以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係るインジェクタ(燃料噴射弁)の概略内部構成を示す模式的な断面図、図2は図1を詳細に説明する拡大図である。
まず、図1に基づいて、インジェクタの基本的な構成、作動について説明する。インジェクタは、コモンレール(図示せず)内に蓄えられた高圧燃料を、ディーゼル内燃機関の気筒内に形成された燃焼室E1zに噴射するものであり、開弁時に燃料を噴射するノズル1z、電荷の充放電により伸縮するピエゾアクチュエータ2z(開閉機構)、ピエゾアクチュエータ2zにより駆動されてノズル1zの背圧を制御する背圧制御機構3z(開閉機構)を備えている。
ノズル1zは、噴孔11zが形成されたノズルボディー12z、ノズルボディー12zの弁座に接離して噴孔11zを開閉するニードル13z(弁体)、ニードル13zを閉弁向きに付勢するスプリング14zを備えている。
ピエゾアクチュエータ2zは、ピエゾ素子を多数積層してなる積層体(ピエゾスタック)により構成されている。ピエゾ素子は圧電効果により伸縮する容量性の負荷であり、その充電と放電とで伸長状態と縮小状態とが切り替えられる。これにより、ピエゾスタックはニードル13zを作動させるアクチュエータとして機能する。
背圧制御機構3zのバルブボディー31z内には、ピエゾアクチュエータ2zの伸縮に追従して移動するピストン32z、ピストン32zをピエゾアクチュエータ2z側に向かって付勢する皿ばね33z、ピストン32zに駆動される球状の弁体34zが収納されている。ちなみに、図1ではバルブボディー31zを1つの部品として図示しているが、実際には複数に分割されている。
略円筒状のインジェクタボディー4zは、その径方向中心部に、インジェクタ軸線方向(図1の上下方向)に延びる段付き円柱状の収納孔41zが形成されており、この収納孔41zにピエゾアクチュエータ2zおよび背圧制御機構3zが収納されている。また、略円筒状のリテーナ5zをインジェクタボディー4zに螺合させることにより、インジェクタボディー4zの端部にノズル1zが保持されている。
ノズルボディー12z、インジェクタボディー4z、およびバルブボディー31zには、コモンレールから常に高圧燃料が供給される高圧通路6zが形成され、インジェクタボディー4zおよびバルブボディー31zには、図示しない燃料タンクに接続される低圧通路7zが形成されている。また、これらのボディー12z,4z,31zは金属製であり、内燃機関のシリンダヘッドE2zに形成された挿入穴E3zに挿入配置されている。インジェクタボディー4zにはクランプKzの一端と係合する係合部42z(押付面)が形成されており、クランプKzの他端をシリンダヘッドE2zにボルトで締め付けることにより、クランプKの一端が係合部42zを挿入穴E3zに向けて押し付けることとなる。これにより、インジェクタは挿入穴E3z内に押し付けられた状態で固定される。
ニードル13zにおける噴孔11z側の外周面とノズルボディー12zの内周面との間には、高圧室15zが形成されている。この高圧室15zは、ニードル13zが開弁方向に変位した際に噴孔11zと連通する。また、高圧室15zには、高圧通路6zを介して常に高圧燃料が供給されている。ニードル13zにおける反噴孔側には背圧室16zが形成されている。この背圧室16zには前述したスプリング14zが配置されている。
バルブボディー31zには、バルブボディー31z内の高圧通路6zとノズル1zの背圧室16zとを連通させる経路中に高圧シート面35zが形成され、バルブボディー31z内の低圧通路7zとノズル1zの背圧室16zとを連通させる経路中に低圧シート面36zが形成されている。そして、高圧シート面35zと低圧シート面36zとの間に前述した弁体34zが配置されている。
インジェクタボディー4zには、図2に示すように高圧配管HPzと接続される高圧ポート43z(高圧配管接続部)、及び低圧配管LPz(リーク配管)と接続される低圧ポート44z(リーク配管接続部)が形成されている。なお、低圧ポート44zは、図1に示すようにクランプKzに対して噴孔側に配置してもよいし、図2に示すようにクランプKzに対して反噴孔側に配置してもよい。高圧ポート43zについても同様にして、クランプKzに対して反噴孔側でも噴孔側でもよい。
本実施形態では、コモンレールから高圧配管HPzを通じて高圧ポート43zに供給される燃料は、円筒状インジェクタボディー4zの外周面側から供給される。インジェクタに供給された燃料は、高圧通路6zのうちインジェクタ軸線方向(図1の上下方向)に対して垂直に延びる高圧ポート43z内の部分6az,6bz(図2参照)を流通した後、インジェクタ軸線方向(図1の上下方向)に延びる部分6cz(図2参照)に流入する。その後、高圧室15z及び背圧室16zに向けて流通する。
高圧通路6cz(第1通路部)と高圧通路6bz(第2通路部)とは略直角に交差してエルボ形状を構成するが、その交差部6dzからは、インジェクタボディー4zの反噴孔側に分岐して、高圧通路6czの同軸上にて延びる分岐通路6ezが形成されている。この分岐通路6ezにより、高圧通路6bz,6cz内の燃料は後述する燃圧センサ50zに導入される。
ちなみに、高圧ポート43z内の高圧通路6az,6bzには、小径部6bzに対して通路断面を拡大した大径部6azが形成されており、この大径部6azには、高圧燃料中の異物を捕捉するフィルタ45z(図2参照)が配置されている。
上記構成において、ピエゾアクチュエータ2zが縮んだ状態では、図1に示すように弁体34zが低圧シート面36zに接して背圧室16zは高圧通路6zと接続され、背圧室16zには高圧の燃料圧が導入される。そして、この背圧室16z内の燃料圧とスプリング14zとによってニードル13zが閉弁向きに付勢されて噴孔11zが閉じられている。
一方、ピエゾアクチュエータ2zに電圧が印加されてピエゾアクチュエータ2zが伸びた状態では、弁体34zが高圧シート面35zに接して背圧室16zは低圧通路7zと接続され、背圧室16z内は低圧になる。そして、高圧室15z内の燃料圧によってニードル13zが開弁向きに付勢されて噴孔11zが開かれ、この噴孔11zから燃焼室E1zへ燃料が噴射される。
ここで、噴孔11zからの燃料噴射に伴い高圧通路6zの高圧燃料の圧力は変動する。この圧力変動を検出する燃圧センサ50zが、インジェクタボディー4zに取り付けられている。燃圧センサ50zにより検出された圧力変動波形中に、噴孔11zからの噴射開始に伴い燃圧が下降を開始した時期を検出することで、実際の噴射開始時期を検出することができる。また、噴射終了に伴い燃圧が上昇を開始した時期を検出することで、実際の噴射終了時期を検出することができる。また、これらの噴射開始時期及び噴射終了時期に加え、噴射に伴い生じた燃圧の下降量を検出することで、噴射量を検出することができる。
次に、燃圧センサ50zの単体構造、及び燃圧センサ50zのインジェクタボディー4zへの取付構造について、図2を用いて説明する。
燃圧センサ50zは、分岐通路6ez内の高圧燃料の圧力を受けて弾性変形するステム51z(起歪体)と、ステム51zにて生じた歪の大きさを電気信号に変換して圧力検出値として出力する歪ゲージ52z(センサ素子)とを備えて構成されている。金属製ステム51zの材料には、超高圧を受けることから高強度であること、及び、熱膨張による変形が少なく歪ゲージ52zへの影響が少ない(つまり低熱膨張係数である)こと、が求められ、具体的には、Fe,Ni,CoまたはFe,Niを主体とし、析出強化材料としてTi,Nb,Al又はTi,Nbが加えられた材料を選定し、プレス、切削や冷間鍛造等により形成できる。
ステム51zは、高圧燃料を内部に導入する導入口51azが一端に形成された円筒形状の円筒部51bzと、円筒部51bzの他端を閉塞する円板形状のダイヤフラム部51czとを備えて構成されている。導入口51azから円筒部51bz内に流入した高圧燃料の圧力を、円筒部51bzの内面51dz及びダイヤフラム部51czで受け、これによりステム51z全体が弾性変形することとなる。
ここで、円筒部51bz及びダイヤフラム部51czは、図2中の一点鎖線に示す軸線J1zに対して軸対称形状に形成されている。そのため、高圧燃料を受けて弾性変形する際には、ステム51zは軸対称に変形する。なお、ステム51zの軸線J1zとインジェクタボディー4zの軸線J2zとは平行であるとともに、ステム51zの軸線J1zがインジェクタボディー4zの軸線J2zに対してずれるよう、燃圧センサ50zはオフセット配置されている。
円筒状インジェクタボディー4zのうち反噴孔側の端面には、ステム51zの円筒部51bzが挿入される凹部46zが形成されている。凹部46zの内周面には雌ネジ部が形成され、円筒部51bzの外周面には雄ネジ部51ezが形成されている。そして、インジェクタボディー4zの軸線J2z方向外側からステム51zを凹部46zに挿入した後、円筒部51bzの外周面に形成された面取り部51fzを工具で締め付けることにより、円筒部51bzの雄ネジ部51ezを凹部46zの雌ネジ部に螺合させる。
凹部46zの底面には、導入口51azを囲うように環状に延びるシール面46azが形成されている。円筒部51bzのうち一端側(反ダイヤフラム側)には、前記シール面46azと密着する環状のシール面51gzが形成されている。したがって、円筒部51bzの雄ネジ部51ezを凹部46zの雌ネジ部に螺合させて締結させる締結力により、円筒部51bzのシール面51gzが凹部46zのシール面46azに押し付けられる。これにより両シール面46az,51gzにてインジェクタボディー4zとステム51zとはメタルタッチシールされる。
当該メタルタッチシールにより、分岐通路6ez内の高圧燃料がインジェクタボディー4zとステム51zとの接触面を伝ってインジェクタボディー4zの外部に漏れ出てしまうことを防止している。なお、両シール面46az,51gzは軸線J1zに対して垂直に拡がる形状であり、フラットシール構造となっている。
歪ゲージ52zは、ダイヤフラム部51czの取付面51hz(導入口51azと反対側の面)に、図示しない絶縁膜を介して貼り付けられている。したがって、円筒部51bz内に流入した高圧燃料の圧力によりステム51zが拡大するよう弾性変形した時、ダイヤフラム部51czに生じた歪の大きさ(弾性変形量)を歪ゲージ52zが検出することとなる。なお、ダイヤフラム部51cz及び円筒部51bzの一部は凹部46zの外方に位置し、ダイヤフラム部51czは軸線J1zに対して垂直に拡がる形状である。
取付面51hzと同一平面上には絶縁基板53zが並べて配置されており、絶縁基板53zには、電圧印加回路及び増幅回路を構成する回路部品54zが実装されている。これらの回路は、ワイヤボンドWzにより歪ゲージ52zと接続されている。電圧印加回路から電圧印加された歪ゲージ52zは、図示しない他の抵抗素子とブリッジ回路を構成するとともに、ダイヤフラム部51czにて生じた歪の大きさに応じて抵抗値が変化する。これにより、ダイヤフラム部51czの歪に応じてブリッジ回路の出力電圧が変化し、当該出力電圧が高圧燃料の圧力検出値として増幅回路に出力される。増幅回路は、歪ゲージ52z(ブリッジ回路)から出力される圧力検出値を増幅し、増幅した信号をセンサ用端子55zに出力する。
なお、駆動用端子56zは、ピエゾアクチュエータ2zに接続された正極及び負極のリード線21z(駆動用配線)と接続され、ピエゾアクチュエータ2zに電力供給するための端子である。ピエゾアクチュエータ2zの駆動電力は高電圧(例えば160〜170V)であるとともに、ピエゾアクチュエータ2zの充放電毎にオンオフが繰り返される。
センサ用端子55z及び駆動用端子56zはモールド樹脂60zにより一体化されている。モールド樹脂60zは、略円筒状インジェクタボディー4zの反噴孔側の端面上に配置される本体部61z、本体部61zから噴孔側に延出するボス部62z、及び本体部61zから噴孔側に延出する円筒部63zを備えて構成されている。
本体部61zには、燃圧センサ50zが挿入配置される貫通穴61azが形成されており、ダイヤフラム部51czの取付面51hzは、本体部61zの反噴孔側に露出している。また、本体部61zの反噴孔側の面には前述の絶縁基板53zが取り付けられている。これにより、取付面51hzと絶縁基板53zとが同一平面上に並べて配置されることとなる。取付面51hz上の歪ゲージ52z、回路部品54z及び絶縁基板53z等は、本体部61zの反噴孔側に形成された凹部61bz内に収容され、当該凹部61bzは樹脂製の蓋部材64zにより閉塞されている。
ボス部62zは、インジェクタボディー4zに形成されたリード線21zの配索穴47zに挿入されている。これにより、モールド樹脂60zはインジェクタボディー4zに対して径方向に位置決めされる。また、ボス部62zには軸線J2z方向に貫通して延びる貫通穴62azが形成されており、リード線21zは貫通穴62azに挿入配置されている。リード線21zの一端及び駆動用端子56zの一端56azは本体部61zの反噴孔側に露出しており、これらの端部同士が溶接等により電気接続されている。
円筒部63zは、略円筒状インジェクタボディー4zの外周面に沿って延びる形状であり、インジェクタボディー4zの外周面と円筒部63zの内周面との間はOリングS1z(シール部材)によって環状にシールされている。当該シールにより、インジェクタボディー4z外部の水が、インジェクタボディー4zとモールド樹脂60zとの接触面を伝って歪ゲージ52z及びリード線21zに浸入することを防止する。なお、リード線21zに水が付着してしまうと、リード線21zを伝って駆動用端子56z及び回路部品54z等に水が浸入することが懸念される。
モールド樹脂60zにより一体化された状態のセンサ用端子55z及び駆動用端子56zは、樹脂製のコネクタハウジング70z内に保持されている。つまり、センサ用端子55z、駆動用端子56z及びコネクタハウジング70zにより1つのコネクタを構成している。コネクタハウジング70zは、外部配線とコネクタ接続されるコネクタ接続部71z、モールド樹脂60zを内部に保持する本体部72z、及び本体部72zから噴孔側に延出する円筒部73zを備えて構成されている。
本体部72z及び円筒部73zは、モールド樹脂60zの本体部61z、蓋部材64z及び円筒部63zの外表面に沿った形状に形成されており、コネクタハウジング70zとモールド樹脂60zとは溶着等の手段により互いに結合している。なお、本体部72zには環状の溶着部72azが形成されており、これにより、インジェクタボディー4z外部の水が、コネクタハウジング70zの円筒部73z内周面とモールド樹脂60zの円筒部73zの外周面との接触面を伝って、コネクタ接続部71z内にて露出しているセンサ用端子55z及び駆動用端子56zに浸入することを防止する。
円筒部73zの噴孔側端部には係止部72bzが形成されており、インジェクタボディー4zに形成された係合部48zと係合する。これにより、コネクタハウジング70z及びモールド樹脂60zはインジェクタボディー4zに対して軸線J1z方向に位置決めされる。
次に、センサ用端子55z及び駆動用端子56zをモールド樹脂60zにより一体化した状態の一次成形品の構造について、図3及び図4を用いてより詳細に説明する。
図3(a)は図2のA矢視図であり、コネクタハウジング70z及び蓋部材64zを除外した状態を示す模式図である。図3(b)は、図3(a)からモールド樹脂60zを除外した状態の模式図であり、図3(c)は、図3(b)から駆動用端子56z及び後述するグランド用端子Gzを除外した状態の模式図である。また、図4は図2のB矢視図であり、コネクタハウジング70z及び蓋部材64zを除外した状態(一次成形品の状態)を示す模式図である。
モールド樹脂60zにより一体化されて保持されている端子には、3本のセンサ用端子55z、2本の駆動用端子56z、及び1本のグランド用端子Gzがある。コネクタ接続部71zの内部において、計6本の端子55z,56z,Gzは上下2列に並べて配置されており、駆動用端子56z及びグランド用端子Gzは上列に、3本のセンサ用端子55zは下列に配置されている(図4参照)。なお、上列の端子56z,Gzと下列の端子55zとはA矢視にて重なるように配置されている。
センサ用端子55z及びグランド用端子Gzの一端は、駆動用端子56zの一端56azと同様にして本体部61zの反噴孔側に露出しており、回路部品54z等により構成される前述の電圧印加回路及び増幅回路等と、ワイヤボンドW1zにより接続されている(図3参照)。なお、図4では、センサ用端子55z及びグランド用端子Gzの一端(露出した部分)の図示を省略している。
回路部品54z等から構成される電圧印加回路及び増幅回路(以下、単に回路部品54zと呼ぶ)と駆動用端子56zとの間には、駆動用端子56zから回路部品54zに向けて放射されるノイズを遮蔽する導電性のシールド部材80zが配置されている。このシールド部材80zは、センサ用端子55z及び駆動用端子56zとともにモールド樹脂60zにより一体化されている。
シールド部材80zは、上下方向に延びる本体部81zと、軸線J1z方向に対して垂直に拡がるセンサ端子用シールド部82zと、アース接続部83zとを備えて構成されている。なお、これらの本体部81z、センサ端子用シールド部82z及びアース接続部83zは、1枚の導電性板材をプレス加工や曲げ加工することにより一体に形成されている。
