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JP5080427B2 - 印刷機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のサーマルヘッドにより印刷を行う印刷機に係り、特に、サーマルヘッドの冷却を液冷方式の冷却装置によって行うことにより印刷スピードの高速化を実現する印刷機に関するものである。
発熱を利用して印刷を行う機器として代表的なものとしては、インクリボンを用いるものと、感熱記録紙を用いるものとがある。特に、カラー印刷が可能なインクリボンを用いた印刷機器の場合には、複数の色を用いることから、複数のサーマルヘッドを備える。他方、インクリボンを用いる方式の印刷機器では、通常、3種類以上の色彩のインクが塗布された複数のリボンを用いることによりカラー印刷を行う。
かかるサーマルヘッドは、インクリボンをその間に介して記録紙と対向して配置され、印刷は、当該サーマルヘッドの熱によりインクリボン上のインクを記録紙に転写して行う。また、サーマルヘッドは、記録紙の搬送路に沿って所定の間隔で配置されている。例えば、3個のサーマルヘッドを有する印刷機器の場合には、これら3個のサーマルヘッドは、それぞれ、イエロー用サーマルヘッド、マゼンタ用サーマルヘッド、シアン用サーマルヘッドとして、記録紙の搬送路に沿って、所定の間隔で、記録紙の搬送方向の上流側から順に配置されている。よって、記録紙への印刷は、記録紙を搬送しながら、まず、前述のようにイエロー用サーマルヘッドによってイエロー色画像を印刷し、以下、マゼンタ、そしてシアンと、順次、印刷を行っていくことによって、フルカラー画像を印刷する。
他方、カラー感熱記録紙を用いる方式の印刷機器では、加熱によって発色する少なくとも3色の感熱発色層を有するカラー感熱記録紙を用いて、フルカラー画像を印刷する。このカラー感熱記録紙には、例えば、シアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層がそれぞれ設けられており、各感熱発色層において選択的に発色が行われることから、各感熱発色層の熱感度は異ならせることになる。また、各感熱発色層は、積層して設けられており、一般的には、シアン感熱発色層は、熱感度が最も低いことから、最下層に設けられており、イエロー感熱発色層は、熱感度が高く、そのため、最上層に設けられている。一方、上層部の熱感度の高い感熱発色層を記録する際、記録済みの下層部の感熱発色層が再度発色しないようにするため、記録済みの感熱発色層には、特有な電磁線を照射して記録された発色を光定着する方法が用いられている。
かかるカラー感熱記録紙を用いる方式の印刷機器において、例えば、そのサーマルヘッド数が3である場合は、感熱記録紙の搬送路に沿って、所定の間隔で、記録紙の搬送方向の上流側から、イエロー用サーマルヘッド、マゼンタ用サーマルヘッド、そして、シアン用サーマルヘッドが配置されている。印刷は、カラー感熱記録紙を搬送しながら、まず、イエロー用サーマルヘッドによって、その最上層のイエロー感熱発色層にイエロー色画像を印刷し、当該イエロー色画像の印刷後に、イエロー用紫外線ランプで紫外線を照射してイエロー感熱発色層を光定着する。以下同様に、マゼンタ、シアンを、順次、印刷および光定着を行ってフルカラー画像を印刷する。
しかしながら、上記した様に熱を利用して印刷を行う印刷機器の場合、発熱素子としてのサーマルヘッドを用いるため、特に、連続して印刷を行う際には、サーマルヘッドの発熱がヘッド内に蓄熱され、そのため、その温度が上昇してしまう。この温度上昇は、サーマルヘッドが非通電の場合でもインクを反応発色させたり、又は、転写したりする等、誤作動を起こす要因ともなり、印刷品質を著しく低下させる懸念があった。
そのため、熱を利用して印刷を行う印刷機器において、その印刷速度の高速化を図るためには、サーマルヘッドの冷却が重要となる。一方、従来、サーマルヘッドの冷却方法としては、サーマルヘッドにファンとヒートシンクとを付けて冷却する強制空冷式が一般的であった。しかしながらが、サーマルヘッド周囲の制限された空間内では、強制空冷式による冷却能力向上には限界があることから、これに代えて、液冷式による冷却装置も検討されてきている。なお、この液冷式の冷却装置では、サーマルヘッドの熱を広い空間まで移動させ、そこで大きなラジエータによって冷却できるため、大幅な冷却性能の向上が実現可能である。
