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JP5101561B2 - 磁歪式トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

磁歪式トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいてトルクを検出する磁歪式トルクセンサと、該磁歪式トルクセンサを具備した電動パワーステアリング装置に関する。
非接触式トルクセンサとして、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいてトルクを検出する磁歪式トルクセンサが知られている。磁歪式トルクセンサは、車両用ステアリング装置の操舵トルク検出用等に用いられている(特許文献1参照)。
この種の磁歪式トルクセンサは、磁気異方性を異にする2つの磁歪膜(第1磁歪膜及び第2磁歪膜)をシャフトに設けると共に、第1磁歪膜及び第2磁歪膜に対向してそれぞれ第1検出コイル及び第2検出コイルを配置して構成されている。そして、シャフトにトルク(よじれ)が加えられると、第1磁歪膜及び第2磁歪膜の透磁率が変化し、これに応じて第1検出コイル及び第2検出コイルの各インダクタンスが変化するため、第1検出コイル及び第2検出コイルのインピーダンスあるいは誘導電圧の変化としてトルクを検出することができる。
特開2004−309184号公報
上述したように、磁歪式トルクセンサは、回転軸の両端を捩じって捩りトルクを磁歪膜に印加すると、磁気歪効果(逆磁歪効果ともいう)により第1磁歪膜及び第2磁歪膜の透磁率や損失等の磁気特性が変化する現象を利用するものである。
このことから、回転軸は、機械的な捩りと曲げ強度を必要とするので、鉄合金を母材とし、さらに、熱処理、例えば調質、表面処理、表面焼入れ、ズブ焼入れ等の熱処理が必要である。この熱処理により、回転軸の母材中に多くの炭素が残留し、磁化の影響を受けやすいという問題がある。
上述のように、回転軸は、磁化の影響を受け易いことから、該回転軸を有する磁歪式トルクセンサを電動パワーステアリング装置に適用した場合、エンジンや発電機、または電気自動車用電動機等の交番磁界による交番磁束が回転軸(操舵軸)中を通過し、これにより、磁歪式トルクセンサからは、交番磁束の影響によってノイズが混入したセンサ信号が出力されることになる。このノイズによる振動音がハウジングや他の機器の音響板や共鳴板に影響を与え、異音(交番磁束音)が発生することになる。このノイズの対策として、ローパスフィルタで除去する方法が考えられるが、ローパスフィルタによる遅れにより、検出信号の応答性が低下し、ダイナミックレンジの広い出力信号を得ることができない。
このような磁歪式トルクセンサを電動パワーステアリングに用いると、運転者のステアリングホイールにアシストするモータの遅れが大きく、滑らかな操舵フィーリングを得ることができない。
本発明は、これらの課題を解決した磁歪式トルクセンサと磁歪式トルクセンサを用いて操舵フィーリングを向上させた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
[1]第1の本発明に係る磁歪式トルクセンサは、軸部材に設けられた磁歪材と、該磁歪材の磁気特性の変化を検出するコイルとを有する磁歪式トルクセンサであって、前記軸部材を囲むように良導体である非磁性材料を設けたことを特徴とする。
これにより、軸部材への交番磁束の通過が抑制されることから、磁歪式トルクセンサから出力されるセンサ信号は、交番磁束による影響をほとんど受けなくなり、その結果、ノイズによる振動の発生や異音の発生を抑制することができる。また、良導体である非磁性材料として、銅、または銅合金、アルミ、またはアルミ合金等が挙げられるが、これらの材料は、加工がし易く、しかも、金や銀と比べて価格が安く入手しやすい。従って、磁歪式トルクセンサを低価格で作製でき、安定して市場に供給することができる。
[2]第1の本発明において、前記良導体である非磁性材料は、中空の円筒状を有するようにしてもよい。これにより、良導体である非磁性材料を軸部材に直接設けたり、コイルの近傍等に設ければよいので、取り付け場所の自由度が高く、しかも、調整も不要であるため、磁歪式トルクセンサの作製が容易になると共に、小型化することができる。
[3]第1の本発明において、前記良導体である非磁性材料は、少なくとも前記軸部材の径方向外側に渦電流を発生することができる厚みを有するようにしてもよい。良導体である非磁性材料は、厚みのある円筒状であり、しかも、渦電流を流すことができることから、軸部材内を通過しようとする交番磁束を打ち消す方向に磁束を発生させることができ、軸部材内への交番磁束の通過を有効に阻止することできる。
