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JP5095301B2 - プラスチック廃棄物の処理方法 - Google Patents

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JP5095301B2
JP5095301B2 JP2007212341A JP2007212341A JP5095301B2 JP 5095301 B2 JP5095301 B2 JP 5095301B2 JP 2007212341 A JP2007212341 A JP 2007212341A JP 2007212341 A JP2007212341 A JP 2007212341A JP 5095301 B2 JP5095301 B2 JP 5095301B2
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Description

本発明は、プラスチック廃棄物の処理方法に関し、さらに詳しくは、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することのできるプラスチック廃棄物の処理方法に関する。
各種プラスチック製品は、成形が容易で強度等の特性に優れ、種々の用途に広く使用されている。これらのプラスチック製品はいずれ廃棄され、処分されることになる。広範な用途に使用されたプラスチック製品から廃棄されるプラスチック廃棄物は多種多様であり、その廃棄量も膨大であるから、プラスチック廃棄物の廃棄処理が重要な問題となっている。プラスチック廃棄物の廃棄処理は、通常、焼却処分、又は、埋め立て処分等が採用される。
しかし、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物を含有するプラスチック廃棄物を単に焼却処分すると、ハロゲンガス、及びハロゲン化水素等のハロゲン含有物等が発生する。そうすると、発生したハロゲン含有物等によって焼却炉を傷めるばかりか、ダイオキシン類が発生しやすくなる。また、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等のプラスチック廃棄物を含有するプラスチック廃棄物を単に焼却処分すると、シアン等の有害ガスが発生する。
焼却処理により発生するハロゲン含有物又は有毒ガス等捕捉する方法として、例えば、ハロゲン含有物又は有毒ガス等を捕捉可能なフィルター等を備えた焼却設備等を用いる方法、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物を消石灰等と共に焼却する方法が挙げられる。また、ハロゲン含有物又は有毒ガス等の発生を防止する方法として、例えば、プラスチック廃棄物に含有されるハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物又はポリウレタン、ABS等のプラスチック廃棄物を分別する方法等が挙げられる。
しかし、焼却設備にフィルター等を付設すると、焼却設備が大がかりになり、しかも廃棄処理コストが大きくなる。また、プラスチック製品を所望のように分別するのは困難であるうえ、焼却処分するプラスチック廃棄物に、例えば、医療機器に使用されるプラスチック製品が含まれている場合には、二次感染等の衛生上の問題もある。
このような問題を有する焼却処分に代えて、プラスチック廃棄物を単に埋め立て処分すると、プラスチック廃棄物の埋め立て地近傍の環境が破壊され、結局のところ、人及び環境に与える悪影響が大きくなる。
したがって、これらの問題のうち少なくとも1つの問題を解決することのできる、プラスチック廃棄物、特にハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物の廃棄処理方法が望まれている。
この要望に応え得る方法として、例えば、「塩化ビニル重合体組成物を有機溶媒に溶解し、この溶液にアルカリ剤を加えて得られた溶液を、かき混ぜながら常圧下に常温から前記有機溶媒の沸点までの温度域に攪拌しながら保持することにより、塩化ビニル重合体組成物中の塩化ビニル重合体を脱塩素化することを特徴とする方法」が挙げられる(特許文献1参照。)。しかし、この特許文献1に記載の方法において、97.2%の脱塩素化率を達成するには、その実施例に記載されているように、塩化ビニル重合体組成物を溶解するための極性非プロトン溶媒であるジメチルスルホキシドを用いて、反応温度80℃下に、3時間もの長い反応時間を要する。
また、前記要望に応える別の方法として、「硫黄及び/又はハロゲンを含有するプラスチック廃棄物をアルカリ性溶液で加熱処理する加熱処理工程と、この加熱処理工程で処理された処理混合物から抜き出した液状物を光触媒の存在下で光照射処理をする光照射工程とを有することを特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法」が本出願人により、提案されている(特許文献2参照。)。
特開2003−253039号公報 特開2004−123883号公報
この発明は、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することのできるプラスチック廃棄物の処理方法を提供すること、を目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物と、この前記プラスチック廃棄物100g当たりの総アミノ基量が下記モル量となるアミノ化合物と、前記プラスチック廃棄物100質量部に対して2500〜50000質量部の、濃度が0.1〜3.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液とを150〜250℃に加熱処理することを特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法であり、
前記アミノ化合物が2−アミノエタノールである場合:0.5〜50モル
前記アミノ化合物がヒドラジンである場合:10〜35モル
前記アミノ化合物がアンモニアである場合:55〜150モル
前記アミノ化合物がトリメチルアミンである場合:4〜30モル
請求項2は、前記プラスチック廃棄物は、ハロゲン原子の含有量が3mol/g以下の軟質ポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック廃棄物の処理方法であり、
請求項3は、前記加熱処理は、少なくとも20分間にわたって、行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック廃棄物の処理方法である。

