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JP4988083B2 - 室温硬化性組成物 - Google Patents

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JP4988083B2
JP4988083B2 JP2000206521A JP2000206521A JP4988083B2 JP 4988083 B2 JP4988083 B2 JP 4988083B2 JP 2000206521 A JP2000206521 A JP 2000206521A JP 2000206521 A JP2000206521 A JP 2000206521A JP 4988083 B2 JP4988083 B2 JP 4988083B2
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は室温硬化性組成物に関し、さらに詳しくは、アクリル電着塗装、フッ素焼付等が施された鋼板やシリコーン系シーラント等のシーラントの硬化物に対しても十分な接着性を発現する室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基(以下「反応性珪素基」という場合がある。)を少なくとも1個有する有機重合体は、優れた常温硬化性を有することで知られ、接着剤、シーラント等に用いられている。特に、有機重合体が飽和炭化水素系のものである場合は、その優れた耐候性、低透湿性等から、防水材、シーラントとして好適に用いられる。
しかし、前記飽和炭化水素系有機重合体は接着発現性に劣るため、接着発現性を高めるべく種々の手法が検討されている。例えば、特開平8−41169号公報、特開平8−41361号公報および特開平8−48748号公報にはエポキシ樹脂を含有させる処方が、また、特開平8−81599号公報には接着付与剤を含有させる処方が記載されているが、いずれも接着発現性は十分でないため、プライマーを併用することが必要不可欠であった。しかし、アクリル電着塗装、フッ素塗装等が施された鋼板やシーラント、特にシリコーン系シーラントの硬化物に対しては、プライマーを併用しても、十分な接着性を発現させることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応性珪素基を少なくとも1個有する有機重合体(以下「反応性珪素基を有する有機重合体」という場合がある。)を主成分とし、アクリル電着塗装、フッ素塗装等が施された鋼板やシリコーン系シーラント等のシーラントの硬化物に対しても十分な接着性を発現する室温硬化性組成物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有する有機重合体100質量部、(B)エポキシ樹脂1〜50質量部、(C)オキサゾリジン化合物0.1〜30質量部、(D)シラノール縮合触媒、(E)アミン系助触媒、および、(F)(1)2−エチルヘキサン酸、(2)オルトギ酸エステルおよび(3)オルトギ酸エステルとp−トルエンスルホン酸モノイソシアネートとの混合物または付加物からなる群から選択される少なくとも1つのオキサゾリジン開環促進剤を含有する室温硬化性組成物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の室温硬化性組成物に用いられる(A)有機重合体は、芳香族環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、反応性珪素基、即ち、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有するものである。
【0007】
(A)有機重合体の骨格となる重合体は、例えば、以下の方法によって得られる。
【0008】
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭素数が1〜6のオレフィン系化合物を主単量体として重合させる方法。
(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独重合させるか、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させた後、水素添加する方法。
【0009】
これらの重合体のうち、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができる等の点から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体であるのが好ましい。
【0010】
このイソブチレン系重合体は、単量体単位の全てがイソブチレン単位で形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下の範囲で含有していてもよい。イソブチレンと共重合性を有する単量体成分としては、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が例示される。
【0011】
このような共重合体成分としては、例えば、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0012】
また、イソブチレンと共重合性を有する単量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を用いると、珪素含有量が増加し、シランカップリング剤として作用し得る基が多くなり、得られる組成物の接着性が向上する。
【0013】
さらに、水添ポリブタジエン系重合体や他の有機重合体においても、イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体単位を含有してもよい。
