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JP5095669B2 - 遠心鋳造用シリンダライニング材及びシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法 - Google Patents

遠心鋳造用シリンダライニング材及びシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法 Download PDF

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本発明は、シリンダ本体の内周面に遠心鋳造方法により形成されるシリンダライニング材及びシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法に関する。
射出成形機により、種々の特性、形状、強度等を有する樹脂製品が、各種樹脂原料、またこれらにガラス繊維等を混合させた樹脂原料を用いて製造されている。そのような射出成形機に使用される成形用シリンダには、高い硬度、耐食性、耐久性等に優れ、しかも比較的安価に製造できることが要求される。その要求に応えて、シリンダ本体の内周面にシリンダライニング材を遠心鋳造方法により形成した成形用シリンダ又はその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1に、遠心鋳造方法により製造される射出成形機のシリンダであって、シリンダ内面に、濃ニッケル又は濃コバルト合金マトリックス中に炭化タングステン粒子の実質的部分を分散混入せしめた内張層を有する射出成形機のシリンダが提案されている。その明細書には、遠心鋳造後のシリンダ内面の所望の機械加工及び仕上げを便利に行うには、炭化タングステンを鋳造物の内張の断面全体にではなく要部に分散せしめることが望ましく、好ましくは内張の容積の約40至80%になっているのが良いと記載されている。そして、本提案に係る発明においては、使用される炭化タングステン粒子は比較的小粒子が望ましく、好ましくは100メッシュ、さらに好ましいのは200メッシュ又はそれより小粒子のものであると記載されている。
特許文献2に、組成成分として質量%で、鉄を8〜25%、炭化タングステンを30〜45%含む原料を用い、ニッケル合金基地中に炭化タングステン粒子が分散した遠心鋳造用炭化タングステン複合ライニング材が提案されている。そして、その明細書によると、遠心鋳造法により製造される従来のNi基やCo基に硼化物や炭化物を複合したライニング材においては、これに含まれる硼化物は熱安定性が悪く、硬さの低下や巣の発生を招き耐摩耗性や強度を劣化させ、炭化物は相手材を傷つけ、Ni基やCo基などのマトリックスとの濡れ性が悪く、割れ易い等の問題があるとしたうえで、本提案に係る遠心鋳造用炭化タングステン複合ライニング材は、炭化タングステン原料として、平均粒径が1〜12μmの球状をした炭化タングステン粉末を使用したので、割れ等の問題がなかったことが記載されている。
特許文献3に、中空円筒状の鋼製外筒の内面に耐摩耗耐腐食性合金を含有したライニング層を形成した成形機用シリンダにおいて、前記ライニング層がニッケルを含む基地と、金属タングステン中に炭化タングステンが分散した硬質粒子とにより構成されていることを特徴とする成形機用シリンダが提案されている。また、特許文献3には、さらにライニング層に硼化タングステンが分散した成形機用シリンダが提案されている。そして、その明細書には、平均粒径6〜12μmのような比較的小さい粒径の炭化タングステンは、実際の製造において加熱溶融時に容易に溶融分解し、シリンダのライニング層に含ませることは困難であるとし、製品時に最大長が55〜305μmの金属タングステン中に炭化タングステンが分散した硬質粒子を、基地となる合金粉末と混合して遠心鋳造を行った試験結果が開示されている。
特公昭54-32413号公報 特開平7-290186号公報 特開2008-201080号公報
