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JP5077386B2 - 充電制御方法および電池パック - Google Patents

充電制御方法および電池パック Download PDF

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Description

この発明は、電池パックおよび電池パックで用いられる充電制御方法に関し、特に、オリビン結晶構造を有する正極活物質を用いた電池セルを有する電池パックの充電制御方法および電池パックに関する。
近年、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型電子機器では、その電源として、リチウムイオン二次電池を用いた電池パックが広く使用されている。リチウムイオン二次電池は、軽量、高容量、残容量検出の容易さ、サイクル寿命の長さといった利点を有する。
リチウムイオン二次電池は、定電流・定電圧方式で充電を行い、充電時間または定電圧領域において電流値が所定電流値まで下がったことを検出する電流終止で充電を停止するのが一般的である。
従来用いられてきたコバルト系、マンガン系、ニッケル系の複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池を定電流・定電圧で充電すると、図1のような充電特性を示す。定電流時は、電池の電圧が上昇して行き、所定の電圧に達すると徐々に電流値が減少してゆく。電流値を検出して充電を終止させる方法で場合は、電池の持つ容量を充分に生かすことが出来る。
所定の充電時間で充電を終了する場合は、電池が長時間高電圧状態にさらされ、電池寿命が短くなる可能性がある。また、複数のリチウムイオン二次電池を直列に接続した電池パックの充電においては、通常充電器からある一定の出力電圧で充電するため、各電池の電圧バランスが崩れることがあり、この場合には過充電保護機能にて充電を停止することが多い。
一方、電池寿命を延ばすため、または過充電などからの安全性を高めるために、先の定電流・定電圧方式ではなく、定電流方式で充電を行うことがある。従来用いられてきたコバルト系、マンガン系、ニッケル系の複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池を定電流充電した場合の充電特性を図2に示す。しかしながら、電池の充電特性上、定電流方式では電池全体容量の80%程度の充電率に止まり、電池本来の性能を発揮できないという問題がある。定電流充電の場合、電池電圧が所定の電圧に到達したところで充電を完了させるため充電時間は短いがその分、充電容量が少なくその電池の性能を生かすことが出来ない。
電圧のばらつきや劣化の進行の差が生じた複数の二次電池を用いる場合、充放電制御が困難となり、二次電池に負担をかけてしまう。例えば、放電終止電圧に達していない二次電池が多くあるにも関わらず、放電が停止してしまうことが考えられる。充電時においても、満充電に達していない二次電池があるにも関わらず、充電が停止してしまうという同様の問題が生じる。これにより、劣化が進むにつれて電池パックの使用可能時間(すなわち放電時間)が減少し、満充電に達するために要する時間および充放電の回数が増加し、さらに二次電池の劣化を進行させることとなる。
一方、ある二次電池が放電終止電圧に達する、もしくは満充電状態に達しても、他の二次電池の電圧が充放電可能電圧であるために充放電が継続されるおそれもある。
これに対して、例えば、以下の特許文献1および特許文献2のように、放電の必要のある二次電池のみを一時的に放電させて二次電池間のバランスを取ることが考えられている。
特許第4213624号公報 特許第3951068号公報
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2のような構成では、二次電池の電池容量のばらつきを押さえるために放電を行うため、制御が煩雑となってしまう。
したがって、この発明は、オリビン結晶構造を有する正極活物質を用いた二次電池の状態を判断し、二次電池の状態に応じて充電方法を変化させる電池パックの充電制御方法および電池パックを提供することを目的とする。
課題を解決するために、この発明の二次電池の充電制御方法は、正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む二次電池を、複数有する電池パックに記憶された情報に応じて、定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法とのいずれを行うかを判断する充電方法判断ステップを備え、
第1の充電制御方法として、
複数の二次電池のそれぞれ、または電池パックの電圧が所定の電池電圧となるまで二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
二次電池のそれぞれ、または電池パックの電圧が所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
定電圧充電開始後における複数の二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において二次電池の少なくとも一つの電圧変化量、または二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
判断ステップにおいて、第1の所定時間内において複数の二次電池の少なくとも一つの電圧変化量、または二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったと判断された場合には、情報を第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
を備え、
第2の充電制御方法として、
複数の二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
複数の二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
を備えることを特徴とする。
また、この発明の電池パックは、正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む複数の二次電池と、
外部の電子機器と接続して充放電を行うための第1および第2の端子と、
第1の制御信号により制御され、二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
第2の制御信号により制御され、二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
二次電池の電圧および電流を検出し、二次電池の電圧、電流および温度に応じた第1および第2の制御信号を出力することにより、充電制御スイッチおよび放電制御スイッチを制御するとともに、充電制御を行う制御部と
定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法のいずれかを選択するための情報を記憶する記憶部と
を備え、
制御部が、
記憶部に記憶された情報に応じて、第1の充電制御方法と第2の充電制御方法とのいずれにより複数の二次電池に対して充電を行うかを判断し、
第1の充電制御方法として、
複数の二次電池のそれぞれ、または複数の二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となるまで二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
二次電池のそれぞれ、または複数の二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
定電圧充電開始後における複数の二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において二次電池の少なくとも一つの電圧変化量、または二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
判断ステップにおいて、第1の所定時間内において複数の二次電池の少なくとも一つの電圧変化量、または二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったと判断された場合には、情報を第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
を備え、
第2の充電制御方法として、
複数の二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
複数の二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
を備えることを特徴とする。
上述の充電制御方法では、二次電池の使用初期には第1の充電制御方法を選択し、充放電が進んで複数の二次電池の電池容量もしくは電池電圧に一定以上のばらつきが生じた場合に第2の充電制御方法を選択するようにする。第2の充電制御方法では、オリビン結晶構造を有する正極活物質の充電特性である、定電流充電末期における急激な電圧上昇を検出して充電を終了させる。これにより、充放電サイクルの進行に伴う電池容量のばらつきを抑制しつつ略満充電状態まで充電を行うことができる。
