JP5030333B2 - セメント混和剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント混和剤に関する。より詳しくは、超高強度コンクリートに好適に用いることができるセメント混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等の減水剤等として広く用いられており、セメント組成物から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このようなセメント混和剤では、セメント組成物の流動性を高めることによりセメント組成物を減水させることを可能とすると共に、硬化物の強度や耐久性等も向上させる作用を有することになり、従来のナフタレン系等の減水剤に比べて高い減水性能を発揮するため、高性能AE減水剤として多くの実績がある。
【0003】
ところで、土木・建築構造物の土台部分等では、高い強度や耐久性が必要であり、コンクリートの中でも高い性能を発揮する、いわゆる超高強度コンクリートが使用されている。このような超高強度コンクリート用の減水剤としては、コンクリート中の水の量を充分に少なくして高い性能が発揮されるように減水性能が高い超高強度用減水剤が用いられることになる。超高強度用減水剤には、例えば、メタクリル酸とメタクリル酸ポリエチレンオキシドエステルとの共重合体等が用いられているが、この超高強度用減水剤で超高強度コンクリートを製造すると、粘性が高いコンクリートとなるため、作業性を改善することができる超高強度用減水剤とすることが可能なセメント混和剤が求められている。
【0004】
特開2000−191356号公報には、化合物Aとして特定のポリアミン系単量体と、化合物Bとして特定の不飽和カルボン酸系単量体と、化合物Cとして特定のポリアルキレングリコール系単量体とを、化合物A:化合物B:化合物C=10〜40重量%:10〜40重量%:50〜80重量%の割合で共重合させた水溶性両性型共重合体を主成分とするセメント分散剤に関し、超高強度コンクリートのための分散剤として用いることができ、現場作業性に優れることが開示されている。
【0005】
しかしながら、この公報における全ての実施例においては、化合物A、化合物B及び化合物Cを共重合して水溶性両性型共重合体を得ているが、この実施例のように共重合すると、重合率が極端に低下することになる。従って、水溶性両性型共重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりすることになる。このような水溶性両性型共重合体を超高強度コンクリートの製造に用いると、高い性能が要求される超高強度コンクリートにおいて水溶性両性型共重合体が充分な作用を発揮することができないことになり、超高強度コンクリートの性能や品質が低下することになる。これに起因して、土木・建築構造物等の硬化物の強度や耐久性等が低下して安全性の低下や修復コストの増大等の問題が生じるおそれがあることから、超高強度コンクリートに用いて高い性能や品質を発揮させることができるセメント混和剤を研究する余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、セメント組成物等の減水性や作業性を優れたものとし、しかも、その硬化物の強度や耐久性を優れたものとすることができることから、超高強度コンクリートに好適に用いることができるセメント混和剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、超高強度コンクリートに用いることができるセメント混和剤について鋭意研究を進めた結果、不飽和カルボン酸系単量体(B)及びポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)を必須とすることに加えて、特定の(ポリ)アミン系単量体(A)も必須とする単量体混合物を共重合してなるポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤にまず着目し、これが超高強度コンクリート等に好適に用いることができることに想到した。また、特定のポリアミン系単量体(A′)も必須とし、ポリカルボン酸系共重合体を形成する単量体の共重合割合を特定の範囲とすると、超高強度コンクリート等により好適に用いることができることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】
本発明は、ポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤であって、上記ポリカルボン酸系共重合体は、(ポリ)アミン系単量体(A)、不飽和カルボン酸系単量体(B)及びポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)を含む単量体混合物を共重合してなり、上記(ポリ)アミン系単量体(A)は、(ポリ)アミン系化合物にエポキシ基を有する不飽和化合物により不飽和結合を導入した単量体であるセメント混和剤である。
以下に、本発明を詳述する。
【0009】
本発明のセメント混和剤は、ポリカルボン酸系共重合体を含む。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、(ポリ)アミン系単量体(A)、不飽和カルボン酸系単量体(B)及びポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)を含む単量体混合物を共重合してなるものである。(ポリ)アミン系単量体(A)は、(ポリ)アミン系化合物にエポキシ基を有する不飽和化合物により不飽和結合を導入した単量体である。すなわちアミン類やポリアミン類である(ポリ)アミン系化合物にエポキシ基を有する不飽和化合物が開環して付加反応することにより、(ポリ)アミン系化合物に不飽和結合を導入した単量体であれば特に限定されるものではないが、エポキシ基を有する不飽和化合物の中でも、グリシジル基を有する不飽和化合物を用いることが好ましい。本発明においては、(ポリ)アミン系単量体(A)が、オキシアルキレン基を有することが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体(B)は、不飽和結合とカルボアニオンを形成しうる基とを有する単量体であれば特に限定されるものではない。ポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)は、不飽和結合とポリアルキレングリコール鎖とを有する単量体であれば特に限定されるものではない。これらの単量体はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】
上記単量体混合物におけるこれらの単量体の重量割合としては、例えば、(ポリ)アミン系単量体(A)5〜40重量%、不飽和カルボン酸系単量体(B)5〜40重量%及びポリアルキレングリコール系単量体(C)20〜90重量%を含むことが好ましい。なお、上記単量体(A)、(B)及び(C)の重量割合は、単量体(A)、(B)及び(C)の重量の合計を100重量%とした場合の重量%である。また、本発明では、上記単量体以外のその他の単量体を用いることもできるが、その他の単量体を用いる場合には、単量体(A)、(B)及び(C)の合計が単量体混合物中において主成分となるようにすることが好ましく、例えば、単量体混合物を100重量%とした場合に単量体(A)、(B)及び(C)の合計が50〜100重量%となるようにすることが好ましい。より好ましくは、70〜100重量%であり、更に好ましくは、90〜100重量%である。
