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JP5036919B2 - スピン注入電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スピン注入電極の製造方法に関する。より具体的に、本発明は、グラフェンに対してスピンを注入するスピン注入電極の製造方法に関する。
炭素(C)からなる物質の構造は、ダイヤモンドはもちろん、シート、ナノチューブ、およびホーンからC60フラーレンのようなボールに至るまで、非常に多彩である。さらにその物性は、その形状以上にバラエティーに富んでいる。この豊かな物性のバリエーションは、当該物質の応用に関する精力的な研究開発を推進させる。当該物質のうち、単層または数層のカーボンシート薄膜はグラフェンと呼ばれる。グラフェンは2004年にその単離が実現した物質であり、2次元系半金属としての特異な物性が次々に明らかにされつつある(Science, vol.306, pp.666-669 (2004))。例えば、グラフェンはケイ素(Si)の10倍以上高い電子移動度を示す。このため、グラフェンの使用により、高速かつ低消費の電子デバイスが実現する可能性がある(特開2009-182173号公報)。グラフェンは、キャリアとしてスピンを用いた場合にスピン散乱の主要因となるスピン軌道相互作用が極めて小さい。このため、スピンデバイスとしてのグラフェンの活用が期待されている(Advanced Functional Materials, vol.19, pp.3711-3716 (2009))。
グラフェンへのスピン注入には、強磁性体が電極として用いられる。含まれる上向きスピンの数と下向きスピンの数とに差があることから、強磁性体は偏極している。このため、グラフェンに注入されたスピンにも当該差が反映され、グラフェンをスピンデバイスとして活用できる。スピンデバイスとして用いるグラフェンは、単層のグラフェンであっても2以上の層を有する多層のグラフェンであってもよい。
スピンデバイスとして十分な性能を発揮するために、グラフェンに対する高効率のスピン注入が求められる。スピン注入の効率PNは、式PN=PF/[1+(1−PF 2)・(RN/RF)]で表される(応用物理, vol.77, pp.255-263 (2008))。この式のPFは強磁性体のスピン偏極率、RFは強磁性体の抵抗、RNは非磁性体の抵抗である。この式によれば、強磁性体に比べて非磁性体の抵抗が非常に大きい場合、すなわちRN>>RFの場合、PN<<PFとなり、スピン偏極は両者の界面で著しく減少する。このため、スピンを非磁性体に十分に注入することができない。非磁性体がグラフェンである場合も同様であり、スピン電極である強磁性体とグラフェンとの間における界面抵抗の整合の確保が、グラフェンに対する良好なスピン注入のために重要である。しかし、現状では、強磁性体からグラフェンへのスピン注入効率は極めて小さい(表面科学, vol.31, pp.162-168 (2010))。
グラフェンに対する高効率のスピン注入を実現するために、(1)強磁性体とグラフェンとの間における界面抵抗の不整合の解消および(2)高いスピン偏極率PFを示す強磁性体を用いる方針が考えられる。(1)の方針として、応用物理, vol.77, pp.255-263 (2008)には、強磁性体とグラフェンとの間にトンネル障壁のような障壁層を設ける方法が開示されている。Nature, vol.448, pp.571-575 (2007)には酸化アルミニウムを、Physical Review B, vol.77, 020402(R)(2008)には酸化マグネシウムを、それぞれ障壁層として用いた例が開示されている。これらの障壁層は、グラフェンに強磁性体を堆積する前に予めグラフェン上に形成される。これらの文献では、グラフェン上に予め障壁層を形成し、形成した障壁層の上に強磁性体を堆積する2つの工程を経て、強磁性体からグラフェンにスピンを注入しうる素子構造が構築される。しかし、Nature, vol.448, pp.571-575 (2007)に開示されている例では、素子抵抗が大きく、界面抵抗とスピン注入との良好な関係が実現していない。このため、当該例のスピン注入効率は室温で0.1と小さい。Physical Review B, vol.77, 020402(R)(2008)に開示されている例では、室温でのスピン注入自体が実現していない。一方、高いスピン偏極率PFを示す強磁性体として、バンド計算による判断ではあるが、ホイスラー合金、CrO2および鉄酸化物であるFe34がある(Journal of the Physical Society of Japan, vol.68, pp.1607-1613 (1999))。これらの強磁性体は、バンド計算上、完全スピン偏極を示す。しかし、これらの強磁性体は、高いスピン偏極率を得るためには結晶体とすることが必要である。そして、これらの結晶体は、六員環の2次元平面構造を有するグラフェンと格子整合しない。このため、これらの強磁性体を用いたスピン注入電極はこれまで報告されていない。グラフェンに対する高効率のスピン注入を実現しうる手法が求められている。
特開2009-182173号公報
