以下、本発明の第一の実施形態である演出制御装置35を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の表枠14及び中枠13が開いた状態を斜め前方から見た斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面図である。尚、以下の説明において、図2の紙面手前側を「パチンコ機1の正面側」、紙面奥行き側を「パチンコ機1の背面側」とする。
はじめに、パチンコ機1の概略構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技場の島設備(図示外)に配設され、パチンコ機1の本体を支持する正面視略長方形状の外枠12を備えている。外枠12は、パチンコ機1の本体を支持し、遊技場の島設備(図示外)に取り付けられる枠部材である。そして、この外枠12の外枠左柱部12a近傍に、中枠13の左柱部近傍が軸支されるようになっている。
この中枠13は、正面視略長方形状の金属製のアングル部材からなる。この中枠13の左柱部が、上ヒンジ22及び下ヒンジ21を介して外枠12の外枠左柱部12a近傍に軸支されることにより、中枠13が外枠12に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。そして、中枠13の上半分には遊技盤2が配設されている。さらに、中枠13の正面側における遊技盤2の下方には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受け入れる上皿5が設けられており、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。当該下皿6の右側には、発射機による遊技球の発射を調節する発射ハンドル7が設けられている。また、当該遊技盤2の正面側には、正面視略矩形状の表枠14が設けられている。
また、パチンコ機1の中枠13の背面側にはセンターカバー27が設けられており、当該パチンコ機1を構成する各部を制御するための後述する主基板41、サブ統合基板58、電源基板42、演出制御装置35等の多数の制御装置(図3参照)を保護している。本発明では、この演出制御装置35の構造に特徴を有するが、詳細は後述する。また、センターカバー27の下方には下部カバー28が設けられており、パチンコ機1を動作させるための様々な部品が保護されている。さらに、センターカバー27の上方には、遊技機設置島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク29が設けられている。
次に、表枠14について説明する。図2に示すように、表枠14は正面視略長方形状であり、遊技盤2の遊技領域4を前側から視認し得るように、略中央に開口部が開設されている。この開口部には透明版であるガラス窓23(図1参照)が嵌め込まれており、当該ガラス窓23を介して遊技領域4を視認可能となっている。そして、表枠14の表枠左側端部14a(図1参照)が中枠13の左柱部の近傍に軸支されることにより、表枠14が中枠13に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。また、表枠14の左上部にはスピーカ32が、右上部にはスピーカ33がそれぞれ配設されており、2つのスピーカ32,33は配線によってサブ統合基板58(図3参照)に接続されている。そして、スピーカ32,33からはサブ統合基板58の制御によって様々な音が発生する。また、表枠14の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
次に、遊技盤2について説明する。発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技球が遊技盤2及びガラス窓23によって形成された空間を流下する。この遊技盤2は、中枠13の裏面側に固定された遊技盤固定枠の遊技盤用開口部(図示外)の正面側に支持され、ガラス窓23を略中央に保持した表枠14によって保護されている。図1に示すように、遊技盤2の正面には、外レール3に囲まれ、発射手段によって発射された遊技球が流下する正面視略円形状の遊技領域4が設けられている。
そして、図2に示すように、この遊技領域4の略中央には、液晶表示装置36や各種ランプ及びLEDを備えた図柄表示装置8が設けられている。また、この図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、当該特別図柄始動電動役物15の左右には普通図柄始動ゲート19,20がそれぞれ配設されている。そして、普通図柄始動ゲート19の左方には普通入賞口10が、普通図柄始動ゲート20の右方には普通入賞口11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には大入賞口16が設けられており、当該大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口30が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8の下部には4つのLEDから構成される特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、その右隣には、2つの7セグメントLEDから構成される特別図柄表示部25が設けられている。また、図柄表示装置8の上部には4つのLEDから構成される普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その上方には普通図柄表示部24が設けられている。そして、図柄表示装置8は、中央に液晶表示装置36を備えている。この液晶表示装置36には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を報知するために、3つのデモ図柄を表示する。そして、このデモ図柄には、遊技者の目を惹くように特別図柄表示部25に表示される特別図柄よりも大きい図柄が用いられている。