この発明に係るプラスチック廃棄物の処理方法によれば、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物を、特定量のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体と特定濃度のアルカリ性溶液と共に特定温度に加熱処理することによって、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で、しかも、低コストで、除去することができる。また、この発明に係るプラスチック廃棄物の処理方法によれば、たとえ、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物に、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の廃棄物が混入していても、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の廃棄物を厳密に分別する必要もない。したがって、この発明によれば、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することのできるプラスチック廃棄物の処理方法を提供することができる。
そして、この発明に係るプラスチック廃棄物の処理方法によって得られた処理物は、ハロゲン原子が除去されているから、工業原料として再資源化することができるし、また、最終的に焼却処分されるにしても、焼却炉を傷めることもダイオキシン類等の有害物質が発生することも防止することができる。
一般社会に汎用されているプラスチックは多種多様であり、しかもそのプラスチック製品の用途に応じて各種の添加剤、例えば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤等を含んでいる。この発明に係るプラスチック廃棄物の処理方法(以下、この発明の方法と称することがある。)は、前記種々の添加剤を含有することによりハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物、及び/又は、分子内にハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物の処理に好適である。したがって、この発明の方法により処理されるプラスチック廃棄物としては、ハロゲン原子を含有するプラスチックの廃棄物であればよい。
ハロゲン原子を含有するプラスチックの一例であるところの、分子内にハロゲン原子を含有するプラスチックとしては、その分子内にハロゲン原子を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂、塩化ビニル系樹脂、クロロプレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化三フッ化エチレン樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、短時間でハロゲン原子を除去することができる点で、塩化ビニル系樹脂がこの発明の方法を適用するのに好都合である。塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合樹脂、塩化ビニルアクリル酸エステル、塩化ビニルメタクリル酸共重合樹脂、塩化ビニルアクリルニトリル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、プロピレン塩化ビニル共重合体等が挙げられる。
ハロゲン原子を含有するプラスチックの一例であるところの、種々の添加剤を含有することによりハロゲン原子を含有するプラスチックとしては、プラスチックの分子内にハロゲン原子を含有していないけれどハロゲン原子を含有する添加剤を含有するプラスチック(正確には、ハロゲン原子を含有する添加剤を含有してなる樹脂組成物と称されるべきであるが、この発明においては、そのような添加剤を含有する樹脂組成物も「プラスチック」と称することとする。)を挙げることができる。ハロゲン原子を含有する添加剤としては、その分子内にハロゲン原子を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、五塩化ステアリン酸ジメチル、トリクロルエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリスジブロモプロピルホスフェート等の可塑剤、モノアルキレンジブロモフェノール等の酸化防止剤、トリス(クロロエチル)ホスフェート、パークロロペンタシクロデカン、テトラブロムブタン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモエタン、デカブロモビフェニルエーテル等の難燃剤等が挙げられる。また、分子内にハロゲン原子を含有する添加剤として、前記添加剤の外に、「新版・プラスチック配合剤−基礎と応用」昭和59年1月30日初版発行、大成社発行」に記載された各種の添加剤が挙げられる。
ハロゲン原子を含有するプラスチックは、例えば、前記分子内にハロゲン原子を含有するプラスチック又は前記ハロゲン原子を含有する添加剤とを含有していればよく、また、前記分子内にハロゲン原子を含有するプラスチックと前記ハロゲン原子を含有する添加剤とを含有していてもよく、さらに、少なくとも1種の、前記ハロゲン原子を含有する添加剤を含有することによりハロゲン原子を含有するプラスチックと、少なくとも1種の、分子内にハロゲン原子を含有するプラスチックとを含有していてもよい。
この発明によれば、前記ハロゲン原子を含有するプラスチックにおけるハロゲン原子の含有量が0.5mol/g未満であれば、このプラスチックからハロゲン原子をきわめて短時間で効率よく除去することができる。さらに、この発明によれば、従来は、長時間を要してもハロゲン原子を高い除去率で除去しにくかったハロゲン原子の含有量が0.5mol/g以上であるプラスチック、例えば0.5〜3mol/g(特に1〜2mol/g)であるプラスチックであっても、このようなハロゲン原子の含有量が大きいプラスチックからハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができる。もっとも、この発明において、処理時間が多少長くなってもよいのであれば、ハロゲン原子の含有量が3mol/gを超えるプラスチックを使用することもできる。
この発明の方法により処理される対象物は、前記ハロゲン原子を含有するプラスチックの廃棄物(以下、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物と称することがある。)である。このハロゲン原子含有プラスチック廃棄物は、分子内にハロゲン原子を含有するプラスチック、及び、種々の添加剤を含有することによりハロゲン原子を含有するプラスチックの少なくとも一方を含有する成形用プラスチックであって、製品として使用されずに廃棄されたもの、前記成形用プラスチックを用いて成形加工した際に副生するバリ及び打ち抜き残渣等の半端物を廃棄したもの、前記成形用プラスチックを用いて成形加工して得られるハロゲン含有プラスチック製品であって使用後に廃棄されたもの、前記ハロゲン含有プラスチック製品と他の樹脂を用いて得られる樹脂製品とを組み合わせてなる組み立て製品であって、その組み立て製品から分離されたハロゲン含有プラスチック製品を廃棄したもの等を挙げることができる。
