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JP5110342B2 - 粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法 - Google Patents

粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スラッシュ成形などに好適に用いられる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法に関する。
スラッシュ成形法は、複雑な形状を有し、肉厚の均一な製品を効率的に成形できることから、自動車の内装材等の用途に広く利用されている。
最近、スラッシュ成形材料として、柔軟性に優れた粉末状の熱可塑性ポリウレタン樹脂が採用されている。
本出願人は、ブルーミングが発生しにくくて、折れジワを形成されにくい成形物を得ることのできるスラッシュ成形用の粉末ポリウレタン樹脂(ポリウレタンウレア樹脂)の製造方法として、非水系の分散媒中に分散されたイソシアネート基末端プレポリマーを水と反応させて鎖延長する工程を含む製造方法を提案している(特許文献1参照)。
また、特許文献1には、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を低分子ポリオールなどと反応させた後、イソシアネート基の残部を水と反応させることも開示されている。
特開2004−161866号公報
しかし、粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造過程において、イソシアネートと水とが局所的に反応すること(イソシアネートと水との反応により生成されるウレア結合が、その強い水素結合力によって局在化し、局所的なウレア化反応が促進されることなど)により、過大な分子量を有する難溶融性物質(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する)において、超高分子量を有するとされる位置で流出が観測される難溶融性物質)が形成され、このような難溶融性物質を含む粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂は、溶融成形性にきわめて劣るものとなるという問題がある。
また、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を低分子ポリオールなどと反応させた後、イソシアネート基の残部を水と反応させる方法では、イソシアネート基と活性水素基とのモル比制御により樹脂の分子量を制御すること(従来多用されている分子量設計方法)が困難であるという問題がある。これは、反応時において水の一部が蒸発したり、副反応に供されたりして、所定量(イソシアネート基の残部と当量)の活性水素基を、イソシアネート基の残部と確実に反応させることができないからである。
本発明の目的は、機械的特性、耐摩耗性および耐折れ皺性などに優れた成形物を得ることができる粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂であって、分子量の制御が容易で、しかも溶融成形性に優れた粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を確実に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐ブルーミング性にも優れた成形物を得ることができる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を確実に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、スラッシュ成形用の粉末材料として好適な熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を確実に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明(第1の発明)に係る製造方法は、粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、活性水素基と炭素数が4〜12の炭化水素基とを有する一官能の活性水素基含有化合物(以下、「特定の活性水素基含有化合物」という。)の当該活性水素基と反応させるとともに、当該イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、非水系の分散媒中において、水の有する活性水素基と反応させる工程を含み、前記イソシアネート基の一部と反応する特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数をx1、前記イソシアネート基の残部と反応する水の有する活性水素基のモル数をx2とするとき、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65であることを特徴とする。
本発明(第2の発明)に係る製造方法は、粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、以下の第1工程乃至第4工程を含み、第2工程において有機ポリイソシアネートと反応する高分子ポリオールの有する活性水素基のモル数をA、第3工程において、イソシアネート基の一部と反応する活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数をx1、イソシアネート基の残部と反応する水の有する活性水素基のモル数をx2とするとき、比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.5であり、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65であることを特徴とする。
第1工程:数平均分子量が1,000〜5,000の高分子ポリオールを、当該高分子ポリオール並びに得られるイソシアネート基末端プレポリマーおよびポリウレタンウレア樹脂を溶解しない有機溶剤に分散させて非水系の分散液を調製する工程。
第2工程:得られた分散液中の高分子ポリオールに、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製する工程。
第3工程:得られた分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、特定の活性水素基含有化合物の当該活性水素基と反応させるとともに、当該イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、水の有する活性水素基と反応させてポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製する工程。
第4工程:得られた分散液からポリウレタンウレア樹脂を分離・乾燥して、粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製する工程。
また、前記比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.2であり、比率(x1/x2)が5〜20/95〜80であることが好ましい。
また、前記比率〔(x1+x2)/A〕が0.75〜1.5であり、比率(x1/x2)が10〜35/90〜65であることが好ましい。
さらに、第2工程で使用する有機ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートであることが好ましい。
(1)イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基と反応させることにより、分子量の制御が容易になるともに、過大な分子量(例えば、GPC分析においてMnが50万以上)の難溶融性物質の形成が抑制される。この結果、得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の溶融成形性が格段に向上する。
(2)イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、水の有する活性水素基と反応させることにより、得られる樹脂中にウレア基が導入され、この結果、得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂による成形物に、優れた耐折れ皺性、機械的特性および耐摩耗性が発現される。
(3)特定の活性水素基含有化合物の有する炭化水素基の炭素数が4〜12であることにより、得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の分子量を確実に制御できるとともに、当該粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂による成形物は、耐ブルーミング性にも優れたものとなる。
第1の発明に係る製造方法について説明する。
<イソシアネート基末端プレポリマー>
本発明の製造方法で使用するイソシアネート基末端プレポリマーは、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。
イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用する高分子ポリオールの数平均分子量は500以上とされ、好ましくは1,000〜5,000とされる。
高分子ポリオールの種類としては特に限定されるものではなく、例えばポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸のジアルキルエステル、酸無水物、酸ハライド等のポリカルボン酸誘導体と、低分子ポリオール、数平均分子量が500未満である低分子ポリアミンや低分子アミノアルコール等の低分子活性水素基含有化合物との反応により得られるものである。
ポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール(以後1,4−BDと略称する)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(以後1,6−HDと略称する)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ノルマルプロピル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−ノルマルブチル−1,3−プロパンジオール、2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2−ターシャリーブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ノルマルプロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ノルマルブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−3−エチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−3−エチル−1,4−ブタンジオール、2,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,4−トリエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ダイマー酸ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
数平均分子量が500未満の低分子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレントリアミン等が挙げられる。
数平均分子量が500未満の低分子アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン等が挙げられる。
また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールも好適に使用できる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、上記のポリエーテルポリオールと、上記のポリカルボン酸誘導体とから製造されるポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、低分子ポリオールとジエチルカーボネートとの脱エタノール縮合反応;低分子ポリオールとジフェニルカーボネートとの脱フェノール縮合反応;低分子ポリオールとエチレンカーボネートとの脱エチレングリコール縮合反応等により得られるものが挙げられる。ポリカーボネートポリオールを得るために使用する低分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオールを得るためのものとして例示した低分子ポリオールが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基末端ポリブタジエンやその水素添加物、水酸基含有塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
好ましい高分子ポリオールとしては、得られる成形物に良好な物性や感触などが発現できることから、数平均分子量1,000〜5,000の、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールであり、中でも、数平均分子量1,000〜5,000のポリエステルポリオールが好ましく、酸成分として芳香族ジカルボン酸を50モル%以上用いたポリエステルポリオールが特に好ましい。
イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用する有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以後HDIと略称する)、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートの他、その重合体やそのポリメリック体、ウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、更にこれらの2種以上の混合物が挙げられる。本発明では、成形物の耐候性等を考慮すると、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートが好ましく、特にHDI、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、HDIが最も好ましい。
イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用する高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートとの割合としては、前者の有する水酸基に対する後者の有するイソシアネート基のモル比(〔NCO〕/〔OH〕)が1.05〜5.0となる割合であることが好ましく、更に好ましくは1.3〜2.5となる割合である。
高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートとの反応は、非水系の分散媒の存在下(分散状態)で行うことが好ましいが、分散媒の不存在下に行ってもよい。
<特定の活性水素基含有化合物>
本発明の製造方法で使用する特定の活性水素基含有化合物は、活性水素基と、炭素数が4〜12の炭化水素基とを有する一官能の活性水素基含有化合物である。
本発明の製造方法において、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基は、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と反応する。
特定の活性水素基含有化合物の有する「活性水素基」としては、水酸基(−OH)、イミノ基(=NH)およびアミノ基(−NH2 )を挙げることができる。
特定の活性水素基含有化合物の有する「炭素数が4〜12の炭化水素基」としては、アルキル基およびアルケニル基を挙げることができる。
特定の活性水素基含有化合物の有する「炭化水素基」の炭素数は4〜12とされ、好ましくは4〜11、更に好ましくは4〜9とされる。
炭素数が4未満の活性水素基含有化合物を使用する場合には、得られる樹脂の分子量を制御することができない(比較例7参照)。一方、炭素数が12を超える活性水素基含有化合物を使用する場合には、得られる樹脂による成形物にブルーミングが発生しやすい(比較例4〜6参照)。
特定の活性水素基含有化合物の具体例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジ−イソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−シクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−ドデシルアミンなどのジアルキルアミン(第二級アミン);ジ−アリルアミンなどのジアルケニルアミン;ドデシルアミンなどのアルキルアミン(第一級アミン);n−ブタノール、イソブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノニノール、n−デカノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノールなどのモノオールを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、ジアルキルアミンが好ましい。
イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基の一部)と、特定の活性水素基含有化合物(活性水素基)との反応は、非水系の分散媒の存在下(分散状態)で行うことが好ましいが、分散媒の不存在下に行ってもよい。
<水>
本発明の製造方法において、水の有する活性水素基は、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と反応する。
イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基の残部)と、水(活性水素基)との反応は、非水系の分散媒中において行われる。
ここに、「非水系の分散媒」は、高分子ポリオール、並びに得られるイソシアネート基末端プレポリマーおよびポリウレタンウレア樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤からなる。
非水系の分散媒として使用できる有機溶剤としては、前記高分子ポリオールがポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のような極性を待ったものが主成分の場合には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、パラフィン系溶媒等の脂肪族有機媒体、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のような脂環族有機媒体、ジオクチルフタレート等のような可塑剤として用いられる有機媒体等のような非極性及び/又は低極性の有機媒体が挙げられ;水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有水素添加ポリブタジエン等のような非極性のものが主成分の場合には、アセトン、メチルエチルケトン等のような極性の有機媒体が挙げられる。
なお、非水系の分散媒中に、高分子ポリオールを均一に分散させる観点から、分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、例えば、特開2004−161866号公報に記載の分散剤を好適に使用することができる。
<特定の活性水素基含有化合物および水の割合>
イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基)との反応に供される、特定の活性水素基含有化合物と水との割合としては、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数(反応モル数)をx1、水の有する活性水素基のモル数(反応モル数)をx2とするとき、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65とされる。
