
21H
23FN
2O
2の理論値354;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.58(d,2H),7.51(dt,1H),7.36(dd,1H),7.06−7.23(m,2H),7.10(d,2H),5.18(s,2H),4.66−4.77(m,1H);3.35−3.49(m,2H),2.59−2.76(m,1H),2.47−2.57(m,1H),2.32−2.40(m,1H),2.18−2.34(m,3H),1.95−2.08(m,2H)。
実施例15:(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−6−オン塩酸塩(E15):
標記化合物を、(2S,5S)−2−(3−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D53)を用いて上記の実施例14と同様の製法を用いて定量的収率で調製した。Rt(HPLC)3.72分;MS:(ES/+)m/z:355[MH+−HCl];C
21H
23FN
2O
2の理論値354;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):7.49−7.61(m,3H),7.43(t,1H),7.13−7.29(m,3H),6.93(d,1H),5.27(s,2H),4.84−5.14(m,1H);3.12−3.67(m,2H),2.46−2.71(m,4H),2.26−2.37(m,1H),2.00−2.25(m,3H)。
実施例16:(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−L−プロリンアミド塩酸塩(E16)
0℃で(2S,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−メチル−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D61、110mg、0.24mmol)の酢酸エチル(2.7ml)およびメタノール(0.3ml)中溶液に、AcCl(110μl、1.54mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応が終了する前に(HPLCによって示されるように)、AcClを2回さらに加えた(110μl、1時間後もう110μl+2時間攪拌しながら添加)。混合物を蒸発させ、残渣をEt
2Oで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(80mg、84%);Rt(HPLC)3.41分;MS:(ES/+)m/z:359[MH]
+ C
20H
23FN
2O
3の理論値358;1H NMR(500MHz,DMSO−d6) δ (ppm):9.82−10.05(br.s,1H);8.02−8.27(br.s,1H);8.05−8.10(br.s,1H);7.80−7.90(br.s,1H);7.47−7.53(m,1H);7.35−7.43(m,1H);7.17−7.24(m,2H);7.15(d,1H);7.07(d,1H);6.95(dd,1H);5.08(s,2H);4.57−4.72(m,1H);3.70−3.78(s,3H);2.39−2.51(m,1H);2.19−2.32(m,1H);1.95−2.08(m,1H);1.81−1.95(m,1H);1.62(s,3H)。
実施例17:(5R)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(E17):
0℃で(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−[4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−3−(メチルオキシ)フェニル]−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D65、70mg、0.14mmol)の酢酸エチル(1.8ml)およびメタノール(0.2ml)の混合物中溶液に、AcCl(170μl、2.38mmol)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEt
2Oで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(49mg、82%);Rt(HPLC)3.62分;MS:(ES/+)m/z:389[MH]
+ C
21H
25FN
2O
4の理論値388;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):9.91−10.02(br.s,1H);8.07−8.25(br.s,2H);7.94−8.03(br.s,1H);7.50(t,1H);7.35−7.43(m,1H);7.17−7.25(m,2H);7.13(s,1H);7.06(d,1H);6.95(dd,1H);5.08(s,2H);4.51−4.66(m,1H);3.92(d,1H);3.74(s,3H);3.69(d,1H);3.26(s,3H);2.17−2.35(m,2H);1.97−2.12(m,1H);1.79−1.96(m,1H)。
実施例18:(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(E18)
0℃で(2R,5R)−2−(アミノカルボニル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D69、400mg、0.87mmol)の酢酸エチル(9ml)およびメタノール(1ml)中溶液に、AcCl(400μl、5.60mmol)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。反応が終了する前に(HPLCによって示されるように)、AcClを2回さらに加えた(400μl、2時間後もう400μl+2時間攪拌しながら添加)。混合物を蒸発させ、残渣をEt
