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JP4991263B2 - 高周波電力増幅器およびそれを用いた携帯型無線端末 - Google Patents

高周波電力増幅器およびそれを用いた携帯型無線端末

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Description

本発明は、高周波電力増幅器およびそれを用いた携帯型無線端末に関する。
従来、携帯型の無線端末の出力回路には、化合物半導体を最終増幅段として用いた高周波電力増幅器が多く用いられている。しかしながら、CMOSプロセスの微細化の進展とともに、ベースバンド部のデジタル回路のみならず、フロントエンド部の高周波アナログ回路についてもCMOSで実現しようとする努力が続けられており、一部ではすでに商品化されている。これは、化合物半導体プロセスや、Si−Geプロセスと比較して、本来ロジック回路用に用いられている標準CMOS集積回路プロセスは、単位面積あたり比較的に安価であるためである。
一方、携帯型無線端末機器の電池による長時間駆動を実現するために、高周波電力増幅器に対しては電力効率が高いことが求められている。高周波電力増幅器の消費電力は、携帯型無線端末機器全体の消費電力の大きな比率を占めており、電池に蓄えられた電力を少しでも有効に利用しようとするならば、高周波電力増幅器の高効率化は必須である。携帯型無線端末機器の送信用回路に用いられる高周波電力増幅器の高効率化については知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−86673号公報
高周波電力増幅器を安価なMOS型電界効果トランジスタで構成しようとする場合、化合物半導体ではあまり問題とはならなかったことが新たな問題として生じる。それは、Si基板の抵抗が化合物半導体と比較して、相対的に低いことにより生じる。基板の抵抗が低いと、高周波帯では基板を流れる電流が増大し、これにより電力増幅器の電力損失が増大し、電力効率が低下する。
一般に、高周波電力増幅器は、増幅用MOS型トランジスタと、直流電源と、チョークコイルと、入力側インピーダンス整合回路、および出力側インピーダンス整合回路を備えている。図12に、2GHzにおける高周波電力増幅器の入力電力Pinと電力利得の関係の一例を示す。なお、この図12で電力利得は、次の式で定義される。
Figure 0004991263
図12が示すように、高周波電力増幅器において、入力電力Pinを増大させてゆくと、次第に電力利得は低下する。これは、大振幅入力に対してトランジスタ出力電力が飽和するためである。
一方、図13に示すように、入力電力を増大させてゆくと、電力付加効率(PAE)は次第に増大する。電力付加効率は、次の式により定義される。
Figure 0004991263
この式から明らかなように電力付加効率は、出力電力Poutから入力電力Pinを差し引いた付加電力と、電圧源から供給される電力PDCとの比率である。すなわち、電力付加効率は、電圧源(電池)から供給される電力が、どれだけ有効に電力増幅に利用されているかを示す指標である。特に無線携帯型の端末では、電力付加効率が高いことが強く求められる。
また、図12および図13においては、CMOSの代表的なシミュレーションモデルであるBSIM3モデルのみを用いた場合と、BSIM3モデルを高周波用に拡張したモデルを用いた場合のシミュレーション結果を示している。高周波用の拡張モデルでは、CMOSトランジスタのゲート抵抗や、ゲート−ソース、ドレイン間の寄生容量、ソース、ドレイン−基板間の接合容量、基板抵抗などの影響が考慮されている。これらの寄生成分が存在することにより、高周波(2GHz)においては電力利得、電力付加効率ともに、低下することを図12および図13は示している。
上述したように、CMOSによって高周波電力増幅器を構成する場合、基板抵抗が低いことにより生じる電力損失の影響により、高周波における電力効率が大幅に劣化してしまうという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、電力付加効率の低下を抑制するとともに電力効率の高い高周波電力増幅器およびこれを用いた携帯型無線端末を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による高周波電力増幅器は、第1導電型の半導体基板に形成された第2導電型の第1ウェルと、前記第1ウェルに形成された第1導電型の第2ウェルと、前記第2ウェルに離間して形成された第2導電型のソース領域およびドレイン領域、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記第2ウェル上