[4]第1の本発明において、前記良導体である非磁性材料は、前記軸部材とは別に作られた部材であってもよい。軸部材に一体に形成された場合と異なり、1つあるいは複数の部材を、軸部材への交番磁束の通過を有効に阻止する位置に、自由に組み付けることができ、磁歪式トルクセンサを容易に作製することができる。
[5]第1の本発明において、さらに、少なくとも前記軸部材、前記磁歪材及びコイルを収容するハウジングを有し、前記ハウジングは、前記軸部材の端部寄りに開口部を備え、前記開口部に前記良導体である非磁性材料が設けられていてもよい。通常、交番磁束は、軸部材のうち、ハウジングの外部に位置する部分(端部等)を介して軸部材を通過することになるため、交番磁束のほとんどはハウジングの開口部を通ることになる。従って、ハウジングの開口部に良導体である非磁性材料を設けることで、外部からの交番磁束が軸部材を通過するのを有効に阻止することができる。
[6]第2の本発明に係る電動パワーステアリング装置は、運転者が車両のステアリングホイールを操舵することによって発生する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサを有し、モータの動力を操舵系に直接作用させて、運転者の前記操舵トルクを軽減する電動パワーステアリング装置において、前記操舵トルクセンサは、操舵軸を囲むように良導体である非磁性材料を設けたことを特徴とする。
これにより、電動パワーステアリングを取り巻く環境に、エンジンや発電機、または電機自動車用電動機の交番磁界が発生しても、操舵軸中を通過しなくなるので、ノイズの発生が無く、振動が減少されて、静粛でしかも応答性の良い滑らかな操舵フィーリングを得ることができるばかりか、その他の例えば舵角センサ等のような操舵軸やその近傍に設けられるセンサに悪影響を与えない。
以上説明したように、本発明に係る磁歪式トルクセンサによれば、交流磁束が軸部材又は磁歪材又はコイルを通過しなくなり、交番磁界の影響を受けにくくなる。その結果、操舵トルクを正確に検出することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、周辺機器において交番磁界が発生しても、交番磁束は操舵軸中を通過しなくなるので、ノイズの発生が無く、振動が減少されて、静粛でしかも応答性の良い滑らかな操舵フィーリングを得ることができるばかりか、その他の例えば舵角センサ等のような操舵軸やその近傍に設けられるセンサに悪影響を与えない。
第1トルクセンサを一部破断して示す側面図である。 第1トルクセンサの入力トルクに対するインピーダンスの変化を示す特性図である。 第1トルクセンサの回転軸に固定されるリングを示す斜視図である。 図4Aは通常の磁歪式トルクセンサにおいて、回転軸に交番磁束が通過する状態を示す説明図であり、図4Bは第1トルクセンサにおいて、回転軸への交番磁束の通過が阻止された状態を示す説明図である。 図5A及び図5Bは第2トルクセンサの構成を示す説明図である。 図6A及び図6Bは第2トルクセンサの作用を示す説明図である。 第3トルクセンサを一部破断して示す側面図である。 第4トルクセンサを一部破断して示す側面図である。 第1パワーステアリング装置を示す構成図である。 第5トルクセンサを一部破断して示す側面図である。 第5トルクセンサの操舵トルクに対するトルク検出値(検出データ)の変化を示す特性図である。 第2パワーステアリング装置の要部を一部破断して示す側面図である。 第3パワーステアリング装置の要部を一部破断して示す側面図である。
以下、本発明に係る磁歪式トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置の実施の形態例を図1〜図13を参照しながら説明する。
先ず、第1の実施の形態に係る磁歪式トルクセンサ(以下、第1トルクセンサ10Aと記す)について、図1〜図13を参照しながら説明する。
この第1トルクセンサ10Aは、図1に示すように、図示されない軸受けにより回転自在に支持される回転軸12と、該回転軸12の表面に設けられた磁歪膜14と、該磁歪膜の磁気特性の変化を検出する検出コイル16とを有する。
回転軸12は、機械的な強度を必要とするため、鉄合金、例えば、機械構造用鋼材(SC材)やクロムモリブデン鋼材(SCM材)を用い、さらに、熱処理、例えば表面処理(高周波焼入れや浸炭等)により強度を確保しつつ、靭性を付与している。そのため、母材中と表面に炭素が残存し、磁化されやすいという性質を有する。
磁歪膜14は、例えばFe−N合金や、Fe−Co合金、SmFe合金等で形成されるが、ここではFe−Ni合金で説明する。この磁歪膜14は、厚さ5〜100μm程度であり、回転軸12にめっき法、溶射法、スパッタ法、蒸着法、接着法等により製作される。これにより、回転軸12の外周にほぼ均一な膜厚で密着良く設けられる。もちろん、回転軸12のうち、磁歪膜14が形成される外周部分は、機械加工後にアルカリ洗浄や水洗いや酸洗浄等が適宜施され、磁歪膜14との密着性を向上させている。
