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JP4986273B2 - アルギン酸を含む創傷被覆材 - Google Patents

アルギン酸を含む創傷被覆材 Download PDF

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Description

本発明は、低エンドトキシン処理されたアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いる、創傷治癒効果が高められた創傷被覆材に関する。
褥瘡などの深い傷は、治癒までに時間がかかり、長期療養患者のクオリティーオブライフを低下させることが問題となっており、より短期で傷を修復させることが望まれている。また、術後の創傷部位の修復を促進することは、入院期間の短縮にもつながり、医療経済上のニーズが高いだけでなく、また、感染等の確率も低下することから、患者の術後ケアの面でも、ニーズが高い。
創傷部位を保護し、湿潤環境に保つことにより、治癒に導く閉鎖性の創傷被覆材が既に各種開発され、市販されている。主な被覆材には、ポリウレタンフィルム、ハイドロコロイド、キチン/キトサン、コラーゲン、アルギン酸塩を用いたものがあげられる。中でも、アルギン酸塩を用いた創傷被覆材(以下アルギン酸創傷被覆材と呼ぶことがある)は、その止血作用および高吸水率と柔軟性から褥瘡などの比較的深い傷にも有効であるとされている。
アルギン酸はカジメ、アラメ、コンブなどの褐藻類から抽出される多糖類であって、D−マンヌロン酸とL−グルロン酸とで構成される直鎖型高分子である。アルギン酸塩水溶液は、カルシウムなどの2価の金属イオンを加えるとゲル化する性質があり、この性質を利用したカルシウムイオン架橋ゲルは創傷被覆材として広く使用されている(非特許文献1:機能材料,20(2), 18-22 (2000) 谷原正夫)。
しかしながら、カルシウムイオン架橋ゲルは、カルシウムイオン濃度が高い場合、細胞毒性を示す。本発明者等はゲルの架橋をカルシウムに依存しない、共有結合架橋ゲルを作製した(特許文献1:特開平8-24325号公報)。共有結合架橋ゲルは、従来のカルシウム架橋ゲルと比較して、損傷後15日目までにおける創閉鎖率が格段に向上し、また、治癒組織中の組織学的検討から、治癒組織に被覆材断片の残存が極めて少なく、かつ再生した組織中のコラーゲン線維の方向が一定であり、正常な組織に近いことが確認された(非特許文献1:機能材料,20(2), 18-22 (2000) 谷原正夫、非特許文献2:Improvement of Alginate dressing, 522-527)。
一方で、架橋に用いるカルシウムは止血効果にも寄与しており、患部からの出血量が多い場合には、出血を押さえつつ傷口を保護するというアルギン酸のカルシウムイオン架橋ゲルの特性が重視されており、一概に、カルシウムイオンを除くことがよいともいえない。カルシウムイオンの濃度を調節し、細胞毒性を低めた、共有結合架橋の創傷被覆材についても報告がなされている(特許文献2:特開2005-75815号公報)。
以上のように、アルギン酸創傷被覆材については、カルシウムによる細胞毒性を低減させることに着目した改良が進められているが、さらなる治癒促進効果が求められている。
エンドトキシンは、グラム陰性細菌の外膜に存在するリポ多糖であって、発熱、ショック、凝固繊溶系の反応促進、血小板・白血球減少など多彩な生物活性を示すことが知られている。アルギン酸等の天然由来の素材は、エンドトキシンが含まれていると考えられるため、医用材料として血管内や体内組織中に使用する場合には、発熱やショックなどエンドトキシンの全身への影響が懸念される。そのため、天然由来の素材からエンドトキシンを除去する方法についての検討がなされ、低エンドトキシンの精製法等についての文献も存在している(特許文献3:特表2002-530440号公報)。また、エンドトキシン含有量を低減した細胞接着性ポリペプチドを被覆材料に付着させた創傷被覆材についての文献は存在する(特許文献4:特開2004-49921号公報)。
しかしながら、創傷被覆材の基材に含まれるエンドトキシンについては、それほど問題視されていないのが現状である。例えば、現在、市販されているアルギン酸創傷被覆材は、低エンドトキシン処理がなされていないアルギン酸塩(通常、エンドトキシン含量は数万〜十数万EU/gといわれる)を原料として作製されているが、それは、アルギン酸塩等、エンドトキシンを多量に含有する天然由来の素材が格段の低エンドトキシン処理もされずに創傷被覆材に古くから使用され、何ら問題が生じていなかったことによると推察される。
このように、これまで、低エンドトキシン処理された基材を用いた場合とそうでない場合の、創傷被覆材の機能の違いについての報告はなく、創傷治癒効果への影響も何等知られていなかった。
機能材料,20(2), 18-22 (2000) 谷原正夫 Y. Suzuki, M. Tanihara, Y. Nishimura, K. Suzuki, Y. Yamawaki, H. Kudo, Y. Kakimaru, Y. Shimizu, In vivo evaluation of a novel alginate dressing, J. Biomed. Mate. Res. (Appl. Biomater.), 48, 522-527(1999). 特開平8-24325号公報 特開2005-75815号公報 特表2002-530440号公報 特開2004-49921号公報