【0011】
本発明におけるポリカルボン酸系共重合体では、(ポリ)アミン系単量体(A)により形成される繰り返し単位が不飽和カルボン酸系単量体(B)やポリアルキレングリコール系単量体(C)により形成される繰り返し単位が有する機能と相まってセメント組成物等の減水性や作業性を優れたものとする機能を発揮することになり、不飽和カルボン酸系単量体(B)により形成される繰り返し単位がポリカルボン酸系共重合体をセメント粒子に吸着させる機能を発揮することになり、ポリアルキレングリコール系単量体(C)により形成される繰り返し単位がオキシアルキレン基の親水性と立体反発とによりセメント組成物等の分散性を向上させる機能を発揮することになると考えられる。また、(ポリ)アミン系単量体(A)により形成される繰り返し単位は、窒素原子を有するものであり、これに起因して上記機能を発揮することになると考えられる。これらの機能を発揮することにより、セメント組成物等の減水性や作業性を優れたものとし、しかも、その硬化物の強度や耐久性を優れたものとすることができることになる。従って、本発明のポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤は、超高強度コンクリートに好適に用いることができる超高強度用減水剤等として好適に用いられることになる。なお、超高強度コンクリートとは、セメント組成物の分野で一般的にそのように称されているもの、すなわち従来のコンクリートに比べて水の含有量を少なくしてもその硬化物が従来と同等又はより高い強度となるようなコンクリートを意味し、例えば、水/セメント比が25%以下、特に18%程度であっても通常の使用に支障をきたすことのない作業性を有するコンクリートとなり、その硬化物が100N/mm2 以上の圧縮強度を示すことになるものである。
【0012】
本発明における単量体混合物の共重合方法について以下に説明する。
上記共重合方法としては、例えば、単量体混合物と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の公知の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、公知のものを使用することができ特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシド等が挙げられる。また、促進剤として、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物等を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記共重合方法においては、連鎖移動剤も必要に応じて使用することができる。このような連鎖移動剤としては、公知のものを使用でき特に限定されず、例えば、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン、ヘキサデカンチオール、デカンチオール、四塩化炭素、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
上記共重合方法は、回分式でも連続式でも行なうことができる。また、共重合の際、必要に応じて使用される溶媒としては、公知のものを使用でき特に限定されず、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体混合物及び得られるポリカルボン酸系共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
【0015】
上記共重合方法において、単量体混合物や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては特に限定されず、例えば、反応容器に単量体混合物の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体混合物の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体混合物を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法、反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体と重合開始剤の全量を添加する方法等が挙げられる。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、セメント組成物等の流動性を高める作用であるセメント分散性を向上することができることから、重合開始剤と単量体を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。
【0016】
上記共重合方法において、共重合温度等の共重合条件としては、用いられる共重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められ特に限定されず、例えば、共重合温度としては、通常0〜150℃であることが好ましい。より好ましくは、40〜120℃であり、更に好ましくは、50〜100℃であり、特に好ましくは、60〜85℃である。
上記共重合方法により得られる共重合体は、そのままでもセメント混和剤の成分として用いられるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては特に限定されず、例えば、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン等を用いることが好ましい。
【0017】
上記共重合方法では、上記不飽和カルボン酸系単量体(B)の中和率を0〜60mol%として単量体混合物の共重合を行うことが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体(B)の中和率は、不飽和カルボン酸系単量体(B)の全モル数を100mol%としたときに、塩を形成している不飽和カルボン酸系単量体(B)のmol%で表されることになる。不飽和カルボン酸系単量体(B)の中和率が60mol%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる共重合体の純分や分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは、0〜50mol%であり、更に好ましくは、0〜40mol%であり、更に好ましくは、0〜30mol%であり、更に好ましくは、0〜20mol%であり、特に好ましくは、0〜10mol%であり、最も好ましくは、0〜5mol%である。
【0018】
上記不飽和カルボン酸系単量体(B)の中和率を0〜60mol%として共重合を行う方法としては、例えば、全て酸型である不飽和カルボン酸系単量体(B)を中和せずに共重合に付することにより行う方法や、不飽和カルボン酸系単量体(B)をアルカリ性物質を用いてナトリウム塩やアンモニウム塩等の塩の形態に中和するときに中和率を0〜60mol%としたものを共重合に付することにより行う方法等が挙げられる。
【0019】
