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JP5001953B2 - 長鎖ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

長鎖ジカルボン酸の製造方法 Download PDF

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JP5001953B2
JP5001953B2 JP2008548080A JP2008548080A JP5001953B2 JP 5001953 B2 JP5001953 B2 JP 5001953B2 JP 2008548080 A JP2008548080 A JP 2008548080A JP 2008548080 A JP2008548080 A JP 2008548080A JP 5001953 B2 JP5001953 B2 JP 5001953B2
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Description

発明の詳細な説明
(発明の技術分野)
本発明は微生物を利用した直鎖炭化水素からの長鎖ジカルボン酸の有利な製造方法に関する。
(発明の背景技術)
いくつかの酵母の菌株は、アルカン又は脂肪酸を炭素源として培養した際の副生成物としてアルファ、オメガ-ジカルボン酸類を排出することが知られている。特に、C.アルビカンス(C. albicans)、C.クロアカエ(C. cloacae)、C.グイリエルモンディ(C. guillermondii)、C.インターメディア(C. intermedia)、C.リポリティカ(C. lipolytica)、C. マルトーサ(C. maltosa)、C. パラプシローシス(C. parapsilosis)及びC.ゼイレノイデス(C. zeylenoides)のようなカンジダ属に属する酵母は前記ジカルボン酸類を産生することが知られている (Isamu Shiio and RyousukeUchio, Agr. Biol. Chem. 1971, 35: 2033-2042)。C.トロピカリス(C. tropicalis)において、オメガ-酸化経路における第1段階は、チトクロームP450モノオキシゲナーゼ及びNADPH-チトクロームレダクターゼを含む膜結合性酵素複合体(オメガ-ヒドロキシラーゼ複合体)により触媒される。このヒドロキシラーゼ複合体はアルカン及び脂肪酸における末端メチル基の一次酸化の要因である(Michele Gilewicz, Marcelle Zacek, Jean-Claude Bertrand, and Edgard Azoulay, Can. J. Microbiol., 1979, 25, 201)。
炭化水素基質は酵母のミクロソーム内で触媒的に酸化されることが確立されている。細胞内への輸送に続き、n-アルカン基質は例えば、特定のシトクロムP450系により脂肪族アルコールへヒドロキシル化される。アルコールオキシダーゼ及びアルデヒドデヒドロゲナーゼによって触媒されたさらなる2つの酸化工程により対応する脂肪酸に通じる。脂肪酸は同じ経路を通り対応するジカルボン酸へとさらに酸化することができる(Colin Ratledge, J. Am. Oil Chem. Soc., 1984, 61(2), 447-453)。二末端基酸化は脂肪族炭化水素からの、酵母によるジカルボン酸の産生に通じる (Shigeo Ogino, Keiji Yano, Gakuzo Tamura and Kei Arima, Agri.Biol.Chem., 1965, 29(11),1009-1015)。
脂肪酸のオメガ-酸化はCoAの活性化の必要性なしにオメガ-ヒドロキシ-脂肪酸及びそのアルデヒド誘導体を介して対応するジカルボン酸に進む。しかしながら、脂肪酸及びジカルボン酸の両方は、対応するアシル-CoAエステルの活性化の後にペルオキシソーム内におけるβ-酸化経路により分解され(Atsuo Tanaka and saburo Fukui, In: The Yeasts, Vol.3, Metabolism and physiology of Yeasts, Edited by A.H.Rose and J.S.Harrison, 2nd Edition, Academic Press, Harcourt Brace Jovanovich, Publishers)、鎖の短縮が起こる。酵母において、ベータ-酸化はペルオキシソーム内で単独で行われる(Mitsuyoshi Ueda, Kazunori Yamanoi, Tadashi Morikawa, Hirofumi Okada and Atsuo Tanaka, Agr. Biol. Chem., 1985, 49, 1821-1828)。
C.トロピカリスを含む多くの酵母による発酵により産生されるジカルボン酸は、本来の基質より1組以上の炭素原子分短く、混合物であることが一般的である(Shigeo Ogino, Keiji Yano, Gakuzo Tamura and Kei Arima, Agr. Biol. Chem., 1965, 29(11), 1009-1015., Shio and Uchio, Agr. Biol. Chem., 1971, 35(13), 2033-2042)。これらの望まない副生成物は、度々ジカルボン酸の生物学的産生に付随する。
