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JP5078353B2 - ポリマー組成物 - Google Patents

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JP5078353B2
JP5078353B2 JP2006527415A JP2006527415A JP5078353B2 JP 5078353 B2 JP5078353 B2 JP 5078353B2 JP 2006527415 A JP2006527415 A JP 2006527415A JP 2006527415 A JP2006527415 A JP 2006527415A JP 5078353 B2 JP5078353 B2 JP 5078353B2
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Description

発明の詳細な説明
本発明は、ポリマー組成物、該ポリマー組成物の調製方法、ポリマー組成物の、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面の被覆への使用、及び薄い単層、又は多層フィルム及び
成形品の製造への使用、前記ポリマー組成物によって、該表面を被覆する方法、及び得られた物品又は物品の部品に関する。
極端に広いプラスチック材料の分野においては、使用のために、耐火性を改良するための添加剤、耐紫外線剤、可塑剤、染料、帯電防止剤、曇り止め剤、付着促進剤のような、特性を改良することを意図して、添加剤をポリマーに添加することが行われている。ある場合には、望まれた特性の改良は、ポリマーの塊に存在する。この場合において、その塊内に分配された添加剤の付加は、良好な有効性の獲得を可能とする。
ほかの特性については、含まれる現象は第一の表面現象(大気に向かった)、又は界面現象(被覆支持物に向かった)である。これらの場合において、添加剤が役立つ場所に存在しない限り、ポリマーと共に形成する組成物の塊中における添加剤の分布は、主要な欠点を有することとなり、添加剤を表面または界面において、十分な量を存在させるため、必要とするよりも多い量の添加剤を導入する必要を生じさせる。この過剰量は、追加のコストを生じさせるだけでなく、遮蔽特性や機械特性等の材料のその他の特性に対して、消極的な影響を有することもありうる。ある場合では、相容れない添加剤を使用することによって、それらの添加剤を界面又は表面に向かって移動させることもある。この場合においては、添加剤は低いモル質量を有しており、かつ移動した表面から迅速に洗い流されるため、結果として有効性の損失となる。例えば、蒸気によってフィルムの表面から洗い流される曇り止め剤の場合である。
従って、本分野における主要な改良は、添加剤が有用な個所(ポリマー/大気表面、ポリマー/金属界面、ポリマー1/ポリマー2界面、等)に優先的に移動することができる添加剤を含む、ポリマー組成物を得ることであった。この選択的移動に加えて、簡単に洗い流されることを避けるために、添加剤はポリマーとの十分な相溶性を示す必要がある。
加えて、金属表面被覆の分野においては、3つの層が一般的に適用される:最初の層が付着のために使用され、第二の層が被覆の特性を提供し、最後に仕上げ層が表面特性を提供する。単層において、必要とする個所に移動する添加剤を含む組成物の使用は、大幅な技術的進歩になるであろう。
本発明の主題は、そのようなポリマー組成物である。
この効果のため、本発明は、以下のものを含むポリマー組成物に関する:
1)エチレン性不飽和モノマー(M1)から誘導するモノマー単位を少なくとも50質量%含むポリマー(P1)、及び
2)少なくとも、以下の成分を含む、少なくとも1種のコオリゴマー(O1):
a)ポリマー(P1)の基礎となったモノマー(M1)から誘導されたモノマー単位と同一のモノマー単位を少なくとも一つ含む成分(A)、及び
b)エチレン性不飽和モノマーから誘導され、以下の基から選択される少なくとも一つ
の基を有する、モノマー単位(m2)を少なくとも一つ含む成分(B):
− −Ca2a+1 (aは6から30の間)、
− −(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上)、
− −(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33 (dは1から1
1の間、eは1から1000の間)、
− −COOH、
− −SO3H、及び
− ホスホネート基 −PO(OH)(OR1) (R1は、水素原子又は1から1
1の炭素原子を含むアルキル基)。
本発明の目的のために、“ポリマー(P1)”という用語は、コオリゴマー(O1)よりもモル質量が大きいポリマーを意味することとする。例えば立体排除クロマトグラフィー又は元素分析を用いて決定した、本発明による組成物に含まれるポリマー(P1)の数平均モル質量は、30,000より大きいことが有利である。ポリマー(P1)の数平均モル質量は、有利には2,000,000以下であり、好ましくは1,000,000以下であり、さらに好ましくは500,000以下であり、最も好ましくは250,000以下である。
ポリマー(P1)は、さらに有利には、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて決定した多分散性率(polydispersity index)(数平均モル質量に対する質量平均モル質量の割合)が1以上であることを特徴とする。ポリマー(P1)は、有利には4以下の多分散性率で特徴付けられる。
本発明の目的のために、“エチレン性不飽和モノマー(M1)から誘導されたモノマー単位を含むポリマー(P1)”との表現は、付加重合によって得られたポリマーを意味するものとする。ポリマー(P1)は、エチレン性不飽和モノマー(M1)から誘導されたモノマー単位を、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%含有している。
そのようなポリマー(P1)の例としては、ハロゲン化ポリマー、アクリル酸又はそのエステルのポリマー、メタクリル酸又はそのエステルのポリマー、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルのポリマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、若しくはこれらの誘導体のポリマー、ビニルアセテートポリマー、イタコン酸のポリマー、マレイン酸のポリマー、若しくはマレイン酸無水物のポリマー、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン若しくはこれらの誘導体のポリマー、等があげられる。
好ましくは、本発明による組成物のポリマー(P1)は、ハロゲン化ポリマーである。この場合において、エチレン性不飽和モノマー(M1)は、従って好ましくはハロゲン化モノマーである。
“ハロゲン化ポリマー”という用語は、ハロゲン化モノマーのホモポリマー及びハロゲン化モノマー同士及び/又は非ハロゲン化モノマーとハロゲン化モノマーが形成するコポリマーの両者を意味するものとする。言い換えれば、ハロゲン化ポリマーは、ハロゲン化モノマーから誘導されたモノマー単位を、有利には少なくとも50質量%、好ましくは60質量%、より好ましくは70質量%含んでいる。
“ハロゲン化モノマー”という用語は、少なくとも一つのハロゲン原子を含有している全てのエチレン性不飽和モノマーを意味するものとする。ハロゲン化モノマーの例としては、臭化モノマー、例えば臭化ビニル、フッ化モノマー、例えばフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化アリル及び3,3,3−トリフルオロプロペン、並びに塩素化モノマーがあげられる。
より好ましくは、本発明による組成物のポリマー(P1)は、塩素化ポリマーである。この場合において、エチレン性不飽和モノマー(M1)は、従ってより好ましくは、塩素化モノマーである。
“塩素化ポリマー”という用語は、塩素化モノマーのホモポリマー、及び塩素化モノマー同士及び/又は塩素化モノマーと非塩素化モノマーとのコポリマーの両者を意味するものとする。これらコポリマーは、ランダムコポリマー、グラジエントコポリマー、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーであってもよい。塩素化ポリマーは有利には、塩素化モノマーから誘導されたモノマー単位を、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%含有する。
“塩素化モノマー”という用語は、少なくとも一つの塩素原子を含むすべてのエチレン性不飽和モノマーを意味するものとする。塩素化モノマーの例としては、塩素原子の数が1の塩素化モノマー、塩素原子の数が2の塩素化モノマー、トリクロロエチレン、1,1,3−トリクロロプロペン及びテトラクロロエチレンがあげられる。
“非塩素化モノマー”という用語は、例えばビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン及びその誘導体、ブタジエン、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン、イタコン酸及び無水マレイン酸等を意味する。
塩素化モノマーのうち第一に好ましい群は、塩素原子数が1の塩素化モノマーからなる。塩素原子数が1の塩素化モノマーの例としては、アリルクロライド、クロチルクロライドをあげることができ、特に塩化ビニルがあげられる。
塩素化モノマーのうち、第二に好ましい群は、塩素原子数が2である塩素化モノマーからなる。塩素原子数が2の塩素化モノマーの例としては、1,1−ジクロロプロペン、1,3−ジクロロプロペン、2,3−ジクロロプロペンをあげることができ、特に塩化ビニリデンがあげられる。
最も特に好ましくは、本発明による組成物のポリマー(P1)は、塩化ビニリデンのポリマーである。従って、この場合において、エチレン性不飽和モノマー(M1)は、最も特に好ましくは塩化ビニリデンである。
塩化ビニリデンポリマーの中では、塩化ビニリデンのコポリマーが好ましい。本発明の目的のためには、“塩化ビニリデンのコポリマー”という用語は、主要なモノマーとして塩化ビニリデンと、前記モノマーと共重合可能な一以上のモノマーとのコポリマーを意味するものとする。従って、得られたコポリマー中においては、塩化ビニリデンは、少なくとも50質量%の割合で、有利に存在する。
塩化ビニリデンと共重合可能なモノマーのうち、特に制限は無いが、塩化ビニル、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルエーテル類、アクリル酸類、そのエステル及びそのアミド、メタクリル酸類、そのエステル及びそのアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン、イタコン酸及び無水マレイン酸があげられる。
特に好ましい塩化ビニリデンのコポリマーは、共重合可能なモノマーとして、塩化ビニル、及び/又は、無水マレイン酸と以下の一般式と一致する(メタ)アクリルモノマーから選択される少なくとも1種のモノマーを含有するものである:
CH2=CR23