上記ポリカルボン酸系共重合体は、上述したように単量体混合物を共重合してなるが、このような共重合体の分子量としては特に限定されず、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量(Mw)が、500〜500000であることが好ましい。500未満であると、ポリカルボン酸系共重合体を減水性能が低下するおそれがあり、500000を超えると、ポリカルボン酸系共重合体の減水性能、スランプロス防止能が低下するおそれがある。より好ましくは、5000〜300000であり、最も好ましくは8000〜100000の範囲である。なお、本明細書中、共重合体の重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定される値である。
【0020】
GPC分子量測定条件
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水100999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液を用いる。
溶離液流速:0.8ml/sec
カラム温度:35℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検出器:日本Waters社製 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.2.18
【0021】
本発明はまた、ポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤であって、上記ポリカルボン酸系共重合体は、ポリアミン系単量体(A′)5〜40重量%、不飽和カルボン酸系単量体(B)1〜40重量%及びポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)10〜94重量%を含む単量体混合物を共重合してなり、上記ポリアミン系単量体(A′)は、ポリアルキレンポリアミン1.0モルに対して、二塩基酸及び/又は二塩基酸と炭素数1〜4のアルコールとのエステル0.5〜1.0モル、並びに、エポキシ基を有する不飽和化合物0.01〜0.5モルを反応させて得られる不飽和結合を有するポリアミンのアミノ基及びイミノ基の合計1モルに対して炭素数2〜18のアルキレンオキシド0〜300モルを付加させたポリアミン系化合物であるセメント混和剤でもある。
【0022】
本発明のセメント混和剤は、ポリカルボン酸系共重合体を含み、上記ポリカルボン酸系共重合体は、ポリアミン系単量体(A′)5〜40重量%、不飽和カルボン酸系単量体(B)1〜40重量%及びポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)10〜94重量%を含む単量体混合物を共重合してなる。これらの単量体はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体の重量割合が上記範囲を外れると、後述するように各単量体により形成される繰り返し単位が有する機能を有効に発揮させることができなくなり、本発明の作用効果を充分に発現することができないこととなる。なお、上記単量体(A′)、(B)及び(C)の重量割合は、単量体(A′)、(B)及び(C)の重量の合計を100重量%とした場合の重量%である。また、本発明では、後述するように、上記単量体以外のその他の単量体を用いることもできるが、その他の単量体を用いる場合には、単量体(A′)、(B)及び(C)の合計が単量体混合物中において主成分となるようにすることが好ましく、例えば、単量体混合物を100重量%とした場合に単量体(A′)、(B)及び(C)の合計が50〜100重量%となるようにすることが好ましい。より好ましくは、70〜100重量%であり、更に好ましくは、90〜100重量%である。
【0023】
本発明におけるポリカルボン酸系共重合体でも、ポリアミン系単量体(A′)、不飽和カルボン酸系単量体(B)及びポリアルキレングリコール系単量体(C)により形成される繰り返し単位が、それぞれ上述したポリカルボン酸系共重合体における(ポリ)アミン系単量体(A)、不飽和カルボン酸系単量体(B)及びポリアルキレングリコール系単量体(C)により形成される繰り返し単位と同様の機能を発揮することになるが、ポリアミン系単量体(A′)として、窒素原子を複数有する特定構造の単量体を用い、また、ポリカルボン酸系共重合体を形成する単量体の共重合割合を特定の範囲とすることにより、これらの機能をより充分に発揮することができるようになる。従って、本発明のポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤が、超高強度コンクリートに好適に用いることができる超高強度用減水剤等としてより好適に用いられることになる。
【0024】
本発明におけるポリカルボン酸系共重合体を形成することになる単量体混合物を構成する単量体について以下に説明する。
本発明における上記ポリアミン系単量体(A′)は、ポリアルキレンポリアミン〔以下、化合物(a1)ともいう〕1.0モルに対して、二塩基酸及び/又は二塩基酸と炭素数1〜4のアルコールとのエステル〔以下、化合物(a2)ともいう〕0.5〜1.0モル、並びに、エポキシ基を有する不飽和化合物〔以下、化合物(a3)ともいう〕0.01〜0.5モルを反応させて得られる不飽和結合を有するポリアミンのアミノ基及びイミノ基の合計1モルに対して炭素数2〜18のアルキレンオキシド0〜300モルを付加させたポリアミン系化合物である。
【0025】
上記化合物(a1)としては、1分子内に複数のアルキレン基と複数のアミノ基やイミノ基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン等の1種又は2種以上が挙げられ、中でも、入手の容易性や製造コストの点から、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を用いることが好ましい。
【0026】
上記化合物(a2)としては特に限定されず、例えば、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバチン酸や、これらと炭素数1〜4のアルコールとのエステル等の1種又は2種以上が挙げられ、中でも、入手の容易性や製造コストの点から、アジピン酸を用いることが好ましい。
上記化合物(a2)を形成する炭素数1〜4のアルコールとしては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやそれらの異性体の1種又は2種以上が挙げられる。
【0027】
上記化合物(a3)としては、1分子内に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物であれば特に限定されず、エポキシ基を有する化合物の中でもグリシジル基を有する化合物が好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも、入手の容易性や製造コストの点から、(メタ)アクリル酸グリシジルを用いることが好ましい。
【0028】