前記ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物は、例えば、医療機器、自動車用製品、緩衝材等の梱包用製品、人工合皮、断熱材、接着剤又は塗料等が挙げられる。医療機器としては、例えば、血液浄化器、シリンジ(注射筒)、プラスチック製留置針、輸液セット、フィルター、ディスポーザブル携帯型薬液注入器等の、「注射薬投与法の基本と工夫−安全かつ有効な投与法を考える」(2001年3月15日第1版第1刷発行、幸保 文治著、株式会社メディカルトリビューン発行)に記載された各種のプラスチック製医療機器、輸血・血液バッグ、手術用手袋、血液等の体液又は治療用の液を流通させる流体流通チューブ、血液浄化器等が挙げられる。自動車用製品としては、例えば、自動車用バンパー、自動車用シート、ダッシュボード、自動車用人工合皮、自動車用断熱材、自動車用緩衝材、自動車部品用接着剤又は塗料等が挙げられる。なお、プラスチック製品として各種の名称を例示したが、前記医療機器、自動車用製品等はその全てがプラスチックで形成されているとは限らず、その一部若しくは大部分がプラスチックで形成されているものを含む。
ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物は、廃棄され、回収されたときのそのままの形状でこの発明の方法に提供することができる。ハロゲン含有プラスチック廃棄物からより短時間でハロゲン原子を除去することを目的とするのであれば、ハロゲン含有プラスチック廃棄物を粉砕又は破砕することによる粉砕物又は破砕物として、この発明の方法に供するのがよい。粉砕物又は破砕物の大きさは、特に限定されるものではなく、例えば、数100μm〜数cmに調整すればよい。
この発明の方法において、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて、使用することができる。
この発明の方法に使用されるアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体は、後述するアルカリ性溶液中における加熱処理において、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を除去するのに貢献する。
前記アミノ化合物は、その分子内にアミノ基(3級アミノ基を含む。)及びイミノ基の少なくとも一方を有する化合物であればよく、例えば、芳香族アミノ化合物、脂肪族アミノ化合物、脂環式アミノ化合物、無機アミノ化合物等が挙げられる。これらの中でも、加熱処理後の処理混合物を焼却する際に、ダイオキシン等の有害物質を発生させる可能性がきわめて少ない点で、脂肪族アミノ化合物、脂環式アミノ化合物又は無機アミノ化合物が好ましく、入手容易性、コスト等の点で、無機アミノ化合物が特に好ましい。
前記芳香族アミノ化合物としては、例えば、アニリン、ベンズアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、トルイジン、アミノフェノール、フェニレンジアミン等が挙げられる。前記脂肪族アミノ化合物としては、例えば、メチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン、1−エタノールアミン、2−エタノールアミン、アリルアミン等が挙げられる。前記脂環式アミノ化合物としては、例えば、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。前記無機アミノ化合物としては、例えば、アンモニア、アンモニア水、ヒドラジン等が挙げられる。
アミノ化合物は、その分子内にアミノ基又はイミノ基を少なくとも1個有するモノアミノ化合物でもよく、前記アミノ基等を2個有するジアミノ化合物でもよく、また、前記アミノ基等を3個以上有するポリアミノ化合物でもよい。アミノ化合物としてジアミノ化合物又はポリアミノ化合物を選択すると、その使用量を低減することができ、一方、アミノ化合物としてモノアミノ化合物を選択すると、入手が容易で処理コストを低減することができる。
前記アミノ化合物前駆体は、後述するアルカリ性溶液中における加熱処理の条件下に、アミノ基又はイミノ基を発生又は遊離する化合物であればよく、例えば、ブロックイソシアネート化合物、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド及びポリアミドイミド等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート基がブロック化剤で保護された化合物であり、後述する加熱処理条件において、加熱又は加水分解によりブロック化剤が脱離して、イソシアネート化合物が生成する。次いで、生成したイソシアネート化合物が加水分解され、アミノ化合物が生成する。ブロックイソシアネート化合物を形成するイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイシシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添MDI等が挙げられる。ブロックイソシアネート化合物を形成するブロック化剤としては、イソシアネート基の保護に通常用いられるものであればよく、例えば、ε−カプロラクタム類、メチルエチルケトオキシム類、3,5−ジメチルピラゾール類、アルコール類及びフェノール類等が挙げられる。また、ブロック剤として、イソシアネート類も挙げられ、この場合には、ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートダイマー(ポリウレトジオン)となる。