Science, vol.306, p.666-p.669 (2004) Advanced Functional Materials, vol.19, pp.3711-3716 (2009) 応用物理, vol.77, pp.255-263 (2008) 表面科学, vol.31, pp.162-168 (2010) Nature, vol.448, pp.571-575 (2007) Physical Review B, vol.77, 020402(R)(2008) Journal of the Physical Society of Japan, vol.68, pp.1607-1613 (1999)
本発明は、グラフェンに対する高効率のスピン注入を実現しうるスピン注入電極の製造方法の提供を目的とする。
本発明のスピン注入電極の製造方法は、多層のグラフェンと、前記グラフェンに接する強磁性体である、Fe34を含む鉄酸化物とを準備する第1のステップと;前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に、前記グラフェン側を正とする電圧または電流を印加して、(a)前記グラフェンにおける前記鉄酸化物と接する部分を酸化させて酸化グラフェンとし、前記酸化グラフェンにより構成される障壁層を前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に形成する、または(b)前記グラフェンにおける前記鉄酸化物と接する部分、および前記鉄酸化物における前記グラフェンと接する部分に含まれるFe34を酸化させてそれぞれ酸化グラフェンおよびFe23とし、前記酸化グラフェンおよびFe23により構成される障壁層を前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に形成する、ことにより、前記グラフェンと、前記鉄酸化物と、前記グラフェンおよび前記鉄酸化物の界面に配置された前記障壁層とを備え、前記鉄酸化物から前記グラフェンへ前記障壁層を介してスピンを注入しうるスピン注入電極を形成する第2のステップと;を含む。
本発明の製造方法では、グラフェンに対する高効率のスピン注入を実現しうるスピン注入電極が得られる。
本発明のスピン注入電極の製造方法を実施するための、グラフェンおよび鉄酸化物を含む構成の一例を示す模式図である。 本発明のスピン注入電極の製造方法を実施するための、グラフェンおよび鉄酸化物を含む構成の別の一例を示す模式図である。 図2に示す構成を用いて本発明のスピン注入電極の製造方法を実施するフローチャートの一例を示す図である。 本発明のスピン注入電極の製造方法に基づいて、図2に示す構成を用いて製造したスピン注入電極の一例を示す模式図である。 本発明のスピン注入電極の製造方法に基づいて、図2に示す構成を用いて製造したスピン注入電極の別の一例を示す模式図である。 本発明のスピン注入電極の製造方法に基づいてパルス状の電気バイアス(電気パルス)をグラフェンとFe34を含む鉄酸化物との間に印加した際における、電気パルスの印加回数に対するグラフェンおよび鉄酸化物間の電気抵抗値の変化の一例を示す図である。 本発明のスピン注入電極の製造方法により得たスピン注入電極アレイの一例を示す模式図である。 実施例において作製したスピン注入電極の作製方法を説明するための模式図である。 実施例において電気パルスをグラフェンとFe34を含む鉄酸化物との間に印加した際における、電気パルスの印加回数に対するグラフェンおよび鉄酸化物間の電気抵抗値の変化を示す図である。 実施例で行った、スピン注入電極に対するスピン注入性能の評価方法を説明するための模式図である。
本発明の製造方法では、Fe34を含む鉄酸化物から構成される強磁性体から、障壁層を介してグラフェンにスピン注入しうるスピン注入電極が形成される。障壁層は、当該強磁性体とグラフェンとの界面に配置された酸化グラフェン、または酸化グラフェンおよびFe23により構成される。本発明の製造方法は、従来、いずれか一方のみも成し遂げられなかった上記(1)強磁性体とグラフェンとの間における界面抵抗の不整合の解消および(2)高いスピン偏極率PFを示す強磁性体(Fe34)の利用、の双方を達成している。
本発明の製造方法では、Fe34を含む鉄酸化物から構成される強磁性体と多層のグラフェンとを、予め互いに接した状態にする。次に、高スピン偏極率を示すFe34を含む鉄酸化物を電極としてグラフェン側を正とする電気バイアスを両者の間に印加して、グラフェンと鉄酸化物との間に、(a)酸化グラフェンにより構成される障壁層または(b)酸化グラフェンおよびFe23により構成される障壁層を形成する。すなわち、本発明の製造方法は、電気バイアスの印加によってグラフェンと鉄酸化物との間の界面抵抗を制御し、スピン注入に好適な界面抵抗を設定する手法である。
以下、具体的な実施の形態について説明する。本発明は、以下の具体的な実施形態および実施例に限定されない。
最初に、図1に示すように、グラフェン1と、グラフェン1上にグラフェン1と接するように配置された鉄酸化物2とを準備する(第1のステップ)。グラフェン1および鉄酸化物2には、バイアス印加部3が電気的に接続されている。次に、バイアス印加部3により、グラフェン1と鉄酸化物2との間にグラフェン1側を正とする電気バイアス(バイアス電圧またはバイアス電流)を印加する(第2のステップ)。