磁歪膜14には異方性が付与されている、この異方性は、例えば、5〜200Nm程度(要求によってこれ以上でもよいし、以下でもよい)の捩りトルク(単に、トルクと記す場合もある)を印加しながら、例えば高周波誘導加熱のような熱処理法で、例えば300〜500℃程度に数秒から数100秒、加熱し、磁歪膜14に熱を加える。この熱により、回転軸12を介して磁歪膜14に印加されていたトルク(5〜200Nm)による歪は抜けて、概ね応力が作用しない状態といってよいくらいになる。この状態で常温まで冷却する。そして、印加していたトルクを開放すると磁歪膜14に異方性が付与される。すなわち、磁歪膜14に入力トルクと反対方向のトルクが回転軸12から作用される。
この異方性が付与されたときの特性を図2を用いて説明する。図2に示すように、回転軸12に印加する入力トルクを横軸に、縦軸に例えばインピーダンスをとって示すと、図2中、破線Aは異方性が付与される前の磁歪膜14の検出コイル16による出力特性を示し、図2中、実線Bは、例えば50Nmのトルクを印加しながら、例えば高周波誘導加熱のような熱処理法で、例えば300〜500℃程度に数秒から数100秒、加熱し、この加熱によって、回転軸12を介して磁歪膜14に印加されていたトルクによる歪を抜いて、常温に冷却したときの特性である。加熱によってトルクによる歪が抜かれる原因は、加熱によって磁歪膜14にクリープが発生したことによるものと考えられる。そして、磁歪膜14には、印加したトルク50Nmより小さいが概ね近いトルクが、例えば45Nm程度が残留する。このように異方性を付与すると、図2からもわかるように、第1トルクセンサ10Aの実質的な使用範囲Wで高い傾きs、すなわち、大きな感度を得ることができる。
図1に示すように、磁歪膜14には、径方向にほぼ均等な適当な間隙daを有して円筒状の検出コイル16が設けられる。間隙daは、0<da≦1mm程度の範囲で設定される。この検出コイル16は、断面略コの字の形をした樹脂で形成されたボビン18内に多重巻きされた巻線20により形成される。そして1kHz〜100kHzの範囲で適当な、例えば10kHz程度の周波数で励磁され、検出コイル16と異方性の付与された磁歪膜14との間の透磁率を検出する。
そして、この第1トルクセンサ10Aにおいては、中空の円筒状のリング22が、磁歪膜14の近傍、例えば図1中、磁歪膜14の右端の近傍に、圧入により一体的に固定される。磁歪膜14の右端からリング22の左端までの間隔dbは、0<間隔≦10mmの範囲が望ましいがそれ以上でもよい。固定方法は、接着でもカシメで固定してもよい。なお、リング22は、図1中、磁歪膜14の左端の近傍でもよいし、磁歪膜14の両端の近傍にそれぞれ設けてもよい。リング22は、良導体(電気抵抗が小さい)である非磁性材料、例えば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等で構成されており、体積抵抗率が小さい。本実施の形態では、Al材にて構成されている。また、このリング22は、回転軸12の径方向外側に渦電流を発生することができる厚みを有することが好ましい。例えば図3に示すように、寸法として、軸方向の長さhが1〜5mm、径方向の厚みtが1〜5mmが挙げられるがそれ以外でもよい。
次に、第1トルクセンサ10Aの作動原理について説明する。
この第1トルクセンサ10Aでは、回転軸12を介してトルクを磁歪膜14に印加すると、磁気歪効果(逆磁歪効果ともいう)により、磁歪膜14の透磁率や損失等の磁気特性が変化する現象を利用する。この磁歪膜14の透磁率や損失等の磁気特性が変化を検出コイル16により電気的に検出する。ここでは、インダクタンス変化(リアクタンス変化も含む)やインピーダンス変化(抵抗変化も含む)等に変換して検出する。例えば、Fe−Ni合金であるとすると、正の磁歪定数を有するので、引っ張り応力が印加されると、透磁率が増大し、逆に圧縮応力が印加されると、透磁率が減少する。異方性の付与により、常に圧縮応力が印加されているので、図2に示すように、右(時計)方向のトルク(+)を印加して増大させると(但し、使用範囲W内)、圧縮応力がより小さくなることから、透磁率が増大し、インピーダンスが増大する。逆に、左(反時計)方向のトルク(−)を印加させた場合には、圧縮応力がさらに減少することにより、透磁率が減少し、インピーダンスがさらに減少する。これを電気的に検出してトルクを検出する。
ここで、リング22による作用を説明する。例えばエンジンや発電機、工業用モータ等の近くに、この磁歪式トルクセンサが設置されると、回転機械の磁束Φが漏れて、図4Aに示すように、回転軸12の母材中を貫通するが、図1に示す第1トルクセンサでは、回転軸12にリング22を設けているので、回転機械の磁束が漏れていても、図4Bに示すように、回転軸12の母材中を貫通することはない。