式中、R2は、水素、メチル基、及び基−COOHから選択され、R3は、基−CN、基−CH2−COOH及び基−COR4から選択され、ここで、R4は、基−OH、基−O−R5、基−NR67から選択され、ここで、R5は、任意に1以上の基−OHを含有した、1から18の炭素原子を含むアルキル基、及び合計で1から10の炭素原子を含むアルコキシアルキル基から選択され、R6及びR7は同一又は異なってもよく、水素、及び任意に一以上の基−OHを有する、1から10の炭素原子を含むアルキル基から選択される。
最も好ましい塩化ビニリデンのコポリマーは、共重合可能なモノマーとして、無水マレイン酸、及び(メタ)アクリルモノマー、すなわちメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、エチレングリコールメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、及びN−メチロールアクリルアミドから選択される少なくとも一つのモノマー及び/又は塩化ビニルを含有するものである。
一般に、塩化ビニリデンコポリマー中の塩化ビニリデンの量は、50から95質量%の範囲であり、好ましくは60から95質量%の範囲であり、さらに好ましくは70から95質量%の範囲である。
一般には、塩化ビニリデンコポリマー中の塩化ビニルの量は、3から50質量%の範囲であり、好ましくは3から40質量%の範囲であり、さらに好ましくは4.5から30質量%の範囲である。
一般には、塩化ビニリデンコポリマー中の、無水マレイン酸及び/又は(メタ)アクリルモノマーの量は、1から50質量%の範囲であり、好ましくは2から40質量%の範囲であり、さらに好ましくは2から30質量%の範囲である。
本発明による組成物に含まれるポリマー(P1)は、公知の付加重合法のいずれかによって調製することが可能である。質量重合、溶媒溶液中での重合、水分散重合を問わず、該ポリマーをラジカル重合法で調製することが好ましい。ポリマー(P1)が塩化ビニリデンポリマーであるときは、特に好ましくは水分散ラジカル重合法で調製し、最も好ましくは水懸濁ラジカル重合法又は水エマルションラジカル重合法で調製する。
本発明の目的のためには、“水分散重合”という表現は、水懸濁ラジカル重合並びに水エマルションラジカル重合及び水マイクロサスペンション重合を意味するものとする。
本発明の目的のためには、“水懸濁ラジカル重合”という表現は、油溶解性ラジカル開始剤及び分散剤の存在下、水媒体中で行われるラジカル重合法を意味するものとする。
本発明の目的のためには、“水エマルションラジカル重合”という表現は、水溶解性ラジカル開始剤及び乳化剤の存在下、水媒体中で行われるラジカル重合法を意味するものとする。
本発明の目的のためには、“水マイクロサスペンション重合”(ミニエマルション重合又は均質化水分散重合ともいわれる)という表現は、油溶解性開始剤を用い、モノマー小滴のエマルションが、乳化剤の存在下で激しい機械攪拌によって調製されるすべてのラジカル重合法を意味するものとする。
“少なくとも1種のコオリゴマー(O1)”という表現は、本発明によるポリマー組成物が少なくとも1種のコオリゴマー(O1)を含有しなければならないが、いくつかのコオリゴマーを含んでいてもよいということを意味するものとする。該組成物は好ましくは、ただ1種のコオリゴマーを含有する。
本発明の目的のためには、“コオリゴマー(O1)”という用語は、低いモル質量のコポリマーを意味するものとする。例えば、サイズ排除クロマトグラフィー又は元素分析で決定した、本発明による組成物に含まれるコオリゴマー(O1)の数平均モル質量は、有利には100以上、好ましくは500以上、特に好ましくは1,000以上である。コオリゴマー(O1)の数平均モル質量は、有利には30,000以下、好ましくは25,000以下、特に好ましくは20,000以下である。
コオリゴマー(O1)は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて決定した多分散性率(polydispersity index)(数平均モル質量に対する質量平均モル質量の割合)が、1以上の値で特徴付けられる。コオリゴマー(O1)は多分散性率が有利には3以下、好ましく2.5以下、特に好ましくは2以下の値で特徴付けられる。
コオリゴマー(O1)中におけるモノマー単位の鎖は、有利にはランダムタイプ、交互タイプ、ブロックタイプ又はグラジエントタイプであり、好ましくはブロックタイプ又はグラジエントタイプである。コオリゴマー(O1)の構造は、有利には直鎖状又は分岐状(例えば、グラフト状、櫛型状分岐、星型分岐)であり、好ましくは直鎖状である。コオリゴマー(O1)は、特に好ましくはブロック又はグラジエントタイプのモノマー単位の鎖を有する直鎖状の構造で特徴付けられる。
コオリゴマー(O1)においては、成分(A)は、前記で定義したポリマー(P1)の基礎となる、エチレン性不飽和モノマー(M1)から誘導されたモノマー単位と同一のものを、好ましくは前記で定義したハロゲン化モノマーから誘導されたモノマー単位と同一のもの、特に好ましくは前記で定義した塩素化モノマーから誘導されたモノマー単位と同一のもの、最も好ましくは塩化ビニリデンモノマー単位と同一のものを、少なくとも一種含有する。
コオリゴマー(O1)の成分(A)は、モノマー(M1)から誘導された少なくとも1種のモノマー単位を含む。好ましくは、成分(A)のモノマー(M1)から誘導されたモノマー単位は、コオリゴマー(O1)の少なくとも10質量%存在し、特に好ましくはコオリゴマー(O1)の少なくとも25質量%存在する。
有利には、成分(A)のモノマー(M1)から誘導されたモノマー単位は、コオリゴマー(O1)の多くても90質量%、好ましくはコオリゴマー(O1)の多くても85質量%、特に好ましくはコオリゴマー(O1)の多くても75質量%存在する。
コオリゴマー(O1)の成分(A)は、上記に定義したモノマー(M1)と共重合可能な少なくとも一つのモノマーから誘導した少なくとも一つのモノマー単位、すなわち、(M1)が好ましくはハロゲン化モノマーである場合にはハロゲン化モノマー及び/又は非ハロゲン化モノマー、(M1)がより好ましくは塩素化モノマーである場合には塩素化モノマー及び/又は非塩素化モノマー、又は最も好ましくは(M1)が塩化ビニリデンである場合には塩化ビニリデンと共重合可能なモノマーから誘導した少なくとも一つのモノマー単位を含んでもよい。
コオリゴマー(O1)の成分(A)は、有利には、モノマー(M1)と共重合可能なモノマーの、少なくとも1種から誘導されたモノマー単位を、少なくとも1種含む。好ましくは、成分(A)のモノマー(M1)と共重合可能なモノマーの少なくとも1種から誘導されたモノマー単位は、コオリゴマー(O1)の少なくとも2質量%、特に好ましくは、コオリゴマー(O1)の少なくとも5質量%の量で存在する。
有利には、成分(A)のモノマー(M1)と共重合可能なモノマーの少なくとも1種から誘導されたモノマー単位は、コオリゴマー(O1)の多くとも50質量%、好ましくは、コオリゴマー(O1)の多くとも30質量%、特に好ましくは、コオリゴマー(O1)の多くとも25質量%の量で存在する。
コオリゴマーにおいて、成分(B)は、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含み、該モノマー単位(m2)は、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、以下の基から選択される少なくとも一つの基を有する:
− −Ca2a+1 (aは6から30の間)、
− −(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上)、
− −(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33 (dは1から11の間
、eは1から1000の間)、
− −COOH、
− −SO3H、及び
− ホスホネート基 −PO(OH)(OR1) (R1は、水素原子、又は1から11の
炭素原子を含むアルキル基)。
前述の基から選択する少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)が誘導されるエチレン性不飽和モノマーは、それ自身が当該基の少なくとも一つを有するエチレン性不飽和モノマー(M2)であることができるが、その上、当該基が−COOH、−SO3H又はホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子、又は炭素原子を1から11含むアルキル基)である場合には、エチレン性不飽和モノマー(M2’)は、全体もしくは部分的に開裂した後に、当該基に帰着する基を有する。“開裂”という用語は、−COOH、−SO3H又は−PO(OH)(OR1)の基を得ることを可能とする、いずれの反応をも意味するものとする。加水分解反応は、開裂の内特に好ましいものである。
少なくとも一つの基−Ca2a+1(aは6から30の間)を有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、例えば、以下のモノマーをあげることができる:
CH2=CH−CO−O−Ca2a+1
CH2=C(CH3)−CO−O−Ca2a+1
X−O−CO−CH=CH−CO−O−Ca2a+1 (Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(CH2−CO−O−Ca2a+1)(CO−O−X) (Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(CH2−CO−O−X)(CO−O−Ca2a+1) (Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(O−CO−Ca2a+1)(CO−O−X) (Xはいずれの基でもよい),及び
CH2=C(O−CO−X)(CO−O−Ca2a+1) (Xはいずれの基でもよい)。
少なくとも一つの−Ca2a+1基を有するモノマー単位(m2)において、aは有利には6以上であり、好ましくは12以上である。aは有利には30以下であり、好ましくは20以下である。aは特に好ましくは、18である。
少なくとも一つの基−(CH2b−Cc2c+1(bは1から11の間、cは5以上)を有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、例えば以下のものをあげることができる:
CH2=CH−CO−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=CH−CO−O−(CH2f−NR8−SO2−(CH2b−Cc2c+1(R8は水素原子又は基−CH3であり、fは1から15の間、好ましくは2から11の間、特に望ましくは2である),
X−O−CO−CH=CH−CO−O−(CH2b−Cc2c+1 (Xはいずれの基でもよい),
CH2=CH−C64−CH2−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=CH−O−CO−(CH2b−Cc2c+1
CH2=C(CH2−CO−O−X)(CO−O−(CH2b−Cc2c+1) (Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(CO−O−X)(CH2−CO−O−(CH2b−Cc2c+1) (Xはいずれの基でもよい),及び
CH2=C(O−CO−X)(CO−O−(CH2b−Cc2c+1) (Xはいずれの基でもよい)。
