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JP5086570B2 - 燃料電池発電システムにおける異常診断システムと異常診断方法、燃料電池発電システムとその運転方法 - Google Patents

燃料電池発電システムにおける異常診断システムと異常診断方法、燃料電池発電システムとその運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池セルスタックを有する発電システムにおける異常診断システムと異常診断方法に関する。また、異常診断手段を備えた燃料電池発電システムとその運転方法に関する。本発明はPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell:固体高分子形燃料電池)に適用するのに好適である。
燃料電池セルスタックの異常診断に関する従来技術としては、燃料電池セルスタックを構成する多数のセルを複数のセルグループに分けて、セルグループ毎の出力電圧を計測し、出力電圧の平均電圧、電圧ばらつき及びセルグループ毎の出力電圧の値に基づいて運転状態を診断する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−127915号公報(要約)
特許文献1によれば、燃料電池セルスタック全体に渡る電圧モニタが可能である。しかし、実用的な燃料電池発電システムにおいては、システム簡素化の要求があり、モニタ個所を減らすことが望まれる。モニタ個所を減らすと、検出すべき情報が損なわれるという問題がある。従って、燃料電池発電システムの異常診断では、モニタ個所を減らすことと、検出すべき情報の適切な確保とを、いかに両立させるかが課題である。
本発明の目的は、モニタ個所を減らしても必要な検出情報を得ることができるようにした燃料電池セルスタックの異常診断システムとその異常診断方法、ならびに異常診断手段を備えた燃料電池発電システムとその運転方法を提供することにある。
本発明は、燃料電池セルスタックの部分をなす少なくとも一つのセルを検出部として、前記検出部より検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、前記周波数成分の大きさから、前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断するようにした異常診断システムであって、前記検出部となるセルを前記所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択することを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断システムにある。
また、本発明は、燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常診断方法であって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、その電圧から前記所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断するようにしたことを特徴とする異常診断方法にある。
また、本発明は、燃料電池セルスタックを備え、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムにおいて、
予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出された電圧から前記所定周波数範囲の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
前記周波数成分抽出手段により抽出された周波数成分を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された信号強度を、正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して異常の有無を診断する信号処理手段を備えたことを特徴とする燃料電池発電システムにある。
また、本発明は、燃料電池セルスタックを有し、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムの運転方法であって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断するようにしたことを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法にある。
本発明によれば、燃料電池セルスタックを複数のセルグループに分割して、セルグループごとの出力電圧を計測し、平均電圧や電圧ばらつきを調べることなく、セルスタック及び燃料電池システムの異常を、異常の発生が小さいうちから精度よく検出することができる。
本発明は、さらに以下の実施態様を含むことができる。
(イ) 予め定めた所定周波数範囲の出荷前強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として、前記検出部より検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲に含まれる少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分を抽出し、少なくとも二つの周波数成分の大きさから、燃料電池セルスタックまたは燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断する異常診断システム。
(ロ) 予め定めた所定周波数範囲の出荷前強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として、前記検出部より検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲に含まれる少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の少なくとも一つから燃料電池セルスタックの異常を診断し、他の少なくとも一つから燃料電池発電システムにおける水素製造装置の異常を診断するようにした異常診断システム。
(ハ) 燃料電池セルスタックの部分をなす少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、その電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから燃料電池セルスタックまたは燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断する異常診断方法であって、前記所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして電圧検出部となるセルを選択し、選択したセルにより異常診断を行い、燃料電池の運転中に前記所定周波数範囲の強度の閾値を更新するかどうかの判断を行い、閾値の維持或いは更新を行う燃料電池発電システムの異常診断方法。