上記のような状況下、創傷治癒速度および創傷治癒効果を格段に向上させた創傷被覆材が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、驚くべきことに、創傷被覆材作製に用いるアルギン酸塩を低エンドトキシン処理することによって、創傷治癒が促進することを確認した。すなわち、本発明は、低エンドトキシン処理されたアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いた創傷被覆材であって、既存の被覆材と比較して創傷治癒効果を高めた創傷被覆材を提供する。
すなわち、本発明は、
〔1〕低エンドトキシン処理されたアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩を用いることを特徴とする創傷被覆材;
〔2〕アルギン酸の塩を用いる、上記〔1〕に記載の創傷被覆材;
〔3〕アルギン酸ナトリウムを用いる、上記〔2〕に記載の創傷被覆材;
〔4〕アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩のM/G比が2以下である、上記〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔5〕アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩が、レッソニア属、マクロシスティス属、ラミナリア属、アスコフィラム属又はダービリア属の褐藻由来である、上記〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔6〕アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩が、レッソニア・ニグレッセンズ由来である上記〔5〕に記載の創傷被覆材;
〔7〕厚さが、0.1〜20mmである上記〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔8〕密度が、0.005〜0.05g/cmである上記〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔9〕アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩と、分子内に2〜4個のアミノ基を有する架橋性試薬とを共有結合して得られる架橋体からなる上記〔1〕ないし〔8〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔10〕低エンドトキシン処理が、洗浄、フィルターろ過、限外ろ過、カラムを用いた精製、吸着、有機溶媒処理、界面活性剤処理、またはこれらの組合せによって行われる、上記〔1〕ないし〔9〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔11〕アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩のエンドトキシン含有量が100エンドトキシン単位(EU)/g以下である上記〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔12〕エンドトキシン含有量が500エンドトキシン単位(EU)/g以下である上記〔1〕ないし〔11〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔13〕カルシウム含有量が、乾燥重量換算で創傷被覆材総重量の1〜6重量%である、上記〔1〕ないし〔12〕のいずれかに記載の創傷被覆材;
〔14〕創傷治癒効果が高められた上記〔1〕ないし〔13〕のいずれかに記載の創傷被覆材などに関する。
本発明により、創傷治癒効果に優れた創傷被覆材が提供される。すなわち、創傷治癒過程においては、創の上皮化スピードを速める等により創傷治癒速度を向上させ、および/または、創傷部位を悪化させることなく、損傷前の正常な組織へ治癒する率を高める。また、創の上皮化スピードが速まれば、身体的、精神的負担を軽減するだけでなく、連鎖的な創傷部位症状の悪化を防止し、身体の他の臓器、組織への影響も軽減し、全身的に治癒効果の向上が予想される。治癒効果の向上は、治癒後、損傷部位の傷跡が残りにくく、外観的にも損傷前の皮膚の状態に回復しやすいというメリットも期待できる。本発明の材は、アルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩からなるので免疫原性が低く、生体親和性、安全性にも優れ、体表面の欠損部や損傷部、手術創等に適用し、優れた創傷治癒効果を発揮することができる。
まず、本発明は、低エンドトキシン処理されたアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いることを特徴とする創傷被覆材に関する。以下、本発明で用いられる多糖類、アルギン酸、低エンドトキシン処理、創傷被覆材などについて説明する。
1.多糖類もしくはその誘導体またはその塩