かかる液例方式によるサーマルヘッドを冷却するための技術が、以下の特許文献1〜3に開示されている。
特開平6−31957号公報 特開2006−218701号公報 特開2006−327143号公報
しかしながら、上述した従来技術になる液冷方式の冷却装置を備えたサーマルヘッドを搭載した印刷機器は、以下にも述べるような、解決しなければならない技術的な課題を有している。
まず、上記特許文献1に記載されたサーマルプリントヘッドでは、当該サーマルプリントヘッドの熱を、冷却液の流れるキャビティと伝熱面とを有する支持部材に熱伝達させ、もって、サーマルプリントヘッドの発熱を冷却する構成としている。しかしながら、当該特許文献1に記載の技術においては、複数のサーマルヘッド間の冷却方法や、熱影響などに関する記載はない。
上記特許文献2に記載されているサーマルプリンタの冷却装置では、隣接する記録ユニットの冷却用配管が相互に直列に接続され、冷却水が最上位の記録ユニットから順次下位の記録ユニットに供給される。しかし、当該特許文献2に記載の技術においては、上流側で受熱して温められた冷却水が下流側に通流されることから、下流側に位置する記録ユニットにおける冷却水の熱変換性能が次第に低下する問題を有する。
更に、上記特許文献3に記載されているプリンタでは、記録媒体の搬送経路に沿って複数の記録ユニットが配列され、そして、冷却液の通路を備えたヒートシンクが、冷却液の流路を相互に並列に接続され、もって、冷却装置が構成されており、これによれば、各記録ユニットでプリントが行われる場合、ラインサーマルヘッドが所定の温度以上に蓄熱しないように冷却されることとなる。しかしながら、当該特許文献3に記載の技術においては、冷却水を各ヒートシンクより排出してマニホルドに移送するための配管が複数個必要となるなど、装置の大型化や複雑化において、なお懸念がある。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑みなされたものであり、複数のサーマルヘッド間における冷却能力の平準化を図り、もって、印刷の高速化が実現可能な印刷機を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、まず、筐体内部に載置された記録媒体を所定の方向に搬送するための手段と、前記手段により搬送される記録媒体の搬送方向に沿って配置された複数のサーマルヘッドと、そして、前記複数のサーマルヘッドを冷却するための冷却装置とを筐体内に有し、もって、前記記録媒体を前記複数のサーマルヘッド部に沿って順次搬送して印刷を行う印刷機において、前記冷却装置は、前記複数のサーマルヘッドの各々に熱的に接続されて当該サーマルヘッドの熱を受熱し、かつ、互いにシリアルに配設されて冷媒液の循環流路を形成する複数の受熱部材と、少なくともファンを有しており、かつ、前記筐体の近傍に配置され、前記複数の受熱部材からの熱をラジエータを介して放熱する放熱部と、前記冷媒液を循環駆動するポンプと、前記複数の受熱部材と前記放熱部と前記ポンプとの間において、前記冷媒液を循環するように配設された配管部材とを備え、更に、前記筐体の内部に載置された前記記録媒体を低温に保持する手段を備えると共に、搬送される前記記録媒体への前記複数のサーマルヘッドによる記録の順序と、冷媒液が前記複数の受熱部材へ循環する順序とが逆になるように配置されている印刷機。
また、本発明では、前記に記載した印刷機において、前記冷却装置を構成する前記記録媒体を低温に保持する手段は、前記放熱部の前記ファンを、前記筐体の近傍に配置される前記ラジエータと前記筐体の内部に載置された前記記録媒体との間において、双方に対向する位置に配置することにより構成することが好ましく、そして、前記冷却装置では、更に、前記複数の受熱部材の間を、柔軟性を備えたポリマー製のチューブを用いて接続し、かつ、冷媒液の循環流路には気液分離手段を設けたことが好ましい。