【0014】
また、(A)有機重合体は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、ブタジエン、イソプレン等のポリエン化合物のような重合後に二重結合の残る単量体単位を少量、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下の範囲で含有してもよい。
【0015】
(A)有機重合体の反応性珪素基は従来公知の官能基であり、その代表例としては、下記式1
【0016】
【化1】
【0017】
(式中、R1 およびR2 は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R3 3 SiO−(R3 は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3 は同一であっても異なってもよい。)で示されるトリオルガノシロキシ基を表し、R1 およびR2 が2個以上存在するとき、同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を表し、2個以上存在するとき、同一であっても異なっていてもよい。pは0、1、2または3であり、qは0、1、2であるが、p+rq≧1である。また、r個の
【0018】
【化2】
【0019】
におけるqは同一である必要はない。rは0または1〜19の整数である。)で示される基が挙げられる。
【0020】
式1における加水分解性基は、特に限定されるものではなく、従来公知の加水分解性基が使用可能であるが、具体的には、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が好適に例示される。なかでも、アルコキシ基が加水分解性が温和で、取扱いが容易な点から好ましく、特に好ましくはメトキシ基である。
【0021】
この加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(p+rq)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであっても、異なっていてもよい。
【0022】
この反応性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよく、特に、下記式
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、R2 、Xおよびpは前記と同じである。)で示される反応性珪素基が入手容易であるので好ましい。
【0025】
反応性珪素基は、有機重合体の1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在する。分子中に含まれる反応性珪素基の数が1個未満では、接着性が発現しにくくなる。
【0026】
反応性珪素基は、(A)有機重合体の分子鎖の末端に存在していてもよく、内部に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。特に反応性珪素基が分子末端に存在する場合には、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目鎖量が多くなるので好ましい。また、これらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0027】
この(A)有機重合体、特にイソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は、500〜100000程度であるのが好ましく、さらに好ましくは1000〜30000程度の液状または流動性を有するものが取り扱いやすい等の点から好ましい。
【0028】
以上説明した(A)有機重合体の具体的な製造方法は特開平8−41360号公報に詳細に記載されている。
また、以上説明した(A)有機重合体としては、具体的には、下記式2
【0029】
【化4】
【0030】
(m、nは0または1〜20の整数、1≦m+n≦20)に示されるEPION(鐘淵化学工業社製)が好適に例示される。
【0031】
また、(A)有機重合体としては、特公昭61−18569号公報に開示されている方法によって得られるポリエーテルおよび/またはポリエステルを主鎖に持ち、分子末端に加水分解性珪素基を有する変成シリコーン樹脂も好適に用いることができる。具体的には、市販のMSポリマー(鐘淵化学工業社製)が好適に例示される。
更に、(A)有機重合体として、主鎖にポリエーテル、ポリエステル基を有し、OH基または末端のSH基に加水分解性シリル基を導入した特開平8−134168号公報に記載のシリル化ポリサルファイドポリエーテルポリマー等が例示できる。
【0032】
本発明に用いられる(B)エポキシ樹脂は、1分子内に平均1個以上のエポキシ基を有する未硬化のエポキシプレポリマーである。ここで1分子内のエポキシ基の平均値とは、エポキシ樹脂の分子量の合計をエポキシ当量の合計で割った値を指す。
具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。
また、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
更に下記式
−(C2 4 OCH2 OC2 4 n )−
(式中、nは1〜5の整数である。)
で表されるポリサルファイド骨格を主鎖とするポリサルファイド変性エポキシ樹脂も好適に用いられる。このポリサルファイド変性エポキシ樹脂の具体例は、東レチオコール社製のフレップ50、フレップ60、フレップ65等が挙げられる。