(ニ) 燃料電池セルスタックの部分をなす少なくとも一つのセルを検出部として検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから燃料電池セルスタックまたは燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断する異常診断方法であって、前記所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして電圧検出部となるセルを選択し、このセルにより異常診断を開始し、燃料電池の運転中に検出部を更新すべきであるかどうかを判断して検出部となるセルの続行又は更新を行う燃料電池発電システムの異常診断方法。
(ホ) 燃料電池セルスタックを有し、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムの運転方法であって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、その電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断し、異常が検知されたならば前記燃料電池セルスタックから取り出す電流値を変更する燃料電池発電システムの運転方法。
(ヘ) 燃料電池セルスタックを有し、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムの運転方法であって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、その電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさから前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断し、異常が検知されたならば異常を示す信号が出なくなるまで前記燃料電池セルスタックから取り出す電流値を減少する第一の制御ステップを実施し、その後、異常原因に基づいて異常を回避する第二の制御ステップを実施する燃料電池発電システムの運転方法。
本発明において、所定周波数範囲の周波数成分とは、燃料電池発電システムやセルスタックに検出すべき異常が生じた場合に、電圧検出部にて検出した電圧信号に特徴的に現れる、または有意に信号が大きくなる周波数の範囲にある電圧信号成分を意味する。
本発明では、燃料電池セルスタック全体をモニタセルグループに分割する代わりに、燃料電池セルスタックの部分をなす少なくとも一部のセルを電圧検出部(電圧モニタ)とし、診断に要する構造を簡単にしている。電圧検出部となるセルは、異常の有無を診断するために用いる所定周波数範囲の出荷前の強度を基準に選択する。
出荷前の強度とは、燃料電池発電システムを顧客に納入する前に行う試験運転、或いは、顧客に納入した後に行う試験運転で得られる強度のように、実運転に入る前に実施した運転テストで得られた強度を意味する。
電圧検出部の平均電圧や振動成分全体の分散だけではなく、予め定めた特定の周波数範囲に属する周波数成分の大きさを、検出した電圧信号から抽出して診断することで、異常の発生が小さいうちから精度よく検出できるようになる。これにより、検出すべき情報損失防止が可能である。
異常診断を行う装置は、電圧検出部となるセルから電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、前記周波数成分抽出手段により抽出された周波数成分を増幅する増幅手段と、増幅された信号強度を正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して異常の有無を診断する信号処理手段を含むことが望ましい。
電圧検出部は、燃料電池セルスタックのセパレータに設けることが望ましい。電圧検出に必要な検出端子を予め燃料電池セルスタックのセパレータに設けておくことで、セルスタックの積層方向のサイズを変更せずに診断のための電圧検出ができる。
検出部に含まれるセル数は1つでよいが、複数のセル或いは全てのセルを検出部とすることもできる。
電圧検出部から、少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分を抽出し、これらの周波数成分の大きさから異常の有無を診断する場合には、以下に述べる効果が得られる。例えば検出信号から、スタック電圧全体のあばれ(振動成分)を抽出し、特に燃料電池システムやセルスタックに特有な複数の周波数成分の大きさを抽出して捉えることで、抽出された周波数成分間の比較や、相関の確認が可能である。これによって、バックグランドの雑音成分と検出すべき周波数領域に属する信号の分離が容易になり、異常診断の精度を向上できる。また、抽出した少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分において、少なくとも一つから燃料電池セルスタックの異常を診断し、他の少なくとも一つから水素製造装置の異常を診断することが可能である。水素製造装置は、燃料電池セルスタックに燃料ガスとして供給する水素を製造するために、燃料電池発電システムに備えられている。
本発明において、異常の有無を診断するために用いる所定周波数範囲の強度は、運転中に適宜更新することができる。これにより、燃料電池スタックなどの経時劣化等の影響を診断に取り込むことが可能となる。
異常の有無を診断するために用いる所定周波数範囲の運転時に随時更新される強度を基準に、検出部を変更するようにしてもよい。これにより、より精度の高い異常検出が可能となる。
また、本発明において、燃料電池セルスタックあるいは発電システムの異常が診断により検知された場合には、燃料電池から取り出す電流値を、制御によって所定量変更することが望ましい。異常の発生とともに,燃料電池セルスタックから取り出す電流量を所定量変更することで、セルスタックの劣化につながる負担を速やかに軽減し、発電システムの運転を安定に継続できるようになる。
図1は、異常診断手段を備えた燃料電池セルスタックの一例を示した概略図である。図中の符号は、100が燃料電池セルスタック、1が診断のための電圧Vdを検出する電圧検出部、2a,2bが電圧検出手段(ここでは、電圧検出用端子)、3a,3bがスタック出力電圧Voutを出力する出力端子である。4は診断用電圧Vdの直流成分を検出する直流成分検出ライン、5a,5bは診断用電圧Vdから予め定めた特定の周波数成分を検出する交流成分検出ラインである。6a,6bは特定の周波数成分を抽出するための特定周波数成分抽出手段であり、ここでは、バンドパスフィルタを用いている。7a,7bは抽出した微小な周波数成分を増幅するための増幅手段(一例として交流増幅回路)、8は異常診断のための信号処理手段(一例としてマイクロコンピュータなどによる処理部)である。