次に、図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主に主基板41、電源基板42、演出制御装置35、払出制御基板45、電飾基板46、中間基板47及びサブ統合基板58から構成されている。そして、演出制御装置35は、演出制御基板43、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130により構成されている。この制御部40は、パチンコ機1の裏側(背面側)に設けられており、センターカバー27(図1参照)によって保護されている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中間基板47等のサブ基板、及び特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72が接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中間基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中間基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート19,20を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73,74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口10,11に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ76,77、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59及び特別図柄記憶数表示LED60、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24、2つの7セグメントLEDから構成された特別図柄表示部25が接続されている。そして、中間基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御を受ける表示部等への中継とを行っている。
次いで、サブ統合基板58及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33の総合的な制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵し、電飾ランプ63の制御を行っている。
次いで、演出制御装置35について説明する。演出制御装置35は、演出制御基板43、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130により構成されている。そして、演出制御基板43は、CPU、RAM、ROM等を有し、サブ統合基板58から受信するコマンドに従って表示制御データを出力する表示制御ユニット48と、当該表示制御ユニット48から入力される信号に従って液晶表示装置36に画像信号を出力する画像表示プロセッサ(Video Display Proceccor、以下「VDP」という。)80とを備えている。また、演出制御基板43には、1GBのROM121,122を備えた2GBの第一メモリ基板120と、1GBのROM131,132を備えた2GBの第二メモリ基板130とが接続されている。そして、VDP80は、表示制御ユニット48から入力される表示制御データに応じて、2つのメモリ基板120,130の複数のROMに記憶されている画像生成データの中から必要なデータを読み出し、パチンコ機1の遊技状態に応じた画像データ(RGBデータ)を生成する。この画像データをVRAM82(図4参照)に展開して一時的に記憶させ、表示制御データに応じて液晶表示装置36へ出力する。
次に、図4を参照して、本発明の要部である演出制御基板43、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130の詳細について説明する。図4は、第一の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図である。尚、図4ではデータバス及びアドレスバスを1本の線で表現しているが、実際は複数の信号線からなる。そして、説明の簡略化のため、以下でも同様に複数の信号線を1本の線で表現するものとする。
まず、演出制御基板43について説明する。演出制御基板43は、表示制御ユニット48、VDP80、発振器81、及びVRAM82から構成されている。そして、表示制御ユニット48は、表示制御CPU91、表示制御RAM92、表示制御ROM93からなる。表示制御ROM93は、液晶表示装置36の表示制御プログラムや、画像の表示態様を制御するデータ等を記憶しており、表示制御CPU91へ信号やデータを送信する。また、表示制御RAM92も同様に表示制御CPU91へ接続されており、各種カウンタ、フラグ、データ、信号等が一時的に記憶される。
