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JP4994054B2 - 電池用セパレータおよびリチウム二次電池 - Google Patents

電池用セパレータおよびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、安価で高温時の寸法安定性に優れたセパレータおよびこれを用いてなり、高温環境下においても安全なリチウム二次電池に関するものである。
非水電池の一種であるリチウム二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。携帯機器の高性能化に伴って素子の高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウム二次電池では、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の多孔性フィルムが使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレン(PE)が適用されることがある。
ところで、こうしたセパレータとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸あるいは二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを上記延伸によって確保している。しかし、このような延伸フィルムでは結晶化度が増大しており、シャットダウン温度も、電池の熱暴走温度に近い温度にまで高まっているため、電池の安全性確保のためのマージンが十分とは言い難い。
また、上記延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮温度は、融点、すなわちシャットダウン温度と非常に近いところに存在する。このため、ポリオレフィン系の多孔性フィルムセパレータを使用するときには、充電異常時などに電池の温度がシャットダウン温度に達すると、電流を直ちに減少させて電池の温度上昇を防止しなければならない。空孔が十分に閉塞せず電流を直ちに減少できなかった場合には、電池の温度は容易にセパレータの収縮温度にまで上昇するため、内部短絡による発火の危険性があるからである。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の信頼性を高める技術として、例えば、耐熱性の良好な多孔質基体と、フィラー粒子と、シャットダウン機能を確保するための樹脂成分とを有するセパレータを用いて電気化学素子を構成することが提案されている(特許文献1)。
国際公開2006/62153号公報
特許文献1に開示の技術によれば、異常加熱した際にも熱暴走が生じ難い安全性に優れた電池を提供することができる。
しかし、リチウム二次電池が適用される機器の高性能化は今後ますます進むものと予測され、これに伴ってリチウム二次電池への高容量化の要請も更に高まるものと考えられる。よって、リチウム二次電池の安全性を更に高めることができ、また、リチウムデンドライトによる微短絡の発生などを抑制して良好な電池特性を発揮し得るように、リチウム二次電池の信頼性を更に高め得るセパレータの開発も求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性および安全性に優れたリチウム二次電池を構成し得るセパレータ、および該セパレータを有するリチウム二次電池を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の電池用セパレータは、少なくとも、耐熱温度が150℃以上の繊維状物と融点が80〜130℃である樹脂(A)とで構成されたセパレータ層(I)、および、該セパレータ層(I)の少なくとも片面に、耐熱温度が150℃以上のフィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有することを特徴とするものである。
また、本発明のリチウム二次電池は、Li(リチウム)イオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極と、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極と、非水電解液とを有し、上記負極と上記正極との間に、本発明の電池用セパレータを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、内部短絡やリチウムデンドライトによる短絡に対する信頼性に優れ、また、短絡や過充電などにより電池の温度が異常に上昇したときの安全性にも優れたリチウム二次電池と、該リチウム二次電池を構成し得るセパレータを提供することができる。
本発明の電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という場合がある)は、少なくとも、耐熱温度が150℃以上の繊維状物と融点が80〜130℃である樹脂(A)とで構成されたセパレータ層(I)、および、該セパレータ層(I)の少なくとも片面に、耐熱温度が150℃以上のフィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有するものである。なお、本発明でいう「耐熱温度が150℃以上のフィラー(B)を主体として含む」とは、層内の構成成分の全体積中、フィラー(B)が50体積%以上であることを意味している。
セパレータ層(I)では、繊維状物が150℃以上の耐熱温度を有しており、かつ樹脂(A)の融点が80〜130℃であることから、電池内での発熱などによって樹脂(A)の融点以上に達したときに、樹脂(A)が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
セパレータ層(II)は、セパレータ本来の機能、主に正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、耐熱温度が150℃以上のフィラー(B)によってその機能を確保している。すなわち、セパレータ層(II)により、電池が通常使用される温度域では、セパレータを介して正極と負極とを押し付けて電極体を構成する場合(特に正極と負極とをセパレータを介して重ね、これを渦巻状に巻回する巻回電極体や、更にこの巻回電極体を押しつぶして扁平状にする場合など)などにおいて、正極活物質がセパレータを突き抜けて負極と接触することによる短絡の発生を防止することができる。また、特にセパレータ層(II)によって、リチウムデンドライトが発生しても、これによるセパレータの貫通を防止できるため、リチウムデンドライトによる微短絡の発生を抑えて、信頼性の高い電池を構成できる。
また、電池が高温となり、例えば樹脂(A)によるシャットダウンが起こった後、更に20℃以上セパレータの温度が上昇しても、セパレータ層(II)およびセパレータ層(I)に係る繊維状物によって、セパレータの熱収縮を抑えて、その形状を維持できるため、例えば従来のPE製多孔性フィルムで構成されるセパレータで生じていた熱収縮に起因する短絡(正負極の直接の接触による短絡)を防止することもできる。