この発明によれば、オリビン結晶構造を有する複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質電池の特長である高い安全性、電池のサイクル長寿命を更に効率よく維持することが出来る。
コバルト系、マンガン系、ニッケル系の複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電流・定電圧充電時の充電特性を示すグラフである。 コバルト系、マンガン系、ニッケル系の複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電流充電時の充電特性を示すグラフである。 オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電流・定電圧充電時の充電特性を示すグラフである。 オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電圧充電時の充電特性を示すグラフである。 オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電流充電時の充電特性を示すグラフである。 この発明の電池パックおよび充電器の第1の実施形態における回路の一構成例を示すブロック図である。 この発明の第1の実施形態における充電方法の一例を示すフローチャートである。 オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の定電圧充電時の充電特性を示すグラフである。 この発明の第1の実施形態における充電方法の他の例を示すフローチャートである。 この発明の電池パックおよび充電器の第2の実施形態における回路の一構成例を示すブロック図である。 この発明の第2の実施形態における充電方法の一例を示すフローチャートである。 この発明の第2の実施形態における充電方法の他の例を示すフローチャートである。 この発明における二次電池の一構成例を示す断面図である。 この発明における二次電池の一構成例を示す断面図である。 正極活物質であるリン酸鉄リチウムとコバルト酸リチウムとの混合比を変えた電池の電池特性を示すグラフである。 この発明の電池パックの一構成例を示す分解斜視図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(充電器において充電制御を行う方法の例)
2.第2の実施の形態(電池パックにおいて充電制御を行う方法の例)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態の充電制御機能を備えた電池パックの例)
1.第1の実施の形態
以下、この発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。第1の実施の形態では、正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む正極を用いた非水電解質二次電池を備えた電池パックの第1の充電方法について説明する。この充電方法は、定電流・定電圧充電の定電圧充電領域において、複数の二次電池間の電池電圧のばらつきを検出し、検出結果に応じて充電を停止させ、かつ次回からの充電制御方法を変えるように充電器に対して制御信号を送出するように構成される。
(1−1)この発明の充電方法について
この発明では、複数の二次電池を備えた電池パックにおいて、定電流・定電圧充電を行った際に、二次電池それぞれの電池容量に大きなばらつきが生じた場合には、充電を終了させて、次回の充電から定電流充電のみで充電を行うようにする。そして、定電流充電では、それぞれの電池容量にばらつきが生じていることから、電池電圧にもばらつきが生じている。このため、設定された充電終止電圧の検出によってではなく、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を正極活物質として用いた場合に得られる特異な充電特性を用いて充電を終了させる。
以下、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を用いた場合の充電特性について説明する。
図3に、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子(以下、オリビン型複合酸化物粒子と適宜称する)を正極活物質として用いた非水電解質電池を定電流・定電圧充電した場合の充電特性を示す。図4に、定電圧充電時の充電特性を示す。図5に、定電流充電末期の充電特性を示す。
図3に示すように、オリビン型複合酸化物粒子を正極活物質として用いた非水電解質電池の場合、定電流充電時の電圧は比較的フラットな特性であり、定電流から定電圧に切り替わる直前に電圧が急激に上昇する傾向がある。
そして、オリビン型複合酸化物粒子を用いた非水電解質電池では、定電流領域でその電池の容量の90%以上を充電することが出来る。そのため、オリビン型複合酸化物粒子を正極活物質として用いる非水電解質電池は、定電流の充電領域にて、ほぼ満充電付近の状態まで充電が行われる。
オリビン型複合酸化物粒子を用いた場合、定電流から定電圧充電に移行する時に電圧の上昇が急激になることから、非水電解質電池を2本以上直列に接続した多直列の電池パックでは、充放電を重ねた場合に電池容量のバランス崩れが生じる。これにより、定電圧充電に切り替わった際、電池容量の少ない電池が電圧上昇し、電池容量の多い電池の電圧が下がって行く傾向がある。この傾向は、電池容量のバランス崩れが大きいほど顕著になる。
そこで、電池電圧のバランス崩れがない場合は、従来の定電流・定電圧充電で、充電電流が設定値に達する、もしくは充電時間が設定値に達した時点で充電を終了する。この発明では、上述したオリビン型複合酸化物粒子特有の電圧上昇を検出することにより、定電流充電で充電を終了させる。
そして、電池容量もしくは電池電圧のばらつきの崩れがある一定の条件を満たしている場合には、定電圧充電を終了し、次回の充電からは定電流充電のみで充電を終了するようにする。電池電圧のばらつきの崩れは、図4に示すように、定電圧充電時に各電池の電圧を監視し、一定時間内(ΔT1)での電圧変化量が設定値に達するか否かで検出する。すなわち、電圧変化量ΔV1またはΔV2の少なくとも一方が設定値に達するか否かを判断する。なお、電圧変化量ΔV1またはΔV2は、電圧変化量の絶対値である。
また、電圧変化量ΔV1およびΔV2の合計値や、電圧変化量ΔV1とΔV2との平均値により判断してもよい。特に、直列に接続された二次電池の電圧変動は、電圧変動値の絶対値の少なくとも一つが設定値に達するか否かを判断するか、もしくは電圧変動値の絶対値の平均が設定値に達するか否かを判断することが好ましい。一定時間内(ΔT1)での電圧変化量が設定値に達した場合には、次回の充電からは定電流充電のみを行うようにする。
また、例えばΔT1より長い所定の時間ΔT2内で設定値に達した場合には、充電電流値および充電時間に関係なく、その時点で充電を終了するようにしても良い。このとき、次回の充電では定電流充電後に定電圧充電を行うようにする。一定時間内(ΔT1)での電圧変化量が設定値に達する場合よりも電池間の電池電圧のばらつきが小さいため、すぐに定電流充電のみの充電方法に切り替えないようにする。
このとき、充電初期には電池パック内部に設けられたマイクロコントローラのメモリに記憶される充電モード切替フラグを例えば0とし、充電モード切替フラグが0の場合には、定電流・定電圧充電を行うものとする。充電器30では、電池パックのメモリに記憶された充電モード切替フラグを確認し、記憶された充電モード切替フラグに応じた受電方法で充電を行う。
そして、電池電圧のバランス崩れが大きくなった場合には、次回の充電より充電終了方式を変更させるため、電池パック内部に設けられたマイクロコントローラのメモリに記憶された充電モード切替フラグを更新する。すなわち、例えば、充電初期にメモリに記憶された充電モード切替フラグ0を、電池電圧のバランス崩れが大きくなった場合には、充電モード切替フラグ1として記憶する。充電モード切替フラグが1とされた電池パックは、次回の充電より、オリビン型複合酸化物粒子特有の電圧上昇を検出することにより、定電流充電で充電を終了させる。
充電モード切替フラグが0とされ、定電流充電のみの充電とされた場合には、図5に示すように定電流状態で各電池電圧の上昇(ΔV1)と時間(ΔT3)を監視し、一定時間(ΔT3)内の電圧上昇量が設定値に達した場合には、充電を終了させる。そして、さらに電圧バランスが崩れた場合、電池パック内に搭載した保護ICにて過充電保護することにより、各電池電圧の過充電保護を二重保護にすることが出来る。
(1−2)電池パックおよび充電器の回路構成
図6は、第1の実施の形態における電池パック1および充電器30の一構成例を示す回路図である。
[電池パックの構成]
図6に示すように、電池パック1は、例えば4本の二次電池10a〜10dからなる組電池10、保護回路20、プラス端子2aおよびマイナス端子2b、通信端子3ならびに電圧モニター端子4a〜4dから構成される。
組電池10は、リチウムイオン二次電池等の複数の二次電池が直列および/または並列接続されたものである。この発明の第1の実施の形態では、4つの二次電池10a〜10dが直列に接続された場合について説明する。