前記ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応してなる、ウレタン結合を有するポリマーである。ポリウレタンは、後述する加熱処理条件において、加水分解されて生成するポリイソシアネートがさらに加水分解されて、ポリアミノ化合物が生成する。ポリウレタンは、ポリイソシアネートの一部にポリアミン等を用いてなる変性ポリウレタンであってもよい。ポリウレタンを形成するポリイソシアネートとしては、ポリウレタンの調製に通常使用される各種のポリイソシアネートであればよく、例えば、前記した脂肪族ポリイソシアネート、前記した芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリウレタンを形成するポリオールとしては、ポリウレタンの調製に通常使用される各種のポリオールであればよく、例えば、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリアミドは、繰り返し単位に酸アミド結合(−CONH−)を有するポリマーであればよく、その中でも、ジアミノ化合物とジカルボン酸との重縮合により得られるポリアミドが好ましい。ポリアミド、特にジアミノ化合物とジカルボン酸との重縮合により得られるポリアミドは、後述する加熱処理条件において、加水分解され、ジアミノ化合物が生成する。このようなポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミドMXD6等が挙げられる。
前記ポリイミドは、繰り返し単位にイミド結合を有するポリマーであればよく、その中でも、酸無水物とジアミノ化合物とを縮合してなる縮合型ポリイミドであるのが好ましい。縮合型ポリイミドとしては、例えば、ピロメリット酸無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミノ化合物とを縮合してなるポリイミド等が挙げられる。ポリイミド、特に縮合型ポリイミドは、後述する加熱処理条件において、加水分解されて、芳香族ジアミノ化合物が生成する。
前記ポリアミドイミドは、繰り返し単位にイミド結合とアミド結合とを有するポリマーであればよく、トリカルボン酸と芳香族ジアミノ化合物との反応によって得られるポリアミドイミド、トリカルボン酸無水物とジイソシアネート化合物とを反応させるジイソシアネート法により得られるポリアミドイミド等が挙げられる。ポリアミドイミドは、後述する加熱処理条件において、加水分解されて、芳香族ジアミノ化合物、又は、ジイソシアネート化合物が加水分解されてなるジアミノ化合物が生成する。
前記ポリウレタン、前記ポリアミド、前記ポリイミド及び前記ポリアミドイミドには、分子内にハロゲン原子を有する、又は、有しない、各種の添加剤、例えば、可塑剤、ワックス、安定剤、紫外線吸収剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤等を含有する、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド及びポリアミドイミド(正確には、各種の添加剤を含有してなる、ポリウレタン組成物、ポリアミド組成物、ポリイミド組成物及びポリアミドイミド組成物と称されるべきであるが、この発明においては、このような添加剤を含有する、ポリウレタン組成物、ポリアミド組成物、ポリイミド組成物及びポリアミドイミド組成物も、それぞれ、「ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド及びポリアミドイミド」と称することとする。)でもよい。
この発明の方法に使用されるアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体は、使用前のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体であってもよく、また、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の廃棄物であってもよい。この発明の方法における処理コスト等の点を考慮すると、この発明の方法により処理される対象物は、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の廃棄物であるのが有利である。使用前のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体としては、この発明の方法により処理されるために調製又は準備されたアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体等が挙げられる。アミノ化合物の廃棄物としては、例えば、不要になり廃棄されたアミノ化合物、官能基の保護及び脱保護反応等の各種合成反応等に使用され、回収されたアミノ化合物等が挙げられる。アミノ化合物前駆体の廃棄物としては、各種成形用ポリウレタン、各種成形用ポリアミド、各種成形用ポリイミド又は各種成形用ポリアミドイミド(以下、各種成形用ポリウレタン等と称することがある。)であって、製品として使用されずに廃棄されたもの、前記各種成形用ポリウレタン等を用いて成形加工した際に副生するバリ及び打ち抜き残渣等の半端物を廃棄したもの、前記各種成形用ポリウレタン等を用いて成形加工して得られる各種製品であって使用後に廃棄されたもの、前記各種製品と他の樹脂を用いて得られる樹脂製品とを組み合わせてなる組み立て製品であって、その組み立て製品から分離された各種製品を廃棄したもの等を挙げることができる。例えば、前記アミノ化合物前駆体の廃棄物としてのポリウレタンの廃棄物は、自動車用バンパー、自動車用シート、ダッシュボード、自動車用人工合皮、自動車用断熱材、自動車用緩衝材、自動車部品用接着剤又は塗料等の自動車用製品、緩衝材等の梱包用製品等が挙げられる。なお、ポリウレタンの廃棄物として各種の名称を例示したが、前記自動車用製品等はその全てがポリウレタンで形成されているとは限らず、その一部若しくは大部分がポリウレタンで形成されているものを含む。
アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体、特にアミノ化合物前駆体は、調製されたとき、又は、廃棄され、回収されたときのそのままの形状でこの発明の方法に提供することができる。ハロゲン含有プラスチック廃棄物からより短時間でハロゲン原子を除去することを目的とするのであれば、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体を粉砕又は破砕することによる粉砕物又は破砕物として、この発明の方法に供するのがよい。粉砕物又は破砕物の大きさは、特に限定されるものではなく、例えば、数100μm〜数cmに調整すればよい。
この発明の方法において、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて、使用することができる。
アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量は、後述する加熱処理条件における、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物とアルカリ性溶液とを含む反応系中において、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、アミノ基(後述する加熱処理条件において発生するアミノ基を含む)の合計量(この発明において、総アミノ基量と称することがある。)が0.5mol以上存在するだけの質量である。後述する加熱処理条件における前記反応系中に存在する総アミノ基量が0.5mol未満であると、換言すると、前記反応系中に存在する総アミノ基量が0.5mol未満となる質量のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体しか用いないと、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で高い除去率で除去することができないことがある。この発明の方法において、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量は、前記反応系中に存在する総アミノ基量が5mol以上存在する質量であるのが好ましく、12mol以上存在する質量であるのがより好ましく、20mol以上存在する質量であるのが特に好ましい。一方、この発明の方法において、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量は、その上限に特に制限はないが、例えば、総アミノ基量が50mol程度になる質量に設定することができる。アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量がこの質量を超えると、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量が増大してコストの上昇及び作業性が低下することがあり、また、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からのハロゲン原子の除去率が低下することがまれにある。この発明の方法において、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量の上限値は、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の種類等に応じて、例えば、前記反応系中に存在する総アミノ基量が45molとなる質量に設定することも、40molとなる質量に設定することもできる。
前記反応系中に存在する総アミノ基量は、例えば、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆の前記反応系内における解離状態を考慮し、より具体的には、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の揮発性(揮散性)、液体又は気体等の状態、反応容器の容量等を考慮して、前記範囲に調整されることができる。例えば、2−アミノエタノール等のように、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体が揮発性(揮散性)等の性質をほぼ有してなく、その大部分が反応中において反応系内に存在するのであれば、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量は、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、総アミノ基量が0.5mol以上となるだけの質量を用いればよい。一方、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体が揮発性(揮散性、発煙性)等の性質を有し、その一部又は大部分が後述する加熱処理条件における反応系内に存在しにくいのであれば、これらの性質及びその程度等を考慮して、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量は、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、総アミノ基量が0.5mol以上となるだけの質量よりも過剰な量を用いればよい。
具体的には、アミノ化合物がヒドラジン等の発煙性を有する化合物である場合は、例えば、総アミノ基量が10mol以上、好ましくは12mol以上、特に好ましくは20mol以上となる量のヒドラジン等を用いればよい。ヒドラジン等の使用量の上限値は、例えば、総アミノ基量が35mol以下、好ましくは33mol以下、特に好ましくは30mol以下となる量に設定することができる。また、アミノ化合物がアンモニア水等の揮散性を有する化合物である場合は、例えば、総アミノ基量が55mol以上、好ましくは65mol以上、特に好ましくは80mol以上となる量のアンモニア水等を用いればよい。アンモニア水等の使用量の上限値は、例えば、総アミノ基量が150mol以下、好ましくは130mol以下、特に好ましくは125mol以下となる量に設定することができる。さらに、アミノ化合物がトリメチルアミン等の気体である場合は、例えば、総アミノ基量が4mol以上、好ましくは5mol以上、特に好ましくは6mol以上となる量のトリメチルアミン等を用いればよい。トリメチルアミン等等の使用量の上限値は、例えば、総アミノ基量が30mol以下、好ましくは20mol以下、特に好ましくは15mol以下となる量に設定することができる。
アミノ化合物前駆体においては、総アミノ基量に加えて、又は、代えて、アミノ化合物前駆体の使用量は、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、2〜20質量部に調整することもできる。ポリウレタンの使用量が2質量部未満であると、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で高い除去率で除去することができないことがある。この発明の方法においては、アミノ化合物前駆体の使用量の上限は特に制限されないが、20質量部を越えると、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の使用量が増大してコストの上昇及び作業性が低下することがあり、また、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からのハロゲン原子の除去率が低下することがある。低コストで作業性に優れ、かつ、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を高い除去率で除去することができる点で、アミノ化合物前駆体の使用量は、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、3〜8質量部であるのが好ましく、4〜6質量部であるのが特に好ましい。
