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JP5100546B2 - 電気音響変換器 - Google Patents

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JP5100546B2
JP5100546B2 JP2008184263A JP2008184263A JP5100546B2 JP 5100546 B2 JP5100546 B2 JP 5100546B2 JP 2008184263 A JP2008184263 A JP 2008184263A JP 2008184263 A JP2008184263 A JP 2008184263A JP 5100546 B2 JP5100546 B2 JP 5100546B2
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Description

本発明は、電気音響変換器に関し、より特定的には、超高域再生を実現する電気音響変換器に関するものである。
近年、DVDやDVD−AUDIOなどのメディアが普及し、これらのコンテンツに含まれる超高域の音を再生するため、再生帯域の高い電気音響変換器が望まれている。このような超高域再生を実現するため、図22A〜Bや図23A〜Cに示すような電気音響変換器が提案されている(例えば、特許文献1など)。図22A〜Bは、従来の電気音響変換器の構造の一例を示す図であり、図22Aは正面図、図22Bは図22Aの短手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。図23A〜Cは、従来の電気音響変換器の構造の他例を示す図であり、図23Aは正面図、図23Bは図23Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図、図23Cは図23Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。
図22A〜Bにおいて、電気音響変換器は、ヨーク901、マグネット902、振動板903、スペーサ904、およびコイル905を備える。ヨーク901は、凹形状を有し、強磁性材料である鉄などで構成される。マグネット902は、厚み方向に着磁された平板状のネオジウムマグネットで構成される。マグネット902は、ヨーク901の凹部の底面に固着され、ヨーク901との間で磁気ギャップG1およびG2を形成する。マグネット902の上面とヨーク901の上面は同一平面上に位置し、これらの上面にはフィルム状の振動板903がスペーサ904を介して固着される。コイル905は、振動板903上であって磁気ギャップG1およびG2内に配置されるようにパターニングされる。マグネット902から放射される磁束は、マグネット902の中央部では上面に対し略垂直に放射され、周辺部では上面に対し斜めに放射され、コイル905を貫通する。このような静磁場においてコイル905に電流が流れると、振動板903に対し垂直な方向(図22Bの上下方向)に駆動力が発生し、発生した駆動力によって振動板903が上下方向に振動して音が発生する。この駆動力は、コイル905を貫通する磁束のうち、振動板903の振動方向に対して垂直な方向の磁束に比例する。
図22A〜Bに示す電気音響変換器では、図22Aに示すように、コイル905がパターニングされた振動部分の形状が細長形状となる。このため、振動部分の短手方向において発生する共振モードの共振周波数が高くなり、超高域において共振モードによるピークディップが生じにくくなる。このように、図22A〜Bに示す電気音響変換器では、振動部分の形状を細長形状にすることで、共振モードによる超高域の音圧周波数特性の乱れを改善している。
図23A〜Cにおいて、電気音響変換器は、フレーム906、ヨーク907、マグネット908、振動板909、コイル910、およびエッジ911を備える。フレーム906は、凹形状を有する。ヨーク907は、凹形状を有し、強磁性材料である鉄などで構成される。ヨーク907は、フレーム906の凹部の底面に固着される。ヨーク907の凹部の底面には、直方体形状のマグネット908が固着される。マグネット908は、例えばエネルギー積が44MGOeのネオジウムマグネットで構成され、振動板909の振動方向(図23Cの上下方向)に着磁されている。ヨーク907とマグネット908により、図23Cに示すように、振動板909側に磁束φによる磁気ギャップG1およびG2が形成される。図23Cの太線の矢印は、磁束φを示している。振動板909は、細長い陸上トラックのような形状(以下、細長のトラック形状と称す)を有し、マグネット908の
上方に配置される。コイル910は、銅やアルミ線を複数回巻回して細長の環形状に形成され、振動板909の上面に接着剤Adで接着される。コイル910の各長手部分は、磁気ギャップG1およびG2に配置される。具体的には、コイル910の各長手部分は、その巻幅の中心がマグネット908の短手方向における端部T1およびT2の直上に位置するように配置される。なお、マグネット908およびコイル910の長手方向は、振動板909の長手方向と平行である。エッジ911は、断面形状が半円状であり、内周端が振動板909の外周端に固着され、外周部がフレーム906の上面に固着される。これにより、振動板909は、エッジ911により上下方向に振動可能に支持される。図23Cに示すような静磁場においてコイル910に電流が流れると、振動板909に対し垂直な方向(図23Cの上下方向)に駆動力が発生し、発生した駆動力によって振動板909が上下方向に振動して音が発生する。この駆動力は、コイル910を貫通する磁束φのうち、振動板909の振動方向に対して垂直な方向の磁束に比例する。
図23A〜Cに示す電気音響変換器では、図23Aに示すように、振動板909の形状が細長形状となる。このため、図22A〜Bに示す電気音響変換器と同様、振動板909の短手方向において発生する共振モードの共振周波数が高くなり、超高域において共振によるピークディップが生じにくくなる。このように、図23A〜Cに示す電気音響変換器では、振動板909の形状を細長形状にすることで、共振による超高域の音圧周波数特性の乱れを改善している。
特開2001−211497号公報
ここで、より良い超高域再生を実現するためには、共振による音圧周波数特性の乱れを改善するだけではなく、再生音圧自体を向上させる必要がある。再生音圧を向上させるには、コイルに発生する駆動力を大きくする必要があり、具体的には振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やす必要がある。振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やすには、図22A〜Bに示す電気音響変換器では、マグネット902の短手方向の幅を大きくする必要がある。図22Bで言えば、マグネット902の左右方向の幅を大きくする必要がある。図23A〜Cに示す電気音響変換器では、マグネット908の短手方向の幅を大きくする必要がある。図23Cで言えば、マグネット908の左右方向の幅を大きくする必要がある。
しかしながら、図22A〜Bおよび図23A〜Cに示す従来の電気音響変換器では、マグネット902やマグネット908の幅を大きくしても、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができなかった。以下、図23A〜Cに示す従来の電気音響変換器を例に挙げ、効率良く磁束を増やすことができない理由について、詳細に説明する。
図23A〜Cに示す電気音響変換器において、マグネット908の短手方向の幅を大きくした場合、図24に示すようになる。図24は、図23A〜Cに示す電気音響変換器において、マグネット908の短手方向の幅を大きくした場合の断面図である。図24では、振動板909の短手方向の幅を変えずに、図23Cに示したマグネット908をマグネット908よりも幅が大きいマグネット908aに入れ換え、マグネット908aの短手方向の端部をT3およびT4としている。振動板909の短手方向の幅を変えないのは、超高域において音圧周波数特性が乱れないようにするためである。また、マグネット908aを用いるべく、図23Cに示したフレーム906をフレーム906aに入れ換え、図23Cに示したヨーク907をヨーク907aに入れ換えている。
図23Cのマグネット908を用いた場合と、図24のマグネット908aを用いた場
合とで、コイル位置における磁束密度の違いを比較した。この比較結果を図25に示す。図25において、縦軸は磁束密度である。磁束密度は、振動板909の振動方向に垂直な方向の磁束の密度を示し、磁束密度が高ければ振動板909の振動方向に垂直な方向の磁束が多いことを意味する。横軸は、振動板909の短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図23Cおよび図24の右方向を正方向としている。また図25において、グラフ(a)は、図23Cのマグネット908を用いた場合の磁束密度分布を示しており、グラフ(b)は、図24のマグネット908aを用いた場合の磁束密度分布を示している。