2Oで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(314mg、91%);Rt(HPLC)3.71分;MS:(ES/+)m/z:359[MH]
+ C
20H
23FN
2O
3の理論値358;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):10.05−10.25(br.s,1H);8.25(s,1H);8.04−8.24(br.s,1H);8.02(s,1H);7.52−7.65(m,1H);7.38−7.51(m,3H);7.21−7.33(m,2H);7.07−7.17(m,2H);5.19(s,2H);4.59−4.76(br.s,1H);4.00(d,1H);3.76(d,1H);3.35(s,3H);2.20−2.43(m,2H);2.01−2.18(m,1H);1.80−1.99(m,1H)。
実施例19:(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−L−プロリンアミド塩酸塩(E19):
0℃で(5R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド(D75、50mg、0.11mmol)の乾THF(2ml)中溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.12ml、0.13mmol、THF中1.1M溶液)を5分で加え、混合物を、同温度で1時間攪拌した。反応物をNaHCO
3の5%溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を、(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(1:1〜0:1)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物(遊離塩基)を得た(20mg、53%);R
t(HPLC):3.59分;MS:(ES/+)m/z:345[MH+] C
19H
21FN
2O
3の理論値344。
乾エチルエーテル(2ml)で溶解された、該固体の溶液に、HCl(80μl、0.08mmol、Et2O中1M溶液)を加えた。溶媒を蒸発させ、残渣をEt2Oで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(22mg、定量的);Rt(HPLC):3.56分;MS:(ES/+)m/z:345[MH+] C19H21FN2O3の理論値344;1H NMR(500MHz,DMSO−d6) δ (ppm):7.40−7.82(m,1H);7.49(t,1H);7.38(d,2H);7.31−7.40(m,1H);7.13−7.22(m,2H);7.01(d,2H);5.13(s,2H);4.41−4.60(m,1H);3.86(d,1H);3.72(d,1H);2.10−2.27(m,2H);1.95−2.13(m,1H);1.65−1.94(m,1H)。
注意点:酸プロトン、NH2およびOHの個々のシグナルは観察されなかった。
実施例20:(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E20)
0℃で(2S,5S)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D79、130mg、0.295mmol)の酢酸エチル(2.7ml)およびメタノール(0.3ml)の混合物中溶液に、AcCl(130μl、1.82mmol)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEt
2Oで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(80mg、82%);Rt(HPLC)3.60分;MS:(ES/+)m/z:341[MH+] C
20H
21FN
2O
2の理論値340;
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6) δ (ppm):10.37(br.s,1H),8.78(br.s,1H),8.42(s,1H),7.53−7.58(m,1H),7.54(d,2H),7.42(dd,1H),7.25(t,1H),7.23(t,1H),7.10(d,2H),5.13−5.21(m,2H),4.65−4.76(m,1H),3.25−3.33(m,2H),2.48−2.55(m,1H),2.31−2.42(m,2H),2.27−2.34(m,2H),2.04−2.14(m,1H)。
実施例E21,E22:(5R,7R)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩、(5S,7S)−7−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,6−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩(E21,E22):
ラセミ体(2R,6R)−2−(シアノメチル)−6−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2−ピペリジンジカルボン酸2−メチル 1−(フェニルメチル)(D84、524mg、1.0mmoles、1当量)のMeOH(35mL)中溶液に、触媒量(1スパーテル)でラネーニッケルを加えた。混合物を4.5時間6気圧で水素化した。粗化合物を濾過し、次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣をAcOEtで溶解し、有機相をNaOHの1M溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗化合物を、溶出液として10/0〜95/5のDCM/MeOH勾配を用いて、10gシリカゲルカートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、ラセミ体として標記化合物の遊離塩基を得た(42 mg, 12%)。1H−NMR(CDCl3,400MHz): δ 1.44−1.55(m,1H),1.55−1.64(m,1H),1.64−1.72(m,1H),1.72−1.80(m,1H),1.89(d,1H),1.94−2.02(m,1H),2.21−2.31(m,1H),2.37−2.45(m,1H),3.31(dd,1H),3.42(t,1H),3.67(d,1H),5.13(s,2H),5.70(br.s.,1H),6.94(d,2H),7.08(t,1H),7.15(t,1H),7.29(d,2H),7.31(t,1H),7.49(t,1H)。LC−MS[Supelcosil ABZ+Plus,33x4.6mm,3μm、勾配:A:H