少なくとも一つの基−(CH2b−Cc2c+1を有するモノマー単位(m2)において、bは有利には1以上である。bは有利には11以下であり、好ましくは5以下であり、特に好ましくは3以下である。cは、有利には5以上であり、好ましくは6以上である。cは好ましくは20以下であり、特に好ましくは10以下である。cは8が最も好ましい。
コオリゴマー(O1)の成分(B)が、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、少なくとも一つの基−(CH2b−Cc2c+1を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含むときは、コオリゴマー(O1)は、ブロックタイプのモノマー単位の鎖を有する直鎖構造で特徴付けられることが、最も好ましい。
少なくとも一つの基−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33(dは1から11の間、eは1から1000の間)を有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、以下のモノマーをあげることができる:
CH2=CH−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33
CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33
CH2=CH−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33
X−O−CO−CH=CH−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33 (Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(O−CO−X)(CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33 )(Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(CO−O−X)(CH2−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33) (Xはいずれの基でもよい),及び
CH2=C(CH2−CO−O−X)(CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33) (Xはいずれの基でもよい)。
少なくとも一つの基−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33を有するモノマー単位(m2)において、dは有利には1以上である。dは、有利には11以下であり、好ましくは5以下であり、特に好ましくは3以下である。eは有利には1以上である。eは有利には1000以下であり、好ましくは500以下であり、特に好ましくは100以下である。
少なくとも一つの基−COOHを有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、以下のモノマーをあげることができる:
CH2=CH−COOH,
CH2=C(CH3)−COOH,
CH2=C(CH2−COOH)(COOH),
HOOC−CH=CH−COOH,
CH2=CH−CO−O−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=C(CH3)−CO−O−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
HOOC−Y−O−CO−CH=CH−CO−O−X (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間、Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(O−CO−X)(CO−O−Y−COOH) (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間、Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(O−CO−Y−COOH)(CO−O−X) (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間、Xはいずれの基でもよい),
CH2=CH−CO−NH−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=C(CH3)−CO−NH−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=CH−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=C(CH3)−Y−COOH (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=CH−CH2−COOH,及び
CH2=C(CH3)−CH2−COOH。
開裂の後に基−COOHとなる基を少なくとも一つ有するモノマー(M2’)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、アルキル基が炭素原子を1から11、好ましくは1から6、最も好ましくは1から3含む前記カルボン酸の無水物及びエステルがあげられる。
好ましくは、基−COOHを有するモノマー単位(m2)は、−Y−COOH基(YはC64及びCg2gから選択され、gは1から15の間である)を有するモノマー単位である。
特に好ましくは、基−COOHを有するモノマー単位(m2)は、−Y−COOH基(YはCg2gであり、gは1から15の間である)を有するモノマー単位である。
gは有利には1以上である。gは有利には15以下であり、好ましくは11以下であり、特に好ましくは5以下であり、最も好ましくは3以下である。
少なくとも一つの基−SO3Hを有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、以下をあげることができる:
CH2=CH−Z−SO3H (Zは、C64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
CH2=CH−CO−O−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
CH2=C(CH3)−CO−O−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
X−O−CO−CH=CH−CO−O−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、Xはいずれの基でもよく、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
CH2=CH−CO−NH−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
CH2=C(CH3)−CO−NH−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す),
CH2=CH−CO−NH−C(CH32−SO3H,及び
CH2=C(CH3)−Z−SO3H (ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を含むアルキル基を表す)。
開裂の後に基−SO3Hとなる基を少なくとも一つ有するモノマー(M2’)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、アルキル基が炭素原子を有利には1から11、好ましくは1から6、最も好ましくは1から3含有する前記スルホン酸のエステルを有するモノマー単位があげられる。
好ましくは、基−SO3Hを有するモノマー単位(m2)は、基−Z−SO3Hを有するモノマー単位であり、ZはC64及びCR’R’’から選択される基を表し、R’とR’’は同一又は異なり、水素原子又は炭素原子を1から20含有するアルキル基を表している。
同一又は異なるR’及びR’’が、アルキル基を表すときは、R’及びR’’は有利には1から20の炭素原子、好ましくは1から15の炭素原子、特に好ましくは1から10の炭素原子、最も好ましくは1から8の炭素原子を含む。R’及びR’’が共にメチル基である場合が、最も好ましい。
特に好ましくは、ホスホネート基−SO3Hを有するモノマー単位(m2)は、以下のモノマーから選択されるエチレン性不飽和モノマーから誘導される基−Z−SO3Hを有するモノマー単位である:
CH2=CH−C64−SO3H,
CH2=CH−CO−NH−Ch2h−C(CH32−SO3H (hは、0から12の間)、及び、アルキル基が有利には炭素原子を1から11、好ましくは1から6、最も好ましくは1から3含む対応するスルホン酸エステル。
少なくとも一つのホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である)を有するモノマー(M2)であって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマーとして、以下をあげることができる:
CH2=CR9−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間),
CH2=CR9−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH(OH)−CH2−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH(OH)−CH2−CO−O−(CH22−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である),
CH2=C(CH3)−C64−C(CH32−NH−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (iは1から20の間である),
CH2=C(CH3)−C64−C(CH32−NH−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基であり、芳香環の置換はメタ位である),
CH2=CH−C64−CH2−PO(OH)(OR1) (芳香環の置換は、オルト位とパラ位の混合である),
CH2=CH−PO(OH)(OR1),
X−O−CO−CH=CH−CO−O(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1) (R10とR11は同一又は異なり、水素原子又はアルキル基であり、iは1から20の間であり、Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(O−CO−X)(CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又はアルキル基であり、iは1から20の間であり、Xはいずれの基でもよい),
CH2=C(CH2−CO−O−X)(CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又はアルキル基であり、iは1から20の間であり、Xはいずれの基でもよい),及び
CH2=C(CO−O−X)(CH2−CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又はアルキル基であり、iは1から20の間であり、Xはいずれの基でもよい)。