適切な変異株の使用によって二酸の形成が実質的に増加することが知られている (RyousukeUchio and Isamu Shiio, Agri.Biol.Chem, 1972, 36(3), 426-433)。野生型酵母はたとえあったとしても極少量のジカルボン酸を産生する。しばしば、変異株はジカルボン酸の収量を増加させるアルカン、脂肪酸又はジカルボン酸基質を用いて成長する能力が部分的に欠損している。しかしながら、これらの変異体は成長のための炭素源としてこれらの化合物を利用するそれらの減少している能力を超えて特徴付けられていない。ほぼ確実に、それらのジカルボン酸を産生する能力はベーター酸化経路の部分的な遮断で高められる。さらに、ベータ-酸化を阻害することが知られている化合物(すなわち、アクリレート)もまた、ジカルボン酸収量を増加させる。
さらに、そのような変異体の使用は、不飽和、ヒドロキシル化又は鎖の短縮のような、ベータ酸化を通過することに付随する望まない鎖の修飾を防止すべきである。
多くの生物は、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)及びシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、コリネバクテリウム種(Corynebacterium sp.)及び少なくとも2つのカンジダ菌株、つまりC.クロアカエ及びC.トロピカリスを含む形質転換を行う(Kenneth D.Green, Michael K.Turner, Johm M.Woodley, Enzyme and Microbial Technology, 2000, 27, 205-211)。
細菌性細胞を用いる仕事は野生型生物を使用し、そこでは、溶剤、洗剤及び固定のすべてが、改良された変換をもたらす。(E.C.Chan and J.Kuo, Biotransformation of dicarboxylic acid by immobilized Cryptococcus cells. Enzyme Microb Technol, 1997, 20, 585-589)。対象的に、酵母菌株を用いる仕事は通常、脂肪酸のベータ酸化が損なわれた、カンジダ・トロピカリスの変異株を用いる。ベータ酸化のいくつかの重要な酵素が欠損しているC.トロピカリスの操作菌株は特にこれらの酸化に効果的な触媒である。これはω酸化に代謝の流れを向け、n-アルカンはより効率的に、対応する二酸に変換される。
(発明の目的)
本発明の主な目的は対応する長鎖炭化水素から微生物を使用することで改良された収量及び選択性を有する飽和ジカルボン酸の製造方法を提供することである。本発明の他の目的は以下の記載から明らかになるだろう。
(発明の概要)
本発明は同じ炭素原子数を有する1以上の対応する飽和炭化水素からの1以上の飽和ジカルボン酸の製造方法を提供する。前記方法においては、出発化合物の立体構造が維持され、カンジダ・ビニ(Candida vini)、カンジダ・エンタモフィア(Candida entamophila)、カンジダ・ブランキィ(Candida blankii)及びピキア・フェリノサ(Pichia farinosa)からなる群から選択される菌株を基質として飽和炭化水素を含む液体培地中で培養することを含む。
本発明の一実施態様において、飽和炭化水素基質の濃度は5-15%(v/v)である。本発明の他の実施態様において液体培地は金属塩及び有機補助因子(organic cofactors)を含む。
本発明の他の実施態様において、培養は20〜35℃の温度で3日間までの期間行われる生化学的酸化を含む。
本発明の他の実施態様において、飽和炭化水素は13個の炭素原子及び両端にメチル基を有する直鎖炭化水素である。
本発明の他の実施態様において、飽和ジカルボン酸は任意の従来の手段によって回収される。
本発明の他の実施態様において、飽和炭化水素はトリデカンであり、対応する産生された飽和ジカルボン酸はブラシル酸(Brassylic acid)である。
本発明の他の実施態様において、長鎖ジカルボン酸の製造方法は、直鎖炭化水素を前記炭化水素に対応する長鎖ジカルボン酸を含む発酵ブロスを得る為の基質として含む液体培地中で直鎖炭化水素を同化することができるカンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサからなる群から選択される酵母菌株を培養すること及び前記飽和長鎖ジカルボン酸を回収することを含む。
本発明の他の実施態様において、培養は好気条件下で行う。
本発明の他の実施態様において、微生物菌株を最初にn-デカン及びn-ドデカン及び微生物により同化可能なものから選択される異なる炭素源を含む培地中で培養し、続いて微生物が十分に成長した後に培地に飽和炭化水素を添加し、好気条件下で酸化を継続し、飽和ジカルボン酸を産生する。
本発明の他の実施態様において、培養の初期段階における培地のpH値が6.0〜7.0の範囲であり、その後の培養状態において7.0である。
本発明の他の実施態様において、H2O2、アルカン及びそれらの混合物からなる群から選択される1以上の収量誘導物質(yield inducers)が液体培地に添加される。