2O+0.1%HCOOH/B:CH
3CN:3分間0%〜95%B、1分間95%B、0.1分間95%B〜0%B。流速:2mL/分]。R
t=1.44分(100%)(m/z=355(M+H)
+)。
エナンチオマーを、chiral HPLC[chiralcel od(25X2)cm。移動相:60/40%のn−ヘキサン/エタノール。流速:0.8mL/分。UV検出:220nm]で分離した。溶媒を減圧下で除去した。得られた化合物をEt2Oで溶解した。次いで、Et2O中HClの1M溶液を滴下した。上清を除去し、沈殿物を高真空下で乾燥し、実施例E21(13mg)および実施例E22(8mg)を得た。絶対立体化学は決定されていない。
Chiral HPLC[Supelcosil ABZ+Plus、33x4.6mm、3μm、勾配:A:H2O+0.1%HCOOH/B:CH3CN:3分間0%〜95%B、1分間95%B、0.1分間95%B〜0%B ,流速:2mL/分]:
エナンチオマー1(E21):Rt=6.8分(100%ee)
エナンチオマー(E22):Rt=12.8分(97.6%ee)
実施例23:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン 4−メチルベンゼンスルホン酸塩(E23)
化合物(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン塩酸塩(E9、57.2g)をEtOAc(286mL)で懸濁し、NaHCO
3飽和溶液(229mL)を加えた。層を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。
塩を濾去し、EtOAc(3x57mL)で洗浄した。
溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製物をアセトン(2x171mL)でストリッピングし、52.7gの(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンを得た。
該物質をアセトン(520mL)で溶解し、溶液を40℃に加熱した。
p−トルエンスルホン酸一水和物(27.84g)のアセトン(260mL)中溶液を30分で加えた。
約50mLの該溶液を加えた後、固体が沈殿した。
混合物を40℃で4.5時間攪拌し、次いで、室温に冷却した。
固体を回収し、アセトン(3x230mL)で洗浄し、16時間高真空下で乾燥し、標記化合物のフォーム1結晶を得た(70.1g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ(ppm):9.90(bs,1H);8.91(bs,1H);7.55(m,3H);7.48(m,2H);7.43(m,1H);7.25(m,2H);7.11(m,4H);5.18(s,2H);4.73(dd,1H);3.41(m,2H);2.82(s,3H);2.36(m,5H);2.29(s,3H);2.11(m,1H)。
実施例23のフォーム1の固有かつ識別力のあるピークを特定し、以下の表に示す:
融点:233℃。
実施例24:(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン(E24):
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D26、30mg)を乾DCM(1.5ml)で溶解した。0℃でTFA(0.4ml)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を蒸発させ、残渣をSCXカートリッジに付して精製し、帯黄色油として標記化合物を得た(23mg)。R
t(HPLC)3.61分;MS:(ES/+)m/z:341[MH+]。C
20H
21FN
2O
2の理論値340。
生物学的アッセイ
本発明の化合物の電位依存性ナトリウムチャネルサブタイプNaV1.3を変調する能力は、下記のアッセイによって決定されうる。
細胞生物学
hNaV1.3チャネルを発現している安定な細胞系統は、リポフェクタミン(Invitrogen)トランスフェクション法を用いて、CHO細胞をpCIN5−hNav1.3ベクターでトランスフェクトすることによって作成された。pCIN5は、CMVプロモーターの下流でネオマイシン選択性マーカーcDNAに連結している組み換えcDNAによって(詳細は、Chen YH,Dale TJ,Romanos MA,Whitaker WR,Xie XM,Clare JJ.Cloning,distribution and functional analysis of the type III sodium channel from human brain Eur J Neurosci,2000 Dec;12,4281−9参照のこと)、全てのネオマイシン耐性細胞を組み換え蛋白を発現するようにする哺乳動物細胞系統の作成のためのビシストロンベクターである(Rees S.,Coote J.,Stable J.,Goodson S.,Harris S.&Lee M.G.(1996)Biotechniques,20,102−112参照)。細胞を、10%胎仔ウシ血清、1%L−グルタミン、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)、1%非必須アミノ酸、2%H−Tサプリメントおよび1%G418(Invitrogen)を含有するIscove修飾Dulbecco培地(Invitrogen)中で培養し、空気中5%CO2を含有する湿潤環境において37℃で維持した。細胞を継代および採取のために、Versene(Invitrogen)を用いてT175培養フラスコから遊離させた。