これは、図4Aに示すような交番磁束Φが回転軸12を貫通してリング22を通ろうとすると、リング22に渦電流が発生して、回転軸12内を通過しようとする交番磁束Φを打ち消す方向に磁束が発生することによる。その結果、回転軸12内への交番磁束Φの通過を有効に阻止することできる。もちろん、リング22は電気抵抗が小さいので、交番磁束Φの一部が熱となって消費される。回転軸12内への通過を阻止された交番磁束Φは、ほかの経路を通ることになる。体積抵抗率が小さい程、リング22にて発生する渦電流が大きくなるため、交番磁束Φの阻止効果がより大きくなる。また、磁歪膜14の両端近傍にそれぞれリング22を設置しても、交番磁束Φの阻止効果をより大きくすることができる。
このように、第1トルクセンサ10Aにおいては、回転軸12への交番磁束Φの通過が抑制されることから、第1トルクセンサ10Aから出力されるセンサ信号は、交番磁束Φによる影響をほとんど受けなくなり、その結果、ノイズによる振動の発生や異音の発生を抑制することができる。
また、上述した異音発生の対策としてのローパスフィルタを設置する必要がないため、ローパスフィルタに起因する遅れがなく、高い応答性、すなわち、ダイナミックレンジの広い出力信号を得ることができる。また、リング22をアルミ材で製作したので、組み立て製作がし易く、しかも価格が安く入手しやすい(金や銀に比べて)材料なので、第1トルクセンサ10Aを低価格で製作でき、安定して市場に供給できる。
さらに、円筒状のリング22としたので、リング22を回転軸12に直接設けたり、検出コイル16の近傍等に設ければよいので、取り付け場所の自由度が高く、しかも、調整も不要であるため、第1トルクセンサ10Aの作製が容易になると共に、小型化することができる。
また、リング22は、回転軸12とは別に作られた部材で構成したので、回転軸12に一体に形成された場合と異なり、1つあるいは複数のリング22を、回転軸12への交番磁束Φの通過を有効に阻止する位置に、自由に組み付けることができ、第1トルクセンサ10Aを容易に作製することができる。
次に、第2の実施の形態に係る磁歪式トルクセンサ(以下、第2トルクセンサ10Bと記す)について図5A〜図6Bを参照しながら説明する。
この第2トルクセンサ10Bは、上述した第1トルクセンサ10Aとほぼ同様の構成を有するが、図5A及び図5Bに示すように、検出コイル16が、断面略コの字の形で、且つ、電磁鋼板等の軟磁性体からなるヨーク24と、このヨーク24に多重巻きされた巻線20とで構成されている点で異なる。
ここで、第2トルクセンサ10Bの作動原理について説明する。この第2トルクセンサ10Bについても、上述した第1トルクセンサ10Aと同様に、回転軸12の両端を捩じって、捩りトルクを磁歪膜14に印加すると、磁気歪効果(逆磁歪効果)により磁歪膜14の透磁率や損失等の磁気特性が変化する現象を利用するものである。この磁歪膜14の透磁率や損失等の磁気特性の変化を検出コイル16により電気的に検出する。
具体的には、インダクタンス変化(リアクタンス変化も含む)やインピーダンス変化(抵抗変化も含む)等に変換して検出する。例えば、Fe−Ni合金であれば、正の磁歪定数を有するので、引っ張り応力が印加されると、透磁率が増大し、逆に、圧縮応力が印加されると、透磁率が減少するので、検出コイル16を図5A及び図5Bに示すように、回転軸12の軸方向に対して約45°の方向に傾斜させて取り付けることにより、印加されたトルクを引っ張り方向と圧縮方向の応力として検出することができる。
上述の動作原理を図6A及び図6Bを用いて具体的に説明する。図6Aは、右(時計)方向のトルクを印加させた場合である。このとき、検出コイル16は、回転軸12の軸方向に対して約45°の方向に傾斜させて取り付けられていることにより、約45°方向の圧縮方向の応力を検出するので、透磁率が減少し、これを電気的に検出コイル16で検出すると、検出コイル16のインダクタンスは減少する。逆に、図6Bに示すように、左(反時計)方向のトルクを印加させた場合には、検出コイル16には、引っ張り方向の応力が印加されるので、透磁率が増大し、これを電気的に検出すると検出コイル16のインダクタンスは増大する。このインダクタンスの変化を検出することで、トルクを検出することができる。
回転軸12は、機械的な捩りと曲げ強度を必要とするので、鉄合金を母材とし、さらに、熱処理、例えば調質、表面処理、表面焼入れ、ズブ焼入れ等の熱処理が必要である。この熱処理により、回転軸12の母材中に多くの炭素が残留し、磁化の影響を受けやすい。
しかし、第1トルクセンサ10Aと同様に、円筒状のリング22を、磁歪膜14の近傍に例えば圧入により一体的に固定されているため、回転軸12内への交番磁束Φの通過を阻止することができ、第1トルクセンサ10Aと同様の効果を得ることができる。
次に、第3の実施の形態に係る磁歪式トルクセンサ(以下、第3トルクセンサ10Cと記す)について図7を参照しながら説明する。