特定周波数成分抽出手段6a,6bには、バンドパスフィルタ以外に、ハイパスフィルターやローパスフィルタ、その他の信号フィルタリング手段を用いることができる。具体的には、抽出すべき周波数領域の信号のみを有意に通過させる電気的特性を持つ電気回路を構成すればよい。また、高速フーリエ変換やその他の周波数解析をマイクロコンピュータなどで実施することにより、各周波数成分を抽出し、増幅するようにしてもよい。また、直流以外の周波数成分を、当該周波数成分が微小なうちから検出できるように、診断用電圧Vdを微分処理するようにしてもよい。微分処理した後に、該当する周波数成分を改めて抽出するようにしてもよい。
特定周波数成分抽出手段6a,6bは、増幅手段7a,7bや信号処理手段8と合わせて、専用の集積回路にして小型化することができる。
各部の機能を説明する。図1の実施例では、燃料電池セルスタック100の部分をなす一組のセル積層部を電圧検出部1とした。一組のセル積層部は本実施例の場合、10セル程度で構成されている。電圧検出部1は、出荷前の試験データに基づいて選択するが、運転中のデータに基づいて、電圧検出部を変更することは可能である。燃料電池セルスタック100の出力電圧は、出力端子3a,3bから取り出すが、診断用電圧Vdは電圧検出手段2a,2bから取り出すようにしている。出力端子3aと電圧検出手段2aを同じ端子で兼用させてもよい。
診断用の電圧検出部1を燃料電池セルスタック100の一部分に限定することで、運転中に処理されるデータの割り当てなどの数を少なくできる。その一方、電圧検出部1以外のセルに異常が生じた場合でも、任意の時間間隔で、選択セルの見直しを実施することにより検出可能である。
図2は、電圧検出部を燃料電池セルスタックの二箇所に設定した場合である。符号の1aで示す電圧検出部Aは診断のための電圧Vd1を検出し、1bで示す電圧検出部Bは診断のための電圧Vd2を検出するものである。電圧検出部Aの電圧は電圧検出手段2a,2bで検出し、電圧検出部Bの電圧は電圧検出手段2c,2dにて検出する。
本実施例では、出荷前の測定データにより、電圧検出部A,Bの位置で異常が生じやすいことを確認した。運転の状態によって、電圧検出部A,Bのいずれか一方が排他的に電圧のあばれを生じる場合、すなわち、一方であばれが生じると他方では生じないといった場合には、電圧検出部A,Bの2箇所とすればよい。電圧のあばれが両方同時に生じる場合は、電圧検出部AあるいはBのいずれか一方を電圧検出部とすることができる。図2は、電圧検出部が2組の場合を示しているが、周波数を検出する電圧検出位置と組数については、任意に設定が可能である。
本発明では、予め定めた特定の周波数領域の信号成分を抽出し、それに基づいて異常診断を行う。燃料電池セルスタックは、正常であれば、運転条件によってほぼ一定の電圧を出力するが、好ましくない運転条件下にあっては、電圧が時間と共に変動するようになる。このとき、電圧を周波数領域に展開してみると、特定の周波数領域の成分が多くなっている場合が多い。測定上のばらつきが大きい場合もあるが、ある周波数の領域についてみると、異常の発生との間に有意な相関を得ることができる。図1の実施例では、こうした周波数領域をバンドパスフィルタなどの手段によって抽出し、これを増幅して、異常診断処理に使用するようにした。もちろん、これ以外の手段によって、当該周波数領域の信号成分を抽出し、処理するようにしてもよい。
異常との有意な相関がある特定の周波数成分を抽出すると、相関のないその他の周波数成分が除去されるため、信号のS/N比が向上する。また、微小な周波数成分の発生を増幅手段7によって増幅して捉えるので、検出の精度が向上する。燃料電池セルスタック全体についてみると、特定のセル積層部で異常がより発生しやすいことはあっても、特定のセルだけ異常が全く起こらないということは少ない。なぜなら、燃料電池セルスタックへのガス供給はマニホルドを通じて各セルに流れ、また、電流も直列に取り出すため、異常セルの発生は、影響の大小は別にして他のセルに及ぶからである。従って、異常が発生しはじめた極初期の段階で、これを精度よく捉える検出精度があれば、電圧検出部を燃料電池セルスタックの部分に限定しても正しい異常診断をすることができる。
本発明では、異常の発生に有意な相関を持つ周波数成分を抽出し、当該成分が小さいうちから検出できるようにしたので、検出精度を向上でき、異常に対する回避処理などを速やかに実施できる。
診断用電圧Vdの検出にあたっては、燃料電池セルスタックから制御して取り出す電流の値を一定にしておくことが望ましい。なぜなら、異常の有無によらず、燃料電池セルスタック本来の特性によって、電流の変化は診断用電圧Vdを変化させるからである。システム運転では、定格運転や部分負荷運転など所定の運転状態(運転モード)ごとに所定の電流値を設定し、パワーコントローラで制御するようにすれば、システム運転中にほぼ一定の電流制御状態を得ることができる。この状態で診断を実施すればよい。
診断の誤りを回避するために、起動時や停止時、また、各運転モード(定格運転やそれぞれの部分負荷運転など)の変更時などには、信号処理手段8による診断処理を一時的に中断するようにしてもよい。システムがいずれの運転状態にあるかは、システム全体を制御する制御手段が決めるようにできるので、当該運転状態の設定や切り替えに係わる情報を参照して、サンプリングされたデータから、過渡的応答期間に該当するデータを診断の対象としないようにすることができる。
診断のための信号処理手段8は、システム全体を制御する制御手段と一体のユニットに構成してもよいし、別のユニットに構成して、相互の通信によって情報をやり取りするようにしてもよい。
図1の実施例では、二つのバンドパスフィルタ(BPF1とBPF2)によって、少なくとも二つの周波数領域の信号成分を抽出するようにした。本実施例のように二つの周波数領域の信号を使って信号処理する場合には、少なくとも次の二つの効果が得られる。
一つは、異なる異常原因によって生じる周波数成分の変化が、それぞれ異なる周波数領域の信号変化として現れる場合の効果である。各周波数領域の信号を図1のBPF1とBPF2によって分離して抽出すれば、精度のよい異常の検出とともに、当該異常の発生原因を周波数領域の違いによって特定することができる。
他の一つは、一つの異常の発生によって生じる周波数成分の変化が、それぞれ異なる周波数領域の信号変化として同時に現れる場合の効果である。両者の相関をみることで、いずれの周波数領域にも信号変化があった場合のみ、異常が発生したと特定できるので、当該周波数領域の信号成分にノイズ成分が重畳する場合であっても正確な異常診断ができる。一例として、当該周波数領域の信号成分のうち、一つの周波数成分にノイズが重畳した場合、当該周波数成分だけを検出する方法では、これが異常の発生によるものか、ノイズによるものか区別が困難である。しかし、当該周波数領域の信号を二つに分離して抽出すれば、同時にもう一つの周波数領域の信号成分を確認し、当該信号成分が相関をもって増加している場合には異常の発生と判断し、そうでない場合は、ノイズによるものであると判断することができる。
