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JP5114355B2 - 撥水・撥油性コーティング物品およびその製造 - Google Patents

撥水・撥油性コーティング物品およびその製造 Download PDF

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Description

本発明は、表面に高い撥水性及び撥油性を持たせたコーティング物品、および該コーティング物品の製造方法に関する。
ガラス、プラスチックス、紙、繊維製品、金属などの固体表面に対して撥水性を付与することは多く行なわれているが、撥油性の付与はあまり行なわれていない。
しかし、これらの固体表面に、油汚れなどに対してより高い防汚効果を求める場合には、水のみでなく、油を代表とする低表面張力物質に対しても高い接触角と低い転落角とを有することが望まれる。つまり、撥水性と撥油性との両方を兼ね備えたコーティング膜の形成が求められ、さらに、高い撥水性・撥油性、すなわち超撥水性と超撥油性を兼ね備えたコーティング膜が望まれている。
特許文献1には、建築材料用のコーティング組成物で、撥水性と撥油性とを同時に付与しようとする組成物が記載されている。具体的には、加水分解性パーフルオロアルキルシラン、ポリオルガノシロキサン、及び加水分解反応を促進する触媒成分を含む組成物であるが、その撥水性接触角は100〜110度程度、撥油性接触角が90〜100度程度にしか過ぎないので、さらに高い接触角が要求される。
また、特許文献2には、防汚性ガラスとして、無機顔料などで表面粗さRyが0.05μm以上0.4μm以下である表面を形成し、その上にパーフルオロアルキルシランで膜形成させたものが記載されている。油焼付け汚れも拭き取り易いことが記載されてはいるが、これも水に対する接触角は、100〜110度程度である。
さらに特許文献3では、油の接触角が150度を超える超撥油状態を作製するための方法として、表面粗さを600nm以上に調整し、フルオロアルキルシランなどの表面エネルギーを低下させる材料で撥油層を形成する方法が開示されている。具体的には、ベーマイトのエマルジョンを準備し、ガラス表面にスピンコートし焼成するサイクルを12回繰り返した後、パーフルオロアルキルシランをCVD処理する方法が開示されているが、この方法では、工程数も多く複雑である。
さらにまた、特許文献4記載の発明では、皮膜表面における二乗平均粗さ(RMS)値を5〜60nmの範囲にすることにより、水に対する接触角が140度以上、ドデカンに対する接触角が100度以上である撥水撥油性皮膜を得たというが、実際得られている皮膜は、最高で水に対する接触角が149度/148度(前進接触角/後退接触角)、ドデカンに対する接触角が117度/104度(前進接触角/後退接触角)というものであり、水に対する接触角が150度以上であって且つ油に対する接触角が130度以上という超撥水且つ高撥油性の皮膜は得られていない。しかも、特許文献4には、得られた皮膜の転落角は記載されておらず、本発明者らの追試によると、90度にしても水滴は転落しなかった。
また、特許文献5には、撥水性および撥油性を有する物品であって、撥水性および撥油性を有する層は、下層が疎水性を有するポリマーからなる凹凸構造を有する撥水性層であり、上層がフッ素含有シランカップリング剤からなる撥油性層であるものが記載されている。この表面は、撥水性が水に対する接触角が150度以上、撥油性がサラダ油に対する接触角が100度以上であるというが、下層の凹凸構造を有するポリマー層を形成するために電解酸化(還元)重合を行い、その上に撥油性層を設けるという複雑な工程を必要としている。
このような従来技術の中で、簡便な方法で、より高い撥水性と撥油性とを同時に有し、且つ転落角の低い表面を得ることが望まれている。
特開平8−283663号公報 特開2002−326841号公報 特開2006−257336号公報 特開2005−162795号公報 特開2007−196383号公報
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を解決することであって、高い撥水性と高い撥油性を同時に有し且つ転落角の低い物品表面を、簡単な方法で得る手段を提供することにある。より具体的には、そのような撥水・撥油性を有するコーティング物品を提供すること、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、超撥水性表面を得るためのコーティングに際して、ゾルゲル法によるコーティング組成物に疎水性シリカ微粒子を配合する方法を開発して特許出願した(特開2006−232870号公報:特許第4060333号公報)。本発明者らは、該ゾルゲル法を高い撥水性・撥油性を同時に有し転落角の低いコーティング物品の製造のために応用することを考え、鋭意研究した。
その結果、本発明者らは、高い撥水性・撥油性を有し転落角の低いコーティング物品のためには、コーティング物品の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS)値)が特定の値以上である必要があることを見出した。具体的には、本発明者らは、二乗平均粗さ(RMS)が100nm以上であれば、水に対する接触角が150度以上、油に対する接触角が130度以上の超撥水・高撥油性が得られ、さらに、二乗平均粗さ(RMS)が150nm以上であれば、水に対する接触角も油に対する接触角も140度以上の超撥水・超撥油性が得られることを見出した。