一般に、遠心鋳造方法により、ニッケル、コバルト又はこれらの合金基地中に炭化タングステンや硼化タングステンが分散したライニング層を有する成形機用シリンダを製造する場合は、比重の高い炭化タングステンや硼化タングステンが多く分散した外円周部分と、比重の低いニッケル、コバルト又はこれらの合金に富み、炭化タングステンや硼化タングステンが希少な内円周部分とに分けられたシリンダライニング材が製造される。
そして、遠心鋳造方法により製造された成形機用シリンダ素材は、シリンダライニング材の内面加工が施されて成形機用シリンダに仕上げられるが、炭化タングステンや硼化タングステンが多く分散した部分(ライニング層)は硬度が高く機械加工が容易でない。このため、特許文献1に記載の発明は、当該部分より柔らかく機械加工をし易いニッケル又はコバルトに富み、炭化タングステンや硼化タングステンが希少な層(ニッケル、コバルト又はこれらの合金富有層)を積極的に設けるようにしている。
しかし、成形機用シリンダに仕上げるための切削部分は少ないほど好ましい。特許文献2又は3において、ニッケル、コバルト又はこれらの合金富有層を積極的に小さくすることについての記載はない。また、従来技術において、ニッケル、コバルト又はこれらの合金富有層の厚さを制御することができる方法について開示する例は見当たらない。
特許文献2に提案された遠心鋳造用炭化タングステン複合ライニング材は、鉄成分を追加することによって炭化タングステン粒子の分散性が向上し、ライニング強度を高めることができると記載されているが、さらにライニング層の耐摩性、耐食性を向上させるには鉄成分は好ましくない。また、特許文献3に提案された成形機用シリンダは、金属タングステン中に炭化タングステンが分散したような特殊な硬質粒子を準備しなければならないという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、容易に入手可能な炭化タングステン粉末、硼化タングステン粉末を使用し、ニッケル、コバルト又はこれらの合金基地中に炭化タングステン粒子、硼化タングステン粒子が分散したライニング層を有し、ニッケル、コバルト又はこれらの合金富有層(粒子欠乏層)の厚さがきわめて薄いシリンダライニング材、または、所望の厚さの粒子欠乏層を有するシリンダライニング材であって、耐摩性に優れたシリンダライニング材を製造するのに適した遠心鋳造用シリンダライニング材、およびそのようなシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る遠心鋳造用シリンダライニング材は、質量%で、硼化タングステン+炭化タングステン(合計量):30〜45%、硼化タングステン/炭化タングステン:1以下であって硼化タングステン:5〜20%、ニッケル+コバルト(合計量):35〜50%、モリブデン:1%以下、クロム:10%以下、硼素:1〜3%、珪素:1〜3%、マンガン:2%以下、鉄:5%以下、炭素:1%以下および不可避的不純物を含有している。
上記発明において、炭化タングステンは平均粒径6〜12μmの球状粉末であり、硼化タングステンは平均粒径3〜12μmの粉末であるのがよい。
本発明に係る遠心鋳造方法は、シリンダ本体の内周面に設けられる、ニッケルおよび/またはコバルト合金基地中に炭化タングステン粒子及び硼化タングステン粒子が分散したライニング層と、そのライニング層の内周面に形成され、炭化タングステン粒子及び硼化タングステン粒子が稀少な粒子欠乏層と、を有するシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法であって、質量%で硼化タングステン粉末を5〜20%含み炭化タングステン粉末質量が硼化タングステン粉末質量以上で、炭化タングステン粉末と硼化タングステン粉末の合計質量が45%以下、残部がニッケルおよび/またはコバルト合金基地形成成分となる原料を用い、前記炭化タングステン粉末と前記硼化タングステン粉末との質量割合を調整することにより、前記粒子欠乏層の厚さを制御することにより実施される。
上記遠心鋳造方法の発明において、硼化タングステン粉末は、炭化タングステン粉末に対して質量比で0.14〜1.00であるのがよい。また、ライニング層の炭化タングステンの粒子間隔を8〜50μmにすることができる。