また、表示制御CPU91は、サブ統合基板58から液晶表示装置36の表示態様を制御するコマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づいて画像の表示態様を選定する。そして、選定した表示態様を表示させるための表示制御データを、接続されているVDP80へ送信する。発振器81は一定のドットクロック周波数を発振しており、VDP80へ接続されている。
また、VDP80はデータバス幅が64ビットであり、発振器81により発振されたドットクロック周波数を基準として、映像表示のタイミングを取るために必要な同期信号を液晶表示装置36へ送信する。そして、表示制御CPU91から送信された表示制御データに応じて、後述するメモリ基板120,130内のROMから必要な画像生成データを読み出し、パチンコ機1の遊技状態に応じた画像データ(RGBデータ)を生成する。この画像データをVRAM82に展開して一時的に記憶させ、表示制御データに応じてVRAM82から画像データ読み出し、同期信号に合わせて液晶表示装置36へ送信する。また、VDP80には、レジスタ等をチェックするためのLSIが内蔵されている。
次いで、演出制御基板43のデータバス86,87、及びアドレスバス88,89について説明する。演出制御基板43で使用されているVDP80のデータバス幅は64ビットである。ここで、第一の実施形態の演出制御基板43では、この64ビットのVDP80に32ビットのメモリ基板120,130を接続するために、2つのコネクタ84,85が設けられている。そして、VDP80とコネクタ84とは32ビットのデータバス86によって接続されており、VDP80とコネクタ85との間も同様に32ビットのデータバス87によって接続されている。そして、コネクタ84からVDP80へ接続されているデータバス86のデータバス幅(32ビット)と、コネクタ85からVDP80へ接続されているデータバス87のデータバス幅(32ビット)との合計が、VDP80のデータバス幅(64ビット)に等しくなっている。
次いで、第一メモリ基板120及び第二メモリ基板130について説明する。第一メモリ基板120には、32ビットのROM121,122と、デコード回路124とが設けられており、コネクタ129により他の基板に接続される。デコード回路124は、アドレスバス126の一部であるデコード回路入力線123により送信されるチップセレクト信号に応じて、2つのROM121,122の内の1つを選択するための回路である。そして、デコード回路124とROM121とはチップセレクト信号線127により接続されており、デコード回路124とROM122との間も同様にチップセレクト信号線128により接続されている。また、アドレスバス126がコネクタ129からROM121,122へ接続されると共に、データバス幅32ビットのデータバス125が、コネクタ129からROM121,122へ接続されている。
また、第二メモリ基板130も、第一メモリ基板120と同様に、32ビットのROM131,132とデコード回路134とを有し、コネクタ139により他の基板に接続される。そして、デコード回路入力線133により送信されるチップセレクト信号に応じて、2つのROM131,132の内の一方がデコード回路134により選択されると共に、チップセレクト信号線137,138が、デコード回路134とROM131,132との間にそれぞれ接続されている。また、コネクタ129及びROM131,132は、32ビットのデータバス135と、アドレスバス136とにより接続されている。
尚、第一メモリ基板120に設けられているROM121,122、及び第二メモリ基板130に設けられているROM131,132は、いずれも電気的書き換えが可能なフラッシュROMである。従って、古い遊技機の部品を利用して新しい種類の遊技機を製造する際に、ROM121,122、及びROM131,132の内容を書き換えて用いることで、コストの削減を行うことができる。
このような構成の演出制御装置35によると、データバス幅が64ビットであるVDP80と、データバス幅が32ビットである2つのメモリ基板120,130とを、簡易な構成で接続することができる。従って、32ビットのメモリ基板の在庫が多数残っている場合、64ビットのメモリ基板を新たに作成する必要がなく、32ビットである2つのメモリ基板120,130を演出制御基板43に接続することで演出制御装置35を構成することができる。また、32ビットのメモリ基板は、32ビットのVDP、及び64ビットのVDP80のいずれにも接続させることができる。従って、メモリ基板の共通化を実現でき、製造コストを削減することができる。
また、データバス幅を変換する回路を用いることで、データバス幅が異なるVDP80とメモリ基板とを相互に接続する場合には、変換回路を備えた中継基板等を新たに作成する必要があり、コストを要する。しかし、本発明によると、安価な部材を用いた簡易な構成でメモリ基板の共通化を実現することができる。
尚、第一の実施形態における主基板が本発明の「主制御基板」に相当し、VDP80が「コントローラ」に相当する。また、演出制御基板43が「副制御基板」に相当する。