本発明においては、上述の各種エポキシ樹脂を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。後述するように、(A)有機重合体と(B)エポキシ樹脂の相溶性・分離性は、接着発現性の優劣に関与するので、2種以上のエポキシ樹脂を併用することにより、両者の相溶性・分離性を適切な程度に調整することも有用である。
【0033】
本発明の室温硬化性組成物における(B)エポキシ樹脂の含有量は、(A)有機重合体100質量部に対して、1〜50質量部であり、1〜30質量部であるのが好ましい。この範囲であると有機重合体の物性を損なわない。
【0034】
本発明に用いられる(C)オキサゾリジン化合物は、酸素と窒素を含む飽和5員環の複素環を有する化合物で、湿気(水)の存在下で開環するオキサゾリジン環を有する化合物である。具体的には、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン、およびそのポリイソシアネート付加物、オキサゾリジンシリルエーテル、カーボネートオキサゾリジン、エステルオキサゾリジン等が挙げられる。
【0035】
N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、例えば、アルカノールアミンとケトン又はアルデヒドとの脱水縮合反応によって調製することができる。N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンには、2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)とする)、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(2)とする)、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(3)とする)、2−(p−メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(4)とする)、2−(2−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルオキサゾリジン(以下、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(5)とする)等が包含される。
【0036】
【化5】
【0037】
オキサゾリジンシリルエーテルは、上述のN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンと、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランとの反応により得られる。
この反応はチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドあるいは2価のSnを触媒として40℃〜160℃で、特に好ましくは80℃〜140℃で行なう。
【0038】
オキサゾリジンシリルエーテルの具体例を以下に示す。
【化6】
【0039】
カーボネートオキサゾリジンは、例えば、特開平5−117252号公報の方法で得られるカーボネートオキサゾリジン等が挙げられる。カーボネートオキサゾリジンは、例えば上述のヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)等のヒドロキシアルキルオキサゾリジンとジアリルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピレンカーボネート等のカーボネートとを、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを用いて反応させることによって得ることができる。この反応は、例えばナトリウムメチラート等のエステル交換触媒の存在下で、60〜160℃、好ましくは100〜140℃の範囲の温度で行われる。触媒の添加量は、ヒドロキシアルキルオキサゾリジン、カーボネート、多価アルコールの合計量に対して50〜1000ppmであるのが好ましい。
【0040】
こうして調製されるカーボネートオキサゾリジンは、下記式3で表される。
【化7】
(式中、nは、1〜10の整数で、R4 およびR5 は各々独立に炭素数1〜8個の有機基である。R6 およびR7 は各々独立に水素原子又は炭素数1〜8個の有機基である。)
式3で表される化合物の一具体例には、下記カーボネートオキサゾリジン(1)がある。
【0041】
【化8】
【0042】
エステルオキサゾリジンとしては、例えば、米国特許第3661923号公報および米国特許第4138545号公報の方法で得られるエステルオキサゾリジン等の種々のエステルオキサゾリジンを用いることができ、例えば上述のヒドロキシアルキルオキサゾリジン(1)とジカルボン酸もしくはポリカルボン酸の低級アルキルエーテルとの反応によって得ることができる。具体的には、下記エステルオキサゾリジン(1)が挙げられる。さらに、下記エステルオキサゾリジン(2)で示されるバイエル社製のハードナーOZ等の市販品を使用することもできる。
【0043】
【化9】
【0044】
1分子中に3個以上のオキサゾリジン環を有するオキサゾリジン化合物を用いてもよく、この化合物は、下記式4で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物とを反応することによって1分子中に3個以上のオキサゾリジン環を有する化合物として合成する。
【0045】
【化10】
【0046】
ここでR8 は炭素数2〜3の直鎖状または分岐鎖を有する2価の脂肪族炭化水素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を示す。また、R9 およびR10は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。