プラス端子2aおよびマイナス端子2bは、それぞれ充電器30もしくは図示しない電子機器のプラス端子およびプラス端子に接続され、二次電池10a〜10dに対する充電および電子機器に対する放電が行われる。通信端子3は、電子機器との通信を行い、例えば電子機器に対して電池パックの状態を送信し、必要に応じて電子機器においてステータス表示を行うためのものである。例えば、電子機器のアラームランプを点灯させたり、電子機器の表示部に電池状態を文字やアイコン等で表示させたりすることができる。また、通信端子3を介して電子機器と通信を行うことにより、電池パック1が正規の製品であるかを認証したり、二次電池10a〜10dの残容量を電子機器に通知したりする。
電圧モニター端子4a〜4dは、監視した二次電池10a〜10dそれぞれの電池電圧を、充電器30に送信するためのものである。第1の実施の形態では、充電器30側において充電制御を行うため、電池電圧値は充電器30に送信されて制御される。
保護回路20は、メモリ22を備えるマイクロコントローラ21、保護IC(Integrated Circuit;集積回路)23、放電制御FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)24および充電制御FET25を備えている。
メモリ22は、電池の充電方法、すなわち後に説明する充電モード切替フラグを記憶しており、通信端子3を介して充電器30に充電モードが送信される。保護IC23は、二次電池10a〜10dの過充電時および過放電時に放電制御FET24および充電制御FET25を制御して充電もしくは放電を停止させる信号を送信する。
放電制御FET24および充電制御FET25のそれぞれのドレイン・ソース間には、ダイオード24aおよび25aが存在する。ダイオード24aは、プラス端子2aから組電池10の方向に流れる充電電流に対して順方向で、マイナス端子2bから組電池10の方向に流れる放電電流に対して逆方向の極性を有する。ダイオード25aは、充電電流に対して逆方向で、放電電流に対して順方向の極性を有する。
放電制御FET24および充電制御FET25のそれぞれのゲートには、保護IC23からの制御信号DOおよびCOがそれぞれ供給される。通常の充電動作および放電動作では、制御信号DOが論理“L”レベル(以下、ローレベルと適宜称する)とされて放電制御FET24がON状態とされる。また、制御信号COがローレベルとされて充電制御FET25がON状態とされる。放電制御FET24および充電制御FET25はPチャンネル型であるので、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号DOおよびCOがローレベルとされ、放電制御FET24および充電制御FET25がON状態とされる。一方、制御信号DOおよびCOがハイレベルとされた時には、放電制御FET24および充電制御FET25がOFF状態とされる。
放電制御FET24はダイオード24aを備え、上述のように保護IC23からの信号に応じてON/OFFされる。放電制御FET24がOFFされた場合には、ダイオード24aを介した充電のみが可能とされる。充電制御FET25はダイオード25aを備え、保護IC23からの信号に応じてON/OFFされる。充電制御FET25がOFFされた場合には、ダイオード25aを介した放電のみが可能とされる。
[充電器の構成]
図6に示すように、充電器30は、プラス端子32a、マイナス端子32b、通信端子33ならびに電圧モニター端子34aないし34d、マイクロコントローラ35、充放電制御FET36、電流検出抵抗37、電源部38から構成される。
マイクロコントローラ35は、例えば各電池の電圧を監視する電池電圧監視部35A、電池パック1との通信を行う通信部35Bおよび充電制御部35Cで構成される。充電は、電池パック1のプラス端子2a、マイナス端子2b、通信端子3および電圧モニター端子4a〜4dと、充電器30のプラス端子32a、マイナス端子32b、通信端子33および電圧モニター端子34aないし34dとが接続されて開始される。
マイクロコントローラ35では、上述したように、電池電圧監視部35Aにおいて電池パック1の二次電池10a〜10dのそれぞれの電圧値を監視し、充電制御部35Cに出力する。充電制御部35Cには例えば図示しないカウンタが備えられており、充電時間を測定し、予め設定された充電時間となった場合には、制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。また、電流検出抵抗37により充電電流値を監視し、電池が略満充電となり、充電電流が所定値以下となった場合にも同様に、制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。
また、充電制御部35Cは、定電流・定電圧充電時の定電圧充電領域における一定時間内における電池電圧の変化量(図4におけるΔV1、ΔV2等)を検出する。そして、一定時間内における電池電圧の変化量が設定値を超えた場合には、複数の二次電池間の電池容量および電池電圧のばらつきが大きくなったと判断し、制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。また、充電制御部35Cは、通信部35Bを介して電池パック1に信号を送信し、電池パック1のメモリ22にあらかじめ記憶された充電モード切替フラグ=0を、充電モード切替フラグ=1となるように更新して記憶させる。さらに、充電制御部35Cは、電流検出抵抗37により充電電流値を監視し、過電流時には制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。
さらに、充電モード切替フラグ=1とされた後の定電流充電時において一定時間内における電池電圧の変化量(図5におけるΔV3等)を検出する。そして、一定時間内における電池電圧の変化量が設定値を超えた場合には、略満充電であると判断し、制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。なお、充電制御部35Cは、充電開始時に通信部35Bを介して電池パック1のメモリ22に記憶された充電モード切替フラグを読み出し、充電モード切替フラグに応じた充電制御を行う。
(1−3)充電制御方法
図7は、第1の実施の形態における充電方法を示すフローチャートである。以下、図7を用いてこの発明の第1の実施の形態における電池パック1の充電時の動作を説明する。以下の充電制御は、充電器のマイクロコントローラ35によりなされる。
電池パック1のプラス端子2a、マイナス端子2b、通信端子3および電圧モニター端子4a〜4dと、充電器30のプラス端子32a、マイナス端子32b、通信端子33および電圧モニター端子34aないし34dとが接続されることにより、充電が開始される。
充電開始後、ステップS1において、電池パック1のマイクロコントローラ21のメモリ22に書き込まれている充電モード切替フラグを充電器30のマイクロコントローラ35の通信部35Bで読み込む。初期状態では、二次電池間の電池容量または電池電圧のばらつきが少ないため、電池パック1のマイクロコントローラ21のメモリ22には、例えば充電モード切替フラグ=0が書き込まれているとする。ステップS1では、充電モード切替フラグが0であるか否かが判断される。ステップS1において充電モード切替フラグが0であると判断された場合には、定電流・定電圧充電を行うことを認識し、処理がステップS2に移る。
ステップS1において充電モード切替フラグが0であると判断された場合には、二次電池10a〜10dの電池容量または電池電圧のばらつきが少ないものとして、電池パック1では定電流・定電圧充電が行われる。ステップS2において、定電流充電が開始される。このとき、充電器30の電流検出抵抗37を用いて充電制御部35Cにおいて電流が監視されると共に、必要に応じてマイクロコントローラ35で定電流充電開始からの時間がカウントされる。ステップS1において充電モード切替フラグが0であると判断されなかった場合には、ステップS11に処理が移る。
ステップS3では電池パック1の電圧モニター端子4a〜4dと接続された充電器30の電圧モニター端子34aないし34dにかかる電圧がマイクロコントローラ35の電池電圧監視部35Aでそれぞれ監視される。電圧の監視は、所定時間毎に行われる。
ステップ4において、各二次電池の電圧が一定の電圧(例えば、上限電圧3.6V/セル)となったか否かが判断される。ステップS4で各二次電池の電圧が一定の電圧となったと判断された場合には、処理がステップS5に移る。ステップS4で各二次電池の電圧が一定の電圧となったと判断されなかった場合には、処理がステップS3に戻り、定電流充電を継続する。なお、ステップS4では、図6のように4本の二次電池10a〜10dを用いた電池パック1では、二次電池10a〜10dの全体の電圧が一定の電圧、すなわち3.6V×4=14.4Vとなったか否かで判断される。これにより、個々の二次電池10a〜10dの電池電圧のばらつきを考慮することなく定電流充電を終了させることができる。
ステップS4で各二次電池の電圧または電池パックの電圧が一定の電圧となったと判断された場合には、処理がステップS5に移り、定電圧充電が開始される。このとき、充電器30の電流検出抵抗37を用いて充電制御部35Cにおいて電流が監視されると共に、必要に応じてマイクロコントローラ35で定電圧充電開始からの時間がカウントされる。なお、定電流充電の開始時から継続して充電時間がカウントされている場合には、定電圧充電開始からの時間をカウントは不要である。
