JP5076791B2 - 光拡散性フィルム - Google Patents
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Description
からなり、延伸速度を遅くすることで、ボイドの発生を抑制し、光線透過率と光拡散性の両立させた光拡散フィルムが開示されている。
また、第2の発明は、前記光拡散性添加剤が、該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記光拡散性フィルムである。
第3の発明は、前記光拡散性添加剤が環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン系共重合樹脂のいずれかから選択された熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記光拡散性フィルムである。
第4の発明は、前記光拡散層の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする前記光拡散性フィルムである。
第5の発明は、前記光拡散性フィルムであって、前記光拡散層とは反対側の面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする、集光シート基材用の光拡散性フィルムである。
(1)光拡散層の樹脂融点の制御
(2)支持層の構成樹脂と光拡散層の基材樹脂との融点差の制御
(3)光拡散層の積層構成の制御
(4)光拡散層の厚みの制御
(5)延伸温度と熱処理温度条件の制御
(6)延伸速度の制御
(7)光拡散性添加剤の軟化温度の制御
本発明の光拡散性フィルムは、結晶性ポリエステルからなる支持層(B層)を有し、融点が235〜255℃である結晶性ポリエステルと該非相溶性の光拡散性添加剤との配合組成物からなる光拡散層(A層)とを有する。ここで、結晶性ポリエステルとは融点を有するポリエステルのことをいう。融点とは、いわゆる示差走査熱量測定(DSC)の1次昇温時に検出される融解時の吸熱ピーク温度のことである。示差走査型熱量計を用いて測定した場合に、融点として明確な結晶融解熱ピークが観測されるポリエステルであれば、結晶性ポリエステルにふくまれる。
本発明の光拡散性フィルムは結晶性ポリエステルからなる支持層(B層)を有する。フィルムとして所定の耐熱性、機械的強度、厚み精度を得るためには、支持層(B層)を構成する結晶性ポリエステルの融点は高い方が好ましい。しかし、支持層(B層)と光拡散層(A層)との2層を構成する樹脂の融点差が大きい場合は、バイメタル構造に起因するカールが生じ易くなる。そのため、支持層(B層)を構成する結晶性ポリエステルと光拡散層(A層)を構成する結晶性ポリエステルとの融点差は、25℃以内であることが好ましく、20℃以内であることがより好ましく、10℃以内であることがさらに好ましく、8℃以内がよりさらに好ましく、5℃以内であることが特に好ましい。融点差が25℃以内であれば、バイメタル構造によるカールの発生が実用範囲以内に抑制することができる。なお、光拡散層(A層)を構成する樹脂の融点は上記範囲が望ましいことから、支持層(B層)を構成する結晶性ポリエステルの融点の上限は、270℃が望ましい。
本発明の光拡散性フィルムは、前記結晶性ポリエステルからなる支持層(B層)の少なくとも片面に、融点が235〜255℃である結晶性ポリエステルと該ポリエステルに非相溶性の光拡散性添加剤との配合組成物からなる光拡散層(A層)が共押出し法で積層された多層構造よりなることが重要である。
本発明の光拡散性フィルムは支持層(B層)と光拡散層(A層)を有するが、本発明の光拡散性フィルムを得るためには、光拡散層(A層)の厚さが重要である。光拡散層(A層)の表面拡散は表面凹凸が大きい程、高くなる傾向にある。そのため、光拡散層(A層)の添加剤の粒径は大きい方が望ましい。
フィルムの力学的特性や光学特性は製膜条件によっても制御することができる。フィルムの延伸温度を高くすると、延伸応力が低下するので、面配向度が低くなり、ボイドの発生が抑制される。また、非相溶の光拡散性添加剤による表面凹凸も形成されやくなるので、全光線透過率と光拡散性の両立の点からは、高温で延伸することが望ましい。また、熱処理を高温で行うと、ボイドが消失し、内部ヘーズを低くすることができ、さらに、熱寸法変化率も小さくなり、熱処理でのカールが生じ難くなる。しかしながら、延伸温度を高くすると、フィルムの厚み変動が大きくなり、厚み斑などが発生して、フィルム本来の力学的特性が得られ難い。本発明の表面光拡散性ポリエステルフィルムにおいて、優れた力学的特性と、全光線透過率と光拡散性の両立を図る為には、樹脂特性や要求特性に応じた製膜条件、特に延伸時の温度と熱処理時の温度を適宜に制御することが望ましい。
本発明の光拡散性フィルムは、表面拡散に有効な表面凹凸構造を持たせる為には、光拡散層に含まれる非相溶の光拡散性添加剤の粒径は大きい方が好ましい。しかし、光拡散性添加剤の粒径は大きくなると、フィルム延伸工程においてボイドが発生しやすくなる。かかる、ボイドの発生を抑制するには、延伸条件によっても制御することができる。すなわち、本発明では、延伸速度を遅くすることでボイドの発生を抑制することが重要である。本発明における二軸延伸は、縦、横両方向の延伸をいずれも80%/秒未満の延伸速度で行うことが望ましい。本発明における延伸速度とは、単位時間当たりのフィルムの変形率を、未延伸フィルムの寸法を基準として表したものであり、縦方向、及び横方向の延伸速度(単位:%/秒)は、それぞれ下記式によって定義される。
÷未延伸フィルムの速度(m/秒)×100
÷未延伸フィルムの幅(m)×100
光拡散層表面に起因する光拡散性能を高めるためには、表面凹凸の突起形状の突起高さを高くすることが望ましい。光拡散層の表面突起を高くするためには、結晶性ポリエステルに分散している非相溶の光拡散性添加剤の形状を球形に近づけることが望ましい。光拡散性添加剤として熱可塑性樹脂を用いた場合、溶融共押出しにより積層された光拡散層中の非相溶樹脂は、溶融押出し後、未延伸のシート状に冷却された状態では球形に極近い形状である。しかし、その後の延伸工程では、フィルムに延伸応力が働くため、フィルム内部の非相溶樹脂が押しつぶされ、偏平な形状に変形する場合があり、特にフィルム表面に近いほど偏平化が起こり易い。そのため、光拡散性添加剤が好適な表面凹凸構造を形成させるためには、延伸温度下においても、延伸応力に抗する程度の硬度を有することが必要である。よって、光拡散性添加剤として熱可塑性樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂が軟化する温度は延伸温度よりも高いことが望ましい。すなわち、光拡散性添加剤として非晶性の透明熱可塑性樹脂を用いた場合、かかる樹脂のガラス転移温度と延伸温度の温度差は、好ましくは2℃以上、より好ましくは3℃以上、さらに好ましくは4℃以上であり、20℃以上であれば特に好ましい。光拡散性添加剤として非晶性の透明熱可塑性樹脂を用いた場合、当該樹脂のガラス転移点と延伸温度の温度差は、高いほど好ましいが、溶融押出しで樹脂をろ過処理することを考慮すると、かかる温度差は200℃以下であることが望ましい。
