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JP5034784B2 - ヘキサフルロアセトン水和物の脱水方法 - Google Patents

ヘキサフルロアセトン水和物の脱水方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヘキサフルオロアセトン水和物をフッ化水素により脱水する方法に関し、また、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体を製造する方法に関する。
ヘキサフルオロアセトンは、フッ素ゴムの架橋剤として重要な2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノール−AF)や医薬品中間体として重要なヘキサフルオロイソプロパノール等の工業原料として大量に生産されている。ヘキサフルオロアセトンは、工業的にはヘキサフルオロプロペンのエポキシ化とそれに続く異性化による方法、アセトンを塩素化して得られるヘキサクロロアセトンをクロム活性炭担持触媒等によりフッ化水素で置換フッ素化する方法などで製造される。ヘキサフルオロアセトンは大気圧で沸点が−28℃の気体であることから取り扱い上の便宜を図るため、106℃の定沸点組成物として得られるヘキサフルオロアセトン・3水和物が多くの反応において原料として使用されており、あるいは保存に供される。しかしながら、反応条件、目的物その他の要求によっては水の存在が許されない場合があり、さらに水和物は通常は無水物と比べて反応性が低いことが多いことから、ヘキサフルオロアセトンの無水物が求められる場合もあって、使用に際してはその場で水和物を無水物に変換することもしばしば行われる。
ヘキサフルオロアセトン水和物の脱水方法としては、モレキュラーシーブ(登録商標)(特許文献1)、濃硫酸、無水硫酸、五酸化リン(特許文献2)などとの接触による方法が報告されている。濃硫酸、無水硫酸、五酸化リン、発煙硫酸などを脱水剤とすると、ヘキサフルオロアセトンの分解生成物が生成することがあり、また、水や分解生成有機物を含んだ硫酸やリン酸の大量の廃棄物が発生する。また、合成ゼオライトを使用した場合を含めてこれらの方法で脱水するとヘキサフルオロアセトンの回収率が必ずしも高くないという問題もある。
一方、ヘキサフルオロアセトンを原料とする反応においては、フッ化水素が触媒としてまたは溶媒として使用されることがある。例えば、ビスフェノール−AFはヘキサフルオロアセトンとフェノールとフッ化水素の混合物から脱水反応により得られる(非特許文献1)。
特開昭59−157045号公報 特開昭57−81433号公報 Isz. Akad-Nauk SSSR, Otdel. Khim, Nauk, vol.4 pp.686-692(1960);英語版 pp.647-653
ヘキサフルオロアセトン水和物を脱水して、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素からなる混合物を得る方法であって、廃棄物を実質的に発生させない方法を提供する。
本発明者らは、特定の反応においてヘキサフルオロアセトンと同様の反応挙動を呈するヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体を工業的に製造する方法について検討したところ、ヘキサフルオロアセトン水和物をフッ化水素と混合し蒸留することからなる簡便な方法により収率よく、かつ、実質的に廃棄物の発生を伴わないでヘキサフルオロアセトン水和物を脱水しヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体のフッ化水素溶液を定量的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ヘキサフルオロアセトン水和物をフッ化水素と接触させてそのまま蒸留することで、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素とからなる成分と、水とフッ化水素からなる成分とにそれぞれ分割して得ることからなるヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体の製造方法である。
[請求項1]ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に蒸留塔に導入し、低沸点成分としてヘキサフルオロアセトンまたはヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素を含む組成物を得、高沸点成分として水およびフッ化水素を含む組成物として得ることからなるヘキサフルオロアセトン水和物の脱水方法。