に形成されるチャネル領域、前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜、および前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極を有するMOS型トランジスタと、前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方に隣接しかつ前記ゲート電極の延在する方向に沿って設けられた、前記第1ウェルとのコンタクトを取るための第1コンタクト領域と、前記第1コンタクト領域に設けられた第1コンタクトと、前記ゲート電極の延在する方向と直交する方向に沿って設けられた、前記第2ウェルとのコンタクトを取るための第2コンタクト領域と、前記第2コンタクト領域に設けられた第2コンタクトと、を備えていることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様による携帯型無線端末は、記載の電力増幅器を送信回路に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、電力付加効率の低下を抑制するとともに電力効率の高い高周波電力増幅器およびこれを用いた携帯型無線端末を提供することができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態による高周波電力増幅器を図1乃至図10を参照して説明する。本実施形態の高周波電力増幅器の回路図を図4に示す。本実施形態の高周波電力増幅器は、増幅用MOS型トランジスタ1と、直流電源42a、42bと、チョークコイル43a、43bと、キャパシタおよびインダクタからなる入力側インピーダンス整合回路44と、キャパシタおよびインダクタからなる出力側インピーダンス整合回路45とを備えている。本実施形態の高周波電力増幅器に入力された電力は、入力側インピーダンス整合回路44を介して増幅用MOS型トランジスタ1に送られて増幅され、この増幅された電力が出力側インピーダンス整合回路45を介して外部に出力される。
本実施形態の高周波電力増幅器に係る増幅用MOS型トランジスタ1の平面図を図1に示し、図1に示す切断線A−Aで切断した断面を図2に示し、図1に示す切断線B−Bで切断した断面を図3に示す。この増幅用MOS型トランジスタ1は、NチャネルMOS型トランジスタであって、P型基板(シリコン基板)2に形成されたN型ウェル4(ディープウェル4とも云う)と、このN型ウェル4に形成され素子分離絶縁膜6によって素子分離されたP型ウェル8と、P型ウェル8に離間して形成されたN型のドレイン領域10およびソース領域12と、ドレイン領域10とソース領域12との間のチャネル14となるP型ウェル8上に形成されたゲート絶縁膜16と、このゲート絶縁膜16上に形成されたゲート電極18とを備えている。そして、本実施形態においては、ゲート電極18は2本設けられ、それらは一端で共通に接続されている。2本のゲート電極18の間にソース領域12が設けられ、2本のゲート電極18のソース領域12と反対側にドレイン領域10が設けられた構成となっている。すなわち、図1においては、2つのMOS型トランジスタがソース領域12を共有し、かつゲート電極18が共通に接続された構成となっている。
また、N型ウェル4とコンタクトを取るためのコンタクト領域20が、ドレイン領域10に隣接して2本のゲート電極18の延在する方向に沿ってN型ウェル4上に設けられている(図1、図2)。すなわち、コンタクト領域20は図1においては、2つ設けられ、各コンタクト領域20は対応するドレイン領域10に隣接しゲート電極18の延在する方向に沿って設けられていることになる。このため、コンタクト領域20と対応するドレイン領域10との間の最短距離Ldwはドレイン領域10のどの点からもほぼ一定となる。コンタクト領域20はその形状は長方形であってその長手方向がゲート電極18の延在する方向と平行となっている。なお、コンタクト領域20は層間絶縁膜22に設けられた複数のコンタクト24を介して金属配線26に接続されている(図2参照)。この金属配線26は外部に設けられた図示しない一定電位源に接続される。
また、P型ウェル8とコンタクトを取るためのコンタクト領域21が、コンタクト領域20の延在する方向とほぼ直交する方向(コンタクト領域20の短軸方向)に延在してP型ウェル8上に設けられている(図1、図3)。そしてコンタクト領域21は本実施形態においては2つ設けられ、それぞれのコンタクト領域21とドレイン領域10との間の距離Lが、ドレイン領域10のどの点からもほぼ一定となるように構成されている。なお、コンタクト領域21は層間絶縁膜22、23に設けられた複数のコンタクト25を介して金属配線28に接続されている(図3参照)。この金属配線28は外部に設けられた図示しない一定電位源に接続される。