グラフ(a)では、端部T1および端部T2の位置で磁束密度が最大となっている。そして、図23Cに示したように、端部T1およびT2の直上には、コイル910の各長手部分の巻幅の中心が位置している。一方、グラフ(b)では、端部T3およびT4の位置で磁束密度が最大となっている。ここで図24では、超高域において音圧周波数特性が乱れないようにするため、振動板909の短手方向の幅を変えていない。つまり、図24におけるコイル910の各長手部分は、図23Cと同じ位置に配置されており、端部T1およびT2に位置していることになる。したがって、グラフ(b)より、図24におけるコイル910が存在する位置での磁束密度は、δBしか増加しないことがわかる。
このように図22A〜Bおよび図23A〜Cに示す従来の電気音響変換器では、マグネット902や907の幅を大きくしても、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができなかった。このため、図22A〜Bおよび図23A〜Cに示す従来の電気音響変換器では、より良い超高域再生を実現することが困難であった。
それ故、本発明は、超高域における再生音圧を効率良く向上させることで、より良い超高域再生を実現する電気音響変換器を提供することを目的とする。
本発明に係る電気音響変換器は、上記課題を解決するものであり、本発明に係る電気音響変換器は、細長形状の振動板と、振動板を振動可能に支持するエッジと、長手方向を振動板の長手方向と平行にして振動板の一方主面側に設けられ、振動板の短手方向に着磁されて振動板の一方主面と対向する側に磁気ギャップを形成する直方体形状の第1のマグネットと、長手方向を振動板の長手方向と平行にして第1のマグネットと空隙を挟んで振動板の短手方向に隣接され、第1のマグネットと反対の方向に着磁されて振動板の一方主面と対向する側に磁気ギャップを形成する直方体形状の第2のマグネットと、巻回されて細長の環形状を形成し、長手方向を振動板の長手方向と平行にして各長手部分が各磁気ギャップ内に配置されるように振動板上に設けられた第1のコイルと、空隙を埋めるように設けられた、強磁性材料からなる第1のプレートと、第1のマグネットにおける第1のプレートと接する磁極面と反対の磁極面上に設けられた第2のプレートと、第2のマグネットにおける第1のプレートと接する磁極面と反対の磁極面上に設けられた第3のプレートとを備え、第2および第3のプレートにおける振動板側の各面は、第1および第2のマグネットと第1のプレートとにおける振動板側の各面よりも振動板に近い平面上に位置し、エッジの断面は、振動板の他方主面側に凸となる形状を有しており、第2および第3のプレートは、振動板側の各面がエッジと対向するようにそれぞれ配置されることを特徴とする。
本発明に係る電気音響変換器によれば、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やして再生音圧を向上させるには、第1および第2のマグネットおける振動板の振動方向の幅を大きくすればよい。さらに、第1および第2のマグネットにおける振動板の振動方向の幅を大きくしても、従来とは異なり、磁束密度が最大値となる位置が変化しない。これらにより、本発明に係る電気音響変換器では、超高域において音圧周波数特性が乱れないようにしつつ、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができ、再生音圧を向上させることができる。その結果、より良い超高域再生を実現することができる。
好ましくは、第1および第2のマグネットと第1のプレートとにおける振動板側の各面は、同一平面上に位置するとよい。また、第1のコイルの各長手部分は、第1および第2のマグネットと第1〜第3のプレートとにおける振動板側の各面のうち、1つ以上の面と対向するように配置されるとよい。
好ましくは、長手方向を振動板の長手方向と平行にして振動板の他方主面側に設けられ、振動板の短手方向の位置に関し第1および第2のマグネット間に位置するように配置された直方体形状の第3のマグネットをさらに備え、第3のマグネットは、振動板の他方主面と対向する磁極面の極性を空隙と接する第1および第2のマグネットの各磁極面の極性と同じにするように、振動板の振動方向に着磁されるとよい。
好ましくは、振動板は、短手方向の長さが長手方向の長さの半分以下であるとよい。
好ましくは、第1のコイルは、長手方向の長さが振動板の長手方向の長さの60%以上であるとよい。
好ましくは、振動板および第1のコイルは、一体成形されるとよい。
好ましくは、第1のコイルの各長手部分は、振動板の短手方向の位置に関し当該各長手部分の巻幅の中心位置が第1および第2のマグネットの幅の中心位置とそれぞれ一致するように配置されるとよい。
好ましくは、第1のコイルの各長手部分は、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置に設けられるとよい。
好ましくは、巻回されて細長の環形状を形成し、長手方向を振動板の長手方向と平行にして各長手部分が磁気ギャップ内に配置されるように第1のコイルの内周側の振動板上に設けられた第2のコイルをさらに備え、第1および第2のコイルの各長手部分は、振動板の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制する位置に配置されるとよい。
また本発明は、携帯端末装置にも向けられており、本発明に係る携帯端末装置は、上記電気音響変換器と、上記電気音響変換器を内部に配置する機器筐体とを備える。
また本発明は、車両にも向けられており、本発明に係る車両は、上記電気音響変換器と、上記電気音響変換器を内部に配置する車体とを備える。
また本発明は、映像機器にも向けられており、本発明に係る映像機器は、上記電気音響変換器と、上記電気音響変換器を内部に配置する機器筐体とを備える。
本発明によれば、より良い超高域再生を実現する電気音響変換器を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図1A〜Cを参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気音響変換器の構造について説明する。図1A〜Cは、第1の実施形態に係る電気音響変換器の一例を示す図であり、図1Aは正面図、図1Bは図1Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図、図1Cは図1Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。
図1A〜Cにおいて、第1の実施形態に係る電気音響変換器は、フレーム101、マグネット102および103、プレート104〜106、振動板107、コイル108、およびエッジ109を備える。フレーム101は、非磁性材料で構成され、凹形状を有する。振動板107は、細長のトラック形状を有し、マグネット102および103の上方に空隙を介して配置される。なお、図1Cの中心軸Oは、振動板107の短手方向における中心軸である。
マグネット102および103は、形状が直方体形状であり、例えばエネルギー積が44MGOeのネオジウムマグネットで構成される。マグネット102および103は、長手方向を振動板107の長手方向と平行にし、フレーム101の凹部の底面に固着される。図1CのS1はマグネット102の短手方向の幅の中心軸(以下、幅中心軸S1と称す)を示し、S2はマグネット103の短手方向の幅の中心軸(以下、幅中心軸S2と称す)を示している。マグネット102は、振動板107の短手方向(図1Cの左右方向)に着磁されている。図1Cでは、マグネット102は、右方向に着磁され、左側の磁極面の極性がS極となり、右側の磁極面の極性がN極となっている。一方、マグネット103は、マグネット102と反対の方向に着磁されている。図1Cでは、マグネット103は、左方向に着磁され、左側の磁極面の極性がN極となり、右側の磁極面の極性がS極となっている。なお、図1Cにおいて、マグネット102が左方向に着磁され、マグネット103が右方向に着磁されてもよい。
プレート104〜106は、形状が板形状であり、鉄などの強磁性材料で構成される。プレート104は、マグネット102および103間に配置される。振動板107の短手方向におけるプレート104の幅の中心は、中心軸O上に存在している。プレート105は、マグネット102におけるプレート104と接する磁極面と反対の磁極面上に配置される。プレート106は、マグネット103におけるプレート104と接する磁極面と反対の磁極面上に配置される。プレート104〜106の上面とマグネット102および103の上面とは、同じ高さになっており、同一平面上に位置している。
マグネット102および103と、プレート104〜106とにより、図1Cに示すように、マグネット102および103の振動板107側に磁束φによる磁気ギャップG1およびG2が形成される。マグネット102および103、プレート104〜106は、磁気ギャップG1およびG2を形成するための磁気回路を構成するものである。図1Cの太線の矢印は、磁束φを示している。磁束φの詳細については後述する。
