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JP5037958B2 - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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JP5037958B2 JP2007021747A JP2007021747A JP5037958B2 JP 5037958 B2 JP5037958 B2 JP 5037958B2 JP 2007021747 A JP2007021747 A JP 2007021747A JP 2007021747 A JP2007021747 A JP 2007021747A JP 5037958 B2 JP5037958 B2 JP 5037958B2
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本発明は水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、顔料分散性とインキ経時安定性に優れ、かつ書き味、筆跡が良好である顔料系の水性ボールペン用インキ組成物。
従来より、顔料を用いた水性ボールペン用インキ組成物はよく知れている。こうした顔料を用いた水性ボールペン用インキ組成物の場合には、染料系の水性インキ組成物と違い、経時的に顔料の凝集やそれに伴う沈降が発生することで、長期保存にて筆跡の濃度変化が発生したり、また、チップ先端部の部分的な増粘で詰まりが起こり、筆跡にカスレが発生したり、筆記不能になるといった課題が解決されずにいた。この顔料沈降は、水性インキのように低粘度型のインキでは顕著である。また、経時的に空気中の水分が侵入してくることでインキの分散安定性は容易に悪化するため、保湿対策は必要不可欠である。
こうした顔料の沈降抑制した水性ボールペン用インキ組成物としては、特開昭63−152681号公報「ボールペン用水性黒色顔料インキ」や特開平8−41410号公報「水性ボールペン用インキ組成物」、特開平8−48929号「筆記具用水性インキ組成物および水性ボールペン」等に開示されている。
「特開昭63−152681号公報」 「特開平8−41410号公報」 「特開平8-48929号公報」
しかしながら、 特許文献1、2では顔料の分散は良好だが、顔料は粒径が大きいため、ボールとチップ本体の間で回転阻害による書き味の低下がみられた。さらに、特許文献1では、水溶性有機溶剤がなく、水の含有量が多いため、筆跡が悪く、インキ経時安定性も悪くなってしまう問題を抱えていた。
また、特許文献2では、pH調整剤として、トリエタノールアミン単独のため、スチレンーアクリル酸の中和が十分ではなかった。また、特許文献3のように、pH調整剤として、強アルカリ性の水酸化ナトリウムを用いているため、インキ組成物の中の含有物と反応していまった。そのため、インキの粘度が減粘してしまう等、インキ経時安定性に問題を抱えていた。
本発明の目的は、顔料系の水性インキ組成物において、顔料分散性とインキ経時安定性に優れ、かつ書き味、筆跡が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。
「1.少なくとも顔料、顔料分散剤、2種以上のpH調整剤、水溶性有機溶剤、リン酸エステル界面活性剤、増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記顔料分散剤が、スチレン-アクリル酸系の樹脂、及び/またはマレイン酸系の樹脂であるとともに、前記2種以上のpH調整剤が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、 ジイソプロパノールアミンの中から選ばれる1種以上と、トリエタノールアミンと、からなることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化1)で表されることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
Figure 0005037958
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
3.前記リン酸エステル界面活性剤が、ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤であるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1質量%以上、5.0質量%以下含有したことを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤のHLB値が、8以上であり、14以下、であることを特徴とする第3項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.前記増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)が、アクリル系の樹脂であることを特徴とする第1項ないし第4項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。

6.表面張力が、20℃の環境下で、20mN/m以上、40mN/mであることを特徴とする第1項ないし第5項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
7.HLB10以下であるアセチレングリコール系の界面活性剤を0.1質量%以上、3.0質量%以下含有することを特徴とする第1項ないし第6項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。」である。
本発明は、顔料分散剤として、スチレン-アクリル酸系の樹脂、及び/またはマレイン酸系の樹脂と、pH調整剤を2種以上とし、リン酸エステル界面活性剤をインキ中に含有することで、顔料分散性とインキ経時安定性に優れ、かつ書き味、筆跡が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することができた。
本発明に用いられる顔料の分散剤としては、スチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂を用いる。顔料の分散剤としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレンーマレイン酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等もあるが、スチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂は、その他の顔料分散剤と比べて、顔料分散性能が優れ、水溶性も優れているため、スチレンーアクリル樹脂及び/またはマレイン酸樹脂を用いる。これらの顔料分散剤は単独又は2種以上混合して使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、0.3質量%未満だと所望の顔料分散効果が得られず、5.0質量%以上だと、インキ経時安定性が悪くなるため、0.3〜5.0質量%が好ましい。より好ましくは1.0質量%〜4.0質量%である。