この比率(x1/x2)が5/95未満、すなわち特定の活性水素基含有化合物の割合が過小である場合には、過大な分子量の難溶融性物質の形成を抑制することができず、得られるポリウレタンウレア樹脂には、好適な溶融成形性(特に、レベリング性およびピンホール防止性能)を奏することができない(後述する比較例8および比較例10参照)。一方、比率(x1/x2)が35/65を超える場合、すなわち特定の活性水素基含有化合物の割合が過大である場合には、得られるポリウレタンウレア樹脂による成形物に、良好な耐折れ皺性や耐摩耗性などを付与することができない(後述する比較例9および比較例11〜13参照)。
次に、第2の発明について説明する。この製造方法は、上記の第1工程(高分子ポリオールの分散液の調製)、第2工程(イソシアネート基末端プレポリマーの分散液の調製)、第3工程(ポリウレタンウレア樹脂の分散液の調製)、第4工程(粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の調製)を含む。
<第1工程>
第1工程は、高分子ポリオールを、当該高分子ポリオール並びに得られるイソシアネート基末端プレポリマーおよびポリウレタンウレア樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤(非水系の分散媒)に分散させて分散液を調製する工程である。
ここに「高分子ポリオール」としては、第1の発明において使用する高分子ポリオールと同一のものを使用することができる。
また、分散媒を構成する「有機溶剤」としても、第1の発明において使用する有機溶剤を、分散される高分子ポリオールの種類(極性)に応じて適宜使用することができる。
更に、この工程において分散剤(例えば、特開2004−161866号公報に記載の分散剤)を使用することが好ましい。ここに、分散剤の使用量としては、高分子ポリオールに対して0.1〜10質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5質量%とされる。
第1工程で得られる高分子ポリオールの分散液において、分散相(分散媒以外の原料の総和量)と連続相(分散媒)との質量比は、生産効率、製造コストを考慮すると、分散相/連続相=10/90〜80/20であることが好ましく、更に好ましくは40/60〜80/20とされる。
<第2工程>
第2工程は、第1工程で得られた分散液中の高分子ポリオールに、有機ポリイソシアネートを反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製する工程である。具体的には、第1工程で得られた高分子ポリオールの分散液に有機ポリイソシアネートを添加し、この系を加熱してウレタン化反応させる。
ここに「有機ポリイソシアネート」としては、第1の発明において使用する有機ポリイソシアネートと同一のものを使用することができる。
第2工程において、イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用される高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートとの割合としては、前者の有する水酸基に対する後者の有するイソシアネート基のモル比(〔NCO〕/〔OH〕)が1.3〜2.5となる割合とされる。
モル比(〔NCO〕/〔OH〕)が1.3未満である場合には、得られるイソシアネート基末端プレポリマーに十分な濃度のNCO基を導入することができず、これを使用して得られるポリウレタンウレア樹脂中に十分な濃度のウレア基を導入することができず、当該樹脂による成形物に、優れた耐折れ皺性、機械的特性および耐摩耗性を付与することができない。
一方、モル比(〔NCO〕/〔OH〕)が2.5を超える場合には、得られるイソシアネート基末端プレポリマーにおいて過剰量のNCO基が導入され、これを使用して得られるポリウレタンウレア樹脂中におけるウレア基の濃度が過大となり、副反応による難溶融性物質の生成を抑制することができず、溶融成形性が低下する。
第2工程では、必要に応じて、従来公知のウレタン化触媒などを用いることができる。ウレタン化触媒としては、トリエチレンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸鉛、ナフテン酸鉄、オクテン酸銅、ビスマス系触媒等を例示することができる。
第2工程における反応条件としては、分散媒の種類(沸点)などによっても異なるが、40〜110℃で1〜4時間であることが好ましく、更に好ましくは50〜100℃で2〜3時間とされる。
<第3工程>
第3工程は、第2工程で得られた分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、特定の活性水素基含有化合物の当該活性水素基と反応させるとともに、当該イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、水の有する活性水素基と反応させることによりポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製する工程である。
具体的には、第2工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基とを反応させ、その後、水を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、イソシアネート基が完全に消費されるまで反応させる。
ここに、水の添加量は、特定の活性水素基含有化合物との反応後におけるイソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基の一部の反応が完結しているプレポリマー)が有しているイソシアネート基(イソシアネート基の残部)に対して過剰量とされ、具体的には、水の蒸発などによる減量を考慮して、イソシアネート基の残部の2〜100当量であることが好ましく、更に好ましくは3〜20当量とされる。添加する水の量が少ないと、イソシアネート基の残部を完全に消費(ウレア化)することができず、得られるポリウレタンウレア樹脂による成形物において、機械的特性の低下を招いたり、当該樹脂中に残留するイソシアネート基に起因して、経時的な変質を生じたりする。
イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基との反応における反応温度としては40〜85℃であることが好ましく、更に好ましくは50〜80℃とされる。
また、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基との反応における反応温度としては40〜85℃であることが好ましく、更に好ましくは50〜80℃とされる。
反応温度が低過ぎると反応に長時間を要する。一方、反応温度が高過ぎると、水などが蒸発して分子量の制御が困難となる。
なお、この第3工程において、公知の界面活性剤を使用してもよい。
<高分子ポリオール、特定の活性水素基含有化合物および水の割合>
高分子ポリオール、特定の活性水素基含有化合物および水の割合(反応割合)としては、第2工程において有機ポリイソシアネートと反応する高分子ポリオールの有する活性水素基のモル数をA、第3工程において、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と反応する活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数をx1、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と反応する水の有する活性水素基のモル数をx2とするとき、比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.5とされ、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65とされる。
比率〔(x1+x2)/A〕が0.3未満である場合には、得られるポリウレタンウレア樹脂中に十分な濃度のウレア基を導入することができず、当該樹脂による成形物に、優れた耐折れ皺性、機械的特性および耐摩耗性を付与することができない。
一方、比率〔(x1+x2)/A〕が1.5を超える場合には、得られるポリウレタンウレア樹脂中におけるウレア基の濃度が過大となり、副反応による難溶融性物質の生成を抑制することができず、溶融成形性が低下する。
比率(x1/x2)が5/95未満、すなわち特定の活性水素基含有化合物の割合が過小である場合には、過大な分子量の難溶融性物質の形成を抑制することができず、得られるポリウレタンウレア樹脂には、好適な溶融成形性(特に、レベリング性およびピンホール防止性能)を奏することができない(後述する比較例8および比較例10参照)。
一方、比率(x1/x2)が35/65を超える場合、すなわち特定の活性水素基含有化合物の割合が過大である場合には、得られるポリウレタンウレア樹脂による成形物に、良好な耐折れ皺性や耐摩耗性などを付与することができない(後述する比較例9参照)。
本発明(第2の発明)においては、
(1)比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.2で、かつ、比率(x1/x2)が5〜20/95〜80であること、および
(2)比率〔(x1+x2)/A〕が0.75〜1.5で、かつ、比率(x1/x2)が10〜35/90〜65であることが特に好ましい。
<第4工程>
第4工程は、第3工程で得られた分散液からポリウレタンウレア樹脂を分離・乾燥して、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製する工程である。
具体的には、濾過法またはデカンテーション法により、ポリウレタンウレア樹脂を分散媒から分離し、次いで、常圧または減圧下において、常温または加温して乾燥する。
<粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂>