また、本発明者らは、そのような、二乗平均粗さ(RMS)値が特定値以上のコーティング物品をゾルゲル法で得るために、コーティング組成物中の触媒を塩基性物質にする、及び/またはコーティング組成物への浸漬・乾燥を例えば3回あるいは5回以上という多数回繰り返せば良いことを見出した。
さらにまた、意外なことに被コーティング物品とコーティング組成物の組成や調製法、コーティング方法を組み合せて調整することで、接触角が150度以上という高い撥水性および撥油性を有すると共に水滴および油滴に対する転落角も10度以下という低いコーティング物品表面が得られることも見出した。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、アルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒、および水を含むコーティング組成物をコーティングして得られるコーティング物品であって、その物品表面における二乗平均粗さ(RMS)値が100nm以上であることを特徴とする撥水・撥油性コーティング物品。
(2)物品表面における二乗平均粗さ(RMS)値が150nm以上である上記(1)に記載の撥水・撥油性コーティング物品。
(3)物品がガラス製品あるいは繊維製品である上記(1)または(2)に記載の撥水・撥油性コーティング物品。
(4)水に対する接触角が150度以上の表面を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の撥水・撥油性コーティング物品。
(5)油に対する接触角が130度以上の表面を有する上記(4)に記載の撥水・撥油性コーティング物品。
(6)転落角が10度以下の表面を有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の撥水・撥油性コーティング物品。
(7)水に対する接触角が150度以上、油に対する接触角が150度以上、転落角が10度以下の表面を有する撥水・撥油性コーティング物品。
(8)アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、テトラアルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒としての塩基、および水を含むコーティング組成物に被コーティング物品を浸漬した後、引き上げ、乾燥することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の撥水・撥油性コーティング物品の製造方法。
(9)アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、アルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒、および水を含むコーティング組成物に被コーティング物品を浸漬した後、引き上げ、乾燥する工程を複数回繰り返すことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の撥水・撥油性コーティング物品の製造方法。
(10)アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、テトラアルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒としての塩基、および水を含むコーティング組成物に被コーティング物品を浸漬した後、引き上げ、乾燥する工程を3回以上繰り返すことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の撥水・撥油性コーティング物品の製造方法。
本発明によれば、接触角が高く転落角の低い撥水・撥油性コーティング物品が簡便に得られた。
すなわち、本発明のコーティング物品の製造方法は、コーティング組成物に物品を浸漬、引き上げ、乾燥するという、特殊な装置を必要としない簡単な方法で、表面に所望の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS)値)を形成でき、物品に撥水性と撥油性とを同時に付与できるという利点を有する。
また、乾燥を室温でも行なうことができるので、本発明は、熱に弱い物品に対しても適用することができる。
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
本発明のコーティング組成物は、固体物品の表面を撥水・撥油処理するのに用いられる。固体物品は、金属、セラミック、ガラス、プラスチックなどの硬い素材でも、紙、繊維などの柔らかい素材でもいずれでも適用できるが、ガラス製品、繊維製品に特に有用に適用できる。本発明のコーティングはフレキシビリティーが高く、紙、繊維などに適用しても柔軟性を保つことができる。
本発明のコーティング組成物に用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどが挙げられるが、安全性を考慮するとエタノールが好ましい。
本発明のコーティング組成物に用いるアルコキシシランは、一般式(RO)SiR4−n(nは、4以下の整数;Rはアルキル基)で表されるアルコキシ置換のシランであればよく、一般式(RO)SiR4−nにおけるアルキル基(R)の炭素数は1〜8程度が好ましいが、1あるいは2がより好ましい。また、nは4または3が好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランがより好ましい。
コーティング組成物中のテトラアルコキシシラン濃度は、1〜20重量%程度が好ましい。