次に、本発明の第二の実施形態の演出制御装置235について、図5を参照して説明する。図5は、第二の実施形態の演出制御装置235の詳細を示すブロック図である。尚、第二の実施形態である演出制御装置235では、第一の実施形態の演出制御装置35とは異なり、演出制御基板43に対して4つのメモリ基板220,230,240,250が、2つの中継基板201,211を介して接続されている。また、第二の実施形態であるパチンコ機の構成要素は、演出制御装置235に中継基板201,211が設けられている点、及びメモリ基板220,230,240,250に並列に2つずつ搭載されているROMの容量が8ビットであり、メモリ基板にデコード回路が設けられていない点以外は、第一の実施形態であるパチンコ機1と同じである。よって、パチンコ機1と共通する構成要素については同一の符号を付し、図1及び図2に示す機械的構成の説明、及び図3に示す電気的構成の説明についてはこれを省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板220,230,240,250について説明する。メモリ基板220には、8ビットのROM221,222が並列に設けられている。これにより、第一の実施形態のメモリ基板120,130とは異なり、2つのROM221,222の一方を選択するためのデコード回路を設けずに、データバス幅が16ビットのメモリ基板を構成している。このROM221,222とコネクタ229との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板220はコネクタ229により他の基板に接続される。尚、メモリ基板230にはROM231,232、及びコネクタ239が、メモリ基板240にはROM241,242、及びコネクタ249が、メモリ基板250にはROM251,252、及びコネクタ259が、メモリ基板220と同様に設けられている。
次いで、中継基板201,211について説明する。中継基板201には、演出制御基板43のコネクタに接続されるコネクタ209と、メモリ基板のコネクタに接続される2つのコネクタ207,208とが設けられている。そして、コネクタ209から延びるデータバス幅32ビットのデータバス203は、中継基板201の内部で分岐し、コネクタ207,208へ接続されている。同様に、コネクタ209から延びるアドレスバス204も分岐して、コネクタ207,208へ接続されている。これにより、16ビットであるメモリ基板220及びメモリ基板230を演出制御基板43へ接続することを可能にしている。尚、中継基板211にも、中継基板201と同様に3つのコネクタ217〜219が設けられている。そして、メモリ基板240及びメモリ基板250を、データバス213及びアドレスバス214により演出制御基板43へ接続する。
このような構成の演出制御装置235によると、2つの中継基板201,211を用いることで、データバス幅が16ビットである4つのメモリ基板220,230,240,250を、データバス幅が64ビットであるVDP80に接続することができる。すなわち、演出制御基板43のコネクタ84,85のデータバス86,87(32ビット)よりもデータバス幅が小さいメモリ基板を使用して演出制御装置235を構成することができる。従って、16ビットのメモリ基板の在庫が多数残っている場合、64ビットのメモリ基板を新たに作成する必要がなく、16ビットのメモリ基板220,230,240,250をそのまま使用することができる。
また、演出制御装置235では、4つのメモリ基板220,230,240,250に設けられているコネクタ229,239,249,259は、中継基板201,211のコネクタ207,208,217,218及び演出制御基板43のコネクタ84,85の全てに接続できる構造となっている。これにより、メモリ基板と演出制御基板との接続の自由度を向上させている。
次に、本発明の第三の実施形態である演出制御装置335について、図6を参照して説明する。図6は、第三の実施形態の演出制御装置335の詳細を示すブロック図である。尚、第三の実施形態である演出制御装置335では、第二の実施形態とは異なり、4つのメモリ基板320,330,340,350に並列に2つずつ設けられているROMのデータバス幅が16ビットであり、中継基板301,311にデコード回路305,315が設けられている。尚、第一及び第二の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板320,330,340,350について説明する。メモリ基板320には、16ビットのROM321,322が並列に設けられている。これにより、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。このROM321,322とコネクタ329との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板320はこのコネクタ329により他の基板に接続される。尚、メモリ基板330にはROM331,332、及びコネクタ339が、メモリ基板340にはROM341,342、及びコネクタ349が、メモリ基板350にはROM351,352、及びコネクタ359が、メモリ基板320と同様に設けられている。