全体又は部分的に開裂(例えば半加水分解)した後に、結果としてホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である)となる少なくとも一つの基を有するモノマーであって、該モノマーから対応するモノマー単位(m2)が誘導されるモノマー(M2’)としては、少なくとも一つの基−PO(OR1')(OR2')(R1'及びR2'は同一又は異なり、1から11の炭素原子を含むアルキル基を表す)を有するモノマー(M2’)をあげることができる。
少なくとも一つの基−PO(OH)(OR1)を有するモノマー単位(m2)において、R1は水素原子又は1から11の炭素原子を含有するアルキル基である。
1がアルキル基であるときは、R1は有利には1から11の炭素原子、好ましくは1から8の炭素原子、特に好ましくは1から5の炭素原子を含有している。R1がメチル基か又はエチル基のいずれかの場合が、最も好ましい。
“ホスホネート基−PO(OH)(OR1)”という用語は、炭素原子に結合した基−PO(OH)(OR1)を意味し、リン原子が酸素原子に結合した、ホスフェート基−O−P(O)(OR)2(Rは水素原子又はアルキル基である)を意味しないものとする。
コオリゴマー(O1)の成分(B)が、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、少なくとも一つのホスホネート基−PO(OH)(OR1)を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含んでいるとき、コオリゴマー(O1)は、最も好ましくは、グラジエントタイプのモノマー単位の鎖を有する直鎖構造によって特徴付けられる。
コオリゴマー(O1)において、成分(B)が、エチレン性不飽和モノマー(M2’)から誘導され、開裂の後に結果として当該基、すなわち−COOH、−SO3H又はホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である)を生じる少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つの単量体単位(m2)を含むときは、その開裂は、コオリゴマー(O1)を合成する間、後に詳細に説明するようにポリマー組成物を製造する間、又はポリマー組成物を使用する間に行ってもよい。開裂は、好ましくはコオリゴマー(O1)を合成する間に起こる。
コオリゴマー(O1)において成分(B)が、エチレン性不飽和モノマー(M2’)から誘導され、開裂の後に結果としてホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である)を生じる基を少なくとも一つ有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含む特定の場合、少なくとも一つの基−PO(OR1')(OR2')(R1'及びR2'は同一又は異なり、1から11の炭素原子を含むアルキル基を表す)を有するエチレン性不飽和モノマー(M2’)の全体的な開裂(そのためR1は水素原子である)又は部分的な開裂(特に半加水分解)(そのためR1は炭素原子を1から11を含むアルキル基である)は、C.Brondino,B.Boutevin,Y.Hervaud,N.Pelaprat & A.Manseri,J.Fluorine Chem.,1996,76,193及びB.Boutevin,Y.Hervaud,T.Jeanmaire,A.Boulahna,M.Elasri,Phosph.Sulfur and Silicon,2001,174,1にてそれぞれ述べられているように行うことができる。
コオリゴマー(O1)の成分(B)は、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含有する。好ましくは、成分(B)のモノマー単位(m2)は、コオリゴマー(O1)の少なくとも10質量%、特に好ましくは少なくとも15質量%存在する。
有利には、成分(B)のモノマー単位(m2)は、コオリゴマー(O1)の多くとも80質量%、好ましくは多くとも75質量%、特に好ましくは多くとも70質量%存在する。
コオリゴマー(O1)の成分(B)は、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、以下の基から選択される少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含む:
− −(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上),及び
− ホスホネート基−PO(OH)(OR1) (R1は水素原子又は炭素原子を1から
11含むアルキル基である)。
第一の好適な態様に従えば、コオリゴマー(O1)の成分(B)は、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、有利には基−(CH2b−Cc2c+1(bは1から11、cは5以上)から選択される少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含む。
この第一の好適な態様に従えば、上述の基から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)が誘導されるエチレン性不飽和モノマーは、それ自身が少なくとも一つの当該基を有するエチレン性不飽和モノマー(M2)である。
好ましくは、基−(CH2b−Cc2c+1から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー(M2)は、以下のモノマーの中から選択される:
CH2=CH−CO−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=CH−CO−O−(CH2f−NR8−SO2−(CH2b−Cc2c+1 (R8は水素原子又は基−CH3、fは1から15の間、好ましくは1から11の間),
CH2=CH−C64−CH2−O−(CH2b−Cc2c+1,及び
CH2=CH−O−CO−(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上であり、b及びcの選択は先に述べたとおりである)。
特に好ましくは、基−(CH2b−Cc2c+1から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー(M2)は、以下のモノマーから選択される:
CH2=CH−CO−O−(CH2b−Cc2c+1,及び
CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上であり、b及びcの選択は先に述べたとおりである)。
少なくとも一つの基−(CH2b−Cc2c+1を有するモノマー(M2)として特に好ましいのは、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(FDA)である。
この第一の好適な態様に従えば、上で既に述べたことの補完として、コオリゴマー(O1)の成分(A)のモノマー(M1)から誘導されたモノマー単位が、コオリゴマーの合計質量に対して、少なくとも25質量%及び最大で30質量%存在し、成分(A)のモノマー(M1)と共重合可能な少なくとも1つのモノマーから誘導されたモノマー単位が、コオリゴマーの合計質量に対して、少なくとも5質量%及び最大で10質量%存在し、かつ成分(B)のモノマー単位(m2)が、コオリゴマーの合計質量に対して少なくとも60質量%及び最大で70質量%存在するときに、よい結果が得られている。
第二の好適な態様に従えば、コオリゴマー(O1)の成分(B)は、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、有利にはホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含有するアルキル基である)から選択される少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含む。
この第二の好適な態様に従えば、上述の基から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)が誘導されるエチレン性不飽和モノマーは、それ自身が少なくとも一つの当該基を有するエチレン性不飽和モノマー(M2)であるか、又は、開裂の後に結果として当該基となる基を少なくとも一つ有するエチレン性不飽和モノマー(M2’)である。
好ましくは、ホスホネート基−PO(OH)(OR1)から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)は、以下のモノマーから選択されるエチレン性不飽和モノマーから誘導される:
CH2=CR9−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間である),
CH2=CR9−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又は炭素原子1から11を有するアルキル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH(OH)−CH2−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH(OH)−CH2−CO−O−(CH22−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、R10及びR11は、同一又は異なり、水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である),
CH2=C(CH3)−C64−C(CH32−NH−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (iは1から20の間である),
CH2=C(CH3)−C64−C(CH32−NH−CO−O−CR1011−PO(OH)(OR1) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又は炭素原子を1から11含有するアルキル基であり、芳香環の置換はメタ位である),
CH2=CH−C64−CH2−PO(OH)(OR1) (芳香環の置換はオルト位とパラ位の混合である),
CH2=CH−PO(OH)(OR1) (R1は水素原子又は炭素原子を1から11含有するアルキル基であり、上記の選択はR1がアルキル基の場合である),及び
全体的又は部分的な開裂(特に半加水分解)の後に、結果としてホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含有するアルキル基である)を生じる、基−PO(OR1')(OR2')(R1'及びR2'は同一又は異なり、1から11の炭素原子を含有するアルキル基を表す)を少なくとも一つ有する対応するモノマー。
上述の式において、iは有利には1から20の間であり、好ましくは1から11の間であり、特に好ましくは1から3の間である。
上述の式において、R10及びR11は同一又は異なり、有利には水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である。これらがアルキル基である場合、この基は好ましくは1から8の炭素原子を含む。
