JP5115135B2 - 硬化性樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
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Description
プリント配線板、半導体パッケージの分野においては、例えば、近年の鉛フリー半田の導入により半田実装時の温度が上昇し、より高い実装信頼性を確保するためにプリント配線板、半導体パッケージ、電子部品の構成材料に対して高耐熱性、低吸水特性、等が要求されており、種々の材料の組合せにより、諸要求を満たす努力が続けられている。
本発明者等は、これらの要求に応えるべく、低誘電特性、高耐熱性、低吸水性の硬化性樹脂を開発してきた(例えば特許文献1、2)。この樹脂は種々の樹脂と組み合わせることで様々な用途へ応用できることが分かっている(例えば特許文献3、4)。ところが、ソルダーレジスト等に用いられる特定の構造を有する樹脂(例えば特許文献5、6)と組合せて溶液にした場合に、成分が相溶せずに分離する現象が起こり、溶液状態での使用を困難なものとしていた。
(式中、-(O-X-O)-は、一般式(2)または一般式(3)で定義される構造からなる。R1,R2,R3,R7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R4,R5,R6,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-A-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。-(Y-O)-は、一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R17,R18は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R19,R20は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜100の整数を示す。硬化性樹脂組成物には、構造の異なる2種類以上のビニル化合物(イ)が混合されていてもよい。)
(式中、R11,R12,R13,R14は、水素原子またはメチル基である。-A-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である)
2官能フェノール化合物としては、例えば、2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシ-2,2’-ジフェニルプロパン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
1官能フェノールとしては、2,6ジメチルフェノール、2,3,6トリメチルフェノール等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
触媒としては、例えば、CuCl、CuBr、CuI、CuCl2、CuBr2等の銅塩類とジn-ブチルアミン、n-ブチルジメチルアミン、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン、N,N,N'N’-テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール等のアミン類を組合せたものが使用できるが、これらに限定されるものではない。
溶剤としては、例えば、トルエン、メタノール、メチルエチルケトン、キシレン、等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
ビニルベンジルクロライドとしては、o-ビニルベンジルクロライド、m-ビニルベンジルクロライド、p-ビニルベンジルクロライド、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応後に余った塩基を中和するために酸を使用することもできる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、りん酸、ホウ酸、硝酸、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、塩化メチレン、クロロホルム等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
固形化の方法としては、溶剤をエバポレーションし乾固させる方法、反応液を貧溶剤と混合し再沈殿させる方法、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有する化合物(ロ)のカルボキシル基の量は、少なすぎると現像性が低下し、多すぎると電気絶縁性が低下することがあるため、酸価が40〜150mgKOH/gが好ましい。
酢酸ビニル・スチレンブロック共重合体(ハ)中の酢酸ビニル含有量は酢酸ビニルの含有量が多くなると分離抑制効果が低くなるので5〜50%が好ましい。
(式中、i,jは2〜100000の整数を示す。)
溶剤としては、一般式(1)で表されるビニル化合物(イ)、分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有する化合物(ロ)、酢酸ビニル・スチレンブロック共重合体(ハ)を溶解させることができるものが使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、これらの溶剤は単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。溶液の濃度としては、20〜80wt%が好ましい。
溶解する方法としては、例えば、攪拌装置を備えた容器に硬化性樹脂組成物と溶剤を配合し、加熱、攪拌する方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加熱温度としては、30℃〜100℃が好ましい。
例えば、プリプレグは本発明の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、ガラスクロス、アラミド不織布等に含浸させて溶剤を乾燥除去することで得ることができる。該プリプレグは銅張積層板用材料とすることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液は回路を作製した基板に塗布して溶剤を乾燥除去した後、硬化させることでソルダーレジストやビルドアップ配線板の層間絶縁層とすることもできる。
1)数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。試料のGPC曲線と分子量校正曲線よりデータ処理を行った。分子量校正曲線は、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間の関係を次の式に近似して得た。 LogM = A0X3+ A1X2 + A2X + A3 + A4/X2(ここでM:分子量、X:溶出時間−19(分)、A:係数である。)
2)水酸基当量は、2,6-ジメチルフェノールを標準物質とし、溶媒に乾燥ジクロロメタンを使用してIR分析(液セル法;セル長=1mm)を行い、3,600cm-1の吸収強度より求めた。
3)ビニル基当量は、1-オクテンを標準物質とし、溶剤に二硫化炭素を使用してIR分析(液セル法:セル長=1mm)を行い、910 cm-1の吸収強度より求めた。
酸価は、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の量を滴定により求めた。
4)溶液の状態は、目視により分離の有無を確認した。○:分離せず、×:分離。