グラフェン1は、2以上の層(層内でsp2結合した炭素原子層)を有する多層グラフェンである。単層グラフェンの場合、当該グラフェンにおける鉄酸化物2に接する部分の全てが酸化グラフェンを含む障壁層となるため、グラフェンにスピンを注入するスピン注入電極が形成されない。スピン注入電極とするためには、グラフェンにおける鉄酸化物に接する部分の厚さ方向の一部が酸化されていない(グラフェンのままである)ことが必要である。グラフェン1は、例えば、単結晶グラファイト、高配向熱分解黒鉛(HOPG)の一部を剥離して得ることができる。
鉄酸化物2は、高スピン偏極材料であるFe34を含む強磁性体である。Fe34を含む鉄酸化物2を電気バイアスを印加する電極として用いることにより、グラフェン1と鉄酸化物2との界面抵抗を、グラフェン1へのスピン注入に適した状態に制御および設定できる。鉄酸化物2は、Fe34により構成されていてもよい。鉄酸化物2は、一部にFe23を含む、Fe34とFe23との混合体であってもよい。すなわち、第1のステップにおいて、Fe23をさらに含む鉄酸化物を準備してもよい。Fe23はFe34に比べて過剰の酸素を有しかつ抵抗が高いことから、鉄酸化物2がFe23をさらに含むことにより、グラフェンに対して酸素および電気バイアスを加える効果が高くなる。
鉄酸化物2の形状は、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加することによって両者の界面に障壁層が形成される限り限定されない。鉄酸化物2は、例えば、バルク、シート、層状、粒子状である。
バイアス印加部3の構成は、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加できる限り限定されない。バイアス印加部3とグラフェン1および鉄酸化物2との電気的な接続に関しても同様である。バイアス印加部3は、例えば、定電圧印加型の電圧源、電池、パルスジェネレータなどを利用して構築できる。
グラフェン1および鉄酸化物2の間に印加する電気バイアスはパルス状である(電気パルスである)ことが好ましい。すなわち、第2のステップにおいて、グラフェンと鉄酸化物との間にパルス状の電圧または電流を印加することが好ましい。このとき、パルス状の電圧または電流を1回以上印加することが好ましい。
グラフェン1および鉄酸化物2の間に印加する電圧または電流の値は、グラフェン1および鉄酸化物2の構成により異なるが、例えば、電圧にして0.05V〜100Vである。パルス状の電圧および電流を印加する場合も同様である。パルス状の電圧および電流を印加する際のパルス幅は、例えば、100ns〜500μsである。
グラフェン1および鉄酸化物2に対する電気バイアスの印加は、両者の界面に障壁層が形成され、グラフェン1と鉄酸化物2との間に所定の界面抵抗が実現するまで行うことが好ましい。そのためには、例えば、図2に示す構成が利用できる。所定の界面抵抗は、スピン注入電極として望むスピン注入特性により定めることができる。電気バイアスの印加によってグラフェン1と鉄酸化物2との間の界面抵抗がある時点で急激に増加し、その後、ほぼ一定となる場合、所定の界面抵抗は、例えば当該一定値とすることができる。
図2に示す構成は、図1に示す構成に加えて、さらに信号検出部5および判断部6を備える。信号検出部5および判断部6は、電気バイアスを印加した後のグラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗(界面抵抗)を決定する。信号検出部5は、グラフェン1および鉄酸化物2と電気的に接続されており、グラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗値の情報を含む電気信号を検出する。信号検出部5の構成は、グラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗値の情報を含む電気信号を検出できる限り限定されず、電流計、電圧計、ソースメーターなどを用いて構築できる。信号検出部5には、半導体パラメータアナライザを使用することが好ましい。判断部6は、バイアス印加部3および信号検出部5に接続されている。判断部6は、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置を用いて構築できる。電気抵抗値の情報とは、例えば電気抵抗値そのもの、および/または電気抵抗値の変化量に関する情報である。
図3に、図2に示す構成を用いて、所定の界面抵抗を有するスピン注入電極を製造するフローチャートの例を示す。
最初に、信号検出部5により、グラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗値(界面抵抗)を検出する(S1)。この電気抵抗は、初期抵抗である。
次に、バイアス印加部3により、グラフェン1と鉄酸化物2との間にグラフェン1側を正とする電気バイアス(電圧または電流)を印加する(S2)。図3に示す例では、パルス状の電気バイアス(電気パルス)をN回印加する。グラフェン1と鉄酸化物2との間に印加する電気バイアスはパルス状に限られず、例えば直流バイアスを所定の時間印加してもよい。
S2において印加する電気パルスの回数は、当該電気パルスの大きさおよびパルス幅に基づいて調整できる。S1で検出した初期抵抗に基づいて、S2で印加する電気パルスの回数、大きさおよびパルス幅を調整することが好ましい。S4において「NO」と判断された際に行われる2回目以降のS2の場合は、S3で検出されたグラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗値(界面抵抗値)の情報に基づいて、S2で印加する電気パルスの回数、大きさおよびパルス幅を調整することが好ましい。