ステップS6において、マイクロコントローラ35は電圧モニター端子4a〜4dを介して各二次電池10a〜10dの電圧を監視するとともに、所定時間ΔT1内における電圧変動ΔV(図4におけるΔV1またはΔV2、もしくはΔV1およびΔV2との差)を監視する。なお、以下、定電圧領域での電圧変化量は、二次電池の本数にかかわらずΔVと適宜称する。
ステップS7において、各二次電池10a〜10dの定電圧充電開始からの電圧変動ΔVが所定時間ΔT1内において設定値を超えるか否か、すなわち、ΔV/ΔT1≧設定値となったか否かを判断する。なお、所定時間ΔT1は、定電圧充電開始からの所定時間でもよく、また、定電圧充電開始時点を含まない所定時間であってもよい。ステップS7において、ΔV/ΔT1≧設定値ではないと判断された場合には、処理がステップS8に移る。ステップS7において、ΔV/ΔT1≧設定値であると判断された場合には、二次電池10a〜10dの電池容量または電池電圧のばらつきが大きくなったものとして、処理がステップS10に移り、通信部35Bを介して充電モード切替フラグ=1を電池パック1のメモリ22に記憶させる。続いてステップS9に処理が移り、充電を終了させる。
ステップS8において、例えば充電電流が所定の設定値以下となったか否かを判断する。ステップS8において充電電流が所定の設定値以下となった場合には、電池パック1が略満充電状態にあるとして処理がステップS9に移り、充電器30からの出力を停止して電池パック1の充電が終了する。ステップS8において充電電流が所定の設定値以下となっていない場合には、ステップS7に戻って定電圧充電を継続する。
ステップS10において電池パック1のマイクロコントローラ21のメモリ22に充電モード切替フラグが1と書き込まれた場合には、ステップS1において充電モード切替フラグが0でないと判断される。この場合には、定電流充電のみを行う充電方法であることが認識され、ステップS11に処理が移り、定電流充電が開始される。ステップS11で定電流充電が開始されると、マイクロコントローラ35で時間がカウントされる。
ステップS12では、電池パック1の電圧モニター端子4a〜4dと接続された充電器30の電圧モニター端子34aないし34dにかかる電圧をマイクロコントローラ35の電池電圧監視部35Aでそれぞれ監視する。そして、所定時間ΔT3内における電圧変動ΔV3を監視する。
ステップS13において、電圧変動ΔV3が所定時間ΔT3内において設定値を超えるか否か、すなわちΔV3/ΔT3≧設定値となったか否かを判断する。なお、オリビン型複合酸化物粒子を正極活物質として用いた非水電解質電池の充電特性である定電流充電末期の急激な電圧上昇を検出するために、所定時間ΔT3は、定電圧充電開始時点を含まないごく短い所定時間であることが好ましい。定電圧充電開始時点からの電圧変化量ではなく、急激な電圧上昇を検出するためである。このために、所定時間ΔT3は、例えば30秒以内に設定されることが好ましい。ステップS13において、ΔV3/ΔT3≧設定値となったと判断されない場合は、処理がステップS12に戻り、定電流充電が継続される。ステップS13において、ΔV3/ΔT3≧設定値となったと判断された場合には、定電流充電末期と判断されてステップS9に処理が移り、充電を終了させる。
(1−4)充電制御方法の変形例
図7に示すフローチャートの充電制御方法は、定電圧充電領域での電圧変化の検出により二次電池間の電池容量のばらつきを判断し、定電流充電のみの充電方法に切替えるものである。定電圧充電領域において、所定時間内に二次電池の電圧変化が設定値以上とならなければ、充電時間もしくは充電電流値によって充電を終了させる。
この充電制御方法の変形例では、第1の実施の形態で説明した充電方法の定電圧充電領域において、ΔT1の時間内に電池電圧が設定値以上変動しない場合であっても、図8に示すようにΔT1よりも長いΔT2の時間内に電池電圧が設定値以上変動した場合には、充電を終了させるようにする。このとき、ΔT1時間内では電池電圧が設定値以上変動していないため、充電モード切替フラグは0のままとし、充電のみ終了させるようにする。これにより、電圧のばらつきを促進しにくくすることができる。
このような充電方法は、図9のフローチャートで示すことができる。なお、図9のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと同じ動作を行う部分は同じ参照番号とする。以下、図7のフローチャートと異なる部分のみ説明する。
図9のフローチャートでは、ステップS7およびステップS8との間に、所定時間ΔT2(ΔT2>ΔT1)における電圧変動ΔV(図4におけるΔV1またはΔV2、もしくはΔV1およびΔV2との差)を監視するステップS21を設ける。ステップS21では、マイクロコントローラ35は電圧モニター端子4a〜4dを介して各二次電池10a〜10dの電圧を監視するとともに、ΔV/ΔT2≧設定値となったか否かを判断する。そして、ステップS21において、ΔV/ΔT2≧設定値であると判断された場合には、処理がステップS9に移り、充電が終了される。このとき、充電モード切替フラグは0のままとする。そして、ステップS21において、ΔV/ΔT2≧設定値であると判断されなかった場合には、処理がステップS8に移る。
このように、充電終了条件を段階的に設定することにより、オリビン結晶構造を有する複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質電池の特長である高い安全性、電池のサイクル長寿命を更に効率よく維持することが出来る。また、電池容量のばらつきを抑制しつつ、定電流充電により略満充電状態まで充電することができる。このため、電池容量にばらつきが生じても、過充電状態を最小限に抑えることができる。
また、オリビン結晶構造を有する正極活物質を用いた電池パックの充電時間の短縮を実現できる。さらに、電池パックの劣化が極端に進んだ場合でも、この発明の充電終了検出と電池パック内の保護IC23が持つ過充電保護機能を二重で使用できるため、電池の過電圧に対する安全性をさらに強固なものとすることができる。
なお、第1の実施の形態では、充電制御を充電器側で行う。このため、電池パック1の代わりに保護回路を備えていない二次電池とし、充電器30を充電機能を備えた電子機器とすることも可能である。この場合、放電制御についても電子機器側で行うようにする必要がある。
2.第2の実施の形態
以下、この発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。第2の実施の形態では、第1の実施形態における充電制御を電池パック1内で行うことを特徴とする。
(2−1)電池パックおよび充電器の回路構成
図10は、第2の実施の形態における電池パック1および充電器30の一構成例を示す回路図である。なお、以下、第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
[電池パックの構成]
図10に示すように、電池パック1は、例えば4本の二次電池10a〜10dからなる組電池10、保護回路20、プラス端子2aおよびマイナス端子2bおよび通信端子3から構成される。
保護回路20は、メモリ22を備えるマイクロコントローラ26、保護IC23、放電制御FET24および充電制御FET25を備えている。
マイクロコントローラ26は、例えば各電池の電圧を監視する電池電圧監視部26A、充電制御部26Bおよび電流監視部26Cで構成される。電池電圧監視部26Aは、二次電池10a〜10dのそれぞれの電圧値を直接監視して充電制御部26Bに出力する点以外は、第1の実施の形態の電池電圧監視部35Aと同様である。電流監視部26Cは、電流検出抵抗27によって電流値を監視し、電流値を充電制御部26Bに出力する。
充電制御部26Bは、電流監視部26Cから入力された充電時の二次電池10a〜10dのそれぞれの電圧と、電流監視部26Cから入力された電流値を監視し、電圧値および電流値等に応じた充電制御信号を通信端子3を介して充電器30に送信する点以外は、第1の実施の形態の充電制御部35Cと同様である。
[充電器の構成]
図10に示すように、充電器30は、プラス端子32a、マイナス端子32bおよび通信端子33、マイクロコントローラ39、充放電制御FET36、電流検出抵抗37、電源部38から構成される。
マイクロコントローラ39は、充電制御部39Aと、電流監視部39Bとを備えている。充電制御部39Aは、電池パック1から入力された充電制御信号を基に制御信号を出力して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。また、電流監視部39Bは、電流検出抵抗37により充電電流値を監視し、電池が略満充電となり、充電電流が所定値以下となった場合にも同様に、制御信号を送信して充放電制御FET36をOFFし、充電を終了させる。
(2−2)充電制御方法
図11は、第2の実施の形態における充電方法を示すフローチャートである。以下、図11を用いてこの発明の第2の実施の形態における電池パック1の充電時の動作を説明する。なお、第2の実施の形態における充電制御の判断は、電池パック1のマイクロコントローラ26によりなされる。そして、電池パック1のマイクロコントローラ26から充電器30のマイクロコントローラ39に対して充電制御信号を送信することにより、充電時の制御を行う。
電池パック1のプラス端子2a、マイナス端子2b、通信端子3と、充電器30のプラス端子32a、マイナス端子32b、通信端子33とが接続されることにより、充電が開始される。