この発明の方法において処理される対象物は、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物であるが、この発明の方法においては、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体との混合物を処理される対象物とすることができる。このような混合物として、例えば、ハロゲン原子を含有するプラスチックとアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とが分別されずに廃棄された混合廃棄物等が挙げられる。この発明の方法により処理される対象物として混合廃棄物を選択すると、ハロゲン原子を含有するプラスチックとアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とが分別されずに廃棄された混合廃棄物からハロゲン含有プラスチックとアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とをそれぞれ分別する作業を要することがないという点で、有利である。
この発明の方法に使用されるアルカリ性溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリを溶解する水溶液が挙げられる。アルカリ性溶液におけるアルカリ濃度は、0.1〜3.5mol/Lであり、好ましくは、0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは0.8〜2.5mol/Lである。アルカリ濃度が、0.1mol/L未満であっても、3.5mol/Lを超えても、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができないことがある。
アルカリ性溶液の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン含有プラスチック廃棄物100質量部に対して、2,500〜50,000質量部であるのが好ましい。アルカリ性溶液の使用量が、2,500質量部より少ないと、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができないことがあり、一方、50,000質量部を超えると、処理能力が低下することがある。
この発明の方法では、ハロゲン含有プラスチック廃棄物100質量部と、アミノ基量が0.5mol以上となるような質量のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体と、アルカリ濃度が0.1〜3.5mol/Lのアルカリ性溶液適量(前記使用量)とを、常圧〜30気圧の圧力下に、150〜250℃に加熱する。加熱温度が150℃よりも低いと、ハロゲン含有プラスチック廃棄物から短時間でハロゲン原子を除去することができないことがあり、一方、250℃を超えると、ハロゲン含有プラスチック廃棄物に含まれる、分子内にハロゲン原子を含有するプラスチックが熱分解することがある。加熱温度は、短時間で、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を高い除去率で除去することができる点で、190〜230℃であるのが好ましく、180〜200℃であるのが特に好ましい。
加熱時間は、アルカリ性溶液における強アルカリの濃度等に依存するので一概に決定できないが、一般に、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を高い除去率で除去するには、例えば、所定の加熱温度に達した後、少なくとも20分であるのがよく、通常、40〜60分程度であるのが特によい。なお、後述するマイクロ波加熱手段を用いる場合には、加熱処理における加熱時間は短くすることができ、例えば、20〜30分程度でも十分である。
前記加熱条件は一例であり、加熱処理を迅速に行うことを目的とするのであれば、高圧かつ高温で処理をするのがよいのであるが、前記加熱条件であると設備コストを高くすることなく、工業的な実施を行うことができる。もっとも、処理時間がかかってもよいのであれば、常圧で沸点以下の温度で加熱処理をすることもできる。
ハロゲン含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とアルカリ性溶液との混合物を加熱処理する加熱手段としては、特に制限がなく、例えば、電気ヒータ、熱水若しくは水蒸気又は熱媒体等も可能であるが、短時間に効率の良い加熱処理を行うにはマイクロ波加熱手段が好ましい。特に、ハロゲン原子を含有するプラスチックは、加熱しやすさの目安である比誘電率及び誘電正接が大きいので、マイクロ波加熱手段によれば、系全体の温度が比較的低くても、ハロゲン原子を含有するプラスチックの脱ハロゲン化が速やかに進行する。それ故、マイクロ波加熱手段によれば、加熱処理温度を低くすることができ、加熱処理時間を短縮することができるうえ、加熱処理に使用するアルカリ性溶液の濃度を低く調整することもできる。マイクロ波加熱手段としては、例えば、マイクロ波加熱器等が用いられる。なお、マイクロ波加熱手段は、一般には、1〜100GHzのマイクロ波周波数ないしそれより多少低い周波数の電磁エネルギーによって、加熱する手段である。
ハロゲン含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とアルカリ性溶液とを加熱するには、例えば、前記加熱手段を備えた反応容器又は耐圧容器を用いて、行われる。反応容器及び耐圧容器は、加熱手段を備えていれば特に限定されることなく、例えば、オートクレーブ装置、耐圧性マイクロ波加熱器等を用いることができる。この反応容器及び耐圧容器は、攪拌手段、温度計及び温度制御装置等を備えているのが有利である。この発明に用いられる反応容器及び耐圧容器は、このように簡易な処理設備であるから、処理設備を構築する際の設備コストを低減することができ、その保守点検が容易であると共に、この発明の方法を容易に実施することができ、その作業性が高い。
この発明の方法においては、ハロゲン含有プラスチック廃棄物をアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とアルカリ性溶液と共に加熱処理すると、アルカリ性溶液中に、ハロゲン含有プラスチック廃棄物中の例えばハロゲン含有物、ハロゲン含有プラスチックに配合されていた添加剤及びアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体の分解物等の低分子有機化合物、場合によりハロゲン等のアルカリ塩等が抽出される。そして、加熱処理後には、ハロゲン含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体とアルカリ性溶液との混合物が、抽出液と固形分との処理混合物に変化する。この処理混合物を固液分離手段により固形分と液状部分に分離する。固液分離手段は、特に限定されるものではなく、例えば、ろ過手段、遠心分離手段等の公知の手段を挙げることができる。