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の形状は、流動性(成形加工時の流れ性)のよい真球状である。また、当該粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の安息角は35°以下であることが好ましく、更に好ましくは20°〜33°である。安息角が過大となる場合は、成形加工時の流れ性が悪くなり、成形不良を起こしやすい。
なお、塊状の樹脂を冷凍粉砕することによって製造される粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の安息角は33°を超えるものとなる。
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の数平均分子量(Mn)は18,000〜50,000であることが好ましく、更に好ましくは20,000〜45,000である。
数平均分子量(Mn)が過小である場合には、最終的に得られる成形物に、十分な機械的特性および耐久性を付与することができない。
一方、数平均分子量(Mn)が過大の場合には、好適な溶融成形性を発揮することができない(後述する比較例1〜2、比較例8参照)。
ここに、「ポリウレタンウレア樹脂の数平均分子量(Mn)」は、GPC測定により、超高分子量(Mnが50万以上)のピーク以外のピークから求められる値をいう。
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量(Mw)は43,000〜110,000であることが好ましく、更に好ましくは47,000〜100,000である。
ここに、「ポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量(Mw)」は、GPC測定により、超高分子量のピーク以外のピークから求められる値をいう。
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の平均粒径は1,000μm以下とされ、好ましくは10〜500μm、更に好ましくは90〜200μmとされる。
平均粒径が過大である場合には、得られる成形物におけるアンダーカット部やコーナー部にピンホールが生じやすい。
一方、平均粒径が過大である場合には、流れ性や粉切れが悪化して、得られる成形物の肉厚が不均一になりやすい。
ここに、「平均粒径」とは、レーザー式粒度分析計によって測定した粒径分布カーブにおける50%の累積パーセントの値をいう。
なお、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の平均粒径は、非極性及び/又は低極性の分散媒と、極性の分散媒を併用することで調節可能である。
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂には、必要に応じて添加剤を添加することができる。かかる添加剤としては、顔料・染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、ラジカル重合開始剤、カップリング剤、難燃剤、無機及び有機充填剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等を挙げることができる。
「可塑剤」としては、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ミリスチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸エステル類;ジ−2−エチルヘキシルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸エステル類;ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジブトキシエチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル類;ジ−n−ヘキシルアゼレート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート等のアゼライン酸エステル類;ジ−n−ブチルセバケート等のセバシン酸エステル類;ジ−n−ブチルマレエート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエート等のマレイン酸エステル類;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸エステル類;トリー(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット酸エステル類;トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート等のクエン酸エステル類;ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネート等のイタコン酸エステル類;グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノオレエート等のオレイン酸エステル類;グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート等のステアリン酸エステル類;ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のその他の脂肪酸エステル類;トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルデシルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、トリプロピレングリコールジベンゾエート、ジブチルメチレンビスチオグリコレート等のグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート等のグリセリン誘導体;エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシル等のエポキシ誘導体;その他アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル等が挙げられる。
「顔料」としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機顔料;クロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉末、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。顔料の添加量は、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂に対して、通常5質量%以下とされ、好ましくは1〜3質量%とされる。
「酸化防止剤」としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール等]、ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、リン系[トリフェニルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等]を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
「紫外線吸収剤」としては、ベンゾフェノン系[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等]、ベンゾトリアゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、サリチル酸系[フェニルサリシレート等]、ヒンダードアミン系[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化防止剤および紫外線吸収剤の添加量は、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂に対して、通常5質量%以下とされ、好ましくは0.01〜3質量%とされる。
「ブロッキング防止剤」としては特に限定されるものではなく、公知の無機系ブロッキング防止剤および有機系ブロッキング防止剤を挙げることができる。
無機系ブロッキング防止剤としては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられ、有機系ブロッキング防止剤としては、粒子径10μm以下の熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリウレタン樹脂、グアナミン系樹脂、エポキシ系樹脂等)、及び粒子径10μm以下の熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂等)が挙げられる。
これらのうち、無機系ブロッキング防止剤が好ましく、シリカが特に好ましい。
ブロッキング防止剤の添加量は、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂に対して通常3質量%未満とされ、好ましくは0.1〜2質量%とされる。
<スラッシュ成形法>
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂は、スラッシュ成形用の粉末材料として好適に使用することができる。
スラッシュ成形法の一例を示せば以下のとおりある。
先ず、モールド(金型)に離型剤を塗布した後、この金型を加熱する。ここに、離型剤の塗布は60℃以下で行う。離型剤の塗布方法としては、例えばエアースプレー法、刷毛塗り法などを例示することができる。金型の加熱温度は、通常150〜300℃とされ、好ましくは180〜280℃とされる。加熱方法としては、熱砂加熱法、オイル加熱法などを例示することができる。
次に、粉末材料(本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂)を金型内に仕込み、15〜45秒間保持(粉付け)し、余剰の粉末材料を除去した後、200〜400℃の加熱オーブン内に金型を入れ、通常20〜300秒、好ましくは30〜120秒間にわたり加熱することにより、粉末材料の溶融を完結させる。