[請求項2]ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に連続的に蒸留塔に導入する請求項1に記載の脱水方法。
[請求項3]ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に蒸留塔に連続的に導入し、低沸点成分としてヘキサフルオロアセトンまたはヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素を含む組成物を塔頂部から連続的に得、高沸点成分として水およびフッ化水素を含む組成物を塔底部から連続的に得ることからなるヘキサフルオロアセトン水和物の脱水方法。
[請求項4]ヘキサフルオロアセトン水和物がヘキサフルオロアセトン3水和物である請求項1〜3に記載の脱水方法。
[請求項5]ヘキサフルオロアセトン水和物が水を含むヘキサフルオロアセトン水和物である請求項1〜4に記載の脱水方法。
本発明の脱水方法は、得られるヘキサフルオロアセトンまたはヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体はフッ化水素との混合物であるので、フッ化水素を原料、触媒または溶媒としてヘキサフルオロアセトンを使用する反応にはそのまま用いることができることから工程の簡略化に有効であり、また、従来行われていた濃硫酸、発煙硫酸などを用いる方法では避けられない有機物質を含む廃硫酸などの廃棄物処理を必要としないことから、環境保護の面でも優れた方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
明細書において、フッ化水素を「HF」と表すことがある。
明細書において、ヘキサフルオロアセトンを「HFA」と表すことがある。
明細書において、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体を「HFA・HF」と表すことがある。
明細書において、ヘキサフルオロアセトン水和物は水和数を限定しない水和物またはその水溶液をいい、ヘキサフルオロアセトン3水和物を含む概念である。
明細書において、ヘキサフルオロアセトン3水和物を「HFA・3W」と表すことがある。
本発明は、ヘキサフルオロアセトン水和物をフッ化水素と接触させてそのまま蒸留することで、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素とからなる成分と、水とフッ化水素からなる成分とにそれぞれ分割して得ることからなるヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体の製造方法である。ここで、「そのまま」とは、、濃硫酸、無水硫酸、五酸化リンなどの一般的に「脱水剤」として用いられる化学物質やモレキュラーシーブなどの吸着剤による処理をしないで、ということをいう。
ヘキサフルオロアセトンの代替反応試剤として取り扱われることのあるHFA・3Wは、
Figure 0005034784
で表されるように、ヘキサフルオロアセトンと水が反応したgem−ジオールの2水和物であって、沸点106℃の液体である。HFA・3Wを蒸留しても水を放出させてヘキサフルオロアセトンを得ることはできない。
また、ヘキサフルオロアセトンの1水和物はヘキサフルオロアセトンとは異なる化合物であって、gem−ジオールとして表され、ヘキサフルオロアセトンと水との間で次式の平衡が成り立ち、平衡は著しく右に片寄っている。
Figure 0005034784
ヘキサフルオロアセトンの1水和物は昇華性の高い吸湿性の強い融点52℃の固体であり、46℃で分解するが、HFA・3Wと同様、蒸留によってはヘキサフルオロアセトンを得ることはできない。
一方、ヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体は、次式のヘプタフルオロイソプロパノールで示されるヘキサフルオロアセトンとフッ化水素の1:1付加体である。ヘプタフルオロイソプロパノールは単独では熱的に不安定な化合物であり、沸点(14〜16℃)以上の温度においては一部へキサフルオロアセトンとフッ化水素に分解し、次式の平衡が成り立つと考えられる。平衡は温度に依存し、20℃では35%、100℃では70%のヘプタフルオロイソプロパノールが分解している。
Figure 0005034784
HFA・HFを非平衡状態での蒸留により分離できることが報告されている(米国第3745093号特許公報)が、通常の方法で蒸留してもヘキサフルオロアセトンとフッ化水素とを分離することはできない(仏国特許第1372549号)。
本発明を完成させる過程において発明者等により、HFA・HFがヘプタフルオロイソプロパノールであり、過剰量のフッ化水素が共存すると、室温以上においても分解することなく安定にヘプタフルオロイソプロパノールのまま存在することがフッ化水素中でのNMR測定により確認された。