さらに、本発明では、前記に記載した印刷機において、前記冷却装置を構成する前記複数の受熱部材の各々は、前記サーマルヘッドに熱的に接合されたプレート状部材とU字状のパイプとを備えていることが好ましく、そして、前記気液分離手段として、前記冷媒液をその内部に蓄えるタンクを用い、かつ、当該タンクを前記循環流路の一部であって、前記ポンプの上流側に設けたことが好ましい。更に、前記複数のサーマルヘッドは3個であり、かつ、当該サーマルヘッドの熱を受熱する前記複数の受熱部材も3個である。
上述した本発明になる印刷機によれば、複数のサーマルヘッドに対して熱的に接続して取り付けられる複数の受熱部材(ジャケット)をシリアルに接続して配管を簡素化し、筐体内において低温に保たれて載置され、順次搬送される記録媒体の印刷に伴う温度変化を考慮して、各サーマルヘッドの印刷順序において、記録媒体の温度の低い側を冷媒液の通流する下流側とし、即ち、複数のサーマルヘッドによる記録の順序と、冷媒液が複数の受熱部材へ循環する順序とを逆転することにより、複数の受熱部材(ジャケット)による冷却能力の平準化を図り、もって、印刷の高速化を実現するという、実用的にも優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、添付の図1は、本発明になる印刷機の概略構成を示す図であり、図2は、本発明になる印刷機にいて、その冷却装置を構成するジャケット周辺部を示す一部拡大斜視図である。
まず、図1に示すように、印刷機1の筐体内部には、ロール形態に形成された記録媒体(ロール状記録紙)2が載置している。この記録紙2は、図示のように、一対のピンチローラ3により挟持されて、そして、当該ピンチローラ3の回転によって、白抜き矢印方向に搬送される。この記録紙2の搬送速度は、上記ピンチローラ3の回転速度を制御回路4により制御することにより、適宜、設定される。そして、これらピンチローラ3によって搬送される記録紙2は、その搬送方向において、サーマルヘッドC、サーマルヘッドB、サーマルヘッドAの順に配置されている複数のサーマルヘッドによって印刷される。これらサーマルヘッドA、B、Cは、各々、記録紙2の幅方向に多数配列された発熱素子20を備えており、各発熱素子20は、当該印刷機に入力される印刷データに基づいて、加熱駆動される。
ここで、各サーマルヘッドA、B、Cには、冷却のための受熱ジャケット5A、5B、5Cが熱的に接合されている。更に、記録紙2にインクを転写するインクリボン6A、6B、6Cが、各サーマルヘッドA、B、Cに対向してロール状に巻かれた状態で設けられている。各サーマルヘッドのインクリボン6A、6B、6Cは、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンに分かれている。各インクリボン6A、6B、6Cは、印刷時において、未使用部分がサーマルヘッドA、B、Cと対向する位置に配置されるよう、その使用された部分が巻取りロール7により、記録紙2の搬送方向とは逆の方向に、巻き取られる。また、プラテンローラ8は、それぞれ、印刷時にサーマルヘッドA、B、C側に移動し、即ち、サーマルヘッドA、B、Cとインクリボン6A、6B、6Cと記録紙2とを密着させるように作用し、もって、サーマルヘッドA、B、Cの熱で溶解したインクリボン6A、6B、6Cのインクが確実に記録紙2に転写される。
続いて、各サーマルヘッドA、B、Cにより印刷された記録紙2は、更に、カッター9の位置まで搬送され、そこで、カッター9の働きにより、所望の長さでカットされ、そして、カットされた記録紙2はトレー10上に排出される。
ここで、これらのサーマルヘッドA、B、Cのための冷却装置の構成と動作について、以下に説明する。この冷却装置100は冷媒液を循環駆動する液冷方式の冷却装置とし、各サーマルヘッドA、B、Cの熱を受熱するための受熱ジャケット5A、5B、5Cと、放熱のためのラジエータ11と、当該ラジエータ11に冷却風(空気)を当てるためのファン12と、冷媒液を循環させるためのポンプ13と、冷媒液を貯留し、循環路内部に空気が循環する事を避けるためのタンク14とにより構成されている。