本発明に用いる多糖類もしくはその誘導体またはその塩は、低エンドトキシン処理を経たものであれば、特に限定されない。多糖類とは、単糖類(単糖の置換誘導体も含む)がポリグリコシル化した高分子化合物(重合度10以上)をいう。具体的には、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、寒天、ペクチン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、アラビアゴム、ヘパリン、コンドロイチン硫酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩が挙げられ、これらは市販品から入手可能であるが、好ましくはアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩、またはヒアルロン酸もしくはその誘導体またはその塩であり、より好ましくはアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩であり、特に好ましくはアルギン酸の塩である。
本発明で用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩は天然由来でも合成物であってもよく、天然由来であるのが好ましい。本発明で好ましく用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩は、レッソニア、カジメ、アラメ、コンブなどの褐藻類から抽出される高分子多糖類であって、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖状に重合したポリマーである。より具体的には、D−マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、L−グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、及びD−マンヌロン酸とL−グルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合したブロック共重合体である。アルギン酸のゲル化能力や生成したゲルの性質はD−マンヌロン酸とL−グルロン酸の構成比(M/G比)によって影響を受け、一般的に、G比率が高い場合にはゲル強度が高くなることが知られている。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩のM/G比は、主に海藻の種類によって異なり、また、生育場所や季節による影響を受け、M/G比が約0.4の高G型からM/G比が約5の高M型まで高範囲にわたる。M/G比によって、ゲルの性質も影響を受けるため、例えば、ゲル化能、ゲルの硬さ、もろさ、吸水性、柔軟性、体表面との接触のしやすさ、あるいは、共に用いる薬剤や添加剤との相性等により好ましいM/G比を有するアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩を適宜選択することができる。本発明に用いるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩のM/G比は特に限定されないが、通常約0.4以上であり、好ましくは約3以下であり、より好ましくは約2以下であり、特に好ましくは約0.8〜2.0、とりわけ好ましくは約1.0〜1.6である。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の粘度は、特に限定されないが、創傷被覆材の性質に影響するため、被覆材を適用する創傷の種類に合わせて適宜選択できる。その1重量%水溶液の20℃における粘度は、好ましくは300cp(センチポアズ)〜1200cp程度であり、さらに好ましくは400cp〜1000cp程度、とりわけ好ましくは500cp〜900cp程度である。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩は高分子多糖類であり、分子量を正確に定めることは困難であるが、一般的に1万〜1000万、好ましくは5万〜300万の範囲である。
アルギン酸を含有する褐藻類は世界中の沿岸域に繁茂しているが、実際にアルギン酸原料として使用できる海藻は限られており、南米のレッソニア、北米のマクロシスティス、欧州のラミナリアやアスコフィラム、豪のダービリアなどが代表的なものである。本発明のアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の原料となる褐藻類は特に限定されず、例えば、レッソニア(Lessonia)属、マクロシスティス(Macrocystis)属、ラミナリア(Laminaria)属(コンブ属)、アスコフィラム(Ascophyllum)属、ダービリア(Durvillea)属、アラメ(Eisenia)属、カジメ(Ecklonia)属などがあげられる。前述のように、M/G比が主に海藻の種類によって決まることなどから、原料として用いられる褐藻類の種類はアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の性質に影響を及ぼす。本発明で用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩としては、好ましくは、レッソニア属、マクロシスティス属、ラミナリア属、アスコフィラム属、ダービリア属の褐藻由来であり、より好ましくはレッソニア属の褐藻由来であり、特に好ましくはレッソニア・ニグレッセンズ(Lessonia nigrescens)由来である。