本発明のヘキサフルオロアセトン水和物の脱水は、蒸留缶、蒸留カラム、凝縮器及びその他の装置を備えた一般的な蒸留装置を用いて、バッチ式、半バッチ式または連続式のいずれかの形式でも実施できる。装置の材質は、ステンレス鋼、ニッケル合金鋼、銀、フッ素樹脂、炭素、ポリエチレンまたはこれらの材質でライニングされもしくはクラッドされた金属材料が使用できる。比較的高温のフッ化水素水溶液が接する蒸留缶並びに蒸留カラムおよび充填材は銀、フッ素樹脂などのフッ化水素水溶液に耐える樹脂材料またはこれらの材質でライニングされもしくはクラッドされた金属材料の使用が好ましい。蒸留カラムは、公知の充填材からなる充填式、棚段塔などのいずれでも使用できる。
本発明の方法は、減圧下または加圧条件、具体的には0.05〜2MPa程度の圧力条件下でも実施できるが、以下では、大気圧下で行う場合について説明する。他の圧力条件で行うことも本発明の範囲に属し、以下の説明とこの技術分野における技術常識に基づいて当業者が条件を最適化することは容易である。
バッチ式脱水方法について説明する。
HFA・3Wとフッ化水素を蒸留塔の蒸留缶(塔底)に導入する。HFA・3Wの1モルに対してフッ化水素は1モル以上必要であるが、2〜100モルが好ましく、3〜50モルがより好ましく、5〜30がさらに好ましい。フッ化水素が過少であると脱水の効果が不十分でありまた蒸留の操業が安定せず、過剰であれば脱水の効果においては問題ないが、ユーティリティの消費が大きくなったり、装置の大型化を伴いそれぞれ好ましくない。ここで、HFA・3Wは、ヘキサフルオロアセトン水和物であればよく、ヘキサフルオロアセトン1水和物などの水和数が3未満のものであってもよく、また、ヘキサフルオロアセトン水和物の水溶液であってもよいが、脱水に供する原料としてはHFA・3Wまたはそれよりも水和数の小さいものであるのが好ましい。フッ化水素は工業用に入手できる無水フッ化水素が適当であるが、50質量%程度の水を含むものでも使用できる。
塔底温度をフッ化水素の沸点を越えるまで高めると、塔頂では蒸気が凝縮器で液化されて還流が始まり、一定の時間の後HFA・HFの沸点の16℃に近づく。還流液を徐々に抜き出すと温度がフッ化水素の沸点(19.5℃)に近づくが、還流状態を保つように調節しながら還流液を抜き出す。還流量が減少する場合には塔底温度を徐々に上げる。蒸留初期にはHFA・HFを多く含む成分が16〜20℃で塔頂から抜出され、その後徐々に還流液の温度は上昇しHFA・HFの含有量は減少してフッ化水素を多く含む成分が抜き出されるが、還流液の温度はフッ化水素の沸点を大きく超えることのない範囲に維持しなければならない。そうでないと、フッ化水素の脱水が不完全になり塔頂液に水を含むこととなるからである。さらに蒸留を続け、フッ化水素と水の組成により決まる塔底の温度は、フッ化水素水溶液の共沸温度112℃に上昇するまで継続できる。このとき塔底液はフッ化水素62質量%と水38質量%の最高共沸の組成を形成している。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは実質的には含まれていない。塔底温度は、フッ化水素水溶液の最高共沸温度まで行うことができ、フッ化水素の沸点(19.5℃)以上であれば最高共沸温度より低い温度で行うことも可能である。その場合、沸点により決まる濃度のフッ化水素水溶液が得られることとなるが、その濃度はフッ化水素水溶液の用途によって決定すればよい。このようにして、ヘキサフルオロアセトンまたはHFA・HFとフッ化水素の組成からなる成分とフッ化水素及び水からなる成分(フッ化水素水溶液)が分離して得られる。
次に、本発明の方法を連続法で行う場合について説明する。
前述のバッチ式脱水方法において、蒸留塔が安定した還流状態に維持されている状態から連続法に移行することが好ましい。連続法ではヘキサフルオロアセトンと水の組成比が一定のヘキサフルオロアセトン水和物例えばHFA・3Wを用いることが操業的に容易であるので以下HFA・3Wで説明する。HFA・3Wとフッ化水素を連続的に蒸留塔に導入し、塔頂からHFA・HFとフッ化水素を、塔底からフッ化水素水溶液を連続的に抜き出す。ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素の導入、塔頂からのHFA・HFとフッ化水素の抜き出し、塔底からのフッ化水素水溶液の抜き出し、の連続操作は、断続的に行うこともできる。
ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素は別々の配管を通して蒸留塔に導入することもできるし、あらかじめ混合して導入することもできるが、蒸留塔への導入位置は同一とすることが好ましい。蒸留塔への導入位置(高さ)は塔底から塔頂まで任意の位置でよいが、好ましくはHFA・3Wとフッ化水素との脱水反応により生成する理論量の水とフッ化水素とから生じる混合液の沸点に相当する蒸留塔の位置(高さ)に導入するのが好ましい。