本実施形態においては、ドレイン領域10がゲート電極18の外側に配置されている。これは、ドレイン電位が高い周波数で、かつ大きな振幅で変化したとき、ドレイン領域10とP型ウェル8の間に形成される接合容量への充放電を速やかに実行するためには、ドレイン領域10と、N型ウェル4へのコンタクト領域20との間の距離Ldwを、できるだけ短くすることが、基板を流れる電流に起因する電力損失を防ぐ上で好ましいからである。
また、図1に示す場合と逆に、ドレイン領域10を2本のゲート電極18の間に配置することも可能である。この場合には、ドレイン領域10が2つのトランジスタ間で共有されるため、ドレイン領域10とコンタクト領域20との間の距離は図1の場合に比べて多少長くなる。しかしながら、低抵抗なN型ウェル4がドレイン領域10の直下にまで延在して電力損失を可及的に抑えることができる。
本実施形態においては、MOS型トランジスタ1のチャネル14の幅をWとしたとき、結果的にソース領域12あるいはドレイン領域10の幅もMOS型トランジスタ1のチャネル幅Wと等しい構成となるが、N型ウェル4に対するコンタクト領域20の長さWcは、MOS型トランジスタ1のチャネル幅Wよりも長い。すなわちW<Wcの関係が成り立つ。このような配置により、上述したように、電位変動が最も大きいドレイン領域10の位置と、各ドレイン領域10に隣接して配置されたコンタクト領域20との間の最短距離Ldwは、ドレイン領域10の任意の位置について、必ずほぼ一定と見なすことができるため、寄生抵抗のばらつきを小さくすることができる。
また、ドレイン領域10からN型ウェル4へのコンタクト領域20までの距離Ldwを、ドレイン領域10からコンタクト領域21までの距離Lよりも短く配置することにより、より抵抗の低いN型ウェル4経由の導電経路を短くすることが可能となり、寄生抵抗成分を小さくすることができる。
ゲート電極18の両側に形成されたソース領域12、ドレイン領域10のうちの、少なくともどちらかに隣接し、かつ上記隣接する領域に並行してN型ウェル4に対する複数のコンタクトが配置され、かつN型ウェル4に対する上記コンタクトは電気的に接地電位に接続される。N型ウェルの抵抗率は、一般にP型ウェルの抵抗に比べて低い。したがって、P型ウェルへのコンタクト領域21をMOS型トランジスタに隣接して配置するよりも、N型ウェル4へのコンタクト領域20をMOS型トランジスタに隣接して配置するほうが、基板電流に伴う電力損失を減らすことができる。
(比較例)
本実施形態に係る高周波電力増幅器のMOS型トランジスタの比較例として、図5に示すレイアウトを有する周知の高周波電力増幅器のMOS型トランジスタを作成した。この比較例のMOS型トランジスタを図5に示す切断線C−Cで切断した断面図を図6に示す。
この比較例のMOS型トランジスタは、素子分離絶縁膜72によって素子分離されたP型基板71の素子領域に形成される。そして、この素子領域に互い違いに形成された複数のN型のソース領域73およびN型のドレイン領域74と、隣接するソース領域73とドレイン領域74との間のチャネル領域75となる素子領域上にゲート絶縁膜76を介して形成された複数のゲート電極77と、を備えている。すなわち、図5および図6では、6個のMOSトランジスタがソース領域73あるいはドレイン領域74を共有し、6個のゲート電極77が一方の端部(図では上側の端部)で共通に接続された構成となっている。
この比較例のMOS型トランジスタは、ゲート・ソース・ドレインが形成された素子領域の周囲には、P型基板71に対するコンタクト領域79がMOS型トランジスタを取り囲むように配置されている。このコンタクト領域79に複数個のコンタクト80が設けられている。そして、コンタクト領域79は複数のコンタクト80を介して金属配線81に接続され、この金属配線81は外部に設けられた一定電位源に接続される。また、トランジスタが形成された領域とコンタクト領域79との間には、プロセスに起因する特性ばらつきの影響を抑える目的で、ダミーゲート電極79が片側に1個ないし2個(図5および図6では2個)ずつ設けられている。
本実施形態と比較例とを比較すると、MOS型トランジスタのドレイン領域と、基板(本実施形態ではN型ウェル)へのコンタクト領域との距離Ldwは、本実施形態の場合にはほぼ一定であるのに対して、比較例の場合には近い点と遠い点とが存在して一定になっておらず、ばらつきが大きく、しかも平均的な距離も、本実施形態と比較すると長いことがわかる。
したがって、ドレイン電位が高周波で大振幅駆動された場合、ドレイン領域とその下に位置するウェルまたは基板との間の接合容量を充放電するために流れる基板電流は、本実施形態では比較的小さくて均一な抵抗を介して行われるのに対して、比較例では大きくばらついた抵抗を介して行われる。