本発明のセパレータでは、上記の各作用によって、電池内部が異常加熱した際の信頼性・安全性が確保できる。
なお、本発明のセパレータでは、シャットダウン機能を確保する部分[セパレータ層(I)]とセパレータ本来の機能を確保する部分[セパレータ層(II)]とを別の層にしているため、これらの両機能をバランスよく確保することが可能であり、従来にも増して信頼性・安全性に優れた電池を構成することができる。
また、本発明によれば、高温時におけるセパレータの熱収縮に起因する短絡の防止を、例えばセパレータを厚くする以外の構成で達成できるため、本発明のセパレータでは、その厚みを比較的薄くすることが可能であり、これを用いた電池のエネルギー密度の低下を可及的に抑制することもできる。
セパレータ層(I)に係る繊維状物は、150℃以上の耐熱温度を有し、かつ電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に下記に詳述する電解液や、セパレータ製造の際に使用するセパレータ形成用の組成物(詳しくは後述する)に用いる溶媒に安定であれば、特に制限はない。なお、本明細書でいう「繊維状物」とは、アスペクト比[長尺方向の長さ/長尺方向に直交する方向の幅(直径)]が4以上のものを意味している。本発明に係る繊維状物のアスペクト比は、10以上であることが好ましい。また、本明細書でいう繊維状物における「耐熱温度が150℃以上」とは、150℃において実質的に変形しないこと、より具体的には、150℃に加熱された繊維状物を目視観察した際に熱収縮が確認できないことをいう。
繊維状物の具体的な構成材料としては、例えば、セルロース、セルロース変成体(カルボキシメチルセルロースなど)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など]、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂;ガラス、アルミナ、シリカなどの無機材料(無機酸化物);などが挙げられる。繊維状物は、これらの構成材料の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していても構わない。また、繊維状物は、構成成分として、上記の構成材料の他に、必要に応じて、公知の各種添加剤(例えば、樹脂である場合には酸化防止剤など)を含有していても構わない。
繊維状物の直径は、セパレータ層(I)の厚み以下であれば良いが、例えば、0.01〜5μmであることが好ましい。径が大きすぎると、繊維状物同士の絡み合いが不足して、これらで構成されるシート状物の強度、延いてはセパレータ層(I)の強度が小さくなって取扱いが困難となることがある。また、径が小さすぎると、セパレータ層(I)の空隙が小さくなりすぎて、イオン透過性が低下する傾向にあり、電池の負荷特性を低下させてしまうことがある。
セパレータ層(I)における繊維状物の含有量は、繊維状物による作用をより有効に発揮させる観点からは、セパレータ層(I)の構成成分の全体積中、10体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましい。また、繊維状物が多すぎると、樹脂(A)の含有量が減ることになって、これによる作用が小さくなることがあるため、セパレータ層(I)における繊維状物の含有量は、90体積%以下であることが好ましく、70体積%以下であることがより好ましい。
セパレータ層(I)中での繊維状物の存在状態は、例えば、長軸(長尺方向の軸)の、セパレータ面に対する角度が、平均で30°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
セパレータ層(I)に係る樹脂(A)は、融点が80〜130℃のものである。樹脂(A)の融点は、例えば、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度により求めることができる。
樹脂(A)の形態については特に制限はなく、微粒子状の他、例えば、後記の多孔質基体を構成する繊維状物を芯材として、その表面に付着させたり、その表面を被覆させたりして、セパレータ層(I)に含有させてもよいが、微粒子状のものを用いることが好ましい。
樹脂(A)の具体例としては、ポリエチレン(PE)、エチレン由来の構造単位が85モル%以上の共重合ポリオレフィン、ポリプロピレン、またはポリオレフィン誘導体(塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなど)、ポリオレフィンワックス、石油ワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。上記共重合ポリオレフィンとしては、エチレン−ビニルモノマー共重合体、より具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体、またはエチレン−エチルアクリレート共重合体が例示できる。また、ポリシクロオレフィンなどを用いることもできる。樹脂(A)には、上記例示の樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を用いても構わない。
樹脂(A)としては、上記例示の材料の中でも、PE、ポリオレフィンワックス、またはエチレン−ビニルモノマー共重合体(特に、エチレン由来の構造単位が85モル%以上のEVA)が好適に用いられる。また、樹脂(A)は、必要に応じて、樹脂に添加される公知の各種添加剤(例えば、酸化防止剤など)を含有していても構わない。
良好なシャットダウン機能を確保する点からは、セパレータ層(I)中における樹脂(A)の体積含有量は、セパレータ層(I)の空孔体積の、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。樹脂(A)の含有量が少なすぎると、これらを含有させることによるシャットダウン効果が小さくなることがある。また、樹脂(A)の含有量が多すぎると、セパレータ層(I)中における繊維状物の含有量が減ることになるため、これによって確保される効果が小さくなることがあり、また、樹脂(A)が、セパレータ層(I)内でのLiイオンの移動を阻害するため、抵抗を増大させてしまうことがある。そのため、セパレータ層(I)中における樹脂(A)の体積含有量は、セパレータ層(I)の空孔体積の、120%以下であることが好ましく、100%以下であることがより好ましい。なお、「セパレータ層(I)における樹脂(A)の体積含有量が、セパレータ層(I)の空孔体積の50%である」とは、セパレータ層(I)の空孔体積を100としたときに、セパレータ層(I)中の樹脂(A)の体積が50であることを意味している。
樹脂(A)が微粒子である場合の粒径としては、平均粒径で、例えば、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは1μm以下である。