(原料)
(1)支持層(B層)の樹脂構成
本発明で支持層(B層)の原料として用いることができる結晶性ポリエステルとは、示差走査型熱量計を用いた測定にて明確な結晶融解熱ピーク(融点)が観察せれるポリエステルであれば、何ら制限されることなく任意である。
本発明の光拡散層(A層)に用いることができる融点が235〜255℃である結晶性ポリエステルとしては、上記の結晶性ポリエステルを基本骨格として、第3成分(共重合成分)が主鎖中に導入された共重合成分を含む結晶性ポリエステルが好適に使用でき、その構造、分子量、及び組成は限定されず任意である。
本発明で用いられる光拡散性添加剤としては、上記ポリエステルに非相溶の材料であって、下記のような材料を使用することが好ましい。また、光拡散性添加剤は下記種類の中から1種を用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。
本発明で用いる光拡散性添加剤としては、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂が最も好ましい。すなわち、結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂との非相溶性を活用して延伸フィルムの製造工程(溶融、押出し工程)において結晶性ポリエステルからなるマトリックス中に該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂からなるドメインを分散形成させ、光拡散性添加剤として活用する。
本発明の光拡散性添加剤として用いることができる非溶融性ポリマー粒子は、融点測定装置(例えば、スタンフォード・リサーチ・システム社製MPA100型)を用いて、30℃から350℃まで10℃/分で昇温した際に、融解による流動変形が起こらない粒子であれば、特にその組成は限定されない。例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂および有機シリコーン系樹脂などが挙げられる。非溶融性ポリマー粒子の平均粒径は、0.5〜50μmが好ましい。また、非溶解性ポリマー粒子は1種類でも良いし、2種類以上使用しても良い。
光拡散性添加剤として用いることができる無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、カオリナイト、タルクなどが挙げられる。無機粒子の平均粒子系は、0.5〜50μmが好ましい。また、無機粒子は1種類でも良いし、2種類以上使用しても良い。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmになるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明の光拡散性フィルムにおける光拡散層は、結晶性ポリエステルを50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の光拡散性添加剤を1〜50質量部含む組成物からなる。
本発明の光拡散性フィルムの層構成は、上記のように2層構造であっても構わないし、必要により3層以上の多層構造としても良い。
本発明の光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、かつ全光線透過率が85%以上、へーズが30%以上、光拡散層表面の十点平均粗さ(SRz)が2.7〜10.0μmであることが重要である。
本発明において、光拡散性フィルムに上記特性を付与する方法は限定されないが、以下の方法で実施するのが好ましい実施態様である。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、塗布層に含有する粒子の平均粒径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で塗布フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する粒子の最大径を求める。凝集体からなる粒子の平均粒径は、塗布フィルムの塗布層の断面を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で300〜500個撮影し、その最大径を測定する。
(1)ポリエステル樹脂の固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220型示差走査型熱量計を用いて求める。窒素雰囲気下、サンプルを300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷し、その10mgを20℃/分の速度で昇温させ、示差熱分析を行った。結晶融解熱量は、JIS−K7121−1987、9・1項に定義される融解ピーク温度(Tpm)、補外融解開始温度(Tim)および補外融解終了温度(Tem)とを囲むDSC曲線を積分して求めた。
樹脂温度285℃、剪断速度100/秒における溶融粘度を、フローテスター(島津製作所製、CFT−500)を用いて測定した。なお、剪断速度100/秒での溶融粘度の測定は、剪断速度を100/秒に固定して行うことが困難であるため、適当な荷重を用いて、100/秒未満の任意の剪断速度および当該速度よりも大きい任意の剪断速度で溶融粘度を測定し、縦軸に溶融粘度、横軸に剪断速度をとり、両対数グラフにプロットした。上記の2点を直線で結び、内挿により剪断速度100/秒での溶融粘度(単位:Pa・s)を求めた。