各サーマルヘッドA、B、Cとそのジャケット5A、5B、5Cとの間には、効率よく熱を伝導するためのサーマルシート(但し、図示せず)を挟持しており、このサーマルシートにより、これら両者は熱的に接続されている。尚、これらのサーマルヘッドA、B、Cは、所定の性能を得る上において所定の寿命を有する部品であるため、定期的な交換が必要となる。よって、本実施例では、これらサーマルヘッドの交換の容易性を考慮して、サーマルヘッドと密着する側のサーマルシートの表面には、その粘着性を緩和するためのマット処理を施している。
また、各ジャケット5A、5B、5Cは、添付の図2に示す様に、それぞれ、ベースプレート21とU字状のパイプ22とから構成されており、ベースプレート21とUパイプ22とは、所謂、ロウ付けにより接合されている。このベースプレート21とUパイプ22は、良好な熱伝導特性を持つ、例えば、アルミニウム材で形成されている。更に、各ジャケット5A、5B、5Cは、水分透過率が低くかつ金属パイプとの密着性にも優れたポリマー製のゴムチューブ23により接続されている。なお、このゴムチューブ23は柔軟性を備えているため、上記サーマルヘッドA、B、Cの交換時おけるジャケット5A、5B、5Cの取り外し作業を容易にする。尚、このゴムチューブ23は、水分透過率が低い部材により形成されてはいるが、しかし、僅かながら冷媒液がその表面から蒸発することから、冷媒液は、この蒸発分を見越して十分な液量を、タンク14に貯留して保有されている。また、このタンク14は、吸い込み側のポート141をタンク内部の液面142よりも低い位置に配置し、もって、冷媒液の循環路内部に空気が溜まる事を避ける構造としている。
ここで、複数のジャケットを備える液冷方式の冷却装置においては、各ジャケットへの冷媒液の流路を平行(パラレル)に接続にする場合と、直列(シリアル)に接続にする場合とが考えられる。しかしながら、本発明においては、冷媒液の流れる方向を、ポンプ13からジャケット5A、ジャケット5B、ジャケット5Cの順に流れ、その後、タンク14、ラジエータ11へ至るように、所謂、直列(シリアル)な流路を構成している。このように、ジャケット5A、5B、5C間の接続をシリアル(直列)にすることで、チューブによる接続を簡素化し、もって、チューブ長を短くしている。このチューブ長は、短い程、その表面からの冷媒液の蒸発量を抑えることができ、これにより、タンク14の小型化やコスト低減を図ることが出来る。但し、ジャケット5A、5B、5C間の接続をシリアル(直列)にすると、その流路抵抗が増大するが、しかしながら、これに対応し、本実施例では、ポンプ13には吐出圧の高いピストン式のものを用いている。尚、このポンプは、吐出圧の高いポンプであればよく、必ずしも、上記ピストン式に限られるものではなく、その他、例えば、ギア式やベーン式、渦流式のポンプであっても良い。
また、後にも詳細に説明するが、本発明においては、複数(3個)のジャケットは、冷媒液の流れる方向に対し、その上流側から、ジャケット5A、ジャケット5B、ジャケット5Cの順に配置され、他方、これらのジャケットは、記録紙2の搬送方向に対しては、サーマルヘッドC、サーマルヘッドB、サーマルヘッドAの順に配置されている。即ち、これら複数(3個)のサーマルヘッドとそれらを冷却する複数(3個)のジャケットとの関係は、冷媒液の流れる方向に対する順序、換言すれば、冷媒液が複数のジャケットを流れる順序と、記録紙2の搬送方向に対する順序、換言すれば、複数のサーマルヘッドによる記録媒体への記録の順序とが逆転するように配置されている。
また、ポンプ13の上流側にタンク14を配置することによれば、ポンプ13の内部に空気が入り込むのを抑制し、もって、ポンプがその性能が低下することから回避している。すなわち、ゴムチューブ23から冷媒液が蒸発すると、チューブ内部には空気が入り込んで溜まり、その溜まった空気は冷媒液の循環に伴ってタンク14内に流れ込んで、タンク14の内部に貯留されることになる。従って、ポンプ13内には空気が入り込まず、そのため、ポンプ性能を低下することはない。また、ポンプ13の上流側にラジエータ11を配置しているため、ポンプ13にはラジエータ11により冷却された冷媒液が流れることとなり、ポンプを低い温度に保つことができ、即ち、ポンプ13の寿命や信頼性の点において有利となる。