次いで、中継基板301,311について説明する。中継基板301には、演出制御基板43のコネクタに接続されるコネクタ309と、メモリ基板のコネクタに接続される2つのコネクタ307,308とが設けられている。そして、コネクタ309とコネクタ307との間、及びコネクタ309とコネクタ308との間は、共にデータバス幅が32ビットのデータバス303によって接続されている。また、中継基板301には、2つのメモリ基板320,330の内のいずれか一方を選択するための回路であるデコード回路305が設けられている。そして、コネクタ309とコネクタ307との間、及びコネクタ309とコネクタ308との間は、このデコード回路305を介してアドレスバス304により接続されており、デコード回路305は一方のメモリ基板を選択する信号を生成して出力する。これにより、32ビットである2つのメモリ基板320,330を演出制御基板43へ接続することを可能にしている。尚、中継基板311にも、中継基板301と同様に3つのコネクタ317〜319及びデコード回路315が設けられている。そして、メモリ基板340及びメモリ基板350を、データバス313及びアドレスバス314により演出制御基板43へ接続する。
このような構成の演出制御装置335によると、VDP80のデータバス幅とは異なるデータバス幅のメモリ基板を演出制御基板43に接続できる。これに加えて、中継基板301,311にデコード回路305,315が設けられているため、中継基板301,311に設けられた全てのコネクタのデータバス幅が同一となる。従って、演出制御基板43のコネクタ84,85のデータバス幅とメモリ基板のデータバス幅とが同じである場合でも、演出制御基板43のコネクタの数よりも多い数のメモリ基板を使用して演出制御装置335を構成することができる。また、演出制御装置335では、4つのメモリ基板320,330,340,350に設けられているコネクタ329,339,349,359は、中継基板301,311のコネクタ307,308,317,318及び演出制御基板43のコネクタ84,85の全てに接続できる構造となっている。よって、メモリ基板2つを直接演出制御基板43へ接続することもできるし、中継基板301,311を介することでより多くのメモリ基板を演出制御基板43へ接続することもできる。
次に、本発明の第四の実施形態である演出制御装置435について、図7を参照して説明する。図7は、第四の実施形態の演出制御装置435の詳細を示すブロック図である。尚、第四の実施形態である演出制御装置435では、第一〜第三の実施形態とは異なり、演出制御基板443にデコード回路490が設けられている。尚、第一〜第三の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板420,430,440について説明する。メモリ基板420には、8ビットのROM421〜424が並列に設けられている。これにより、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。そして、このROM421〜424とコネクタ429との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板420はこの32ビットのコネクタ429により他の基板に接続される。また、メモリ基板430には16ビットのROM431,432、及びコネクタ439が、メモリ基板440には16ビットのROM441,442、及びコネクタ449がそれぞれ設けられており、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。このように、メモリ基板に搭載されるROMの個数は適宜変更が可能である。
次いで、演出制御基板443について説明する。第二の実施形態の演出制御基板443は、第一〜第三の実施形態の演出制御基板43と異なり、3つのコネクタ483〜485とデコード回路490とを備えている。そして、VDP80とコネクタ484,485との間は、デコード回路490を介してアドレスバス489により接続されている。そして、VDP80とコネクタ483との間はアドレスバス488により接続されている。また、VDP80は32ビットのデータバス486によりコネクタ483へ接続されると共に、同じく32ビットのデータバス487によりコネクタ484,485へ接続されている。
このような構成の演出制御装置435によると、VDP80から振り分けられたアドレスバス489のデータバス幅に対応するビット数のアドレスバスが、演出制御基板443に設けられたデコード回路490によってデコードされる。従って、VDP80のデータバス幅よりも小さいビット数のアドレスバスのメモリマップを構築することができる。すなわち、メモリ基板の選択やチャンネルの振り分けを行うデコード回路の配設位置は、メモリ基板や中継基板に限られず、演出制御基板であってもよい。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。以下、図8を参照して、第一の実施形態の変形例について説明する。図8は、変形例である演出制御装置535の詳細を示すブロック図である。尚、図8で示す変形例では、第一の実施形態とは異なり、表示制御CPU591の制御に必要な表示制御プログラム等を記憶した2つのメモリ基板520,530を、演出制御基板543に対して着脱可能に設けている。尚、第一の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