本発明の方法において効果的に脱水できる理由は、ヘキサフルオロアセトン3水和物と1当量以上のフッ化水素を混合した場合、次式で示す反応または平衡が短時間で成立し、蒸留においては、HFA・HF、フッ化水素、水とフッ化水素の共沸組成物の3成分からなる平衡状態が成り立っているからと推測される。
Figure 0005034784
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]バッチ式製造法
脱水装置の材質はヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロアセトン3水和物、無水フッ化水素が接触する部分については全てフッ素樹脂またはポリエチレンを用いた。蒸留ポットは10cm直径×15cm高さのポリテトラフルオロエチレン製容器、蒸留塔は充填材としてポリエチレン製ラシヒリング(4mm直径×4mm長さ)を35cm長さ充填したPFA製の3cm直径×45cm高さのカラム、冷却器としてPFA製の10cm直径×15cm高さの円筒形で内部に冷媒を流す蛇管を備えた容器を使用し、塔頂からの流出物の受器として500mlのPFA製容器を用いた。
蒸留ポットに220gのHFA・3Wを投入後、ドライアイス/アセトンバスで冷却し、固化した。次いで、240gのフッ化水素を秤量して投入し、冷却された状態(−20℃)で蒸留塔にセッティングした。そのまま室温まで放置し、外部からウォーターバス次いでオイルバスで加熱を開始した。この間、混合による蒸留ポット内の目立った発熱は観測されなかった。
加熱を続けるのに伴って、蒸留塔上部で還流が観測され、その後、還流部の温度がフッ化水素の沸点(19.5℃)を下回り始め、HFA・HFの還流が確認された。この時点で、塔頂の温度がフッ化水素の沸点19.5℃近辺を保つよう還流を確保しながら還流液の抜き出しを開始した。抜き出した還流液(HFA・nHF)は氷冷した受器に受け、経時的に容量を記録した。適当な容量が溜まった時点で、容器を交換し、容量と質量を測定し、ポリエチレン製保存容器に入れ、密栓して冷凍庫に保管した。
蒸留の進行による塔底部のフッ化水素濃度の低下に伴い、塔底温度が上昇するので常に20℃以上の温度差がつくよう、オイルバス温を調節した。塔底の温度は内容量の減少により蒸留ポットの気相部の温度を示す場合があった(以下において同じ。)。塔底部および蒸留カラムの温度は徐々に上昇するが、適度の還流を維持するように、塔頂の温度は20℃でほぼ一定を保った。塔底温度が60℃を示したところで蒸留を停止した。
蒸留の後、塔頂から回収した還流液(塔頂留出物)は252g(HFA・nHFのモル比n4.3、ヘキサフルオロアセトンの収率99%)であり、塔底液は188gのフッ化水素水溶液(71質量%)であった。還流液の水分をカールフィッシャー法により測定したところ、水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
[実施例2]バッチ式製造法
(a)実施例1の蒸留の終了後塔底から回収したフッ化水素水溶液(71質量%)181gと220gのHFA・3Wと344gの無水フッ化水素を蒸留ポットに投入し、実施例1と同様の蒸留を開始した。塔頂の還流液を抜き出しながら塔底温度が51℃を示すまで蒸留を続けたところ、塔頂留出物は249g(HFA・nHFのモル比n4.15、ヘキサフルオロアセトンの収率99%)であり、塔底液は489gのフッ化水素水溶液(76質量%)であった。塔頂留出物の水分をカールフィッシャー法により測定したところ水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
(b)(a)の蒸留の終了後塔底から回収したフッ化水素水溶液(76質量%)412gを蒸留ポットに投入し、実施例1と同様の蒸留を開始した。塔頂の還流液を抜き出しながら塔底温度が85℃を示すまで蒸留を続けたところ、塔頂留出物は197gのフッ化水素であり、塔底液は275gのフッ化水素水溶液(62質量%)であった。塔頂留出物の水分をカールフィッシャー法により測定したところ水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
(c)(b)の蒸留の終了後塔底から回収したフッ化水素水溶液(62質量%)267gを蒸留ポットに投入し、実施例1と同様の蒸留を開始した。塔頂の還流液を抜き出しながら塔底温度が116℃を示すまで蒸留を続けたところ、塔頂留出物は54gのフッ化水素であり、塔底液は206gのフッ化水素水溶液(48質量%)であった。塔頂留出物の水分をカールフィッシャー法により測定したところ、水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