コイル108は、銅やアルミ線を複数回巻回して細長の環形状に形成され、長手方向を振動板107の長手方向と平行にして振動板107の上面に接着剤Adで接着される。ここでは、コイル108は、振動板107と相似形状になる細長のトラック形状に形成されている。コイル108の各長手部分は、磁気ギャップG1およびG2内に配置される。図1Cでは、コイル108の各長手部分は、幅中心軸S1およびS2上付近に位置するように配置されている。なお、コイル108の各長手部分は、少なくとも、磁気ギャップG1およびG2内に配置されればよい。したがって、コイル108の各長手部分は、プレート
105および106の内側、つまり、マグネット102および103の各上面、プレート104〜106の各上面のうち、いずれかの上面と対向する位置に配置されればよい。なお、より望ましくは、後述するように、コイル108の各長手部分は、その巻幅の中心が幅中心軸S1およびS2上に位置するように配置されるとよい。
また、コイル108の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードの節の位置近傍に配置されている。ここで、図1Cにおいて振動板107の短手方向の長さを1とし、振動板107の左端を0、右端を1とする。このとき、コイル108の一方の長手部分を、0.224の位置に配置し、他方の長手部分を、0.776の位置に配置する。なお、より望ましくは、コイル108の各長手部分は、その巻幅の中心が振動板107の短手方向における第1次共振モードの節の位置に配置されるとよい。また、コイル108の長手方向の長さは、振動板107の長手方向の長さの少なくとも60%以上の長さである。
エッジ109は、断面形状が上方に凸となる半円状であり、内周端が振動板107の外周端に固着され、外周部がフレーム101の上面に固着される。これにより、振動板107は、エッジ109により上下方向に振動可能に支持される。
次に、第1の実施形態に係る電気音響変換器の動作について説明する。コイル108に交流電気信号が入力されていない場合、マグネット102および103と、プレート104〜106とによって図2に示すような磁束φが生じる。図2は、磁束φの詳細な流れを示す図である。マグネット102および103は、逆方向に着磁されている。このため、マグネット102で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット102の上方を経てプレート105へ入る。これにより、振動方向(図2の上下方向)に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット102の上方に形成され、マグネット102の上方に磁気ギャップG1が形成される。一方、マグネット103で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット103の上方を経てプレート106へ入る。これにより、振動方向に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット103の上方に形成され、マグネット103の上方に磁気ギャップG2が形成される。
このような静磁場における磁束密度分布を図3に示した。図3は、図1Cにおける磁束密度分布を示す図である。ここでの磁束密度分布は、中心軸Oから振動板107の短手方向に進んだ距離と、磁束密度との関係を示している。図3において、縦軸は磁束密度である。磁束密度は、振動板107の振動方向に垂直な方向の磁束の密度を示し、磁束密度が高ければ振動板107の振動方向に垂直な方向の磁束が多いことを意味する。横軸は、振動板107の短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図1Cの右方向を正方向としている。また図3では、短手方向におけるプレート104の幅を1mmとし、短手方向におけるマグネット102および103の幅を2mmとし、短手方向におけるプレート105および106の幅を1mmとし、振動板107の振動方向におけるマグネット102および103とプレート104〜106の幅を8mmとしている。
図3からわかるように、磁束密度の最大値は0.6[T]となり、磁束密度が最大値となる位置は中心軸Oから1.5mmの位置となった。これは、マグネット102および103の短手方向の幅の中心であり、幅中心軸S1およびS2と一致する。このため、コイル108の各長手部分が幅中心軸S1およびS2上付近に位置するように配置されると、コイル108において効率良く駆動力を発生させることができる。さらに、コイル108の各長手部分の巻幅の中心が幅中心軸S1およびS2の直上に位置したとき、コイル10
8において最も効率良く駆動力を発生させることができる。
コイル108に交流電気信号を入力した場合、コイル108を流れる電流方向および振動板107の振動方向に垂直な磁束に比例するように、駆動力が発生する。この駆動力により、コイル108に接着されている振動板107は振動し、その振動が音として放射される。
次に、以上に説明した本実施形態に係る電気音響変換器の特徴とその効果について説明する。
第1に、振動板107の形状は、細長形状である。このため、超高域において共振によるピークディップが生じにくくなり、共振による超高域の音圧周波数特性の乱れが改善される。なお、振動板107の縦横比については、縦方向(長手方向)の長さを1とした場合に横方向(短手方向)の長さを0.5以下、つまり半分以下とすることが望ましい。短手方向の第1次共振モードの共振周波数(第1次共振周波数)は、長手方向の第1次共振モードの共振周波数(第1次共振周波数)の2乗に反比例する。したがって、振動板107の縦横比を1:0.5とした場合、長手方向の第1次共振周波数をfL1[Hz]とすると、短手方向の第1次共振周波数fS1は、4*fL1になる。また、第2次共振モードの共振周波数(第2次共振周波数)は第1次共振周波数の5.4倍となるので、短手方向における第2次共振周波数fS2は、5.4*fS1=5.4*4*fL1=21.6*fL1[Hz]となる。以上より、振動板107の縦横比を1:0.5とした場合、長手方向における第1次共振周波数の21.6倍の周波数までの帯域において、音圧周波数特性の乱れを改善することができる。さらに、振動板107の縦横比を1:0.3とした場合、短手方向の第1次共振周波数fS1は、11.1*fL1[Hz]となるので、短手方向の第2次共振周波数fS2は、60*fL1となる。したがって、この場合、長手方向における第1次共振周波数の60倍の周波数までの帯域において、音圧周波数特性の乱れを改善することができる。このように、本実施形態による共振抑制効果は、振動板107の縦横比が大きくなるほど、つまり振動板107が細長くなるほど、大きくなる。
第2に、コイル108の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードの節の位置近傍に配置されている。このため、振動板107の短手方向における第1次共振モードを抑えることでき、超高域の音圧周波数特性の乱れがさらに改善される。さらに、コイル108の長手方向の長さは、振動板107の長手方向の長さの少なくとも60%以上の長さである。このため、振動板107の長手方向は全面駆動されることになり、振動板107の長手方向における共振モードを抑えることができ、超高域の音圧周波数特性の乱れがさらに改善される。このように、コイル108の各長手部分が振動板107の短手方向における第1次共振モードの節の位置近傍に配置されたり、コイル108の長手方向の長さが振動板107の長手方向の長さの少なくとも60%以上の長さであったりすることにより、振動板107の形状を細長形状にしただけの場合よりも、音圧周波数特性に乱れのない再生帯域をさらに高域まで伸ばすことができる。
第3に、コイル108の各長手部分は、幅中心軸S1およびS2上、またはその付近に位置するように配置されている。このため、コイル108において駆動力を効率良く発生させることができる。その結果、再生音圧を向上させることができる。
第4に、マグネット102および103は、振動板107の短手方向に着磁されている。ここで、図23A〜Cに示した従来の電気音響変換器では、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やして再生音圧を向上させるには、図24に示したようにマグネット908の短手方向の幅を大きくする必要があった。しかしながら、振動板909の短手方向の幅を変えることができないので、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やす
ことができなかった。これに対し、本実施形態に係る電気音響変換器は、振動板107の短手方向に着磁されたマグネット102および103を備えた構造を有する。したがって、本実施形態に係る電気音響変換器では、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やして再生音圧を向上させるには、マグネット102および103における振動板107の振動方向(図1Cの上下方向)の幅を大きくすればよいことになる。さらに、マグネット102および103における振動板107の振動方向の幅を大きくしても、従来とは異なり、磁束密度が最大値となる位置が変化しない。これらにより、本実施形態に係る電気音響変換器では、超高域において音圧周波数特性が乱れないようにしつつ、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができる。その結果、より良い超高域再生を実現することができる。なお、本実施形態に係る電気音響変換器では、マグネットの拡大方向が従来に対して90度異なる方向になっている。このため、本実施形態に係る電気音響変換器は、細長形状の振動板に好適である。