次に、本発明になる印刷機において、上記冷却装置100によるサーマルヘッドA、B、Cの冷却について、以下に、添付の図2及び図3を用いて詳細に説明する。なお、図3は、本発明になる印刷機におけるジャケットの周囲の構成を示すための一部拡大側面図である。特に、サーマルヘッドを構成する発熱体20の熱が記録紙2に伝わる様子を示している。尚、図3において、図2におけると同様、説明を分かり易くするためにインクリボンはその記載が省略されており、また、複数(3個)のサーマルヘッドA、B、Cのうち、ロール状の記録紙2に近い2個サーマルヘッドBとCが代表的に示されている。
ここで、図2にも明らかなように、サーマルヘッドA、B、Cにおける発熱は、サーマルシートを介してそれぞれのベースプレート21に熱伝達され、更に、Uパイプ22に熱伝達されて、当該Uパイプ22中を流れる冷媒液に熱伝達される。この冷媒液に熱伝達された熱は、冷媒液の循環移送により、ラジエータ11に達し、そこで冷却風(空気)に放熱される。このラジエータ11の放熱面には、放熱性能を向上させるため、その内部に冷媒液が流れる扁平管(但し、図示せず)と、その周囲にはコルゲートフィン(図示せず)とが、ロウ付けにより固定されている。ラジエータ11における放熱は、ファン12による送風によって行われる。ラジエータ11の放熱面に送風するファン12は、ラジエータ11に対向して配置されている。また、ラジエータ11は、印刷機1の筐体の内部壁面に取り付けられており、ファン12による通風が装置内部から外部へ向かうように配置されている。すなわち、各サーマルヘッドA、B、Cの熱は、ラジエータ11に熱移送され、そして、ファン12の通風によってラジエータ11から筐体外部に放熱されることから、サーマルヘッドの熱は機器内部に放散されることはない。
また、印刷機1の筐体内部におけるファン12の吸気側近傍には、上記ファン12に略対峙するように、ロール状の記録紙2が配置されている。これによれば、ファン12による生じる低温の吸気風が記録紙2の周囲を通風し、もって、当該記録紙2の温度を低い状態に保持することが出来る。
次に、シリアル(直列)に配置された複数(3)個のサーマルヘッドとジャケットとの間の熱変換の状態を、以下に、具体的に説明する。なお、前述したように、説明の都合により、特に、2つのサーマルヘッドBとCとジャケット5Bと5Cの関係で説明する。
上記の図2及び図3に示すように、各サーマルヘッドの発熱素子における発熱量をW1、W2とすると、これら発熱素子の発熱量(W1、W2)は、ジャケット5B、5Cと共に記録紙2に熱伝達されることから、ジャケット5B、5Cへの熱伝達熱量(Ww1、Ww2)と記録紙への熱伝達熱量(Wp1、Wp2)との関係は、以下の(数式1)により示される。
W1=Ww1+Wp1
W2=Ww2+Wp2 …(数式1)
また、各サーマルヘッドの発熱素子の温度をTh1、Th2とし、上流側ジャケット5Bに入る冷媒液の温度をTw1、下流側ジャケット5Cに入る冷媒液の温度をTw2とする。
ここで、上流ジャケット5Bに入る冷媒液の温度(Tw1)と、下流ジャケット5Cに入る冷媒液の温度(Tw2)との関係は、下流ジャケット5Cに入る冷媒液は上流側に比べて△Twだけ高くなるとすると、以下の(数式2)により示される。
Tw2=Tw1+△Tw …(数式2)
また、各ジャケットの受熱量(Ww1,Ww2)は、以下の(数式3)で示される。
Ww1=(Tw1-Th1)/Rj
Ww2=(Tw2-Th2)/Rj=(Tw1+△Tw-Th2)/Rj…(数式3)
ここで、Rj:ジャケットの熱抵抗値(定数)。
ここで、各々のジャケット5B、5Cが受ける熱量(Ww1,Ww2)が同じ(Ww1=Ww2)であれば、上記の(数式3)において、Th2=Th1+△Twとなる。即ち、下流側ジャケットの発熱素子の温度は、△Twだけ上昇する事になる。