また、スチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂を中和させるため、pH調整剤を用いる。具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N -メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。その中でも、インキ経時安定性を考慮すると、より弱塩基性であるトリエタノールアミンを用いることが好ましいが、スチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂を中和するのには、十分な効果が得られないため、スチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂を用いるには、トリエタノールアミンより強い塩基性を持つ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N -メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のトリエタノールアミン以外のpH調整剤で中和する必要がある。
しかし、トリエタノールアミン以外のpH調整剤を単独で用いると、塩基性が強過ぎて、インキ経時安定性が悪くなるので、トリエタノールアミンを併用することが重要である。トリエタノールアミン以外のpH調整剤としては、インキ経時安定性を考慮すれば、ジエタノールアミン又はジメチルエタノールアミンを用いるのが、好ましい。トリエタノールアミンの含有量は、インキ経時安定性を考慮して0.1質量%〜10.0質量%が好ましい。また、トリエタノールアミン以外のジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のpH調整剤の含有量は、0.1質量%未満だとスチレンーアクリル樹脂、マレイン酸樹脂に対して中和効果が得られにくく、5.0質量%を超えると塩基性が強くなり、インキ経時安定性が悪くなる可能性があるため、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
リン酸エステル界面活性剤は、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上するために用いる。リン酸エステル界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いはその誘導体等が好適に用いられ、その中でもインキ経時安定性を考慮して化1のような一般式で表されるリン酸エステル界面活性剤を用いることが最も好ましい。これらのリン酸エステル界面活性剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
Figure 0005037958
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
化1のようなリン酸エステル界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系等が上げられる。さらに、この中でも、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系等のフェニル基を有するリン酸エステル界面活性剤は、フェニル基が立体構造を形成しているため、他の系と比べて、立体障害を起こす効果があり、潤滑性については、やや劣り、書き味の向上が小さいため、ラウリルアルコール系または、トリデシルアルコール系を用いることが好ましい。特に、インキ経時安定性に優れたものとしては、ラウリルアルコール系が最も好ましい。具体例としては、ラウリルアルコール系としては、プライサーフ210B:HLB値9、プライサーフ213B:HLB値12、プライサーフ219B:HLB値16(第一工業製薬)、トリデシルアルコール系としては、プライサーフ212C:HLB値9、プライサーフ215C:HLB値11等が挙げられる。
尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log (Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
なお、ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤のHLB値が8未満であると、親油性が強くインキ中に溶解しずらく、析出物が発生する可能性があるので、ラウリルアルコール系または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤のHLB値は、8以上であることが好ましい。また、HLB値が14を超えると、HLBが高くなるほど、親水性が増して、潤滑性が劣る傾向があり、さらに、それとは別に、顔料の種類によっては分散性が不均一になり凝集しやすくなる可能性があるので、ラウリルアルコール系または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤のHLB値は、8以上、14以下とすることが好ましい。
また、ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤の含有量は、0.1質量%未満になると所望の書き味が得られず、含有量が5.0質量%を超えるとインキ経時安定性が悪くなる可能性があるので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜5.0質量%にすることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜3.0質量%が最も好ましい。
水溶性有機溶剤としては、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカービトール、エチルカービトール等が挙げられる。その中でも、保湿性、インキ経時性能に優れたグリセリン、トリエチレングリコール、エチレングリコールが最も好ましく、これらの有機溶剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
水溶性有機溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、5.0質量%未満だと、所望の水分蒸発乾燥防止が得られず、書き出し時の筆跡にカスレが発生してしまい、40質量%を超えると、筆跡に滲みが発生するので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜5.0質量%にすることが好ましい。5〜40質量%が好ましく、さらに、10〜18質量%にすることが最も好ましい。