上記化合物(a1)、化合物(a2)及び化合物(a3)を反応させて不飽和結合を有するポリアミンを得ることになるが、これらの化合物以外の化合物を付加的に用いてもよく用いなくてもよい。不飽和結合を有するポリアミンを得るためには、化合物(a1)に由来するアミノ基と、化合物(a2)に由来するカルボキシル基とを縮重合反応することが必須となり、公知の縮重合反応法を用いることができる。また、化合物(a1)に由来するアミノ基に、化合物(a3)に由来するエポキシ基が開環して付加反応することが必須となり、公知の付加反応法を用いることができる。例えば、最初に化合物(a1)と化合物(a2)とを縮重合反応させてポリアミドポリアミンを得た後に、このポリアミドポリアミンと化合物(a3)とを付加反応させて不飽和結合を導入する2段反応法や、最初から化合物(a1)と化合物(a2)と化合物(a3)とを同時に縮重合反応や付加反応させる一括反応法等により行うことになる。これらの反応法では、各化合物を一括して反応に付してもよく、段階的又は逐次的に反応に付してもよい。これらの反応法等により、縮重合反応すなわちアミド化反応が行われてポリアミド鎖が形成され、付加反応すなわちエポキシ基を有する不飽和化合物が開環して付加反応することにより不飽和結合を有するポリアミンが形成されることになる。
【0029】
上記不飽和結合を有するポリアミンを形成する化合物(a1)、化合物(a2)及び化合物(a3)のモル数の比としては、化合物(a1)1.0モルに対して、化合物(a2)0.5〜1.0モル、及び、化合物(a3)0.01〜0.5モルである。これにより、化合物(a1)と化合物(a2)とが縮重合反応した生成物は、平均的に、モル比が化合物(a1)/化合物(a2)=2/1〜1/1となるように縮重合反応して形成される一定範囲の鎖長を有するポリアミンとなり、このような構造に起因してポリカルボン酸系共重合体が高い減水性や分散安定性を発揮することになる。ポリアミンの鎖長がこれよりも短くなると、すなわち化合物(a1)1.0モルに対して化合物(a2)が0.5モル未満であると、ポリカルボン酸系共重合体の分散安定性が低下することになる。ポリアミンの鎖長がこれよりも長くなると、すなわち化合物(a1)1.0モルに対して化合物(a2)が1.0モルを超えると、ポリカルボン酸系共重合体の減水性が低下することになる。化合物(a1)1.0モルに対して、化合物(a2)が0.6〜0.98モルが好ましく、0.8〜0.95モルがより好ましい。
【0030】
上記モル数の比としてはまた、化合物(a1)1.0モルに対して化合物(a3)のモル数が0.01モル未満であると、ポリアミン系単量体(A′)がポリカルボン酸系共重合体中に組み込まれる割合が低下し、ポリアミン系単量体(A′)から形成される繰り返し単位が発揮する機能が低下することとなる。また、0.5モルを超えると、ポリカルボン酸系共重合体の構造が三次元構造となり過ぎて充分に本発明の作用効果を発揮することができないこととなる。化合物(a3)のモル数としては、化合物(a1)1.0モルに対して、0.02〜0.3モルとなるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.05〜0.2モルとなるようすることである。
【0031】
上記不飽和結合を有するポリアミンが有するアミノ基及びイミノ基の合計1モルに対して、炭素数2〜18のアルキレンオキシド0〜300モルを付加させることによりポリアミン系化合物を得ることになる。不飽和結合を有するポリアミンのアミノ基やイミノ基に付加させる炭素数2〜18のアルキレンオキシドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドの1種又は2種以上が挙げられる。
【0032】
上記ポリアミン系化合物を得るには、不飽和結合を有するポリアミンが有するアミノ基及びイミノ基のいずれか又は両方に炭素数2〜18のアルキレンオキシドを付加させてもよく、付加させなくてもよいが、付加させることが好ましい。この場合、炭素数2〜18のアルキレンオキシドは、活性水素原子をもつアミノ基やイミノ基の窒素原子に付加することになる。炭素数2〜18のアルキレンオキシドの付加モル数が300モルを超えると、ポリアミン系化合物の分子量が大きくなることに起因してポリカルボン酸系共重合体中の窒素原子の数が少なくなり、本発明の作用効果を充分に発揮することができないこととなる。炭素数2〜18のアルキレンオキシドの好ましい付加モル数は、不飽和結合を有するポリアミンが有するアミノ基及びイミノ基の合計1モルに対して、0.2〜100モルである。より好ましくは、0.5〜50モル、更に好ましくは、1〜20モルである。
【0033】
上記ポリアミン系化合物を化合物(a1)、化合物(a2)及び化合物(a3)から縮重合反応及び付加反応の2段反応により得る反応式の一例を下記に示す。
【0034】
【化1】
【0035】
上記反応式中、EOは、エチレンオキシドを表し、−EO−Hは、不飽和結合を有するポリアミンにおいて活性水素原子をもつ窒素原子にエチレンオキシドが付加していることを表し、qは、ジエチレントリアミンのモル数を表し、rは、アジピン酸のモル数を表し、sは、アジピン酸とジエチレントリアミンとから形成される繰り返し単位のモル数を表す。
【0036】
本発明における不飽和カルボン酸系単量体(B)としては、不飽和結合とカルボアニオンを形成しうる基とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和結合とカルボアニオンを形成しうる基とを1つずつ有する単量体であれば特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0037】
【化2】
【0038】
上記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。
上記一般式(1)のMにおける金属原子としては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が挙げられる。また、有機アミン基としては特に限定されず、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基等が挙げられる。更に、アンモニウム基であってもよい。このような不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等、クロトン酸;これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。これらの中でも、セメント分散性能の向上の面から、メタクリル酸;その一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等を用いることが好ましく、不飽和カルボン酸系単量体(B)として好適である。
【0039】
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和結合を1つとカルボアニオンを形成しうる基を2つとを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、それらの無水物が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸系単量体(B)としては、これらの他にも、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等が挙げられる。
【0040】