上記式4で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、相当するアルデヒドまたはケトンとN−ヒドロキシアルキルアミンより、公知の方法により合成される。
【0047】
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチルブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−メチルペンチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、3,5,5−トリメチルヘキシルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、トリメチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、イソプロピルベンズアルデヒド、イソブチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ジメトキシベンズアルデヒド、トリメトキシベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;等が好適である。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が好適である。
【0048】
N−ヒドロキシアルキルアミンとしては、ビス−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、ビス−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンが好適である。
【0049】
上述のアルデヒドまたはケトンと、ヒドロキシアルキルアミンとは、アルデヒドまたはケトンのモル数に対応する窒素の当モル量で反応するが、アルデヒドまたはケトンを1.01〜1.5の範囲で過剰に用いることが好ましい。特に好ましくは、1.01〜1.1の範囲である。この理由は、未反応のN−ヒドロキシアルキルアミンは生成物との分離が困難で、イソシアネートと反応するため、貯蔵安定性の低下の原因となるからである。
【0050】
反応温度は、トルエン、キシレン等の溶媒中で、還流条件下で行うことが望ましい。
反応時間は、6〜24時間とすることが望ましく、特に8〜12時間とすることが望ましい。反応時間をこの範囲とした理由は、6時間未満では反応が不完全だからであり、24時間を超えると反応混合物が着色するからである。また、反応は通常の雰囲気で行うことが好ましい。反応終了後に、過剰のアルデヒドまたはケトンを減圧下で留去して、上述の式4で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンを得る。
【0051】
ポリイソシアネート化合物は、有機基を有するポリイソシアネートであって、例えば、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、あるいはポリプロピレングリコール等の多価アルコール類と、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、オクタデシルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらの変性品等との反応生成物、あるいはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート化合物を、触媒の存在下で三量化させてイソシアヌレート環を形成させることによって得ることができる。式4のN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとの反応に際しては、これらのポリイソシアネート化合物を、単独で使用することができ、また、2種以上を併用してもよい。
【0052】
式4で表されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物を、反応温度50℃〜100℃程度で、常圧下で反応させることで、1分子に3個以上のオキサゾリジン環を有するオキサゾリジン化合物が合成される。合成の際に、粘度を下げる目的でトルエン、キシレン等の溶剤を使用してもよい。
【0053】
N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネート化合物との量比は、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンのヒドロキシル基1モルあたりポリイソシアネート化合物が1モルで反応させるのがよい。
【0054】
このような1分子に3個以上のオキサゾリジン環を有する化合物の具体例としては、下記式で表される多官能オキサゾリジン化合物(1)、(2)等が挙げられる。
【0055】
【化11】
【0056】
また、イソシアネートオキサゾリジン化合物の他の例としては、下記式5で表される化合物を示すことができる。
【0057】
【化12】
【0058】
ここで、R11は炭素数2〜6の、好ましくは炭素数2〜3の、より好ましくは炭素数2のアルキレン基である。
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数5〜7の脂環式アルキル基、または炭素数6〜10のアリール基である。
14は炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、またはウレタン結合を含む炭素数2〜6のアルキレン基またはウレタン結合を含むアリール基であり、ウレタン結合を有する炭素数1〜5のアルキル基またはアリール基であることが好ましい。
【0059】
15はn個のポリイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる基で、イソシアネート化合物の骨格を形成するものであれば良い。ジイソシアネートまたはトリイソシアネート化合物の骨格となる化合物であることが好ましい。