本発明の他の実施態様において、液体培地を、ヘキサンで抽出して未反応炭化水素のような不要物を取り除き、モノカルボン酸のような副生成物を効果的に除去して発酵ブロス中に前記ジカルボン酸を残し、次に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムからなる群から選択されるアルカリ溶液を発酵ブロスに添加して溶液のpHを10〜13に好ましくは11〜12に調整してジカルボン酸を前記発酵ブロスに溶解し、続いて発酵ブロスのpHを塩酸、硫酸、リン酸、及び臭素酸からなる群から選択される鉱酸を用いてpH2に調整して溶解したジカルボン酸を沈降し、次にジカルボン酸をエーテルで抽出する、
本発明の他の実施態様において微生物の成長用培地は3.0gの酵母エキス、3.0gの麦芽エキス、5.0gのペプトン、10gのグルコース及び1Lの蒸留水を含み、pH 7.0である。
本発明の他の実施態様においてジカルボン酸の産生試験用培地は10gの(NH4)2HPO4、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、9mlのトリデカン及び900mlの蒸留水を含み、pH 7.0である。
本発明の他の実施態様において、発酵のための休止細胞及び種培養の調製用培地は20gのD-ソルビトール、10gの(NH4)2HPO4、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、2gの酵母エキス、100μgのビオチン及び900mlの蒸留水を含み、pH 7.0である。
本発明の他の実施態様において発酵のための培地は、5% v/vのトリデカン、5gの酢酸ナトリウム、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、2gの酵母エキス及び900mlの蒸留水を含み、pH 7.0である
本発明の他の実施態様において、ピキア・フェリノサのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性は73.81 %であり、変換%は21.59 である。
本発明の他の実施態様において、カンジダ・ブランキィのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性は45.68%であり、変換%は5.22である。
本発明の他の実施態様において、カンジダ・ ビニのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性は99.18%であり、変換%は2.80である。
本発明の他の実施態様において、カンジダ・ エンタモフィアのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性は23.58%であり、変換%は28.70である。
本発明の他の実施態様において、培地は窒素源及び無機塩から選択される1以上の付加的窒素源を含む。
本発明の他の実施態様において、窒素源はペプトン、尿素、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される。
本発明の他の実施態様において、無機塩は、リン酸、硫酸及び塩酸の、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ニッケル及び亜鉛塩からなる群から選択され、KH2PO4、K2HPO4、Na2HPO4.12H2O、MgSO47H2O、FeSO4.7H2O、ZnSO4.7H2O及びNaClからなる群からそれぞれ選択される、
本発明の他の実施態様において、酵母エキス、肉エキス及びD-ビオチンからなる群から選択される一以上の従来の栄養素を、酵母の成長を補助するために培地に加える。
(発明の詳細な説明)
本発明において開示されるのは、直鎖飽和炭化水素(トリデカン)を基質として含む液体培地中で長鎖ジカルボン酸を産生することができるカンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサに属する微生物の培養による、長鎖ジカルボン酸の製造方法である。
本発明は、前記酵母菌株の使用による飽和炭化水素からの前記飽和ジカルボン酸の製造方法に関する。
本発明の一実施態様において、長鎖ジカルボン酸の製造は、直鎖炭化水素を基質として含む液体培地中で直鎖炭化水素を同化することができる、カンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサからなる群から選択される酵母菌株を培養することを含む
飽和ジカルボン酸の調製のための出発物質として採用される炭素源は、13個の炭素原子を有する飽和炭化水素である。
本発明において、飽和炭化水素は好気条件下、13個の炭素原子を有する飽和ジカルボン酸を製造する為の、上記微生物の培養の為の炭素源として採用される。代わりに、微生物は、最初に上記飽和炭化水素よりもむしろn-デカン、n-ドデカンのような微生物が同化可能な異なる炭素源を含む培地内で培養することができる。前記飽和炭化水素はその後、微生物が十分に成長した後に培地に添加され、好気条件下培養を継続し、飽和ジカルボン酸を製造する。
本発明のさらに他の実施態様において、上記酵母の休止細胞は以下の方法に従って、飽和ジカルボン酸の調製の為に採用することができる。第1に微生物を、飽和炭化水素すなわち出発物質とは異なる、微生物が同化可能な炭素源を含む培地内で培養する。続いて、微生物を飽和炭化水素を含む培地、すなわちジカルボン酸の産生の試験用培地である培地B内で培養し、かくして培養した微生物を、発酵実験の為の休止細胞及び種培養の調製用培地Dに移す。休止細胞は上記飽和炭化水素を触媒酸化し、飽和ジカルボン酸を得る為に採用される。この反応は培地Dを取り除き培地E、すなわち発酵培地に適切な量の飽和炭化水素を添加した後に、微生物を懸濁させることによって行うことができる。微生物の休止細胞が使用される工程において微生物の培養及び前記飽和炭化水素の酸化は別々に行われる。酸化工程において前記微生物は炭素源がないのでもはや培養することができない。酸化工程で使用される前記出発物質である飽和炭化水素は、微生物の培養には使用されない。