以下、上記第4の内容を図4および図5を参照して検証する。図4は、図1Cに示した電気音響変換器を構成する磁気回路(マグネット102および103、プレート104〜106)を斜めから見たときの斜視図である。図4では、マグネット102および103の短手方向をX軸とし、長手方向をY軸とし、振動板107の振動方向をZ軸としている。図5は、マグネット102および103における振動板107の振動方向の幅の変化と、磁束密度分布の変化との関係を示した図である。
図4において、磁束密度を高くするためには、マグネット102および103をX軸方向ではなくZ軸方向に伸ばせばよい。つまり、磁束密度を高くする過程において、マグネット102および103のX軸方向の幅を増やす必要がない。ここで、Z軸方向におけるマグネット102および103の幅をHとして、Hを変化させた場合に、磁束密度がどのように変化するかについて、図5を参照して説明する。図5において、グラフ(a)は、図3に示したものと同じもの、つまり、H=8mmのときの磁束密度分布を示している。グラフ(b)は、H=13mmのときの磁束密度分布を示している。グラフ(a)で磁束密度の最大値は0.6[T]となり、グラフ(b)で磁束密度の最大値は0.85[T]となっている。また、グラフ(a)および(b)において、磁束密度が最大となる位置は、ともに1.5mmである。これらから、Hを大きくすると、磁束密度の最大値は0.6[T]から0.85[T]に増加しているにもかかわらず、磁束密度が最大となる位置が1.5mmで変化していないことがわかる。このように、本実施形態では、コイル108の各長手部分の配置位置を変えずに、磁束密度を高くすることができる。
第5に、プレート104の上面とマグネット102および103の上面とは、同じ高さになっており、同一平面上に位置している。このように構成された場合の効果について、図6および図7を参照して説明する。図6は、プレート104〜106の上面の位置と磁束密度分布との関係を説明するための電気音響変換器の構造断面図である。図7は、プレート104〜106の上面の位置と磁束密度分布との関係を示す図である。
図6において、電気音響変換器は、フレーム101a、マグネット102aおよび103a、プレート104a〜106a、振動板107a、コイル108a、およびエッジ109aを備える。図6に示す電気音響変換器の構造は、図1Cに示した構造に対して、プレート104aの上面の高さがマグネット102aおよび103aの上面よりも高い点で大きく異なる。それ以外の構造については、図1Cに示した構造と基本的には同じであるため、説明を省略する。
プレート104aの上面は、マグネット102aおよび103aの上面よりもδHだけ高い位置に位置している。つまり、プレート104aが、マグネット102aおよび103aの上面からδHだけ飛び出したような構造となっている。この構造では、プレート1
04aから放射される磁束φは、プレート104aの上面からだけではなく、飛び出した部分の側面からも放射される。そしてこのうち、側面から放射された磁束φは、コイル108aに貫通することなく、プレート105aおよび106aへ入る。ここで、プレート104aから放射されるべき磁束φは一定であるから、コイル108aを貫通する磁束φは、飛び出した部分の側面から放射された磁束φがコイル108aに貫通しない分だけ、減少してしまう。
図7において、縦軸は磁束密度であり、横軸は振動板107aの短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図6の右方向を正方向としている。また図7では、短手方向におけるプレート104aの幅を1mmとし、短手方向におけるマグネット102aおよび103aの幅を2mmとし、短手方向におけるプレート105aおよび106aの幅を1mmとし、振動板107aの振動方向におけるマグネット102aおよび103aとプレート105aおよび106aの幅を8mmとしている。図7のグラフ(a)は、プレート104aの上面がマグネット102aおよび103aの上面と同じ高さになるとき(δHが0のとき)の磁束密度分布を示している。図7のグラフ(b)は、プレート104aの上面がマグネット102aおよび103aの上面よりも0.5mm高くなるとき(δHが0.5のとき)の磁束密度分布を示している。図7から、グラフ(b)は、グラフ(a)よりも磁束密度が低いことがわかる。このように、プレート104の上面とマグネット102および103の上面とが同一平面上に位置することにより、より高い磁束密度を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る電気音響変換器によれば、超高域における再生音圧を効率良く向上させることができ、より良い超高域再生を実現することができる。
なお、本実施形態では、プレート104〜106を用いていたが、図8に示すように、これらを省略してもよい。図8は、プレート104〜106を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図である。図8に示す構造であっても、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を増やして再生音圧を向上させるには、マグネット102および103における振動板107の振動方向(図8の上下方向)の幅を大きくすればよい。また、マグネット102および103における振動板107の振動方向の幅を大きくしても、従来とは異なり、磁束密度が最大値となる位置が変化しない。したがって、図8に示す構造であっても、従来よりも、より良い超高域再生を実現することができる。また、振動板107の短手方向に着磁されたマグネット102および103さえ備えれば、従来よりも、より良い超高域再生を実現することができる。したがって、図9や図10に示すように、プレート104と、プレート105および106とのいずれか一方のみ省略するようにしてもよい。図9は、プレート105および106を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図である。図10は、プレート104を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図である。
なお、本実施形態では、マグネット102および103がネオジウムマグネットで構成されるとしたが、これに限定されない。マグネット102および103は、目標音圧や、マグネットの形状等に合わせ、フェライト、サマリウムコバルト等のマグネットで構成されてもよい。また本実施形態では、マグネット102および103を直方体形状としたが、楕円柱形状などの他の形状としてもよい。
なお、本実施形態では、エッジ109の断面形状が半円状であるとしたが、これに限定されない。エッジ109の断面形状は、最低共振周波数および最大振幅を満足するように決定すればよく、例えば波形状、楕円形状などであってもよい。
なお、本実施形態では、コイル108が振動板107の上面に接着剤Adで接着される
としたが、コイル108および振動板107が一体成形されてもよい。
なお、本実施形態では、電気音響変換器がマグネット102および103を備えるとしたが、いずれか一方のマグネットが省略されてもよい。例えば、図1Cにおいて、マグネット102を省略する場合、マグネット103の短手方向の幅を、幅中心軸S1およびS2の間隔以上に設定する。また、コイル108を中心軸Oで2分割し、分割したコイルの長手部分それぞれに同一方向の電流を流す。これらにより、マグネット103の上方に形成された磁気ギャップG2によって、分割したコイルの長手部分それぞれには、同一方向の駆動力が発生することになる。このように、マグネット102および103のいずれか一方のマグネットが省略された場合、マグネットを省略した分だけ安価な磁気回路を実現することができる。
(第2の実施形態)
以下、図11A〜Cを参照して、本発明の第2の実施形態に係る電気音響変換器の構造について説明する。図11A〜Cは、第2の実施形態に係る電気音響変換器の一例を示す図であり、図11Aは正面図、図11Bは図11Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図、図11Cは図11Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。
図11A〜Cにおいて、第2の実施形態に係る電気音響変換器は、フレーム101、マグネット102および103、プレート104〜106、振動板107、コイル108および208、およびエッジ109を備える。本実施形態に係る電気音響変換器は、第1の実施形態に係る電気音響変換器に対して、コイル208をさらに備え、コイル108の配置位置が異なる。それ以外の構成については第1の実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。以下、異なる点を中心に説明する。