本発明におけるポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体(C)は、不飽和結合とポリアルキレングリコール鎖とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、ポリアルキレングリコールエステル系単量体や不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物等が挙げられる。
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体としては、不飽和結合とポリアルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であれば特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸ポリアルキレングリコールエステル系化合物が挙げられ、中でも、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルが好適である。
【0041】
上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、不飽和結合を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。このような不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0042】
【化3】
【0043】
上記一般式(2)中、R1 、R2 及びR3 は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R4 は、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。RX は、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、RX Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。Xは、炭素数1〜5の二価のアルキレン基又はビニル基の場合、Xに結合している炭素原子、酸素原子同士が直接結合していることを表す。
【0044】
上記一般式(2)における−(RX O)−で表されるオキシアルキレン基が同一の不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物に2種以上存在する場合には、−(RX O)−で表されるオキシアルキレン基がランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。
【0045】
上記−(RX O)−で表されるオキシアルキレン基は、炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物であるが、このようなアルキレンオキシド付加物の構造は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド等のアルキレンオキシドの1種又は2種以上により形成される構造である。このようなアルキレンオキシド付加物の中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド付加物であることが好ましい。
【0046】
上記RX Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であるmは、1〜300の数である。mが300を超えると、単量体の重合性が低下するおそれがある。mの好ましい範囲としては、2以上であり、また、−(RX O)m−の中で、オキシエチレン基の平均付加モル数としては、2以上であることが好ましい。mが2未満であったり、オキシエチレン基の平均付加モル数が2未満であったりすると、セメント粒子等を分散させるために充分な親水性、立体障害が得られないおそれがあるため、優れた流動性を得ることができないおそれがある。mの範囲としては、より好ましくは、10〜250であり、更に好ましくは、20〜150である。また、オキシエチレン基の平均付加モル数としては、より好ましくは、10〜250であり、更に好ましくは、20〜150である。なお、平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
【0047】
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0048】
【化4】
【0049】
上記一般式(3)中、R5 は、水素原子又はメチル基を表す。RX は、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。R6 は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。mは、RX Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。
上記一般式(3)における−(RX O)−で表されるオキシアルキレン基、RX Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であるmとしては、一般式(2)と同様である。また、(メタ)アクリル酸とのエステル結合部分にエチレンオキシド部分が付加していることが(メタ)アクリル酸とのエステル化の生産性の向上の点から好ましい。
【0050】
上記R6 は、炭素数が30を超えると、ポリカルボン酸系共重合体の疎水性が強くなりすぎるために、良好な分散性を得ることができないおそれがある。R6 の好ましい形態としては、分散性の点から、炭素数1〜20の炭化水素基又は水素である。より好ましくは、炭素数1〜10、更に好ましくは、炭素数1〜3、特に好ましくは、炭素数1〜2の炭化水素基である。また、優れた材料分離防止性能の発現や、セメント組成物中に連行される空気量を適度なものとするためには、炭素数5〜20の炭化水素基とすることが好ましい。より好ましくは、炭素数5〜10の炭化水素基である。炭化水素基の中でも、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
【0051】
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、上述したものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類のいずれかに、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を1〜300モル付加したアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化物が挙げられる。
【0052】
上記エステル化物としては、例えば、以下に示す(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0053】
ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0054】
ヘプトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0055】
デカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、デカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ウンデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0056】
トリデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0057】
ヘキサデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0058】
ノナデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0059】
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記一般式(2)で表される化合物の他にも、例えば、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0060】
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体としては、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの他にも、例えば、以下のもの等が挙げられる。
【0061】
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;アルコキシ(ポリ)アルキレングリコールモノマレイン酸エステル;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールジマレイン酸エステル;炭素数1〜22個のアルコールや炭素数1〜22のアミンに炭素数2〜4のオキシアルキレンを1〜300モル付加させたアルキルポリアルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールの平均付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル等。
【0062】
本発明におけるポリカルボン酸系共重合体を形成する単量体混合物は、更に、必要に応じて、上述した必須の単量体以外のその他の単量体(D)を含んでもよい。その他の単量体(D)としては特に限定されず、例えば、以下のもの等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0063】
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類等。
【0064】
上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
【0065】
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩。
【0066】
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
【0067】
本発明における単量体混合物の共重合方法としては、上述したポリカルボン酸系共重合体における共重合方法と同様である。また、本発明におけるポリカルボン酸系共重合体の分子量も、上述したポリカルボン酸系共重合体における分子量と同様である。
【0068】
本発明のセメント混和剤は、上記ポリカルボン酸系共重合体を含むものである。セメント混和剤は、セメント組成物等に混和することができる剤、すなわちセメント添加剤等を含んでなる剤を意味する。上記ポリカルボン酸系共重合体を主成分として含むセメント混和剤は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
【0069】
上記ポリカルボン酸系共重合体は、セメント混和剤を構成するセメント添加剤の主成分として好適に用いることができるものであり、このようなセメント添加剤について以下に説明する。
上記セメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。
上記セメント組成物としては特に限定されず、例えば、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが挙げられる。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。
【0070】
上記セメントとしては特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、白色等のポルトランドセメント;アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント等の混合ポルトランドセメント等が挙げられる。上記セメントのコンクリート1m3 当たりの配合量及び単位水量としては特に限定されず、例えば、高耐久性・高強度のコンクリートを製造するためには、単位水量80〜185kg/m3 、水/セメント比=10〜70%とすることが好ましい。より好ましくは、単位水量100〜175kg/m3 、水/セメント比=10〜65%である。
【0071】
上記セメント添加剤のセメント組成物への添加方法及び添加量としては特に限定されず、例えば、添加量としては、本発明におけるセメント添加剤用ポリカルボン酸系共重合体がセメント重量の全量100重量%に対して、0.01〜10重量%となるようにすることが好ましい。0.01重量%未満であると、性能的に不充分となるおそれがあり、10重量%を超えると、経済性が劣ることとなる。なお、上記重量%は、固形分換算の値である。
【0072】
上記セメント添加剤は、通常用いられるセメント分散剤と併用することができる。上記セメント分散剤としては特に限定されず、例えば、以下のもの等が挙げられる。
リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載の如くアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載の如く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤;特開昭62−216950号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル若しくはポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体。
【0073】
特開平1−226757号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特公平5−36377号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若しくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4−149056号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体;特開平5−170501号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体からなる共重合体;特開平6−191918号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(塩)、並びに、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若しくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)からなる共重合体;特開平5−43288号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、若しくは、その加水分解物、又は、その塩;特公昭58−38380号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、若しくは、その塩、又は、そのエステル。