前記飽和炭化水素は好ましくは、前記飽和炭化水素が液体である為、一般的に十分に激しく攪拌又は振とうすることにより水相及び微生物と接触した状態で維持される。必要であれば、界面活性剤等を加えることにより十分な接触を達成することができる。
本発明の培養工程は前述の炭素源及び窒素源及び無機塩のような他の従来の栄養素を含む培地中で行われる。適切な窒素源にはペプトン、尿素、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムのような有機及び無機窒素含有化合物が挙げられる。無機塩の例には、KH2PO4、K2HPO4、Na2HPO4.12H2O、MgSO47H2O、FeSO4.7H2O、ZnSO4.7H2O 及びNaClのような、リン酸、硫酸及び塩酸の、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ニッケル及び亜鉛塩が挙げられる。さらに、酵母エキス、肉エキス及びD-ビオチンのような他の栄養素も、酵母の成長を補助する為に添加することができる。
培養は室温又は室温より少し高い温度で行い、温度は20℃〜35℃の範囲が好ましい。培養の初期段階における培地のpH値が6.0〜7.0の範囲であり、その後の培養状態において7.0であり、pHはアンモニア、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような中和剤の添加により調整する。
培養はさらに、通気下での振とう又は攪拌のような好気条件下で行う。これらの方法は、出発化合物として使用される飽和炭化水素、液体培地及び空気相間の良好な接触を引き起こすことができる。
上記培養において、前記微生物は前記飽和炭化水素を酸化するために成長させ、前記飽和ジカルボン酸は培地に蓄積する。
D-ビオチンが栄養素及び前記飽和炭化水素としてD-ソルビトールのような他の炭素源と共に導入された場合は、微生物ははじめに飽和炭化水素よりむしろ炭素源を用いて成長する。休止細胞培地はD-ビオチン、およびD-ソルビトールを含み、かくして成長させた微生物はその後発酵培地内において飽和炭化水素の酸化を始める。
培地内で産生し、同化された前記飽和ジカルボン酸は回収及び単離することができる。 例えば、有機溶媒による抽出又は液体培地のpH値の調整による沈降が一般的に採用される。液体培地はもし必要であれば遠心又はろ過のような適切な方法で微生物を取り除くことができる。こうして処置した液体培地は次に酸性化した後にジエチルエーテルによる抽出のような適切な方法を前記所望の生成物を有効に単離するために行う。
前記飽和ジカルボン酸生成物は以下のように同定される。液体培地又は反応溶液は飽和ジカルボン酸を溶解するために水酸化カリウムでアルカリ化する。溶液を採り、濃塩酸で酸性化しジエチルエーテルで抽出する。エーテル抽出物は続いてメチル化のためにジアゾメタンで処理し、ガスクロマトグラフィ及びGC-MS(ガスクロマトグラフフィー及び質量スペクトル測定)で分析する。
前述したように、本発明は現在のところ、合成的手法では非常に調製するのが難しい前記飽和ジカルボン酸について、前記飽和炭化水素に微生物を用いた工程を適用する前記飽和ジカルボン酸の製造方法を提供する。
本発明の顕著な特徴は、前記炭化水素に対応する長鎖ジカルボン酸を含む発酵ブロスを得る為の基質として直鎖炭化水素を含む液体培地中で直鎖炭化水素を同化することができるカンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサに属する4種の酵母にある。
全ての関連する微生物菌株を表1に記載する。
表1:直鎖飽和炭化水素(トリデカン)を基質として含む液体培地中で長鎖ジカルボン酸を産生すことができることが明らかとなった微生物菌株の一覧
Figure 0005001953
(材料及び方法)
微生物: ジカルボン酸を生産すると同様にn-アルカンを利用する微生物は、培養ストックからスクリーニングした。75種中4種がn-アルカンから前記ジカルボン酸を産生する点において陽性とスクリーニングされた。ピキア・フェリノサ、カンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィがトリデカンからブラシル酸を産生する為にスクリーニングされた。
培地: 以下の培地を採用した
培地 A: 微生物の成長培地
酵母エキス 3.0g、麦芽エキス 3.0g、ペプトン 5.0g、グルコース 10g及び蒸留水 1L、pH 7.0
培地B:ジカルボン酸の生産試験用培地
(NH4)2HPO4 10g、K2HPO4 2g、MgSO4 0.3g、FeSO4.7H2O 10mg、ZnSO4.7H20 8mg、MnSO4 8mg、トリデカン 9ml及び蒸留水 900ml、pH 7.0
培地D:発酵実験用の休止細胞及び種培養の調製用培地
D-ソルビトール 20g、(NH4)2HPO4 10g、K2HPO4 2g、MgSO4 0.3g、FeSO4.7H2O 10mg、ZnSO4.7H20 8mg、MnSO4 8mg、酵母エキス 2g、ビオチン 100μg及び蒸留水900ml、pH 7.0.