5)ガラス転移温度(Tg)は、TMA引張り法により、荷重2.5g、チャック間10mm、昇温10℃/分で測定した。サンプル幅は3mm。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr23.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「A」)のトルエン溶液を833.40g得た。樹脂「A」の数平均分子量は930、重量平均分子量は1,460、水酸基当量が465であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「A」のトルエン溶液833.40g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)160.80g、塩化メチレン1600g、ベンジルジメチルアミン12.95g、純水420g、30.5wt% NaOH水溶液175.9gを仕込み、反応温度40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「B」501.43gを得た。ビニル化合物「B」の数平均分子量は1165、重量平均分子量は1630、ビニル基当量は595g/ビニル基であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr29.36g(42.1mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.81g(10.5mmol)、n-ブチルジメチルアミン67.77g(671.0mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール878.4g(7.2mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.22g(7.2mmol)、n-ブチルジメチルアミン26.35g(260.9mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム48.06g(126.4mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「C」)のトルエン溶液を1981g得た。樹脂「C」の数平均分子量は1975、重量平均分子量は3514、水酸基当量が990であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「C」のトルエン溶液833.40g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)76.7g、塩化メチレン1600g、ベンジルジメチルアミン6.2g、純水199.5g、30.5wt% NaOH水溶液83.6gを仕込み、反応温度40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「D」450.1gを得た。ビニル化合物「D」の数平均分子量は2250、重量平均分子量は3920、ビニル基当量は1189g/ビニル基であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン4000gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ8000gのメチルエチルケトンに溶解させた4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)410.2g(1.6mol)と2,6-ジメチルフェノール586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「E」)を946.6g得た。樹脂「E」の数平均分子量は801、重量平均分子量は1081、水酸基当量が455であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「E」480.0g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)260.2g、テトラヒドロフラン2000g、炭酸カリウム240.1g、18-クラウン-6-エーテル60.0gをし込み、反応温度30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「F」392.2gを得た。ビニル化合物「F」の数平均分子量は988、重量平均分子量は1420、ビニル基当量は588g/ビニル基であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン4000gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ8000gのメチルエチルケトンに溶解させた4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)82.1g(0.32mol)と2,6-ジメチルフェノール586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「G」)を632.5g得た。樹脂「G」の数平均分子量は1884、重量平均分子量は3763、水酸基当量が840であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「G」480.0g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)140.5g、テトラヒドロフラン2000g、炭酸カリウム129.6g、18-クラウン-6-エーテル32.4gをし込み、反応温度30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「H」415.3gを得た。ビニル化合物「H」の数平均分子量は2128、重量平均分子量は4021、ビニル基当量は1205g/ビニル基であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA )18.0g(78.8mmol)、CuBr2 0.172g(0.77mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.199g(1.15mmol)、n-ブチルジメチルアミン2.10g(2.07mmol)、メタノール139g、トルエン 279gを仕込み、液温を40℃にして攪拌した状態の反応器の中へ、メタノール133gとトルエン266gに溶解させた2,6-ジメチルフェノール48.17g(0.394mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.245g(1.44mmol)、n-ブチルジメチルアミン2.628g(25.9mmol)の混合溶液を、空気を0.5 L/minの流速でバブリングを行いながら132分かけて滴下し、滴下終了後さらに120分攪拌を行った。反応終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム2.40gを溶解した水400gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに120℃で3時間真空乾燥して、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「I」)を54.8gを得た。樹脂「I」の数平均分子量は1348、重量平均分子量は3267、水酸基当量が503であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管、滴下ロートを備えた1Lセパラブルフラスコに樹脂「I」25.0g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)8.69g、ジメチルホルムアミド100.0gを仕込み、50℃に加温して攪拌した状態で、28wt%ナトリウムメトキサイド(メタノール溶液)10.91gを滴下ロートより20分かけて滴下した。