もちろん、実用的には、検出する周波数は一つの周波数領域の信号成分だけであってもよく、この場合は診断のための信号処理系の構成を簡単にすることができる。
いずれの周波数成分に異常が現れやすいかは燃料電池セルスタックごとに異なるが、予め想定される幾つかの運転条件で異常の生じやすい周波数領域を特定しておけば、周波数域での異常診断ができ、異常の原因を周波数域で分離して捉えるようにすることもできる。
図3に、検出対象とする代表的な周波数の設定方法を説明する。図10〜17において詳述する方法によって、図中に示すf1,f2,f3のようにバンドパスフィルタにより、特性周波数帯域をブロック化し、各々の信号強度により、正常時の値と比較(実際には、その差を用いる)し、事前に、あるいは運転中に設定された閾値をもとに異常の有無を診断する。例えば、f1ブロックは燃料利用率異常による振動成分、f2ブロックは酸素利用率異常による振動成分、f3ブロックは改質器等からの一酸化炭素(CO)混入異常による振動成分に対応するというように関連づける。
以上では、主として燃料電池セルスタックに起因する異常診断について説明したが、改質器(水素製造装置)や冷却水系或いはパワーコンディショナに係わる異常なども、当該異常に特有な周期性に注目することで、同様に診断できる。冷却水系に係わる周期性は流れや熱的な特性で決まることが多いので、比較的長い周期として現れる。また、パワーコンディショナに係わる異常は、電気的な特性で決まることが多いので、比較的短い周期として現れる。
上記の診断に加え、スタック出力電圧Voutや診断用電圧Vdの直流成分、すなわち振動に係わる成分以外の成分を診断に併用してもよい。
当該電圧値の大小を異常の判定条件の一つにし、電圧に特定の周波数成分が現れることと、VoutやVdの緩やかな変化(ドリフト)を示すことのAND条件によって、異常の有無を判断するようにしてもよい。
特定の周波数成分に現れる特徴的変化と、直流成分に現れる特徴的変化の両方に基づいて異常診断をすることにより、診断の確度を向上でき、より詳細な原因の特定を容易にできる。
また、上記VoutやVdの値は、正常な燃料電池セルスタックであっても経時的に緩やかな低下を示すので、例えば、当該電圧値に基づいて、異常診断の閾値をマップで呼び出すようにすれば、経時変化による閾値の変化を適正に補正することができ、経時変化を含めた異常診断を実施できる。
図4は、電圧検出部1の具体的な構成例を説明するためのフレーム図である。図中の101a,101bは燃料電池セルスタックを所定の締め付け条件に維持する端板、102はセパレータ、103a,103b,103cは集電板を示している。ここで、燃料電池セルスタックの出力端子3aと、電圧検出手段2aとは同じもので兼用するようにした。その他、説明に直接係わらない電解質膜、拡散層、シール材、冷却のための手段などは省略している。
電圧検出部1は、集電板103aと集電板(電圧検出用中間板)103bの間にセル積層体として構成した。本来の燃料電池セルスタックの構造との違いについてみると、主として電圧検出用中間板である集電板103bを挿入する程度の少ない変更で、本発明に係わる電圧検出部を構成できることがわかる。また、電圧検出用中間板である集電板103bを使うことによって、経時的な配線接続不良等の発生を低減し、電圧検出を確実にできる。
図5は、電圧検出部1の具体的な構成例を説明する別のフレーム図である。ここでは、集電板103bを使用せず、電圧検出部1を電圧検出手段2a,2bの間のセル積層体として構成した。特別な集電板を使う代わりに、電圧検出手段2a,2bを通常のセパレータの端部に当該セパレータと一体化して設けるようにした。
一体化する方法としては、次のような方法がある。モールド成形によるセパレータや金属系のセパレータであれば、予め当該セパレータの図示するような位置に、電圧検出のための端子を一体成形しておくことができる。電圧検出手段である端子には、電気的配線のための孔や、電気的配線等に好ましい構造を設けておくとよい。また、形状の変更が比較的難しい緻密黒鉛系のセパレータであれば、当該セパレータに、電圧検出端子を埋め込むことができる孔を電圧検出手段として設けておくようにしてもよい。本来の燃料電池セルスタックの構造との違いについてみると、主として電圧検出手段2a,2bを所定のセパレータに一体化させて設けるだけであるため、集電板を追加する場合と比べて、セルスタック自体の積層方向の寸法を大きくすることがない。また、電圧検出手段2a,2bを所定のセパレータに予め一体化させておくことができるので、燃料電池セルスタックの積層手順を変更する必要がない。
図6は、燃料電池セルスタックの診断用電圧検出部を説明するための模式図である。各部の構成を説明する。図中の105a,105bは一体型MEAであり、106a,106bは電極部である。MEAとは膜/電極接合体のことであり、燃料電池の発電に必要な電解質膜と電極とを一体化したものである。また、一体型MEAとは、電極だけでなく、ガス拡散層やシール材(ガスケット)など、MEAの周辺に位置する部材を一体化したものである。ここでは一体型MEAなどを模式的示している。セパレータや一体型MEAの数は説明に必要なものに限定しており、また、その他の構成部材についても特に説明に必要なものだけを示した。
ここでは、簡単のために一体型MEAを使用する場合について図示したが,もちろん、一体型でないMEAやその他の部材を組み合わせて使用するようにしてもよい。
図7に、一体型MEAの断面構造例を示す。図中の502はMEAであり、膜状のものである。503はガスケットであり、MEAの上下に配置され、周辺部を取り囲むようにシール可能にしている。504はガス拡散層であり、MEAの上下に配置され、ガスケット503以外の中心部に嵌るようにしている。501はマニホルドであり、通ガスや通水のために設けた孔である。当該孔はガスケット503の部分においてMEA502に設けられているので、ガスケット503によりシールされ、ガスや水のリークは防止されている。
続いて、各部の機能を説明する。図6において、電圧検出手段2a,2bの間にセル積層部を構成し、これを電圧検出部1とする構造は、第1実施形態に係わる実施例1と同じであるが、ここでは、電圧検出部1に含まれる少なくとも1つのセルに対して、構造を工夫することにより、診断のための異常検知を精度よくできるようにした。