培地E:ジカルボン酸の生産の為の発酵用培地
トリデカン 5% v/v、酢酸ナトリウム 5g、K2HPO4 2g、MgSO4 0.3g、FeSO4.7H2O 10mg、ZnSO4.7H20 8mg、MnSO4 8mg、酵母エキス 2g及び蒸留水 900ml、pH 7.0
培養
培地Aは微生物の成長用である。前記微生物は栄養培地寒天斜面から、培地Aに移し振とう培養器で30℃、200rpmで2日間インキュベートした。10mlの種菌を培地Aから100mlの培地Bへ500mlフラスコ内で移し、培養は30℃、200rpmで2日間振とう培養器で行い、ジカルボン酸の産生をチェックした。休止細胞の調製の為に、10mlの種菌を培地Bから200mlの培地Dに500ml円錐フラスコ内で移し、培養は30℃、200rpmで2日間行った。
回転式振とう培養器で200rpm、2日間培養した後、前記有機体を含む培地Dを8,000rpm、10分間遠心し、細胞ペレットを集めた。前記酵母の細胞ペレットを培地E、つまり前記飽和炭化水素を基質として含む液体培地から前記ジカルボン酸を生成するための発酵培地に移した。
本発明で使用可能な微生物は、直鎖炭化水素から長鎖ジカルボン酸を生成する能力を有する、カンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサに属するものである。本発明の他の目的は、前記微生物を誘導物質と共に使用して直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の収量の増加を提供することである。H2O2、アルカン、H22及びアルカンの組み合わせのような誘導物質は飽和炭化水素を基質として含む液体培地からの前記ジカルボン酸の生成の収量を増加させる為に使用される。
長鎖ジカルボン酸を産生するカンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサに属する酵母は、基質として直鎖飽和炭化水素、特に炭素数13のものを含む培地に播種及び培養し、培地のpHを培養の初期段階において6.0〜7.0の範囲、その後残りの培養過程において7.0に調整する。pHは好ましくはアンモニア、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような中和剤で調整し、このことにより、高収量の、培地の基質として使用される炭化水素に対応した長鎖ジカルボン酸を産生する。炭化水素(基質としての)及びアルカリ性物質の添加のための手段としては、あらかじめ混合し、及び適当な方法で乳剤を作ることによってそれらを同時に加えてもよく、又はそれらを互いに別々に加えても良い。培養はさらに、通気下での振とう又は攪拌のような好気条件下で行う。これらの方法は、出発化合物として使用される飽和炭化水素、液体培地及び空気相間の良好な接触を引き起こすことができる。
D-ビオチンが栄養素及び前記飽和炭化水素としてD-ソルビトールのような他の炭素源と共に導入された場合は、微生物ははじめに飽和炭化水素よりむしろ炭素源を用いて成長する。休止細胞培地はD-ビオチン、およびD-ソルビトールを含み、かくして成長した微生物はその後発酵培地内において飽和炭化水素の酸化を始める。
前記ジカルボン酸産生酵母を培養の初期段階において培地のpHを6.0〜7.0に調整した前記培地中で培養することにより、培養の過程で培地中に混入した他の微生物の混合及び成長により引き起こされる前記酵母のジカルボン酸産生能力の損傷を防ぐことが可能となる。前記ジカルボン酸産生酵母の培養期間は 培養開始時の培地pHを維持しながら行うべきである。
上記培養において、前記微生物が前記飽和炭化水素を酸化させるために育てられ、前記飽和ジカルボン酸は培地に蓄積する。
液体培地は、未反応炭化水素やモノカルボン酸のような副生成物のような発酵ブロス中に長鎖ジカルボン酸と混合物として存在する物を取り除く為にヘキサンで抽出し、前記ジカルボン酸を前記ブロス中に残して効果的に除去され、次にジカルボン酸を前記発酵ブロスに溶解するために、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ溶液を前記培養で得た発酵ブロスに添加して溶液のpHを10〜13に好ましくは11〜12に調整する。前記発酵ブロスはpH2に調整する。溶解したジカルボン酸を沈降させる適切な強鉱酸の非限定的な例としては塩酸、硫酸、リン酸、臭素酸が挙げられ、実質的に溶解した状体で存在する長鎖ジカルボン酸をエーテルで抽出した。得られた生成物はガスクロマトグラフィーにより定量した。
GCアッセイ法
GC条件は充填カラム及びキャピラリーカラムで標準化されている。
Figure 0005001953

アルカン酸化経路のスキームは以下に示す通りである。
微生物酸化
H3C-(CH2)11-CH3→HOOC-(CH2)11-COOH
本発明はここで以下の例証的な実施例を参照しさらに詳細について記載する。
実施例1:ピキア・フェリノサを用いたトリデカンの発酵によるブラシル酸の産生