なお、本明細書でいう微粒子[微粒子状の樹脂(A)や後記のフィラー(B)]の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、樹脂(A)の場合には、これを膨潤させない媒体(例えば水)に、後記のフィラー(B)の場合には、これらを溶解しない媒体に、これら微粒子を分散させて測定した数平均粒子径である。
また、セパレータにシャットダウン機能を付与するために、樹脂(A)に加えて、非水電解液中で膨潤し、かつ温度の上昇により膨潤度が増大する膨潤性微粒子(以下、単に「膨潤性微粒子」という)をセパレータ層(I)に含有させることも可能である。更に、樹脂(A)と膨潤性微粒子との複合体をセパレータ層(I)に添加しても構わない。
膨潤性微粒子としては、耐熱性および電気絶縁性を有しており、リチウム二次電池に使用される非水電解液に対して安定であり、更に、電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定な材料が好ましく、そのような材料としては、例えば、樹脂架橋体が挙げられる。より具体的には、スチレン樹脂〔ポリスチレン(PS)など〕、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂〔ポリメチルメタクリレート(PMMA)など〕、ポリアルキレンオキシド〔ポリエチレンオキシド(PEO)など〕、フッ素樹脂〔ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など〕およびこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の架橋体;尿素樹脂;ポリウレタン;などが例示できる。膨張性微粒子には、上記例示の樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、膨潤性微粒子は、必要に応じて、樹脂に添加される公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤などを含有していても構わない。
樹脂(A)や膨潤性微粒子を用いることによるセパレータに係る上記のシャットダウン機能は、例えば、モデルセルの温度による抵抗上昇により評価することが可能である。すなわち、正極、負極、セパレータ、および非水電解液を備えたモデルセルを作製し、このモデルセルを高温槽中に保持し、5℃/分の速度で昇温しながらモデルセルの内部抵抗値を測定する。本発明のセパレータは、セパレータ層(I)において、融点が80〜130℃の樹脂(A)を含有しているため、セパレータが80〜130℃(またはそれ以上の温度)に曝されたときに、樹脂(A)が溶融してセパレータの空隙が閉塞され、これによりLiイオンの移動が阻害され、内部抵抗値が上昇して、高温時における急激な放電反応が抑制される。よって、この場合、上記の内部抵抗上昇により評価されるセパレータのシャットダウン温度は、樹脂(A)の融点以上130℃以下となる。
セパレータのシャットダウンをより確実に行うためには、150℃での内部抵抗上昇が加熱前(室温で測定した内部抵抗値)の5倍以上であることが好ましく、例えば、セパレータ層(I)における樹脂(A)の含有量を上記好適量とすることで、このようなシャットダウン機能を確保することができる。
セパレータ層(II)中のフィラー(B)は、耐熱温度が150℃以上で、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に電池に使用される非水電解液や、セパレータ製造の際に使用するセパレータ形成用の組成物に用いる溶媒に安定であり、高温状態で非水電解液に溶解しないものであれば、特に制限はない。本明細書でいうフィラー(B)における「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。また、上記の「高温状態」とは、具体的には150℃以上の温度であり、このような温度の電解液中で変形および化学的組成変化の起こらない安定な粒子であればよい。また、上記の「電気化学的に安定な」とは、電池の充放電の際に化学変化が生じないことを意味している。
このようなフィラー(B)の具体例としては、例えば、酸化鉄、SiO(シリカ)、Al(アルミナ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの酸化物微粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物微粒子;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子;タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子;ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイトなどの鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物;などが挙げられる。また、金属微粒子;SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの酸化物微粒子;カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質微粒子;などの導電性微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料[例えば、上記の電気絶縁性のフィラー(B)を構成する材料など]で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた微粒子であってもよい。これらの中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトが好ましく、ベーマイトが特に好ましい。また、フィラー(B)には、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、フィラー(B)は、上記例示の各種フィラー(B)を構成する材料を2種以上含有する粒子であってもよい。
フィラー(B)の形態としては、球状、サイコロ状、鎖状、繊維状、不定形状、板状などいずれの形態であってもよいが、板状であることが好ましい。板状粒子としては、各種市販品が挙げられ、例えば、旭硝子エスアイテック社製「サンラブリー」(SiO)、石原産業社製「NST−B1」の粉砕品(TiO)、堺化学工業社製の板状硫酸バリウム「Hシリーズ」、「HLシリーズ」、林化成社製「ミクロンホワイト」(タルク)、林化成社製「ベンゲル」(ベントナイト)、河合石灰社製「BMM」や「BMT」(ベーマイト)、河合石灰社製「セラシュールBMT−B」(アルミナ)、キンセイマテック社製「セラフ」(アルミナ)、斐川鉱業社製「斐川マイカ Z−20」(セリサイト)、大明化学社製「ベーマイトP−10」(ベーマイト)などが入手可能である。この他、シリカ、アルミナ、ZrO、CeOについては、特開2003−206475号公報に開示の方法により作製することができる。