特に好ましくは、ホスホネート基−PO(OH)(OR1)から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)は、以下のモノマーから選択されるエチレン性不飽和モノマーから誘導される:
CH2=CR9−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (この選択についてはR9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間である),
CH2=CR9−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−(CH2i−PO(OH)(OR1) (R9は水素原子又はメチル基であり、iは1から20の間である),
CH2=CH−PO(OH)(OR1),及び
全体的又は部分的な開裂(特に半加水分解)の後に、結果としてホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である)を生じる、基−PO(OR1')(OR2')(R1'及びR2'は同一又は異なり、1から11の炭素原子を含むアルキル基を表す)を少なくとも一つ有する対応したモノマー。
最も好ましくは、ホスホネート基−PO(OH)(OR1)から選択される少なくとも一つの基を有するモノマー単位(m2)は、以下のモノマーから選択されるエチレン性不飽和モノマーから誘導される:
− 1.2−メタクリルオキシエチルホスホン酸(MAPHOS(OH)2
− CH2=C(CH3)−CO−O−(CH22−PO(OH)2
− 2.2−メタクリルオキシエチル−6−カルバモイルオキシエチルスルホン酸 (MAUPHOS(OH2))
− CH2=C(CH3)−CO−O−CH2−CH2−NH−CO−O−(CH22−PO(OH)2、及び
− 3.ビニルホスホン酸
− CH2=CH−PO(OH)2
及び、開裂の後に、結果としてホスホネート基−PO(OH)2を生じる、基−PO(OR1')(OR2')(R1'及びR2'は同一又は異なり、1から11の炭素原子を含有するアルキル基を表す)を少なくとも一つ有する対応したモノマー。
この第二の好適な態様に従うと、すでに上で述べたことの補完として、コオリゴマー(O1)の成分(A)のモノマー(M1)から誘導されるモノマー単位が、コオリゴマーの合計質量に対して、少なくとも65質量%かつ最大でも75質量%存在し、成分(A)のモノマー(M1)と共重合可能なモノマーの少なくとも一つから誘導されるモノマー単位が、コオリゴマーの合計質量に対して、少なくとも5質量%かつ最大でも15質量%存在し、成分(B)のモノマー単位(m2)がコオリゴマーの合計質量に対して、少なくとも15質量%かつ最大でも25質量%存在するときに、良好な結果を得ている。
本発明によるポリマー組成物のコオリゴマーは、以下の性質の内少なくとも一つを生ずる官能基を少なくとも一つ有するエチレン性不飽和モノマー(M3)から誘導された、少なくとも一つのモノマー単位を含む成分(C)を含有することができる:殺菌効果、印刷性、付着性、すべり効果、付着防止性、サーモクロミック、耐紫外線効果、帯電防止効果、曇り防止効果、封止性又はガス吸着性。
エチレン性不飽和モノマー(M3)は、有利には以下の一般的な構造を有している:CH2=CX’’X’、CH2=CH−CO−OX’’、CH2=C(CH3)−CO−O−X’’、X’’−CO−O−CH=CH−CO−O−X’、CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−X’)又はCH2=C(CO−O−X’’)(CH2−CO−O−X’)(X’’及びX’は、同一又は異なった所望の性質を生ずる、同一又は異なる官能基である)。
コオリゴマー(O1)の成分(C)は、有利にはモノマー(M3)から誘導される、少なくとも一つのモノマー単位を含有する。好ましくは、成分(C)のモノマー(M3)から誘導されるモノマー単位は、コオリゴマー(O1)の質量の少なくとも1質量%存在する。
有利には、成分(C)のモノマー(M3)から誘導されるモノマー単位は、コオリゴマーの質量に対して、最大で50質量%、好ましくは最大で25質量%、特に好ましくは最大で15質量%存在する。
コオリゴマー(O1)の成分(B)及び成分(C)は、任意に一緒にすることができる。この場合、成分(B)及び成分(C)を含有するモノマー単位を生じるエチレン性不飽和モノマーは、有利には以下の一般的構造の一つを有しており、式中X’’は所望の性質を生じる官能基を表し、先に定義したXがいずれの基でよい特定の場合のXを表し、コオリゴマー(O1)の成分(B)で規定した一つの基であるX’を表す:
CH2=CX’’X’,X’’−O−CO−CH=CH−CO−O−X’,X’−O−CO−CH=CH−CO−O−X’’,CH2=C(CO−O−X’’)(CH2−CO−O−X’),CH2=C(CO−O−X’)(CH2−CO−O−X’’),CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−X’)又はCH2=C(O−CO−X’)(CO−O−X’’)。
成分(B)と成分(C)を含有するモノマー単位を生ずるエチレン性不飽和モノマーの例は、例えば以下にあげるものであろう(X’’は所望の性質を生じる官能基を表し、先に定義したXがいずれの基でもよい特定の場合のXを表し、a,b,c,d,eは先に定義したとおりである):
CH2=C(CH2−CO−O−Ca2a+1)(CO−O−X’’),
CH2=C(CH2−CO−O−X’’)(CO−O−Ca2a+1),
X’’−O−CO−CH=CH−CO−O−Ca2a+1
CH2=C(O−CO−Ca2a+1)(CO−O−X’’),
CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−Ca2a+1),
X’’−O−CO−CH=CH−CO−O−(CH2b−Cc2c+1
CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−(CH2b−Cc2c+1),
CH2=C(CO−O−X’’)(CH2−CO−O−(CH2b−Cc2c+1),
CH2=C(CH2−CO−O−X’’)(CO−O−(CH2b−Cc2c+1),
X’’−O−CO−CH=CH−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33
CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33),
CH2=C(CO−O−X’’)(CH2−CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33),
CH2=C(CH2−CO−O−X’’)(CO−O−(CH2d−(Si(CH32−O)e−Si(CH33),
HOOC−Y−O−CO−CH=CH−CO−O−X’’ (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−Y−COOH) (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間),
CH2=C(O−CO−(Y−COOH))(CO−O−X’’) (YはC64又はCg2gであり、gは1から15の間)),
X’’−O−CO−CH=CH−CO−O−Ch2h−Z−SO3H (hは0から12の間、ZはC64又はCR’R’’であり、R’及びR’’は、同一又は異なり、水素原子又は1から20の炭素原子を有するアルキル基を表す),
X’’−O−CO−CH=CH−CO−O(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1) (R10及びR11は、同一又は異なり、水素原子又はアルキル基を表し、iは1から20の間である),
CH2=C(O−CO−X’’)(CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は、同一又は異なり、水素原子又はアルキル基を表し、iは1から20の間である),
CH2=C(CH2−CO−O−X’’)(CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は、同一又は異なり、水素原子又はアルキル基を表し、iは1から20の間である),及び
CH2=C(CO−O−X’’)(CH2−CO−O−(CH2i−CR1011−PO(OH)(OR1)) (R10及びR11は同一又は異なり、水素原子又はアルキル基を表し、iは1から20の間である)。
コオリゴマー(O1)は、好ましくは、塩化ビニリデンから誘導された少なくとも一つのモノマー単位を含有する成分(A)、及び基−(CH2b−Cc2c+1(bは1から11の間、cは5以上であり、b及びcの選択は先に述べたとおりである)及びホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含有するアルキル基である)から選択される基の内、少なくとも一つの基を有し、エチレン性不飽和モノマーから誘導される、モノマー単位(m2)を少なくとも一つ含有する成分(B)を含む。
第一の変形に従うと、コオリゴマー(O1)は、好ましくは、塩化ビニリデン、メチルアクリレート及び2−メタクリルオキシエチルホスホン酸(MAPHOS(OH)2))のコオリゴマーである。
第二の変形に従うと、コオリゴマー(O1)は、好ましくは、塩化ビニリデン、メチルアクリレート及び1H,1H,2H,2H,−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(FDA)のコオリゴマーである。
本発明に従う組成物に含まれるコオリゴマー(O1)は、ラジカル重合におけるいずれの方法によっても得ることができ、それは、コオリゴマー(O1)に望まれるモノマー単位の鎖(ランダム、交互、ブロック又はグラジエント)及び構造(直鎖又は分岐)を得るための質量重合、溶媒中での溶液重合、水性分散重合のいずれであるかを問わない。
重合工程のうちで好ましいものは、重合条件(温度の選択、開始剤の性質、転移剤の使用)が所望の構造を得られるような重合工程であり、かつラジカル重合が制御された工程である。
制御されたラジカル重合方法が特に好ましい。制御されたラジカル重合法のうち、ATRP(原子移動ラジカル重合)法、RAFT(可逆的付加開裂型連鎖移動)法、MADIX(キサントゲン酸塩交換性高分子設計)法、NMP(ニトロキシド媒介重合)法、ITP(ヨウ素移動重合)法、及びRITP(逆ヨウ素移動重合)法等が例としてあげられる。RAFT、ITP及びRITPが特に好ましい。
本発明に従うポリマー組成物は、ポリマー(P1)及びコオリゴマー(O1)の合計質量に対して、有利には少なくとも40質量%、好ましくは少なくとも50質量%のポリマー(P1)を含んでいる。
本発明に従うポリマー組成物は,さらにポリマーにとって常用の添加剤、例えば染料、安定剤、加工助剤、耐ブロッキング剤、充填剤、可塑剤、耐火性を改良するための添加剤を含むことも可能である。該組成物はさらにポリマー、例えばポリマー(P1)の例として言及したポリマー、好ましくはハロゲン化ポリマーを含んでもよい。最終的に、本発明に従うポリマー組成物は、溶剤又は水を含んでいても,含んでいなくてもよい。
続いて、本発明の主題は、本発明に従うポリマー組成物の調製方法である。
この趣旨で、本発明は、本発明に従うポリマー組成物を調製する方法に関し、該方法は、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を少なくとも一つの溶媒中で混合するか、ポリマー(P1)の水性分散物にコオリゴマー(O1)の分散物を混合するか、又はプレミックスによりポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を混合することを含む。