縦方向に連続したテープ状サンプル(横方向5cm×縦方向1m)を採取し、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ、ミリトロン1240を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定する。測定値から、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。なお、縦方向とは延伸の流れ方向(機械方向、もしくは長手方向)といい、横方向とはそれに垂直な方向(幅方向)をいう。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
ヘーズ(曇価)、全光線透過率は、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。フィルム試料片は、支持層(B)面を入射光側に配置し、光拡散層(A)面を出射光側に配置して測定した。
JIS C 2318−1997 5.3.3(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定した。
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向度(ΔP)を算出した。
ΔP={(nx+ny)−2nz}÷2
フィルムを縦方向に100mm、横方向に100mmに枚葉状に切り出し、無荷重の状態で、100℃で30分間加熱処理した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置し、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を、定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の最大値を求めた。カール値とした。サンプルは3点準備し、繰り返し測定を行い、得られた3つの最大値の平均値を求めて、カール値とした。なお、前記垂直距離の測定では、垂直距離が1mm以下の場合は0.5mmの精度で、垂直距離が1mmを超える場合には1mmの精度で測定した。
フィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mm、Z測定倍率5000倍で、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA−21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、十点平均粗さSRzを求めた。SRzの単位は、いずれもμmである。なお、測定は光拡散面について3回行い、それらの平均値を採用した。
(1)PET樹脂(M1)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
芳香族ジカルボン酸成分として、テレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びネオペンチルグリコール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.74dl/gの共重合ポリエステル樹脂(M2)を(M1)の作製方法に準じて作製した。
ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)、2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19,500、ガラス点移転60℃の共重合ポリエステル系樹脂(A)を得た。
光拡散層(A)の原料として、PET(M1)67質量部と、PET(M2)30質量部と、ガラス転移温度が160℃の環状オレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymers社製、TOPAS6015)3質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。また、B層の原料としてPET(M1)を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、2層合流ブロックを用いて積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、A層とB層との厚み比率は、10対90となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾過粒子サイズ10μmの濾材(初期濾過効率:95%)を用いた。また、口金の温度は、押し出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
本実施例1で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。表1から分かる通り、本発明の方法で得られる光拡散性フィルムは、延伸フィルム本来の優れた耐熱性を有しており、かつ優れた光線透過率と光拡散性とを有していることが分かる。
実施例1において、未延伸フィルムの両面に塗布層を設けた。塗布液には、実施例1と同じものを用いた。また、B層面側の塗布、乾燥方法は実施例1記載の方法によって行った。但し、A層面側の塗布方法にはワイヤーバー法を採用し、乾燥後塗布量が0.1g/m2となるように塗布し、塗布後、直ちに同時二軸延伸機に導いた。その他の製造条件は、実施例1と全く同じ方法により、光拡散フィルムを作製した。本実施例2で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。本実施例2で得られたフィルムは、実施例1よりもさらに全光線透過率が向上しており、光拡散性フィルムとして優れた特徴を有していることが分かる。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)64質量部と、PET(M2)30質量部と、ガラス転移温度が160℃の環状オレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymers社製、TOPAS6015)6質量部とをペレット混合して用い、熱処理温度を240℃、熱処理時間を20秒間にする以外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本実施例3で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)67質量部と、PET(M2)30質量部と、ガラス転移温度が145℃の環状オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製、APL6015T)3質量部とをペレット混合し用いる以外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本実施例4で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)63質量部と、PET(M2)27質量部、ガラス転移点が99℃、溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン(日本ポリスチ社製G797N)10質量部とをペレット混合したものを用いる以外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本実施例5で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。