【0074】
特公昭59−18338号公報に記載の如くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体;特開昭62−119147号公報に記載の如くスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び必要によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、又は、その塩;特開平6−271347号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開平6−298555号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開昭62−68806号公報に記載の如く3−メチル−3ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにエチレンオキシド等を付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、又は、その塩等のポリカルボン酸(塩)。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0075】
上記セメント分散剤を併用する場合には、使用するセメント分散剤の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的に決められないが、上記セメント添加剤と上記セメント分散剤との配合重量の割合は、5〜95:95〜5であることが好ましい。より好ましくは、10〜90:90〜10である。
また、上記セメント添加剤は、他のセメント添加剤と組み合わせて用いることもできる。上記他のセメント添加剤としては特に限定されず、例えば、以下に示す様な他の公知のセメント添加剤(材)等が挙げられる。
【0076】
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンのポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、バキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
【0077】
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
【0078】
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
【0079】
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
【0080】
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
【0081】
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
【0082】
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
【0083】
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
【0084】
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0085】
上記セメント添加剤は、上述した公知のセメント分散剤やセメント添加剤(材)の他に、セメント組成物の分散性、抑泡制等を向上させるものと併用させてもよい。
上記セメント添加剤や上記セメント分散剤をセメント組成物に加える方法としては特に限定されず、例えば、これらのセメント添加剤やセメント分散剤を混合してセメント混和剤とし、セメント組成物への混入を容易として行うことが好ましい。
【0086】
本発明のセメント混和剤を加えたセメント組成物は、流動性及び流動保持性が優れることから、減水性と作業性が優れたものとなり、しかも、その硬化物の強度や耐久性が優れたものとなる。従って、本発明のセメント混和剤は、超高強度コンクリートに好適に用いることができ、超高強度用減水剤として充分な作用効果を発揮することができることとなる。
【0087】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、%は、重量%を意味するものとする。
【0088】
製造例1(ポリアミドポリアミン単量体:AGE−1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、水分離器及びコンデンサーを備えたガラス製反応容器にジエチレントリアミン600gを仕込み、90℃に加熱した。次にアジピン酸730.9gを添加し、アジピン酸をジエチレントリアミンに溶解させ、窒素雰囲気下、反応容器内の温度を140℃から160℃に保ち生成する水を抜き取った。酸価が16になったところで、アリルグリシジルエーテル92.9g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル1.7gを加え、更に160℃で2時間撹拌した。その後、水を加え固形分58.3%のポリアミドポリアミンモノマー水溶液を得た。引き続き、オートクレーブに上記で得られたポリアミドポリアミンモノマー水溶液1926.6gを仕込み、50℃まで昇温した。次に、エチレンオキシド630.5gを2時間かけて滴下し、その後2時間熟成させて、ポリアミドポリアミンモノマー(AGE−1、固形分:68.6%)を得た。
【0089】
製造例2(ポリアミドポリアミン単量体:GMA−1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、水分離器及びコンデンサーを備えたガラス製反応容器にジエチレントリアミン600gを仕込み、90℃に加熱した。次にアジピン酸730.9gを添加し、アジピン酸をジエチレントリアミンに溶解させ、窒素雰囲気下、反応容器内の温度を140℃から160℃に保ち生成する水を抜き取った。酸価が18になったところで反応を終了し、水を加え固形分60.8%のポリアミドポリアミンモノマー水溶液を得た。引き続き、オートクレーブに上記で得られたポリアミドポリアミンモノマー水溶液246.6g、水53.4gを仕込み、50℃まで昇温した。次にメタクリル酸グリシジル15.0g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.23gを仕込み、1時間かけて反応させた。その後、エチレンオキシド75.8gを2時間かけて滴下し、その後2時間熟成させて、ポリアミドポリアミンモノマー(GMA−1、固形分:61.6%)を得た。
【0090】