ドレイン電位が高周波数で、かつ大振幅で駆動されたとき、ドレイン領域とP型ウェルの間に形成される接合容量への充放電は、基板(本実施形態ではN型ウェル)を介して行われる。ここで、仮に、単位チャネル幅当たりのドレイン接合容量が本実施形態と比較例で等しいと仮定すると、基板抵抗を介して供給しなければならない電荷量も等しいから、基板抵抗が小さいほど、基板電流に起因する電力損失を小さくすることができる。
ところが、CMOSプロセスにおいては、Si基板を用いるため、すでに基板の抵抗率が決まっていることから、基板抵抗を下げるためには、ドレイン領域とコンタクトとの間の距離を短くする必要がある。本実施形態では、ドレイン領域10とP型ウェルコンタクト領域21との間の距離Lが、できるだけ短い配置となっており、かつドレイン領域10とN型コンタクト領域20との最短距離Ldwがほぼ一定である。これにより、基板電流に起因する電力損失を最小限に抑制することができ、電力増幅器の電力効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、主たる基板電流の経路として、N型ウェル4を用いている。比較例で用いているP型基板の移動度と比較して、N型ウェルの移動度が高いことから、より基板抵抗を低くすることができる。
次に、本実施形態による高周波電力増幅器に用いられるMOS型トランジスタの等価回路を図7に示し、上記比較例による高周波電力増幅器に用いられるMOS型トランジスタの等価回路を図8に示す。なお、図7、8は高周波用の拡張モデルの等価回路である。
比較例の等価回路モデルにおいては、比較例の図5および図6で示したように、ソースとドレインが交互に複数配列されている。さらにトランジスタ領域の外側を取り囲むように基板コンタクトが配置されている。このため、ソース−基板コンタクト間の距離と、ドレイン−基板コンタクト間の距離は、個々のトランジスタごとに異なるが、その平均値としてはほぼ等しい。これにより、ドレイン−基板コンタクト間の抵抗R6とソース−基板コンタクト間の抵抗R7は、等価回路においては、ほぼ等しい値(例えば、約71Ω)となる(図8参照)。なお、図8において、R1はゲート抵抗、R2、R3は基板抵抗、C1はゲート−ドレイン間の寄生容量、C2はゲート−ソース間の寄生容量、D1はドレインと基板とによって形成される接合ダイオードによる寄生可変容量、D2はソースと基板とによって形成される接合ダイオードによる寄生可変容量を示す。
これに対して、本実施形態のMOS型トランジスタにおいては、ドレイン10に近接して基板コンタクト20が配置されるために、等価回路上ではドレイン10と基板コンタクト間の抵抗R4のみで表すことができ、その抵抗値(例えば、0.36Ω)は比較例に比べると低くなる。なお、図7において、R3はPウェル8とコンタクト21との間の抵抗(0.36Ω)を示し、D3はPウェル8とNウェル4との接合ダイオードによる寄生容量(0.67pF)を示し、R5は基板抵抗を示す。
次に、本実施形態のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器と、比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の、電力利得の周波数依存性を図9に示す。比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の電力利得は、RF拡張モデルおよびBSIM3モデルを用いて計算してある。図9からわかるように、ほぼ全ての周波数領域において、比較例で示したMOSトランジスタを用いたほうが、本実施形態を用いた場合よりも大きな電力利得が得られる。この理由としては、比較例の方は、隣り合うトランジスタがドレイン領域を共有しているので、単位チャネル長(ドレイン長)で比較した場合、ドレイン領域の接合容量が小さいためであると考えられる。相対的にドレイン容量が小さいため、トランジスタを流れるドレイン電流のうち、ドレイン容量の充放電に使われる比率が小さく、負荷に供給される比率が大きいため、電力利得は大きいものと考えられる。
次に、本実施形態のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器と、比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の、電力付加効率の周波数依存性を図10に示す。比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の電力付加効率は、RF拡張モデルを用いて計算してある。図10からわかるように、電力付加効率については、1GHz以下の低い周波数では、比較例のほうが高い効率が得られる。しかしながら、1GHz以上になるとこの関係が逆転して、本実施形態のほうが高い電力付加効率が得られるようになる。この理由としては、低い周波数領域においては、相対的には比較例の方がドレイン容量は小さいため、これを充放電させるために流れる基板電流が小さく、同じ周波数で比較すると比較例の方が電力損失は少ない。これに対して、高い周波数領域においては、単位時間当たりの充放電の回数が増大するため、ドレイン容量の大きさよりもむしろ基板抵抗による電力損失が支配的になる。したがって、1GHz以上の高い周波数では、本実施形態の方が、比較例よりも高い電力効率が得られる。