本発明に採用する着色剤としては、顔料を用いる。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料、中空樹脂粒子等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料で着色したもの等も用いることもできる。これらの顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。また所望により、染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等があるが、前述した顔料と染料を併用して用いることができる。
本発明には、増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)として樹脂を用いる。具体的には、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体、架橋型アクリルアミド系重合体、サクシノグリカン、ガーガム等の剪断減粘性付与剤等が挙げられる。
また、ステンレス材質よりなる チップ本体より、金属イオンが溶出し、リン酸エステル界面活性剤と反応して金属塩析出物を生ずる可能性があり、前記金属塩析出物が生ずると、筆記不良の原因を生ずる。そこで、アクリル系樹脂を添加すると、多数存在するカルボキシル基(−COO)によって、溶出した金属イオンを包み込むことで、金属イオンとリン酸エステル界面活性剤との反応を抑制して、金属塩析出物を抑制する効果、つまりキレート剤のような役割をすると考えられる。そのため、増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)として、架橋型アクリル酸重合体やアクリル樹脂等のアクリル系の樹脂を用いることが、最も好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明に用いる水性インキ組成物の表面張力は、20mN/mをより低いと、濡れ性が良すぎて、筆跡に滲み、泣きボテが発生しやすくなるため、40mN/mを超えると、濡れ性がやや劣り、筆跡に線とび、カスレが発生する可能性があり、表面張力は、濡れ性を考慮して、20mN/m〜40mN/mであるのが好ましい。さらに、30mN/m〜40mN/mである方が、最も好ましい。この表面張力の測定方法は、20℃の環境下において、共和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定するものとする。
その他、用いる界面活性剤は、アセチレングリコール系の界面活性剤を用いることが好ましい。アセチレングリコール系の界面活性剤は、分子構造として炭素−炭素間の3重結合もあり、非常に安定したグリコール系の界面活性剤なので、インキ経時安定性が良好である。また、分子量も小さく、表面張力を大きく下げる効果があるので、泡の発生も少ないため生産性においても良好であるため、アセチレングリコール系界面活性剤を用いるほうがより好ましい。
また、アセチレングリコール系の界面活性剤のHLBが10以下であると、親水性が低く、耐水性が強い。そのため、界面活性剤が乾燥後に、皮膜形成すると、耐水性の強い皮膜を形成することができる。また、HLB10を越えると、親水性があり、耐水性が劣ってしまう。特に、筆跡としては、耐水性が良好であることが望ましいので、HLB10以下であることが好ましい。
さらに、アセチレングリコール系の界面活性剤は、インキの表面張力を小さくすることで、紙面上への筆記が良好となる濡れ性向上剤としての効果もある。そのため、耐水性、濡れ性向上剤を兼備したHLBが10以下であるアセチレングリコール系の界面活性剤を用いるのが最も好ましい。
具体的には、ダイノール604(HLB値:8)、サーフィノール104H(HLB値:4)、同104A(HLB値:4)、同104BC(HLB値:4)、同104DPM(HLB値:4)、同104PA(HLB値:4)、同104S(HLB値:4)、同420(HLB値:4)、同440(HLB値:8)、同SE(HLB値:6)、同SE−F(HLB値:6)、同61(HLB値:6)等(エアープロダクツ ジャパン(株)社製)が挙げられ、これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
アセチレングリコール系の界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%未満だと、所望の耐水性、濡れ性が得られず、3.0質量%を超えると、筆跡に泣き・ボテが発生するので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜3.0質量%にすることが好ましい。
その他の添加剤として、水性ボールペン用インキ組成物に一般的に用いられる、ベンゾトリアゾール、プロキセルXL−2(S)等の防錆剤、防菌剤も配合可能である。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
顔料(ピグメントブラック 7) 6.0質量部
水溶性有機溶剤(グリセリン) 18.0質量部
水 68.5質量部
リン酸エステル界面活性剤
(ラウリルアルコール系リン酸エステル、商品名;プライサーフA−213B)
1.0質量部
顔料分散剤(スチレン-アクリル樹脂) 2.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 3.0質量部
pH調整剤(ジエタノールアミン) 0.5質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.5質量部
増粘剤(架橋型アクリル酸重合体) 0.40質量部
まず、 顔料、顔料分散剤、グリセリン、水、pH調整剤を適量採取し、ビーズミル、ボールミル、ロールミルなどの分散機を使用し、充分に分散した後、遠心分離を行い、粗大分を除去して顔料分散体を得る。その後、作製した顔料分散体、グリセリン、水、リン酸エステル界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防菌剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成する
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、増粘剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した後、濾紙を用い濾過を行って、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)、剪断速度76.8sec−1(回転数20rpm)の2条件にてインキ粘度を測定したところ、1.92sec−1では、1500mPa・s、剪断速度76.8sec−1では、250mPa・sであった。尚、インキ粘度については、限定されるものではないが、インキ垂れ下がり性能や筆跡を考慮すると、剪断速度1.92sec−1において、300mPa・s〜4000mPa・sの範囲が好ましい。