本体部81zは、駆動用端子56zと回路部品54zとの間に配置され、前述の如く駆動用端子56zから回路部品54zに向けて放射されるノイズを遮蔽する。また、本体部81zの反噴孔側端部(以下、単に上端部と呼ぶ)は、図4に示すようにモールド樹脂60zから露出(突出)しており、駆動用端子56zの一端56azよりも上方の位置まで突出している。本体部81zの噴孔側端部(以下、単に下端部と呼ぶ)は、駆動用端子56zよりも下方の位置まで延びている。
本体部81zのうち反コネクタ接続部側に延びる部分(図3(a)中の斜線部分81az)は、図3に示すように駆動用端子56zと歪ゲージ52zとの間に位置するセンサ素子用シールド部81azとして機能する。一方、本体部81zのうちコネクタ接続部側に延びる部分(図3(a)中の斜線部分81bz)は、グランド用端子Gz及びセンサ用端子55zと駆動用端子56zとの間に位置するグランド端子用シールド部81bzとして機能する。
センサ端子用シールド部82zは、図2のA矢視において、駆動用端子56zのうちモールド樹脂60z内に位置する部分の全体を覆う形状に形成されている。但し、センサ端子用シールド部82zのうちボス部62zと対向する箇所には、リード線21zを挿通させるための挿通穴82azが形成されている。また、センサ端子用シールド部82z及びグランド端子用シールド部81bzのうちコネクタ接続部側の端部は、モールド樹脂60zの内部からコネクタ接続部71z内に露出(突出)している。
アース接続部83zは、センサ端子用シールド部82zの一端から下方に延びる形状(図4参照)であり、その下端面83azがインジェクタボディー4zの上端面と接触することで、シールド部材80zは金属製のボディー4zにアースされている。なお、ボディー4zはシリンダヘッドE2zの挿入穴E3zに挿入配置されているため、シールド部材80zはボディー4zを介してシリンダヘッドE2zにアースされることとなる。
上記構成のコネクタには、図示しないエンジンECU等の外部機器と接続する外部ハーネスHzのコネクタCzが接続される。これにより、外部ハーネスHzを介して、圧センサ50zにて出力された圧力検出信号がエンジンECUに入力されるとともに、ピエゾアクチュエータ2zに電力供給される。
次に、燃圧センサ50z及びコネクタハウジング70z等のインジェクタボディー4zへの組み付け手順を簡単に説明する。
はじめに、インジェクタボディー4zの収納孔41z及び凹部46zに、ピエゾアクチュエータ2z及び燃圧センサ50zをそれぞれ組み付ける。燃圧センサ50zの組み付けについては、先述した通り、燃圧センサ50zを軸線J2z方向外側から凹部46zに挿入した後、面取り部51fzを工具で締め付けることで、両シール面46az,51gzにてインジェクタボディー4zとステム51zとをメタルタッチシールさせる。一方、センサ用端子55z、駆動用端子56z、グランド用端子Gz及びシールド部材80zをモールド樹脂60zにより一体化するとともに、モールド樹脂60zに、回路部品54zが実装された状態の絶縁基板53zを組み付ける。
次に、各種端子55z,56z,Gz、シールド部材80z及び絶縁基板53zが保持された状態のモールド樹脂60zを、ピエゾアクチュエータ2z及び燃圧センサ50zが組み付けられた状態のインジェクタボディー4zに組み付ける。具体的には、モールド樹脂60zのボス部62zを配索穴47zに挿入すると同時に、リード線21zを貫通穴62az及び挿通穴82azに挿入させ、かつ、本体部61zの貫通穴61azに燃圧センサ50zを挿入する。これにより、取付面51hzと絶縁基板53zとが同一平面上に並べて配置されることとなる。
次に、絶縁基板53z上の図示しないランドと取付面51hz上の歪ゲージ52zとを、ワイヤボンディングマシンを用いてワイヤボンドWzにより電気接続する。また、凹部61bz内に露出したリード線21zの一端21azと駆動用端子56zの一端56azとを、溶接により電気接続する。また、凹部61bz内に露出した各端子55z,Gzの一端と、絶縁基板53z上のランドとを、溶接により電気接続する。
次に、モールド樹脂60zの凹部61bzに蓋部材64zを溶着や接着剤等により取り付けて、歪ゲージ52z、回路部品54z及び絶縁基板53z等を凹部61bz内にて密閉する。次に、コネクタハウジング70zをモールド樹脂60zに組み付ける。具体的には、モールド樹脂60zに一体化された状態の各端子55z,56z,Gzをコネクタ接続部71z内部に配置すると同時に、モールド樹脂60zの本体部61zをコネクタハウジング70zの本体部72z内部に配置し、かつ、コネクタハウジング70zの係止部72bzをインジェクタボディー4zの係合部48zに係合させる。
なお、コネクタハウジング70zはボディー4zと一体的に樹脂成形される二次成形品であるのに対し、モールド樹脂60zは、コネクタハウジング70zとは別に樹脂成形された一次成形品である。そして、モールド樹脂60zの円筒部63zは、OリングS1zとコネクタハウジング70zの円筒部73zとの間に配置されているので、一次成形品であるモールド樹脂60zでOリングS1zを圧縮変形させつつ、二次成形品であるコネクタハウジング70zをボディー4zと一体的に樹脂成形することを可能にしている。
以上により、燃圧センサ50z及びコネクタハウジング70z等のインジェクタボディー4zへの組み付けが完了する。この組み付け完了状態において、インジェクタボディー4zと増幅回路等の回路部品54zとの間にはモールド樹脂60zが介在することとなる。また、ステム51zと回路部品54zとの間にもモールド樹脂60zが介在することとなる。ここで、インジェクタは、シリンダヘッドE2zの挿入穴E3zに挿入配置されているため高温(例えば約140℃)となるため、回路部品54zが熱により破損してしまうことが懸念される。
これに対し、本実施形態に係る回路部品54z及び絶縁基板53zは、金属製のインジェクタボディー4z及び金属製のステム51zと直接接触することなく、モールド樹脂60zが介在している。よって、モールド樹脂60zがインジェクタボディー4z及びステム51zからの熱に対する回路部品54zの断熱部材として機能している。よって、回路部品54zが熱破損するとの懸念を解消している。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ピエゾアクチュエータ2zへの電力供給に用いる駆動用端子56zと、燃圧センサ50zへの電圧印加及び圧力検出信号出力に用いるセンサ用端子55zと、グランド用端子Gzとを、共通のコネクタハウジング70zに保持させ、コネクタハウジング70z及び各端子55z,56z,Gzにより1つのコネクタを構成する。そのため、コネクタの数を増やすことなくインジェクタに燃圧センサ50zを搭載することができ、外部ハーネスHzが1つのコネクタ接続部71zからまとめて延出することとなる。よって、外部ハーネスHzの取り回しを簡素にできる。また、コネクタ接続作業の手間が増えることを回避できる。
(2)駆動用端子56z、センサ用端子55z及びグランド用端子Gzをモールド樹脂60zにより一体化するので、各々の端子に接続されるワイヤボンドW1z等の配線と、各端子55z,56z,Gzとのコネクタハウジング70z内での取り回しを簡素にできる。
(3)シールド部材80zの本体部81zにより、駆動用端子56zから回路部品54zに向けて放射されるノイズを遮蔽できる。また、センサ素子用シールド部81azにより、駆動用端子56zから歪ゲージ52zに向けて放射されるノイズを遮蔽できる。また、グランド端子用シールド部81bzにより、駆動用端子56zからセンサ用端子55z及びグランド用端子Gzに向けて放射されるノイズを遮蔽できる。また、センサ端子用シールド部82zにより、駆動用端子56zからセンサ用端子55zに向けて放射されるノイズを遮蔽できる。
(4)インジェクタボディー4zの外周面と円筒部63zの内周面との間をOリングS1z(シール部材)によって環状にシールすることで、リード線21zが挿通されるモールド樹脂60zのボス部62z、及び燃圧センサ50zのステム51zの双方がモールド樹脂60zの外部からシールされる。そのため、ボス部62zからリード線21zを伝って凹部61bz内に水が浸入する経路と、ステム51zを伝って凹部61bz内に水が浸入する経路との両経路を、1つのOリングS1zによりシールすることができるので、各々の侵入経路に対してシール部材を備えるシール構造に比べてシール部材の数を低減でき、簡素なシール構造にできる。
(5)高圧燃料の燃圧を検出する燃圧センサ50zをインジェクタボディー4zに搭載するにあたり、燃圧センサ50zを歪ゲージ52z及びステム51zから構成し、インジェクタボディー4zに取り付けられたステム51zに歪ゲージ52zを貼り付ける。したがって、ステム51zはボディー4zと別体に構成されているので、熱膨張収縮により生じるボディー4zの内部応力がステム51zに伝播される際に、その伝搬ロスを大きくできる。つまり、ステム51zをボディー4zとは別体に構成することで、ボディー4zの歪によるステム51zへの影響が小さくなる。よって、歪ゲージ52zをボディー4zに直接貼り付けた場合に比べて、ボディー4zに生じる歪の影響を歪ゲージ52zが受けることを抑制できる。したがって、燃圧センサ50zによる燃圧検出の精度低下を回避しつつ、燃圧センサ50zをインジェクタに搭載することができる。
(6)ステム51zに熱膨張係数が小さい材質を採用しているので、ステム51z自体が熱膨張収縮して歪みが生じてしまうことを抑制できる。また、ボディー4z全体を熱膨張係数が小さい材質にする場合に比べて、ステム51zのみを熱膨張係数が小さい材質にすればよいので、材料コストの低減を図ることができる。
(7)ステム51zは軸対称形状に形成されているので、高圧燃料の圧力を受けてダイヤフラム部51czが弾性変形する際に、その変形が軸対称となり、燃圧に比例して精度良く変形することとなる。よって、ダイヤフラム部51czの歪の大きさを歪ゲージ52zで検出するにあたり、その検出精度を向上できる。
(8)ダイヤフラム部51czは、ボディー4zの凹部46zの外方に位置するので、ボディー4zの熱膨張収縮による歪の影響を受けにくくなる。よって、ボディー4zに生じる歪の影響を歪ゲージ52zが受けることをより一層低減でき、燃圧センサ50zによる燃圧検出の精度を向上できる。
(9)歪ゲージ52zが取り付けられた取付面51hzと、回路部品54zが実装された絶縁基板53zとを、同一平面上に並べて配置している。そのため、歪ゲージ52zと回路部品54zとをワイヤボンディングマシンを用いてワイヤボンドWzにより電気接続する作業を行うにあたり、その接続作業の作業性を向上できる。
(10)ステム51zの雄ネジ部51ezをボディー4zの雌ネジ部に螺合させて締結させる締結力により、ステム51zのシール面51gzがボディー4zのシール面46azに押し付けられる。これにより両シール面46az,51gzにてボディー4zとステム51zとをメタルタッチシールする。そのため、高圧の燃料に対してボディー4zとステム51zとの間の容易にシールすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、燃圧センサ50zにより検出された圧力検出値に対する校正値が記憶されたメモリチップMzを備えている(図5参照)。具体的には、歪ゲージ52zによる圧力検出値と実際の燃料圧力との偏差を試験等により予め取得しておき、前記偏差を校正値としてメモリチップMzに記憶させておき、当該校正値の信号をエンジンECU等の外部機器に出力する。これにより、エンジンECUでは燃圧センサ50z固有の校正値を取得することができ、燃圧センサ50zから取得した圧力検出値を取得した校正値に基づき補正することができる。
そして、上記第1実施形態で用いていた3本のセンサ用端子55zの1つを、前記校正値を出力するためのメモリ用端子55zとして用いている。したがって、駆動用端子56z、センサ用端子55z及びグランド用端子Gzに加え、メモリ用端子55zをも共通のコネクタハウジング70zに保持させるので、メモリ用端子55zを別のコネクタとして構成することを不要にできる。
図5(a)(b)は図3(b)(c)にそれぞれ対応する図2のA矢視図であり、メモリチップMzの校正値出力部には、センサ用端子55zとワイヤボンドW2zにより接続されている。また、回路部品54z等により構成される電圧印加回路及び増幅回路のグランド部には、メモリチップMzのグランド部及び歪ゲージ52zのグランド部が、ワイヤボンドG1z,G2zにより接続されている。これにより、メモリチップMzのグランド用端子Gzと歪ゲージ52zのグランド用端子Gzとが共通化されるので、端子数を減少できる。
(第3実施形態)
ピエゾアクチュエータ2zのリード線21z及び燃圧センサ50zはコネクタハウジング70zの内部に位置しており、これらリード線21z及び燃圧センサ50zをコネクタハウジング70zの外部からシールする必要がある。このシール構造に関し、上記第1実施形態では、モールド樹脂60zの円筒部63zの内周面とボディー4zの外周面との間にOリングS1z(シール部材)を配置することで、1つのOリングS1zによりリード線21z及び燃圧センサ50zの双方をシールさせている。
これに対し、図6に示す本実施形態では、リード線21z及び燃圧センサ50zの各々に対して別々のOリングS2z,S3z(シール部材)を備えている。具体的には、燃圧センサ50zの円筒部51bzとモールド樹脂60zの凹部46zとの間にOリングS2zを配置している。また、インジェクタボディー4zの配索穴47zとモールド樹脂60zのボス部62zとの間にOリングS3zを配置している。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、燃圧センサ50zをインジェクタボディー4zに組み付けるにあたり、円筒状ボディー4zの軸線J2z方向外方から組み付け可能に構成されている。これに対し、図7に示す本実施形態では、円筒状ボディー4zの径方向外方から組み付け可能に構成されている。具体的には、ステム51zの円筒部51bzが挿入される凹部461zは、円筒状ボディー4zの外周面に形成されている。したがって、ステム51zとメタルタッチシールするボディー4zのシール面461azは、軸線J2zに対して平行に拡がる向きに形成されている。
また、第1実施形態に係るインジェクタの高圧ポート43zは、高圧配管HPzをインジェクタの径方向に接続する向きに形成されているが、本実施形態に係るインジェクタの高圧ポート431zは、高圧配管HPzをインジェクタの軸線J2z方向に接続する向きに形成されている。具体的には、円筒状ボディー4zの反噴孔側端面に高圧ポート431zは形成されている。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、図2に示す如く1つのOリングS1zによりリード線21z及び燃圧センサ50zの双方をシールさせる構成を、円筒状ボディー4zの反噴孔側端面に燃圧センサ50zを取り付けた場合に適用させている。これに対し、図8に示す本実施形態では、1つのOリングS4z(シール部材)によりリード線21z及び燃圧センサ50zの双方をシールさせる構成を、円筒状ボディー4zの外周面に燃圧センサ50zを取り付けた場合に適用させている。
具体的には、ボディー4zのうち、ステム51zの軸線J1zと同じ向きに延出した円柱形状部分(凹部46zを形成している部分)の外周面にOリングS4zを嵌め込み、当該外周面とモールド樹脂60zの内周面との間をOリングS4zによって、ステム51zの軸線J1z周りに環状にシールしている。
なお、円筒状ボディー4zの外周面に燃圧センサ50zを取り付けた場合において、図9zに示すように2つのOリングS5z,S6z(シール部材)によりリード線21z及び燃圧センサ50zの双方をシールさせる構成を適用してもよい。
具体的には、円筒状ボディー4zの外周面のうち燃圧センサ50zに対して噴孔側及び反噴孔側の2箇所にOリングS5z,S6zを嵌め込み、当該外周面とモールド樹脂60zの内周面との間をOリングS4zによって、ボディー4zの軸線J2z周りに環状にシールしている。ちなみに、図9に示す例では、ボディー4zと一体的に樹脂成形する二次成形品としてのコネクタハウジング70zとは別に、別途樹脂成形された一次成形品としての樹脂製リング部材78z,79zを備えている。これらのリング部材78z,79zはOリングS5z,S6zとコネクタハウジング70zとの間に配置されているので、一次成形品であるリング部材78z,79zでOリングS5z,S6zを圧縮変形させつつ、二次成形品であるコネクタハウジング70zをボディー4zと一体的に樹脂成形することを可能にしている。
(第6実施形態)
図10は、上記ディーゼル機関を含む蓄圧式燃料噴射装置100の全体構成図である。図11は、本実施形態に係るインジェクタ2を示す断面図である。図12(a)、(b)は、本実施形態の流体制御弁の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(c)〜(e)は圧力検出部材の要部を示す部分断面図及び平面図である。図13(a),(b)は、圧力検出部材の要部を示す断面図及び平面図である。図14(a)〜(c)は、圧力センサの製造方法を示す断面図である。以下、本実施形態にかかる燃料噴射装置100を図面を参照しつつ説明する。