図6では電圧検出部の少なくとも一つのセルが、当該検出部以外の発電部のセルと比べて、電極面積が小さい膜/電極接合体(MEA)を具備するようにしている。具体的には、電極部106aの面積は発電部と同等にしたのに対し、電極部106bの面積はそれより小さくした。セパレータの各流路は、当該電極部をすべて横切るが、電極部106aに対して電極部106bでは限られた面積に電流が集中する。電極面積や電極有効面積の小さいセルは、相対的に高電流密度運転になるので、その他の発電部と比べて常に厳しい運転条件となる。これによって、発電部より先に電圧検出部に異常が発生しやすくなるので、発電部のセルより早い段階で異常の発生を検出できる。このようにして、電圧検出部の感度を向上できる。
図6では、電圧検出部1の構成例を示したが、電圧検出手段2a,2bをそれぞれ出力端子3a,3bとすれば、通常の燃料電池セルスタックの中に、電極面積や電極有効面積の小さいセルを設けた構成とみることもできる。この場合、電極部106bのセルを電圧検出部として、異常診断のための信号処理をするようにしてもよい。
図8に、電圧検出部あるいは燃料電池セルスタックの一部に設けた特殊セルに生じる異常を温度で検出する場合の例を示す。108は温度計測手段であり、熱電対や半導体式、その他の温度センサを細いチューブ状の形状の中に配置したものである。チューブは、セパレータ102に設けた孔へ挿入される。チューブの長さを調整することによって、セパレータ内のどの位置に配置するかを決めることができる。チューブの先端の位置に温度検出部を設けておけば、当該セパレータのどの部分の温度を計測するかを調整できる。燃料電池セルスタックの異常は、電圧だけでなく、温度の変化にも現れるので、これを検出するようにした。特に温度の異常な上昇などは安全のために回避すべきであるので、温度の直接計測によって、これを確実にしている。温度だけによる異常検知も可能であるが、電圧による異常検知と組み合わせれば、異常診断がより確実である。
以上、第2実施形態に係わる電圧検出部では、電圧検出部の内部の構造や計測法の工夫によって、異常状態の検出精度を上げることができる。
一例として、第2実施形態に係わる電圧検出部で、更に当該電圧検出部より検出した電圧から所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、当該周波数成分の大きさから、燃料電池セルスタックまたは当該燃料電池セルスタックを含むシステムの異常の有無を診断するようにすればよい。この場合、発電部のセルより早い段階で生じた電圧検出部の電圧の不安定現象を、特徴的な周波数成分を抽出することによって精度よく検出できるので、異常状態の早期検出において効果が大きい。加えて、周波数領域ごとに信号を分離して診断処理することで、異常原因の特定が容易になる。
図9は、第3実施形態に係わる燃料電池発電システムを各家庭に配置する定置型分散電源に適用した場合の例である。図中の符号の700は定置型分散電源であり、本発明に係る燃料電池システムを少なくともその一部に含むものである。コージェネレーションシステムとしての運転を想定した。
定置型分散電源700において、燃料電池システムの改質器(水素製造装置)では、外部から供給されるガスと空気、それに燃料電池発電の結果として生じる純水や水道水から作られるイオン交換水などを原料として水素を製造する。原料であるガスには、メタンを主成分とする天然ガスや都市ガスなどを使用できる。プロパンガスやその他の燃料をボンベ等により供給するようにしてもよい。都市ガスを使用する場合には、付臭剤に含まれる硫黄成分が触媒を被毒することが知られているので、脱硫器を通して触媒反応部へ供給する。
定置型分散電源に燃料電池を使用する場合の特長は、発電だけでなく、燃料電池排熱によって得られる温水を提供できる点にある。固体高分子形燃焼電池の場合、発電時の温度は70〜80℃程度であり、冷却水などを利用して燃料電池内部の温度を調節する。燃料電池の反応や内部抵抗などで生じる熱を冷却により回収することで温水が得られる。但し、外部から供給する水を燃料電池の冷却に直接使用すると、水に含まれる不純物によって燃料電池に悪影響を及ぼす場合があるので、そうした場合には熱交換機能を有する手段を用いて、外部から供給する水を間接的に昇温すればよい。昇温された温水は、例えば50〜60℃くらいになるので、この温水を貯湯槽に蓄えて使用すれば、台所や風呂あるいは手洗いで使用する温水を給湯器に代って提供できる。加えて、燃料電池において、空気等の酸化ガスと水素等の燃料ガスを電気化学的に反応させて発電させることにより得られた電力は、外部からの供給電力と併せて家庭内の様々な電化製品の駆動に使用できるので、外部からの供給電力量を削減できる。もちろん、充分な発電容量があれば、外部からの供給電力なしに電力を賄うことができる。
外部から供給する水の温度が低くて昇温が充分でない場合、あるいは貯湯槽内の水温が低下する場合には、別途加熱手段を設けてもよい。当該加熱手段は、例えば、外部から供給される原料ガスの一部を燃焼させて水を昇温するようにできる。加熱量や温水の流速を調節するフィードバック制御などにより、供給水温を所定温度に昇温維持できる。市販のガス追い焚き器と組み合わせて同様のシステムを構成してもよい。
本発明に係る燃料電池発電システムを家庭用定置型分散電源に適用する場合には、燃料電池および燃料電池システムの異常診断において、モニタ個所を減らしても必要な検出情報を得ることができるため、コンパクトな構成で、コストを低く抑えながら、異常の早期検出と適切な回避制御によって、家庭用システムに期待される長期寿命の確保を容易にできる。
本発明に係わる燃料電池システムでは、電圧の変化を精度よく、且つ速やかに検知し、異常診断した後、当該異常状態を速やかに回避するフィードバック制御を行うことで、燃料電池セルスタックを含むシステムの状態を正常な状態に回復させ、電圧検出部を含む燃料電池セルスタック全体の特性劣化を抑制することができる。特に、電圧検出部にあっては、異常を検知しやすくする配置(第1実施形態の一例)や構成(第2実施形態)を採る場合があるが、上記のように精度よい異常検知の後、速やかに当該異常状態を回避するフィードバック制御を実施すれば、電圧検出部に発生した異常が極小さい段階で、これを正常な状態に回復できるので、短期間での有意な劣化をなくすことができる。つまり、適正なフィードバック制御を組み合わせることによって、異常検出部の感度を上げながら、当該検出部の特性劣化を抑制するようにできる。この場合、当該電圧検出部で異常が発生し始めた段階では、他の発電部にほとんど異常は生じないようにしているので、燃料電池セルスタック全体の劣化もない。
ここで、異常診断に基づく具体的な制御には、以下のような方法がある。まず、電圧検出部の診断用電圧Vdを処理して異常の発生の有無を診断する。異常を検知した場合、燃料電池セルスタック100の電流制御量を速やかに下げる。当該電流値を下げることによって、燃料電池セルスタック100の燃料利用率が相対的に下がるので、異常の発生とともに、当該セルスタックの劣化につながる負担を速やかに軽減し、システムの運転を安定に継続できる。これにより、長寿命のシステム運転ができるようになる。