その後、加熱オーブンから取り出した金型を水冷法等により冷却し、脱型することによりスラッシュ成形物(例えば、0.7〜2mmの厚さのシート)を得る。
また、スラッシュ成形物(シート)を取り出すことなく、同じ金型内に、ポリウレタンフォーム形成材料を導入し、これを発泡させて、ポリウレタンフォームからなるコア材を形成させた後に脱型することにより、スラッシュ成形物からなる表皮層を有する部材(例えば、自動車のインストルメントバネル、コンソールボックス、アームレスト等)を製造することができる。ここに、ポリウレタンフォームとしては、密度が0.02〜0.5g/cm3 である軟質フォームおよび半硬質フォームが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔調製例1(分散剤溶液の調製)〕
攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管を備えた容量2Lの反応器に、アジピン酸762gと無水マレイン酸49gとエチレングリコール386gとを仕込み、窒素ガスを流しながら、150℃、常圧の条件で攪拌することによりエステル化反応させた。
縮合水が認められなくなった時点で、テトラブチルチタネート0.1gを添加し、反応系内の圧力を徐々に0.07kPaまで減圧するとともに、190℃まで徐々に昇温して反応を継続することによりポリエステルを得た。得られたポリエステルの数平均分子量は2,000、ヨウ素価は12.7gI/100gであった。
続いて、攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管を備えた容量500mLの反応器に、上記のポリエステル74gと酢酸ブチル150gとを仕込み、窒素ガスを流しながら110℃まで昇温して、攪拌した。その後、2−エチルヘキシルメタクリレート75gと過酸化ベンゾイル1gとの溶解混合物を滴下ロートから1時間かけて滴下した。滴下終了後、130℃に昇温して更に2時間反応させることにより、固形分50%の分散剤溶液を得た。以下、これを「分散剤溶液(1)」という。
〔調製例2(分散剤溶液の調製)〕
酢酸ブチルに代えてジイソノニルアジペート(DINA)113gを使用し、2−エチルヘキシルメタクリレートに代えてラウリルメタクリレート96gを使用したこと以外は調製例1と同様にして固形分60%の分散剤溶液を得た。以下、これを「分散剤溶液(2)」という。
<実施例1>
(1)第1工程:
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量3Lの反応器に、エチレングリコールとアジピン酸とから得られる数平均分子量2,000のポリエステルジオール(EA−2000)756.9gと、1,6−HDとオルソフタル酸とから得られる数平均分子量1,500のポリエステルジオール(HoP−1500)133.6gと、分散剤溶液(1)7.4gと、非水系の分散媒としてイソオクタン「キョーワゾール C−800」(協和発酵ケミカル(株)製)818.2gとを仕込み、90〜95℃で1時間攪拌することにより、高分子ポリオール(EA−2000およびHoP−1500)をイソオクタン中に分散させて、非水系の分散液を調製した。
(2)第2工程:
第1工程で得られた分散液に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)102.2gと、ビスマス系触媒「ネオスタン U−600」(日東化成(株)製)0.050gとを添加し、90〜95℃で3時間にわたり、高分子ポリオールとHDIとを反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。
ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.30となる割合である。
(3)第3工程:
第2工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるジ−ドデシルアミン5.0gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−ドデシルアミンの有する活性水素基とを65〜70℃にて反応させた。次いで、この系に、水24g〔イソシアネート基の残部(計算値=0.133モル)の10当量に相当〕を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この実施例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.30であり、比率(x1/x2)が5/95である。
(4)第4工程:
第3工程で得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液から固形分(ポリウレタンウレア樹脂)を濾別し、これに、下記に示す添加剤(i)〜(v)を添加し、これを乾燥した後、打粉剤「MP1451」(綜研化学(株)製)0.30gを添加することにより、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。得られた樹脂の形状は真球状であり、安息角は26°であった。
〔添加剤〕
(i)黒色顔料:カーボンブラック分散顔料「PV−817」(住化カラー(株)製)と、酸化チタン分散顔料「PV−7A1301」(住化カラー(株)製)との混合物(混合比=70/30),添加量=樹脂に対して1.5質量%。
(ii)酸化防止剤:「イルガノックス245」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製),添加量=0.25g。
(iii) 紫外線吸収剤:「チヌビン 213」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製),添加量=0.15g。
(iv)光安定剤:「チヌビン 765」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製),添加量=0.15g。
(v)内部離型剤:「SH200−100,000cs」(東レ・ダウコーニング(株)製),添加量=0.20g。
<実施例2〜15
下記の第1工程乃至第4工程に経て、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の各々を調製した。
(1)第1工程:
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールと、分散剤溶液と、非水系の分散媒(イソオクタン)とを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
なお、実施例2では、ポリエチレングリコール400(1モル)と無水安息香酸(2モル)とから得られる可塑剤「PEG400ジベンゾエート」75.0gを使用し;実施例5では、可塑剤「PEG400ジベンゾエート」50.0gと、ポリエチレングリコール200(1モル)と無水安息香酸(2モル)とから得られる可塑剤「PEG200ジベンゾエート」50.0gとを使用し;実施例11では、可塑剤「PEG200ジベンゾエート」50.0gを使用した。
(2)第2工程:
下記表1に示す処方に従って、各実施例の第1工程で得られた分散液にHDIと触媒とを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。
ここに、使用したHDIにおけるイソシアネート基と、使用した高分子ポリオールにおけるポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕の値を下記表1に併せて示す。
(3)第3工程:
下記表1に示す処方に従って、第2工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に特定の活性水素基含有化合物を添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、特定の活性水素基含有化合物の有する活性水素基とを65〜70℃にて反応させた。
次いで、この系に、水(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
ここに、比率〔(x1+x2)/A〕および比率(x1/x2)の値を下記表1に併せて示す。
(4)第4工程:
第3工程で得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液から固形分(ポリウレタンウレア樹脂)を濾別し、これに、実施例1で用いた添加剤(i)〜(v)を添加し(それぞれの添加量も実施例1と同じとした。)、これを乾燥した後、打粉剤「MP1451」0.30gを添加することにより、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
得られた樹脂の形状は何れも真球状であり、安息角は何れも26°であった。
Figure 0005110342
上記表1および下記表2において、略号で示される物質は以下のとおりである。
*「BA−1000」:
1,4−BDとアジピン酸とから得られる、数平均分子量1,000のポリエステルジオール。
*「BA−2000」:
1,4−BDとアジピン酸とから得られる、数平均分子量2,000のポリエステルジオール。
*「BA−2500」:
1,4−BDとアジピン酸とから得られる、数平均分子量2,500のポリエステルジオール。
*「BEA−2600」:
1,4−BDとエチレングリコールとアジピン酸とから得られる、数平均分子量2,600のポリエステルジオール。
*「EA−1000」:
エチレングリコールとアジピン酸とから得られる、数平均分子量1,000のポリエステルジオール。
*「EA−2000」:
エチレングリコールとアジピン酸とから得られる、数平均分子量2,000のポリエステルジオール。
*「HiP−1000」:
1,6−HDとイソフタル酸とから得られる、数平均分子量1,000のポリエステルジオール。
*「HoP−1500」:
1,6−HDとオルソフタル酸とから得られる、数平均分子量1,500のポリエステルジオール。
*「イソオクタン(分散媒)」:
「キョーワゾール C−800」(協和発酵ケミカル(株)製)。
*「U−600(触媒)」:
ビスマス系触媒「ネオスタン U−600」(日東化成(株)製)。
<比較例1>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(EBA−2600)341.2gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)511.8gと、分散剤溶液(2)14.2gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」666.7gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを143.3gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.33となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、水38g(イソシアネート基の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.33であり、比率(x1/x2)が0である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例1は、特定の活性水素基含有化合物を使用しない比較例である。
<比較例2>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2000)612.0gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)262.3gと、分散剤溶液(1)29.1gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」818.2gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを121.3gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.50となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、水43g(イソシアネート基の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.50であり、比率(x1/x2)が0である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例2は、特定の活性水素基含有化合物を使用しない比較例である。
<比較例3>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−1000)384.4gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)192.2gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)192.2gと、分散剤溶液(2)25.6gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」600.0gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを197.5gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.67となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、1,6−HDを29.2g添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、1,6−HDの有する活性水素基(水酸基)とを反応させた。次いで、この系に、水4.4g(イソシアネート基の残部と当量)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.35、比率(x1/x2)が0である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例3は、特定の活性水素基含有化合物に代えて、低分子ポリオールを使用した比較例である。
<比較例4>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2500)401.0gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)200.5gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)200.5gと、分散剤溶液(1)33.4gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」818.2gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを158.1gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.90となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、ジ−トリデシルアミン(炭素数が13のアルキル基を有する活性水素基含有化合物)50.8gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−ジトリデシルアミンの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水68g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例4は、特定の活性水素基含有化合物に代えて、炭素数が12を超える長鎖のアルキル基を有する活性水素基含有化合物を使用した比較例である。
<比較例5>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2000)272.8gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)506.6gと、分散剤溶液(2)3.9gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」666.7gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを175.5gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が2.20となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、テトラデカノール(炭素数が14のアルキル基を有する活性水素基含有化合物)36.4gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、テトラデカノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水87g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例5は、特定の活性水素基含有化合物に代えて、炭素数が12を超える長鎖のアルキル基を有する活性水素基含有化合物を使用した比較例である。
<比較例6>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2500)403.4gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)201.7gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)201.7gと、分散剤溶液(2)33.6gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」666.7gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを159.0gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.90となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、テトラデカノール(炭素数が14のアルキル基を有する活性水素基含有化合物)28.8gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、テトラデカノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水69g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例6は、特定の活性水素基含有化合物に代えて、炭素数が12を超える長鎖のアルキル基を有する活性水素基含有化合物を使用した比較例である。
<比較例7>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−1000)238.7gと、ポリエステルジオール(BA−2500)159.2gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)397.9gと、分散剤溶液(1)39.8gと、分散剤溶液(2)39.8gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」1500.0gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを194.3gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.65となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、エタノール2.1gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、エタノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水78g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例7は、特定の活性水素基含有化合物に代えて、炭素数が4未満のアルキル基を有する活性水素基含有化合物を使用した比較例である。