本発明に従うポリマー組成物が、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を少なくとも一つの溶媒中で混合することによって調製される場合には、溶媒中の溶液濃度は、有利には1から100g/l、好ましくは5から50g/lである。
“少なくとも一つの溶媒”との表現は、1以上の溶媒を使用してもよいことを意味するものとする。
このように、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)が同じ溶媒に対して溶解性でないときは、それぞれを溶解する適切な溶媒中に、分けて溶解させることを最初の段階とし、続いてその二つの溶液を混合することが可能である。
ポリマー(P1)が塩化ビニリデンのポリマーであり、かつコオリゴマー(O1)が、塩化ビニリデンのモノマー単位と同じ少なくとも一つのモノマー単位を含む場合には、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン及びこれらの混合物が好ましい。コオリゴマー(O1)が少なくとも一つの基−(CH2b−Cc2c+1を有しているときは、トリフルオロトルエンが、コオリゴマー(O1)の溶解を促進する共溶媒として使用することもできる。
本発明に従うポリマー組成物が、少なくとも一つの溶媒中でポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を混合することにより調製されるときは、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)は、有利には粉末又は液体状態にある。
ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を少なくとも一つの溶媒中で混合するステップは、組成物の予定されている用途に従って、溶媒の除去ステップを伴ってもよいし、伴わなくてもよい。溶媒が除去される場合には、この除去は、蒸発又は沈殿によって行われることが好ましい。
本発明に従うポリマー組成物が、ポリマー(P1)の水性分散物中に、コオリゴマー(O1)を分散させることにより調製される場合は、粒子径が有利には50から500nm、好ましくは80から200nmのポリマー(P1)の水分散物を使用することが有利である。ポリマー(P1)の水性分散物は、好ましくは、水エマルション重合法によって得られたものである。
本発明に従うポリマー組成物が、ポリマー(P1)の水性分散物中にコオリゴマー(O1)を分散させることによって調製される場合は、コオリゴマー(O1)は、粉末又は液体の状態か、若しくは水性分散物の状態で添加されてもよい。
ポリマー(P1)及びコオリゴマー(O1)の分散のステップは、混合物の予定されている用途に従って、水の除去ステップを伴ってもよいし、伴わなくてもよい。水が除去される場合には、この除去は、蒸発又は分散物の凝集によって行われ、次いでフィルター乾燥及び乾燥によって行われることが好ましい。
本発明に従うポリマー組成物が、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)をプレミックスによって混合することで調製される場合には、有利にはポリマー(P1)及びコオリゴマー(O1)は、溶融させることの無い乾燥工程によって、粉末又は液体状態で混合される。
そのプレミックスに続いて、特に、顆粒を製造する目的で押し出してもよい。
コオリゴマー(O1)において成分(B)が、少なくとも一つの官能基を有するエチレン性不飽和モノマー(M2’)から誘導されるモノマー単位(m2)を少なくとも一つ含んでおり、前記官能基が、開裂の後に結果として該基、即ち−COOH基、−SO3H基又はホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である)を生じる場合は、該開裂は、前述したようにポリマー組成物の調製ステップの前、最中、又は後に行われてもよい。
好ましくは、本発明に従うポリマー組成物の調整方法は、ポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)を少なくとも一つの溶媒中で混合することを含む。
加えて、本発明の主題は、本発明に従うポリマー組成物の使用である。
この趣旨で、本発明は、本発明に従うポリマー組成物の、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面の被覆、単層又は複層の薄いフィルムの製造又は成形品の製造のための使用に関する。
金属表面としては、鋼、亜鉛メッキ鋼及びアルミニウムがあげられる。
ポリマー表面としては、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、及びEVA(エチレンとビニルアセテートの部分加水分解物のコポリマー)があげられる。
本発明の主題は、さらに本発明に従うポリマー組成物によって、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面を被覆する方法である。
この趣旨で、本発明は、本発明に従うポリマー組成物によって、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面を被覆する方法に関し、該方法に従ってポリマー組成物が前述の表面に被覆され、前述の表面に共ラミネートされ又は前述の表面を形成する材料と共に共押し出しされる。
ポリマー組成物が前述の表面に被覆される場合は、前記組成物の少なくとも1の溶媒中の溶液又は前記混合物の水性分散物は、慣用の被覆方法又はスプレー被覆方法又はポリマー組成物の溶液中にその表面を浸漬することにより、有利に前記表面上に被覆される。被覆工程に続いて、好ましくは溶媒又は水を蒸発させる工程を、特に好ましくは熱処理のステップの間に、最も好ましくはポリマーのガラス転移温度より高い温度で、さらに好ましくはポリマーの溶融点より高い温度で行う。
ポリマー組成物が前記表面にコラミネートされる場合には、ポリマー組成物は最初にフィルム形状に押し出し、又は共押し出しされ、次いで該フィルムを前記表面にコラミネートされる。
ポリマー組成物が、前記表面を形成する材料と共に共押し出しされる場合には、粉末状の前記組成物は、有利には粉末状又は顆粒状の前記表面を形成する材料と共に共押し出しされ、それによってフィルム状、シート状又は板状のポリマー組成物で被覆された表面が得られる。
コオリゴマー(O1)において、成分(B)が、少なくとも一つの基を有するエチレン性不飽和モノマー(M2’)から誘導されたモノマー単位(m2)を少なくとも一つ含み、前記基が開裂後に結果として当該基、すなわち−COOH、−SO3H又はホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は1から11の炭素原子を含むアルキル基である)となる基である場合には、その開裂は、ポリマー組成物を金属、ポリマー、紙又はセロファン表面に被覆する作業の直前又は最中に行われてもよい。
最後に、本発明の主題は、本発明に従うポリマー組成物によって調製された物品又は物品の部品である。
物品又は物品の部品は、有利にはフィルム、シート、板、薄い単層又は複層のフィルム、又は成形品である。
得られた薄い単層膜又は複層フィルムは、例えば、包装に使用してもよい。
得られた成形品は、例えば、射出又は射出吹き込みによって得てもよい。
本発明に従うポリマー組成物は、多数の利点を有する。従って、本発明に従うポリマー組成物は、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面に対する、ポリマー被覆剤の付着力を向上させることができる。このようにして本組成物は、多層アセンブリー中の層の間における接着剤又はプライマーの使用の回避を可能とする。最後に、本組成物は、該組成物が形成する被覆の性質を変化させ、かつ表面性質、例えば耐腐食性、ガスバリア性、殺菌性、表面におけるインクの付着性及び紫外線に対する保護を向上させることを可能にする。
以下の例は、発明の説明を目的とするものであり、発明の範囲を限定するものではない。
走査型電子顕微鏡(SEM)
走査型電子顕微鏡は、鋼表面におけるポリマー組成物の堆積後の、被覆剤の形態学、及びリンの位置を視覚化するために使用した。日立走査型電子顕微鏡を用いた。該走査型電子顕微鏡は、被覆剤の形態学についての明確な分析、及び化学的な対比によって、軽い元素に関して重い元素の区別を可能とする。重い元素は明るい色として表現される。
X線供役走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)
走査型電子顕微鏡は、被覆剤の形態学及びリンの位置を視覚化するために用いた。LEICA X線供役走査型電子顕微鏡を用いた。当該顕微鏡は、SEM顕微鏡と比較すると低い解像度しか与えないが、しかし被覆剤の構成元素を特徴付けることを可能とした。当該顕微鏡は、電子線の効果の下で誘導されたX線を用いた分光測定法を含む。得られたスペクトルは電子の流れに従って、被覆剤中に存在する元素の同定を可能とした。このため、電子線は解析する表面上に投影され、放出されたX光子が検出された。衝撃を与えられた元素によって放出されたエネルギーにより、X線スペクトルが得られた。2タイプの解析を行うことができる。被覆剤組成の平均を与える、スクリーン上に視覚化された像の全体的な解析が行われるか、又は1μm3の精度で表面を解析しかつ見ることを可能とするプローブが使用された。そのプローブの精度は、さまざまな場所で顕微鏡プローブで見ることにより、被覆剤断面のさまざまな化学元素の位置を調査することができた。
SEM及びSEM−DEXによるサンプル解析
解析は、SEM顕微鏡及びSEM−DEX顕微鏡によって、被覆剤の表面、界面及び断面で行った。すべての解析の前に、サンプルは、例5−8に対しては3連続で炭素による金属被覆を、例10に対しては白金で金属被覆を行った。ピーク高さの比較を行うため、同じ倍率、同じビーム加速度電圧(7kv)及び同じ数の“ヒット”(電子衝撃)を使用した。
被覆剤の断面の解析を可能とするため、サンプルを液体窒素に浸漬し、被覆剤の冷凍破断を起こすために、金属支持体を曲げ、その後に小刀を用いて被覆剤を引き離した。最初、引き剥がした領域で、表面解析(上から見て)、次いで界面の解析(下から見て)を行った。最後に、顕微鏡プローブによる連続した観察によって、断面の特徴づけを行った。
例1(本発明に従う)−塩化ビニリデンポリマーの製造
1400gの脱塩水を、350rpmで機械攪拌しながら、3リットルのオートクレーブに導入した。セルロース誘導体型(メチルヒドロキシプロピルセルロース)の分散剤中のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)溶液(10.4g/lの分散剤溶液192mlに対し、1.85gのAIBN(1.13×10-2mol)を添加して製造した)を、次いでオートクレーブ中に導入した。次いで反応器は、真空−窒素サイクルでパージされた。その後塩化ビニリデン溶液(818g、8.44mol)及びメチルアクリレート(181g、2.10mol)が、オートクレーブ内に導入された。温度は、18時間、70℃に維持された。反応器を開ける前に、1時間真空状態で脱気することにより、残存モノマーが除去された。