以上説明したように、本実施形態によれば、Si基板上に構成されたMOS型トランジスタを、極めて高い周波数で大振幅動作させた場合に生じる、基板電流に起因する電力損失を低減するが可能となり、電力付加効率の高い高周波電力増幅器を提供することができる。また、標準的なCMOSプロセスを用いるにより、量産時のコストが低減できること、他のロジック回路と混載が可能であることなどのメリットも有する。
なお、本実施形態においては、MOS型トランジスタはN型チャネルであったが、P型チャネルであってもよい。N型チャネルのほうが、移動度がより高いものが得られることから、高周波電力増幅器に用いるMOS型トランジスタとしては、N型チャネルであることがより好ましい。すなわち、チャネルの導電性がN型、ソースおよびドレイン領域の導電性もN型、ウェル8の導電性がP型、ディープウェル4の導電性がN型であり、さらに基板2の導電性がP型であるような構成が好ましい。
本実施形態のMOS型トランジスタは、ゲート電極をはさんで、片側にソース領域、反対側にドレイン領域が配置されたが、少なくともソース領域もしくはドレイン領域のどちらか一方に隣接して、かつこの領域に並行に、ディープウェル4に対する複数のコンタクト領域が配置されることが好ましい。
また、上記ディープウェル4に対する基板コンタクトは、電気的に一定電位に接続されるが、この電位としては、NチャネルMOS型トランジスタの場合には高周波電力増幅回路の接地電位、PチャネルMOS型トランジスタの場合には、電源電圧に接続されることが好ましい。
また、上記ディープウェル4とは反対の導電性をもつウェル8に対しても、基板コンタクトを取り、一定電位に接続することが好ましい。本実施形態においては、ディープウェルに対するコンタクト位置が、ドレイン領域に近接して配置されるため、必然的に、ドレインからウェル8に対するコンタクトまでの距離Lは、ドレインからディープウェルに対するコンタクトまでの距離Ldwよりも、遠くなる(L>Ldw)。ここで、Lはドレインから、最も近接したウェルコンタクト21までの最短距離である。
さらに、本実施形態では、上記のMOS型トランジスタを2個、隣り合うように配置し、かつ、ソース領域あるいはドレイン領域のどちらか一方を2個のトランジスタで共有することができる。この場合、(1)2本のゲート電極をはさんで、ソース、ドレイン、ソースの順番に配置し、両側のソース領域の外側に隣接してディープウェルコンタクトを設ける配置、(2)2本のゲート電極をはさんで、ドレイン、ソース、ドレインの順番に配置し、両側のドレイン領域の外側に隣接してディープウェルコンタクトを設ける配置、の二通りが考えられる。本実施形態では、ドレイン電位の大幅な変動に対して生じる基板電流に起因する電力消費の低減が主たる目的であるため、前者、後者とも基板抵抗を低減するメリットがあり、最適な構成を適宜選択することができる。
さらに、上記のMOS型トランジスタを2個、隣り合うように配置し、かつ、ソース領域あるいはドレイン領域のどちらか一方を2個のトランジスタで共有し、かつ、上記ソース領域あるいはドレイン領域のさらに外側に配置されたディープウェルコンタクトを一つのユニットとし、上記ユニットを複数、並行に配置する場合に、隣り合う上記ユニットは、上記ディープウェルコンタクトを共有することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による無線携帯端末の送信回路のブロック図を図11に示す。本実施形態の無線携帯端末は、第1実施形態の電力増幅器を備えている。この送信回路では、図示しないベースバンド回路から直交デジタル信号IとQを受け取り、局所発振器LOのミキサMIX1、MIX2において位相が90度異なるように高周波信号により変調される。そして、この変調された信号が加算器ADで加算された後、バンドパスフィルタBPFを通過する。バンドパスフィルタBPFを通過した信号は電力増幅器PAにより増幅され、アンテナANTから電磁波として輻射される。第1実施形態によるMOS型トランジスタを電力増幅器に用いることにより、送信回路における電力効率を大幅に改善することができる。