分離された固形分は、ハロゲン原子が除去されたプラスチック又はその変性物、場合によりハロゲン等のアルカリ塩等が含まれている。固形分にハロゲン等のアルカリ塩が含まれている場合には、固形分は、中和処理及び/又は洗浄処理されて、ハロゲン等のアルカリ塩が容易に除去されることができる。
以上説明したように、この発明の方法は、ハロゲン含有プラスチック廃棄物を特定量のアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体と特定濃度のアルカリ性溶液と共に特定温度に加熱処理する方法であるから、ハロゲン含有プラスチック廃棄物にアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体が混入していても、ハロゲン含有プラスチック廃棄物からアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体を厳密に分別する作業を要することなく、簡易な処理設備を用いて、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で、しかも、低コストで、除去することができる。また、この発明の方法は、簡易な処理設備で実施することができるから、設備コストの低減、保守点検の容易性、この発明の方法の実施容易性及び高い作業性を実現することができる。
したがって、この発明によれば、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができる。そして、この発明の方法により、分離された固形分は、ハロゲン原子が除去されているから、工業原料として再資源化されることができるし、又は、焼却処分されるにしても、この固形分の熱分解によってハロゲンガス、ハロゲン化水素ガス等のハロゲン含有物が発生することがなく、したがって、焼却炉を傷めることもなく、ダイオキシン類が発生することもない。
また、この発明の方法によれば、アミノ化合物前駆体としてポリウレタン等を用いても、有害ガスを発生することもあるポリウレタン等のアミノ化合物前駆体を短時間で効率よく分解することができると共に、分解されて発生するアミノ化合物等によって、ハロゲン原子含有プラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができる。そして、この発明の方法により、分離された固形分は、ハロゲン原子もアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体も除去されているから、工業原料として再資源化されることができるし、又は、焼却処分されるにしても、ハロゲン含有物及び例えばシアン等の有害ガスも発生することがない。したがって、この発明によれば、ハロゲン含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体との混合物から、アミノ化合物又はアミノ化合物前駆体を短時間で効率よく分解することができると共に、ハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができるという目的を達成することができる。すなわち、この発明の方法によれば、ハロゲン含有プラスチック廃棄物とアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体との混合物から、ハロゲン含有プラスチック廃棄物及びアミノ化合物又はアミノ化合物前駆体を分別する作業の一部又は全部を省略することができる。
この発明の方法においては、前記加熱処理の前に、ハロゲン含有プラスチック廃棄物及び/又はアミノ化合物若しくはアミノ化合物前駆体をあらかじめ洗浄してもよく、また、ハロゲン含有プラスチック廃棄物及び/又はアミノ化合物若しくはアミノ化合物前駆体に含まれている添加剤等をあらかじめ除去してもよい。
(実施例1)
軟質ポリ塩化ビニル製の血液チューブ(ポリ塩化ビニル59.2質量%、ジ(n−オクチル)フタレート29.7質量%、塩素原子の含有量0.01mol/g)を、約200μm角の大きさに粉砕し、1gのポリ塩化ビニル試料を採取した。採取したポリ塩化ビニル試料1.0gと、98%ヒドラジン3mL(総アミノ基量0.191mol)と、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを、マイクロ波加熱装置(商品名「マイクロシス」:マイルストーンゼネラル(株)製)及び攪拌手段を備えた内容量100mLの耐圧容器に投入し、攪拌下、190℃に30分間加熱した。
加熱後に液状分と固形分の処理混合物を得た。この処理混合物をろ別して、液状分を回収した。この液状分を純水で1000倍に稀釈し、得られた稀釈液をイオンクロマト装置(7310−20型 日機装株式会社製)により分析し、この液状分に含まれている塩素イオン量を測定した。測定された塩素イオン量を、前記ポリ塩化ビニル試料1.0gに含有される塩素原子の含有量に換算して、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表1に示す。
(実施例2及び3、並びに、比較例1〜4)
98%ヒドラジンの使用量を表1に記載の使用量に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、98%ヒドラジンと、アルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005095301
(実施例4)
前記軟質ポリ塩化ビニル製の血液チューブを、約200μm角の大きさに粉砕し、1gのポリ塩化ビニル試料を採取した。一方、アミノ化合物前駆体としてポリウレタン製緩衝材を、約200μm角の大きさに粉砕し、0.05gのポリウレタン試料を採取した。
採取したポリ塩化ビニル試料1.0gと、採取したポリウレタン試料0.05gと、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを、マイクロ波加熱装置(商品名「マイクロシス」:マイルストーンゼネラル(株)製)及び攪拌手段を備えた内容量100mLの耐圧容器に投入し、攪拌下、190℃に30分間加熱した。
加熱後に液状分と固形分の処理混合物を得た。この処理混合物をろ別して、液状分を回収した。この液状分を純水で1000倍に稀釈し、得られた稀釈液をイオンクロマト装置(7310−20型 日機装株式会社製)により分析し、この液状分に含まれている塩素イオン量を測定した。測定された塩素イオン量を、前記ポリ塩化ビニル試料1.0gに含有される塩素原子の含有量に換算して、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表2に示す。
(実施例5及び6、並びに、比較例5〜7)