1白金耳(loopful)のピキア・フェリノサ(MTCC998)を、栄養培地寒天斜面から、培地Aに移し、回転式振とう培養器で30℃、200rpmで2日間インキュベートした。10mlの種菌を培地Aから100mlの培地Bへ500mlフラスコ内で移し、培養は30℃、200rpmで2日間振とう培養器で行い、ジカルボン酸の産生を試験した。休止細胞の調製の為に、10mlの種菌を培地Bから200mlの培地Dに500ml円錐フラスコ内で移し、培養は30℃、200rpmで2日間行った。
本発明の一つの態様は前記微生物を誘導物質と共に使用して直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の収量の増加を提供することである。0.1%H2O2及び0.1%アルカンは培地D中で誘導物質として使用された。回転式振とう培養器で200rpm、2日間培養した後、前記微生物を含んだ培地Dを8,000rpm、10分間遠心した。前記酵母を含む前記ブロスの遠心により、10.08gm(200mlの培地Dに対し)の細胞ペレットを得た。全ての培地は121℃で20分間滅菌した。
得られた前記酵母の細胞ペレットを、液体培地から前記ジカルボン酸(ブラシル酸)を産生するための5%(v/v)の前記飽和炭化水素(トリデカン)を有する培地E、発酵培地に移す。
炭素源は好ましくは水相及び微生物と接触した状態に維持される。酸化は室温で行われ、20℃〜35℃の範囲の温度が好ましい。培養の初期段階における培地のpH値が6.0〜7.0の範囲であり、その後次の培養状態において7.0であり、pHは好ましくはアンモニア、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような中和剤の添加により調整する。
液体培地は、未反応炭化水素やモノカルボン酸のような副生成物のような発酵ブロス中に長鎖ジカルボン酸と混合物として存在する物を取り除く為ヘキサンで抽出し、前記ジカルボン酸を前記ブロス中に残して効果的に除去される、次にジカルボン酸を前記発酵ブロスに溶解するために、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ溶液を前記培養で得た発酵ブロスに添加して溶液のpHを10〜13に好ましくは11〜12に調整する。前記発酵ブロスはpH2に調整する。溶解したジカルボン酸を沈降させる適切な強鉱酸の非限定的な例としては塩酸、硫酸、リン酸、臭素酸が挙げられ、実質的に溶解した状体で存在する長鎖ジカルボン酸をエーテルで抽出した。
得られた生成物はガスクロマトグラフィーにより定量し、GC-MSで同定した。生成物のGC-MSデータが基準試料のものと一致したので、生成物はブラシル酸として同定された。
ピキア・フェリノサは、73.81%の選択性を有するトリデカンの酸化により3876.71mg/Lのブラシル酸を産生し、変換%は21.59である。
実施例 2: カンジダ・ビニを用いたトリデカンの発酵によるブラシル酸の産生
1白金耳のカンジダ・ビニ(MTCC1387)を、栄養培地寒天斜面から、培地Aに移した。培養は回転式振とう培養器で30℃、200rpmで2日間行った。培養は実施例1に記載されたものと同じ方法で行った。
本発明において、前記微生物を用いた直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の収量は、培地D内で0.1%アルカンを誘導物質として用いることで増加した。回転式振とう培養器で200rpm、2日間培養した後、前記微生物を含んだ培地Dを8,000rpm、10分間遠心した。前記酵母を含む前記ブロスの遠心により、3.098gm(200mlの培地-Dに対し)の細胞ペレットを得た。全ての培地は121℃で20分間滅菌した。
得られた前記酵母の細胞ペレットを、液体培地から前記ジカルボン酸を産生するための5%(v/v)の前記飽和炭化水素を有する培地E、発酵培地に移す。
前記ジカルボン酸を同定するための液体培養ブロスの抽出は、実施例1に記載したように行った。
得られた生成物はガスクロマトグラフィーにより定量し、GC-MSで同定した。生成物のGC-MSデータが基準試料のものと一致したので、生成物はブラシル酸として同定された。
カンジダ・ビニは、99.18%の選択性を有するトリデカンの酸化により351.86mg/Lのブラシル酸を産生し、変換%は2.80である。
実施例3:カンジダ・エンタモフィアを用いたトリデカンの発酵によるブラシル酸の産生
1白金耳のカンジダ・エンタモフィア(MTCC1030)を、栄養培地寒天斜面から、培地Aに移した。培養は回転式振とう培養器で30℃、200rpmで2日間行った。培養は実施例1に記載されたものと同じ方法で行った。