フィラー(B)が板状である場合には、セパレータ中において、フィラー(B)を、その平板面がセパレータの面にほぼ平行となるように配向させることで、短絡の発生をより良好に抑制できる。これは、フィラー(B)を上記のように配向させることで、フィラー(B)同士が平板面の一部で重なるように配置されるため、セパレータの片面から他面に向かう空隙(貫通孔)が、直線ではなく曲折した形で形成されると考えられ、これにより、リチウムデンドライトがセパレータを貫通することをより高度に防止できることから、短絡の発生がより良好に抑制されるものと推定される。
フィラー(B)が板状の粒子である場合の形態としては、例えば、アスペクト比(板状粒子中の最大長さと板状粒子の厚みの比)が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であって、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。また、粒子の平板面の長軸方向長さと短軸方向長さの比の平均値は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上である(上記比の平均値が1、すなわち、長軸方向長さと短軸方向長さとが同じ長さであってもよい)。板状のフィラー(B)が、上記のようなアスペクト比や平板面の長軸方向長さと短軸方向長さの比の平均値を有する場合には、上記の短絡防止作用がより有効に発揮される。
なお、フィラー(B)が板状である場合における上記の平板面の長軸方向長さと短軸方向長さの比の平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。更にフィラー(B)が板状である場合における上記のアスペクト比も、SEMにより撮影した画像を、画像解析することにより求めることができる。
セパレータ層(II)におけるフィラー(B)の含有量は、フィラー(B)による作用をより有効に発揮させる観点から、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましい。なお、後述するように、セパレータ層(II)にはバインダを含有させて、フィラー(B)同士を結着することが好ましいが、セパレータ層(II)中のフィラー(B)の量が多すぎると、バインダをあまり含有させることができず、フィラー(B)同士の結着が不十分となることがあるため、セパレータ層(II)におけるフィラー(B)の含有量は、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中、99体積%以下であることが好ましく、97体積%以下であることがより好ましい。
セパレータ層(II)には、セパレータ層(I)の構成成分として先に記載した融点が80〜130℃の樹脂(A)、膨潤性微粒子、樹脂(A)と膨潤性微粒子との複合体、および耐熱温度が150℃の繊維状物を含有させてもよい。
セパレータ層(I)およびセパレータ層(II)には、バインダを含有させて、これらの層の各構成成分同士を結着させることが好ましい。
バインダとしては電気化学的に安定でかつ非水電解液に対して安定であることが必要とされる。例えばEVA(酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、アクリレート共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
セパレータ層(I)においては、バインダの含有量を、セパレータ層(I)の全構成成分中、0〜10体積%とすることが好ましい[例えば、樹脂(A)が結着作用を有している場合には、セパレータ層(I)には、別途バインダを使用しなくてもよい。]。また、セパレータ層(II)においては、バインダの含有量を、セパレータ層(II)の全構成成分中、1〜10体積%とすることが好ましい。
本発明のセパレータのより具体的な態様としては、例えば、下記(1)または(2)の態様が挙げられる。
(1)の態様に係るセパレータは、繊維状物が多数集合して、これらのみによりシート状物を形成しているもの、例えば、織布、不織布(紙を含む)といった形態のものを用い、このシート状物中に樹脂(A)や必要に応じてその他の微粒子を含有させて構成したセパレータ層(I)の片面または両面に、フィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有するものである。
(2)の態様に係るセパレータは、繊維状物と樹脂(A)や必要に応じてその他の微粒子とが均一に分散してシート、すなわちセパレータ層(I)を構成しており、このようなセパレータ層(I)の片面または両面に、フィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有するものである。
なお、(1)の態様と(2)の態様を合わせた形態、すなわち、繊維状物で構成される独立したシート状物中に、繊維状物と樹脂(A)と必要に応じてその他の微粒子が分散している形態のセパレータ層(I)の片面または両面に、フィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有していてもよい。
電池の短絡防止効果をより高め、セパレータの強度を確保して、その取扱い性を良好とする観点から、セパレータの総厚み[セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との合計厚み。以下同じ。]は、例えば、3μm以上とすることが好ましく、5μm以上とすることがより好ましい。他方、電池のエネルギー密度をより高める観点からは、セパレータの総厚みは、50μm以下とすることが好ましく、30μm以下とすることがより好ましい。
セパレータ層(I)の厚みは、セパレータ層(I)による作用[特にシャットダウン機能の確保]をより有効に発揮させる観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。また、セパレータの総厚みの増大を抑えつつ、セパレータ層(II)について良好な特性を発揮できるだけの厚みを確保する観点からは、セパレータ層(I)の厚みは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
セパレータ層(II)の厚みは、セパレータ層(II)による作用(電池が通常使用される温度域、および高温域での正極と負極の接触を防止する機能の確保)をより有効に発揮させる観点から、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、セパレータの総厚みの増大を抑えつつ、セパレータ層(I)について良好な特性を発揮できるだけの厚みを確保する観点からは、セパレータ層(II)の厚みは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
また、セパレータ層(II)は、デンドライトショートに対する信頼性をより高める観点からは、その目付け[セパレータ層(I)の両面にセパレータ層(II)がある場合には、両セパレータ層(II)の目付けの合計量。以下、同じ。]が、4g/m以上であることが好ましく、6g/m以上であることがより好ましい。なお、セパレータ層(II)の目付けが大きすぎると、抵抗が増大してしまうことがあるため、その目付けは、20g/m以下であることが好ましく、15g/m以下であることがより好ましい。