アルカリ性溶液における水酸化ナトリウム濃度を表2に記載の濃度に変更した以外は、実施例4と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、ポリウレタン試料0.05gと、アルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005095301
(実施例7〜10及び比較例8)
粉砕した前記ポリウレタン製緩衝材から採取したポリウレタン試料の使用量を表3に記載の使用量に変更した以外は、実施例4と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、ポリウレタン試料と、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0005095301
(実施例11)
前記軟質ポリ塩化ビニル製の血液チューブを、約200μm角の大きさに粉砕し、1gのポリ塩化ビニル試料を採取した。一方、アミノ化合物前駆体として車両用のエーテル系ポリウレタン緩衝材(型式「TNW」、ブリヂストン化成品株式会社製)を、約200μm角の大きさに粉砕し、0.025gのエーテル系ポリウレタン試料を採取した。
採取したポリ塩化ビニル試料1.0gと、採取したポリウレタン試料0.025g(エーテル系ポリウレタン緩衝材における総アミノ基量は、ポリ塩化ビニル試料100質量部に対して0.5mol以上である。)と、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを、マイクロ波加熱装置(商品名「マイクロシス」:マイルストーンゼネラル(株)製)及び攪拌手段を備えた内容量100mLの耐圧容器に投入し、攪拌下、180℃に30分間加熱した。
加熱後に液状分と固形分の処理混合物を得た。この処理混合物をろ別して、液状分を回収した。この液状分を純水で1000倍に稀釈し、得られた稀釈液をイオンクロマト装置(7310−20型 日機装株式会社製)により分析し、この液状分に含まれている塩素イオン量を測定した。測定された塩素イオン量を、前記ポリ塩化ビニル試料1.0gに含有される塩素原子の含有量に換算して、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表4に示す。
(実施例12〜14)
粉砕した前記エーテル系ポリウレタン緩衝材から採取したポリウレタン試料の使用量を表4に記載の使用量に変更した以外は、実施例11と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、ポリウレタン試料と、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表4に示す。
Figure 0005095301
(実施例15)
前記軟質ポリ塩化ビニル製の血液チューブを、約200μm角の大きさに粉砕し、1gのポリ塩化ビニル試料を採取した。採取したポリ塩化ビニル試料1.0gと、30%トリメチルアミン3mL(総アミノ基量0.059mol)と、水酸化ナトリウム濃度が2.0mol/Lのアルカリ性溶液50mLとを、マイクロ波加熱装置(商品名「マイクロシス」:マイルストーンゼネラル(株)製)及び攪拌手段を備えた内容量100mLの耐圧容器に投入し、攪拌下、180℃に30分間加熱した。
加熱後に液状分と固形分の処理混合物を得た。この処理混合物をろ別して、液状分を回収した。この液状分を純水で1000倍に稀釈し、得られた稀釈液をイオンクロマト装置(7310−20型 日機装株式会社製)により分析し、この液状分に含まれている塩素イオン量を測定した。測定された塩素イオン量を、前記ポリ塩化ビニル試料1.0gに含有される塩素原子の含有量に換算して、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表5に示す。
(実施例16、及び、比較例9〜12)
30%トリメチルアミンの使用量を表5に記載の使用量に変更した以外は、実施例15と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、30%トリメチルアミンと、アルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0005095301
(実施例17及び18、並びに、比較例13)
30%トリメチルアミンに代えて25%アンモニア水を用い、この25%アンモニア水の使用量を表6に記載の使用量に変更した以外は、実施例15と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、25%アンモニア水と、アルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表6に示す。
Figure 0005095301
(実施例19〜24)
30%トリメチルアミンに代えて2−エタノールアミンを用い、この2−エタノールアミンの使用量を表7に記載の使用量に変更した以外は、実施例15と同様にして、ポリ塩化ビニル試料1.0gと、2−エタノールアミンと、アルカリ性溶液50mLとを加熱処理し、塩素イオン除去率(%)を算出した。その結果を表7に示す。
Figure 0005095301
このように、この発明の方法によれば、ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物からハロゲン原子を短時間で効率よく除去することができた。

Claims (3)

  1. ハロゲン原子を含有するプラスチック廃棄物と、この前記プラスチック廃棄物100g当たりの総アミノ基量が下記モル量となるアミノ化合物と、前記プラスチック廃棄物100質量部に対して2500〜50000質量部の、濃度が0.1〜3.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液とを150〜250℃に加熱処理することを特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法。
    前記アミノ化合物が2−アミノエタノールである場合:0.5〜50モル
    前記アミノ化合物がヒドラジンである場合:10〜35モル
    前記アミノ化合物がアンモニアである場合:55〜150モル
    前記アミノ化合物がトリメチルアミンである場合:4〜30モル
  2. 前記プラスチック廃棄物は、ハロゲン原子の含有量が3mol/g以下の軟質ポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック廃棄物の処理方法
  3. 前記加熱処理は、少なくとも20分間にわたって、行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック廃棄物の処理方法
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