次に、信号検出部5により、グラフェン1と鉄酸化物2との間の電気抵抗値(界面抵抗値)の情報を含む電気信号を検出する(S3)。
次に、判断部6により、信号検出部5で検出した信号が所定の信号であるか否かを判断する(S4)。判断の基準は、グラフェン1と鉄酸化物2との間の界面抵抗値が所定の閾値に達したか否かである。すなわち判断部6では、検出した信号が、上記電気抵抗値(界面抵抗値)が所定の値に達したときに得られる電気信号であるか否かを検証する。
信号が界面抵抗そのものの値を含む場合、例えば判断部6は、当該値が所定の界面抵抗であるか否かを判断する。信号が界面抵抗値の変化に関する情報である場合、例えば検出した信号に含まれる界面抵抗値の変化量が所定の閾値以下であるか否かを判断する。これは、所定の界面抵抗が達成されることによって電気バイアスの印加による界面抵抗値の変化が小さくなるケースに使用できる。
判断の基準となるデータ(所定の閾値)は、例えば信号検出部5の記録部および/または判断部6の記録部に格納されている。当該データは、1つの電気信号(例えば1つの電気抵抗値)であってもよいし、ある程度の幅を有する電気信号(例えば電気抵抗値の範囲)であってもよい。記録部は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)またはROM(リードオンリーメモリ)などの記録素子により構成できる。
S4において、所定の信号が得られた(所定の界面抵抗が実現した)と判断された場合(図3に示すYES)、フローチャートに従って製造工程が終了する(S5)。所定の信号が得られなかった(所定の界面抵抗が未だ実現していない)と判断された場合(図3に示すNO)、製造工程のステップはS2に戻り、S2,S3およびS4が、S4における判断がYESとなるまで繰り返される。製造工程の終了は、例えば、電気バイアスの印加停止により行われる。
すなわち、本発明の製造方法において、第2のステップがグラフェン1と鉄酸化物2との間に電圧または電流を印加する第1のサブステップ、グラフェン1および鉄酸化物2の間の電気抵抗値の情報を含む電気信号を検出する第2のサブステップ、ならびに検出した当該電気信号が、上記電気抵抗値が所定の値に達したときに得られる電気信号であるか否かを検証する第3のサブステップを含み、第2のステップにおいて、当該検出した電気信号が、上記電気抵抗値が所定の値に達したときに得られる電気信号となるまで、第1のサブステップ、第2のサブステップおよび第3のサブステップをこの順に繰り返してもよい。
本発明の製造方法における別の実施形態では、グラフェン1と鉄酸化物2との間の界面抵抗値が所定の値となる電気バイアス印加条件を予め定めておき、当該条件に従って、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加する。この実施形態では、図1に示す構成を利用して、図3に示すS2ステップおよびS5ステップによりスピン注入電極を製造できる。
本発明の製造方法では、グラフェン1と鉄酸化物2との間にグラフェン1側を正とする電気バイアスを印加することにより、(a)グラフェン1の一部を酸化させて酸化グラフェンとし、当該酸化グラフェンにより構成される障壁層をグラフェン1と鉄酸化物2との間に形成する。または、グラフェン1と鉄酸化物2との間にグラフェン1側を正とする電気バイアスを印加することにより、(b)グラフェン1の一部およびFe34の一部を酸化させてそれぞれ酸化グラフェンおよびFe23とし、当該酸化グラフェンおよびFe23により構成される障壁層をグラフェン1と鉄酸化物2との間に形成する。この方法で障壁層を形成することにより、グラフェン1および鉄酸化物2の好適な構造を保ちながら、界面抵抗の不整合が低減され、スピン注入に適した界面抵抗を有する電気的な障壁が実現する。
従来の手法では、このように局所的かつ逐次的に、電極界面となる部分にのみ酸化グラフェンから構成される障壁層または酸化グラフェンとFe23とから構成される障壁層を形成し、さらにその上に、高スピン偏極率を示すFe34結晶を形成するのは極めて困難である。
障壁層を構成する酸化グラフェンは、グラフェンのsp2結合の一部が酸素イオンの結合によってsp3結合となった構造を有する。酸化グラフェンは、グラフェンに存在するπ結合が作るフェルミ面上のバンドを失っており、絶縁体である。本発明の製造方法では、多層のグラフェン1のうち、鉄酸化物2に接する少なくとも一層が酸化グラフェンとなる。換言すれば、グラフェン1における鉄酸化物2に接する部分の厚さ方向の一部が酸化グラフェンとなる。Fe23は、Fe34が酸化して形成された絶縁体である。
図4Aおよび図4Bに、図2に示す構成を用いてグラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加して形成した、グラフェンに対するスピン注入電極101a,101bを示す。
図4A,図4Bに示すスピン注入電極101a,101bは、グラフェン1と鉄酸化物2と、グラフェン1および鉄酸化物2の界面に配置された障壁層4とを備える。スピン注入電極101a,101bでは、鉄酸化物2からグラフェン1へ障壁層4を介してスピンを注入しうる。図4Aに示すスピン注入電極101aにおける障壁層4は、酸化グラフェンにより構成され、グラフェン1における鉄酸化物2と接する部分の厚さ方向の一部(界面近傍の部分)を占めている。図4Bに示すスピン注入電極101bにおける障壁層4は、酸化グラフェンおよびFe23により構成され、グラフェン1および鉄酸化物2における両者が互いに接する部分の厚さ方向の一部(界面近傍の部分)を占めている。