比較製造例1(ポリアミドポリアミン単量体:H−1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、水分離器及びコンデンサーを備えたガラス製反応容器にジエチレントリアミン600gを仕込み、90℃に加熱した。次にアジピン酸730.9gを添加し、アジピン酸をジエチレントリアミンに溶解させ、窒素雰囲気下、反応容器内の温度を140℃から160℃に保ち生成する水を抜き取った。酸価が14になったところで、メタクリル酸70.1g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル1.7gを加え、更に160℃で反応を行い生成水を抜き取った。酸価が18になったところでその後、水を加え固形分58.3%のポリアミドポリアミンモノマー水溶液を得た。引き続き、オートクレーブに上記で得られたポリアミドポリアミンモノマー水溶液1926.6gを仕込み、50℃まで昇温した。次に、エチレンオキシド630.5gを2時間かけて滴下し、その後2時間熟成させて、ポリアミドポリアミンモノマー(H−1、固形分:68.6%)を得た。
【0091】
実施例1
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水105gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で90℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)56.29g、メタクリル酸14.95g、製造例1で合成したポリアミドポリアミンモノマー(A−1)18.76g、水75.01g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.52gを混合したモノマー水溶液165.5gを2時間、過硫酸アンモニウム2.34gを27.66gの水に溶かした開始剤水溶液を2.5時間かけて反応容器に滴下した。その後、2時間引き続いて90℃を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量19100の共重合体からなるセメント混和剤を得た。
【0092】
実施例2
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水102.2g及び製造例2で合成したポリアミドポリアミンモノマー(A−2)7.1gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)99.6g、メタクリル酸28.3g、水31.8g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.9gを混合したモノマー水溶液160.7gを4時間、過硫酸アンモニウム1.6gを28.4gの水に溶かした開始剤水溶液を5時間かけて反応容器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量20900の共重合体からなるセメント混和剤を得た。
【0093】
比較例1
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水105gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で90℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)56.29g、メタクリル酸14.95g、比較製造例1で合成したポリアミドポリアミンモノマー(H−1)18.76g、水75.01g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.52gを混合したモノマー水溶液165.5gを2時間、過硫酸アンモニウム2.34gを27.66gの水に溶かした開始剤水溶液を2.5時間かけて反応容器に滴下した。その後、2時間引き続いて90℃を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量20000の共重合体からなるセメント混和剤を得た。
【0094】
モルタル調整方法
太平洋普通ポルトランドセメント(商品名、太平洋セメント社製)800g、豊浦標準砂400gをモルタルミキサー(商品名:N−50、ホバート社製)により30秒間空練りした。次いで、実施例で合成した共重合体又は比較例で合成した共重合体を配した水180gを空練りしたセメントと砂の混合物に投入して、高速回転で5分間混練してモルタルを調製した。実施例の共重合体及び比較例の共重合体は、セメント重量に対する固形分重量%が表1に示した値となるように配合した。なお、それぞれのモルタルの調製において、モルタルミキサーによる空練り及び混練条件は均一になるようにした。
【0095】
評価方法
(1)モルタル均一時間
モルタルミキサーにより重合体を配合した水180gを空練りしたセメントと砂の混合物に投入して、高速回転で5分間混練する際にモルタルが均一状態となった時間(秒)を目視により測定してモルタル均一時間とした。
(2)フロー値
調製したモルタルを注水後6分後に、ステンレス板上に置いた直径55mm、高さ50mmの中空円筒の容器に詰め、次いで、この中空円筒の容器を垂直に持ち上げた後、ステンレス板上に広がったモルタルの直径を縦横2方向について測定し、この平均値をフロー値(mm)とした。フロー値は大きいほど流動性が高いことを示している。
【0096】
【表1】
【0097】
ポリアミン化合物にカルボキシル基を有する不飽和化合物により、アミド結合で不飽和結合を導入した単量体(A)を用いた比較製造例の共重合体と本発明のポリアミン化合物にグリシジル基を有する不飽和化合物により、エーテル結合で不飽和結合を導入した単量体(A)を用いた実施例1、2の共重合体の同一フロー値を得るのに必要な添加量を比較すると、比較例の共重合体では添加量が0.43重量%/セメント必要であるのに対して、本発明の実施例1、2の共重合体では0.40重量%、0.30重量%/セメントと比較製造例の共重合体よりも少ない添加量で同一フロー値を得ることができることから、減水性に優れることがわかる。また、モルタル均一時間を比較すると、比較製造例の共重合体では110秒であるのに対して、実施例1、2の共重合体では85、65秒とモルタル均一時間が大幅に短縮できていることがわかる。
【0098】
【発明の効果】
本発明のセメント混和剤は、上述の構成よりなるので、セメント組成物等の減水性や作業性を優れたものとし、しかも、その硬化物の強度や耐久性を優れたものとすることができることから、セメントペースト、モルタル、コンクリート等、特に超高強度コンクリートに好適に適用することができるものである。
Claims (1)
- ポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤であって、
該ポリカルボン酸系共重合体は、ポリアミン系単量体(A′)5〜40重量%、下記一般式(1)
該ポリアミン系単量体(A′)は、ポリアルキレンポリアミン1.0モルに対して、二塩基酸及び/又は二塩基酸と炭素数1〜4のアルコールとのエステル0.5〜1.0モル、並びに、エポキシ基を有する不飽和化合物0.01〜0.5モルを反応させて得られる不飽和結合を有するポリアミンのアミノ基及びイミノ基の合計1モルに対して炭素数2〜18のアルキレンオキシド0.2〜300モルを付加させたポリアミン系化合物である
ことを特徴とするセメント混和剤。
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