電流量に係わる制御は、所定時間の間、実施するようにし、所定時間の後には元の電流量へ戻すようにしてもよい。あるいは、当該制御の後、異常状態が回避されたことを診断して、元の電流量へ戻すようにしてもよい。
上記方法において、電流制御量を下げる理由は、次のとおりである。実用システム運転においては、下記の(一)〜(四)のように種々の異常状態が想定される。(一)改質器からの供給ガス組成や流量が適正でなくなった場合。(二)セルスタック内に水が滞留した場合。(三)電解質膜を介したガスリーク量(クロスリーク)が増えた場合。(四)セルスタックの電極触媒が被毒した場合や劣化した場合。これらに対して、(一)の場合であれば、正味の水素供給量が減るため電流を下げる必要があり、(二)の場合であれば、ガスの流れや拡散が水によって阻害され、セルスタック内部に局所的に水素が供給されなくなる部分が生じるので電流を下げることが望ましい。また、(三)の場合であれば、実効的に発電に寄与する水素量が減るため電流を下げる必要があり、(四)の場合であれば、発電に寄与する触媒が減るため電流を下げることが望ましい。このように、多くの場合において電流量を規程の設定値より下げることによって、当該セルスタックを著しく劣化させる運転状態を速やかに回避できる。
異常が検知された場合、システムのフィードバック制御として、まず緊急避難的に燃料電池セルスタックの電流を所定量下げ、しかる後に、診断された異常原因に従って、異常回避のための個々のフィードバック制御を実施することが望ましい。
燃料電池セルスタックの電流制御に続いて実施する異常回避のためのフィードバック制御は、具体的には各システムの構成に依存するが、例えば改質器の改質部温度が適正でない場合であれば投入原燃料量を変更する方法があり、冷却水系の熱回収量が適正でない場合であれば、当該冷却水系の水循環量を変更するなどの方法がある。
診断された異常原因が、例えば、改質器の温度異常による場合などでは、燃料電池セルスタックの電流を下げ過ぎると、むしろ当該改質器への戻り水素量が増えてシステム運転が不安定になることがある。こうした場合には、診断結果をもって燃料電池セルスタックの電流下げ量を相対的に小さくするように、異常診断の結果を電流制御に適正に反映することができる。
逆に、改質器の燃焼器温度が上がりすぎるような場合には、電流量を増やすことで、燃焼器への戻り水素量を相対的に減少でき、熱バランスの回復を促すことができる。もちろん、電流量を変えることが望ましくない場合には、変えないようにしてもよい。
異常の原因を詳細に特定するために、異常診断結果とともに、改質器や補機、その他の部分から別途検知した温度や圧力などの情報を合わせて参照するようにしてもよい。一例として、電圧検出部の電圧に改質ガス組成の変化に伴う特有の振動周波数成分が発生する場合には、改質ガス中のCO濃度異常が疑われる。そこで、まず、燃料電池セルスタックの電流量を下げる制御を実施し、更に改質器のCO酸化除去部の温度を参照して、これが適正な温度域からはずれかかっているような場合には、CO酸化除去部の反応が適正でなくなりつつあると判断し、CO酸化除去部への供給空気量や供給水量を異常状態が回復する方向へ増加あるいは減少させ、安定な運転状態(正常な状態)に回復するように促す。
上記の判断においては、電圧検出部の電圧の直流成分がドリフトするか否かといった情報を更に合わせて判断するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係わる燃料電池システムを適用した家庭用定置型分散電源において、燃料電池セルスタックあるいはシステムの異常が診断により検知された場合、当該燃料電池から取り出す電流値を、制御によって所定量変更することで、当該セルスタックの劣化につながる負担を速やかに軽減し、システムの運転を安定に継続できる。
また、検知された異常原因ごとに電流量を適正に設定するようにできる。電流量の制御を所定時間のあいだ実施する場合においては、当該所定時間の長さについても、検知された異常原因ごとに適切な値を設定するようにできる。
本発明に係わる燃料電池システムや上記の制御方法は、家庭用以外の燃料電池システムに適用してもよい。家庭用の場合と同様に、コンパクトな構成で、コストを低く抑えながら、異常の早期検出と適切な回避制御によって、安定運転の継続を容易にできると共に、電流量に係わる制御を併用する場合にあっては、異常の検知と共に燃料電池セルスタックの劣化につながる負担を速やかに軽減し、システムの運転を安定に継続できる。
本実施例では、第1実施形態における信号処理手段8の具体的な内容について、図10を用いて記述する。ある一定間隔で取得した燃料電池スタック電圧を読み込む(801)。ここでは2048個を読み込んでいる。読み込んだ電圧データから振動成分を抽出するために、各セルの平均電圧を求める(802)。各セル電圧より平均の電圧を差し引く(803)。この電圧データに対して、高速フーリエ変換(FFT)を施す(804)。その結果を信号強度スペクトルに変換する(805)。これから、自明なエイリアス及び対称部分を取り除く(806)。n個(本実施例では8個)のブロック(周波数帯域)に分割する(807)。これにより周波数帯域を抽出可能となる。図11に強度スペクトルの模式図を示した。この処理を施すと、各ブロックそれぞれに単一のスカラー値を割り当てることが可能となる。この処理以外に、ハードウェア的に、また、その他の手法による周波数抽出処理を実施しても効果は同じである。全ての測定データ数について、801から807の処理を施す(808)。
この基本的な処理を施したデータ(強度スペクトル)をもとに、以後、図12〜17に示す異常診断処理を実施する。
出荷前の正常運転及び運転異常下における各燃料電池セル、あるいは各燃料電池セルブロックのデータに対して、図10の801から808に示す処理を施し、正常運転及び運転異常下における各々の信号強度スペクトルを得る(809)。正常運転時に対するスタック全体の発電セル平均の信号強度を求め、異常運転時に対する信号強度スペクトルとの差FFTスペクトルを求める(810)。診断基準(812)に従って、異常診断用センサセルを選択する(811)。診断基準(812)において、Ufは燃料利用率異常、Uoは酸素利用率異常、CO濃度は一酸化炭素異常を表す。一酸化炭素異常は主に改質器に異常がある場合に生じる。正常運転時の信号強度FFTスペクトルと異常運転時の信号強度差FFTスペクトルを関連づける特性係数行列(あるいは、特性近似係数行列)を求める(813)。811で選択したセルのうち、815に示される各種異常に対応する周波数ブロックに対し、これら行列の適応により、正常運転時信号強度FFTスペクトルから、異常運転時信号強度差FFTスペクトルを推定する。815に示す周波数ブロックの値から、閾値を決定する(816)。この閾値をもとに、全セル、全警告条件でマップを作成する(817)。このマップは、まず、燃料電池スタック出荷前検査において、セル電圧を計測して作成される。さらに、運転中に、適宜、この異常診断用マップを更新することにより、燃料電池スタックの経時変化等の履歴を含んだ情報を、該マップに取り込むことが可能となり、より高精度の燃料電池システム異常診断が可能となる。