滴下終了後、50℃でさらに1時間攪拌した。反応器に28wt%ナトリムメトキサイド(メタノール溶液)1.99gを加え、60℃に加温して3時間攪拌した。さらに、85wt%燐酸1.11gを反応器に加え、10分攪拌した後、40℃まで冷却し、反応液を純水150g中に滴下して固形化した。固体を吸引濾過した後、純水200gで2回、メタノール200gで3回洗浄し、60℃30時間真空乾燥してビニル化合物「J」28.25gを得た。ビニル化合物「J」の数平均分子量は1435、重量平均分子量は3158、ビニル基当量は612g/ビニル基であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr23.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール 129.3g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール233.7g(1.92mol)、2,3,6-トリメチルフェノール 64.9g(0.48mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「K」)のトルエン溶液を836.5g得た。樹脂「K」の数平均分子量は986、重量平均分子量は1,530、水酸基当量が471であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「K」のトルエン溶液836.5g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)162.6g、塩化メチレン1600g、ベンジルジメチルアミン12.95g、純水420g、30.5wt% NaOH水溶液178.0gを仕込み、反応温度40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「L」503.5gを得た。ビニル化合物「L」の数平均分子量は1187、重量平均分子量は1675、ビニル基当量は590g/ビニル基であった。
合成例1、2、3、4、5、6で得られたビニル化合物「B」、「D」、「F」、「H」、「J」、「L」の溶液(50wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)と分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有する化合物(ロ)の溶液(60wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート/ソフベントナフサ混合溶液)と表1,2に示す共重合体の溶液(5wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を表1、2の割合(固形分重量比)で攪拌装置を備えたフラスコに秤量し、固形分濃度が50wt%となるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、60℃に加熱して5分間攪拌し、硬化性樹脂組成物の溶液を調整した。調整した溶液を室温放置して、分離状態を目視で確認した。結果を表1、2に示す。
K48C:フェノールノボラック型エポキシアクリレートテトラヒドロフタル酸変性品、酸価100mg/KOH、重量平均分子量7600、日本化薬株式会社製
ZAR1378:ビスフェノールA型エポキシアクリレートテトラヒドロフタル酸変性品、酸価103mg/KOH、重量平均分子量18500、日本化薬株式会社製
TCR1234:トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートテトラヒドロフタル酸変性品、酸価100mg/KOH、重量平均分子量13500、日本化薬株式会社製
SV10A:モディパーSV10A、メタクリル酸メチル変性スチレン-酢酸ビニルブロックコポリマー、重量平均分子量187000、酢酸ビニル10%、日本油脂株式会社製
SV10B:モディパーSV10B、スチレン-酢酸ビニルブロックコポリマー、重量平均分子量194000、酢酸ビニル10%、日本油脂株式会社製
SV30B:モディパーSV30B、スチレン-酢酸ビニルブロックコポリマー、重量平均分子量195000、酢酸ビニル30%、日本油脂株式会社製
S501:モディパーS501、スチレン-フマル酸ジイソプロピル変性酢酸ビニルブロックコポリマー、重量平均分子量196000、酢酸ビニル50%、日本油脂株式会社製
MS10B:モディパーMS10B、スチレン-メタクリル酸メチルブロックコポリマー、重量平均分子量197000、日本油脂株式会社製
合成例1で得られたビニル化合物「B」の溶液(50wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)と分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有する化合物(ロ)の溶液(60wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート/ソフベントナフサ混合溶液)と酢酸ビニル・スチレンブロック共重合体(ハ)の溶液(5wt%ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)と光重合開始剤を表3の割合(固形分重量比)で攪拌装置を備えたフラスコに秤量し、固形分濃度が50wt%となるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、遮光下で60℃に加熱して5分間攪拌し、硬化性樹脂組成物の溶液を調整した。調整した溶液をギャップ75μmのドクターブレードで18μm厚の銅箔(3EC-III:三井金属鉱業株式会社)のシャイニー面上に塗布、室温で10分風乾、送風乾燥機で80℃15分乾燥した後、紫外線照射機(FL-M:株式会社ウシオユーテック、光源:水銀ランプ)を使用して減圧下で500mJのUV光を露光し、さらにオーブンで150℃1時間加熱して硬化を行った。銅箔をエッチングにより除去して得られた塗膜のガラス転移温度(Tg)を測定した。塗膜厚は約50μmであった。結果を表3に示す。
比較例5は、塗膜の強度不足によりTg測定できなかった。
ダロキュア1173:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるビニル化合物(イ)、分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有し重量平均分子量が3000〜50000である化合物(ロ)および酢酸ビニル・スチレンブロック共重合体(ハ)を含有する硬化性樹脂組成物。
- 一般式(1)で表されるビニル化合物(イ)の数平均分子量が500〜3000である請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記酢酸ビニル・スチレンブロック共重合体(ハ)の配合量が、一般式(1)で表されるビニル化合物(イ)と分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の不飽和二重結合を有する化合物(ロ)の合計重量に対して0.01〜10wt%である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させた硬化性樹脂組成物溶液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
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