これとは逆に、下流側のサーマルヘッドの発熱素子の温度を、上流ジャケット5Bからの熱の影響を受けない場合と同様の温度、即ち、(Th1=Th2)とするためには、下流ジャケット5Cの受熱量(Ww2)を上流ジャケット5Bの受熱量(Ww1)よりも少なくしなければならない。これは、上記の(数式3)においてTh1=Th2とすることにより、以下の(数式4)で示される。
Ww2=Ww1-△Tw/Rj …(数式4)
以上に述べた様に、各ジャケットの受熱量が等しい場合は、下流側ジャケット5Cの発熱素子の温度は、上流側に比べて△Twだけ上昇し、逆に、各発熱素子の温度を等しく維持するには、下流側ジャケット5Cの受熱量を△Tw/Rjだけ少なくする必要がある。
次に、記録紙2への熱伝達について説明する。なお、記録紙2は、上記図3に示される様に、サーマルヘッドの発熱素子の熱を受けつつ搬送されるため、記録紙2の搬送方向の下流側に位置するサーマルヘッドは、記録紙2の搬送方向上流のサーマルヘッドで温められた記録紙2に対して印刷することになる。
従って、記録紙2の温度(Tp1、Tp2)の関係は、記録紙2の搬送方向上流のサーマルヘッドの発熱素子による温度上昇を△Tpとすると、以下の(数式5)で示される。
Tp1=Tp2+△Tp …(数式5)
また、記録紙への熱伝達量(Wp1、Wp2)は、以下の(数式6)により示される。
Wp1=α・λ(Th1―Tp1)
Wp2=α・λ(Th2―Tp2)
=α・λ(Th2―Tp1)+α・λ・△Tp …(数式6)
ここで、α:定数、λ:記録紙の熱伝導率である。
上記の(数式6)は、記録紙2の温度(Tp1,Tp2)が低い程、記録紙2側への熱伝達量が増加することを示す。
また、各発熱素子の温度(Th1,Th2)が等しい場合は、上記の(数式6)においてTh2=Th1とすることにより、以下の(数式7)が示される。
Wp2=Wp1+α・λ・△Tp …(数式7)
なお、上記(数式6)は、記録紙2への熱伝達量は、記録紙2の搬送上流側(Wp2)の方が、下流側(Wp1)よりもα・λ・△Tpだけ多くなることを示す。
ここで、本発明においては、冷媒液の下流側のサーマルヘッドは、記録紙2の搬送方向の上流側に位置させる。これにより、サーマルヘッドの発熱素子の温度(Th1、Th2)を等しくするための条件、即ち、下流側ジャケット5Cの受熱量を△Tw/Rjだけ少なくする事を、記録紙への熱伝達量を増加させる事によって実現可能とする。なお、このための条件は、発熱素子の発熱量(W1、W2)が略等い場合においては、上記の(数式1)、(数式4)、(数式7)から、以下の(数式8)としてまとめることができる。
△Tw/Rj=α・λ・△Tp …(数式8)
尚、前記の(数式8)が示すように、記録紙2の熱伝導率λが高い程、記録紙2側への熱伝達量が増加することから、下流側ジャケット5Cの受熱量を低下させることが出来る。即ち、紙の熱伝導率は、一般的に、比重が高いほど高くなるため、比重の高い用紙を用いることにより、記録紙2側への熱伝達量をより多くすることができ、もって、冷媒液の下流側ジャケット5Cの受熱量をより低減することが可能である。
本実施例においては、例えば、その厚さが0.1mm以上で、かつ、その重さが104g/m2以上の、比重の高い紙(表面に塗料と塗布した塗工紙)を用いている。また、これにより、本実施例では、記録紙2側への放熱量は、下流側のサーマルヘッドでは上流側に比べて5〜10W多くなっている。また、記録紙2の温度については、先にも述べた様に、ファンによる吸気風によって低く保っており、もって、記録紙2側への熱伝達量が多くなるようになっている。更に、上述した実施例では、記録紙2としては、ロール状に巻かれたものについてのみ説明したが、これに代えて、複数枚を重ねたものであってもよい。
以上述べて来たように、本発明によれば、複数のサーマルヘッドに対応した各ジャケットをシリアル(直列)に接続する事で配管を簡素化した液冷方式の冷却手段を採用することにより、印刷機の内部における主な熱源である複数(3個)のサーマルヘッドの熱を、当該装置の筐体内部に撒き散らすことなく、むしろ、当該印刷機の外部に放出し、また、ラジエータ冷却用のファンの吸気風により記録媒体(紙)の温度を低く保ち、この低温に保たれた記録媒体(紙)を、その構成配置からその温度が高くなる傾向を示す、冷媒流の