図4Aおよび図4Bに示すスピン注入電極101a,101bは、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加して形成できる。電気バイアスの印加は、例えば図3に示すフローチャートに従って行われる。障壁層4が形成される様子は、信号検出部5によって検出される上記情報(例えば界面抵抗値)によりモニターできる。上記情報と対応付けた障壁層4の厚さの情報を予め信号検出部5および/または判断部6の記録部に記録させておけば、当該厚さの情報を用いて、形成された障壁層4の厚さを評価できる。
図5に、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気パルスを印加した際における両者の界面抵抗値の変化の一例を示す。図5では、電気パルスを20回印加する毎に測定した界面抵抗値Rを、電気バイアスを印加する前の界面抵抗値(初期抵抗値)R0に対する比(抵抗変化比R/R0)で示す。グラフェン1と鉄酸化物2とが接触している部分のサイズは、30μm×30μmである。印加した電気パルスは、パルス幅1μs、最大パルス電圧3.5Vである。図5に示す例では、電気パルスの印加回数Npが140回に達したときに界面抵抗値が急激に増加し、それ以降は、電気パルスの印加回数にも拘わらず一定となった。この例では、Np=140において障壁層4が形成されたと確認できる。この例で観察される界面抵抗値の急激な増加は、多数の並列抵抗に一定電圧が印加されている場合に、並列に接続された各抵抗の抵抗値が徐々に高くなりながら(高抵抗化しながら)、最後の抵抗が高抵抗化するときに全体の抵抗が急激に増加する挙動と同様の挙動として理解できる。本発明の製造方法で実現するこの挙動は、グラフェン1と鉄酸化物2との接触部分における界面抵抗値の均一性の向上に寄与する。電気バイアスの印加時に仮に界面抵抗値が周囲に比べて上昇していない領域が存在したとしても、次にあるいは引き続き印加される電気バイアスは当該領域(電気抵抗値が低い領域)に多く流れ込むため、当該領域の界面抵抗値の変化が周囲に比べて大きくなるからである。すなわち、本発明の製造方法では、界面の均一性が高く、安定したスピン注入特性を有するスピン注入電極を形成できる。
本発明の製造方法によれば、2以上のスピン注入電極を備え、個々のスピン注入電極ごとに所望の界面抵抗値を有する(界面抵抗値は互いに異なっていても同一でもよい)スピン注入電極アレイを形成できる。スピン注入電極アレイの一例を図6に示す。図6に示すスピン注入電極アレイ102は、2以上のスピン注入電極を備える。それぞれのスピン注入電極101は、グラフェン1と鉄酸化物2との界面に所望の界面抵抗値を有する電気的な障壁(障壁層)を有する。これにより、所望のデバイス特性を有するスピン注入電極アレイの形成が容易となる。スピン注入電極アレイ102を形成するためには、例えば図6に示すように、電気バイアスをグラフェン1と鉄酸化物2との間に印加するための配線の一部にスイッチ20を接続し、スイッチ20のON−OFF状態の制御によって、各スピン注入電極を形成するための電気バイアス印加条件を制御すればよい。なお、図6に示す例では各スピン注入電極においてグラフェン1が共通であるが、グラフェン1は必ずしも共通でなくてもよい。
第1のステップにおいて準備するグラフェンおよび当該グラフェンと接する鉄酸化物は、例えば、以下のように形成できる。
高いスピン偏極率を示すFe34を含む鉄酸化物は、スピネル構造を有する結晶材料であり、その結晶構造は格子定数a=0.84nmの立方晶である。一方、グラフェンは、六員環の2次元平面構造を有し、その格子定数はa=0.14nm(b=0.25nm)である。このため両者は、面方位および長周期を仮定しても格子整合しない。したがって、高いスピン偏極率を示すFe34を含む鉄酸化物をグラフェンに接して形成する際には、適切な成長バッファ層を使用することが望まれる。しかし、本発明の製造方法により形成するスピン注入電極は、グラフェンと鉄酸化物との間に障壁層を有する。このため、成長バッファ層は同時に障壁層としても機能する、または障壁層の機能を妨害しない必要があるが、この条件を満たす材料を見つけることは難しい。これは、これまでグラフェンと鉄酸化物との積層体がスピン注入電極として検討されていない理由の一つと考えられる。
これを考慮すると、第1のステップにおいて、パルスレーザー堆積法によりグラフェンの表面に鉄酸化物を堆積させることにより、グラフェンと、グラフェンに接する強磁性体である鉄酸化物とを準備することが好ましい。パルスレーザー堆積法とは、高エネルギーを有するレーザー光をターゲット材料に集光および照射し、そのエネルギーにより射出された材料の粒子を基板上に輸送して堆積させる手法である。これに加えて、パルスレーザー堆積法によれば、グラフェンに対して不必要なダメージ(例えばプラズマダメージ)を与えることが抑制される。本願の実施例ではエキシマレーザー(KrF:波長248nm)が使用されているが、YAGレーザーのような他のパルスレーザーを使用することもできる。ターゲット材料は、例えば鉄酸化物Fe34の焼結体である。超高真空を必要とする分子線エピタキシー(MBE)法あるいは希ガスプラズマ放電が可能な圧力範囲でのみ実施しうるスパッタリング法とは異なり、パルスレーザー堆積法では、堆積時における酸素ガスの圧力を広い範囲で選択、調整できる。このため、パルスレーザー堆積法の採用によって、形成する鉄酸化物の酸素組成比がより精密に制御できる。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