以上説明したように、第1実施形態で述べた高周波電力増幅器を用いることにより、電力の有効利用が可能となり、電池で駆動される携帯型無線端末の場合、一回の充電で端末を使用できる時間を長くすることができる。
本発明の第1実施形態による高周波電力増幅器のMOS型トランジスタを示す平面図。 図1に示す切断線A−Aで切断した第1実施形態によるMOS型トランジスタの断面図。 図1に示す切断線B−Bで切断した第1実施形態によるMOS型トランジスタの断面図。 高周波電力増幅器の回路図。 比較例による高周波電力増幅器用のMOS型トランジスタの平面図。 図5に示す切断線C−Cで切断した比較例による高周波電力増幅器用のMOS型トランジスタの断面図。 第1実施形態によるMOS型トランジスタの高周波用拡張等価回路。 比較例によるMOS型トランジスタの高周波用拡張等価回路。 第1実施形態のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器と、比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の、電力利得の周波数依存性を示す図。 第1実施形態のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器と、比較例のMOS型トランジスタを用いて構成した電力増幅器の、電力付加効率の周波数依存性を示す図。 本発明の第2実施形態による携帯無線端末の送信回路のブロック図。 入力電力と電力利得の関係を示す図。 入力電力と電力付加効率の関係を示す図。
符号の説明
1 MOS型トランジスタ
2 P型基板
4 N型ウェル
6 素子分離絶縁膜
8 P型ウェル
10 ドレイン領域
12 ソース領域
14 チャネル領域
16 ゲート絶縁膜
18 ゲート電極
20 N型ウェルへのコンタクト領域
21 P型ウェルへのコンタクト領域
22 層間絶縁膜
24 コンタクト
25 コンタクト
26 金属配線
27 コンタクト
28 金属配線
42a、42b 直流電源
43a、43b RFチョーク
44 入力側整合回路
45 出力側整合回路

Claims (5)

  1. 第1導電型の半導体基板に形成された第2導電型の第1ウェルと、
    前記第1ウェルに形成された第1導電型の第2ウェルと、
    前記第2ウェルに離間して形成された第2導電型のソース領域およびドレイン領域、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記第2ウェル上に形成されるチャネル領域、前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜、および前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極を有するMOS型トランジスタと、
    前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方に隣接しかつ前記ゲート電極の延在する方向に沿って設けられた、前記第1ウェルとのコンタクトを取るための第1コンタクト領域と、
    前記第1コンタクト領域に設けられた第1コンタクトと、
    前記ゲート電極の延在する方向と直交する方向に沿って設けられた、前記第2ウェルとのコンタクトを取るための第2コンタクト領域と、
    前記第2コンタクト領域に設けられた第2コンタクトと、
    を備えていることを特徴とする高周波電力増幅器。
  2. 前記第1コンタクト領域は前記ドレイン領域に隣接して設けられ、前記第1コンタクト領域と前記ドレイン領域との最短距離は、前記第2コンタクト領域と前記ドレイン領域との最短距離よりも短いことを特徴とする請求項1記載の高周波電力増幅器。
  3. 前記ソース領域およびドレイン領域の前記ゲート電極の延在する方向の長さは前記チャネル領域の幅と同じであり、前記第1コンタクト領域の前記ゲート電極の延在する方向の長さは、前記チャネル領域の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載の高周波電力増幅器。
  4. 前記ソース領域と前記ドレイン領域は、2本のゲート電極を挟んで前記ドレイン領域、前記ソース領域、前記ドレイン領域の順番に配置、または2本のゲート電極を挟んで前記ソース領域、前記ドレイン領域、前記ソース領域の順番に配置されていることを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波電力増幅器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波電力増幅器を送信回路に備えたことを特徴とする携帯型無線端末。
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