充電開始後、ステップS31において、電池パック1のマイクロコントローラ26のメモリ22に書き込まれている充電モード切替フラグを、マイクロコントローラ26で読み込む。初期状態では、二次電池間の電池容量または電池電圧のばらつきが少ないため、電池パック1のマイクロコントローラ21のメモリ22には、例えば充電モード切替フラグ=0が書き込まれているとする。ステップS31では、充電モード切替フラグが0であるか否かが判断される。ステップS31において充電モード切替フラグが0であると判断された場合には、定電流・定電圧充電を行うことを認識し、処理がステップS32に移る。
ステップS31において充電モード切替フラグが0であると判断された場合には、第1の実施の形態と同様に、電池パック1では定電流・定電圧充電が行われる。ステップS32において、定電流充電が開始される。このとき、電池パック1の電流検出抵抗27を用いて充電制御部26Bにおいて電流が監視されると共に、必要に応じてマイクロコントローラ26で定電流充電開始からの時間がカウントされる。ステップS31において充電モード切替フラグが0であると判断されなかった場合には、ステップS41に処理が移る。
ステップS33では、二次電池10a〜10dの電圧が、直接マイクロコントローラ26の電池電圧監視部26Aでそれぞれ監視される。
ステップS34において、各二次電池の電圧が一定の電圧となったか否かが判断される。ステップS34で各二次電池の電圧が一定の電圧または電池パックの電圧が一定の電圧となったと判断された場合には、処理がステップS35に移る。ステップS34で各二次電池の電または電池パックの電圧圧が一定の電圧となったと判断されなかった場合には、処理がステップS33に戻り、定電流充電を継続する。
ステップS35では、定電圧充電が開始される。このとき、電池パック1の電流検出抵抗27を用いて充電制御部26Bにおいて電流が監視されると共に、必要に応じてマイクロコントローラ26で定電圧充電開始からの時間がカウントされる。
ステップS36において、マイクロコントローラ26は各二次電池10a〜10dの電圧を直接監視するとともに、所定時間ΔT1内における電圧変動ΔVを監視する。
ステップS37において、ΔV/ΔT1≧設定値となったか否かを判断する。ステップS37において、ΔV/ΔT1≧設定値ではないと判断された場合には、処理がステップS38に移る。ステップS37において、ΔV/ΔT1≧設定値であると判断された場合には、処理がステップS40に移り、充電制御部26Bが充電モード切替フラグ=1を電池パック1のメモリ22に記憶させる。続いてステップS39に処理が移り、充電を終了させる。
ステップS38において、例えば充電電流が所定の設定値以下となったか否かを判断する。ステップS38において充電電流が所定の設定値以下となった場合には、電池パック1が略満充電状態にあるとして処理がステップS39に移り、電池パック1のマイクロコントローラ26から充電器30に対して、充電を停止するように制御信号を送信する。そして、充電器30のマイクロコントローラ39が、充放電制御FET36に対してOFFするように制御信号を出力することにより、充電器30からの出力を停止して電池パック1の充電が終了する。ステップS38において充電電流が所定の設定値以下となっていない場合には、ステップS37に戻って定電圧充電を継続する。
ステップS40において電池パック1のマイクロコントローラ26のメモリ22に充電モード切替フラグが1と書き込まれた場合には、ステップS31において充電モード切替フラグが0でないと判断される。この場合には、定電流充電のみを行う充電方法であることが認識され、ステップS41に処理が移る。そして、電池パック1のマイクロコントローラ26から充電器30のマイクロコントローラ39に対して制御信号が送信されて、定電流充電が開始される。ステップS41で定電流充電が開始されると、マイクロコントローラ39で時間がカウントされる。
ステップS42では、電池パック1のマイクロコントローラ26が二次電池10a〜10dの電圧を直接監視する。そして、所定時間ΔT3内における電圧変動ΔV3を監視する。
ステップS43において、ΔV3/ΔT3≧設定値となったか否かを判断する。所定時間ΔT3は、第1の実施の形態と同様に、定電圧充電開始時点を含まないごく短い所定時間であることが好ましい。ステップS43において、ΔV3/ΔT3≧設定値となったと判断されない場合は、処理がステップS42に戻り、定電流充電が継続される。ステップS43において、ΔV3/ΔT3≧設定値となったと判断された場合には、定電流充電末期と判断されてステップS39に処理が移り、電池パック1のマイクロコントローラ26から充電器30に対して、充電を停止するように制御信号を送信する。そして、充電器30のマイクロコントローラ39が、充放電制御FET36に対してOFFするように制御信号を出力することにより、充電器30からの出力を停止して電池パック1の充電が終了する。
(2−3)充電制御方法の変形例
図12に示すフローチャートの充電制御方法は、図9に示す充電方法と同様に、充電終了条件を段階的に設定したものである。
図12に示す充電方法では、第1の実施の形態の変形例と同様に、ステップS37とステップS38との間にステップS51を設け、ΔT1よりも長いΔT2の時間内に電池電圧が設定値以上変動した場合には、充電を終了させるようにする。このとき、ΔT1時間内では電池電圧が設定値以上変動していないため、充電モード切替フラグは0のままとし、充電のみ終了させるようにする。これにより、電圧のばらつきを促進しにくくすることができる。
このように、電池パック1で充電制御を行う場合であっても、第1の実施形態と同様に充電終了条件を段階的に設定して安全性、電池特性を維持することができる。
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態では、この発明の第1および第2の実施の形態における充電制御を実施する電池パック1について説明する。
電池パック1は、オリビン型複合酸化物粒子を正極活物質として用いた二次電池を備えている。以下、二次電池の構成について説明する。
(3−1)二次電池の構成
図13は、この発明の一実施形態による非水電解質電池(以下、二次電池と適宜称する)の断面構造を示す。この電池は、例えばリチウムイオン二次電池である。
図13に示すように、この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶41の内部に、帯状の正極51と帯状の負極52とがセパレータ53を介して巻回された巻回電極体50を有している。電池缶41は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶41の内部には、巻回電極体50を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板46,47がそれぞれ配置されている。
電池缶41の開放端部には、電池蓋42と、この電池蓋42の内側に設けられた安全弁機構43および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、絶縁封口ガスケット45を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶41の内部は密閉されている。電池蓋42は、例えば、電池缶41と同様の材料により構成されている。
安全弁機構43は、熱感抵抗素子44を介して電池蓋42と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板43Aが反転して電池蓋42と巻回電極体50との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子44は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。絶縁封口ガスケット45は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体50は、例えば、センターピン54を中心に巻回されている。巻回電極体50の正極51にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード55が接続されており、負極52にはニッケル(Ni)などよりなる負極リード56が接続されている。正極リード55は安全弁機構43に溶接されることにより電池蓋42と電気的に接続されており、負極リード56は電池缶41に溶接され電気的に接続されている。
図14は図13に示した巻回電極体50の一部を拡大して表すものである。
[正極]
正極51は、例えば、正極集電体51Aと、正極集電体51Aの両面に設けられた正極活物質層51Bとを有している。なお、正極集電体51Aの片面のみに正極活物質層51Bが存在する領域を有するようにしてもよい。正極集電体51Aは、例えば、アルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層51Bは、例えば、正極活物質と、繊維状炭素やカーボンブラック等の導電剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤とを含む。正極活物質としては、例えば、オリビン構造を有するリチウムリン酸化合物の一次粒子の凝集体である二次粒子を用いる。一次粒子としては、平均粒径が1μm以下、好ましくは500nm以下である、粒子径が比較的小さい材料を用いる。これにより、活物質の反応面積を増大させることができるとともに、導電性の低いこの発明のオリビン型複合酸化物粒子の粒子内での導電性を向上させることができる。一般的に、この一次粒子は、二次粒子化されて正極活物質として用いられる。