コイル208は、銅やアルミ線を複数回巻回して細長の環形状に形成される。ここでは、コイル208は、振動板107やコイル108と相似形状になる細長のトラック形状に形成されている。コイル208は、コイル108の内周側の振動板107の上面に、長手方向を振動板107の長手方向と平行にして接着剤Adで接着される。コイル208の各長手部分は、磁気ギャップG1およびG2内に配置される。コイル208の長手方向の長さは、コイル108よりも短いが、振動板107の長手方向の長さの少なくとも60%以上の長さである。
以下、コイル108および208の配置位置について詳細に説明する。コイル108および208の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードの両方を抑制することができる位置に配置される。ここで、図11Cにおいて振動板107の短手方向の長さを1とし、振動板107の左端を0、右端を1とする。このとき、コイル108の各長手部分を、0.1130と0.8770の位置に配置し、コイル208の各長手部分を、0.37775と0.62225の位置に配置する。この位置に配置すれば、第1次および第2次共振モードを抑制することができる。
また、コイル108および208の各長手部分は、マグネット102および103の幅中心軸S1およびS2を基準とすると、当該基準からの距離が同じ距離となるように配置されている。図11Cで言えば、幅中心軸S1からコイル108の左側の長手部分までの距離と、幅中心軸S1からコイル208の左側の長手部分までの距離とが同じ距離となっている。同様に、幅中心軸S2からコイル108の右側の長手部分までの距離と、幅中心軸S2からコイル208の右側の長手部分までの距離とが同じ距離となっている。ここで、上述した図3からわかるように、磁束密度は、幅中心軸S1およびS2で最大となる。また、距離が0以上の領域における磁束密度分布は、幅中心軸S2を境界として幅中心軸
S2の左側と右側が対称となっている。同様に、距離が0よりも小さい領域における磁束密度分布は、幅中心軸S1を境界として幅中心軸S1の左側と右側が対称となっている。したがって、コイル108および208の各長手部分を図11Cのように配置すれば、コイル108および208の各長手部分で得られる磁束密度がほぼ等しくなる。これにより、最も平衡された駆動力が得られる。なお、コイル108および208の各長手部分を図11Cのように配置するには、例えば、マグネット102および103の短手方向の幅を適宜調整すればよい。
次に、第2の実施形態に係る電気音響変換器の動作について説明する。コイル108および208に交流電気信号が入力されていない場合、マグネット102および103と、プレート104〜106とによって図11Cに示すような磁束φが生じる。マグネット102および103は、逆方向に着磁されている。このため、マグネット102で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット102の上方を経てプレート105へ入る。これにより、振動方向(図11Cの上下方向)に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット102の上方に形成され、マグネット102の上方に磁気ギャップG1が形成される。一方、マグネット103で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット103の上方を経てプレート106へ入る。これにより、振動方向に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット103の上方に形成され、マグネット103の上方に磁気ギャップG2が形成される。このような静磁場では、図3に示したように、磁束密度は、幅中心軸S1およびS2で最大となる。したがって、コイル108および208の各長手部分で得られる磁束密度がほぼ等しくなり、最も平衡された駆動力が得られる。
コイル108および208に交流電気信号を入力した場合、コイル108および208を流れる電流方向および振動板107の振動方向に垂直な磁束に比例するように、駆動力が発生する。この駆動力により、コイル108および208に接着されている振動板107は振動し、その振動が音として放射される。
ここで、コイル108および208の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードの両方を抑制することができる位置に配置される。このため、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制することができ、第3次共振モードの発生する周波数まで音圧周波数特性を平坦にすることができる。振動板107は、細長形状であり、振動板107の短手方向は長手方向に比べて短い。このため、振動板107の短手方向における第1次共振モード、第2次共振モードの各共振周波数は、非常に高い周波数となる。例えば、厚さが50μ、長手方向の長さが55mm、短手方向の長さが5mmであるポリイミド材料を振動板107として用いた場合、振動板107の短手方向における第1次〜第3次共振モードの各共振周波数は、それぞれ約4kHz、22kHz、55kHzとなる。したがって、第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制した場合、55kHzまで音圧周波数特性を平坦にすることができる。
なお、コイル108および208の長手方向の長さは、振動板107の長手方向の長さの少なくとも60%以上の長さである。このため、振動板107の長手方向については全面駆動されることになり、振動板107の長手方向における共振モードを抑えることができ、超高域の音圧周波数特性の乱れがさらに改善される。
以上のように、本実施形態に係る電気音響変換器によれば、コイル108および208の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モ
ードの両方を抑制することができる位置に配置される。このため、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制することができ、第3次共振モードの発生する周波数まで音圧周波数特性を平坦にすることができる。
また、本実施形態に係る電気音響変換器によれば、コイル108および208の各長手部分は、マグネット102および103の幅中心軸S1およびS2を基準とすると、当該基準からの距離が同じ距離となるように配置されている。これにより、最も平衡された駆動力を得ることができる。
(第3の実施形態)
以下、図12A〜Cを参照して、本発明の第3の実施形態に係る電気音響変換器の構造について説明する。図12A〜Cは、第3の実施形態に係る電気音響変換器の一例を示す図であり、図12Aは正面図、図12Bは図12Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図、図12Cは図12Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。
図12A〜Cにおいて、第3の実施形態に係る電気音響変換器は、フレーム101、マグネット102および103、プレート104、プレート305および306、振動板107、コイル108、およびエッジ109を備える。本実施形態に係る電気音響変換器は、第1の実施形態に係る電気音響変換器に対して、プレート105および106がプレート305および306に入れ代わった点のみ異なる。それ以外の構成については第1の実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。以下、異なる点を中心に説明する。
プレート305および306は、形状が板形状であり、鉄などの強磁性材料で構成される。プレート305は、マグネット102におけるプレート104と接する磁極面と反対の磁極面上に配置される。プレート306は、マグネット103におけるプレート104と接する磁極面と反対の磁極面上に配置される。プレート104の上面とマグネット102および103の上面とは、同じ高さになっており、同一平面上に位置している。一方、プレート305および306の上面は、マグネット102および103の上面よりも高く、振動板107に近い平面上に位置している。このことは、図13に示す斜視図からもわかる。図13は、図12Cに示した電気音響変換器を構成する磁気回路(マグネット102および103、プレート104、プレート305および306)を斜めから見たときの斜視図である。また、プレート305および306は、上方に凸となる断面形状を有するエッジ109の下側であって、当該エッジ109と対向する位置に配置される。また、振動板107の短手方向におけるプレート305および306の幅は、エッジ109の幅よりも小さい。このように構成することで、振動板107の振幅によりエッジ109がプレート305および306に接触することを防ぐことができる。