本発明において、前記微生物を用いた直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の収量は、培地D内で0.1%H2O2及び0.1%アルカンを誘導物質として用いることで増加した。回転式振とう培養器で200rpm、2日間培養した後、前記微生物を含んだ培地Dを8,000rpm、10分間遠心した。前記酵母を含む前記ブロスの遠心により、6.79gm(200mlの培地-Dに対し)の細胞ペレットを得た。全ての培地は121℃で20分間滅菌した。
得られた前記酵母の細胞ペレットを、液体培地から前記ジカルボン酸を産生するための5%(v/v)の前記飽和炭化水素を有する培地E、発酵培地に移す。
前記ジカルボン酸を単離するための液体培養ブロスの抽出は、実施例1に記載したように行った。得られた生成物はガスクロマトグラフィーにより定量し、GC-MSで同定した。生成物のGC-MSデータが基準試料のものと一致したので、生成物はブラシル酸として同定された。
カンジダ・エンタモフィアは、23.58%の選択性を有するトリデカンの酸化により778.02mg/Lのブラシル酸を産生し、変換%は28.70である。
実施例 4:カンジダ・ブランキィを用いたトリデカンの発酵によるブラシル酸の産生
1白金耳のカンジダ・ブランキィ(MTCC 624)を、栄養培地寒天斜面から、培地Aに移した。培養は回転式振とう培養器で30℃、200rpmで2日間行った。培養は実施例1に記載されたものと同じ方法で行った。
本発明において、前記微生物を用いた直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の収量は、培地D内で0.1%H2O2及び1%アルカンを誘導物質として用いることで増加した。回転式振とう培養器で200rpm、2日間培養した後、前記微生物を含んだ培地Dを8,000rpm、10分間遠心した。前記酵母を含む前記ブロスの遠心により、6.79gm(200mlの培地Dに対し)の細胞ペレットを得た。全ての培地は121℃で20分間滅菌した。
得られた前記酵母の細胞ペレットを、液体培地から前記ジカルボン酸を産生するための5%(v/v)の前記飽和炭化水素を有する培地E、発酵培地に移す。
前記ジカルボン酸を単離するための液体培養ブロスの抽出は、実施例1に記載したように行った。
得られた生成物はガスクロマトグラフィーにより定量し、GC-MSで同定した。生成物のGC-MSデータが基準試料のものと一致したので、生成物はブラシル酸として特定された。
カンジダ・ブランキィは274.09mg/Lのブラシル酸を45.68%の選択性を有するトリデカンの酸化により産生し、変換%は5.22である。
Figure 0005001953
本発明の主な利点は、
n-アルカンの微生物による酸化により生成することができる脂肪族長鎖α,ω-ジカルボン酸(DC)は、香料、ポリマー、接着剤、マクロライド系抗生物質及び高品質潤滑剤のような合成製品の原材料として広く使用される。医薬品分野の適用において、1,13-ジカルボン酸は冠状動脈性心臓病及び関節の炎症の治療のための漢方薬の有効成分である合成ムスコンの調製において価値がある。通常、天然ムスコンは雄の成体ジャコウジカの香腺から抽出される。化学的経路を用いた長鎖アルファ、オメガジカルボン酸の合成により、より短い鎖の長さを含む混合物を得る。結果として、近年、微生物を利用する発酵工程により前記長鎖ジカルボン酸を生産する方法に対する関心が増大しているが、それゆえに大規模な精製工程が必要である。本発明の顕著な特徴は、前記炭化水素に対応する長鎖ジカルボン酸を含む発酵ブロスを得る為の基質として直鎖炭化水素(トリデカン)を含む液体培地中で直鎖炭化水素を同化することができるカンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサに属する4種の酵母にある。
本発明の他の利点は前記微生物と誘導物質を用いた直鎖炭化水素からの前記ジカルボン酸の増加した収量を産生することである。H2O2、アルカン、H2O2及びアルカンの組み合わせのような誘導物質、アルカンは基質としての飽和炭化水素を含む液体培地からの前記ジカルボン酸の収量を増加させるために使用される。

Claims (23)

  1. 1以上の飽和ジカルボン酸を、同じ数の炭素原子を有する1以上の対応する飽和炭化水素から調製する方法であって、カンジダ・ビニ、カンジダ・エンタモフィア、カンジダ・ブランキィ及びピキア・フェリノサからなる群から選択される菌株を、飽和炭化水素を基質として含む液体培地中で培養することを含み、
    使用される飽和炭化水素が、13個の炭素原子と両端にメチル基をもつ直鎖炭化水素であり、
    出発物質の立体構造が、得られる飽和ジカルボン酸において維持されることを特徴とする、前記方法。
  2. 使用される飽和炭化水素基質の濃度が5-15%(v/v)である、請求項1記載の方法。
  3. 液体培地が、金属塩及び有機補助因子を含む請求項1記載の方法。
  4. 培養が、20〜35℃の温度で、3日までの期間行われる生化学的酸化を含む、請求項1記載の方法。
  5. 飽和ジカルボン酸が培地から任意の従来手段により回収される、請求項1記載の方法。