ポリマーを回収し、次いで流動床で乾燥した。該ポリマーは、数平均モル質量Mn(上バー)が63,000g/mol、多分散性率Ip(数平均モル質量に対する質量平均モル質量の割合)が1.99と特徴付けられた。数平均モル質量Mn(上バー)及び多分散性率Ipは、二つの300mmPL−Gel5μm mixed−C カラム(Polymer Laboratories)を備えた、水ポンプを有するシステムを用いて、乾燥サンプルに対するサイズ排除クロマトグラフィーによって決定した。テトラヒドロフラン(1ml/mn)を溶離剤として使用した。較正は、Polymer Laboratoriesの標準的なポリスチレンを用いて行った。
収率は92%であった。得られた塩化ビニリデンポリマーのガラス転移温度は、Perkin ElmerのPyris 1 DSC装置で測定したところ、32℃であった。得られたポリマーは、塩化ビニリデンの含有量が80モル%(82質量%)で、メチルアクリレートの含有量が20モル%(18質量%)と特徴付けられた。
例2(比較)−本発明による基を有していない塩化ビニリデンコオリゴマーの調製
作業容積300mlを有するステンレススチールのタイプ316のオートクレーブ(Parr Instrument)中で、33.8MPa(338bar)の試験圧力、換言すれば最大実行圧力22.5MPa(225bar)、及び最大実行温度200℃で、共重合を行った。オートクレーブは、シャフトと4枚の角度をつけた羽を有するプロペラを備えており、0から1700rpm(トルク180N.cm)の可変速度で磁気攪拌により、攪拌された。
反応混合物を導入する前に、オートクレーブは、真空下においた。溶液は、塩化ビニリデン(65.8g、6.68×10-1mol)、メチルアクリレート(14.9g、1.67×10-1mol)、AIBN(0.155g、8.81×10-4mol)、1−(エトキシカルボニル)エト−1−イル ジチオベンゾエート(1.34g、5.28×10-3mol)、及びベンゼン(96.9g、1.24mol)を含有する溶液が、反応器中に導入された。
その反応混合物は、18時間400rpmの攪拌速度を維持しつつ、窒素雰囲気下で70℃まで昇温された。全ての転換は、以下の手順による質量測定によって決定された。液体窒素を用いて冷やす前に、2g程度のサンプルを溶血管に入れた。溶媒と残存モノマーを、ハイドロキノンを添加した後、35℃の真空下にて蒸発させた。転換を以下の式に従って計算した:
(mdry×100)/(msample×SC)
dryは蒸発後のサンプル質量、msampleは生のサンプル質量及びSCは100%転換時の理論固形分含有量である。最終サンプルの質量による転換は55.6%であった。得られたコオリゴマーは、テトラヒドロフランに溶解させ、精製のためにペンタンから2回沈殿させた。
数平均モル質量Mn(上バー)が、前述のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定され、得られたコオリゴマーの数平均モル質量は6800g/molであり、多分散性率Ipは1.36であった。該コオリゴマーのガラス転移温度は、DSCで決定したところ、29.5℃であった。得られたポリマーは、塩化ビニリデンの含有量が80モル%(82質量%)、メチルアクリレートの含有量が20モル%(18質量%)で特徴付けられた。
例3(比較)− −PO(O)(OCH 3 2 基を有する塩化ビニリデンコオリゴマーの調製
例2で使用したものと同じオートクレーブ中に、塩化ビニリデン(21.37g、2.21×10-1mol)、メチルアクリレート(3.51g、4.08×10-2mol)、ジメチル 2−メチルメタクリロキシホスホネート(MAPHOS(OCH32)(3g、1.36×10-2mol)、AIBN(47.8mg、2.91×10-4mol)、1−(エトキシカルボニル)エト−1−イル ジチオベンゾエート(0.35g、1.39×10-3mol)、及びベンゼン(34.21g、4.39×10-1mol)を含有する溶液を、反応器に導入した。
反応混合物を、24時間400rpmの攪拌速度を維持しつつ、70℃まで昇温させた。得られたコオリゴマーを、テトラヒドロフランに溶解させ、精製のためにペンタンから2回沈殿させた。
例2で述べたように質量測定で決定された、全ての転換は、32.5%であった。
得られたコオリゴマーの数平均モル質量Mn(上バー)は、前述のサイズ排除クロマトグラフィーによって決定して、5,800g/molであり、多分散性率Ipは1.53であった。DSCによって決定したコオリゴマーのガラス転移温度は、21.6℃であった。得られたコオリゴマーは、塩化ビニリデン含有量が75モル%(66.6質量%)、メチルアクリレートの含有量が14モル%(11質量%)、及びMAPHOS(OCH32の含有量が11モル%(22.4質量%)で特徴付けられた。
コオリゴマーへのMAPHOS(OCH32モノマーの取り込みは、D8テトラヒドロフラン中での31PNMR解析(Bruker200MHz装置)で確認され、シフトがMAPHOS(OCH32と同一である29.8ppmにシングルピークが示され、及び元素分析で、沈殿したコオリゴマーのリンの割合が、理論値1.54%に対して、2.7%示されたことにより確認された。理論値よりも多い量のリンの存在は、得られたコオリゴマーがMAPHOS(OCH32の分布勾配を有するコオリゴマーであることを確認する。
例4(本発明に従う)−−PO(O)(OH) 2 基を有する塩化ビニリデンコオリゴマーの調製
例3で調製したコオリゴマー(5g、8.58×10-4mol)が、冷却塔と裾止めを備える二口丸底フラスコに導入され、25mlのジクロロメタンに溶解された。30分間アルゴンを吹き込んだ後、ブロモトリメチルシラン(1.07g、6.97×10-3mol)を滴下した。反応混合物は、環境温度で96時間磁気攪拌しながら、不活性大気下で放置された。反応は、31PNMRで追跡した。この反応時間は、コオリゴマー鎖に分散した、すべてのホスホン酸エステル基を開裂するために必要であった。
シリル化が完了したとき、真空下において溶媒を蒸発させた。続いて、25mlのメタノールを添加し、その混合物を攪拌しながら2時間放置した。強い真空下においてメタノールを蒸発させた後、二酸性のコオリゴマーを固形状態で回収した。二酸性のコオリゴマーのガラス転移温度は48℃である。
コオリゴマーへのMAPHOS(OH)2モノマーの取り込みは、D8テトラヒドロフラン中での31PNMR解析(Bruker200MHz装置)で、MAPHOS(OH)2の化学シフトである27.4ppmにシングルピークが示されたこと、及び元素分析で、沈殿したコオリゴマーのリンの割合が、理論値1.56%に対して、3.1%であったことにより確認された。理論値よりも多いリンの量の存在は、得られたコオリゴマーがMAPHOS(OH)2の分布勾配を有するコオリゴマーであることを確認する。
例5(比較)−塩化ビニリデンポリマーと、本発明に従う基を有していない塩化ビニリデンコオリゴマーを含むポリマー組成物の調製及び当該組成物の金属表面被覆への使用
例1で調製した塩化ビニリデンポリマー及び例2で調製した塩化ビニリデンコポリマーを50/50の質量比で含むポリマー組成物を、テトラヒドロフラン中にそれらを溶解させて調製した(濃度2g/l)。
この組成物を、スピンコーティングによって、1cm2鋼表面に堆積させた。この支持物はあらかじめ清浄にし、アセトン及びエーテルによる連続的な洗浄によって脱脂を行い、その後真空下にて入念に乾燥させた。
このようにして、テトラヒドロフラン中に組成物を2g/l含有する溶液の液滴は、被覆される表面上に堆積され、その台は2000rpmで30秒回転させた(スピンコーティング)。被覆剤の膜厚は一律であり、また膜厚は、希釈、台の回転速度及び時間によって決定される。
堆積させた後、70℃の換気オーブンで4時間の間、ポリマーのガラス転移温度を超える温度で再度硬化させた。再硬化温度は、被覆剤中のポリマー鎖の再編成を可能とするために、ポリマーのガラス転移温度を超えたものを意図的に選択した。この再硬化によって、残存溶媒を蒸発させることも可能となった。
例5に従う組成物で作成した被覆剤に対する、SEM−EDXスペクトル解析は、3つの構成元素の存在を示した。このように、炭素の線が0.2KeV(Kα)で、酸素の線が0.05KeV(Kα)で、2つの塩素の線が2.6Kev(Kα)と2.8KeV(Kβ)で識別された。同じ組成物が、被覆剤の表面と界面で見出された。この結果は、SEM顕微鏡で撮影した写真によって確認されており、図1(例5に従うポリマー組成物から作成した被覆剤組成物の断面のSEM写真、ここでAは界面を、Bは断面を、Cは表面を示しており、倍率は20000倍である)に表示されており、図1は完全に均一な堆積物を示している。例5に従って作成したポリマー組成物被覆剤は、支持物から引き剥がされる際に非常に弱い抵抗(従って弱い付着力)を示したということは、注目すべきである。
例6(比較)−塩化ビニリデンポリマーと、−P(O)(OCH 3 2 基を有する塩化ビニリデンコオリゴマーを含むポリマー組成物の調製、及びその金属表面の被覆への使用
例1で調製した塩化ビニリデンポリマー及び例3で調製した塩化ビニリデンコオリゴマーを、50/50の質量比で含有するポリマー組成物を、例5と同じ方法で調製した。
鋼表面への堆積は、例5で述べたのと同じ手順に従って行った。
例6に従ったポリマー組成物で作成した被覆剤のSEM−EDX解析は、表面及び界面において、2KeV(Kα)にてリンX−ラインの存在を明らかにした。被覆剤上におけるさまざまな場所における、それぞれのリンの存在量を比較することを可能とするため、酸素又は塩素の一方を参照ピークとして、EDXスペクトルを重ねた。これらの結果を定量的なものとするため、解析は、同じ倍率(×1000)及び同じ強さ(7KeV)で行った。EDXスペクトルは、リンが金属界面に向けてわずかに移動していることを示した。
SEM顕微鏡によって撮影した写真は、図2(例6に従うポリマー組成物から作成した被覆剤断面のSEM写真、ここでAは界面を、Bは断面を、Cは表面を示しており、倍率は20000倍である)であり、被覆剤が均一であることを示した。従って、MAPHOS(OCH32モノマーの取り込みは、堆積物の形態学を乱さなかった。
例7(本発明に従う)−塩化ビニリデンポリマーと、−P(O)(OH) 2 基を有する塩化ビニリデンコポリマーを含有するポリマー組成物の調製、及びその金属表面の被覆への使用
例1で調製した塩化ビニリデンポリマーと、例4で調製した塩化ビニリデンコオリゴマーを、質量比50/50で含有するポリマー組成物を、例5と同じ方法で調製した。
鋼表面への堆積は、例5にて述べたのと同じ手順に従って行った。
この被覆剤の表面EDX解析はリンの存在を示さず、多少高い倍率で解析した全ての領域でリンの存在を示さなかった。一方、界面における解析では、リンの存在に気付くことが可能であった。鉄(0.8KeVのライン)の存在もまた観察された。これは、支持物に対する被覆剤の強い付着性の結果であり、例5及び例6に従う組成物の場合と比較して、本例の被覆剤のほうが、引き剥がすことが困難であった。特に、フィルムを引き離したとき、金属支持物の薄い層が引き剥がされた。
その後、被覆剤の断面が特徴付けられた。注目することができるのは、図3に示すように、連続的なマトリックスの中に多数の小瘤があり、図3は左に、二次電子モード(倍率860倍)でのSEM−EDX顕微鏡によって得られた写真を示し、右にSEM顕微鏡(倍率1300倍)によって得られた、例7に従うポリマー組成物(Aが界面、Bが断面及びCが表面)から製造した被覆剤の断面写真を示す。それらの小瘤のサイズは一貫しておらず、6から15μmで分布していた。小瘤を顕微鏡で観察すると、SEM−EDXスペクトルにおいて強度のリンのピークが明らかとなっているのに対し、マトリックスの観察によると、図4に示されているように、このピークは明らかではなく、図4はマトリックス(左)又は小瘤(右)において、プローブによる観察を用いて得られたSEM−EDXスペクトルを示している。