次に、第3の実施形態に係る電気音響変換器の動作について説明する。コイル108に交流電気信号が入力されていない場合、マグネット102および103、プレート104、プレート305および306によって図12Cに示すような磁束φが生じる。図12Cでは磁束φが片側しか記されていないが、プレート104の両側に生じている。マグネット102および103は、逆方向に着磁されている。このため、マグネット102で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット102の上方を経てプレート305へ入る。これにより、振動方向(図12Cの上下方向)に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット102の上方に形成され、マグネット102の上方に磁気ギャップG1が形成される。一方、マグネット103で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。そしてプレート104の上面から放射された磁束φは、マグネット10
3の上方を経てプレート306へ入る。これにより、振動方向に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット103の上方に形成され、マグネット103の上方に磁気ギャップG2が形成される。
ここで、プレート305および306の上面は、マグネット102および103の上面よりも高く、振動板107に近い平面上に位置している。このため、高くなったプレート305および306の上面へ磁束φがそれぞれ導かれ、コイル108を貫通する磁束φが増加する。図12Cに示した構造では、コイル108は振動板107の上面に固着されている。このため、プレート305および306の上面が振動板107よりも高くなる場合、コイル108を貫通する磁束が最も多くなりやすい。図14に、プレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くした場合の磁束密度分布の変化を示す。
図14において、縦軸は磁束密度であり、横軸は振動板107の短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図12Cの右方向を正方向としている。また図14では、短手方向におけるプレート104の幅を1mmとし、短手方向におけるマグネット102および103の幅を2mmとし、短手方向におけるプレート305および306の幅を1mmとし、振動板107の振動方向におけるマグネット102および103の幅を8mmとしている。図14のグラフ(a)は、プレート305および306の上面がマグネット102および103の上面と同じ高さになるときの磁束密度分布を示している。図14のグラフ(b)は、プレート305および306の上面がマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くなるときの磁束密度分布を示している。
グラフ(a)では、第1の実施形態と同様、磁束密度が最大値となる位置は幅中心軸S1およびS2と一致する。一方、グラフ(b)では、磁束密度が全体的にグラフ(a)よりも高くなっている。これは、高くなったプレート305および306の上面へ磁束φがそれぞれ導かれるためである。このようにプレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも高くすることで、磁束密度を増加させることができる。なお、グラフ(b)では、グラフ(a)と比べて幅中心軸S1およびS2の位置からプレート305および306に向かうほど磁束密度が大きくなる。したがって、最も効率よく駆動力を得るために、コイル108の各長手部分を幅中心軸S1およびS2の位置からプレート305および306側へずれた位置に配置するようにしてもよい。
コイル108に交流電気信号を入力した場合、コイル108を流れる電流方向および振動板107の振動方向に垂直な磁束に比例するように、駆動力が発生する。この駆動力により、コイル108に接着されている振動板107は振動し、その振動が音として放射される。
以上のように、本実施形態に係る電気音響変換器によれば、プレート305および306の上面は、マグネット102および103の上面よりも高く、振動板107側に近い平面上に位置している。これにより、第1の実施形態と比べて、コイル108で得られる駆動力を増加させ、超高域における再生音圧をさらに高くすることができる。
(第4の実施形態)
以下、図15A〜Cを参照して、本発明の第4の実施形態に係る電気音響変換器の構造について説明する。図15A〜Cは、第4の実施形態に係る電気音響変換器の一例を示す図であり、図15Aは正面図、図15Bは図15Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図、図15Cは図15Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図である。
図15A〜Cにおいて、第4の実施形態に係る電気音響変換器は、フレーム101、マグネット102および103、プレート104〜106、振動板107、コイル108および208、エッジ109、支持部材401および402、およびマグネット403を備える。本実施形態に係る電気音響変換器は、第2の実施形態に係る電気音響変換器に対して、支持部材401および402、およびマグネット403をさらに備える点のみ異なる。それ以外の構成については第2の実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。以下、異なる点を中心に説明する。
マグネット403は、形状が直方体形状であり、例えばエネルギー積が44MGOeのネオジウムマグネットで構成される。マグネット403は、振動板107の短手方向における中心が中心軸Oと一致するように、振動板107の上方に配置される。マグネット403は、長手方向を振動板107の長手方向と平行にして配置されており、長手方向の各終端部が支持部材401および402それぞれに固着されている。支持部材401および402は、フレーム101に固着される。マグネット403は、振動板107の振動方向(図15Cの上下方向)に着磁される。マグネット403の振動板107の上面と対向する磁極面の極性は、マグネット102および103のプレート104と接する各磁極面の極性と同じである。図15Cの例では、マグネット403の振動板107の上面と対向する磁極面の極性は、N極となっており、マグネット102および103のプレート104と接する各磁極面の極性もN極となっている。
コイル108および208の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードの両方を抑制することができる位置に配置される。また、コイル108および208の各長手部分は、マグネット102および103の幅中心軸S1およびS2を基準とすると、当該基準からの距離が同じ距離となるように配置されている。
次に、第4の実施形態に係る電気音響変換器の動作について説明する。コイル108および208に交流電気信号が入力されていない場合、マグネット102、103、403と、プレート104〜106とによって図15Cに示すような磁束φが生じる。マグネット102および103は、逆方向に着磁されている。このため、マグネット102で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。ここで、マグネット403の下面はN極となっている。このため、プレート104の上面から放射された磁束φは強制的に水平方向へ変化する。そして水平方向に変化した磁束φは、マグネット102の上方を経てプレート105へ入る。これにより、第2の実施形態よりも多い振動方向(図15Cの上下方向)に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット102の上方に形成され、マグネット102の上方に磁気ギャップG1が形成される。一方、マグネット103で発生した磁束φは、N極である磁極面からプレート104に入り、プレート104の上面から上方の空隙へ放射される。ここで、マグネット403の下面はN極となっている。このため、プレート104の上面から放射された磁束φは強制的に水平方向へ変化する。そして水平方向に変化した磁束φは、マグネット103の上方を経てプレート106へ入る。これにより、第2の実施形態よりも多い振動方向(図15Cの上下方向)に垂直な磁束で構成される磁場がマグネット103の上方に形成され、マグネット103の上方に磁気ギャップG2が形成される。このように、マグネット403が配置されることで、第2の実施形態よりも振動方向に垂直な磁束をさらに増やすことができる。図16に、マグネット403を配置した場合の磁束密度分布の変化を示す。
図16において、縦軸は磁束密度であり、横軸は振動板107の短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図15Cの右方向を正方向としている。また図16では、短手方向におけるプレート104〜106の幅を1mmとし、短手方向におけるマグネット10
2および103の幅を2mmとし、振動板107の振動方向におけるマグネット102および103の幅を8mmとしている。図16のグラフ(a)は、マグネット403が配置されていない場合の磁束密度分布を示している。図16のグラフ(b)は、マグネット403が配置された場合の磁束密度分布を示している。