最初に、Science, vol.306, p.666-p.669 (2004)の記載を参考にして、グラフェン1を準備した。具体的には、1mm厚の高配向熱分解黒鉛(Highly Oriented Pyrolytic Graphite:HOPG)にセロハン製粘着テープを押しつけて結晶片を剥離し、剥離した結晶片にセロハン製粘着テープを再度押しつけてその一部を剥離し、さらに薄片にした。得られた薄片に対して、セロハン製粘着テープを用いてその一部を剥離させる操作を複数回繰り返した後、セロハンテープ上のHOPGの薄片をサファイヤ製の基板上にこすりつけた。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価した、サファイヤ基板上のグラフェン1の厚さは約1±0.5nm程度であった。これは、グラフェン数層の厚さに相当する。サファイヤ以外の材料から構成される基板であっても、薄片を配置する強度を有する基板であれば同じ結果が得られることを別途確認した。また、数μm程度の厚さを有するHOPGであれば基板を用いる必要がないことを別途確認した。次に、サファイヤ基板ごと、グラフェン1に対する水素中450℃の熱処理を30分実施した。この熱処理は、グラフェン1の表面に吸着した物質の影響を低減させることを目的とした。
次に、電子ビーム露光によってグラフェン1の表面にレジストを配置し、鉄酸化物2を堆積させる開口部を当該レジストに形成した。レジストには、ポジレジストであるZEP520A(日本ゼオン製)を用いた。グラフェン1に対するレジストの配置は、スピンコーターを用いて行った。スピンコートの条件は、回転数2000rpmを5秒、その後、回転数4000rpmを30秒とした。開口部を形成するための電子線描画には電子ビーム描画装置(エリオニクス製、ELS−7500)を用い、電子線の照射条件は200μC/cm2とした。使用したグラフェン1の幅は2μmであったが、当該グラフェン1に対して短冊状の開口部(最小幅50nm)を形成した。
次に、パルスレーザー堆積法により、開口部に鉄酸化物2を堆積させた。ターゲットには20mm径×5mm厚のFe34焼結体を用い、レーザーにはエキシマレーザー(KrF、波長248nm)を用いた。鉄酸化物2の堆積は、基板温度100〜400℃(典型的には200℃)、到達真空度10-5〜10-6Paに対して酸素ガス流により10-1〜10-5Pa(典型的には酸素ガス流量0.5sccmにより5×10-4Pa)とした圧力雰囲気にて、ターゲットに照射するパワー密度4〜10J/cm2(典型的には6J/cm2)で実施した。酸素ガス流量の単位であるsccmは、"standard cc/min"であり、1気圧、温度0℃で規格化された条件で1分間あたりに流れる気体の量を示す。鉄酸化物2は、成膜レートから算出した設計膜厚(50nm)で堆積させた。鉄酸化物2の厚さは電気バイアスを印加しうる厚さ、図3に示すS3およびS4を行う場合には電気信号を検出しうる厚さであればよく、2nm〜数μmの範囲で同様の結果が得られたことを別途確認した。その後、レジストをリフトオフすることにより、レジストの開口部にのみ鉄酸化物2が形成されたグラフェン1および鉄酸化物2の積層体を作製した。作製した積層体を図7に示す。図7の符号7はサファイヤ基板、符号8はセレクタである。実施例1では、グラフェン1上に、短冊状の鉄酸化物2を複数、その長辺が互いに平行となるように形成した。
鉄酸化物2と同じ堆積条件で別途形成した薄膜の構造をX線回折およびラマン分光分析により評価したところ、当該薄膜はFe34を主体とする多結晶体により構成されていた。その比抵抗は室温で10mΩ・cm程度であった。
次に、バイアス印加部3および信号検出部5との電気的な接触を向上させることを目的として、鉄酸化物2の上にさらにFe34(厚さ50nm)をパルスレーザー堆積法により堆積させた。堆積条件は、基板温度100〜400℃(典型的には200℃)、到達真空度10-5〜10-6Paに対して酸素ガスを流さない雰囲気、ターゲットに照射するパワー密度4〜10J/cm2(典型的には6J/cm2)とした。
次に、堆積させたFe34を介して鉄酸化物2に電気バイアスを印加するとともにグラフェン1と鉄酸化物2との間の界面抵抗値を検出するために、リレースイッチから構成されるセレクタ8を介して、バイアス印加部3および信号検出部5をグラフェン1および鉄酸化物2に電気的に接続した。セレクタ8は、グラフェン1上に形成された複数の鉄酸化物2に対して、任意の順序および組み合わせで電気バイアスを印加できる構成とした。バイアス印加部3として、アジレント製パルスジェネレータ81110Aを使用した。信号検出部5として、ケースレー製ソースメータ2425を使用した。