オリビン構造を有するリチウムリン酸化合物としては、例えば、化Iで表されるオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を挙げることができる。
(化I)
LiMxPO4
(式中、Mは、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種である。xは0≦x≦1である。)
化Iで表される化合物としては、LiFePO4や、LiFe1-yMeyPO4、LiFe1-y-zMe1yMe2zPO4、LiCoPO4、LiCo1-yMeyPO4、LiMn1-yMeyPO4(式中、Me、Me1、Me2は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)から選ばれる1種であり、0<y<1、0<z<1である。)を用いることも可能である。
このようなオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子は、他の正極活物質材料とともに用いられてもよい。オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子は、この発明の充電方法を用いるために、正極活物質全体の5重量%以上含まれることが好ましい。
図15に、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子の混合量が異なる正極活物質を用いた二次電池の充電特性を示す。図15に示すように、オリビン結晶構造有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を正極活物質の5重量%含む場合、この発明で検出すべき電圧変化が定充電末期に見られるため好ましい。
なお、図15の充電特性は、コイン型電池における充電特性を示しているが、他の形態の電池においても同様の充電特性傾向を示す。図15において、実線は、オリビン結晶構造有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)5重量%と、層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO2)95重量%とを混合した正極活物質を用いた場合の充電特性である。点線は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)1重量%と、コバルト酸リチウム(LiCoO2)99重量%とを混合した正極活物質を用いた場合の充電特性である。一点鎖線は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)0.1重量%と、コバルト酸リチウム(LiCoO2)99.9重量%とを混合した正極活物質を用いた場合の充電特性である。細線は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)のみを用いた場合の充電特性である。
なお、リチウムリン酸化合物の表面には、例えば、導電性を向上させるために炭素材料等を担持させてもよい。
また、二次粒子は、例えばスプレードライ法等の一般的に用いられる方法により造粒できる。スプレードライ法では、上述の一次粒子を例えばカーボンの原材料とともに溶媒中に分散し、高温雰囲気下に噴霧することにより、瞬時に溶媒を飛ばして炭素材料が被覆された一次粒子が凝集した二次粒子を形成することができる。なお、二次粒子の細孔径は、一次粒子を分散させる溶媒の濃度やその他の造粒条件を調整することにより、変化させることができる。
また、正極活物質層に含まれる導電剤としては、特に、繊維状炭素が好ましい。繊維状炭素は、略球形を有する炭素材料と比べて長径が長いことから、導電剤として用いた場合に、略球形の炭素材料を用いた場合と比較して導電剤同士の接点を少なくすることができる。導電剤同士は結着剤によって接続されているため、接点数が少なくなることにより導電経路の結着剤量が減少し、抵抗の上昇を抑制することができる。このため、繊維状炭素を用いることによって正極活物質層の厚み方向における導電性を向上させることが可能となる。
繊維状炭素は、例えば気相法により形成されたいわゆる気相法炭素繊維を用いることができる。気相法炭素繊維は、例えば、高温雰囲気下に、触媒となる鉄と共に気化された有機化合物を吹き込む方法で製造することができる。気相法炭素繊維は、製造した状態のままのもの、800〜1500℃程度で熱処理したもの、2000〜3000℃程度で黒鉛化処理したもののいずれも使用可能であるが、熱処理さらには黒鉛化処理したものの方が炭素の結晶性が進んでおり、高導電性および高耐圧特性を有するため好ましい。
繊維状炭素は、平均繊維径が1nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上200nmがより好ましい。また、平均繊維径と平均繊維長を用いて(平均繊維長/平均繊維径)で算出されるアスペクト比は、平均20以上20000以下が好ましく、平均20以上4000以下がより好ましく、平均20以上2000以下がさらに好ましい。
さらに、例えば電池の体積効率を向上させるために正極活物質層の厚さを厚くした場合、正極活物質層に含まれる導電剤としては、二次粒子化したカーボンブラック等を用いることが好ましい。導電剤として二次粒子化した炭素材料の長径は繊維状炭素の長径より長く、導電剤同士の接点が減少するため、結着剤によって導電性が低下するのを防止することができる。
[負極]
負極52は、例えば、負極集電体52Aと、負極集電体52Aの両面に設けられた負極活物質層52Bとを有している。なお、負極集電体52Aの片面のみに負極活物質層52Bが存在する領域を有するようにしてもよい。負極集電体52Aは、例えば銅(Cu)箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層52Bは、例えば負極活物質を含んでおり、必要に応じて導電剤、結着剤あるいは粘度調整剤などの充電に寄与しない他の材料を含んでいてもよい。導電剤としては、黒鉛繊維、金属繊維あるいは金属粉末などが挙げられる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系高分子化合物、またはスチレンブタジエンゴム(SBR)あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDR)などの合成ゴムなどが挙げられる。
負極活物質としては、対リチウム金属2.0V以下の電位で電気化学的にリチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料、金属化合物、酸化物、硫化物、LiN3などのリチウム窒化物、リチウム金属、リチウムと合金を形成する金属、あるいは高分子材料などが挙げられる。
炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
このようなリチウム(Li)を吸蔵および離脱可能な負極材料のなかでも、充放電電位が比較的リチウム金属に近いものが好ましい。負極52の充放電電位が低いほど電池の高エネルギー密度化が容易となるからである。なかでも炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。
リチウム(Li)を吸蔵および離脱可能な負極材料としては、また、リチウム金属単体、リチウム(Li)と合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば、化学式MafMbgLih、あるいは化学式MasMctMduで表されるものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、f、g、h、s、tおよびuの値はそれぞれf>0、g≧0、h≧0、s>0、t>0、u≧0である。
なかでも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
リチウムを吸蔵・放出可能な負極材料としては、さらに、酸化物、硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物などの他の金属化合物が挙げられる。酸化物としては、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどが挙げられる。その他、比較的電位が卑でリチウムを吸蔵および放出することが可能な酸化物として、例えば酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズなどが挙げられる。硫化物としてはNiS、MoSなどが挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ53としては、例えば、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム、合成樹脂製不織布などを用いることができる。セパレータ53には、液状の電解質である非水電解液が含浸されている。
[非水電解液]