図13及び図16に、図12で作成した異常診断用マップを用いた異常診断フローを示す。図13は閾値の更新を実施する必要があるかどうかの判断を含む異常診断フローであり、図16は検出部セルの更新を実施する必要があるかどうかの判断を含む異常診断フローである。
最初に閾値の更新を実施するかどうかの判断を含む場合の異常診断フローについて、図13を用いて説明する。図12の801から807の手順を実施(818)したならば、更新間隔に達しているかどうかをカウンタチェック(819)により確認する。設定されたN回電圧計測回数に満たない場合は、異常診断マップ内閾値を用いて診断(824)を実施する。設定されたN回電圧計測回数に達した場合は、閾値を更新する必要があるかどうかを判断する(820)。
閾値を更新するかどうかの判断は、図15のパラメータ(感度と判定範囲パラメータから求めた値)の大小判断を実施し、異常の有無を見極めることにより行う。閾値の見直しが必要になったら、閾値の大小の調整(821)を行う。(M/L)<K−Jの場合には、設定した診断感度パラメータより鈍感なので、誤診が多くても良いから、異常診断信号が出てくるように閾値を調整(通常は小さく)する。K+J<(M/L)の場合には、設定した診断感度パラメータより敏感なので、誤診が少なくなるように閾値を調整(通常は大きく)する。この処理は、図14の手順により実施する。
閾値を調整して異常信号が発生した場合、異常診断が正しいかどうかをマニュアルで判断するか、運転条件等のデータと比較して判断する(826)。異常信号が発生した回数をカウンタLに保存する(827)。また、誤診の回数をエラーカウンタMに保存する(828)。次に、診断感度パラメータKを設定する(829)。このパラメータは最初から固定でも良いし、運転中に見直しても良い。ここでの診断感度パラメータは、0.5を中心として閾値更新の感度が変わり、1に近いと感度は鈍くなり、ゼロに近いと感度は敏感になる。パラメータが1に近い場合は、誤診が多くても閾値の見直しは行わず、ゼロに近い場合は誤診が少なくても頻繁に閾値の更新を実施する。その後、更新判定範囲パラメータJを設定する(829)。この後、異常診断用閾値データを更新(822)する。
閾値データの更新の必要がないと判断した場合には、そのまま、カウンタをリセット(823)し、異常診断(824)を実施する。最後に、運転終了かどうかを判断(825)して、異常診断ルーチンの継続・終了を決定する。
次に、検出部セルの更新を実施するかどうかの判断を含む場合の異常診断フローについて、図16と図17を用いて説明する。
まず、図13の場合と同様に、801から808の手順を実施(918)したならば、カウンタチェック(919)を行い、設定されたN回電圧計測回数に満たない場合には、異常診断マップ内閾値を用いて診断(924)を実施する。設定されたN回電圧計測回数に達した場合には、検出部の更新を実施する必要があるかどうかを判断する(920)。この判断は図17に示すフローに従って実施する。
まず、取り付けている電圧検出部の全部について必要時間電圧を測定する(926)。各々の電圧に対して図10の801から807の手順でFFT解析等を行う(927)。特性係数行列(Uf,Uo,CO濃度)を用い、各々の予想強度スペクトルを求める(928)。最も感度が高いと考えられる検出部、例えば、着目する周波数範囲の強度が閾値を超え易いと考えられる検出部を選択する(929)。選択した検出部が現在の検出部と同じかどうかを判断する(930)。
現在の検出部と違う場合には、図16に戻り、閾値マップから、新しい検出部の閾値を引用する(921)。次に、検出部番号と診断用閾値データを更新する(922)。
現在の検出部と同じ場合及び検出部の更新を終えた場合は、カウンタをリセット(923)し、異常の診断を実施する(924)。最後に運転終了かどうかを判断(925)し、終了と判断されたならば、診断を終了する。
これらの診断フローは、燃料電池システム起動・終了時、運転パラメータの急激な変化時など、別途異常診断方法が確保されている場合等には、診断をスキップすることが可能である。
異常診断手段を備えた燃料電池セルスタックの概略図である。 電圧検出部を燃料電池セルスタックの中ほどに二箇所設けた燃料電池セルスタックの斜視図である。 検出対象とする代表的な周波数の設定方法の一例を示す説明図である。 電圧検出部の具体的な構成例を説明するフレーム図である。 電圧検出部の具体的な構成例を説明する別のフレーム図である。 燃料電池セルスタックの診断用電圧検出部を示す模式図である。 一体型MEAの一例を示した断面図である。 電圧検出部あるいは燃料電池セルスタックの一部に設けた特殊セルに生じる異常を温度で検出する場合の説明図である。 燃料電池発電システムを家庭用の定置型分散電源に適用した場合の例を示す概略図である。 電圧信号中の周波数成分の詳細を示したフロー図である。 電圧振動成分強度スペクトルの模式図である。 燃料利用率、酸素利用率及び一酸化炭素に起因する異常を診断するための運転前計測および運転中更新における診断マップの作成フローを示した図である。 燃料電池システム運転中における異常診断フローの一例を示した図である。 閾値の更新を実施する必要があるかどうかを判断する例を示した図である。 閾値の見直しを行うフローを示した図である。 燃料電池システム運転中における異常診断フローの他の例を示した図である。 検出部の更新を実施する必要があるかどうかを判断するフローを示した図である。
符号の説明
1…電圧検出部、2a…電圧検出手段、2b…電圧検出手段、3a…出力端子、3b…出力端子、4…直流成分検出ライン、5a…交流成分検出ライン、5b…交流成分検出ライン、6a…特定周波数成分抽出手段、6b…特定周波数成分抽出手段、7a…増幅手段、7b…増幅手段、8…信号処理手段、100…燃料電池セルスタック、101a…端板、101b…端板、102…セパレータ、103a…集電板、105a…一体型MEA、106a…電極部、108…温度計測手段、501…マニホルド、502…MEA、503…ガスケット、504…ガス拡散層、700…定置型分散電源。

Claims (9)

  1. 燃料電池セルスタックを含む燃料電池発電システムにおける異常診断システムであって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の信号強度を基準に、前記燃料電池セルスタックを構成する少なくとも一つのセルを検出部として選択し、前記検出部となるセルから電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、前記周波数成分抽出手段により抽出された周波数成分を増幅する増幅手段と、増幅された信号強度を正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して異常の有無を診断する信号処理手段とを備え、前記異常診断システムは、燃料電池の運転中に前記所定周波数範囲の強度の閾値を更新すべきかどうかを判断して閾値の維持又は更新を行い、燃料電池の運転中に検出部を更新すべきかどうかを判断して検出部となるセルの続行又は更新を行い、燃料電池発電システムの経時変化に基づく異常診断を行うことを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断システム。