図10に示されるように、燃料タンク102から汲み上げられた燃料は、高圧燃料供給ポンプ(以下、サプライポンプ)103により加圧され高圧状態でコモンレール104に供給される。コモンレール104は、サプライポンプ103から供給される燃料を高圧状態で蓄え、高圧燃料通路105を介してインジェクタ2に供給する。インジェクタ2は、例えば自動車等の車両に搭載された多気筒(本実施形態では、4気筒)のディーゼルエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)の各気筒ごとに設けられ、コモンレール104内に蓄圧された高圧燃料(高圧流体)を燃焼室内に直接噴射供給する。また、インジェクタ2は、低圧燃料通路106とも接続されており、低圧燃料通路106を介して燃料タンク102に燃料を戻すことが可能となっている。
電子制御装置(ECU)107は、マイクロコンピュータやメモリ等を備えて構成され、ディーゼル機関の出力の制御を行なう。この制御に際しては、ECU107は、コモンレール104内の燃料圧を検出する燃圧センサ108の検出結果や、ディーゼル機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ109の検出結果、ユーザによるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ110、各インジェクタ2に設けられてインジェクタ内の燃料圧を検出する圧力検出部80等、各種センサの検出結果を取り込み、これら検出結果を参照する。
図11に示されるように、インジェクタ2は、ノズルニードル20を軸方向に移動可能に収容するノズルボデー12と、ノズルニードル20を閉弁側に付勢する付勢部材としてのスプリング35を収容するロアボデー11と、ノズルボデー12とロアボデー11とを所定の締付軸力により締結する締付け部材としてのリテーニングナット14と、流体制御弁としての電磁弁装置7、高圧燃料の圧力を検出する圧力検出部80とを含んで構成されている。ノズルボデー12、ロアボデー11、およびリテーニングナット14は、ノズルボデー12とロアボデー11とをリテーニングナット14で締結することでインジェクタのノズル本体を構成している。本実施形態では、ロアボデー11とノズルボデー12がインジェクタボデーを構成している。また、ノズルニードル20とノズルボデー12はノズル部を構成している。
ノズルボデー12は、略筒状体に形成され、先端部(図11中の下方側の端部)側に、高圧燃料を燃焼室に噴射するための噴孔12bを1個又は複数個備えた略筒状部材である。
このノズルボデー12の内部には、中実円柱状のノズルニードル20を軸方向移動可能に保持するための収容孔(以下、第1ニードル収容孔)12eが形成されている。この第1ニードル収容孔12eの図中の中間部位には、その孔径が拡げられた燃料溜り室12cが設けられている。具体的には、ノズルボデー12の内周は、燃料流れの下流に向かって、第1ニードル収容孔12e、燃料溜り室12c、弁座12aの順に形成されており、弁座12aの下流側にノズルボデー12の内外を貫通する噴孔12bが設けられている。
弁座12aは、円錐台面を有しており、円錐台面の大径側が第1ニードル収容孔12eに連続し、小径側が噴孔12bに向かって延びている。この弁座12aにノズルニードル20が着座および離座可能に配置され、着座および離間することでノズルニードル20が閉弁および開弁する。
さらに、ノズルボデー12には、このノズルボデー12の図示上端側の合わせ面から燃料溜り室12cへ延びる燃料送出路12dが設けられている。この燃料送出路12dは、ロアボデー11の後述の燃料供給路11bと連通することで、コモンレール104内で蓄圧された高圧燃料を燃料溜り室12cを経由し弁座12a側へ送り込む。燃料送出路12dと燃料供給路11bとは高圧燃料通路を構成する。
ロアボデー11は、略筒状体に形成されており、内部に、スプリング35、およびノズルニードル20を駆動するための制御ピストン30を軸方向に移動可能に収容するための収容孔(以下、第2ニードル収容孔)11dが設けられている。この第2ニードル収容孔11dの図示下端側の合わせ面には、中間の内周11d1よりは大きく拡げられた内周11d2が形成されている。
具体的には、この内周(以下、スプリング室とも呼ぶ)11d2には、スプリング35、および環状部材31、および制御ピストン30のニードル部30cを収容するいわゆるスプリング室が形成されている。環状部材31は、スプリング35とノズルニードル20との間に挟み込まれて配置されており、スプリング35によりノズルニードル20を閉弁方向に付勢するスプリング受け部を構成する。ニードル部30cは、ノズルニードル20に、環状部材31を介して間接的に、もしくは直接的に当接可能に構成されている。
さらに、ロアボデー11には、コモンレール104の分岐管に接続される高圧配管(図10参照)が気密に連結する継手部(以下、インレット部)11fが設けられている。このインレット部11fは、コモンレール104から供給された高圧燃料を導入する入口である流体導入部21と、燃料供給路11b(第1の流体通路(高圧通路に相当))へ導く燃料導入路11c(第2の流体通路(高圧通路に相当))とを有し、燃料導入路11c内部には、バーフィルタ13が配置されている。ロアボデー11のインレット部11fの内部、およびスプリング室11d2の周囲には、燃料供給路11bが設けられている。
また、ロアボデー11には、スプリング室11d2に導かれた燃料を、図10に示した燃料タンク等の低圧配管系内に戻すための燃料逃がし通路(リーク回収用通路とも呼ぶ)(図示せず)が設けられている。燃料逃がし通路、スプリング室11d2は低圧燃料通路を構成する。
なお、図11に示すように、制御ピストン30の他端部側には、電磁弁装置7により油圧が給排される圧力制御室(以下、油圧制御室とも言う)8、16cが設けられている。
この油圧制御室8、16cの油圧を増減することで、ノズルニードル20を閉弁および開弁する。具体的には、油圧制御室8、16cから油圧が抜かれ、減少すると、ノズルニードル20および制御ピストン30がスプリング35の付勢力に抗して図11中の軸方向上方に移動し、ノズルニードル20が開弁する。一方、油圧制御室8、16cに油圧が導入され、増加すると、ノズルニードル20および制御ピストン30がスプリング35の付勢力によって図12中の軸方向下方に移動し、ノズルニードル20が閉弁する。
なお、制御ピストン30の端部外壁(上端部)30pと、第2ニードル収容孔11dと、オリフィス部材16、及び圧力検出部材81とによって圧力制御室8、16c、18cが形成されている。端部外壁30pは、噴孔12bの開弁時に、オリフィス部材16と面接触している圧力検出部材81の平坦面82と同一面かそれよりも噴孔12b側に位置ずれして配置されている。つまり、噴孔12bの開弁時に、端部外壁30pが圧力検出部材81の圧力制御室18c部分に収納される。
次に、電磁弁装置7について詳細に説明する。電磁弁装置7は、圧力制御室8、16c、18cと低圧通路(以下、導通路とも呼ぶ)17dとを断続する電磁二方弁である。電磁弁装置7は、ロアボデー11の反噴孔側の端部に配設されている。電磁弁装置7は、ボデーアッパー52によりロアボデー11に固定されている。第2ニードル収容孔11dの反噴孔側の端部には、弁ボデーとしてのオリフィス部材16が設けられている。
オリフィス部材16は、好ましくは、インジェクタ2の軸方向つまり制御ピストン30の延びる方向に対して、略垂直方向に配置された金属性の板状部材(第1部材)から構成されている。また、オリフィス部材16はインジェクタボデーを構成するロアボデー11及びノズルボデー12とは別体的に(別工程にて、及び/又は別部材として)形成され、形成後、ロアボデー11に組み付けられて一体的に保持される。オリフィス部材16には、図12(a)、図12(b)に示すように、連通路16a、16b、16cが設けられている。ここで、図12(b)はオリフィス部材16をバルブアーマチャ42側から見た平面図である。連通路(以下、オリフィスとも呼ぶ)16a、16b、16cは、出口側絞り部としてのオリフィス(以下、アウトオリフィス)16aと、入口側絞り部としてのオリフィス(以下、インオリフィス)16bと、第2ニードル収容孔11dに連通する圧力制御室16cとを有する。
アウトオリフィス16aは、弁座16dと圧力制御室16cとを連通するように配置され、弁部材41を介したバルブアーマチャ42の閉弁および開弁により閉塞および流通する。インオリフィス16bは、平坦面162に開口して燃料を導入する入口部16hを有する。この入口部16hは、圧力制御室16cと後述する圧力検出部材81に形成された検出部連通路18hを介して、燃料供給路11bから分岐された分岐燃料供給路11gとを連通する位置に配置されている。
なお、弁部材41を介して開弁および閉弁するオリフィス部材16の弁座16dと、バルブアーマチャ42の弁構造については後述する。
オリフィス部材16の反噴孔側には、弁ハウジングとしてのバルブボデー17が設けられている。バルブボデー17の外周部には雄ねじが形成されており、バルブボデー17がロアボデー11の筒状ねじ部にねじ込まれることによってオリフィス部材16がバルブボデー17とロアボデー11とに挟持されている。バルブボデー17は略円筒形状に形成されており、貫通孔17a、17bが設けられている(図11参照)。貫通孔(以下、ガイド孔とも呼ぶ)17aと貫通孔17bとの間には、導通路17dが形成されている。
オリフィス部材16のバルブボデー側端面161と、貫通孔17aの内壁とによって弁室17cが形成されている。オリフィス部材16の外壁には、二面幅面(図示せず)が形成されており、二面幅面と、ロアボデー11の内壁の間に形成された隙間16kは貫通孔17bに連通している(図11参照)。
図12(c)、(d)に示すように、圧力検出部80は、インジェクタボデー(ロアボデー11とバルブボデー17)とは別体的に(別々に)形成された圧力検出部材81からなる。ここで、図12(d)は圧力検出部材81をオリフィス部材16側から見た平面図である。圧力検出部材81は、好ましくは、インジェクタ2の軸方向つまり制御ピストン30の延びる方向に対して、略垂直方向に配置された金属性の板状部材(第2部材)で構成され、ロアボデー11内において、オリフィス部材16と直接又は間接的に積層されて、ロアボデー11及びノズルボデー12に対して一体的に保持されている。本実施形態では、圧力検出部材81は平坦面82を有し、オリフィス部材16の噴射弁側の平坦面162と、面同士で液密に直接積層されている。圧力検出部材81とオリフィス部材16は、略同一の外形を有し、両者を重ね合わせた際に、オリフィス部材16の入口部16h、貫通穴16p、圧力制御室16cの位置が、圧力検出部材81の検出部連通路18h、貫通穴18p、圧力制御室18cの位置に夫々一致するように形成されている。また、検出部連通路18hの反オリフィス部材側は、燃料供給路11bから分岐した分岐燃料供給路11gに対応した位置に開口している。これにより、圧力検出部材81の貫通孔18hは、燃料供給路11bから圧力制御室への通路の一部を構成している。
圧力検出部材81(燃圧センサに相当)は、更に、オリフィス部材16側から所定深さと内径を有する溝からなる圧力検出空間18bを備え、その溝底部がダイアフラム部18nを構成している。ダイアフラム部18nの、圧力検出空間18bとは反対側の表面には、後述する半導体式の圧力センサ18fが一体的に貼り合され、接合されている。
ダイアフラム部18nは、圧力検出空間18bの反対側表面から、少なくとも圧力センサ18fの厚さよりも大きな寸法分を有する深さに位置しており、圧力センサ18fが接合される側の表面は、圧力検出空間18bよりも大径に形成されている。そして、ダイアフラム部18nを挟んだ両方の溝の深さ制御により、その製造時にダイアフラム部18nの厚さが制御される。圧力検出部材81の平坦面82には、検出部連通路18hと圧力検出空間18bとを連通する溝部18a(分岐通路)が、圧力検出空間18bよりも浅い深さで形成されている。溝部18aは圧力検出部材81がオリフィス部材16と面接触した際に、オリフィス部材16の平坦面を壁の一部とする合成通路(分岐通路)を形成する。これにより、溝部18a(分岐通路)は、燃料供給路11bから圧力制御室8,16cへの通路であるインオリフィス16bに一部が接続され、他部がダイアフラム部18nに接続されている。これにより、ダイアフラム部18nは圧力検出空間18bに導入された高圧燃料の作用する圧力により歪むことが可能となる。
ここで、ダイアフラム部18nは、溝部18aとオリフィス部材16との間で形成される合成通路と圧力検出空間18bを含めた分岐通路のうちで、その通路肉厚が最も薄く構成されている。合成通路の通路肉厚は合成通路の内壁から見た圧力検出部材81及びオリフィス部材16の厚さを言う。
なお、溝部18aに代えて、図12(e)に示すように、検出部連通路18hから圧力検出空間18bに連結するように傾斜して設けられた孔部としても良い。なお、圧力センサ18f(変位検出手段)とダイアフラム部18nとで圧力検出部を構成する。
以下に、図13を参照して、圧力検出部について詳細に説明する。
圧力センサ18fは、圧力検出空間18bに形成された円形のダイアフラム部18nと、一面側がダイアフラム部18nの一面をなす窪み部18gの底部に接着された変位検出手段としての単結晶半導体チップ(以下、半導体チップという)18rとを備え、ダイアフラム部18nの他面18q側にエンジンの燃料噴射圧力等に応じた圧力媒体(気体、液体等)を導入し、ダイアフラム部18nおよび半導体チップ18rの変形に基づき圧力検出を行うようにしたものである。
圧力検出部材81は切削等により形成され、中空円筒形状の圧力検出空間18bを成し、ガラスと熱膨張率が同程度であるFi−Ni−Co系合金であるコバール等により構成されている。圧力検出部材81においては、ダイアフラム部18nが形成され、圧力検出空間18b側から、圧力媒体としての高圧燃料が導入され、ダイアフラム部18nの他面18qに圧力が印加されるようになっている。
ここで、圧力検出部材81の寸法の一例を示すと、円筒の外径は6.5mm、円筒の内径は2.5mm、ダイアフラム部18nの肉厚は、例えば20MPaの測定に際しては0.65mm、200MPaの測定に際しては1.40mmである。窪み部18gの底面であるダイアフラム部18nの一面に接着された半導体チップ18rは、面方位が(100)面であり且つ全体が均一な肉厚の平面形状を成す単結晶シリコン基板よりなり、その一面18iが低融点ガラス等よりなるガラス層18kにより、ダイアフラム部18nの一面(窪み部18gの底面)に固定されている。
ここで、半導体チップ18rの寸法の一例を示すと、3.56mm×3.56mmの正方形状で、肉厚は0.2mmである。また、ガラス層18kの厚さは0.06mmである。また、半導体チップ18rの他面18j側には、4個のピエゾ抵抗素子である長方形状のゲージ18mが配設されている。上述のように、(100)面方位を有する半導体チップ18rには、その構造上、<110>結晶軸が相直交して存在する。
4個のゲージ18mは、<110>結晶軸方向の2軸方向に沿ってそれぞれ2個ずつ配置される。ここで、一対のゲージはその長辺方向をX方向に沿って位置し、一対のゲージがその短辺方向をY方向に沿って位置する。さらに、これら4個のゲージ18mは、ダイアフラム部18nの中心Oに対する円周上に配置されている。
また、図示しないが、半導体チップ18rには、4個のゲージ18mがブリッジ回路を構成し且つ外部回路と接続するための配線・パッド、さらには保護膜が形成される。半導体チップ18rの主な製造工程としては、図14(a)〜(c)に示すように、n型サブウエハ19aに、フォトリソグラフィにより所望のパターンを形成後、ボロン等を拡散させてP+領域19bを形成し、ピエゾ抵抗素子であるゲージ18mが形成される。これに、配線・パッド19c及び配線・パッドの絶縁を確保する酸化膜19dを形成し、さらに保護膜を形成し、パッド上の保護膜をエッチングすれば、半導体チップ18rは完成である。
そして、完成したチップ18rを、圧力検出部材81のダイアフラム部18n上に低融点ガラスを用いて接着することにより、図13に示す圧力センサ18fが出来上がる。圧力センサ18fは上記構成により、高圧燃料の作用する圧力により変位する(撓む)ダイアフラム部18nの変位を電気的な信号(本実施例では、ピエゾ抵抗素子の抵抗変化に伴うブリッジ回路の電位差)に変換する。その電気的な信号が、図示しない外部の処理回路で処理されて圧力が検出される。
なお、処理回路は、チップ18r上にモノリシックに作り込まれても良いが、本実施形態では、チップ18rの上方に、例えばフリップチップのような表面実装接続により電気接続された処理基板18d上に、上記のブリッジ回路を構成する定電流源や比較器等を作り込んでも良い。処理基板18dには、また、圧力センサ18fの感度データとインジェクタの噴射量特性を示すデータが記憶された不揮発性メモリを有する(図示せず)。そして、処理基板18dの一辺に配置された接続パッドに電気配線18eの一端が接続され、電気配線18eの他端は、バルブボデー17内に形成された配線通路(図示せず)を通って、コネクタ50に一体形成されたターミナルピン51bへ接続され、ECU107と接続されている。