図8に示すように、第一の実施形態の変形例である演出制御装置535は、演出制御基板543、第一メモリ基板120、第二メモリ基板130に加えて、演出制御基板543における表示制御ユニット548の表示制御CPU591に接続される2つのメモリ基板520,530を備えている。この演出制御基板543には、メモリ基板520,530を接続するための2つのコネクタ94,95が設けられており、表示制御CPU591のデータバス幅は32ビットである。そして、コネクタ94と表示制御CPU591との間は16ビットのデータバス、及びアドレスバス98により接続されており、コネクタ95と表示制御CPU591との間も同様に16ビットのデータバス、及びアドレスバス99により接続されている。また、メモリ基板520には8ビットのROM521,522が並列に設けられている。これにより、データバス幅が16ビットのメモリ基板を構成しており、コネクタ529により他の基板に接続される。同様に、メモリ基板530も8ビットのROM531,532と、コネクタ539とを備えている。
このように、本発明はVDP80とメモリ基板とを接続する場合に限られず、CPU等の他のICとメモリ基板とを接続する場合にも適用が可能である。また、上記実施の形態では液晶表示装置36の表示を制御する演出制御装置35,235,335,435について説明したが、本発明は他の制御装置にも適用できる。例えば、サブ統合基板58にメモリ基板を接続する場合や、電飾ランプ63を制御するための電飾基板46にメモリ基板を接続する場合等、CPU等のコントローラを有する基板にメモリ基板を接続する構造の制御装置であれば、本発明を適用することができる。
また、第一〜第三の実施の形態の演出制御基板43には、メモリ基板若しくは中継基板を接続するために2つのコネクタ84,85が設けられており、各コネクタからVDP80へ32ビットのデータバス86,87が接続されているが、演出制御基板43に設けられるコネクタの数は2つに限られない。例えば、メモリ基板若しくは中継基板を接続するためのコネクタを演出制御基板43に4つ配設し、各コネクタからVDP80へ16ビットのデータバスを接続することで、16ビットのメモリ基板4つを、64ビットのVDP80へ接続することもできる。すなわち、第二、第三の実施形態では、演出制御基板43に接続するメモリ基板の数を増やすために中継基板を用いているが、演出制御基板43のコネクタの数を増やすことで、接続するメモリ基板の数を増やすこともできる。このように、接続のバリエーションは上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態に示した各基板及びICのデータバス幅は一例にすぎず、適宜変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態のVDP80のビット数は64ビットであるが、8ビット、16ビット、32ビット、128ビット、256ビット等、他の値であっても本発明が適用できる。同様に、CPU、メモリ基板、及びメモリ基板に内蔵されるROM等に関しても、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、128ビット、256ビット等、データバス幅が異なる場合であっても本発明を適用することができる。
また、メモリ基板には1個以上のROMが搭載されていればよく、搭載されるROMの個数は上記実施の形態によって限定されるものではない。例えば、第一の実施形態では、第一メモリ基板120及び第二メモリ基板130に32ビットのROMを2つずつ搭載し、デコード回路124,134によって一方のROMを選択する信号を生成することで32ビットのメモリ基板を構成していたが、第二の実施形態におけるメモリ基板と同様にデコード回路を設けず、16ビットのROM2つや8ビットのROM4つを並列に接続することで32ビットのメモリ基板を構成することもできるし、32ビットのROMを1つ搭載したメモリ基板を接続させることもできる。
また、上記実施の形態では、データバスにより接続されている全てのコネクタにメモリ基板(若しくはメモリ基板が接続された中継基板)が接続されているが、少なくとも1つのコネクタにメモリ基板が接続されればよい。そして、メモリ基板が接続されていないコネクタがある場合、メモリ基板以外の他の基板を接続するためにコネクタを使用してもよい。例えば、先述した変形例である演出制御装置535において、表示制御CPU591に接続されているコネクタ94,95に、電飾基板46、払出制御基板45、中間基板47(図3参照)等の他の基板を接続し、コネクタ94,95に接続される基板に、表示制御CPU591が処理を行うためのプログラム等を記憶したROMが搭載されている構成とすることもできる。すなわち、コネクタに接続されるメモリ基板には、ROM以外の他のICが搭載されていてもよいため、接続のバリエーションは上記実施の形態に限られない。また、メモリ基板に搭載されているICはフラッシュROMに限られず、他の記憶媒体でもよいことは言うまでもない。
また、演出制御基板43はその他の基板、例えば、サブ統合基板58、主基板41、電飾基板46、払出制御基板45、中間基板47等と分離している必要は無く、いずれかの基板と一体型になっている複合ユニットであってもよい。また、第一、第三、第四の実施形態では、デコード回路がメモリ基板、中継基板、演出制御基板のいずれかに設けられているが、2つ以上の基板にデコード回路を設けてもよい。また、用途に応じて、1つの基板に2つ以上のデコード回路を設けることもできる。