上記のいずれの態様においても、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、例えば、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であって、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。セパレータの空孔率が小さすぎると、イオン透過性が小さくなることがあり、また、空孔率が大きすぎると、セパレータの強度が不足することがある。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = Σ aρ /(m/t) (1)
ここで、上記式(1)中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)、である。
また、上記式(1)において、mをセパレータ層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tをセパレータ層(I)の厚み(cm)とすることで、上記(1)式を用いてセパレータ層(I)の空孔率:P(%)を求めることができる。この方法により求められるセパレータ層(I)の空孔率は、10〜60%であることが好ましい。
更に、上記式(1)において、mをセパレータ層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tをセパレータ層(II)の厚み(cm)とすることで、上記(1)式を用いてセパレータ層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められるセパレータ層(II)の空孔率は、10〜60%であることが好ましい。
更に、上述のいずれの態様においても、セパレータの強度としては、直径が1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライトが発生した場合に、セパレータの突き敗れによる短絡が発生する虞がある。
また、ガーレー値で示されるセパレータの透気度は、10〜300secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。
本発明のセパレータは、例えば、下記の(i)または(ii)の製法により製造することができる。(i)の製法は、150℃で実質的に変形しないイオン透過性のシート状物に、樹脂(A)や、必要に応じてバインダおよびその他微粒子を含むセパレータ層(I)形成用組成物(スラリーなど)を塗布または含浸させた後、所定の温度で乾燥してセパレータ層(I)を形成し、更にこのセパレータ層(I)の片面または両面に、フィラー(B)とバインダとを含むセパレータ層(II)形成用組成物(スラリーなど)を塗布し、再度所定の温度で乾燥してセパレータ層(II)を形成する製造方法である。(I)の方法によって、(1)の態様のセパレータを製造することができる。
セパレータ層(I)の形成において、シート状物にセパレータ層(I)形成用組成物を塗布する方法としては、ディップコータ、リバースコータなどを用いることができる。また、セパレータ層(I)の表面にセパレータ層(II)形成用組成物を塗布する方法としては、ダイコータ、ディップコータ、リバースコータ、スプレーコータなどを用いることができる。
シート状物に塗布などしたセパレータ層(I)形成用組成物が完全に乾燥する前に、セパレータ層(II)形成用組成物を塗布し、その後に乾燥してセパレータ層(I)とセパレータ層(II)とを同時に形成する、いわゆるWet−on−Wetのプロセスも用いることができる。
(i)の製法でいう「シート状物」には、繊維状物で構成されたシート状物(各種織布、不織布など)が該当する。具体的には、上記例示の各材料を構成成分に含む繊維状物の少なくとも1種で構成される織布や、これら繊維状物同士が絡み合った構造を有する不織布などの多孔質シートなどが挙げられる。より具体的には、紙、PP不織布、ポリエステル不織布(PET不織布、PEN不織布、PBT不織布など)、PAN不織布などの不織布などが例示できる。
セパレータ層(I)形成用組成物は、樹脂(A)の他、必要に応じてバインダや膨潤性微粒子などを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む、以下同じ)に分散させたものである。なお、バインダについては溶媒に溶解させることもできる。セパレータ層(I)形成用組成物に用いられる溶媒は、樹脂(A)などを均一に分散でき、また、バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般に有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
セパレータ層(II)形成用組成物は、フィラー(B)の他、必要に応じてバインダ、樹脂(A)や膨潤性微粒子、繊維状物などを含有し、これらを溶媒に分散させたものである。溶媒には、セパレータ層(I)形成用組成物用のものとして例示した各種溶媒と同じものを用いることができ、また、適宜界面張力を制御する成分としてセパレータ層(I)形成用組成物に関して例示した上記の各種成分を加えてもよい。
セパレータ層(I)形成用組成物およびセパレータ層(II)形成用組成物では、樹脂(A)、フィラー(B)、バインダ、膨潤性微粒子などを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。また、セパレータ層(I)形成用組成物およびセパレータ層(II)形成用組成物には、塗布目付けやセパレータ厚みを制御するために公知の増粘剤を適宜添加してもよい。
なお、セパレータ層(II)においてフィラー(B)として板状粒子を用いた場合、その配向性を高めるには、セパレータ層(II)形成用組成物を塗布する際に、該組成物にシェアをかければよい。例えば、(i)の製法においては、フィラー(B)を含む組成物をディップコータなどで塗布する際に、一定のギャップを通す方法により、上記組成物にシェアをかけることが可能であり、これによりセパレータ層(II)中でのフィラー(B)の配向性を高めることができる。