本発明によると、容易に入手可能な炭化タングステン粉末、硼化タングステン粉末を使用し、ニッケルおよび/またはコバルト合金基地中に炭化タングステン粒子、硼化タングステン粒子が均一に分散したライニング層を有し、粒子欠乏層の厚さがきわめて薄い耐摩性に優れたシリンダライニング材を得ることができる。また、本発明によると、所望の厚さの粒子欠乏層を有するシリンダライニング材を得ることができる。
本発明に係るシリンダライニング材の構成を示す模式図(a)及びマクロ組織写真(b)である。 シリンダライニング材における粒子欠乏層のライニング層に対する厚さ比と、硼化タングステン粉末の炭化タングステン粉末に対する質量比との関係を示すグラフである。 本発明に係るシリンダライニング材のライニング層部分のSEM写真である。 本発明に係る他のシリンダライニング材のライニング層部分のSEM写真である。 比較例のシリンダライニング材のライニング層部分のSEM写真である。 砂摩耗試験の結果を示すグラフである。
以下、発明を実施するための形態について説明する。本発明に係る遠心鋳造用シリンダライニング材は、以下の組成を有する。すなわち、質量%で、硼化タングステン+炭化タングステン(合計量):30〜45%、硼化タングステン/炭化タングステン:1以下であって硼化タングステン:5〜20%、ニッケル+コバルト(合計量):35〜50%、モリブデン:1%以下、クロム:10%以下、硼素:1〜3%、珪素:1〜3%、マンガン:2%以下、鉄:5%以下、炭素:1%以下および不可避的不純物を含有する。これにより、ニッケル、コバルト又はこれらの合金基地中に炭化タングステン粒子、硼化タングステン粒子が均一に分散し、しかも所望の厚さの粒子欠乏層を有する耐摩性に優れたシリンダライニング材を得ることができる。
本発明においては、炭化タングステン粉末は遠心鋳造時にほとんど溶損せず原材料時の大きさ及び形状を保ってニッケル、コバルト又はこれらの合金基地中に分散しているので、炭化タングステン粉末の形状は、スクリュ材への攻撃性(かじり、摩耗、損傷)の少ない球状が好ましい。また、炭化タングステン粉末の平均粒径は、6〜12μmであるのが好ましい。一般に、炭化タングステンは相手材を傷つけ、Ni基やCo基などのマトリックスとの濡れ性が悪く、割れ易いとされる問題点をこれにより解決することができる。
一方、硼化タングステン粉末は、炭化タングステン粉末より熱安定性に劣るため遠心鋳造時にある程度分解(溶解)するので、形状については特に指定しない。しかしながら、硼化タングステン粉末の粒径は、炭化タングステン粉末の場合と同程度又は1/2以上の平均粒径3〜12μmであるのがよい。これにより、原材料を調合する際に、硼化タングステン粉末と炭化タングステン粉末の均一な混合物を得ることができる。
上述のように、硼化タングステン粉末と炭化タングステン粉末の合計量は、質量%で30〜45%である。硼化タングステンの硬度(36.3GPa)は炭化タングステンの硬度(16.8GPa)より高く、硼化タングステン粉末も炭化タングステン粉末と同様に耐摩耗性に寄与させることができる。よって、硼化タングステン粉末と炭化タングステン粉末を混合することにより、硼化タングステン又は炭化タングステン各々の特性を発揮させるとともに、所望の耐摩耗性を発揮させることができる。
しかし、硼化タングステン粉末と炭化タングステン粉末の合計量が多すぎる場合は、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金の基地中において硼化タングステン又は炭化タングステン粉末(粒子)の十分な流動性を保つことができず、硼化タングステン又は炭化タングステン粒子が均一に分散した正常な遠心鋳造を行なうことができなくなる。
また、以下に説明するように、硼化タングステン粉末の添加量がある値より増加すると良好なライニング層が得られなくなるので、シリンダライニング材に含まれる硼化タングステン粉末と炭化タングステン粉末は、適切な質量比で含ませるのがよい。
ニッケル又はコバルトは、上記硼化タングステン粒子及び炭化タングステン粒子を分散させるニッケルおよび/またはコバルト合金基地を形成する成分であり、合計質量で35〜50%とする。これにより、硼化タングステン粒子及び炭化タングステン粒子が均一に分散したニッケルおよび/またはコバルト合金基地を形成させることができる。通常は、ニッケル基地のシリンダライニング材を使用することができるが、耐食性、耐キャビテーション・エロージョン性を向上させるにはニッケル・コバルト合金基地とするのが好ましい。