グラフ(a)では、第1の実施形態と同様、磁束密度が最大値となる位置は幅中心軸S1およびS2と一致する。一方、グラフ(b)では、磁束密度が全体的にグラフ(a)よりも高くなっている。これは、プレート104の上面から放射された磁束φが、マグネット403により強制的に水平方向へ変化するためである。このように、マグネット403を配置することで、磁束密度を増加させることができる。なお、グラフ(b)では、中心軸Oに近いほど、磁束密度が大きくなっている。
コイル108および208に交流電気信号を入力した場合、コイル108および208を流れる電流方向および振動板107の振動方向に垂直な磁束に比例するように、駆動力が発生する。この駆動力により、コイル108および208に接着されている振動板107は振動し、その振動が音として放射される。
ここで、コイル108および208の各長手部分は、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードの両方を抑制することができる位置に配置される。このため、振動板107の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制することができ、第3次共振モードの発生する周波数まで音圧周波数特性を平坦にすることができる。
以上のように、本実施形態に係る電気音響変換器によれば、第2の実施形態に対してマグネット403をさらに備える。これにより、第2の実施形態よりも振動方向に垂直な磁束をさらに増やすことができ、超高域における再生音圧をさらに高くすることができる。
なお、本実施形態において、図17に示すように、プレート105および106をプレート305および306としてもよい。図17は、図15Cのプレート105および106をプレート305および306とした場合の電気音響変換器の構造断面図である。プレート305および306は、図12Cに示したものと同じであり、プレート305および306の上面は、マグネット102および103の上面よりも高く、振動板107に近い平面上に位置している。ここで、図18に、プレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くした場合の磁束密度分布の変化を示す。
図18において、縦軸は磁束密度であり、横軸は振動板107の短手方向における中心軸Oからの距離を示し、図17の右方向を正方向としている。また図18では、短手方向におけるプレート104の幅を1mmとし、短手方向におけるマグネット102および103の幅を2mmとし、短手方向におけるプレート305および306の幅を1mmとし、振動板107の振動方向におけるマグネット102および103の幅を8mmとしている。図18のグラフ(a)は、図16のグラフ(a)と同じものである。図18のグラフ(b)は、プレート305および306の上面がマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くなるときの磁束密度分布を示している。
グラフ(a)では、第1の実施形態と同様、磁束密度が最大値となる位置は幅中心軸S1およびS2と一致する。一方、グラフ(b)では、磁束密度が全体的にグラフ(a)よりも高くなっている。具体的には、中心軸O付近においては、プレート104の上面から放射された磁束φがマグネット403により強制的に水平方向へ変化するために、磁束密度が大きくなっている。これに対し、プレート305および306付近においては、高く
なったプレート305および306の上面へ磁束φがそれぞれ導かれるために、磁束密度が大きくなっている。このようにプレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも高くすることで、中心軸Oからの距離に関わらず、一律に磁束密度を増加させることができる。
なお、マグネット403の動作点を高くするために、鉄などの強磁性材料で構成されたヨークをマグネット403の上面にさらに設けるようにしてもよい。この際、振動板107上方への音の放射を妨げないようにするために、振動板107の短手方向において、ヨークの幅をマグネット403の幅と同じかそれよりも小さくすることが望ましい。
なお、上述した第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、パソコンやテレビ等の映像機器に搭載することも可能である。第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、映像機器に設けられた機器筐体の内部に配置される。以下、具体例として、第1の実施形態に係る電気音響変換器を映像機器である薄型テレビに搭載した場合について説明する。図19は、薄型テレビを示した図である。
図19において、薄型テレビ50は、表示部51、機器筐体52、電気音響変換器53を有する。表示部51は、プラズマディスプレイパネルや液晶パネルで構成され、画像を表示する。表示部51の両サイドには、電気音響変換器53を搭載するための機器筐体52が配置されている。機器筐体52には、電気音響変換器53を搭載する箇所において、音孔を有する防塵ネットが設置されている。あるいは、機器筐体52自体に、音孔が形成されている。電気音響変換器53は、第1の実施形態に係る電気音響変換器と同様の構造を有しており、音の放射面が聴視者に向くように配置されている。なお、図19では、電気音響変換器53を機器筐体52に取り付けたが、異なる機器筐体の内部に取り付けてもよい。例えば、薄型テレビ50内部の基板上に取り付けてもよい。
次に、図19に示す薄型テレビ50の動作について説明する。基地局から出力された電波はアンテナで受信される。アンテナで受信された電波は、薄型テレビ50に入力され、薄型テレビ50内部の電気回路(図示なし)によって映像信号と音声信号とに変換される。映像信号は表示部51において表示され、音声信号は電気音響変換器53において音として放射される。
薄型テレビ50では、全体の横幅に対して表示部51の横幅をできるだけ大きくするために、つまり大画面化を図るために、機器筐体52の横幅はできるだけ薄く構成される。このため、機器筐体52に搭載される電気音響変換器53の横幅(短辺方向の幅)も狭いものが求められる。これに対し、電気音響変換器53では、電気音響変換器53の横幅を狭くしつつ、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができ、再生音圧を向上させることができる。その結果、より良い超高域再生を実現することができ、電気音響変換器53は、大画面化を図る薄型テレビ50などの映像機器において有益である。
また、上述した第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、携帯電話やPDA等の携帯端末装置に搭載することも可能である。第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、携帯端末装置に設けられた機器筐体の内部に配置される。以下、具体例として、第1の実施形態に係る電気音響変換器を携帯端末装置である携帯電話に搭載した場合について説明する。図20は、携帯電話を示した図である。
図20において、携帯電話60は、機器筐体61、電気音響変換器62を有する。電気音響変換器62は、第1の実施形態に係る電気音響変換器と同様の構造を有しており、機器筐体61の内部に配置される。
次に、図20に示す携帯電話60の動作について簡単に説明する。例えば、携帯電話60のアンテナ(図示なし)で着信電波が受信されると、携帯電話60内部の電気回路(図示なし)によって着信用の音声信号が生成される。生成された音声信号は、電気音響変換器62において音として放射される。
携帯電話60では、薄型化が図られており、機器筐体61の厚みはできるだけ薄く構成される。このため、機器筐体61に搭載される電気音響変換器62の横幅(短辺方向の幅)も狭いものが求められる。これに対し、電気音響変換器62では、電気音響変換器62の横幅を狭くしつつ、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができ、再生音圧を向上させることができる。その結果、より良い超高域再生を実現することができ、電気音響変換器62は、薄型化を図る携帯電話60などの携帯端末装置において有益である。
また、上述した第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、車載用の電気音響変換器として、自動車などの車両に搭載されることも可能である。第1〜第4の実施形態に係る電気音響変換器は、車体の内部に配置される。以下、具体例として、第1の実施形態に係る電気音響変換器を自動車のドアに搭載した場合について説明する。図21は、自動車のドアを示した図である。
図21において、自動車のドア70は、窓部71、ドア本体72、低域用電気音響変換器73、高域用電気音響変換器74を有する。低域用電気音響変換器73は、主に低域の音を放射するための電気音響変換器である。高域用電気音響変換器74は、主に高域の音を放射する電気音響変換器であり、第1の実施形態に係る電気音響変換器と同様の構造を有している。低域用電気音響変換器73、高域用電気音響変換器74は、ドア本体72の内部に配置される。高域用電気音響変換器74では、振動板の振動方向に垂直な方向の磁束を効率良く増やすことができ、再生音圧を向上させることができる。その結果、より良い超高域再生が可能な車内リスニング環境を提供することができる。