<比較例8>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2500)413.2gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)206.6gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)206.6gと、分散剤溶液(2)34.4gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」1500.0gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを162.9gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.90となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるジ−アリルアミン2.7gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−アリルアミンの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水80g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.90であり、比率(x1/x2)が3/97である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例8は、比率(x1/x2)が5/95未満(特定の活性水素基含有化合物の割合が過小)の比較例である。
<比較例9>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−1000)138.5gと、ポリエステルジオール(EA−1000)138.5gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)277.0gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)138.5gと、分散剤溶液(2)28.9gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」1000.0gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを194.1gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.79となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるジ−2−エチルヘキシルアミン83.6gと、特定の活性水素基含有化合物であるn−ブタノール25.7gとを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−2−エチルヘキシルアミンおよびn−ブタノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水42g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.89であり、比率(x1/x2)が60/40である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例9は、比率(x1/x2)が35/65を超える(特定の活性水素基含有化合物の割合が過大)の比較例である。
<比較例10>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2000)226.6gと、ポリエステルジオール(EBA−2600)188.8gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)399.8gと、分散剤溶液(1)62.9gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」538.5gを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを221.1gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が2.50となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるn−オクタノール8.2gとを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、n−オクタノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水135g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は1.50であり、比率(x1/x2)が4/96である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例10は、比率(x1/x2)が5/95未満(特定の活性水素基含有化合物の割合が過小)の比較例である。
<比較例11>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−2500)435.9gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)435.9gと、分散剤溶液(1)7.2gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」666.7gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを101.7gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.30となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるジ−2−エチルヘキシルアミン24.9gを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−2−エチルヘキシルアミンの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水16g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.30であり、比率(x1/x2)が37/63である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例11は、比率(x1/x2)が35/65を超える(特定の活性水素基含有化合物の割合が過大)の比較例である。
<比較例12>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−1000)234.0gと、ポリエステルジオール(BA−2500)156.0gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)390.0gと、分散剤溶液(1)39.0gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」1000.0gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを190.5gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が1.65となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるn−ブタノール24.5gとを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、n−ブタノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水51g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は0.65であり、比率(x1/x2)が37/63である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例12は、比率(x1/x2)が35/65を超える(特定の活性水素基含有化合物の割合が過大)の比較例である。
<比較例13>
下記表2に示す処方に従って、ポリエステルジオール(BA−1000)148.1gと、ポリエステルジオール(EA−2000)148.1gと、ポリエステルジオール(HiP−1000)74.1gと、ポリエステルジオール(HoP−1500)370.3gと、分散剤溶液(1)18.5gと、イソオクタン「キョーワゾール C−800」818.2gとを反応器に仕込んだこと以外は実施例1の第1工程と同様にして非水系の分散液を調製した。
次いで、得られた分散液にHDIを182.7gと、触媒「ネオスタン U−600」0.050gとを添加したこと以外は実施例1の第2工程と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製した。ここに、HDIと高分子ポリオールとの使用割合は、前者の有するイソシアネート基と、後者の有するポリオール基との比率〔NCO〕/〔OH〕が2.00となる割合である。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの分散液に、特定の活性水素基含有化合物であるジ−2−エチルヘキシルアミン57.7gと、特定の活性水素基含有化合物であるn−ブタノール12.9gとを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部と、ジ−2−エチルヘキシルアミンおよびn−ブタノールの有する活性水素基とを反応させた。次いで、この系に、水61g(イソシアネート基の残部の10当量に相当)を添加し、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製した。