非水電解液は、液状の溶媒、例えば有機溶媒などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含むものである。
非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)などの環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。特に、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを混合して含むようにすれば、よりサイクル特性を向上させることができるので好ましい。
非水溶媒は、また、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)あるいはメチルプロピルカーボネート(MPC)などの鎖状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性をより向上させることができるからである。
非水溶媒は、さらに、2,4−ジフルオロアニソールおよびビニレンカーボネート(VC)のうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を改善することができ、ビニレンカーボネート(VC)はサイクル特性をより向上させることができるからである。特に、これらを混合して含んでいれば、放電容量およびサイクル特性を共に向上させることができるのでより好ましい。
非水溶媒は、さらに、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、これら化合物の水素基の一部または全部をフッ素基で置換したもの、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチルなどのいずれか1種または2種以上を含んでいてもよい。
組み合わせる電極によっては、上記非水溶媒群に含まれる物質の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものを用いることにより、電極反応の可逆性が向上する場合がある。したがって、これらの物質を適宜用いることも可能である。
電解質塩としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、リチウム塩としては、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl4)などの無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(CF3SO22)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(C25SO22)、およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3SO23)などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体などが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することも可能である。中でも、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)は、高いイオン伝導性を得ることができると共に、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
(3−2)電池パックの構成
電池パック1は、上述の二次電池10aを少なくとも多直列に接続し、保護回路20を接続したものである。
図16は、この発明の一実施形態による電池パック1の一構成例を示す斜視分解図である。電池パック1には、例えば、4本の二次電池10a〜10dが用いられ、二次電池10a〜10dが順に直列に接続されて組電池10とされたものである。
直列に接続された二次電池10a〜10dからなる組電池10の+端子側には、例えば接続板6aが配置され、組電池10と接続板6aとが電気的に接続される。図16に示すように、接続板6aは、保護回路20を備えた回路基板61と電気的に接続される。
また、組電池10の−端子側には、接続板6bが配置され、組電池10と接続板6bとが電気的に接続される。接続板6bは、回路基板61と電気的に接続される。
回路基板61は、電子機器と電池パック1とを接続するためのコネクタ5を有している。コネクタ5は、電池パック1の外部に露出するように構成されており、プラス端子2a、マイナス端子2b、通信端子3および電圧モニター端子4aないし4d等の端子が備えられている。コネクタ5は、充電器30または電子機器側のコネクタと嵌合することにより、充電器30または電子機器と電池パック1が電気的に接続される。
これらの組電池10、接続板6aおよび6bおよび保護回路20およびコネクタ5を備える回路基板61は、上ケース60aと下ケース60bとからなる外装ケースに収容される。上ケース60aおよび下ケース60bは、例えばプラスチックモールドケースからなる。そして、上ケース60aおよび下ケース60bの少なくとも一方には、上ケース60aおよび下ケース60bを嵌合した際にコネクタ5を電池パック1の外部に露出させるための凹部が設けられている。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子以外の化合物で、上述のような充電末期に急激な電圧変動を有する化合物を用いた場合も、本願発明と同様の方法により充電終了を検出することができる。また、上述の各実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。二次電池の種類に応じて電池状態の判定基準が異なるため、用いる二次電池に応じて適切な基準値を設定する。
また、電池パックの構造についても、任意の構造を用いることができる。
1・・・電池パック
2a・・・プラス端子
2b・・・マイナス端子
3・・・通信端子
4a,4b,4c,4d・・・電圧モニター端子
5・・・コネクタ
10・・・組電池
10a,10b,10c,10d・・・二次電池
20・・・保護回路
21,26,35,39・・・マイクロコントローラ
22・・・メモリ
23・・・保護IC
24・・・放電制御FET
25・・・充電制御FET
26A・・・電池電圧監視部
26B・・・充電制御部
26C・・・電流監視部
30・・・充電器
32a・・・プラス端子
32b・・・マイナス端子
33・・・通信端子
34a,34b,34c,34d・・・電圧モニター端子
35A・・・電池電圧監視部
35B・・・通信部
35C・・・充電制御部
36・・・充放電制御FET
37・・・電流検出抵抗
38・・・電源部

Claims (11)

  1. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む二次電池を、複数有する電池パックに記憶された情報に応じて、定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法とのいずれを行うかを判断する充電方法判断ステップを備え、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    二次電池の充電制御方法。
  2. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む二次電池を、複数有する電池パックに記憶された情報に応じて、定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法とのいずれを行うかを判断する充電方法判断ステップを備え、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の電圧変化量の平均値が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    二次電池の充電制御方法。
  3. 上記第2の設定時間が、上記第2の充電制御方法の定電流充電の開始時点を含まない
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の充電制御方法。
  4. 上記第1の充電制御方法が、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間内において該二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第2の所定時間内において複数の上記二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えに、充電を終了させる第3の充電終了ステップと
    を備える
    請求項1または請求項2に記載の充電制御方法。
  5. 上記第1の充電制御方法が、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間内において該二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第2の所定時間内において複数の上記二次電池の電圧変化量の平均値が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えずに、充電を終了させる第3の充電終了ステップと
    を備える
    請求項1または請求項2に記載の充電制御方法。