本発明のコーティング組成物に用いるパーフルオロアルキルシランは、アルキルシランのアルキル基のいくつかがフッ化炭素基(パーフルオロ基)に置換されたものであり、例えば、CF(CH)2Si(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSiCH(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSiClが挙げられるが、CF(CF(CFSi(OCHで表されるヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランが好ましい。コーティング組成物中のパーフルオロアルキルシラン濃度は、10重量%以下が好ましい。
本発明のコーティング組成物で用いるシリカ微粒子としては、日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、300、380、90G、OX50、R 972、972V、R972CF、R974、R812、R805、RX200、RX300、RY200などが挙げられる。
撥水性のみでなく、撥油性を奏させるために、シリカ微粒子の平均一次粒径は、20〜40nmが好ましい。この一次粒径範囲であれば、コーティング物品表面に撥水性・撥油性に望ましい凹凸を付与することができる。
コーティング組成物中のシリカ微粒子の濃度は、2重量%以上が好ましく、平均一次粒径15nm以下については2〜5重量%が、15nm以上については2〜10重量%がより好ましい。2重量%未満の場合は、物品表面をシリカ微粒子が十分被覆しないので表面に凹凸が得られない。一方、15nm以下については5重量%を、15nm以上については10重量%を超えると、シリカ微粒子による被覆にクラックが入る恐れがあるので好ましくない。
コーティング組成物の作製はいかなる方法によって行っても良いが、アルコール中にシリカ微粒子を加えて混合攪拌し、次にテトラアルコキシシランおよびパーフルオロアルキルシランを加えてさらに混合攪拌し、水およびテトラアルコキシシランの加水分解反応を促進させる触媒としての酸又は塩基を加えてpHを2〜3に調整して攪拌する工程を含む方法によって作製するのが好ましい。触媒として酸を用いるとき塩酸、塩基を用いるとき水酸化ナトリウムが好ましい。水は純水が好ましい。
好ましいコーティング組成物は、モル比で、アルコール:テトラアルコキシシラン:パーフルオロアルキルシラン:水が100〜300:1:0〜0.8:[テトラアルコキシシラン+パーフルオロアルキルシラン]×4〜20程度である。
コーティング組成物の作製にあたっての撹拌は、アルコールとシリカ微粒子との混合を10〜30分程度、テトラアルコキシシランおよびパーフルオロアルキルシランを加えてさらに10分程度、水と触媒を加えてから2.5〜3時間程度が好ましい。
上記のようにして作製したコーティング組成物溶液に、被コーティング物品であるガラス基板、紙・布などの繊維物品を浸漬した後、物品を引き上げ、乾燥することによってコーティング物品が得られる。
浸漬速度は、0.2〜20mm/secが好ましく、10mm/secが最も好ましい。引き上げ速度は、0.2〜20mm/secが好ましく、0.3mm/secが最も好ましい。引き上げ速度が遅いと、コーティングが付着しにくく、引き上げ速度が速いと均一に付着しない。
乾燥は室温〜105℃程度で行なう。加熱するほうが早く乾燥できるが、室温でも十分乾燥できる。
上記のコーティング物品の製造方法において、触媒である酸あるいは塩基の添加量によりpHを調整することによって、コーティング物品表面のRMS値を変化させることができることを本発明者らは見出した(実施例1参照)。
その結果、コーティング組成物のpHは、触媒として塩基を加えることによって、11〜13.5に調整するのが好ましく、pH12程度が最適であることが分かった。
また、上記の浸漬、引き上げ、乾燥の工程(以下、単に浸漬工程という)は、複数回繰り返すのが好ましい。本発明者らは、この浸漬工程を3回以上繰り返すことによって、より好ましいRMS値および撥水・撥油性が得られることを見出した(実施例2参照)。
さらに、コーティング組成物の組成、コーティング方法を調整することによって、水・油に対する接触角が150度以上と高く、且つ、水滴・油滴に対する転落角も10度以下という低い製品が得られることが分かった(実施例3〜5)。
コーティングの膜厚を可視光の波長である480nm以下にすることで、コーティングの透明性を確保できる。
以下には、本発明の実施例を詳述するが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例において、接触角および転落角は、接触角計(協和界面科学製: CA-DT)で測定した。測定は、接触角計に10μlの水または油を滴下して行なった。
また、RMS値は、原子間力顕微鏡(AFM;Digital Instrument社製)を用いて測定した。AFM像から得た表面ピーク高Zを基に次の式により、RMS値を算出した(「(株)東陽テクニカ NanoScopeIII Off−line機能」参照)。
RMS = √Σ(Zi−Zave)/N
N:データポイント数
Zi:各データポイントのZの値
Zave:全Z値の平均
<コーティング組成物のpHとRMS値・接触角との関係>
1)コーティング組成物の作製
エタノール16.4g、シリカ微粒子3.0g、テトラエトキシシラン0.41g、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン0.22gを混合し、酸およびアルカリを加えて、液のpHを制御した。酸は塩酸、アルカリは水酸化ナトリウム水溶液を用いた。以上の操作によりコーティング組成物を得た。
2)ガラス基板へのコーティング方法
このコーティング組成物を用い、ガラス基板に浸漬速度10mm/sec、引き上げ速度0.3mm/secで浸漬し、10分室温で乾燥する工程を5回繰り返し、最後に105℃で30分乾燥して、ガラス物品とした。