この比較例において、比率〔(x1+x2)/A〕は1.00であり、比率(x1/x2)が38/62である。
次いで、得られたポリウレタンウレア樹脂の分散液を用い、実施例1の第4工程と同様にして、粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製した。
この比較例13は、比率(x1/x2)が35/65を超える(特定の活性水素基含有化合物の割合が過大)の比較例である。
Figure 0005110342
<粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の評価>
実施例1〜15および比較例1〜13により得られた粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の各々について、下記の項目について測定および評価した。結果を下記表3および表4に示す。
なお、比較例3および比較例7については、一部の項目に係る測定および評価を実施しなかった。
(1)分子量測定:
GPC測定により、難溶融性物質(Mnが50万以上の成分)の割合(測定チャートにおけるピーク面積比率)、難溶融性物質を除いた成分における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。測定条件は下記のとおりである。
・測定器:「HLC−8120」(東ソー(株)製)
・カラム:「TSKgel MultiporeHXL-M 」(東ソー(株)製)
粒径=5μm、サイズ=7.8mmID×30cm×4本
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:THF/n−メチルピロリドン=2/1の1%溶液
・検量線:標準ポリスチレン
(2)平均粒径:
レーザー式粒度分析計「マイクロトラック HRA」(日機装(株)製)にて測定した粒径分布カーブにおける50%の累積パーセントの値を求めた。
(3)溶融成形性(レベリング性):
230℃に加熱した金型に粉末ポリウレタン樹脂を10秒間熱溶融させ、未溶融の粉末を除去し、300℃のオーブン内で45秒間放置した後、水冷するスラッシュ成形により、厚さ1mmの成形シートを作製した。このようにして得られたシートの溶融状態を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
「◎」:溶融不良は認められない。
「○」:目立たない程度の溶融不良が多少認められる。
「×」:溶融不良がかなり認められる。
(4)溶融成形性(ピンホールの状態):
上記(3)により得られたシートの表面におけるピンホールの有無および程度を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
「◎」:ピンホールは認められない。
「○」:目立たない程度のピンホールが多少認められる。
「×」:ピンホールがかなり認められる。
(5)溶融成形性(脱型時のグリーン強度発現性):
上記(3)により得られたシートの脱型時における変形の有無および程度を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
「◎」:変形は認められない。
「○」:僅かな変形が認められる。
「×」:明らかに変形が認められる。
(6)成形物の耐折れ皺性:
上記(3)により得られたシートを、脱型後30秒間放置し、180°折り曲げた状態で30秒間保持し、これを拡開して24時間静置した後、折り曲げられた部分を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
「◎」:折れ皺は認められない。
「○」:目立たない程度の折れ皺が多少認められる。
「×」:折れ皺が明確に認められる。
(7)成形物表面の耐摩耗性:
上記(3)により得られたシートについて、往復運動平面磨耗試験機を用いて、下記の条件で100往復の試験を行い、シート表面の状態を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(条件)
・往復速度=40回/分
・摩擦子:30mm×12mm
・荷重=29.4N
・磨耗材:白綿かなきん3号を5枚積重したもの
「◎」:損傷は認められない。
「○」:目立たない程度の損傷が多少認められる。
「×」:損傷が顕著に認められる。
(8)成形物の機械的特性:
上記(3)により得られたシートについて、JIS K 6251〜6252に準じて引張試験および引裂試験を行い、引張強度、破断のびおよび引裂強度を測定した。
(9)成形物の耐ブルーミング性:
上記(3)により得られたシートを50℃の水中に48時間浸漬した後、これを乾燥し、表面におけるブルーミングの有無および程度を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
「◎」:ブルーミングは認められない。
「○」:ブルーミングが僅かに認められる。
「×」:ブルーミングが顕著に認められる。
Figure 0005110342
Figure 0005110342
*1)ロットごとに分子量が変動した。これは、イソシアネート基の残部と、水の有する活性水素基との反応をR=0.98で制御しようと試みたが、添加した水の一部が蒸発し、所定量(イソシアネート基の残部と当量)の活性水素基を、イソシアネート基の残部と確実に反応させることができなかったからである。
*2)ロットごとに分子量が大きく変動した。これは、エタノールの蒸発によるものと考えられる。
本発明の製造方法により得られる粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂は、スラッシュ成形用の粉末材料として好適である。当該ポリウレタンウレア樹脂によるスラッシュ成形物は、特に自動車の内装材として好適であり、またソファー等の室内家具の材料としても有用である。



Claims (6)

  1. 粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、
    イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、活性水素基と炭素数が4〜12の炭化水素基とを有する一官能の活性水素基含有化合物の当該活性水素基と反応させるとともに、
    当該イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、非水系の分散媒中において、水の有する活性水素基と反応させる工程を含み、
    前記イソシアネート基の一部と反応する活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数をx1、前記イソシアネート基の残部と反応する水の有する活性水素基のモル数をx2とするとき、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65であることを特徴とする粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
  2. 粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、
    以下の第1工程乃至第4工程を含み、
    第2工程において有機ポリイソシアネートと反応する高分子ポリオールの有する活性水素基のモル数をA、第3工程において、イソシアネート基の一部と反応する活性水素基含有化合物の有する活性水素基のモル数をx1、イソシアネート基の残部と反応する水の有する活性水素基のモル数をx2とするとき、比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.5であり、比率(x1/x2)が5〜35/95〜65であることを特徴とする粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
    第1工程:数平均分子量が1,000〜5,000の高分子ポリオールを、当該高分子ポリオール並びに得られるイソシアネート基末端プレポリマーおよびポリウレタンウレア樹脂を溶解しない有機溶剤に分散させて非水系の分散液を調製する工程。
    第2工程:得られた分散液中の高分子ポリオールに、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーの分散液を調製する工程。
    第3工程:得られた分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の一部を、活性水素基と炭素数が4〜12の炭化水素基とを有する一官能の活性水素基含有化合物の当該活性水素基と反応させるとともに、当該イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を、水の有する活性水素基と反応させてポリウレタンウレア樹脂の分散液を調製する工程。
    第4工程:得られた分散液からポリウレタンウレア樹脂を分離・乾燥して、粉末状の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を調製する工程。
  3. 前記比率〔(x1+x2)/A〕が0.3〜1.2であり、比率(x1/x2)が5〜20/95〜80であることを特徴とする請求項2に記載の粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
  4. 前記比率〔(x1+x2)/A〕が0.75〜1.5であり、比率(x1/x2)が10〜35/90〜65であることを特徴とする請求項2に記載の粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
  5. 第2工程で使用する有機ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
  6. スラッシュ成形用の粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂を製造することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
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