また、セパレータ層(II)中でのフィラー(B)の配向性を高めるには、セパレータ層(II)形成用組成物を塗布する際に該組成物にシェアをかける以外にも、例えば、分散処理を施したフィラー(B)を用いてセパレータ層(II)形成用組成物を調製する方法;スラリー状のセパレータ層(II)形成用組成物に分散剤を添加する方法;高固形分濃度(例えば、45〜80質量%)のセパレータ層(II)形成用組成物を用いる方法;セパレータ層(II)形成用組成物を塗布した後の乾燥条件を制御する方法;形成後のセパレータ層(II)やセパレータ全体を、加圧や加熱加圧プレス処理する方法;などが採用でき、これらの方法をそれぞれ単独で適用してもよく、2種以上の方法を組み合わせて適用してもよい。なお、フィラー(B)の分散処理方法としては、粉体状または溶剤に分散させたスラリー状のものについて、ディスパー、アジター、ホモジナイザー、ボールミル、アトライター、ジェットミルなどの各種混合・攪拌装置、分散装置を用いて処理する方法が挙げられる。また、セパレータ層(II)形成用組成物に添加できる分散剤としては、例えば、油脂類、界面活性剤、シランカップリング剤などが挙げられ、これらの分散剤を用いて予め処理したフィラー(B)を用いてセパレータ層(II)形成用組成物を調製してもよく、未処理のフィラー(B)を用いて一旦セパレータ層(II)形成用組成物を調製し、これに上記の分散剤を添加してもよい。
本発明のセパレータの(ii)の製法は、セパレータ層(I)形成用組成物に更に繊維状物を含有させ、これをフィルムや金属箔などの基材上に塗布し、所定の温度で乾燥してセパレータ層(I)を形成した後、(i)の製法と同様にセパレータ層(I)の表面にセパレータ層(II)を形成し、その後に上記基材から剥離する方法である。(ii)の方法によって、(2)の態様のセパレータを製造することができる。(ii)の方法で使用するセパレータ層(I)形成用組成物は、繊維状物を含有させることが必須である点を除き、(i)の製法で用いるセパレータ層(I)形成用組成物と同じであり、繊維状物を含めた固形分量が、例えば10〜80質量%であることが好ましい。
また、(ii)の製法においても、フィラー(B)に板状粒子を用いる場合には、(i)の製法において示した上記の各種方法を用いてフィラー(B)の配向性を高めることができる。
上記の(i)の製法および(ii)の製法によれば、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とが一体化してなるセパレータを得ることができる。
また、例えば、セパレータ層(II)形成用組成物をフィルムや金属箔などの基材上に塗布し、所定の温度で乾燥し、上記基材から剥離して得られたセパレータ層(II)と、(i)の製法または(ii)の製法により得られたセパレータ層(I)とを組み合わせて、本発明のセパレータとしてもよい。この場合には、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とが一体化しておらず、それぞれが個別のシートとして本発明のセパレータを構成することになる。
なお、セパレータ層(II)は上記の通り非常に薄いことが好ましいため、単独のシートとした場合には強度が小さくて取り扱い性に劣る場合がある。そのため、例えば、セパレータ層(II)を電池の電極表面(正極の正極合剤層表面または負極の負極合剤層表面)に形成しておき、この電極表面からセパレータ層(II)を剥離することなくセパレータ層(I)と重ねて本発明のセパレータとすることもできる。
なお、本発明のセパレータは、上で示した各構造に限定されるものではなく、例えば、樹脂(A)やフィラー(B)は、個々に独立して存在していなくてもよく、互いに、または、繊維状物に一部が融着されていても構わない。
本発明のリチウム二次電池は、本発明の電池用セパレータをセパレータとして有していれば、その他の構成・構造については特に制限はなく、従来公知のリチウム二次電池で採用されている各種構成・構造を適用することができる。
リチウム二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
正極としては、従来公知のリチウム二次電池に用いられている正極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、Li1+xMOで(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mnなど)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMnなどのリチウムマンガン酸化物;LiMnのMnの一部を他元素で置換したLiMn(1−x);オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5;Li(1+a)MnNiCo(1−x−y)(−0.1<a<0.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などを適用することが可能であり、これらの正極活物質に公知の導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤などを適宜添加した正極合剤を、集電体を芯材として成形体(すなわち、正極合剤層)に仕上げたものなどを用いることができる。
正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
負極としては、従来公知のリチウム二次電池に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si,Sn、Ge,Bi,Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたものや、上記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に形成したものなどの負極剤層を有するものが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが望ましい。
負極側のリード部も、正極側のリード部と同様に、通常、負極作製時に、集電体の一部に負極剤層(負極活物質を有する層、負極合剤層を含む)を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、この負極側のリード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体に銅製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
電極は、上記の正極と上記の負極とを、本発明のセパレータを介して積層した積層体や、更にこれを巻回した電極巻回体の形態で用いることができる。なお、セパレータ層(I)の片面にのみセパレータ層(II)を有する態様のセパレータの場合には、セパレータ層(II)側を正極側に配置することが好ましい。
非水電解液としては、上述したように、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF 、LiSbF などの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩;などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、上記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンといった環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルといったニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの非水電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、上記の有機溶媒の代わりに、エチル−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、へプチル−トリメチルアンモニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、ピリジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、グアジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミドといった常温溶融塩を用いることもできる。