結果を図1および図2に示した。図1において、横軸は、触媒として添加する酸あるいは塩基の添加量を、縦軸は、接触角およびRMSである。図2には、同じデータを横軸をpHに換算して示した。油滴に対する接触角の測定には、オレイン酸を用いた。オレイン酸の表面張力は32.7mN/mであり、撥油性を試験するために標準的に用いられるものである。
この図1および図2の結果から、水滴および油滴の接触角はRMSと良い相関を有すること、RMSが100nm以上であるとき、水滴の接触角は150度を超え、油滴の接触角も130度を超えていることが分かる。さらに、RMSが150nm以上であればさらに水滴および油滴の接触角は高くなることが分かる。
また、水滴および油滴に対する高い接触角を得るためには、塩基の添加により、pHを上昇させることが有効で、pH11〜13.5で高い撥水・撥油性が得られ、さらにpH12程度で最高のRMSが得られることが分かる。
<浸漬回数とRMS値との関係>
浸漬、引き上げ、乾燥という浸漬工程の繰り返し回数(浸漬回数)と得られるコーティング物品の接触角およびRMSとの関係を調べた。
コーティング組成物は、実施例1と同様に作製した。ただし、水酸化ナトリウムを0.3140g添加した。ガラス基板へのコーティング方法も浸漬回数以外は実施例1と同じである。
結果を図3に示した。
図3の結果から、浸漬回数が3回以上になると、接触角150度以上の撥水性、140度以上の撥油性、RMSが100nmを超え、5回以上になるとRMSは150nmを超えることが分かる。さらに浸漬回数を増やすことで接触角およびRMSがさらに高くなることが分かる。
<転落角>
以下の実施例では、転落角の測定も示す。
エタノールを13g、テトラエトキシシランを0.3g、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランを0.3g、粒径40nmのシリカ微粒子を1.0g、水および加水分解のための触媒を1規定塩酸を0.04g加えて、コーティング組成物1を得た。
コーティング組成物1にスライドガラスを浸漬し、引上げ速度0.6mm/sで引上げた後、105℃で30分乾燥させて超撥水高撥油コーティング表面1を得た。この表面1のRMSは、228nmであった。
綿95/ナイロン5の布をコーティング組成物1に2回浸漬した。引上げ速度0.6mm/sで引上げた後、105℃で30分乾燥させて超撥水高撥油コーティング表面2を得た。
表面の接触角および転落角は表2に示した。表面のRMSは560nmであった。
綿95/ナイロン5の布にコーティング組成物1をスプレーコーティングした。コーティング量は1平方センチメートル辺り0.04ミリリットルにした。コーティングした後に、105℃で30分乾燥させて超撥水超撥油コーティング表面3を得た。
表面の接触角および転落角は表2に示した。表2に示すとおり、この表面3は、水に対する接触角も油に対する接触角も150度以上であって、且つ、転落角が10度以下という超撥水・超撥油性であった。なお、表面のRMSは761nmであった。この場合、被コーティング物品が布であるため、被コーティング物品自体が、RMS288nmという高いRMSを有しており、それに本発明のコーティング処理を行なうことによって、水に対しても油に対しても転落角が10度以下である極めて優れた撥水・撥油表面が得られることが分かった。
[比較例1]
布用撥水撥油剤「アサヒガードAG−7105」(旭硝子株式会社製)30gを水1Lに混合し、コーティング組成物2を得た。コーティング組成物2に綿95/ナイロン5の布を浸漬し、余分な液を絞った後、150℃で乾燥させてコーティング表面4を得た。
表面の接触角および転落角を表2に示した。
本発明によれば、接触角が高く転落角の低い撥水・撥油性コーティング物品が簡便に得られた。
コーティング組成物の触媒添加量とRMS、水滴・油滴接触角との関係 コーティング組成物のpHとRMS、水滴・油滴接触角との関係 コーティング組成物の浸漬回数と水滴・油滴接触角およびRMSとの関係

Claims (3)

  1. アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、アルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒、および水を含むコーティング組成物をコーティングして得られるコーティング物品であって、その物品表面における二乗平均粗さ(RMS)値が150nm以上であり、水に対する接触角が150度以上、油に対する接触角が150度以上、水滴に対する転落角が10度以下を有することを特徴とする撥水・撥油性コーティング物品。
  2. アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、テトラアルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒としての塩基、および水を含むコーティング組成物に被コーティング物品を浸漬した後、引き上げ、乾燥することを特徴とする請求項1に記載の撥水・撥油性コーティング物品の製造方法。
  3. アルコール、アルコキシシラン、パーフルオロアルキルシラン、シリカ微粒子、テトラアルコキシシランの加水分解反応を促進する触媒としての塩基、および水を含むコーティング組成物に被コーティング物品を浸漬した後、引き上げ、乾燥する工程を3回以上繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の撥水・撥油性コーティング物品の製造方法。
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