本発明に係る電気音響変換器は、より良い超高域再生を実現することが可能であり、オーディオセットや、テレビ、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器等に適用される。
第1の実施形態に係る電気音響変換器の正面図 図1Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図1Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図 磁束φの詳細な流れを示す図 図1Cにおける磁束密度分布を示す図 図1Cに示した電気音響変換器を構成する磁気回路を斜めから見たときの斜視図 マグネット102および103における振動板107の振動方向の幅の変化と、磁束密度分布の変化との関係を示した図 プレート104〜106の上面の位置と磁束密度分布との関係を説明するための電気音響変換器の構造断面図 プレート104〜106の上面の位置と磁束密度分布との関係を示す図 プレート104〜106を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図 プレート105および106を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図 プレート104を省略した第1の実施形態に係る電気音響変換器の短手方向の構造断面図 第2の実施形態に係る電気音響変換器の正面図 図11Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図11Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図 第3の実施形態に係る電気音響変換器の正面図 図12Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図12Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図12Cに示した電気音響変換器を構成する磁気回路を斜めから見たときの斜視図 プレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くした場合の磁束密度分布の変化を示す図 第4の実施形態に係る電気音響変換器の正面図 図15Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図15Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図 マグネット403を配置した場合の磁束密度分布の変化を示す図 図15Cのプレート105および106をプレート305および306とした場合の電気音響変換器の構造断面図 プレート305および306の上面をマグネット102および103の上面よりも1.0mm高くした場合の磁束密度分布の変化を示す図 薄型テレビを示した図 携帯電話を示した図 自動車のドアを示した図 従来の電気音響変換器の正面図 図22Aの短手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 従来の電気音響変換器の正面図 図23Aの長手方向の中心線AAで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図23Aの短手方向の中心線BBで電気音響変換器を切断した場合の断面図 図23A〜Cに示す電気音響変換器において、マグネット908の短手方向の幅を大きくした場合の断面図 コイル位置における磁束密度の違いを比較した結果を示す図
符号の説明
101、101a フレーム
102、103、102a、103a、403 マグネット
104〜106、104a〜106a、305、306 プレート
107 振動板
108、208 コイル
109、109a エッジ
401、402 支持部材
50 薄型テレビ
51 表示部
52、61 機器筐体
53、62 電気音響変換器
60 携帯電話
70 ドア
71 窓部
72 ドア本体
73 低域用電気音響変換器
74 高域用電気音響変換器

Claims (13)

  1. 細長形状の振動板と、
    前記振動板を振動可能に支持するエッジと、
    長手方向を前記振動板の長手方向と平行にして前記振動板の一方主面側に設けられ、前記振動板の短手方向に着磁されて前記振動板の一方主面と対向する側に磁気ギャップを形成する直方体形状の第1のマグネットと、
    長手方向を前記振動板の長手方向と平行にして前記第1のマグネットと空隙を挟んで前記振動板の短手方向に隣接され、前記第1のマグネットと反対の方向に着磁されて前記振動板の一方主面と対向する側に磁気ギャップを形成する直方体形状の第2のマグネットと、
    巻回されて細長の環形状を形成し、長手方向を前記振動板の長手方向と平行にして各長手部分が各前記磁気ギャップ内に配置されるように前記振動板上に設けられた第1のコイルと
    前記空隙を埋めるように設けられた、強磁性材料からなる第1のプレートと、
    前記第1のマグネットにおける前記第1のプレートと接する磁極面と反対の磁極面上に設けられた第2のプレートと、
    前記第2のマグネットにおける前記第1のプレートと接する磁極面と反対の磁極面上に設けられた第3のプレートとを備え
    前記第2および第3のプレートにおける前記振動板側の各面は、前記第1および第2のマグネットと前記第1のプレートとにおける前記振動板側の各面よりも前記振動板に近い平面上に位置し、
    前記エッジの断面は、前記振動板の他方主面側に凸となる形状を有しており、
    前記第2および第3のプレートは、前記振動板側の各面が前記エッジと対向するようにそれぞれ配置されることを特徴とする、電気音響変換器。
  2. 前記第1および第2のマグネットと前記第1のプレートとにおける前記振動板側の各面は、同一平面上に位置することを特徴とする、請求項に記載の電気音響変換器。
  3. 前記第1のコイルの各長手部分は、前記第1および第2のマグネットと前記第1〜第3のプレートとにおける前記振動板側の各面のうち、1つ以上の面と対向するように配置されることを特徴とする、請求項記載の電気音響変換器。
  4. 長手方向を前記振動板の長手方向と平行にして前記振動板の他方主面側に設けられ、前記振動板の短手方向の位置に関し前記第1および第2のマグネット間に位置するように配置された直方体形状の第3のマグネットをさらに備え、
    前記第3のマグネットは、前記振動板の他方主面と対向する磁極面の極性を前記空隙と接する前記第1および第2のマグネットの各磁極面の極性と同じにするように、前記振動板の振動方向に着磁されることを特徴とする、請求項1に記載の電気音響変換器。
  5. 前記振動板は、短手方向の長さが長手方向の長さの半分以下であることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  6. 前記第1のコイルは、長手方向の長さが前記振動板の長手方向の長さの60%以上であることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  7. 前記振動板および前記第1のコイルは、一体成形されることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  8. 前記第1のコイルの各長手部分は、前記振動板の短手方向の位置に関し当該各長手部分の巻幅の中心位置が前記第1および第2のマグネットの幅の中心位置とそれぞれ一致するように配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  9. 前記第1のコイルの各長手部分は、前記振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置に設けられることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  10. 巻回されて細長の環形状を形成し、長手方向を前記振動板の長手方向と平行にして各長手部分が前記磁気ギャップ内に配置されるように前記第1のコイルの内周側の前記振動板上に設けられた第2のコイルをさらに備え、
    前記第1および第2のコイルの各長手部分は、前記振動板の短手方向における第1次共振モードおよび第2次共振モードを抑制する位置に配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気音響変換器。
  11. 請求項1から1のいずれか1項に記載の電気音響変換器と、
    前記電気音響変換器を内部に配置する機器筐体とを備える、携帯端末装置。
  12. 請求項1から1のいずれか1項に記載の電気音響変換器と、
    前記電気音響変換器を内部に配置する車体とを備える、車両。
  13. 請求項1から1のいずれか1項に記載の電気音響変換器と、
    前記電気音響変換器を内部に配置する機器筐体とを備える、映像機器。
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