次に、図3に示すフローチャートに従ってグラフェン1および各々の鉄酸化物2に電気バイアスを印加し、スピン注入電極を作製した。印加した電気バイアスは、グラフェン1と鉄酸化物2との間の電位差が3.5V(グラフェン側が正)、パルス幅が1μsのパルス電圧とした。この電気バイアスを印加した際におけるグラフェン1と鉄酸化物2との間の界面抵抗値の変化を図8に示す。図8では、電気パルスを1回印加する毎に界面抵抗値を検出してプロットした。図8の縦軸は、図5と同様に抵抗変化比R/R0とした。図8に示すように、電気パルスの印加回数Npが292回に達したときに界面抵抗値が急激に上昇し、その後は、電気パルスの印加によってもほぼ一定の値を保持した。この時点で、障壁層4が形成され、スピン注入電極が形成された。一方、グラフェン側を負とした以外は同様にして電気パルスを印加したところ、1000パルス以上の印加によっても図5および図8に示すような抵抗変化は起きなかった。
作製したスピン注入電極における鉄酸化物2との界面近傍のグラフェン1の変化が、ラマン分光分析により、欠陥に起因するDバンド(約1350cm-1)ピークの増加として確認された。グラフェン1および鉄酸化物2における両者の界面近傍の組成を、透過型電子顕微鏡の断面観察像に対する電子エネルギー損失分光法(EELS)により評価したところ、電気バイアス印加後に当該界面近傍において酸素量が増加し、グラフェン中に酸素が拡散していることが確認された。電気バイアスの印加により形成された障壁層4が、グラフェンに酸素イオンが結合した酸化グラフェンおよびFe34の酸化により形成されたFe23から構成されていることが確認できた。この結果は、鉄酸化物2に含まれるFe34からグラフェン1に電子が流れる時にのみ発生した。障壁層4の形成は、Fe34に含まれる余剰な酸素イオンがグラフェン1側に移動することに基づく酸化反応によって引き起こされているのではないかと推察された。
これに加えて、鉄酸化物2の上にさらに堆積させたFe34層に含まれる余剰な酸素イオンの影響も考えられた。Fe34層に含まれる余剰な酸素イオンは、電気バイアスの印加によって鉄酸化物2中のFe34と反応し、Fe34をFe23に変化させやすい。Fe34およびFe23の2つの相が、Feイオンサイトの再構築が進行しやすく、かつ酸素イオンが互いに移動しやすい関係にあることが、本発明の実現に大きく寄与していると考えられる。これに加えて、炭素の酸化に関するGibbs自由エネルギーと、Fe34が酸化してFe23となるGibbs自由エネルギーとの差が広い温度範囲において負である可能性がある。自由エネルギー差が負である場合、鉄酸化物の酸化よりも炭素の酸化が安定である。各種酸化物の自由エネルギーを示すエリンガム図では、300℃以上の温度域において炭素の酸化が安定であることが示唆されている。実際、グラフェン1と鉄酸化物2とに対する電気バイアスの印加によって鉄酸化物2の電気抵抗に基づく局所的な高熱発生が予測されることから、上記炭素の酸化の安定と、電気バイアス印加時にグラフェン1の酸化が促進するという本実施例の結果とは定性的に一致する。すなわち、本実施例の結果は、グラフェン1とFe34を含む鉄酸化物2との間の互いに好適な関係を見い出したことによって、初めて達成されたと考えられる。
次に、鉄酸化物2の代わりに膜厚5nmの酸化マグネシウム(MgO)を用いてスピン注入電極の形成を試みた。MgOの堆積は、パルスレーザー堆積法により、ターゲットとして20mm径×2mm厚のMgO焼結体を用い、レーザーとしてエキシマレーザー(KrF、波長248nm)を用いて行った。堆積条件は、基板温度が室温〜300℃(典型的には室温)、到達真空度10-5〜10-6Paに対して酸素ガスを流さない雰囲気、ターゲットに照射するパワー密度4〜10J/cm2(典型的には6J/cm2)とした。堆積したMgOの膜厚は、成膜レートから算出した。MgOの上には、鉄酸化物2を堆積させた場合と同様に、バイアス印加部3および信号検出部5との電気的な接触を向上させることを目的として、さらにFe34(厚さ50nm)を堆積させた。Fe34の堆積条件は、上記した堆積条件と同一にした。
このようにして形成したグラフェン1およびMgOに対して、グラフェンとMgOとの電位差が3.5V(グラフェン側が正)、パルス幅が1μsの電圧パルスを印加したが、繰り返し電圧パルスを印加したにも拘わらず、グラフェンとMgOとの間の界面抵抗値の変化は生じず、スピン注入電極が形成されなかった。この結果は、酸化に関するGibbs自由エネルギーに関して、炭素の酸化よりもMgの酸化の方が安定であることに由来すると推察される。具体的には、グラフェンの酸化に必要な酸素がMgOから取り出せないことによると考えられる。
次に、上記のように作製したスピン注入電極を用いて、スピン注入性能の評価を実施した。評価は以下のように行った。一つの鉄酸化物2とこれに隣接する鉄酸化物2をそれぞれ電極11,12として、当該電極11,12に電流源9(ケースレー製、電流源6221)を電気的に接続した。電極11,12とは別の鉄酸化物2とこれに隣接する鉄酸化物2をそれぞれ電極13,14として、当該電極13,14に電圧計10(ケースレー製、ナノボルトメーター2182A)を電気的に接続した。次に、電極11から電極12に対して電流(数百μA〜数mA)を印加し、その際に電極13と電極14との間に生じる電圧の変化を測定することで、鉄酸化物2からグラフェン1にスピンが注入されているか否かを判定した。この電圧の測定は、Advanced Functional Materials, vol.19, pp.3711-3716 (2009)、表面科学, vol.31, pp.162-168 (2010)、Nature, vol.448, pp.571-575 (2007)およびPhysical Review B, vol.77, 020402(R)(2008)に記載されている非局所抵抗の測定に実質的に等しい。電極13,14間の電圧を測定する際にグラフェン1の面内に平行に磁場を走引することにより、スピン注入によるヒステリシスを伴う磁気抵抗効果が室温にて確認された。一方、電気バイアスが未印加であり、障壁層が未だ形成されていない状態のサンプルに対してこれと同様の評価を行ったところ、ヒステリシスを伴う磁気抵抗効果は確認できなかった。すなわち、グラフェン1と鉄酸化物2との間に電気バイアスを印加して障壁層4を形成することが高効率のスピン注入電極の製造に効果的であることが確認された。