実施例2〜13
表1に示すように各成分を配合に変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜の水性インキ組成物を得た。表1に測定、評価結果を示す。
Figure 0005037958
Figure 0005037958
比較例1〜9
インキの配合を表2に示す通りとし、表2に測定、評価結果を示す。
Figure 0005037958
Figure 0005037958
試験及び評価
顔料分散試験、インキ経時安定性試験においては、実施例1〜13及び比較例1〜9で作製した水性インキ組成物を用いて、直径30mmのポリプロピレン製の容器に各試料を入れて、50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後、評価を行った。
また、レフィルのインキ経時安定試験、書き味、筆跡耐水性においては、実施例1〜13及び比較例1〜9で作製した水性インキ組成物を、インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室に、ボール径が0.7mmの超硬合金ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを具備し、インキ収容筒内に実施例1によって得られた水性ボールペン用インキ組成物及びグリース状のインキ追従体を直に充填したレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−1)に装着して、本発明の水性ボールペンを作製した。なお、筆記試験用紙としてコピー用紙(PPC用紙)を用いて以下のような試験方法で評価を行った。
顔料分散試験:各試料を適量採取し、顕微鏡で顔料分散状態を観察した。
顔料が均一分散されたもの ・・・◎
顔料沈降が若干発生したが、実用上問題ないものもの ・・・○
顔料の沈降が発生したもの ・・・×
レフィルのインキ経時安定性試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、チップ本体内のインキを顕微鏡観察した。
析出物が存在しないもの ・・・◎
析出物が存在したが、実用上問題ないもの ・・・○
析出物が存在し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なもの ・・・◎
やや劣るもの ・・・○
重く劣るものを ・・・×
筆跡耐水性試験:紙面上に筆記した筆跡が乾燥後に、水に10秒浸し、筆跡の状態を観察した。
筆跡が良好であるもの ・・・◎
若干筆跡が薄くなったが、実用上問題のないレベルのもの ・・・○
筆跡が薄くなってしまい、視認しずらいレベルのもの ・・・×
表1の結果より、実施例1〜13では、顔料分散試験、レフィルのインキ経時安定性試験、書き味、筆跡耐水性ともに良好もしくは、実用上問題のないレベルの性能が得られた。
表2の結果より、比較例1〜4、9では、pH調整剤を1種類しか用いなかったため、顔料分散性が悪く、顔料沈降がみられた。
比較例5では、顔料分散剤を用いなかったため、顔料分散されず、顔料沈降がみられた。
比較例6では、顔料分散剤としてスチレン-アクリル酸系の樹脂、及び/またはマレイン酸系以外を用いたため、顔料分散されず、顔料沈降がみられた。
比較例7、8では、リン酸エステル界面活性剤を用いなかったため、書き味が劣ってしまった。
本発明は水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、顔料系の水性インキ組成物において、少なくとも顔料、顔料分散剤、pH調整剤、水溶性有機溶剤、リン酸エステル界面活性剤、増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)からなる水性ボールペン用インキ組成物において、前記顔料分散剤が、スチレン-アクリル酸系の樹脂、及び/またはマレイン酸系の樹脂であることを特徴とすることで、顔料分散性とインキ経時安定性に優れ、かつ書き味、筆跡が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、ボールペンとして広く利用することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも顔料、顔料分散剤、2種以上のpH調整剤、水溶性有機溶剤、リン酸エステル界面活性剤、増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記顔料分散剤が、スチレン-アクリル酸系の樹脂、及び/またはマレイン酸系の樹脂であるとともに、前記2種以上のpH調整剤が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、 ジイソプロパノールアミンの中から選ばれる1種以上と、トリエタノールアミンと、からなることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
    Figure 0005037958
    [式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
  3. 前記リン酸エステル界面活性剤が、ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤であるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1質量%以上、5.0質量%以下含有したことを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記ラウリルアルコール系及び/または、トリデシルアルコール系のリン酸エステル界面活性剤のHLB値が、8以上であり、14以下、であることを特徴とする請求項3に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  5. 前記増粘剤(ただし、スチレン-アクリル酸系の樹脂、マレイン酸系の樹脂を除く)が、アクリル系の樹脂であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  6. 表面張力が、20℃の環境下で、20mN/m以上、40mN/mであることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  7. HLB10以下であるアセチレングリコール系の界面活性剤を0.1質量%以上、3.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
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