nは、1〜4の整数であり、2または3であることが好ましい。特に、nが2または3であると、引張強度と引張伸び率のバランスがとれた硬化物が得られる。3を超えると堅くてもろくなり、又2未満だと硬化が不充分になる。
【0060】
イソシアネートオキサゾリジン化合物の具体例としては、
【化13】
などのTDIベース、MDIベース、XDIベース、HDIベースなどの多官能オキサゾリジン等が挙げられ、バイエルン社製のハードナーOZなどの市販品を使用することができる。
【0061】
イソシアネートオキサゾリジン化合物の好ましい他の例は、下記式6:
【化14】
(式中、R16は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素基、R17は、有機のポリイソシアネートからイソシアネート基を除いて得られる残基、mは1〜6の整数、nは0〜4の整数である。)
で示されるオキサゾリジン化合物である。
【0062】
上記式中、R16は、炭素原子数5以上、好ましくは炭素原子数5〜15の脂肪族炭化水素基であって、例えば、n−ペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、3,5,5−トリメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デカニル、n−ウンデカニル、n−ドデカニル、n−トリデカニル、n−テトラデカニルなどが挙げられる。なかでも、炭素原子数5〜10の場合が好ましい。そして、R16の位置の置換基が、2置換基とも脂肪族炭化水素では加水分解が速すぎて、貯蔵安定性が悪い。また、R16が、芳香族基であると加水分解が遅く、硬化性が悪い。さらに、炭素原子数4以下では比較的加水分解が速くて、貯蔵安定性が悪い。また、従来、オキサゾリジン化合物としてR16が炭素原子数1〜6のアルキル基である化合物等を開示するものがあるが、具体的にこの範囲内の炭素数の違いによって潜在性硬化剤としての効果の違いを認識している技術はない。
【0063】
17は、有機のポリイソシアネートからイソシアネート基を除いて得られる残基であって、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれでもよい。たとえば、トリレン、ジフェニルメタン、フェニレン、ポリメチレンポリフェニレンなどの芳香族基、ヘキサメチレンなどの脂肪族基、イソホロンなどの脂環式炭化水素基、キシレンなどの芳香族脂肪族基、さらに、これらのカルボジイミド変性基またはイソシアヌレート変性基などが挙げられ、これらの1種または2種以上の組み合わせとして使用される。
【0064】
mは、1〜6の整数、特に、2〜3であるのが、硬化性、硬化物の物性の点で好ましい。また、nは、0〜4の整数、特に、0〜2であるのが、硬化性の点で好ましい。
【0065】
式5で示されるイソシアネートオキサゾリジン化合物の製造方法は、
▲1▼ジエタノールアミンと相当するアルデヒドより下記式7で示されるN−ヒドロキシエチルオキサゾリジンを合成し、
【化15】
(式中、R18は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素である。)
【0066】
▲2▼得られた式7で示されるN−ヒドロキシエチルオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとを反応させて合成することができる。予め、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンが入手できている場合は、上記の工程▲2▼のみで、所期のイソシアネートオキサゾリジン化合物を得ることができる。
▲1▼の反応は、反応温度70〜150℃、溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒の存在下で反応させる。反応終了後、油浴下で、反応混合物を5〜10時間還流させる。
また、▲2▼の反応は、N−ヒドロキシエチルオキサゾリジンと有機ポリイソシアネートとを混合し、60〜90℃で、5〜10時間反応させる。また、必要に応じて、反応の途中で温度を変化させてもよい。
【0067】
使用されるアルデヒドとしては、n−ヘキサナール、2−メチルペンタナール、2−メチルヘプタナール、n−オクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、n−デカナール、n−ウンデカナール、n−ドデカナール、n−トリデカナール、n−テトラデカナール、n−ペンタデカナールなどが挙げられ、これらのアルデヒドは、市販品として入手可能である。
【0068】
また、イソシアネートオキサゾリジン化合物を合成するために使用される有機ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれも使用可能である。
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;キシレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族ポリイソシアネート;およびこれらのカルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の組み合わせとして使用される。
【0069】
上述のようにして得られたイソシアネートオキサゾリジン化合物は、さまざまに物性を調整できる等の特性がある。
【0070】
成分(C)の好ましい他の例は、オキサゾリジンシリルエーテルであり、例えば、(i)水酸基を含有するオキサゾリジンとアルコキシシランとの反応により得られるか、あるいは(ii)水酸基を有するオキサゾリジンとハロゲン化シリル化合物との反応等によって合成することができる。