(実施例2)
実施例2では、印加する電気バイアスを変化させた場合における界面抵抗値の変化(抵抗変化比R/R0)を評価した。電気バイアスを印加するサファイヤ基板7、グラフェン1および鉄酸化物2の積層体は、実施例1と同様に作製した。
印加するパルス電圧の大きさを3.5Vから大きくしていくと、図8で示すような急激に抵抗変化比R/R0が変化するパルス印加回数Npが減少した。一方、印加するパルス電圧の大きさを3.5Vから小さくしていくと、当該Npが増加した。
印加するパルス電圧の大きさを3.5Vに固定するとともにパルス幅を1μsから短くすると当該Npが増加し、長くすると当該Npが減少した。このように、電気バイアスの印加条件を制御することによって、グラフェン1/鉄酸化物2間の界面抵抗値を制御および設定できることが確認された。また、これらの結果によれば、本発明の製造方法により実現するグラフェン1/鉄酸化物2間の界面抵抗値の制御には、印加する電気バイアスの投入電力および電気バイアスの印加により発生するジュール熱が関与していることが示唆された。
本発明は、その意図および本質的な特徴から逸脱しない限り、他の実施形態に適用しうる。この明細書に開示されている実施形態は、あらゆる点で説明的なものであってこれに限定されない。本発明の範囲は、上記説明ではなく添付したクレームによって示されており、クレームと均等な意味および範囲にあるすべての変更はそれに含まれる。
本発明のスピン注入電極の製造方法は、グラフェンとこれに接するFe34とに対して電気バイアスを印加することにより実現しうる。このため、本発明の製造方法の実施には特別なプロセスは必ずしも必要なく、本発明の製造方法は汎用プロセスとの親和性が高い。これに加えて、本発明の製造方法は、スピン注入電極の製造に必要なプロセスコストを低減できる簡便さを備えていることから、グラフェンを用いたスピンデバイスを実現するプロセスへの提供が容易であるとともに、様々な電子デバイスの製造に応用する際も基本プロセスとして利用することができる。

Claims (5)

  1. 多層のグラフェンと、前記グラフェンに接する強磁性体である、Fe34を含む鉄酸化物とを準備する第1のステップと;
    前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に、前記グラフェン側を正とする電圧または電流を印加して、
    (a)前記グラフェンにおける前記鉄酸化物と接する部分を酸化させて酸化グラフェンとし、前記酸化グラフェンにより構成される障壁層を前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に形成する、または
    (b)前記グラフェンにおける前記鉄酸化物と接する部分、および前記鉄酸化物における前記グラフェンと接する部分に含まれるFe34を酸化させてそれぞれ酸化グラフェンおよびFe23とし、前記酸化グラフェンおよびFe23により構成される障壁層を前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に形成する、ことにより、
    前記グラフェンと、前記鉄酸化物と、前記グラフェンおよび前記鉄酸化物の界面に配置された前記障壁層とを備え、前記鉄酸化物から前記グラフェンへ前記障壁層を介してスピンを注入しうるスピン注入電極を形成する第2のステップと;
    を含む、スピン注入電極の製造方法。
  2. 前記第2のステップにおいて、前記グラフェンと前記鉄酸化物との間にパルス状の電圧または電流を印加する請求項1に記載のスピン注入電極の製造方法。
  3. 前記第2のステップが、前記グラフェンと前記鉄酸化物との間に前記電圧または電流を印加する第1のサブステップ、前記グラフェンおよび前記鉄酸化物間の電気抵抗値の情報を含む電気信号を検出する第2のサブステップ、ならびに前記検出した電気信号が、前記電気抵抗値が所定の値に達したときに得られる電気信号であるか否かを検証する第3のサブステップを含み、
    前記第2のステップにおいて、前記検出した電気信号が、前記電気抵抗値が所定の値に達したときに得られる電気信号となるまで、前記第1のサブステップ、前記第2のサブステップおよび前記第3のサブステップをこの順に繰り返す、請求項1に記載のスピン注入電極の製造方法。
  4. 前記第1のステップにおいて、Fe23をさらに含む前記鉄酸化物を準備する請求項1に記載のスピン注入電極の製造方法。
  5. 前記第1のステップにおいて、パルスレーザー堆積法を用いて前記グラフェンの表面に前記鉄酸化物を堆積させることにより、前記グラフェンと、前記グラフェンに接する強磁性体である前記鉄酸化物とを準備する請求項1に記載のスピン注入電極の製造方法。
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