ピエゾ抵抗素子を含む圧力センサ18fと低融点ガラスが歪検出素子を構成する。ここで、ダイアフラム部18nは、少なくとも圧力センサ18fと低融点ガラスの厚さ分、圧力検出部材81の圧力検出空間18bとは反対の表面から深い位置に配置されている。処理基板18dと電気配線18eが更に厚さ方向に配置される場合は、その分の厚さも含めた距離よりも深い位置にダイアフラム部18nの反圧力検出空間18b表面が配置される。
なお、本実施形態では、変位検出手段として金属製のダイアフラム部18nに貼り合わせられた半導体式の圧力センサ18fを採用しているが、これに限られたものでなく、ダイアフラム部18nに金属膜等で構成される歪検出素子を、貼り合わせたり蒸着形成したりして形成しても良い。
図11に戻り、コイル61は、樹脂製のスプール62に直接巻回され、スプール62およびコイル61の外周側は図示しない樹脂モールドにより覆われている。なお、巻回装置により巻回されたコイル(以下、巻回コイル)61の外周を樹脂モールドにより被覆した後に、被覆された巻回コイル61に2次樹脂成形を行なってスプール62と一体に成形されるものであってもよい。コイル61の端部は、コネクタ50にターミナルピン51bと一体的に形成されたターミナルピン51aへ電気的に接続され、ECU107と接続されている。
固定コア63は、略円筒状に形成されており、内周側コア部と、外周側コア部と、これら両コア部に接続する上端部とを備え、内周側コア部と外周側コア部との間にコイル61が挟み込まれている。固定コアは磁性材で形成されている。
固定コア63の図11中の下部側には、バルブアーマチャ42が固定コア63に向き合うように配置されおり、固定コア63の下端面(以下、磁極面)とバルブアーマチャ42の上端面(以下、磁極面)が近接および離間可能に配置されている。電流供給によりコイル61に発生する電磁力を利用し、内周側コア部および外周側コア部の磁極面からバルブアーマチャ42の磁極面に向けて磁束が流れ、磁束密度に応じた吸引力がバルブアーマチャ42に作用する。
固定コア63の内側には、略円筒状のストッパ64が挿入配置され、固定コア63と上部ハウジング53の間に挟まれて固定されている。ストッパ64内には、圧縮スプリングなどの付勢部材59(バネ部材)が配置されている。この付勢部材59の付勢力は、バルブアーマチャ42に作用し、バルブアーマチャ42の磁極面と固定コアの磁極面のエアギャップが広がる方向に付勢している。ストッパ64のバルブアーマチャ側の端面は、バルブアーマチャ42がフルリフトする際のリフトを規制する。
ストッパ64およびボデーアッパー52の内側には、弁室17c、貫通孔17bを介して流出した燃料が低圧側へ流出する燃料通路37が形成されている。
ここで、上部ハウジングとしてのボデーアッパー52と、中間ハウジング54と、下部ハウジングとしてのバルブボデー17とは、弁ハウジングを構成している。中間ハウジング54は略筒状に形成され、固定コア63をガイドするように収容している。具体的には、固定コア63は段付きの略有底円筒状に形成され、中間ハウジング54の下端部の内周側に挿入されている。固定コア63の外周は、段付きを境に下方に向かって縮径しており、その段付きが、中間ハウジング54の内周側に形成された段差に係止されることにより、固定コア63が中間ハウジング54から脱落するのを防止している。
バルブアーマチャ42は、略平板状に形成された平板部と、平板部より小径の小径軸部とを備えている。平板部の上端面は、固定コア63の内側コア部および外側コア部の磁極面に対向して配置される磁極面が形成されている。バルブアーマチャ42は磁性材からなり、例えばパーメンジュールで形成されている。平板部の下部側に小径軸部が形成されている。
バルブアーマチャ42の小径軸部の端面42aには、略球状の弁部材41が設けられており、バルブアーマチャ42は、弁部材41を介してオリフィス部材16の弁座16dに着座および離座が可能である。なお、オリフィス部材16は、ピン等の位置決め部材92を介してロアボデー11に位置決め固定されている。オリフィス部材16の貫通穴16p及び圧力検出部材81の貫通穴18pは、位置決め部材92を挿入する係止穴である。
次に、弁部材41を介して互いに着座および離座するバルブアーマチャ42と、弁座16dを有するオリフィス部材16の弁構造について、図12に従って説明する。
図12に示すように、バルブアーマチャ42の小径軸部の弁部材側の端面42aは、平坦面に形成され、弁部材41の球面部41aに当接および離間可能である。また、バルブアーマチャ42の小径部は、バルブボデー17の貫通孔17aの内周に軸方向移動可能に保持されるとともに、弁室17cに挿通可能に配置されている。弁部材41を介してバルブアーマチャ42と弁座16dが着座および離座することにより、油圧制御室8、16cより弁室17cへの燃料流れが遮断および流通する。
具体的には、弁部材41は、平面部41bを有する球状体であって、平面部41bが、弁座16dに着座および離座可能に配置されている。弁部材41は、平面部41bの着座時にアウトオリフィス16aを閉塞する。平面部41bは、第2の平坦面を構成する。
また、オリフィス部材16のバルブアーマチャ側の端面161には、弁部材41の球面部41aを摺動自在に支持する有底孔状のガイド孔16gが設けられている。弁座16dは、ガイド孔16gの内周の底部に設けられており、平面状のシート面を形成している。弁座16dはシート部を構成し、ガイド孔16gはガイド部を構成する。また、弁座16dは、オリフィス部材16に形成された段差部を構成する。また、ガイド孔16gの開口端と、オリフィス部材16の端面161は面一であり、ガイド部とオリフィス部の端面は面一である特徴を有する。
弁座16dの外周は、ガイド孔16gの内周より小さく形成されており、弁座16dとガイド孔16gとの間には、環状の燃料逃がし通路16eが設けられている。弁座16dの外周は、弁部材41の平面部41bの外周より小さく形成されている。これにより、弁部材41の平面部41bと、弁座16dが着座および離座する際に、ガイド孔16gの底部のうち、平面部41bに着座する弁座16d以外の部位で燃料流れを制限することはない。
なお、燃料逃がし通路16eは、弁座と第2の平坦面との密着領域において設けられる流体逃がし通路を構成する。
また、燃料逃がし通路16eは、弁座16d側からガイド孔16g側に向かって流路断面積が大きくなるように形成されている。これにより、弁部材41が弁座16dより離座したときに弁座16dより流出する燃料をスムースに低圧側へ流すことができる。
上述のように弁部材41はガイド孔16gに軸方向移動可能に支持されているため、ガイド孔16gの内周と、弁部材41の球面部41aの球面との隙間の大きさは、互いに摺動可能な程度のガイドクリアランスに設定されている。このガイドクリアランスによる燃料リーク量だけでは、弁座16dより低圧側へ流出する燃料流量が限られる。
本実施形態では、ガイド孔16gの内壁には、低圧側の弁室17cに連通する燃料リーク溝16rが設けられており、この燃料リーク溝16rによって弁座16dより低圧側へ流出する燃料の流路面積を拡大する。これにより、ガイド孔16gの内壁に、弁座16dより低圧側へ流出する燃料の流路面積を拡大する燃料リーク溝16rを設けるので、弁部材41が弁座16dより離座したときに、弁座16dより低圧側へ流出する燃料の流量が絞られることはなく、連通路16a、16b、16cより流出すべき燃料流量を確保することができる。
なお、上記燃料リーク溝16rは、弁座16dより放射状に延出するように、ガイド孔16gの内壁に形成されている(図示せず)。これにより、上記連通路16a、16b、16cより流出すべき燃料流量に応じて、複数個(本実施例では、6個)の燃料リーク溝16rを設けることができる。さらに複数個の燃料リーク溝16rを放射状に設けるので、弁座16dから流出し、燃料リーク溝16rを流れる燃料の流体力によって弁部材41の姿勢が不安定になることを防止できる。
なお、弁座16dの内周は、段付き内周に形成されており、出口側内周16l、アウトオリフィス16a、および圧力制御室16cの順に形成されている。
なお、ここで、バルブアーマチャ42は、支持部材を構成する。オリフィス部材16は、弁座を有する弁ボデーを構成する。また、バルブボデー17は、弁ハウジングを構成する。
上述の構成を有するインジェクタ2の作動について以下説明する。高圧源であるコモンレール104から高圧配管、燃料供給路11b、燃料送出路12dを介して燃料溜り室12cに高圧燃料が供給されるとともに、燃料供給路11b、インオリフィス16bを介して油圧制御室8、16cに高圧燃料が供給される。
コイル61への非通電時には、バルブアーマチャ42および弁部材41は、付勢部材59の付勢力により弁座16d側(図11の下方)へ押し当てられ、弁部材41が弁座16dに着座する。弁部材41の着座によりアウトオリフィス16aが閉塞され、油圧制御室8、16cから弁室17c、低圧通路17dへの燃料流れが遮断される。
このとき、油圧制御室8、16cに蓄えられている燃料圧力(以下、背圧)は、コモンレール104の内部の燃料圧力(以下、コモンレール圧)と同一の圧力に維持される。油圧制御室8、16cに蓄えられている背圧により制御ピストン30を介してノズルニードル20を噴孔閉塞方向へ付勢する作用力(以下、第1作用力)と、スプリング35の付勢力によりノズルニードル20を噴孔閉塞方向へ付勢する作用力(以下、第2作用力)との和は、燃料溜り室12cおよび弁座12a近傍のコモンレール圧によりノズルニードル20が噴孔開放方向に受ける作用力(以下、第3作用力)より大きくなっている。そのため、ノズルニードル20は弁座12aに着座し、噴孔12bが閉塞されている。噴孔12bから燃料は噴射されない。なお、弁座16dに着座している弁部材41には、閉塞されているアウトオリフィス16a(詳しくは、出口側内周16l)内の燃料圧力(背圧)が作用している。
コイル61への通電が開始されると(以下、インジェクタ2の開時)、コイル61に電磁力が発生し、固定コア63とバルブアーマチャ42の両磁極面間に発生する磁気吸引力により、バルブアーマチャ42が固定コア63方向に吸引される。このとき、弁部材41は、上記アウトオリフィス16aの背圧により離座方向に向かう作用力(以下、第4作用力) が働いているので、バルブアーマチャ42と共に弁部材41が弁座16dから離座する。その弁部材41が離座すると、ガイド孔16gに沿って弁部材41が固定コア63方向に移動する。
このとき、バルブアーマチャ42および弁部材41の弁座16dからの離座により、アウトオリフィス16aを介して油圧制御室8、16cから弁室17c、低圧通路17dへ流れる燃料流れが発生する。油圧制御室8、16c内の燃料が低圧側へ開放されるため、油圧制御室8、16cによる背圧が低下する。背圧が低下すると、第1作用力が次第に減少する。そして、ノズルニードル20の噴孔閉塞方向に作用する第1作用力および第2作用力より、ノズルニードル20の噴孔開放方向に作用する第3作用力が大きくなると、ノズルニードル20は弁座12aより離座し、図11の上方へリフトする。ノズルニードル20がリフトすると、噴孔12bは開放され、噴孔12bより燃料が噴射される。
また、コイル61への通電が停止されると(以下、インジェクタ2の閉時)、コイル61の電磁力が消滅するため、付勢部材59の付勢力によりバルブアーマチャ42および弁部材41が弁座16d方向に移動する。弁部材41の平面部41bが弁座16dに着座すると、油圧制御室8、16cから弁室17c、低圧通路17dへの燃料の流出が停止される。そして油圧制御室8、16cによる背圧が増加し、第1作用力および第2作用力が第3作用力に勝るようになると、ノズルニードル20が図11の下方へ移動し始める。そして、ノズルニードル20が弁座12aに着座すると、燃料噴射が終了する。
上記構成の実施形態によれば、自身の内部に圧力検出部を配置することが可能となった。そして、上記に加え、更に、以下の効果を奏する。
薄肉部からなるダイアフラム部18nを、燃料供給路11bから分岐された分岐通路に設けるため、燃料通路近傍のインジェクタ外壁に直接ダイアフラム部18nを設けることに比べて、ダイアフラム部18nの形成が容易になる。また、この結果、ダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になるために厚さバラツキを防止でき、圧力検出精度を向上することができる。
ダイアフラム部18nは、分岐通路を構成する部分の中で、通路肉厚が最も薄く構成されている部分であるため、圧力変動に伴うダイアフラムの変位を大きくすることができる。
インジェクタボデー(ロアボデー11とバルブボデー17)とは別体形成された圧力検出部材81内にダイアフラム部18nと孔部又は溝部とを有するため、ダイアフラム部18nを容易に加工・形成することができる。この結果、更にダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になり、圧力検出精度を向上することができる。
さらに、ダイアフラム部18nを含む圧力検出部材81を圧力制御室8,16cの一部を構成するオリフィス部材16と積層させて配置させるため、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
圧力検出部材81を、インジェクタボデーの軸方向とは略垂直方向に配置された板状部材で形成するため、自身の内部に圧力検出部が配置されるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
分岐通路を燃料供給路11bから圧力制御室8,16cへの通路から分岐させるようにしているため、分岐通路を燃料供給路11bに接続するための特別な支流路を設ける必要がない。従って、自身の内部に圧力検出部が配置されるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
ダイアフラム部18nが、少なくとも歪検出素子の厚さ分、圧力検出部材81の表面から深い位置に配置されているため、圧力検出部材81をインジェクタボデー内に搭載した際に歪検出素子に応力がかかることを防止できるため、容易に自身の内部に圧力検出部を配置できる。
インジェクタボデー内に配線通路を備えるため、結線の取り回しが簡単になる。また、電磁弁装置7(アクチュエータ)のコイル61への信号を導入するターミナルピン51aと、圧力センサ18f(変位検出手段)からの信号を出力するターミナルピン51bとが、共通のコネクタ50に一体的に形成されているため、外部との接続のための組み付け工程を一度に行うことができる。
(第7実施形態)
図15は、本発明の第7実施形態に係るインジェクタ22を示す断面図である。図16(a)〜(c)は、圧力検出部材の要部を示す部分断面図及び平面図である。以下、本実施形態にかかる燃料噴射装置を図面を参照しつつ説明する。なお、第6実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第7実施形態は、第6実施形態で用いた圧力検出部80に代わり、圧力検出部85を備えたものである。
図15に示されるように、インジェクタ22は、ノズルニードル20を軸方向に移動可能に収容するノズルボデー12と、ノズルニードル20を閉弁側に付勢する付勢部材としてのスプリング35を収容するロアボデー11と、ノズルボデー12とロアボデー11との間に挟持された圧力検出部85と、ノズルボデー12と圧力検出部85とロアボデー11とを所定の締付軸力により締結する締付け部材としてのリテーニングナット14と、流体制御弁としての電磁弁装置7、を含んで構成されている。
オリフィス部材16の入口部16hは、圧力制御室16cと燃料供給路11bから分岐された分岐燃料供給路11gとを連通する位置に配置されている。また、圧力制御室は、オリフィス部材16の圧力制御室8、16cにより構成されている。
圧力検出部85は、図16(a)〜(c)に示すように、好ましくは、インジェクタ2の軸方向つまり制御ピストン30(及びノズルニードル20)の延びる方向に対して、略垂直方向に配置された金属性の板状部材(第2の板状部材)で構成される圧力検出部材86からなり、ノズルボデー12とロアボデー11との間に挟持されている。本実施形態では、圧力検出部材86は平坦面82を有し、ノズルボデー12に形成される平坦面と、面同士で液密に直接積層されている。圧力検出部材86は、ロアボデー11のノズルボデー12側端面と略同一形状を有し、略円形に形成されている。圧力検出部材86は、ノズルボデー12とロアボデー11との間に挟持された際に、ロアボデー11の燃料供給路11b、制御ピストン30のニードル部30cの先端部分、位置決め部材92挿入部の位置が、圧力検出部材86の検出部連通路18h、貫通穴18s、位置決め用貫通穴18tの位置に一致するように形成されている。また、検出部連通路18hの反ロアボデー側は、ノズルボデー12側の燃料送出路12dに対応した位置に開口している。これにより、圧力検出部材86の検出部連通穴18hは、燃料供給路11bから燃料送出路12dへの通路の一部を構成している。