下流側のサーマルヘッドから順に搬送することにより、当該下流側のサーマルヘッドの温度上昇を抑制し、これにより印刷速度の高速化を可能にする。
尚、本実施例においては、記録媒体としてロール状の記録紙をファンの吸気の近傍に配置するものとして説明したが、本発明はこれに限られず、その他、サーマルヘッド以外の他の熱源の熱が伝わらず、もって、記録媒体の温度が低く保たれる構造であれば良い。また、上記の実施例においては、印刷装置一例として、インクリボンを用いた熱転写型の印刷装置について説明したが、しかしながら本発明はこれにのみ限ることなく、記録媒体自体が感熱反応するタイプの印刷装置であっても良い。
本発明の一実施の形態になる印刷機の全体概略構成を示す図である。 上記冷却装置におけるジャケット周辺の構成を示す一部拡大斜視図である。 上記冷却装置におけるジャケット周辺の構成を示す一部拡大側面図である。
符号の説明
1…印刷機、2…記録紙、3…ピンチローラ、4…制御回路、5…ジャケット、6…インクリボン、7…インクリボン巻取りロール、8…プラテンローラ、9…カッター、10…トレー、11…ラジエータ、12…ファン、13…ポンプ、14…タンク、141…タンク内部の吸い込み側ポート、142…タンク内部の液面、A〜C…サーマルヘッド、15…ファンの風、20…サーマルヘッドの発熱素子、21…ベースプレート、22…Uパイプ、23…ゴムチューブ、100…冷却装置。

Claims (6)

  1. 筐体内部に載置された記録媒体を所定の方向に搬送するための手段と、
    前記手段により搬送される記録媒体の搬送方向に沿って配置された複数のサーマルヘッドと、そして、
    前記複数のサーマルヘッドを冷却するための冷却装置とを筐体内に有し、もって、前記記録媒体を前記複数のサーマルヘッド部に沿って順次搬送して印刷を行う印刷機において、
    前記冷却装置は、
    前記複数のサーマルヘッドの各々に熱的に接続されて当該サーマルヘッドの熱を受熱し、かつ、互いにシリアルに配設されて冷媒液の循環流路を形成する複数の受熱部材と、
    少なくともファンを有しており、かつ、前記筐体の近傍に配置され、前記複数の受熱部材からの熱をラジエータを介して放熱する放熱部と、
    前記冷媒液を循環駆動するポンプと、
    前記複数の受熱部材と前記放熱部と前記ポンプとの間において、前記冷媒液を循環するように配設された配管部材とを備え、更に、
    前記筐体の内部に載置された前記記録媒体を低温に保持する手段を備えると共に、
    搬送される前記記録媒体への前記複数のサーマルヘッドによる記録の順序と、冷媒液が前記複数の受熱部材へ循環する順序とが逆になるように配置されていることを特徴とする印刷機。
  2. 前記請求項1に記載した印刷機において、前記冷却装置を構成する前記記録媒体を低温に保持する手段は、前記放熱部の前記ファンを、前記筐体の近傍に配置される前記ラジエータと前記筐体の内部に載置された前記記録媒体との間において、双方に対向する位置に配置することにより構成することを特徴とする印刷機。
  3. 前記請求項2に記載した印刷機において、前記冷却装置では、更に、前記複数の受熱部材の間を、柔軟性を備えたポリマー製のチューブを用いて接続し、かつ、冷媒液の循環流路には気液分離手段を設けたことを特徴とする印刷機。
  4. 前記請求項3に記載した印刷機において、前記冷却装置を構成する前記複数の受熱部材の各々は、前記サーマルヘッドに熱的に接合されたプレート状部材とU字状のパイプとを備えていることを特徴とする印刷機。
  5. 前記請求項4に記載した印刷機において、前記気液分離手段として、前記冷媒液をその内部に蓄えるタンクを用い、かつ、当該タンクを前記循環流路の一部であって、前記ポンプの上流側に設けたことを特徴とする印刷機。
  6. 前記請求項5に記載した印刷機において、前記複数のサーマルヘッドは3個であり、かつ、当該サーマルヘッドの熱を受熱する前記複数の受熱部材も3個であることを特徴とする印刷機。
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