この内(i)の反応はチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドあるいは2価の錫化合物(Sn2+)を触媒として40〜160℃で、特に好ましくは80〜140℃で行う。触媒は、そのまま添加しても、あるいはキシレン等の有機溶媒の溶液中に溶かして使用してもよい。このような触媒の使用量は、オキサゾリジン100質量部に対して、0.01〜5質量部、特に0.1〜2質量部であるのが、反応時間、生成物の純度の点で好ましい。
【0071】
このようなオキサゾリジンシリルエーテルは、下記式8で示される化合物であるのが好ましい。
【化16】
式中、nは、0〜3の整数である。
【0072】
19は、水素原子、炭素原子数1〜12個を有するアルキル基、アルコキシアルキル基、脂環基、アルコキシ基、アクリロキシアルキル基、アミノアルキル基またはメルカプトアルキル基、;ビニル基、フェニル基、アミノ基等が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、メタアクリロキシプロピル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニル基、アミノ基、メルカプトプロピル基が例示される。nが、2以上の場合、R19基は、各々独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。
【0073】
20は炭素数2または3のアルキル基、特に、エチル基、イソプロピル基であるのが好ましい。
21は水素原子またはメチル基であるのが好ましい。
22、R23は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。さらに、炭素原子数3〜12であるのが好ましく、具体的には、イソプロピル基、イソペンチル基、フェニル基、例えばメトキシフェニル基などのアルコキシフェニル基が挙げられ、中でもR22、R23の内の一方が、水素原子であるのが、貯蔵安定性、硬化性の点で好ましい。
【0074】
具体例は、下記式で示されるオキサゾリジンシリルエーテル化合物(1)〜(7)等が挙げられる。
【0075】
【化17】
【0076】
【化18】
【0077】
さらに本発明の成分(C)として好適に用いられるオキサゾリジン化合物は、下記式9で示される化合物である。
【化19】
【0078】
ここでR24は炭素数1以上の直鎖状または分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基を示す。
また、R25およびR26は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
これらの好ましい具体例を以下に示す。
【0079】
【化20】
【0080】
本発明の室温硬化性組成物における(C)オキサゾリジン化合物の含有量は、(B)エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜80質量部であり、5〜40質量部であるのが好ましい。この範囲であると有機重合体の物性や硬化性を損なわない。
【0081】
本発明の室温硬化性組成物が、接着発現性に優れる理由を示す。
本発明の室温硬化性組成物においては、(A)有機重合体と(B)エポキシ樹脂が分散している状態から徐々に両者が分離し、主に分離した(B)エポキシ樹脂が硬化することにより、接着性が発現する。
一方、(C)オキサゾリジン化合物は、湿気(水)の存在下で加水分解によりイミノ基と水酸基を生成し、そのイミノ基が(B)エポキシ樹脂の有するエポキシ基と反応して(B)エポキシ樹脂を硬化させる。
イミノ基による(B)エポキシ樹脂の硬化は、室温下では必ずしも速くないが、(A)有機重合体の室温下での硬化性を考慮すると好適な速さである。このように、(A)有機重合体と(B)エポキシ樹脂の硬化のバランスが好適であるため、本発明の室温硬化性組成物の接着発現性は優れたものとなるのである。
【0082】
本発明の室温硬化性組成物に用いられる(D)シラノール縮合触媒は、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタネート系カップリング剤;錫カルボン酸塩類(例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチル錫ジアセチルアセトナート等の有機錫化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】
本発明の室温硬化性組成物における(D)シラノール縮合触媒の含有量は、(A)有機重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であるのがより好ましい。この範囲であると室温下での可使時間と硬化特性のバランスに優れたものとなる。
【0084】
本発明の室温硬化性組成物に用いられる(E)アミン系助触媒は、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物およびこれらのアミン系化合物とカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0085】
本発明の室温硬化性組成物における(E)アミン系助触媒の含有量は、(A)有機重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。この範囲であると可使時間と硬化特性のバランスに優れたものとなる。
【0086】