  2. 請求項1において、前記所定周波数範囲は、異常が生じた場合に電圧信号に特徴的に周波数成分が現れる周波数範囲又は電圧信号が特異的に大きくなる周波数範囲であることを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断システム。
  3. 請求項1または2において、前記燃料電池セルスタックを構成するセルのうち、予め定めた所定周波数範囲の出荷前強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として、前記検出部より検出した電圧から前記所定周波数範囲に含まれる少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分を抽出し、前記少なくとも二つの周波数成分の大きさから、前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断するようにしたことを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記燃料電池セルスタックを構成するセルのうち、予め定めた所定周波数範囲の出荷前強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として、前記検出部より検出した電圧から前記所定周波数範囲に含まれる少なくとも二つの周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の少なくとも一つから燃料電池セルスタックの異常を診断し、他の少なくとも一つから燃料電池発電システムにおける水素製造装置の異常を診断するようにしたことを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断システム。
  5. 燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常診断方法において、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして電圧検出部となる少なくとも1つのセルを選択し、前記検出部となるセルから電圧を検出し、前記電圧検出手段により検出された電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、前記周波数成分抽出手段により抽出された周波数成分を増幅し、前記増幅された信号強度を正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して異常の有無を診断し、前記異常診断システムは、燃料電池の運転中に前記所定周波数範囲の強度の閾値を更新すべきかどうかを判断して閾値の維持又は更新を行い、燃料電池の運転中に検出部を更新すべきかどうかを判断して検出部となるセルの続行又は更新を行い、燃料電池発電システムの経時変化に基づく異常診断を行うことを特徴とする燃料電池発電システムにおける異常診断方法。
  6. 燃料電池セルスタックを備え、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムにおいて、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧から前記所定周波数範囲の周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、前記周波数成分抽出手段により抽出された周波数成分の信号強度を増幅する増幅手段と、前記増幅手段により増幅された信号強度を、正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して異常の有無を診断する信号処理手段とを備え、前記異常診断システムは、燃料電池の運転中に前記所定周波数範囲の強度の閾値を更新すべきかどうかを判断して閾値の維持又は更新を行い、燃料電池の運転中に検出部を更新すべきかどうかを判断して検出部となるセルの続行又は更新を行い、燃料電池発電システムの経時変化に基づく異常診断を行うことを特徴とする燃料電池発電システム。
  7. 燃料電池セルスタックを有し、酸化ガスと燃料ガスをセルにて電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池発電システムの運転方法であって、予め定めた所定周波数範囲の出荷前の強度を基準にして選択した少なくとも一つのセルを検出部として電圧を検出し、検出した電圧から予め定めた所定周波数範囲の周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の信号強度を増幅し、前記増幅手段により増幅された信号強度を、正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較し、燃料電池の運転中に検出部を更新すべきかどうかを判断して検出部となるセルの続行又は更新を行い、燃料電池発電システムの経時変化に基づく異常診断を行うことを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法。
  8. 請求項7において、前記増幅手段により増幅された信号強度を、正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断し、異常を検知したならば前記燃料電池セルスタックから取り出す電流値を変更することを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法。
  9. 請求項7または8において、前記増幅手段により増幅された信号強度を、正常時と異常時を相関付ける関数により求めた閾値と比較して前記燃料電池セルスタックまたは前記燃料電池セルスタックを含む発電システムの異常の有無を診断し、異常を検知したならば異常を示す信号が出なくなるまで前記燃料電池セルスタックから取り出す電流値を減少する第一の制御ステップを実施し、その後、異常原因に基づいて異常を回避する第二の制御ステップを実施することを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法。
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