この第3トルクセンサ10Cは、上述した第1トルクセンサ10Aとほぼ同様の構成を有するが、図7に示すように、回転軸12と磁歪膜14との間に、中間膜26が介在している点で異なる。
すなわち、磁歪膜14と回転軸12との間に、錫(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、カドミウム(Cd)のいずれかの金属、あるいはいずれかを主成分とする合金による中間膜26を設け、回転軸12にトルクを印加しながら、中間膜26の構成材料が溶融する温度以上に加熱して、磁歪膜14に印加されていたトルクによる歪を開放させる。その後に、このトルクが入力された状態で常温に冷却して中間膜26を凝固させる。凝固した後で、印加されていたトルクを開放する。これにより、磁歪膜14に異方性が付与される。この第3トルクセンサ10Cにおいても、図2と同等の特性を得ることができる。
この第3トルクセンサ10Cも、回転軸12には機械的な強度を必要とする。そのため、鉄合金を母材とし、さらに、熱処理により強度を確保しなければならず、磁化の影響を受けやすい。
しかし、第1トルクセンサ10Aと同様に、円筒状のリング22を、磁歪膜14の近傍、例えば図7中、中間膜26の右端の近傍に、圧入により一体的に固定するようにしたので、回転軸12内への交番磁束Φの通過を阻止することができ、第1トルクセンサ10Aと同様の効果を得ることができる。なお、中間膜26の右端からリング22の左端までの間隔dcは、0≦間隔≦10mmの範囲が望ましいがそれ以上でもよい。この場合も、リング22は、図7中、中間膜26の左端の近傍でもよいし、中間膜26の両端の近傍にそれぞれ設けてもよい。
次に、第4の実施の形態に係る磁歪式トルクセンサ(以下、第4トルクセンサ10Dと記す)について図8を参照しながら説明する。
第4トルクセンサは、上述した第1トルクセンサ10Aとほぼ同様の構成を有するが、図8に示すように、少なくとも回転軸12、磁歪膜14及び検出コイル16を収容するハウジング28を有し、このハウジング28に円筒状のリング22が固定されている点で異なる。
具体的には、ハウジング28は、樹脂又は金属にて構成され、金属製の場合は、鉄合金材であればアルミニウムを含んでもよいが、アルミ合金材であれば、銅を含むことが好適である。アルミ合金材の中でも、純銅又は銅合金を含む材料は他のアルミ合金材よりも電気抵抗が小さいからである。ここでは、銅を含むアルミ合金を例にとって説明する。
ハウジング28は、アルミ合金からなり、一方の端部及び他方の端部に設置された第1軸受け30a及び第2軸受け30bを介して回転軸12を回転自在に支持している。回転軸12は、両端に他の装置に締結するためのセレーション32が設けられ、他の装置との締結を確実なものにしている。セレーション32の他にキー溝やフランジを設け、また、ゴムカップリングで締結してもよい。
ハウジング28は、軸方向中央部であって、回転軸12と対向する部分に、検出コイル16が収容されるリング状の凹部34が形成されており、検出コイル16と凹部34との間には電磁鋼板等の軟磁性体からなるリング状のヨーク36が設置されている。
リング22は、ハウジング28のアルミ合金よりも体積抵抗率の小さい、つまり、電気抵抗の小さい純銅、純アルミ又は銅合金、アルミ合金にて構成され、ハウジング28の内壁面のうち、一方の開口部38aの近傍に固定されている。一方の開口部38a(ハウジング28の一方の端面)からリング22の右端までの間隔は、例えば0≦間隔≦10mmの範囲であるがそれ以外でもよい。リング22の固定方法は、圧入でもよいし、接着でもカシメで固定してもよい。リング22は、図8中、ハウジング28の内壁面のうち、他方の開口部38bの近傍でもよいし、一方の開口部38a及び他方の開口部38bの各近傍にそれぞれ設けてもよい。リング22は、第1軸受け30aの端面(回転軸12の一方の端部寄りの端面)に固定してもよいし、第2軸受け30bの端面(回転軸12の他方の端部寄りの端面)に固定してもよいし、第1軸受け30a及び第2軸受け30bの各端面に固定してもよい。
そして、エンジンや発電機、工業用モータ等の近くに、この第4トルクセンサ10Dが設置されると、回転機械の交番磁束Φが漏れて、通常は、図4Aの場合と同様に、回転軸12の母材中を貫通するが、このとき、交番磁束Φは、回転軸12のうち、ハウジング28の外部に位置する部分(回転軸12の一方の端部、他方の端部等)を介して回転軸12を通過することになるため、交番磁束Φのほとんどはハウジング28の一方の開口部38aを通ることになる。
しかし、第4トルクセンサ10Dは、ハウジング28の一方の開口部38aの近傍にリング22を設けるようにしたので、回転機械の交番磁束Φが漏れていても、図4Bの場合と同様に、回転軸12の母材中を貫通することはない。従って、この第4トルクセンサ10Dにおいても、第1トルクセンサ10Aと同様の効果を得ることができる。