更に、上記の非水電解液を含有してゲル化するような高分子材料を添加して、非水電解液をゲル状にして電池に用いてもよい。非水電解液をゲル状とするための高分子材料としては、PVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、PAN、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、主鎖または側鎖にエチレンオキシド鎖を有する架橋ポリマー、架橋したポリ(メタ)アクリル酸エステルなど、公知のゲル状電解質形成可能なホストポリマーが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池は、従来公知のリチウム二次電池が用いられている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
<セパレータの作製>
樹脂(A)としてPE微粒子を含む水分散体(平均粒径1μm、固形分濃度30質量%)中に、厚みが15μmで不織布繊維の体積含有率が33%のPET製不織布を通し、引き上げ塗布により水分散体を塗布した後、所定ギャップの間を通し、60℃15時間減圧乾燥してセパレータ層(I)を得た。得られたセパレータ層(I)の厚みは20μmで、樹脂(A)の体積は、セパレータ層(I)の空孔体積に対して80%であり、セパレータ層(I)の構成成分の全体積中におけるPET繊維の体積含有率は、43%であった。
フィラー(B)として板状ベーマイト(平均粒径1μm、アスペクト比10)1000gと水1000gのスラリーを卓上ボールミルにて6日間分散を行った後、バインダとしてアクリレート樹脂[固形分として、フィラー(B)100質量部に対して3質量部]を添加し、スリーワンモーターで1時間攪拌して分散させ、均一なスラリーを得た。このスラリー中にセパレータ層(I)を通して引き上げ塗布によりスラリーを塗布した後、所定ギャップの間を通して60℃15時間減圧乾燥して、セパレータ層(I)の両面に、厚みが両面の合計で4μm、目付けが両面の合計で6g/mで、構成成分の全体積中におけるフィラー(B)の体積含有率が98%のセパレータ層(II)を形成して、セパレータを得た。
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、活物質塗布長が表面320mm、裏面250mになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、長さ340mm、幅43mmの正極を作製した。さらにこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブ付けを行った。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛:90質量部と、バインダであるPVDF:5質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、活物質塗布長が表面320mm、裏面260mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して、長さ330mm、幅45mmの負極を作製した。さらにこの負極の銅箔の露出部にタブ付けを行った。
<電池の組み立て>
上記のようにして得られた正極と負極とを、上記のセパレータを介して重ね合わせ、渦巻状に巻回して巻回電極体とした。この巻回電極体を押しつぶして扁平状にし、アルミニウムラミネートの袋に挿入し、非水電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを1:2の体積比で混合した溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液)を注入し、開口部を定法に従って封止して、リチウム二次電池を作製した。その後、電池の定格容量に対し、0.2CAの電流値で4.2Vまでの定電流充電と、その後4.2Vでの定電圧充電を、合計6時間行い、その後、150mAで3Vまで定電流放電を行った。
実施例2
樹脂(A)としてPE微粒子含有水分散体(平均粒径1μm、固形分濃度40質量%)を用い、塗布ギャップを変更することで、セパレータ層(I)の樹脂(A)体積が、セパレータ層(I)の空孔体積に対して105%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてセパレータ層(I)を形成した。得られたセパレータ層(I)の厚みは17μmで、構成成分の全体積中におけるPET繊維の体積含有率は、45%であった。
また、上記のセパレータ層(I)を用い、更に塗布ギャップを変更してセパレータ層(II)の目付けが両面の合計で9g/mとなるように調整した以外は、実施例1と同様にしてセパレータ層(I)の両面にセパレータ層(II)を形成して、セパレータを得た。得られたセパレータにおけるセパレータ層(II)の厚みは、両面の合計で6μmであり、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中におけるフィラー(B)の体積含有率は98%であった。
上記のセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例3
樹脂(A)としてPE微粒子含有水分散体(平均粒径1μm、固形分濃度25質量%)に、増粘剤としてCMCを、上記水分散体100質量部に対して0.5質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータ層(I)を形成した。得られたセパレータ層(I)の厚みは25μmで、樹脂(A)の体積は、セパレータ層(I)の空孔体積に対して70%であり、セパレータ層(I)の構成成分の全体積中におけるPET繊維の体積含有率は38%であった。
また、上記のセパレータ層(I)を用い、実施例1で用いたものと同じフィラー(B)を含むスラリーを、ダイコータを用いてセパレータ層(I)の片面に塗布し、乾燥することによりセパレータ層(II)を形成して、セパレータを得た。得られたセパレータにおけるセパレータ層(II)の厚みは3μmであり、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中におけるフィラー(B)の体積含有率は98%であった。