(5)共重合ポリエステル樹脂(M4)
芳香族ジカルボン酸成分として、テレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びシクロヘキサンジメタノール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.60dl/g、溶融粘度197Pa・sの結晶性共重合ポリエステル樹脂(M5)を作製した。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)90質量部と、ガラス転移点が99℃、溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン(日本ポリスチ社製G797N)10質量部とをペレット混合したものを用いること意外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本比較例1で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)94質量部と、ガラス転移温度が160℃の環状オレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymers社製、TOPAS6015)6質量部とをペレット混合したものを用いること以外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本比較例2で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
実施例1の方法において、光拡散層(A層)の原料として、PET(M1)90質量部と、ガラス転移温度が160℃の環状オレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymers社製、TOPAS6015)10質量部とをペレット混合したものを用いること以外は、実施例1と同様の方法で光拡散フィルムを作製した。本比較例2で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
実施例3の方法において得られた未延伸フィルムを、以下の方法に従い二軸延伸した。まず、75℃に加熱したロール群でフィルムを余熱した後、非接触の赤外線ヒータを用いてフィルムを96℃まで加熱して、周速が異なるロール間で3.4倍に縦延伸を施した。このとき、低速ロール/フィルム接点と高速ロール/フィルム接点の距離は200mmであり、低速ロール周速は12m/分とした。ロール間のフィルム速度を、低速ロール周速と高速ロール周速の中間値で代表させるとロール間のフィルム速度は26.4m/分となり、ロール間の通過時間は約0.45秒となる。したがって、0.45秒間に3.4倍、即ち240%の延伸を施したことになり、その延伸速度は約530%/秒となる。
(6)ポリスチレンマスターバッチ(M5)
ガラス転移点が99℃、溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン(日本ポリスチ社製G797N)30質量部と、上記のPET(M1)70質量部とをペレット混合したものを、ベント式二軸押出機に供給、混練して溶融押出し、得られたストランドを冷却、切断して、ポリスチレンマスターバッチ(M5)を調製した。
Claims (5)
- 結晶性ポリエステルからなる支持層と、該支持層の少なくとも片面に共押出し法で積層
された光拡散層を有する二軸延伸積層フィルムからなる光拡散性フィルムであって、光拡
散層は、融点が235〜255℃である結晶性ポリエステルを50〜99質量部と該ポリ
エステルに非相溶な光拡散性添加剤を1〜50質量部含み、光拡散層のフィルム全体厚みに対する比率が2〜25%であり、光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上であり、光拡散層表面の十点平均粗さ(SRz)が2.7〜10.0μmであることを特徴とする光拡散性フィルム。 - 前記光拡散性添加剤が、該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂であることを特徴と
する請求項1に記載の光拡散性フィルム。 - 前記光拡散性添加剤が環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン系共重合樹
脂のいずれかから選択された熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の光拡
散性フィルム。 - 前記光拡散層の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリ
ル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の光拡散性フィルム。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性フィルムであって、前記光拡散層とは反対側
の面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくと
も1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする、集光シート基材用の光拡散
性フィルム。
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