圧力検出部材86は、更に、ノズルボデー12側から所定深さと内径を有する溝からなる圧力検出空間18bを備え、その溝底部がダイアフラム部18nを構成している。ダイアフラム部18nの表面には、図13と図14で説明した半導体式の圧力センサ18fが接合されている。ダイアフラム部18nは、圧力検出空間18bが形成された側と反対側の圧力検出部材86の表面から、少なくとも圧力センサ18fの厚さよりも大きな寸法分を有する深さに位置しており、圧力センサ18fが接合される側の表面は、圧力検出空間18bよりも大径に形成されている。そして、ダイアフラム部18nを挟んだ両方の溝の深さ制御により、その製造時にダイアフラム部の厚さが制御される。圧力検出部材81の平坦面82には、検出部連通路18hと圧力検出空間18bとを連通する溝部18a(分岐通路)が、圧力検出空間18bよりも浅い深さで形成されている。本実施形態では、溝部18aは、制御ピストン30のニードル部30cの先端部分の挿入部を挟んで、左右に複数(好ましくは2つ)形成されている。よって、燃料供給路11bの燃料を効率良く圧力検出空間18bへ導出することができる。
第6実施形態同様、ピエゾ抵抗素子を含む圧力センサ18fと低融点ガラスが歪検出素子を構成する。ここで、ダイアフラム部18nは、少なくとも圧力センサ18fと低融点ガラスの厚さ分、圧力検出部材86の圧力検出空間18bとは反対の表面から深い位置に配置されている。処理基板18dと電気配線18eが更に厚さ方向に配置される場合は、その分の厚さも含めた距離よりも深い位置にダイアフラム部18nの反圧力検出空間18b表面が配置される。
本実施形態によっても、第6実施形態と同様な効果を奏することができる。特に、第7実施形態では、第6実施形態に加え、以下の効果がある。
インジェクタボデーとは別体形成された圧力検出部材86内にダイアフラム部18nと孔部又は溝部18aとを有するため、ダイアフラム部18nを容易に加工・形成することができる。この結果、ダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になり、圧力検出精度を向上することができる。圧力検出部材86は、ロアボデー11とノズルボデー12との間に積層配置されるため、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。さらに、ノズルボデー12近傍の高圧燃料の圧力を検出できるため、実際に噴射されている燃料の圧力変化をタイムラグが少なく検出することができる。
分岐通路をロアボデー11とノズルボデー12との間に積層配置された金属の圧力検出部材86内に設けているため、分岐通路を燃料供給路11b、及び燃料送出路12dに接続するための特別な支流路を設ける必要がない。よって、自身の内部に圧力検出部85が配置されるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
ダイアフラム部18nが、少なくとも歪検出素子の厚さ分、圧力検出部材86の表面から深い位置に配置されているため、圧力検出部材86をインジェクタボデー内に搭載した際に歪検出素子に応力がかかることを防止できるため、容易に自身の内部に圧力検出部を配置できる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態について説明する。図17は本発明の第8実施形態に係る燃料噴射装置用インジェクタの部分断面図、図18は図17のインジェクタの概略内部構成を示す模式的な断面図である。図19は分岐通路の取り付け構造を説明する概略図である。図20は継手部の拡大断面図、図21はダイアフラム部の部分断面図、図22は圧力検出部の組み付け手順を示す断面図である。なお、本実施形態においても、第6実施形態又は第7実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第8実施形態は、ロアボデー(インジェクタボデー)11の内部に組み込まれた圧力検出部80の代わりに、継手部11fに螺合固定された圧力検出部87を備えたものである点、電磁弁駆動のアクチュエータに代えて、ピエゾアクチュエータ302により制御ピストンを駆動するようにした点で、第6実施形態と異なる。
以下に、図17および図18に基づいて、本実施形態のインジェクタ32の基本的な構成、作動について説明する。
インジェクタ32は、第6実施形態と同様に、ノズルニードル(ニードル)20を軸方向に移動可能に収容するノズルボデー12と、ニードル20を閉弁側に付勢する付勢部材としてのスプリング35を収容するインジェクタボデー11と、ノズルボデー12とインジェクタボデー11とを所定の締付軸力により締結する締付け部材としてのリテーナ(リテーニングナット)14と、背圧制御機構303を構成するピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)302と、高圧燃料の圧力を検出する圧力検出部87とを含んで構成されている。ノズルボデー12、インジェクタボデー11、およびリテーナ14は、ノズルボデー12とインジェクタボデー11とをリテーナ14で締結することでインジェクタのノズル本体を構成している。ニードル20とノズルボデー12はノズル部301を構成している。
インジェクタボデー11には、コモンレール104の分岐管に接続される高圧配管(図10参照)が液密に連結する第1の継手部(以下、インレット部)11fと、低圧燃料通路106に液密に連結されて燃料を燃料タンク102へ戻す第2の継手部(アウトレット部)11tが設けられている。このインレット部11fは、コモンレール104から供給された高圧燃料を導入する入口である流体導入部21と、流体導入部21から導入された高圧燃料を燃料供給路11b(第1の流体通路(高圧通路に相当))へ導く燃料導入路11c(第2の流体通路(高圧通路に相当))とを有し、燃料導入路11c内部には、バーフィルタ13が配置されている。
インジェクタボデー11の第1の継手部11fには、燃料供給路11b(第1の流体通路)へ導く燃料導入路11c(第2の流体通路)が、インジェクタボデー11の軸方向に対して所定方向に傾斜して形成されている。取り付け性の観点から、燃料導入路11cは軸方向に対して、45度〜60度程度の傾斜をもって形成されていることが好ましい。そして、第1の継手部11fは、燃料導入路11cから分岐されてインジェクタボデー11の軸方向と略平行方向に延出する分岐通路318aを有する。つまり、本実施形態では、分岐通路318aは、図19(a)に示すように、燃料導入路11cを基準に見ると、高圧流体の流れ方向(図中の矢印)に対して、120度〜135度の折り返し角度を持って燃料導入路11cに接続されている。なお、分岐通路318aは、インジェクタボデー11の軸方向と略平行方向に延出していることが好ましいが、上記折り返し角度が90度以上になるように、分岐通路318aの配置方向を変えても良い。
噴射時と噴射直後において、インジェクタから噴射または排出された燃料分、コモンレール104から燃料導入路11cへ燃料が供給される。燃料導入路11c内は高圧であるため、図19(b)のように分岐通路318a’が燃料導入路11cの流体流れ方向に対して90度より小さな角度、つまり順方向に接続されている場合、燃料導入路11c内には新規燃料供給中も常に高圧力が印加されることとなり、噴射時と非噴射時の圧力差が小さくなる。しかしながら、折り返し角度を90度以上とすることで、新規燃料供給中には燃料導入路11c内の高圧流体の移動によって、分岐通路318aに充填された高圧燃料に対し、燃料導入路11cとの分岐点(接続点)側に向かって吸引力が発生する。この場合、高圧燃料の圧力低下に対して更に吸引力がその圧力低下の変化方向と同方向に重畳される。このため、噴射時と非噴射時の圧力差を大きくすることができる。
インジェクタボデー11の第2の継手部11tには、背圧制御機構303から排出される低圧燃料を、燃料タンク(図10参照)の低圧配管系内に戻すための低圧燃料通路としての燃料逃がし通路(リーク回収用通路とも呼ぶ)37が設けられている。
インジェクタ32は、開弁時に燃料を噴射するノズル部301、電荷の充放電により伸縮するピエゾアクチュエータ302、ピエゾアクチュエータ302により駆動されてノズル部301の背圧を制御する背圧制御機構303を備えている。
ピエゾアクチュエータ302は、ステンレス製の円筒状のハウジング321内に多数の圧電素子322が積層して収納されている。この圧電素子322は、2本のリード線323を介して図示しない電源に接続されている。このリード線323は、リード線323よりも剛性が高い保持部材308により保持されている。
保持部材308は、リード線323の被覆が摩耗するのを抑制するために、金属よりも硬度が低い材料、例えばナイロン等の樹脂よりなる。また、保持部材308は、リード線323よりも剛性が高くなるように、形状や厚さ等が設定されている。
リード線323の先端は、インジェクタボデー11における反ノズル側端部、つまり継手部11fよりも上部の端部にその一部が突出した形で延出される。そして、ターミナルピン51a、51bがモールド形成により一体形成されたコネクタハウジング50をインジェクタボデー11の上部から装着することで接合される。
ノズル部301は、図18に示すように、噴孔12bが形成されたノズルボデー12、ノズルボデー12の弁座に接離して噴孔12bを開閉するニードル20、ニードル20を閉弁向きに付勢するスプリング35を備えている。
背圧制御機構303のバルブボデー331内には、ピエゾアクチュエータ302の伸縮に追従して移動するピストン332、ピストン332をピエゾアクチュエータ302側に向かって付勢する皿ばね333、ピストン332に駆動される球状の弁体41が収納されている。因みに、図18ではバルブボデー331を1つの部品として図示しているが、実際には複数に分割されている。
金属製の略円筒状のインジェクタボデー11は、インジェクタ軸線方向の一端側から他端側まで貫通した収納穴341が形成されており、この収納穴341にピエゾアクチュエータ302および背圧制御機構303が収納されている。また、略円筒状のリテーナ14をインジェクタボデー11に螺合させることにより、インジェクタボデー11の端部にノズル部301が保持されている。
ノズルボデー12、インジェクタボデー11、およびバルブボデー331には、コモンレールから常に高圧燃料が供給される燃料供給路11b及び燃料送出路12dが形成され、インジェクタボデー11およびバルブボデー331には、燃料逃がし通路(リーク回収用通路とも呼ぶ)37を介して、燃料タンク(図10参照)に接続される低圧通路17dが形成されている。
ニードル20における噴孔12b側の外周面とノズルボデー12の内周面との間には、燃料溜り室(高圧室)12cが形成されている。この高圧室12cは、ニードル20が開弁方向に変位した際に噴孔12bと連通する。また、高圧室12cには、燃料供給路11bを介して常に高圧燃料が供給されている。ニードル20における反噴孔側には圧力制御室としての背圧室8が形成されている。この背圧室8には前述したスプリング35が配置されている。
バルブボデー331には、バルブボデー331内の燃料供給路11bとノズル部301の背圧室8とを連通させる経路中に高圧シート面335が形成され、バルブボデー331内の低圧通路17dとノズル部301の背圧室8とを連通させる経路中に低圧シート面336が形成されている。そして、高圧シート面335と低圧シート面336との間に前述した弁体41が配置されている。
図17に示すように、インジェクタボデー11の収納穴341は、円柱形状の3つの収納穴341a〜341cからなる。第1収納穴341aは、一端がインジェクタボデー11におけるノズル側の端面に開口し、インジェクタボデー11のノズル側端面からインジェクタボデー11における反ノズル側に向かって延びている。第2収納穴341bは、第1収納穴341aよりも小径であり、第1収納穴341aにおける反ノズル側端部から、インジェクタボデー11における反ノズル側に向かって延びている。また、第1収納穴341aと第2収納穴341bは、同軸に配置されている。第3収納穴341cは、第1収納穴341aおよび第2収納穴341bに対して偏心して設けられ、一端がインジェクタボデー11における反ノズル側の端面に開口し、他端が第2収納穴341bに接続されている。
そして、第1収納穴341aにピエゾアクチュエータ302が収納され、第2収納穴341bおよび第3収納穴341cに、リード線323および保持部材308が収納されている。また、ピエゾアクチュエータ302のハウジング321に形成されたテーパ状の座面325が、第1収納穴341aと第2収納穴341bの段付き部341dに当接して、ピエゾアクチュエータ302がインジェクタボデー11に位置決め固定されている。
上記構成において、ピエゾアクチュエータ302が縮んだ状態では、図18に示すように弁体41が低圧シート面336に接して背圧室8は燃料供給路11bと接続され、背圧室8には高圧の燃料圧が導入される。そして、この背圧室8内の燃料圧とスプリング35とによってニードル20が閉弁向きに付勢されて噴孔12bが閉じられている。
一方、ピエゾアクチュエータ302に電圧が印加されてピエゾアクチュエータ302が伸びた状態では、弁体41が高圧シート面335に接して背圧室8は低圧通路17dと接続され、背圧室8内は低圧になる。そして、高圧室12c内の燃料圧によってニードル20が開弁向きに付勢されて噴孔12bが開かれ、この噴孔12bから内燃機関の気筒内へ燃料が噴射される。
以下に、圧力検出部87の構成を図20〜図22を用いて説明する。図20は、本実施形態における圧力検出部87を示す断面図である。図21は、図20の点線で囲んだA部(センサチップと金属ステムの断面を含む)を拡大して示す斜視図である。
ハウジング410は、上記分岐通路318aに直接取り付けられるものであり、その外周面には該取付用のネジ411が形成されている。また、ハウジング410の内部には、圧力導入通路412が形成されており、この圧力導入通路412は、ハウジング410が上記燃料導入路11cに取り付けられた状態で連通し、一端側(図20中の下方側)から圧力が導入されるようになっている。
ここで、ハウジング410の材質としては、耐食性と高強度を合わせもつ炭素鋼(例えばS15C等)に耐食性を上げるZnめっきを施したものや、耐食性を有するXM7、SUS430、SUS304、SUS630等を採用することができる。
金属ステム420は中空段付円筒形状を成す金属からなり、一端側に薄肉状をなす圧力検出用のダイアフラム部18nを有し、他端側にこのダイアフラム部18nへ圧力を導くための圧力検出空間318bを有する。また、金属ステム420の外周面のうち軸方向の途中部位には、テーパ状に拡径した段部423が形成されており、この段部423を介して、金属ステム420の他端側(圧力検出空間318b側)は、一端側(ダイアフラム部18n側)に比べて外周径が大きくなっている。
ここで、上記ハウジング410の圧力導入通路412は、金属ステム420の外形に対応した形状を有する段付内孔であり、その一端側(圧力導入側)の内径が大径部となっている。そして、圧力導入通路412の内面には、金属ステム420の段部423に対応したテーパ形状の座面413が形成されている。
また、金属ステム420の大径部の外周面には、雄ネジ部424が形成されており、一方、ハウジング410の圧力導入通路412の内周面には、雄ネジ部424と対応した雌ネジ部414が形成されている。そして、金属ステム420は、その他端側(圧力検出空間318b側)が圧力導入通路412の一端側に位置するように圧力導入通路412内に挿入され、雄ネジ部424と雌ネジ部414とがネジ結合することによって、金属ステム420はハウジング410に固定されている。
ここで、上記ネジ結合の軸力により、金属ステム420の外周面における段部423が、ハウジング410の圧力導入通路412の内面に形成された座面413に対して、金属ステム420の他端側から一端側へ向かって押し付けられシールされている。こうして、金属ステム420の圧力検出空間318bが圧力導入通路412と連通した状態となり、互いに密着する段部423と座面413とがシール部Kを形成することにより、該圧力検出空間318bと圧力導入通路412の連通部のシール性が確保されている。
また、金属ステム420のダイアフラム部18nの外面には、図21に示す様に、単結晶Si(シリコン)からなる圧力センサチップ18fが、低融点ガラス440により接合されている。この圧力センサチップ18fは、圧力検出空間318bから金属ステム420内部に導入された圧力をダイアフラム部18nへ導き、当該圧力によってダイアフラム部18nが変形したときに発生する歪みを検出する歪みゲージとして機能するものである。
金属ステム420の材料には、超高圧を受けることから高強度であること、及び、Siからなる圧力センサチップ18fをガラス440により接合するため低熱膨張係数であること、が求められ、具体的には、Fe、Ni、CoまたはFe、Niを主体とし、析出強化材料としてTi、Nb、Alまたは、Ti、Nbが加えられた材料を選定し、プレス、切削や冷間鍛造等により形成できる。