次に、例えば第1トルクセンサ10A〜第4トルクセンサ10Dの考えを適用した本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置について図9〜図13を参照しながら説明する。
先ず、第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置(以下、第1パワーステアリング装置50Aと記す)は、図9に示すように、運転者がステアリングホイール52を操作することによって生じた操舵トルクと操舵角が、ステアリング軸54、第1自在継手56a、中間軸58、第2自在継手56b、連結部57(例えばセレーション)を経由してステアリングギヤボックス60の操舵軸62に入力されるようになっている。
ステアリングギヤボックス60は、上述した操舵軸62と、運転者の操舵トルクを検出するセンサである第5の実施の形態に係る磁歪式トルクセンサ(以下、第5トルクセンサ10Eと記す)と、運転者の操舵に対して動力補助するモータ64(例えばブラシレスモータ)と、このモータ64の回転トルクを倍力する減速装置66(ウォーム68及びウォームホイール70)と、ラック・ピニオンギヤ72のラックギア74とボールねじ76のねじ溝78とが形成されたラック軸80とを有する。減速装置66のウォームホイール70はボールねじ76に固定されている。
操舵軸62は、一方の端部に、ステアリングホイール52が、ステアリング軸54、第1自在継手56a、中間軸58及び第2自在継手56bを介して連結され、他方の端部がラック・ピニオンギヤ72のピニオンギヤ82を構成している。
そして、減速装置66にて倍力された回転トルクは、ボールねじ76を介してラック軸80の軸方向の推力に変換され、タイロッド84a及び84bを介して左右のタイヤ86a及び86bに伝達される。これにより、ステアリングホイール52の操舵角に応じてタイヤ86a及び86bが鉛直方向を中心に回転し、車両の向きが変わることになる。
このとき、制御装置88(ECU)は、少なくとも第5トルクセンサ10Eからの信号を基本にして、例えば車速センサ90等の信号に基づいて、モータ64を駆動制御する。なお、図10では、各種配線、例えば制御装置88と第5トルクセンサ10E間の配線、制御装置88とモータ64間の配線等を省略して示してある。
例えば運転者が操作したときの操舵トルクを第5トルクセンサ10Eにより検出し、制御装置88を介してこのトルクセンサ信号を基に車速センサ90からの信号等に応じてモータ64を駆動制御する。このときのモータ発生トルクは、減速装置66とボールねじ76を介してラック軸80に作用し、その結果、ステアリングホイール52を回転するのに必要なトルクが軽減され、運転者の操舵トルク負担を軽減している。
例えば、操舵トルクをTs、アシスト量AHの係数を、例えば一定のkAとすると、
H=kA×Ts
であるから、負荷をピニオントルクをTp±で考えると、
Tp=Ts+AH
=Ts+kA×Ts
であり、その結果、操舵トルクTsは、
Ts=Tp/(1+kA
となる。
従って、操舵トルクTsは、非アシスト時のピニオントルクTpの1/(1+kA)に軽減される。この場合、kA>0又はkA=0である。
なお、車速が高速走行になるに従って、路面からタイヤへの反力が減少することから、ステアリングホイール52を操作する際の手応え感が減少することになるが、定数kAを車速の関数として、車速の増大に伴って小さくすることによって、車両が高速走行になるに従って手応え感が減少するのを抑制することができる。その際にも操舵トルクTsを大きくして手応え感を付与することができる。
そして、第5トルクセンサ10Eは、図10に示すように、操舵軸62の外周面に設けられた1つの磁歪膜14と、操舵軸62に作用される捩りトルクに応じて変化する磁歪膜14の透磁率の変化を検出する第1検出コイル16aと第2検出コイル16bと、少なくとも操舵軸62、磁歪膜14、第1検出コイル16a及び第2検出コイル16bを収容するハウジング91により構成される。また、第1検出コイル16a及び第2検出コイル16bには、それぞれ磁気シールド用の第1バックヨーク92a及び第2バックヨーク92bが取り付けられ、これら第1バックヨーク92aと第2バックヨーク92bとの間に、第1検出コイル16aと第2検出コイル16bとの位置決め等を兼ねたスペーサ93が介在されている。操舵軸62は、一方の端部寄りに設置された第1軸受け94a、中央部分に設置された第2軸受け94b及び他方の端部に設置された第3軸受け94cによりハウジング91に回転自在に支持されている。また、ハウジング91は、操舵軸62の一方の端部寄りに開口部96を有し、該開口部96には、シール部材98(例えばオイルシール)が設けられて、ハウジング91内及びステアリングギヤボックス60内の気密が保たれている。