その他、強度や硬度の向上を図るため、モリブデン、クロム、硼素が追加され、モリブデン:1%以下、クロム:10%以下、硼素:1〜3%とすることができる。また、珪素、マンガン、鉄、炭素については、珪素:1〜3%、マンガン:2%以下、鉄:5%以下、炭素:1%以下とすることができる。なお、鉄は、耐食性を低下させるので5%以下とするのがよい。
本シリンダライニング材は、上記組成からなり、公知の遠心鋳造方法により製造することができる。しかしながら、本シリンダライニング材の遠心鋳造においては、以下に説明するように、炭化タングステン粉末と硼化タングステン粉末との質量比を調整することが重要である。硼化タングステン粉末は、炭化タングステン粉末に対して質量比で0.14〜1.00となるように調整するのがよい。
図1に、本シリンダライニング材の構成を示す。図1(a)は、本シリンダライニング材の構成を示す模式図であり、図1(b)はマクロ組織写真である。図1(a)に示すように、本シリンダライニング材は、シリンダ本体の内周面に形成されており、ニッケルおよび/またはコバルト合金に富み、硼化タングステン粒子及び炭化タングステン粒子のほとんど無い粒子欠乏層と、硼化タングステン粒子及び炭化タングステン粒子がニッケルおよび/またはコバルト合金基地中に分散したライニング層からなる。
上述のように、本シリンダライニング材の遠心鋳造においては、炭化タングステン粉末と硼化タングステン粉末との質量比を調整することが重要である。この質量比を調整することにより、粒子欠乏層の厚さTSが薄い、例えば1〜2mmのものから、10mm前後の厚いものまで広い範囲にわたる所望の厚さTSを有するものを得ることができる。これは、本シリンダライニング材においては、図2に示すように、粒子欠乏層の厚さTSのライニング層の厚さTLに対する割合が、硼化タングステン粉末の質量WBの炭化タングステン粉末の質量WCに対する割合が一定の関係を有しているからである。すなわち、遠心鋳造されるシリンダ本体の寸法諸元、シリンダライニング材に対する原材料投入量等が決まると、シリンダライニング材の厚み(TM+TL)が定まるから、WB/WCの値を調整することにより所望の厚さTSのシリンダライニング材を得ることができる。なお、WB/WCの比率が高くなると遠心鋳造時に巣、ポロシティ等の鋳造欠陥が生じやすくなるという傾向がある。特に、WB/WCが1を超えた場合には、良好な組織を得ることが困難になる。図2に示すTS、TLは平均値である。図2において、●印は発明例、■印は比較例を示す。また、図2に示す例のシリンダライニング材の組成を質量%で表1に示す。
Figure 0005095669
本シリンダライニング材は、ニッケル、コバルト又はこれらの合金基地中に炭化タングステン粒子及び硼化タングステン粒子が均一に分散したライニング層を有する。図3及び図4に、本シリンダライニング材のライニング層部分の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図3は、表1に示すWB/WC=0.33(10.0WB/30.0WC)の組成を有するものの例である。図4は、表1に示すWB/WC=1.00(20.0WB/20.0WC)の組成を有するものの例である。なお、比較のため、図5に、表1に示すWB/WC=0.00(0.0WB/40.0WC)の組成を有するもののSEM写真を示す。
図3及び図4に示すように、本シリンダライニング材のライニング層は、炭化タングステン粒子が島状に分散し、硼化タングステン粒子がニッケル基地の全面にわたって微細に分散しており、それらの分散状態は均一である。炭化タングステン粒子は、外径が1〜15μmであり、原材料時の粉末形状を保って球形に近い形状をしていることが分かる。
また、図3〜図5によると、炭化タングステン粒子間隔は、炭化タングステン粒子量が多いほど小さくなっていることから分かるように、本シリンダライニング材のライニング層においては、炭化タングステンの粒子間隔を8〜50μmの範囲にすることができる。