[実施例3]バッチ式製造法
実施例1と同じ装置を用いて蒸留を行った。蒸留ポットに220gのHFA・3Wを投入後、ドライアイス/アセトンバスで冷却した。次いで、122gのフッ化水素を秤量して投入し、冷却された状態(−20℃)で蒸留塔にセッティングした。その後、実施例1と同様に塔底温度が121℃を示すまで蒸留を続け、停止した。
蒸留の後、塔頂から回収した還流液(塔頂留出物)は229g(HFA・nHFのモル比n3.5、ヘキサフルオロアセトンの収率99%)であり、塔底液は104gのフッ化水素水溶液(46質量%)であった。還流液の水分をカールフィッシャー法により測定したところ水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
[実施例4]バッチ式製造法
実施例1と同じ装置を用いて蒸留を行った。蒸留ポットに220gのHFA・3Wを投入後、ドライアイス/アセトンバスで冷却した。次いで、271gのフッ化水素を秤量して投入し、冷却された状態(−20℃)で蒸留塔にセッティングした。その後、実施例1と同様に塔底温度が128℃を示すまで蒸留を続け、停止した。
蒸留の後、塔頂から回収した還流液(塔頂留出物)は389g(HFA・nHFのモル比n11、ヘキサフルオロアセトンの収率99%)であり、塔底液は96gのフッ化水素水溶液(38質量%)であった。還流液の水分をカールフィッシャー法により測定したところ、水分の存在は確認されなかった。塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。
[実施例5]連続式製造法
脱水装置は、実施例1に示した装置に、HFA・3Wの供給装置として定量ポンプ(イワキ社製EH-B10SH-100PR9)、フッ化水素の供給装置としてステンレス製の内挿管と枝管を備えたボンベにニードルバルブを組み合わせた装置を付加して使用した。流量は上皿秤の表示により調節した。
まず、蒸留ポットにフッ化水素と水を混合して調製した60質量%のフッ化水素水溶液303gを投入し、蒸留を開始した。フッ化水素の還流が確認された時点で、HFA・3Wとフッ化水素の混合液(フッ化水素のHFA・3Wに対するモル比13)638gを塔頂から蒸留塔高さの1/4の位置に5時間にわたって連続的に供給し、塔頂からの流出物を受器に回収した。混合液の供給の間、塔底温度を約107℃に保ちながら、留出量を調節して塔頂温度を16.5℃〜20.5℃に保った。
脱水処理の終了時点で塔頂から回収された567gの塔頂留出物はヘキサフルオロアセトン/フッ化水素のモル比が10であった。この塔頂からの留出物に含まれる水分をカールフィッシャー法により測定したところ水分の存在は確認されなかった。蒸留終了時の塔底液は370gのフッ化水素水溶液(48質量%)であり、塔底液にはヘキサフルオロアセトンは検出されなかった。全体の回収率(物質収支)は99.9%以上であり、ヘキサフルオロアセトンの回収率は99.6%、フッ化水素の回収率は100%であった。
本発明の脱水方法は、フッ化水素を脱水剤とするため、廃棄物をほとんど発生させないという利点があり、加えて、得られる無水物がヘキサフルオロアセトンのフッ化水素付加体であることから、フッ化水素を溶媒等として反応に供する場合には特に有効であるという特徴がある。

Claims (5)

  1. ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に蒸留塔に導入し、低沸点成分としてヘキサフルオロアセトンまたはヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素を含む組成物を得、高沸点成分として水およびフッ化水素を含む組成物として得ることからなるヘキサフルオロアセトン水和物の脱水方法。
  2. ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に連続的に蒸留塔に導入する請求項1に記載の脱水方法。
  3. ヘキサフルオロアセトン水和物とフッ化水素をあらかじめ混合してまたは別々に蒸留塔に連続的に導入し、低沸点成分としてヘキサフルオロアセトンまたはヘキサフルオロアセトンフッ化水素付加体とフッ化水素を含む組成物を塔頂部から連続的に得、高沸点成分として水およびフッ化水素を含む組成物を塔底部から連続的に得ることからなるヘキサフルオロアセトン水和物の脱水方法。
  4. ヘキサフルオロアセトン水和物がヘキサフルオロアセトン3水和物である請求項1〜3に記載の脱水方法。
  5. ヘキサフルオロアセトン水和物が水を含むヘキサフルオロアセトン水和物である請求項1〜4に記載の脱水方法。
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