また、ハウジング410における圧力導入通路412の他端側からは、金属ステム420のダイアフラム部18nが突出しており、このダイアフラム部18nの外周には、セラミック基板450がハウジング410に接着等により配設されている。該基板450には、圧力センサチップ18fの出力を増幅するアンプICチップ18d及び特性調整ICチップ18dが接着剤にて固定されている。この特性調整ICチップ18d内には、圧力検出感度データだけでなく、インジェクタの噴射特性データも記憶された不揮発性メモリが含まれている。
これらICチップ18dは、ワイヤボンディングにより形成されたアルミニウムの細線454によって、セラミック基板450の導体(配線部)と接続されている。また、ターミナルピン51bへ電気的接続するためのピン51b1が銀ろうにてセラミック基板450の上記導体と接合されている。
ピン51b1が樹脂464にインサート成形により構成されたアッシーであるコネクタターミナル460とセラミック基板450とは、ピン51b1とピン456とのレーザ溶接により接合されている。また、ピン51b1は、コネクタ50とハウジング410との間に固定保持される。また、ピン51b1はコネクタ50のターミナルピン51bに接続され、インジェクタ用のターミナルピン51aとともに、1つのハーネス(配線部材)により自動車のECU等へ電気的に接続可能となっている。
コネクタホルダ470は、ターミナルピン51bの外形を成すもので、Oリング480を介して組付けられたハウジング410と一体化してパッケージを構成し、該パッケージ内部の圧力センサチップ18f、各種IC、電気的接続部を湿気・機械的外力より保護するものである。コネクタホルダ470の材質は、加水分解性の高いPPS(ポリフェニレンサルファイド)等を採用できる。
かかる構成を有する圧力検出部87の組付方法について、図22を参照して述べる。図22は、上記図20に対応した断面にて、組付前の各部品の分解状態を示す図であり、基本的には、各部品が図22中の一点鎖線に沿って組み付けられるようになっている。
まず、圧力センサチップ18fがガラス440で接合されている状態の金属ステム420を、その一端側(ダイアフラム部18n側)から、ハウジング410の圧力導入通路412の一端側(圧力導入側)へ挿入する。そして、金属ステム420を軸回りに回転させながら挿入していき、雄ネジ部424と雌ネジ部414とをネジ結合させる。
こうして、ネジ結合の軸力により、金属ステム420の段部423とハウジング410の座面413とが密着してシールされ、金属ステム420の圧力検出空間318bとハウジング410の圧力導入通路412との連通部のシール性が確保される。
次に、チップ18d及びピン456が搭載されたセラミック基板450を、接着剤等にて、ハウジング410における圧力導入通路412の他端側の部位に固定する。そして、ワイヤボンディングを行うことにより、圧力センサチップ18fとセラミック基板450の導体(配線部)とを上記細線454にて電気的に接続する。
次に、ターミナルピン51b1とピン456とをレーザ溶接(YAGレーザ溶接等)にて接合する。次に、Oリング480を介して、コネクタホルダ470をハウジング410に組み付け、ハウジング410の端部をかしめることにより、コネクタホルダ470とハウジング410とを固定する。こうして、上記図20に示す圧力検出部87が完成する。
かかる圧力検出部87は、ハウジング410のネジ411をインジェクタボデーの継手部11fに形成された雌ネジ部に直接螺号によって取り付けられる。そして、分岐通路318a内の燃料圧(圧力媒体)が、圧力導入通路412の一端側から導入され、金属ステム420の圧力検出空間318bから金属ステム420の内部(圧力検出空間318b)へ導かれたときに、その圧力によってダイアフラム部18nが変形する。
このダイアフラム部18nの変形を圧力センサチップ18fにより電気信号に変換し、この信号をセンサの処理回路部を構成するセラミック基板450等にて処理し、圧力検出を行う。そして、検出された圧力(燃料圧)に基づいて、上記ECU等により燃料噴射制御がなされる。
上記構成の本実施形態によれば、第6実施形態と同様に、以下の効果を奏する。
薄肉部からなるダイアフラム部18nを、燃料導入路11cから分岐された分岐通路に設けるため、燃料通路近傍のインジェクタ外壁に直接ダイアフラム部18nを設けることに比べて、ダイアフラム部18nの形成が容易になる。また、この結果、ダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になり、圧力検出精度を向上することができる。
ダイアフラム部18nは、分岐通路を構成する部分の中で、通路肉厚が最も薄く構成されている部分であるため、圧力変動に伴うダイアフラムの変位を大きくすることができる。
インジェクタボデー11とは別体形成された圧力検出部87を用いており、その中にダイアフラム部18nと孔部又は溝部とを有するため、ダイアフラム部18nを容易に加工・形成することができる。この結果、更にダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になり、圧力検出精度を向上することができる。
ピエゾアクチュエータへの信号を導入するターミナルピン51aと、圧力センサ18f(変位検出手段)からの信号を出力するターミナルピン51bとが、共通のコネクタ50に一体的に形成されているため、外部との接続のための組み付け工程を一度に行うことができる。
更に、本実施形態では、継手部11fの外壁から燃料導入路11cに到達するとともに、圧力検出部87のハウジングと対応した結合手段(本実施形態の場合は、ハウジング側の雄ネジ部と継手部11f側の雌ネジ部からなる螺着手段)を有するため、圧力検出部87を容易にインジェクタ32へ取り付けることができる。また、螺着手段であるため、圧力検出部87を容易に交換することもできる。
分岐通路318aは、図19(a)に示すように、燃料導入路11cを基準に見ると、高圧流体の流れ方向(図中の矢印)に対して、120度〜135度の折り返し角度を持って燃料導入路11cに接続されている。これにより、新規燃料供給中には燃料導入路11c内の高圧流体の移動によって、分岐通路318a’に充填された高圧燃料に対し、分岐通路318a内の高圧流体に流体通路との分岐点側に向かって吸引力が発生する。この場合、高圧燃料の圧力低下に対して更に吸引力がその圧力低下の変化方向と同方向に重畳される。このため、噴射時と非噴射時の圧力差を大きくすることができる。
分岐通路318aが、インジェクタボデー11の軸方向と略平行方向に延出しているため、圧力検出部87が、インジェクタボデー11の径方向において継手部11f以上に突出することを防止できる。つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態について説明する。図23(a),(b)は本実施形態の流体制御弁の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(c),(d)は圧力検出部材の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(e)はインジェクタボデーに組み付けた際の制御ピストンと圧力検出部材との位置関係を示す断面図である。なお、第6〜第8実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第9実施形態は、圧力検出部80として、第6実施形態で用いた圧力検出部材81の代わりに、図23(c),(d)で示すような圧力検出部材81Aを用いたものであり、その他の構成・機能・効果は、同図(a),(b)に示す本実施形態のオリフィス部材16も含め、第6実施形態と同様である。
図23(c),(d)に示すように、本実施形態の圧力検出部材81Aは、インジェクタボデー(ロアボデー11とバルブボデー17)とは別体的に(別々に)形成された圧力検出部材81Aからなる。圧力検出部材81Aは、好ましくは、インジェクタ2の軸方向つまり制御ピストン30の延びる方向に対して、略垂直方向に配置された金属性の板状部材(第2部材)で構成され、ロアボデー11内において、オリフィス部材16と直接又は間接的に積層されて、ロアボデー11及びノズルボデー12に対して一体的に保持されている。
本実施形態では、圧力検出部材81Aは平坦面82を有し、オリフィス部材16の噴孔側の平坦面162と、面同士で液密に直接積層されている。圧力検出部材81Aとオリフィス部材16は、略同一の外形を有し、両者を重ね合わせた際に、オリフィス部材16の入口部16h、貫通穴16p、圧力制御室16cの位置が、圧力検出部材81の検出部連通路18h、貫通穴18p、圧力制御室18cの位置に夫々一致するように形成されている。また、検出部連通路18hの反オリフィス部材側は、燃料供給路11bから分岐した分岐燃料供給路11gに対応した位置に開口している。これにより、圧力検出部材81の貫通孔18hは、燃料供給路11bから圧力制御室16c、18cへの通路の一部を構成している。
圧力検出部材81Aは、更に、オリフィス部材16側から所定深さと内径を有する溝からなる圧力検出空間18bを備え、その溝底部がダイアフラム部18nを構成している。ダイアフラム部18nの、圧力検出空間18bとは反対側の表面には、図13で示したような半導体式の圧力センサ18fが一体的に貼り合され、接合されている。
ダイアフラム部18nは、圧力検出空間18bの反対側表面から、少なくとも圧力センサ18fの厚さよりも大きな寸法分を有する深さに位置しており、圧力センサ18fが接合される側の表面は、圧力検出空間18bよりも大径に形成されている。そして、ダイアフラム部18nを挟んだ両方の溝の深さ制御により、その製造時にダイアフラム部18nの厚さが制御される。圧力検出部材81Aの平坦面82には、圧力検出部材81A内の圧力制御室18cと圧力検出空間18bとを連通する溝部18a(分岐通路)が、圧力検出空間18bよりも浅い深さで形成されている。溝部18aは圧力検出部材81Aがオリフィス部材16と液密に面接触することで、オリフィス部材16の平坦面162を壁の一部とする合成通路(分岐通路)を形成する。これにより、溝部18a(分岐通路)は、貫通孔18hとは異なる位置にて、圧力制御室16c,18cに対して一部が接続され、他部がダイアフラム部18nに接続されている。これにより、ダイアフラム部18nは圧力検出空間18bに導入された高圧燃料の作用する圧力により歪むことが可能となる。
ここで、ダイアフラム部18nは、溝部18aとオリフィス部材16との間で形成される合成通路と圧力検出空間18bを含めた分岐通路のうちで、その通路肉厚が最も薄く構成されている。合成通路の通路肉厚は合成通路の内壁から見た圧力検出部材81A及びオリフィス部材16の厚さを言う。
図23(e)に示すように、制御ピストン30の端部外壁(上端部)30p、オリフィス部材16、及び圧力検出部材81Aによって圧力制御室16c、18cが形成されている。端部外壁30pは、噴孔12bの開弁時に、溝部18aの下端部位置と同位置かそれよりも噴孔12b側に所定距離(L)だけ位置ずれして配置されている。つまり、噴孔12bの開弁時(制御ピストン30が弁部材41側へリフトアップされた状態)に、端部外壁30pが圧力検出部材81Aの圧力制御室18c部分に収納される。
開弁時に制御ピストン30の端部外壁30pが溝部18aよりも反噴孔12b側にある場合、制御ピストン30が溝部18aを覆ってしまう場合が生じる。この場合、圧力センサが圧力制御室16c、18c内の圧力変化を検出できるのは、圧力制御室16c、18c内の圧力が上昇して制御ピストン30が閉弁方向に移動して溝部18aが開放された後となるため、検出までの時間的なロスが生じる。しかしながら、本実施形態では、端部外壁30pが上記位置関係となっているため、噴孔12bの開弁時にも分岐通路を常に圧力制御室と連通した状態にできる。なお、言うまでも無いが、閉弁時には制御ピストン30は噴孔側に戻るので、端部外壁30pは所定距離(L)+リフト量分だけ、溝部18aよりも噴孔12b側に位置する。この際、閉弁時にも、端部外壁30pが圧力検出部材81Aの圧力制御室18c部分に収納されるように配置されることが好ましい。これにより、圧力検出部材81Aとロアボデー11との接触面付近を端部外壁30pが通過する際に発生する可能性のある「引っかかり」を防止できる。
上記構成の本実施形態では、オリフィス部材16内に形成された空間16cと圧力検出部材81A内に形成された空間18cとで圧力制御室16c、18cが形成される。動作時においては、圧力制御室16c、18cの内部に高圧燃料の一部が供給され、充填されることで圧力制御室16c、18cにノズルニードル20を閉弁方向に付勢する力が生じ、噴孔12bが閉弁される。これにより噴射が停止状態となる。一方、圧力制御室16c、18cに充填された高圧燃料を排出することで、圧力制御室16c、18cの内部に生じている力が低下し、ノズルニードルが開弁する。これにより噴孔からの噴射が開始される。つまり、圧力制御室16c、18cの内部に発生している内部圧力の変化のタイミングは、噴孔からの噴射タイミングと略一致していると言える。
従って、本実施形態においては、圧力制御室16c、18cに溝部18aを介してダイアフラム部18nを間接的に接続し、そのダイアフラム部18nの変位を圧力センサ18f(変位検出手段)により検出しているため、実際に噴孔12bから噴射するタイミングも精度良く検出することができる。例えば、コモンレールシステムにおいて、各インジェクタから実際に噴射されている噴射量を検出したい場合、インジェクタボデー内の高圧燃料の圧力変化とその変化タイミングを計算することが考えられる。この場合においても、本実施形態においては、圧力制御室16c、18c内部の圧力変化を検出しているため、その圧力変化量(圧力の絶対値、又は圧力の変動量)だけでなく、その変化タイミングも精度良く(タイムラグが少なく)検出することができる。
圧力検出部材81Aは、第6実施形態のようなFi−Ni−Co系合金であるコバール等により構成されていても良いが、本実施形態では、金属ガラスを用いて構成されている。金属ガラスは、結晶構造を持たないガラス状のアモルファス金属材料であり、低ヤング率であるため、圧力検出の感度を向上させることができる。例えば、Fe系:{Fe−(Al、Ga)−(P、C、B、Si、Ge)}や、Ni系:{Ni−(Zr、Hf、Nb)−B}やTi系:{Ti−Zr−Ni−Cu}やZr系:Zr−Al−TM(TM:VI〜VIII族遷移金属)の金属ガラスを用いることができる。
その一方で、オリフィス部材16は、高流速の高圧燃料を内部で流通させ、また弁部材41との接触を繰り返すため、硬度が高い方が好ましい。つまり、圧力検出部材81Aを構成する材料よりもオリフィス部材16を構成する材料の硬度が高いことが好ましい。
本実施形態では、溝部18a(分岐通路)は圧力制御室16c、18cの内壁のうち、インオリフィス16bとアウトオリフィス16aとは異なる(離間した)位置に形成されている。つまり、インオリフィス16bからアウトオリフィス16aへの高圧燃料の流れ経路とは異なる位置である圧力検出部材81A側に形成されている。インオリフィス16b及びアウトオリフィス16aの内部及びその開口部付近は、高圧燃料の流れが速いため、圧力の変化が定常的になるまでにタイムラグが生じる。しかしながら、上記構成を採ることにより、圧力制御室16c、18c内における流れの定常的な領域の圧力の変化を検出することができる。
なお、図示しないが、図12(e)に示した変形例同様、図23(c)の溝部18aに代えて、圧力検出部材81Aの圧力制御室18cから圧力検出空間18bに連結するように傾斜して設けられた孔部としても良い。
上記構成の実施形態によれば、自身の内部に圧力検出部を配置することが可能となった。そして、上記に加え、第6実施形態同様、以下の効果を奏する。
薄肉部からなるダイアフラム部18nを、燃料供給路11bから分岐された分岐通路に設けるため、燃料通路近傍のインジェクタ外壁に直接ダイアフラム部18nを設けることに比べて、ダイアフラム部18nの形成が容易になる。また、この結果、ダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になるために厚さバラツキを防止でき、圧力検出精度を向上することができる。
ダイアフラム部18nは、分岐通路を構成する部分の中で、通路肉厚が最も薄く構成されている部分であるため、圧力変動に伴うダイアフラムの変位を大きくすることができる。
インジェクタボデー(ロアボデー11とバルブボデー17)とは別体形成された圧力検出部材81A内にダイアフラム部18nと孔部又は溝部とを有するため、ダイアフラム部18nを容易に加工・形成することができる。この結果、更にダイアフラム部18nの厚さ制御が容易になり、圧力検出精度を向上することができる。
さらに、ダイアフラム部18nを含む圧力検出部材81Aを圧力制御室16c、18cの一部を構成するオリフィス部材16と積層させて配置させるため、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