細胞調製
細胞をT75フラスコ中、60〜95%密集度まで生育させた。生育培地を除去し、1.5mlの温めた(37℃)Versene(Invitrogen,15040−066)で6分間インキュベートすることによって、細胞を浮上させた。浮上した細胞を10mlのPBS(Invitrogen,14040−133)中に懸濁した。次いで、細胞懸濁を10ml遠心管に入れ、700rpmで2分間遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、細胞ペレットを3mlのPBS中に再懸濁した。
電気生理学
IonWorksHT平面アレイ電気生理学テクノロジー(Molecular Devices Corp.)を用いて、室温(21〜23℃)で電流を記録した。刺激プロトコルおよびデータ取得は、マイクロコンピューター(Dell Pentium 4)を用いて行った。平面電極ホール抵抗(Rp)を決定するために、10mV、160ms電位差を各ホールに与えた。これらの測定は、細胞添加前に実施した。細胞添加後、細胞内アクセスを達成するための抗生物質(アンフォテリシン)循環の前に、シール試験を行った。全ての実験において、160ms過分極(10mV)プレパルス200msを与えることによってリーク・サブトラクションを実施した後に、リーク・コンダクタンスを測定するための試験パルスを与えた。−90mVの保持電位から0mVへの段階的試験パルスを20ms間与え、10Hzの周波数で10回繰り返した。全実験において、試験パルスプロトコルは、化合物の不在下(プレリード(pre-read))および存在下(ポストリード(post-read))において行った。プレリードおよびポストリードは、化合物添加、続いて、3〜3.5分インキュベーションによって隔てられた。
溶液および薬物
細胞内溶液は、下記のものを含有していた(mM単位):グルコン酸K 100、KCl 40mM、MgCl2 3.2、EGTA 3、HEPES 5、pH7.25に調整。アンフォテリシンは、30mg/mlストック溶液として調製され、最終的な使用時の濃度0.1mg/mlに内部バッファー溶液で希釈された。外部溶液は、DulbeccoのPBS(Invitrogen)であり、下記のものを含有していた(mM単位):CaCl2 0.90、KCl 2.67、K3PO4 1.47、MgCl2 0.50、NaCl 138、Na3PO4 8.10、pH7.4。化合物は、DMSO中、10mMストック溶液として調製され、次いで、1:3連続希釈を行った。最終的に、化合物は、外部溶液中に1:100で希釈され、その結果、最終DMSO濃度は1%であった。
データ分析
記録を分析し、さらなる分析から不適当な細胞を排除するために、化合物の不在下におけるシール抵抗(>40MΩ)およびピーク電流振幅(>200pA)の両方を用いてフィルターにかけた。薬物添加前および薬物添加後間の対の比較を用いて、各化合物の阻害効果を決定した。第1の脱分極パルスによって導かれる電流を50%阻害するのに必要な化合物の濃度(緊張性(tonic)pIC50)は、Hill方程式を濃度応答データに当て嵌めることによって決定された。さらに、化合物の使用依存性阻害特性は、第10の脱分極パルス 対 第1の脱分極パルスにおける化合物の効果を評価することによって決定された。第1パルスに対する第10パルスの比は、薬物の不在下および存在下で計算され、%使用依存性阻害が計算された。データは、緊張性pIC50と同じ方程式に当て嵌め、15%阻害をもたらす濃度(使用依存性pUD15)を計算した。
実施例1〜9、11〜22の化合物を、上記アッセイにて試験し、4.5以上のpUD15値を得た。
モノアミンオキシダーゼ−Bアッセイプロトコル
プロトコルは、MAO−B阻害を試験するアッセイを記載する。それは、基質としてベンジルアミンを用いて蛍光ベース終点アッセイである。MAO−Bによる基質の酸化は、過酸化水素放出をもたし、次いで、該生成物は、非蛍光Amplex Red(登録商標)を蛍光レゾルフィンに変換するためにペルオキシダーゼによって生成される。全体的反応は、以下:
である。したがって、試験化合物による酵素の阻害は、蛍光の減少をもたらす。
アッセイは、(Sigmaによって供給される)バキュロウイルス感染昆虫細胞からミクロソームで存在するヒト組換えモノアミンオキシダーゼBを用いる。アッセイにおける酵素活性の最大の半分の阻害(IC50)を引き起こす濃度を決定するために、化合物は濃度の範囲にわたって試験される。パルギリン(Sigma)をアッセイにおいて陽性対照として用い、0.4−2μMの範囲のIC50を得る。
0.1μlの純DMSO中試験化合物を黒色低量Greiner384ウェルプレートに分注する。5μlの基質溶液(400μMベンジルアミン(Sigma)、50μM Amplex Red(Molecular Probes)、50mMリン酸カリウム、pH7.4)を加える。5μlのアッセイ緩衝液(50mMリン酸カリウム、pH7.4)をブランクウェルに加える。5μlの酵素溶液(0.23IU/mlヒト組換えモノアミンオキシダーゼB、1IU/ml XII型西洋ワサビペルオキシダーゼ(Sigma)、50mMリン酸カリウム、pH7.4)を残存ウェルに加える。適当な混合を確保するために振盪する。暗所にて室温で60分間培養する。Analyst/Gemini(分子素子;レソルフィン:Ex530/Em580/Dichr561(Analyst)−Ex555/Em590/Cutoff570(Gemini))を用いて蛍光を読み取る。
所定の化合物の効果を、以下:
%Inh=100x[(データ−対照1)/(対照2−対照1)](ここで、対照1はその最大活性を示す(すなわち、阻害されない)酵素に相当し、対照2はHRP欠損の−酵素蛍光に相当する)として計算される。