上述したように、操舵軸62の一方の端部寄りの外周面には、厚さ5〜100μmのFe−Ni系(Fe−Co合金やSmFe合金等でも良い)の磁歪材からなる1つの磁歪膜14が、めっき法(溶射法、スパッタ法や蒸着法、接着法等の製法でもよい)により設けられる。これにより、操舵軸62の外周面にほぼ均一な膜厚で密着よく成膜することができる。もちろん、操舵軸62のうち、磁歪膜14が形成される外周部分は、機械加工後にアルカリ洗浄や水洗いや酸洗浄等が適宜施され、磁歪膜14との密着性が向上されている。
この磁歪膜14にそれぞれ相異なる、すなわち、それぞれ逆の第1異方性部100aと第2異方性部100bが付与され、図11の出力特性に示す検出データDT1とDT2のような逆の勾配を持った特性が得られるようになっている。
磁歪膜14への異方性の付与は、例えば5〜200Nm程度(要求によってはこれ以上でもこれ以下でもよい)のそれぞれ逆方向のトルクを印加しながら、例えば高周波誘導加熱のような熱処理法で、例えば300〜500℃程度に数秒から数100秒、加熱する。これにより、操舵軸62を介して磁歪膜14に印加されていたそれぞれ逆方向のトルクによる歪が抜けるため、その後、概ね応力が作用しない状態にする。この状態で常温まで冷却する。そして、印加していたトルクを開放すると、磁歪膜14にそれぞれ逆の第1異方性部100aと第2異方性部100bが付与される。
そして、図示しないコネクタを介して制御装置88によって第1検出コイル16a及び第2検出コイル16bが交流通電される。この交流通電により、操舵トルクに応じて生じる磁歪膜14の第1異方性部100aと第2異方性部100bの透磁率の変化が、それぞれインピーダンス変化として検出され、インターフェイス部102の検出回路においてそれぞれ第1検出電圧VT1及び第2検出電圧VT2に変換され、さらに、インターフェイス部102のA/D変換器においてデジタルの第1検出データDT1、第2検出データDT2に変換されて出力される。なお、このインターフェイス部102は、制御装置88内に設けても、ハウジング91内に設けてもよい。
これらの透磁率の変化、すなわち、第1検出データDT1、第2検出データDT2は、インターフェイス部102を介して制御装置88内の演算部104に取り込まれ、例えば下式に基づいて、図11の出力特性を有するデジタルデータ(トルク検出データDT3)を得ることができる。
DT3=k・(DT1−DT2)+Da
(kは比例定数)
得られたトルク検出データDT3に基づいて、上述したように、モータ64の制御が実施される。
そして、この第5トルクセンサ10Eにおいては、ハウジング91の内壁面のうち、開口部96の近傍に円筒状のリング22が固定されている。具体的には、ハウジング91の開口部96の近傍に設置されたシール部材98と第1軸受け94aとの間にリング22が固定されている。リング22は、ハウジング91のアルミ合金よりも体積抵抗率の小さい、つまり、電気抵抗の小さい純銅、純アルミ又は銅合金、アルミ合金にて構成されている。リング22は、上述した開口部96の近傍に加えて、第2軸受け94b寄りの部分に固定してもよい。
このように、第5トルクセンサ10Eを設置した第1パワーステアリング装置50Aにおいては、リング22をハウジング91の開口部96の近傍に固定するようにしたので、自身のモータ64やエンジンや発電機、または電気自動車用電動機等の交番磁界による交番磁束Φが操舵軸62中を通過しなくなる。その結果、交番磁束Φに起因するノイズの発生がなく、振動が減少されて、静粛でしかも応答性のよい滑らかな操舵フィーリングを得ることができる。
また、上述した異音発生の対策としてのローパスフィルタを設置する必要がないため、ローパスフィルタに起因する遅れがなく、高い応答性の操舵フィーリングを得ることができる。
さらに、その他の例えば舵角センサ等のような操舵軸やその近傍に設けられるセンサに悪影響を与えることがない。
次に、第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置(以下、第2パワーステアリング装置50Bと記す)について図12を参照しながら説明する。
この第2パワーステアリング装置50Bは、上述した第1パワーステアリング装置50Aとほぼ同様の構成を有するが、図12にその要部を示すように、ハウジング91の開口部96の近傍に、第1軸受け94aに代えて、すべり軸受け106が設置され、さらに、操舵軸62のうち、一方の端部寄りの位置にリング22が固定されている点で異なる。具体的には、リング22は、操舵軸62のうち、磁歪膜14の上端とすべり軸受け106の下端との間に固定されている。リング22の上端からすべり軸受け106の下端までの間隔は、例えば0mm以上、5mm以下の範囲である。なお、すべり軸受け106を電気抵抗率の低い銅合金などで作ればリング22の効果を発揮するため、部材が少なくなりコストを削減することができる。