圧力検出部材81Aを、インジェクタボデーの軸方向とは略垂直方向に配置された板状部材で形成するため、自身の内部に圧力検出部が配置されるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
分岐通路を燃料供給路11bから圧力制御室16c、18cへの通路から分岐させるようにしているため、分岐通路を燃料供給路11bに接続するための特別な支流路を設ける必要がない。従って、自身の内部に圧力検出部80が配置されるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。
ダイアフラム部18nが、少なくとも歪検出素子の厚さ分、圧力検出部材81Aの表面から深い位置に配置されているため、圧力検出部材81Aをインジェクタボデー内に搭載した際に歪検出素子に応力がかかることを防止できるため、容易に自身の内部に圧力検出部を配置できる。
インジェクタボデー内に配線通路を備えるため、結線の取り回しが簡単になる。また、電磁弁装置7(アクチュエータ)のコイル61への信号を導入するターミナルピン51aと、圧力センサ18f(変位検出手段)からの信号を出力するターミナルピン51bとが、共通のコネクタ50に一体的に形成されているため、外部との接続のための組み付け工程を一度に行うことができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態について説明する。図24(a),(b)は本実施形態の流体制御弁の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(c),(d)は圧力検出部材の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(e)はインジェクタボデーに組み付けた際の制御ピストンと圧力検出部材との位置関係を示す断面図である。なお、第6〜第9実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第10実施形態は、圧力検出部80として、第9実施形態で用いた圧力検出部材81Aの代わりに、図24(c),(d)で示すような圧力検出部材81Bを用いたものであり、その他の構成・機能・効果は、同図(a),(b)に示す本実施形態のオリフィス部材16も含め、第6実施形態と同様である。
図24(c),(d)に示すように、本実施形態の圧力検出部材81Bも、インジェクタボデーとは別体的に形成されている。この圧力検出部材81Bは、インジェクタ2の軸方向に対して、略垂直方向に配置される金属性の板状部材(第2部材)で構成され、ロアボデー11内において、オリフィス部材16と積層されて、ロアボデー11に一体的に保持されている。
また、本実施形態でも、圧力検出部材81Bは平坦面82を有し、オリフィス部材16の噴孔側の平坦面162と、面同士で液密に直接積層されている。圧力検出部材81Bとオリフィス部材16は、略同一の外形を有し、両者を重ね合わせた際に、オリフィス部材16の入口部16h、貫通穴16p、圧力制御室16cの位置が、圧力検出部材81Bの検出部連通路18h、貫通穴18p、圧力制御室18cの位置に夫々一致するように形成されている。また、検出部連通路18hの反オリフィス部材側は、燃料供給路11bから分岐した分岐燃料供給路11gに対応した位置に開口している。
ただし、本実施形態における圧力検出部材81Bは、第9実施形態における圧力検出部材81Aと異なり、ダイアフラム部18nが圧力制御室18cに直接設けられた薄肉部からなる。より具体的には、ダイアフラム部(薄肉部)18nは、圧力制御室18cの内壁に直接設けられた凹部(圧力検出空間)18bと、圧力検出部材81Bの外部側壁から圧力制御室18cに向かって形成された窪み部18gとの間に形成されている。そして、ダイアフラム部18nの、圧力制御室18cとは反対側の窪み部18gの底面に、図13で示したような半導体式の圧力センサ18fが一体的に貼り合され、接合されている。
窪み部18gの深さは、少なくとも圧力センサ18fの厚さよりも大きく、また、窪み部18gは、圧力制御室18cに設けられた凹部18bよりも大径に形成されている。そして、凹部18b及び窪み部18gを形成する際の深さ制御により、ダイアフラム部18nの厚さが制御される。
このように、本実施形態では、ダイアフラム部18nを、圧力制御室18cを構成する内壁の一部に設けられた薄肉部により構成した。これにより、上述した第10実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、圧力制御室18c内部の圧力変動を圧力センサ18fによってタイムラグなく検出することができる。
また、本実施形態においても、図24(e)に示すように、制御ピストン30の端部外壁(上端部)30pは、噴孔12bの開弁時に、凹部18bの下端部位置と同位置かそれよりも噴孔12b側に所定距離(L)だけ位置ずれするように配置されている。これにより、噴孔12bの開弁時にも、圧力制御室18cに導入された高圧燃料による圧力が、何ら障害なく、圧力制御室18cの内壁に設けられた凹部18bに作用する。このため、圧力センサ18fにより、圧力制御室18c内の高圧燃料の圧力を精度良く検出することができる。
さらに、本実施形態においても、圧力制御室16c、18cの内壁の一部にダイアフラム部18nとして機能する薄肉部を設け、そのダイアフラム部18nの変位を圧力センサ18fにより検出しているため、実際に噴孔12bから燃料を噴射するタイミングも精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、圧力制御室16c、18cの内壁の一部にダイアフラム部18nを設けており、その位置は、インオリフィス16bとアウトオリフィス16aから離間している。このため、インオリフィス16b及びアウトオリフィス16aの内部及びその開口部付近における、流れの速い高圧燃料の影響を受けにくくすることができ、圧力制御室16c、18c内における流れの定常的な領域の圧力の変化を検出することができる。
その他の作用効果は、第10実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態においても、圧力検出部材81Bを、金属ガラスを用いて形成しても良い。
なお、本実施形態では、噴孔12bへ高圧燃料を流通させる「高圧通路」「流体通路」は、燃料導入路11c、燃料供給路11b及び燃料送出路12dから構成される。そして、当該高圧通路(流体通路)から分岐して圧力検出部80へ高圧燃料を導入する「分岐通路」は、分岐燃料供給路11g、検出部連通路18h、入口部16h及びインオリフィス16bから構成される。つまり、本実施形態にかかる分岐通路は、高圧燃料を導入する入口である流体導入部21から噴孔12bへ向かう通路から分岐して、圧力制御室16cへと燃料を導く通路のことである。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態について説明する。図25(a),(b)は本発明の第11実施形態に係る燃料噴射装置用インジェクタの流体制御弁(圧力検出部材)の要部を示す部分断面図及び平面図であり、同図(c)はインジェクタボデーに組み付けた際の制御ピストンと圧力検出部材との位置関係を示す断面図である。なお、第6〜第10実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
前述の第6〜第10実施形態では、高圧燃料の圧力を検出するための圧力検出部80,85,87が、オリフィス部材16とは別個の圧力検出部材81,81A,81B,86に設けられていた。それに対して、本実施形態においては、圧力検出部80として機能する構成をオリフィス部材16Aに組み込んだものである。
以下、本実施形態におけるオリフィス部材16Aの具体的な構成を、図面を参照しつつ説明する。図25(a),(b)に示すように、本実施形態によるオリフィス部材16Aは,インジェクタ2の軸方向に対して、略垂直方向に配置された金属性の板状部材から構成されている。このオリフィス部材16Aは、インジェクタボデーを構成するロアボデー11及びノズルボデー12とは別体的に形成され、その形成後、ロアボデー11に組み付けられて一体的に保持される。
オリフィス部材16Aには、第6実施形態におけるオリフィス部材16と同様に、平坦面162に開口して燃料を導入する入口部16h、インオリフィス16b、アウトオリフィス16a、圧力制御室16c、弁座16d、及び燃料リーク溝16r等が形成されている。それらの機能は、第6実施形態におけるオリフィス部材16の該当する構成と同様である。
ただし、本実施形態では、オリフィス部材16Aが、オリフィス部材16Aの反弁体部41側の平坦面162に形成された溝部又は孔部からなる圧力検出空間18bと、同様に平坦面162に形成されて、圧力検出空間18bと圧力制御室16cとを接続する溝部18aとを備える。
また、オリフィス部材16Aのバルブボデー側端面161における、圧力検出空間18bの形成位置に対応する位置に、半導体式の圧力センサ18fを設置するための窪み部18gが形成されている。従って、本実施形態では、オリフィス部材16Aの、圧力検出空間18bと圧力センサ18fを設置するための窪み部18gとによって挟まれた部分が、高圧燃料によって歪むダイアフラム部18nとなる。なお、図25(a)などに示すように、バルブボデー17の内部に、圧力センサ18fからの信号線である電気配線をコネクタ50まで導出するための配線通路が形成されており、その配線通路の開口部が圧力センサ18fが配置された窪み部18gに対応した位置に開口している。
ダイアフラム部18nの圧力検出空間18bとは反対側表面(すなわち、窪み部18gの底面)は、オリフィス部材16Aのバルブボデー側端面161から、少なくとも圧力センサ18fの厚さよりも大きな寸法分を有する深さに位置し、圧力検出空間18b側の表面よりも大径に形成されている。そして、ダイアフラム部18nを挟んだ両方の溝の深さ制御により、その製造時にダイアフラム部18nの厚さが制御される。
オリフィス部材16Aの反弁体部41側の平坦面162には、上述したように、圧力制御室16cと圧力検出空間18bとを連通する溝部18aが、圧力検出空間18bよりも浅い深さで形成されている。本実施形態におけるオリフィス部材16Aは、圧力検出部材ではなく、ロアボデー11と面接触される。その面接触時に、溝部18aは、ロアボデー11の上端面を一部とする合成通路(分岐通路)を形成する。これにより、溝部18a(分岐通路)を介して、圧力制御室16c内に導入された高圧燃料が、圧力検出空間18bにも流入することができるようになる。
なお、オリフィス部材16Aがロアボデー11に重ね合わせられた際、オリフィス部材16Aの入口部16h、貫通穴16p、及び圧力制御室16cの位置が、ロアボデー11の燃料供給路11bから分岐した分岐燃料供給路11g、有底孔(図示せず)、及び圧力制御室8の位置に夫々一致する。これにより、オリフィス部材16Aの入口部16h及びインオリフィス16bは、燃料供給路11bから圧力制御室16cへの通路の一部を構成する。
上述した構成を採用することにより、本実施形態においても、第10実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、本実施形態では、オリフィス部材16Aが圧力検出部として機能する構成を兼ね備えているので、圧力検出部材を別個に設ける必要がなくなる。
なお、本実施形態においても、図25(c)に示すように、制御ピストン30の端部外壁(上端部)30pの位置が、噴孔12bの開弁時に、溝部18aの下端部位置と同位置かそれよりも噴孔12b側に所定距離(L)だけ位置ずれするように配置されている。これにより、噴孔12bの開弁時にも、溝部18a(の一部)が制御ピストン30によって閉塞されないので、圧力制御室16cに導入された高圧燃料と実質的に同じ圧力を持つ高圧燃料が常に圧力検出空間18bにも導入される。このため、圧力センサ18fにより、圧力制御室16c内の高圧燃料の圧力をタイムタグなく検出することができ、実際に噴孔12bから燃料を噴射するタイミングも精度良く検出することができる。
また、本実施形態でも、溝部18a(分岐通路)は圧力制御室16cの内壁のうち、インオリフィス16bとアウトオリフィス16aから離間した位置に形成されている。このため、圧力センサ18fにより、圧力制御室16c内における流れの定常的な領域の圧力の変化を検出することができる。その他の作用効果は、第10実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ただし、本実施形態でも、溝部18aに代えて、図25(d)に示すように、圧力制御室16cから圧力検出空間18bに連結するように傾斜して設けられた孔部18a’としても良い。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態について説明する。図26(a),(b)は本発明の第12実施形態に係る燃料噴射装置用インジェクタの流体制御弁(圧力検出部材)の要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第11の実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態によるオリフィス部材16Bは、上述したオリフィス部材16Aと同様に、圧力検出部80として機能する構成を組み込むように構成されている。このため、本実施形態においても、独立した圧力検出部材は設けられず、オリフィス部材16Bのみが、ロアボデー11に組み付けられる。
ただし、第11実施形態によるオリフィス部材16Aと、本実施形態によるオリフィス部材16Bとでは、圧力検出空間18bの形成位置が相違する。その他の構成は、第11実施形態によるオリフィス部材16Aと同じであるため、以下、その相違点について説明する。
図26(a),(b)に示すように、本実施形態によるオリフィス部材16Bでは,圧力検出空間18bが、平坦面162に開口して燃料を導入する入口部16hからインオリフィス16bを介して圧力制御室16cに向かう流体通路から分岐するように形成されている。このように、圧力検出空間18bには、上述した第11実施形態のように、一旦、圧力制御室16cに導入された高圧燃料を分岐通路を介して導入する他に、本実施形態のように、圧力制御室16cに導入される前の高圧燃料を、圧力検出空間18bを分岐通路として、当該圧力検出空間18bに導入するようにしても良い。いずれの場合であっても、分岐通路として、入口部16hから圧力制御室16cまでの流体通路に接続するための、あるいは圧力制御室16cに接続するための特別な支流路を設ける必要がない。従って、オリフィス部材16Bの内部に圧力検出部が設けられるに際し、インジェクタボデーの径方向、つまり太さ方向の寸法の増大を防止できる。その他の作用効果は、第11実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、噴孔12bへ高圧燃料を流通させる「高圧通路」「流体通路」は、燃料導入路11c、燃料供給路11b及び燃料送出路12dから構成される。そして、当該高圧通路(流体通路)から分岐して圧力検出部80へ高圧燃料を導入する「分岐通路」は、分岐燃料供給路11g、検出部連通路18h及び入口部16hから構成される。つまり、本実施形態にかかる分岐通路は、高圧燃料を導入する入口である流体導入部21から噴孔12bへ向かう通路から分岐して、圧力検出空間18bへと燃料を導く通路のことである。
なお、上記説明では、第6実施形態から第10の実施形態の圧力検出部80,85,87を別々の実施形態として説明したが、1つのインジェクタ内に、複数の圧力検出部80,85,87を用いても良い。また、複数の圧力検出部の一部又は全部として、第11,12実施形態に記載した圧力検出部80として機能する構成を備えたオリフィス部材16A,16Bを用いても良い。
この場合、使用方法にもよるが、一例としては、各圧力センサ18fの信頼性を相互に保証するために冗長的に使用することができる。また、他の例としては、各センサの信号を利用して、更に細かい噴射量制御をすることが可能となる。つまり、燃料噴射直後、燃料供給路11bの圧力は、微視的には噴孔12b側から低下して、流体導入部21に向かってその圧力低下による脈動が伝播する。そして、燃料噴射後に閉弁した直後、やはり噴孔12b側から燃料圧力が上昇して、流体導入部21に向かってその圧力上昇による脈動が伝播する。このように、燃料供給路11bの燃料導入部21から見た上流側と下流側との間の圧力変化の時間差を利用して、更に細かい噴射量制御をすることが可能となる。
以下に、上記のような用途に適用可能な、1つのインジェクタ内に複数の圧力検出部を含む実施形態を、第13実施形態〜第19実施形態に示す。
(第13実施形態)
図27は、本発明の第13実施形態に係るインジェクタ2を示す断面図である。第6〜第12実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態は、第6実施形態における圧力検出部80と第7実施形態における圧力検出部85を併せ持つものである。圧力検出部80を構成する圧力検出部材81は図12(c),(d)にて説明したものと同一であり、圧力検出部85を構成する圧力検出部材86は図16(a)〜(c)にて説明したものと同一である。