  6. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む複数の二次電池と、
    外部の電子機器と接続して充放電を行うための第1および第2の端子と、
    第1の制御信号により制御され、上記二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
    第2の制御信号により制御され、上記二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
    上記二次電池の電圧および電流を検出し、該二次電池の電圧、電流および温度に応じた上記第1および第2の制御信号を出力することにより、上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチを制御するとともに、充電制御を行う制御部と
    定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法のいずれかを選択するための情報を記憶する記憶部と
    を備え、
    上記制御部が、
    上記記憶部に記憶された情報に応じて、上記第1の充電制御方法と上記第2の充電制御方法とのいずれにより複数の上記二次電池に対して充電を行うかを判断し、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    電池パック。
  7. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む複数の二次電池と、
    外部の電子機器と接続して充放電を行うための第1および第2の端子と、
    第1の制御信号により制御され、上記二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
    第2の制御信号により制御され、上記二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
    上記二次電池の電圧および電流を検出し、該二次電池の電圧、電流および温度に応じた上記第1および第2の制御信号を出力することにより、上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチを制御するとともに、充電制御を行う制御部と
    定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法のいずれかを選択するための情報を記憶する記憶部と
    を備え、
    上記制御部が、
    上記記憶部に記憶された情報に応じて、上記第1の充電制御方法と上記第2の充電制御方法とのいずれにより複数の上記二次電池に対して充電を行うかを判断し、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記二次電池のそれぞれが所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の電圧変化量の平均値が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    電池パック。
  8. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む二次電池を、複数有する電池パックに記憶された情報に応じて、定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法とのいずれを行うかを判断する充電方法判断ステップを備え、
    上記第1の充電制御方法として、
    上記電池パックの電圧が所定の電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記電池パックの電圧が所定の電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    二次電池の充電制御方法。
  9. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む二次電池を、複数有する電池パックに記憶された情報に応じて、定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法とのいずれを行うかを判断する充電方法判断ステップを備え、
    上記第1の充電制御方法として、
    上記電池パックの電圧が所定の電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    上記電池パックの電圧が所定の電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の電圧変化量の平均値が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    二次電池の充電制御方法。
  10. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む複数の二次電池と、
    外部の電子機器と接続して充放電を行うための第1および第2の端子と、
    第1の制御信号により制御され、上記二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
    第2の制御信号により制御され、上記二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
    上記二次電池の電圧および電流を検出し、該二次電池の電圧、電流および温度に応じた上記第1および第2の制御信号を出力することにより、上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチを制御するとともに、充電制御を行う制御部と
    定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法のいずれかを選択するための情報を記憶する記憶部と
    を備え、
    上記制御部が、
    上記記憶部に記憶された情報に応じて、上記第1の充電制御方法と上記第2の充電制御方法とのいずれにより複数の上記二次電池に対して充電を行うかを判断し、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の少なくとも一つの電圧変化量が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    電池パック。
  11. 正極活物質としてオリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子を含む複数の二次電池と、
    外部の電子機器と接続して充放電を行うための第1および第2の端子と、
    第1の制御信号により制御され、上記二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
    第2の制御信号により制御され、上記二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
    上記二次電池の電圧および電流を検出し、該二次電池の電圧、電流および温度に応じた上記第1および第2の制御信号を出力することにより、上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチを制御するとともに、充電制御を行う制御部と
    定電流充電と定電圧充電とを行う第1の充電制御方法と、定電流充電のみを行う第2の充電制御方法のいずれかを選択するための情報を記憶する記憶部と
    を備え、
    上記制御部が、
    上記記憶部に記憶された情報に応じて、上記第1の充電制御方法と上記第2の充電制御方法とのいずれにより複数の上記二次電池に対して充電を行うかを判断し、
    上記第1の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となるまで該二次電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の全体の電圧が所定の電池電圧となった後に定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
    定電圧充電開始後における複数の上記二次電池それぞれの電圧変化量を測定し、第1の所定時間内において該二次電池の電圧変化量の平均値が第1の設定値以上となったか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップにおいて、上記第1の所定時間内において複数の上記二次電池の電圧変化量の平均値が上記第1の設定値以上となったと判断された場合には、上記情報を上記第2の充電制御方法を選択するための情報に書き換えるとともに、充電を終了させる第1の充電終了ステップと
    を備え、
    上記第2の充電制御方法として、
    複数の上記二次電池の定電流充電を開始する定電流充電ステップと、
    複数の上記二次電池の少なくとも一つにおいて、第2の設定時間内における電圧変化量が第2の設定値以上となった場合には、定電流充電を終了させる第2の充電終了ステップと
    を備える
    電池パック。
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