本発明の室温硬化性組成物は、上記必須成分に加えて、粘度、物性等を調整するために必要に応じて、架橋剤、充填剤、可塑剤、安定剤、着色剤等を含有してもよい。なかでも、(F)(1)2−エチルヘキサン酸、(2)オルトギ酸エステルおよび(3)オルトギ酸エステルとp−トルエンスルホン酸モノイソシアネートとの混合物または付加物からなる群から選択される少なくとも1つのオキサゾリジン開環促進剤を含有するのが好ましい。これらの(F)オキサゾリジン開環促進剤により、(C)オキサゾリジン化合物のオキサゾリジン環の開環反応が促進され、(B)エポキシ樹脂の硬化性が著しく向上する。
【0087】
2−エチルヘキサン酸は、オキサゾリジン環の開環促進剤として知られており、本発明においても好適に使用できる。
【0088】
オルトギ酸エステルは、下記式13で表される化合物である。
【化21】
【0089】
ここでR27、R28、およびR29は、アルキル基またはアリール基を表す。
オルトギ酸エステルとしては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等が例示できる。オルトギ酸エステルは、加水分解することにより酸を供給し、これによりオキサゾリジン環の開環反応の触媒として作用しうる。
【0090】
p−トルエンスルホン酸モノイソシアネートは、下記式14で表される化合物であって、ホスゲンを用いたり、ホフマン分解による公知のイソシアネート合成法によって得ることができるが、住友バイエルウレタン社製のアディティブTi等の市販品を使用することができる。
p−トルエンスルホン酸モノイソシアネートと混合しまたは付加させるオルトギ酸エステルは、上述した単独で用いる場合と同様のものを使用することができる。
【0091】
【化22】
【0092】
本発明の室温硬化性組成物における(F)オキサゾリジン開環促進剤の含有量は、(C)オキサゾリジン化合物100質量部に対して、0.1〜100質量部であるのが好ましく、1〜50質量部であるのがより好ましい。この範囲であると望ましい硬化物性が得られる。
【0093】
本発明の必須成分および本発明に好適に用いられる(F)成分以外に、必要な場合に添加してもよい成分を以下に例示する。
【0094】
充填剤は、例えば、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、およびこれらを脂肪酸、樹脂酸または脂肪酸エステルで表面処理したもの)、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライト、珪藻土、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、アクリロニトリル・メタクリロニトリル樹脂バルーン等が挙げられ、単独でまたは混合して使用できる。
【0095】
可塑剤は、プロセスオイルまたは他の炭化水素類で(A)有機重合体と相溶するものであれば特に限定されるものではなく、公知各種の可塑剤が使用可能である。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル;部分水添ターフェニル等の炭化水素油;プロセスオイル類;アルキルベンゼン類等が挙げられる。なかでも、プロセスオイルを使用するのが(A)有機重合体との相溶性が良好な点から好ましい。可塑剤は、(A)有機重合体と別に添加してもよいが、予め(A)有機重合体と混合するのが、作業性に適した粘度になるので好ましい。
本発明の室温硬化性組成物における可塑剤の含有量は、(A)有機重合体100質量部に対して、30〜200質量部であるのが好ましく、30〜150質量部であるのがより好ましい。
【0096】
安定剤は、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール化合物が挙げられる。着色剤は、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック、ベンガラが挙げられる。
【0097】
本発明の室温硬化性組成物は、例えば、必須成分である(A)有機重合体、(B)エポキシ樹脂、(C)オキサゾリジン化合物、(D)シラノール縮合触媒、(E)アミン系助触媒、および、必要に応じて、(F)オキサゾリジン開環促進剤その他の添加剤をかくはん混合することにより得られる。
【0098】
本発明の室温硬化性組成物は、アルミニウム板やガラス板だけでなく、アクリル電着塗装、フッ素塗装等が施されたいわゆる難接着鋼板やシリコーン系シーラント等のシーラントの硬化物に対しても、優れた接着性を発現し得る。従って、アクリル電着塗装、フッ素塗装等が施された鋼板やシリコーン系シーラント等のシーラントの硬化物が用いられる各種建材のシーラントとして好適に用いられる。
【0099】
本発明の室温硬化性組成物は、2液型シーラントまたは1液型シーラントのいずれの態様にすることもできる。2液型または1液型のいずれにするかは、用途や用いる(A)有機重合体の性状等に鑑みて決定することができる。
2液型シーラントとする場合は、(C)オキサゾリジン化合物を硬化剤側に含有させるのが好ましい。
【0100】
また、本発明の室温硬化性組成物は、使用の際にプライマーを併用することもでき、より優れた接着性を発現させることができる。プライマーとしては、アミノ基含有シランカップリング剤を含有するものが接着発現性に優れるので好ましい。
【0101】
アミノ基含有シランカップリング剤は、具体的には、アミノ基を含有する従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。
【0102】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<室温硬化性組成物の調製>
以下に示される材料を第1表に示される量比で5Lプラネタリー(万能かくはん機)を用いてかくはん混合して、反応性珪素基を有する有機重合体を主成分とする室温硬化性組成物となる2液型シーラントの主剤および硬化剤を調製した。
(1)主剤成分