第6、第7実施形態と異なるのは、圧力検出部80からの出力信号と圧力検出部85からの出力信号を共に出力するため、コネクタ50のターミナルピン51bが、圧力検出部80用のターミナルピン51b1と圧力検出部85用のターミナルピン51b2からなることである(図示せず)。
本実施形態によれば、圧力検出部80は燃料導入部21の近傍に配置され、圧力検出部85は、噴孔12b側に配置されているので、圧力検出部80と圧力検出部85とが検出する高圧燃料圧力の圧力変動タイミングが異なる。これにより、それぞれの圧力検出部80,85により、内部の圧力変化に対して、変動タイミングの異なる複数の圧力信号を検出できる。
(第14実施形態)
図28は、本発明の第14実施形態に係るインジェクタ2を示す断面図である。第6〜第13実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態は、第6実施形態における圧力検出部80と第8実施形態における圧力検出部87を併せ持つものである。圧力検出部80を構成する圧力検出部材81は図12(c),(d)にて説明したものと同一であり、圧力検出部87は図20〜図22にて説明したものと同一である。
本実施形態においても、圧力検出部80からの出力信号と圧力検出部87からの出力信号を共に出力するため、コネクタ50のターミナルピン51bが、圧力検出部80用のターミナルピン51b1と圧力検出部87用のターミナルピン51b3からなる(図示せず)。
(第15実施形態)
本発明の第15実施形態について説明する。図29(a),(b)は本実施形態の流体制御弁の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(c),(d)は圧力検出部材81Cの要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第14実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第15実施形態は、第6実施形態で用いた圧力検出部材81において、更に、図29(c),(d)で示すように、複数(本実施形態では2つ)の圧力検出部80(溝部とダイアフラム部と圧力センサ)(第1、第2の圧力検出手段)を有する構成としたものである。その他の構成・機能・効果は、図29(a),(b)に示す本実施形態のオリフィス部材16も含め、第6実施形態と同様である。
圧力検出部材81Cは、検出部連通路18hに対して、2つの独立した溝部18a(以下、第1、第2で説明する)が連通されている。第1の溝部18aは対応する第1の圧力検出空間18bに接続され、第1のダイアフラム部によりその圧力変化が第1の圧力センサ18fに伝達される。第2の溝部18aも対応する第2の圧力検出空間18bに接続され、第2のダイアフラム部によりその圧力変化が第2の圧力センサ18fに伝達される。
ここで、2つの溝部18aは、図29(d)に示すように、検出部連通路18hに対して夫々反対側に配置されるのが好ましい。これにより、2つの溝部18aの取り回しの設計自由度が向上する。更に、図示しないが、2つの溝部18aの長さと深さは、夫々略同一であることが好ましい。これにより2つの圧力センサ18fからの信号の同一性を向上することができる。しかしながら、2つの溝部18aは、検出部連通路18hに対して夫々同一側に配置されても良い(図示せず)。この場合、2つの圧力センサ18fからの配線を圧力検出部材81の同一側面から導出することができ、配線の取り回しを容易にできる。
(第16実施形態)
本発明の第16実施形態について説明する。図30(a)〜(c)は本実施形態の圧力検出部材86Aの要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第15実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第16実施形態は、第7実施形態で用いた圧力検出部材86において、更に、図30(a)〜(c)で示すように、複数(本実施形態では2つ)の圧力検出部85(溝部とダイアフラム部と圧力センサ)(第1、第2の圧力検出手段)を有する構成としたものである。その他の構成・機能・効果は、第7実施形態と同様である。
圧力検出部材86Aは、検出部連通路18hに対して、2つの独立した溝部18a(以下、第1、第2で説明する)が連通されている。第1の溝部18aは対応する第1の圧力検出空間18bに接続され、第1のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第1の圧力センサ18fに伝達される。第2の溝部18aも対応する第2の圧力検出空間18bに接続され、第2のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第2の圧力センサ18fに伝達される。
2つの溝部18aは、図30(a)に示すように、検出部連通路18hに対して夫々反対側に配置されるのが好ましい。これにより、2つの溝部18aの取り回しの設計自由度が向上する。更に、第15実施形態同様、2つの溝部18aの長さと深さは、夫々略同一であることが好ましい。これにより2つの圧力センサ18fからの信号の同一性を向上することができる。
圧力検出部材86Aのうちの圧力センサ18fが配置される側の2つの空間は連結溝18lにより連結されている。このため、連結溝18lを通して圧力センサ18fからの電気配線の取り回しを容易にできる。
(第17実施形態)
本発明の第17実施形態について説明する。図31(a)、(b)は本実施形態の流体制御弁の要部を示す部分断面図及び平面図、同図(c)、(d)は圧力検出部材81Dの要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第16実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第17実施形態は、第9実施形態で用いた圧力検出部材81Aにおいて、更に、図31(c),(d)で示すように、複数(本実施形態では2つ)の圧力検出部80(溝部とダイアフラム部と圧力センサ)(第1、第2の圧力検出手段)を有する構成としたものである。その他の構成・機能・効果は、同図(a),(b)に示す本実施形態のオリフィス部材16も含め、第9実施形態と同様である。
圧力検出部材81Dは、圧力制御室18cに対して、2つの独立した溝部18a(以下、第1、第2で説明する)が連通されている。第1の溝部18aは対応する第1の圧力検出空間18bに接続され、第1のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第1の圧力センサ18fに伝達される。第2の溝部18aも対応する第2の圧力検出空間18bに接続され、第2のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第2の圧力センサ18fに伝達される。
2つの溝部18aは、圧力制御室18cに対して夫々反対側に配置されるのが好ましい。これにより、2つの溝部18aの取り回しの設計自由度が向上する。
なお、2つの溝部18aは、圧力制御室18cに対して夫々同一側に配置されても良い(図示せず)。これにより、2つの圧力センサ18fからの配線を圧力検出部材81Dの同一側面から導出することができ、配線の取り回しを容易にできる。
また、本実施形態では、溝部18aがオリフィス部材16の平坦面162との間で通路を形成したが、圧力検出部材81Dを上下反対に配置しても良い。この場合、溝部18aとロアボデー11の平坦面(図示せず)との間で通路が形成され、第1及び第2の圧力センサ18fが、オリフィス部材16側に配置される。
(第18実施形態)
本発明の第18実施形態について説明する。図32(a),(b)は本実施形態の流体制御弁(オリフィス部材)16Cの要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第17実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第18実施形態は、第11実施形態で用いた圧力検出部80として機能する構成を備えたオリフィス部材16Aにおいて、更に、図32(a),(b)で示すように、複数(本実施形態では2つ)の圧力検出部80(溝部とダイアフラム部と圧力センサ)(第1、第2の圧力検出手段)を有する構成としたものである。その他の構成・機能・効果は、第11実施形態と同様である。
オリフィス部材16Cは、圧力制御室16cに対して、2つの独立した溝部18a(以下、第1、第2で説明する)が連通されている。第1の溝部18aは対応する第1の圧力検出空間18bに接続され、第1のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第1の圧力センサ18fに伝達される。第2の溝部18aも対応する第2の圧力検出空間18bに接続され、第2のダイアフラム部18nによりその圧力変化が第2の圧力センサ18fに伝達される。
2つの溝部18aは、図32(b)に示すように、圧力制御室16cに対して夫々反対側に配置されるのが好ましい。これにより、2つの溝部18aの取り回しの設計自由度が向上する。
なお、2つの溝部18aは、圧力制御室16cに対して夫々同一側に配置されても良い(図示せず)。この場合、2つの圧力センサからの配線をオリフィス部材16Cの同一側面から導出することができ、配線の取り回しを容易にできる。
また、本実施形態でも、溝部18aに代えて、図32(c)に示すように、圧力制御室16cから圧力検出空間18bに連結するように傾斜して設けられた孔部18a’としても良い。
(第19実施形態)
本発明の第19実施形態について説明する。図33(a),(b)は本実施形態の流体制御弁(オリフィス部材)16Dの要部を示す部分断面図及び平面図である。なお、第6〜第18実施形態と同じもしくは均等の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第19実施形態は、第11実施形態の圧力検出部と第12実施形態の圧力検出部を併せもつものである。すなわち、本実施形態のオリフィス部材16Dでは、圧力制御室16cと溝部18aを介して接続された第1の圧力検出空間18bと、燃料を導入する入口部16hからインオリフィス16bを介して圧力制御室16cに向かう流体通路から分岐するように形成された第2の圧力検出空間18bとが形成されている。さらに、第1及び第2の圧力検出空間18bに対応して、それぞれ、第1及び第2のダイアフラム部18nと、第1及び第2の圧力センサ18fとが設けられている。
本実施形態では、第1の圧力検出空間18bと第2の圧力検出空間18bとの間に、分岐通路よりも小径のインオリフィス16bを有している。これにより、第1の圧力検出空間18bと第2の圧力検出空間18bとで圧力変動タイミングをずらすことができる。その他の構成・機能・効果は、第11、第12実施形態と同様である。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1〜第5実施形態では、センサ用端子55z及び駆動用端子56zの両端子55z,56zをモールド樹脂60zにより一体化させているが、両端子55z,56zの各々を別々のモールド樹脂により保持させるようにしてもよい。但し、この場合であっても、2つのモール樹脂体を1つのコネクタハウジング70z内に保持させて、コネクタ数低減を図ることが望ましい。
・上記第1〜第5実施形態では、ステム51zの歪量を検出するセンサ素子として歪ゲージ52zを採用しているが、圧電素子等、他のセンサ素子を採用してもよい。
・上記第1〜第5実施形態では、回路部品54zが実装された絶縁基板53zを歪ゲージ52zと同一平面状に並べて配置しているが、絶縁基板53z及び歪ゲージ52zを軸線J1z方向に積層配置してもよい。
・インジェクタボディー4zに対する燃圧センサ50zの取付位置に関し、上記各実施形態では、ボディー4zのうちシリンダヘッドE2zの挿入穴E3zの外方に位置する部分に燃圧センサ50zを取り付けている。これに対し、シリンダヘッドE2zの挿入穴E3zの内部に位置する部分に燃圧センサ50zを取り付けるようにしてもよい。
・図1に例示したピエゾ駆動式のインジェクタに替えて、電磁駆動式のインジェクタ20zを用いるようにしてもよい。
・上記第1〜第5実施形態では、ディーゼルエンジンのインジェクタに本発明を適用しているが、ガソリンエンジン、特に、燃焼室E1に燃料を直接噴射する直噴式のガソリンエンジンに本発明を適用してもよい。
・例えば、第61の実施形態と第72の実施形態では、電磁弁駆動のインジェクタにて本願発明を説明したが、ピエゾアクチュエータを用いたインジェクタに対して、第61の実施形態の圧力検出部80と第72の実施形態の圧力検出部材85の夫々、又は両方を適用しても良い。逆に、継手部11fに圧力検出部87を備える構成を、電磁弁駆動のインジェクタに適用しても良い。
・また、第138実施形態〜第1914実施形態において説明したように、複数の圧力検出部80,85,87を同時に用いる場合には、第1の圧力検出部が、第2の圧力検出部よりも、高圧燃料の圧力変化に対する出力信号変化が大きくなるように設定されるようにしても良い。これにより、内部の圧力変化に対して、感度の異なる2系統の出力信号を出力できる。このような構成は、第149実施形態〜第1813実施形態のように、第1及び第2の圧力検出部が実質的に同じ圧力を検出する場合に特にメリットがある。
具体的には、第1の圧力検出部を構成する第1のダイアフラム部が、第2の圧力検出部を構成する第2のダイアフラム部よりも大径の略円形ダイアフラムを有するように構成する。これにより、第1の圧力検出部と第2の圧力検出部との感度を異ならせることができる。その他に、例えば、第1の圧力検出部を構成する第1のダイアフラム部が、第2の圧力検出部を構成する第2のダイアフラム部よりも肉薄の略円形ダイアフラムを有するように構成しても良い。このような構成によっても、第1の圧力検出部と第2の圧力検出部との感度を異ならせることができる。
2z…ピエゾアクチュエータ(駆動手段)、4z…インジェクタボディー、6z,6az,6bz,6cz…高圧通路、11z…噴孔、13z…ニードル(弁体)50z…燃圧センサ、52z…歪ゲージ(センサ素子)、55z…センサ用端子、メモリ用端子、56z…駆動用端子、60z…モールド樹脂、70z…コネクタハウジング、Gz…グランド用端子、Mz…メモリチップ、S1z…Oリング(シール部材)。
11…ロアボデー、11b…燃料供給路(第1の流体通路(高圧通路))、11c…燃料導入路(第2の流体通路(高圧通路))、11d…収容孔、11f…継手部(インレット部)、11g…分岐燃料供給路、12…ノズルボデー、12a…弁座、12b…噴孔、12c…高圧室(燃料溜り室)、12d…燃料送出路、12e…収容孔、13…バーフィルタ、14…リテーニングナット(リテーナ)、16…オリフィス部材、161…バルブボデー側端面、162…平坦面、16a…連通路(出口側絞り部、アウトオリフィス)、16b…連通路(入口側絞り部、インオリフィス)、16c…連通路(圧力制御室)、16d…弁座、16e…燃料逃がし通路、16g…ガイド孔、16h…入口部、16k…隙間、16p…貫通孔、16r…燃料リーク溝、17…バルブボデー、17a、17b…貫通孔、17c…弁室、17d…低圧通路(導通路)、18a…溝部(分岐通路)、18b…圧力検出空間、18c…連通路(圧力制御室)、18d…処理基板、18e…電気配線、18f…圧力センサ、18g…ロアボデー、18h…検出部連通路、18k…ガラス層、18m…ゲージ、18n…ダイアフラム部、18p…貫通穴、18q…他面、18r…単結晶半導体チップ、18s…貫通穴、18t…位置決め部材、19c…配線・パッド、19d…酸化膜、102…燃料タンク、103…高圧燃料ポンプ、104…コモンレール、105…高圧燃料通路、106…低圧燃料通路、107…電子制御装置(ECU)、108…燃圧センサ、109…クランク角センサ、110…アクセルセンサ、2…インジェクタ、20…ノズルニードル、21…流体導入部、22…インジェクタ、30…制御ピストン、30c…ニードル部、30p…端部外壁、31…環状部材、32…インジェクタ、35…スプリング、37…燃料通路、301…ノズル、302…ピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)、303…背圧制御機構、308…保持部材、321…ハウジング、322…圧電素子、323…リード線、331…バルブボデー、335…高圧シート面、336…低圧シート面、341、341a〜341c…収納穴、41…弁部材、41a…球面部、42…バルブアーマチャ、50…コネクタ、51a、51b…ターミナルピン、52…ボデーアッパー、53…上部ハウジング、54…中間ハウジング、59…付勢部材(バネ部材)、61…コイル、62…スプール、63…固定コア、64…ストッパ、7…電磁弁装置、8…背圧室(圧力制御室)、80、85、87…圧力検出部、81、86…圧力検出部材(燃圧センサ)、82…平坦面、92…位置決め部材。