上記のセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例4
実施例1と同様にして作製した負極の両面に、実施例1で用いたものと同じフィラー(B)を含むスラリーを、ダイコータを用いて塗布し、乾燥することにより、セパレータ層(II)を、負極の両表面に一体化させつつ形成した。得られたセパレータ層(II)の厚みは、両面の合計で8μmであり、セパレータ層(II)の構成成分の全体積におけるフィラー(B)の体積含有率は98%であった。また、セパレータ層(I)には、実施例1で作製したものと同じものを用い、セパレータ層(I)を負極上のセパレータ層(II)と重ね合わせることで電池のセパレータとした。
そして、上記のセパレータと負極とを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例1
実施例1と同様にしてセパレータ層(I)を形成して、これのみでセパレータとし、このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例2
実施例1で用いたものと同じフィラー(B)を含有するスラリー中に、実施例1で用いたものと同じPET不織布を通して引き上げ塗布し、厚みが両面の合計で20μm、目付けが両面の合計で20g/mのセパレータ層(II)を形成して、これのみでセパレータとし、このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
表1に、実施例1〜4および比較例1〜2のセパレータの構成を示す。なお、表1において、セパレータ層(I)における「樹脂(A)の体積」は、セパレータ層(I)の空孔体積に対する樹脂(A)の体積比率を示している。
Figure 0004994054
なお、表1中、セパレータ層(II)の厚みおよび目付けは、実施例1および2については、セパレータ層(I)の両面に形成したセパレータ層(II)の合計値であり、実施例3については、セパレータ層(I)の片面に形成したセパレータ層(II)の値であり、実施例4については、負極の両面に形成したセパレータ層(II)の合計値であり、比較例2については、PET不織布の両面に形成したセパレータ層(II)の合計値である。
実施例1〜4および比較例1〜2のリチウム二次電池について、下記の各評価を行った。結果を表2に示す。
<放電容量割合>
実施例1〜4および比較例1〜2の電池について、0.2Cでの定電流充電(4.2Vまで)と4.2Vでの定電圧充電による充電(定電流充電と定電圧充電の合計時間15時間)の後、3.0Vまで0.2Cで放電を行い、得られた放電容量の充電容量に対する割合、すなわち放電容量割合(%)を求めた。なお放電容量割合はそれぞれ電池10個の平均値として求めた。
<交流抵抗・負荷特性>
日本HP社製のLCRメータ「4263B」を用いて、実施例1〜4および比較例1〜2の電池の1kHzの交流抵抗を測定した。更にこれらの電池について、0.2Cで4.2Vまでの定電流充電と4.2Vでの定電圧充電を行い、定電流充電時の充電電流と充電時間の積が1.2Cになるまで充電した。その後、電池を150mAで3Vまで定電流放電し、0.2Cの放電容量とした。また、各電池について上記と同条件で充電した後、1500mAで3Vまで定電流放電して2Cの放電容量とした。そして各電池について、2Cでの放電容量の0.2Cでの放電容量に対する容量維持率を算出した。
<釘刺し試験>
電池の釘刺し試験によりそれぞれの電池に用いたセパレータの安全性評価を行った。実施例1〜4および比較例1〜2の電池を、0.5Cで4.2Vまで定電流充電し、更に4.2Vでの定電圧充電を電流が0.05Cまで減衰するまで行った。その後5mmφの釘を速度40mm/秒で電池に刺し、発熱温度を調べた。なお、各々3個の電池で試験を行い、発熱温度はその平均値をとった。
Figure 0004994054
表2から明らかなように、実施例1〜4のリチウム二次電池は、良好な電池特性を示しており、信頼性および安全性が優れている。これに対し、比較例1のリチウム二次電池は、セパレータ層(II)を有しないセパレータを用いているため、巻回電極体の巻回時における正負極の押し付けにより内部短絡が生じた。このため充電時に充電電圧まで到達せず、その他の電池特性を評価することができなかった。また、比較例2のリチウム二次電池は、セパレータ層(I)を有しないセパレータを用いているため、釘刺し試験時の発熱が大きく、熱暴走温度近くにまで上昇した。

Claims (10)

  1. 少なくとも、耐熱温度が150℃以上の繊維状物と融点が80〜130℃である樹脂(A)とで構成されたセパレータ層(I)、および、該セパレータ層(I)の少なくとも片面に、耐熱温度が150℃以上のフィラー(B)を主体として含む多孔質のセパレータ層(II)を有することを特徴とする電池用セパレータ。
  2. セパレータ層(I)において、繊維状物の含有量が、セパレータ層(I)の構成成分の全体積中10体積%以上90体積%以下であり、樹脂(A)の含有量が、セパレータ層(I)の空孔体積の50%以上120%以下である請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とが一体化している請求項1または2に記載の電池用セパレータ。
  4. セパレータ層(II)の目付けが4g/m以上20g/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  5. 樹脂(A)が微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  6. 樹脂(A)が、ポリエチレン、エチレン−ビニルモノマー共重合体およびポリオレフィンワックスよりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  7. セパレータ層(II)に含まれるフィラー(B)の少なくとも一部が板状粒子である請求項1〜6のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  8. フィラー(B)がベーマイトである請求項1〜7のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  9. 非水電解液の共存下において、150℃での内部抵抗が、室温における内部抵抗の5倍以上である請求項1〜8のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  10. Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極と、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極と、非水電解液とを有し、上記負極と上記正極との間に、請求項1〜9のいずれかに記載の電池用セパレータを有することを特徴とするリチウム二次電池。
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