一方、硼化タングステン粒子は、外径が数μm以下であり、原材料時の粉末よりもかなり小さくなっている。図3と図4を比較すると、硼化タングステン粒子量の多い図4の例の場合の方が、硼化タングステン粒子密度が高いように観察される。しかしながら、図3及び図4のいずれも硼化タングステン粒子の分散性はよく、分散状態は均一である。
図6は、遠心鋳造により表1に示す組成のシリンダライニング材を製造し、粒子欠乏層を切削削除したライニング層からなる試験片を作製して、砂摩耗試験及び硬度測定試験を行った結果を示す。図6において、棒グラフにより摩耗体積を示し、●印によりロックウェル硬度の平均値を示す。なお、比較例の試験結果も表示した。■印は、比較例のロックウェル硬度の平均値を示す。砂摩耗試験は、ASTM G65に従って行い、ホイール回転速度200rpm、荷重130N、試験時間10minであった。
図6に示すように、摩耗体積は、硼化タングステン粉末添加量(WBの質量%)が5%(5.0WB/35.0)〜20%(20.0WB/20.0WC)の場合に、0%(WB/WC=0.0/40.0)の摩耗体積以下になっており、5%〜13%(13.0WB/27.0WC)まではWB/WCの値が大きくなるほど摩耗体積は小さくなっている。しかし、WBの質量%が13%〜20%においてはWB/WCの値が大きくなるほど摩耗体積が大きくなる様子がうかがえる。
一方、ロックウェル硬度についても摩耗体積と同様な変化状態を示している。すなわち、WBの質量%が、5%〜20%の場合に0%のロックウェル硬度以上になっており、5%〜13%まではWB/WCの値が大きくなるほどロックウェル硬度が大きくなっている。しかし、WBの質量%が、13%〜20%においてはWB/WCの値が大きくなるほどロックウェル硬度が小さくなる様子がうかがえる。
以上、本発明に係るシリンダライニング材は、硼化タングステン粒子及び炭化タングステン粒子がニッケルおよび/またはコバルト合金基地中に均一に分散しており、硼化タングステン粉末の炭化タングステン粉末に対する質量比WB/WCにより、粒子欠乏層の厚さ、耐摩性及び硬度の異なるライニング層を有する。そして、質量比WB/WCは0.14〜1.00とすることができ、シリンダライニング材の耐摩性は質量比WB/WCが0.33〜0.48であるのがよい。

Claims (5)

  1. 質量%で、硼化タングステン+炭化タングステン(合計量):30〜45%、硼化タングステン/炭化タングステン:1以下であって硼化タングステン:5〜20%、ニッケル+コバルト(合計量):35〜50%、モリブデン:1%以下、クロム:10%以下、硼素:1〜3%、珪素:1〜3%、マンガン:2%以下、鉄:5%以下、炭素:1%以下および不可避的不純物を含有する遠心鋳造用シリンダライニング材。
  2. 炭化タングステンは平均粒径6〜12μmの球状粉末であり、硼化タングステンは平均粒径3〜12μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の遠心鋳造用シリンダライニング材。
  3. シリンダ本体の内周面に設けられる、ニッケルおよび/またはコバルト合金基地中に炭化タングステン粒子及び硼化タングステン粒子が分散したライニング層と、そのライニング層の内周面に形成され、炭化タングステン粒子及び硼化タングステン粒子が稀少な粒子欠乏層と、を有するシリンダライニング材を製造する遠心鋳造方法であって、
    質量%で硼化タングステン粉末を5〜20%含み炭化タングステン粉末質量が硼化タングステン粉末質量以上で、炭化タングステン粉末と硼化タングステン粉末の合計質量が45%以下、残部がニッケルおよび/またはコバルト合金基地形成成分となる原料を用い、
    前記炭化タングステン粉末と前記硼化タングステン粉末との質量割合を調整することにより、
    前記粒子欠乏層の厚さを制御する遠心鋳造方法。
  4. 硼化タングステン粉末は、炭化タングステン粉末に対して質量比で0.14〜1.00であることを特徴とする請求項3に記載の遠心鋳造方法。
  5. ライニング層の炭化タングステンの粒子間隔が8〜50μmであることを特徴とする請求項3又は4に記載の遠心鋳造方法。
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