次に、第3の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置(以下、第3パワーステアリング装置50Cと記す)について図13を参照しながら説明する。
この第3パワーステアリング装置50Cは、上述した第1パワーステアリング装置50Aとほぼ同様の構成を有するが、図13にその要部を示すように、操舵軸62に減速装置66のウォームホイール70が設けられ、モータ64の回転トルクがウォーム68及びウォームホイール70を介して操舵軸62に伝達される点で異なる。なお、図示しないが、ラック軸80には、ボールねじ76は設置されていない。
すなわち、減速装置66にて倍力された回転トルクは、ラック・ピニオンギヤ72のピニオンギヤ82を介してラック軸80の軸方向の推力に変換され、タイロッド84a及び84bを介して左右のタイヤ86a及び86bに伝達されるようになっている。
この第3パワーステアリング装置50Cにおいても、ハウジング91の開口部96の近傍にリング22を固定するようにしたので、上述した第1パワーステアリング装置50Aと同様の効果を得ることができる。
特に、この第3パワーステアリング装置50Cにおいては、リング22がグリース溜めにでき、シール部材98の耐久性を向上させることができる。また、操舵軸62に減速装置66を設置した関係から、自身のモータ64の交番磁束Φが減速装置66から操舵軸62に通過しようとするが、リング22の存在により、その通過を阻止することができる。この場合、リング22を、ハウジング91の開口部96の近傍に加えて、ウォームホイール70の近傍に設置すれば、交番磁束Φの阻止効果をより大きくすることができる。ウォームホイール70の近傍としては、例えば操舵軸62のうち、磁歪膜14とウォームホイール70との間の部分や、ハウジング91の内壁面のうち、第2検出コイル16bとウォームホイール70との間の部分等が挙げられる。
なお、本発明に係る磁歪式トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A〜10E…第1トルクセンサ〜第5トルクセンサ
12…回転軸 14…磁歪膜
16…検出コイル 18…ボビン
20…巻線 22…リング
24…ヨーク 26…中間膜
28…ハウジング 30a…第1軸受け
30b…第2軸受け 38a…一方の開口部
38b…他方の開口部
50A〜50C…第1パワーステアリング装置〜第3パワーステアリング装置
62…操舵軸 91…ハウジング
96…開口部 98…シール部材
100a…第1異方性部 100b…第2異方性部
106…すべり軸受け

Claims (4)

  1. 軸部材に設けられた磁歪材と、該磁歪材に対向して配置され、該磁歪材の磁気特性の変化を検出するコイルと、前記軸部材を支持する軸受けとを有する磁歪式トルクセンサであって、
    前記軸部材を囲むように良導体である非磁性材料が設けられ、
    前記良導体である非磁性材料は、前記軸受けとは別部材であって、且つ中空の円筒状を有し、前記軸部材の全周にわたって接触するように、且つ、前記コイルに対して軸方向に異なる位置にのみ設けられていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  2. 請求項1記載の磁歪式トルクセンサにおいて、
    前記良導体である非磁性材料は、少なくとも前記軸部材の径方向外側に渦電流を発生することができる厚みを有することを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  3. 請求項1又は2記載の磁歪式トルクセンサにおいて、
    前記良導体である非磁性材料は、前記軸部材とは別に作られた部材であることを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  4. 運転者が車両のステアリングホイールを操舵することによって発生する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサを有し、モータの動力を操舵系に直接作用させて、運転者の前記操舵トルクを軽減する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルクセンサは、
    軸部材に設けられた磁歪材と、該磁歪材に対向して配置され、該磁歪材の磁気特性の変化を検出するコイルと、前記軸部材を支持する軸受けとを有し、
    前記軸部材を囲むように良導体である非磁性材料が設けられ、
    前記良導体である非磁性材料は、前記軸受けとは別部材であって、且つ中空の円筒状を有し、前記軸部材の全周にわたって接触するように、且つ、前記コイルに対して軸方向に異なる位置にのみ設けられていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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