  6. 前記使用される飽和炭化水素がトリデカンであり、及び産生される対応するジカルボン酸がブラシル酸である、請求項1記載の方法。
  7. 培養が、好気条件下で行われる請求項1記載の方法。
  8. 微生物菌株を最初にn-デカン及びn-ドデカンから選択される異なる炭素源を含む培地中で培養し、続いて微生物が十分に成長した後に培地に飽和炭化水素を添加し、好気条件下で酸化を継続し、飽和ジカルボン酸を産生する、請求項1記載の方法。
  9. 培養の初期段階における培地のpH値が6.0〜7.0の範囲であり、その後の培養状態において7.0である請求項記載の方法。
  10. H2O2、アルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される1以上の収量誘導物質を液体培地に添加する、請求項1又は記載の方法。
  11. 液体培地を、ヘキサンで抽出して未反応炭化水素のような不要物を取り除き、モノカルボン酸のような副生成物を効果的に除去して発酵ブロス中に前記ジカルボン酸を残し、次に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムからなる群から選択されるアルカリ溶液を発酵ブロスに添加して溶液のpHを10〜13に好ましくは11〜12に調整してジカルボン酸を前記発酵ブロスに溶解し、続いて発酵ブロスのpHを塩酸、硫酸、リン酸、及び臭素酸からなる群から選択される鉱酸を用いてpH2に調整して溶解したジカルボン酸を沈降し、次にジカルボン酸をエーテルで抽出する、請求項1又は記載の方法。
  12. 微生物の成長用培地が、3.0gの酵母エキス、3.0gの麦芽エキス、5.0gのペプトン、10gのグルコース及び1Lの蒸留水を含み、pH 7.0である、請求項1〜11いずれか1項記載の方法。
  13. ジカルボン酸の産生試験用培地が、10gの(NH4)2HPO4、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、9mlのトリデカン及び900mlの蒸留水を含み、pH 7.0である、請求項1〜12いずれか1項記載の方法。
  14. 発酵のための休止細胞及び種培養の調製用培地が、20gのD-ソルビトール、10gの(NH4)2HPO4、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、2gの酵母エキス、100μgのビオチン及び900mlの蒸留水を含み、pH7.0である、請求項1〜13いずれか1項記載の方法。
  15. ジカルボン酸の生産の為の発酵用培地が、5% v/vのトリデカン、5gの酢酸ナトリウム、2gのK2HPO4、0.3gのMgSO4、10mgのFeSO4.7H2O、8mgのZnSO4.7H20、8mgのMnSO4、2gの酵母エキス及び900mlの蒸留水を含み、pH 7.0である、請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
  16. ピキア・フェリノサのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性が73.81%であり、変換%が21.59である、請求項1又は記載の方法。
  17. カンジダ・ブランキィのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性が45.68%であり、変換%が5.22である、請求項1又は記載の方法。
  18. カンジダ・ビニのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性が99.18%であり、変換%が2.80である、請求項1又は記載の方法。
  19. カンジダ・エンタモフィアのトリデカンの酸化によるブラシル酸への選択性が23.58%であり、変換%が28.70である、請求項1又は記載の方法。
  20. 培地が、窒素源および無機塩からなる群から選択される1以上の付加的栄養素を含む、請求項1又は記載の方法。
  21. 使用される窒素源がペプトン、尿素、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される、請求項20記載の方法。
  22. 使用される無機塩が、リン酸、硫酸及び塩酸の、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ニッケル及び亜鉛塩からなる群から選択され、KH2PO4、K2HPO4、Na2HPO4.12H2O、MgSO47H2O、FeSO4.7H2O、ZnSO4.7H2O及びNaClからなる群からそれぞれ選択される、請求項20記載の方法。
  23. 酵母エキス、肉エキス及びD-ビオチンからなる群から選択される一以上の従来の栄養素を酵母の成長を補助するために培地に加える、請求項1又は記載の方法。
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