加えて、図3左の写真では、20μmの膜厚の被覆剤表面に向かって、小瘤が激減した領域を見ることが可能である。このことは、スペクトル上にリンを全く示さなかった表面SEM−EDX解析を説明する。一方で、金属界面近傍(膜厚50μm)には、より多くの小瘤が存在し、このことは界面において行ったスペクトル上で、リンの存在を確認する。
最後に、SEM−EDX顕微鏡によって、金属板のいくつかの場所において、被覆剤を引きはがした後に、薄い被覆剤のフィルムが残ることが注目される。これらの結果は、被覆剤が引き剥がされた場合に、いくつかの小瘤が金属表面に残り、これはコオリゴマー中に存在する酸ホスホネートが、付着助剤の役割を果たしていることの証拠である。
例8(本発明に従う)−塩化ビニリデンポリマーと、−P(O)(OH) 2 基を有するコオリゴマーを含有するポリマー組成物の調製、及びその金属表面の被覆への使用
例1で調製した塩化ビニリデンポリマー、及び例4で調製した塩化ビニリデンコポリマーを質量比90/10で含有するポリマー組成物を、例5と同じ方法に従って調製した。
鋼表面への堆積は、例5にて述べたのと同じ手順に従って行った。
例8に従ったポリマー組成物から作成した被覆剤のSEM−EDX解析は、例7に従ったポリマー組成物を使用した被覆剤で得られた結果に匹敵するものを与えた。リンは、界面及び小瘤において得られるスペクトルのみによって認められた。加えて、SEMで撮影された図5の写真は、左が倍率860倍、右が倍率1300倍(Aが界面、Bが断面、Cが表面)であり、金属界面に向かって、小瘤の濃度が増加していることを示した。これらは同様に、例7の場合と比較してより広い領域であって、かつ堆積物の膜厚の約半分を表す領域が、ポリマーのみから成ることを示した。最後に、被覆剤中に含まれた、見ることのできる小瘤の量は、組成物中のコオリゴマーの割合と完全に合致している。
例9(本発明に従う)− −(CH 2 b −C c −F 2c+1 基を有するコオリゴマーの調製
1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(FDA)(5g、9.65×10-3mol)、AIBN(0.0111g、6.75×10-5mol)、及び例2で調製した塩化ビニリデンコオリゴマー(1.133g、1.67×10-4mol)を、ベンゼン(24.57g、3.15×10-1mol)に入れた溶液を、50mlの二口丸底フラスコに入れた。酸素は、空気を除去するための真空下における冷凍−解凍サイクルにより、次いで窒素のバブリングにより除去された。溶液は、22時間磁気攪拌しながら、70℃まで昇温された。最終的なコオリゴマーは、2つのブロックからなり、第一のブロックは塩化ビニリデンとメチルアクリレートのコオリゴマー、第二のブロックはFDAのホモオリゴマーであり、該最終的なコオリゴマーは、ペンタンから沈殿され、真空下で乾燥された。前述のコオリゴマー2.95gが回収され、収率は36.3質量%であった。
得られたコオリゴマーの元素解析は、以下の割合を与えた:炭素30.37%、フッ素39.47%及び塩素19.53%であり、前記結果は、モル組成で塩化ビニリデンが59%、メチルアクリレートが15%、FDAが26%であり、組成が質量で、塩化ビニリデンが28%、メチルアクリレートが6.3%、FDAが65.7%であるという計算を可能とする。これらの値を基準とし、すべてのFDAがジブロックの形態にあると仮定することによって、19,800g/molの数平均モル質量が計算された。
さらに、17,700g/molという理論上の平均モル質量が、質量による収量を元にして計算された。
例10(本発明に従う)−塩化ビニリデンポリマー、及び−(CH 2 b −C c −F 2c+1 基を有する塩化ビニリデンコオリゴマーを含有するポリマー組成物の調製、及びその金属表面の被覆への使用
例1で調製した塩化ビニリデンポリマー及び例9で調製した塩化ビニリデンコオリゴマーを、質量比で80/20含有するポリマー組成物を、テトラヒドロフランに溶解させることにより調製した(濃度2g/l)。
この組成物は、バーコーティングによって、1cm2の鋼表面に堆積させた。この支持物は、清浄にされ、アセトンとエーテルであらかじめ連続的に脱脂され、その後真空下で入念に乾燥された。
このようにして、テトラヒドロフラン中に組成物を2g/lで含有する溶液の液滴を被覆される表面上に堆積させた。その液滴は、バーを使用して広げられ、ゆっくりと溶媒を蒸発させた。被覆剤の膜厚は、鋼表面とバー間の空間、及びさらには溶液濃度によって決定された。
堆積を終了した後、100℃で7時間排気オーブンにて、塩化ビニリデンのポリマー及びコオリゴマーのガラス転移温度より上の温度で、及びコオリゴマーのPFBAブロックの融点(71℃)よりも高い温度で、再度硬化を行った。再硬化温度は、被覆剤中のポリマー鎖の再編成を可能とするために、ポリマーのガラス転移温度及びPFBAの融点を超えたものを意図的に選択した。この再硬化によって、残存溶媒を蒸発させることができた。
被覆材表面のSEM写真は、前記表面が一様ではなく、小瘤を有していることを示している。被覆材界面のSEM写真は、その部分では、小瘤がこの領域から実質的に存在しなくなったことを示している。
最後に、例10に従うポリマー組成物から作成した被覆剤のSEM断面写真(Aは界面近くの断面を示し、Bは断面中心を示し、Cは表面近くの断面を示す)は、図6において倍率1260倍で示され、被覆剤の表面(C)、界面(A)及び断面中心(B)のSEM−EDX解析(図7)は、被覆剤断面中に、フッ素化コオリゴマーの存在を示している。
図7は実際得られたEDXスペクトル(左が被覆剤の表面(C)、中央が被覆剤断面の中心(B)、右が被覆剤の界面(A))を示している。これによれば、フッ素が被覆剤の断面の中心及び表面にのみ存在し、界面には存在しないことがわかる。
図1は、例5に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM写真である。 図2は、例6に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM写真である。 図3は、例7に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM写真である。 図4は、例7に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のマトリックス及び小瘤においてプローブによる観察を用いて得られたSEM−EDXスペクトルである。 図5は、例8に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM写真である。 図6は、例10に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM写真である。 図7は、例10に従うポリマー組成物から作成した被覆剤の断面のSEM−EDXスペクトルである。

Claims (7)

  1. 以下を含むことを特徴とするポリマー組成物:
    1)エチレン性不飽和モノマー(M1)の共重合によって得られる塩化ビニリデンポリマーであるポリマー(P1)であって、前記エチレン性不飽和モノマー(M1)が
    (1)塩化ビニリデン、及び
    (2)前記塩化ビニリデンと共重合可能なモノマー、
    を有し、
    前記共重合可能なモノマー(2)が、塩化ビニル、及び/又は、無水マレイン酸と以下の一般式と一致する(メタ)アクリルモノマーから選択される少なくとも1種のモノマー:
    CH 2 =CR 2 3
    式中、R 2 は、水素、メチル基、及び基−COOHから選択され、R 3 は、基−CN、基−CH 2 −COOH及び基−COR 4 から選択され、ここで、R 4 は、基−OH、基−O−R 5 、基−NR 6 7 から選択され、ここで、R 5 は、1から18の炭素原子を含むアルキル基、及び合計で1から10の炭素原子を含むアルコキシアルキル基から選択され、R 6 及びR 7 は同一又は異なってもよく、水素、及び1から10の炭素原子を含むアルキル基から選択される)から選択され、そして、
    前記塩化ビニリデンポリマーが、塩化ビニリデン(1)に由来するモノマー単位の少なくとも50質量%を有し、残部が、前記共重合可能なモノマー(2)に由来するモノマー単位であるポリマー(P1)、
    2)少なくとも以下を含む、少なくとも1種のコオリゴマー(O1):
    a)ポリマー(P1)の前記エチレン性不飽和モノマー(M1)から誘導されたモノマー単位と同一のモノマー単位を少なくとも一つ含む成分(A)、及び
    b)エチレン性不飽和モノマーから誘導され、以下の基から選択される少なくとも一つの基を有する、モノマー単位(m2)を少なくとも一つ含む成分(B):
    − −(CH2b−Cc2c+1 (bは1から11の間、cは5以上)及び
    − ホスホネート基 −PO(OH)(OR1) (R1は、水素原子又は1から1 1の炭素原子を含むアルキル基)。
  2. 請求項に記載の組成物であって、コオリゴマー(O1)の成分(B)が、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、基−(CH2b−Cc2c+1(bは1から11、cは5以上)から選択される少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含むことを特徴とする組成物。
  3. 請求項に記載の組成物であって、コオリゴマー(O1)の成分(B)が、エチレン性不飽和モノマーから誘導され、ホスホネート基−PO(OH)(OR1)(R1は水素原子又は炭素原子を1から11含むアルキル基である)から選択される少なくとも一つの基を有する、少なくとも一つのモノマー単位(m2)を含むことを特徴とする組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、ポリマー(P1)及びコオリゴマー(O1)を少なくとも一つの溶媒中で混合すること、ポリマー(P1)の水性分散物中にコオリゴマー(O1)を分散させること、又はポリマー(P1)とコオリゴマー(O1)をプレミキシングにより混合することを含むことを特徴とする方法。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の組成物の、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面の被覆、又は成形品の製造のための使用。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のポリマー組成物によって、金属、ポリマー、紙又はセロファン表面を被覆する方法であって、ポリマー組成物を前述の表面に被覆し、前述の表面にコラミネートし又は成形した前述の表面を形成する材料と共に共押し出しする方法。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のポリマー組成物によって製造された物品又は物品の部品。
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