▲1▼(A)有機重合体:PIBオリゴマー、EPION505S、鐘淵化学工業社製、平均分子量20000、33質量%のプロセスオイルを含有
▲2▼(B)エポキシ樹脂
i)ビスフェノール型エポキシ樹脂:エピコート828、油化シェル化学社製、エポキシ当量184〜194
ii)ポリサルファイド型エポキシ樹脂:FLEP50、東レチオコール社製▲3▼充填剤:脂肪酸処理炭酸カルシウム、カルファイン200、丸尾カルシウム社製
▲4▼可塑剤:プロセスオイル、PS−32、出光興産社製
▲5▼水
(2)硬化剤成分
▲1▼(C)オキサゾリジン化合物
i)MS−PLUS、ANGUS社製、化学構造式は前記式11で表される。
ii)ハードナーOZ、バイエル社製
▲2▼(D)シラノール縮合触媒:オクチル酸錫、ネオスタンU−28、日東化成社製
▲3▼(E)アミン系助触媒:ラウリルアミン、ファーミン20D、花王社製
▲4▼(F)オキサゾリジン開環促進剤
i)2−エチルヘキサン酸
ii)オルトギ酸エステル:パーマフローOF、日宝化学社製
iii )p−トルエンスルホン酸モノイソシアネート:アディティブTi(Ad−Ti)、住友バイエルウレタン社製
なお、オルトギ酸エステルとp−トルエンスルホン酸モノイソシアネートは、予めかくはん混合し、混合物または付加物とした後に用いた。
【0103】
【表1】
【0104】
<プライマー組成物の調製>
以下に示される材料を第2表に示される量比でかくはん混合して、プライマー組成物AおよびBを調製した。
(1)有機溶剤
▲1▼n−ヘキサン
▲2▼トルエン
(2)シリコーン樹脂:ポリアルキルシロキサン、X−40−2134、信越化学工業社製
(3)アミノ基含有シランカップリング剤:N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、A1120、日本ユニカー社製
(4)硬化触媒:チタン酸エステル、TPT−100、日本曹達社製
(5)飽和炭化水素系重合体:PIBオリゴマー、EPION103S、鐘淵化学工業社製、重量平均分子量5000、23質量%のプロセスオイルを含有
【0105】
【表2】
【0106】
<接着性試験>
得られたプライマー組成物AまたはBをベンコットにより平板状の被着体の表面に塗布した。被着体としては、アルミニウム板、ガラス板、アクリル電着塗装鋼板、フッ素塗装鋼板およびシリコーン系シーラント硬化物を用いた。これら被着体の上に、常温下、各プライマー組成物を塗布し、60分間放置した後、各室温硬化性組成物を直径約1cmのビード状に打設し、20℃3日間および50℃3日間の養生を行った。
その後、ナイフカットによる簡易接着性試験(日本シーリング材工業会「建築用シーリング材ハンドブック」p.109)に準拠し、引張方向として0°の方向と90°の方向についてはく離試験行った(0°はく離試験および90°はく離試験)。接着性は、○:シーラント破壊、△:薄層はく離、×:界面はく離のように評価した。
【0107】
結果を第3表に示す。第3表から明らかなように、本発明の室温硬化性組成物(参考例1および2)は、ガラス、アクリル電着塗装鋼板、フッ素塗装鋼板およびシリコーン系シーラント硬化物のいずれの被着体に対しても、優れた接着性を発現する。
また、接着発現性に劣るプライマー(プライマーB)を用いる場合には、更に(F)オキサゾリジン開環促進剤を加えたり、適当な(C)オキサゾリジン化合物を選択したりすることによって、優れた接着性を発現させることができる。
これに対し、(A)有機重合体と(B)エポキシ樹脂を含有し、(C)オキサゾリジン化合物を含有しない従来の室温硬化性組成物(比較例1)は、十分な接着性を発現しない。
【0108】
【表3】
【0109】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性組成物は、アクリル電着塗装、フッ素塗装等が施された難接着性鋼板やシリコーン系シーラント等のシーラントの硬化物に対しても十分な接着性を発現する。

Claims (4)

  1. (A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有する有機重合体100質量部、(B)エポキシ樹脂1〜50質量部、(C)オキサゾリジン化合物0.1〜30質量部、(D)シラノール縮合触媒、(E)アミン系助触媒、および、(F)(1)2−エチルヘキサン酸、(2)オルトギ酸エステルおよび(3)オルトギ酸エステルとp−トルエンスルホン酸モノイソシアネートとの混合物または付加物からなる群から選択される少なくとも1つのオキサゾリジン開環促進剤を含有する室温硬化性組成物。
  2. 前記有機重合体が、炭素数が1〜6のオレフィン系化合物を主単量体として重合させて得られる重合体、ジエン系化合物を単独重合させ水素添加して得られる重合体、または、前記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させ水素添加して得られる重合体である請求項1に記載の室温硬化性組成物。
  3. 前記有機重合体が、イソブチレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体である請求項に記載の室温硬化性組成物。
  4. 前記オキサゾリジン化合物が、以下の式9で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の室温硬化性組成物。
    (式9中、R24は炭素数1以上の直鎖状または分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基を表す。R25およびR26は、各々独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
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