本発明で用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩は、これらの褐藻類を用いて、酸法、カルシウム法など公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、これらの褐藻類から、炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を用いて抽出した後、酸(例えば、塩酸、硫酸など)を添加することによってアルギン酸を得ることができ、アルギン酸のイオン交換によりアルギン酸の塩を得ることができ、アルギン酸のエステル化によりアルギン酸エステルを得ることができる。
本発明において用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩としては特に限定されないが、架橋体として用いる場合には、架橋反応を阻害する官能基を有していないことが必要である。アルギン酸誘導体としては、例えば、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸エステル;アルギン酸エーテルなどがあげられる。アルギン酸の塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸アンモニウムなどがあげられる。本発明で用いられるアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩としては、好ましくはアルギン酸の塩であり、より好ましくはアルギン酸ナトリウムである。アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩は、市販品により入手可能であるか、アルギン酸から公知の方法またはそれに準じる方法によって製造することができる。アルギン酸ナトリウムは市販品により入手可能である。
アルギン酸は、6位のカルボン酸の水素原子がナトリウムやカリウムなどの1価金属とイオン交換することで水溶性の塩をつくり、また、アルギン酸塩水溶液にCaなどの多価金属イオンを加えると、不溶性の塩をつくり、ゲルとなる。
2.低エンドトキシン処理
本発明で用いられるアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩は、低エンドトキシン処理に供される。低エンドトキシン処理は、公知の方法またはそれに準じる方法によって行うことができる。例えば、ヒアルロン酸ナトリウムを精製する、菅らの方法(例えば、特開平9-324001号公報など参照)、β1,3-グルカンを精製する、吉田らの方法(例えば、特開平8-269102号公報など参照)、アルギネート、ゲランガム等の生体高分子塩を精製する、ウィリアムらの方法(例えば、特表2002-530440号公報など参照)、ポリサッカライドを精製する、ジェームスらの方法(例えば、国際公開第93/13136号パンフレットなど参照)、ルイスらの方法(例えば、米国特許第5589591号明細書など参照)、アルギネートを精製する、ハーマンフランクらの方法(例えば、Appl Microbiol Biotechnol (1994)40:638-643など参照)等またはこれらに準じる方法によって実施することができる。本発明の低エンドトキシン処理は、それらに限らず、洗浄、フィルター(エンドトキシン除去フィルターや帯電したフィルターなど)によるろ過、限外ろ過、カラム(エンドトキシン吸着アフィニティーカラム、ゲルろ過カラム、イオン交換樹脂によるカラムなど)を用いた精製、疎水性物質、樹脂または活性炭などへの吸着、有機溶媒処理(有機溶媒による抽出、有機溶剤添加による析出・沈降など)、界面活性剤処理(例えば、特開2005-036036号公報など参照)など公知の方法によって、あるいはこれらを適宜組合せて実施することができる。これらの処理の工程に、遠心分離など公知の方法を適宜組み合わせてもよい。多糖類の種類に合わせて適宜選択するのが望ましい。
エンドトキシンレベルは、公知の方法で確認することができ、例えば、リムルス試薬(LAL)による方法、エントスペシー(登録商標)ES-24Sセット(生化学工業株式会社)を用いる方法などによって測定することができる。エンドトキシンの処理方法は特に限定されないが、その結果として、アルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩のエンドトキシン含有量が、リムルス試薬(LAL)によるエンドトキシン測定を行った場合に、100エンドトキシン単位(EU)/g以下であること好ましく、さらに好ましくは、50EU/g以下、とりわけ好ましくは30EU/g以下である。
3.創傷被覆材
本発明の創傷被覆材は、創傷修復材、組織修復材、創傷保護材、ドレッシング材などとも呼ばれ、創傷部を保護し、創傷の治癒を促進するために用いられる。
創傷被覆材は、一定時間、体表面の創傷部を被覆し、損傷した組織の治癒を促進するものであれば、その形態は特に限定されない。本発明の創傷被覆材は、通常の方法により、平板状、織布状、不織布状、微粒子状、スポンジ状、シート状、綿状、ゲル状、糸状などの形態に成形してもよい。創傷部を効果的に被覆する観点からは、スポンジ状、不織布状、ゲル状であるのが好ましい。また、皮下組織に達する損傷を含む創傷、組織の欠損を伴う創傷などの深い創傷において、組織の欠損部に充填するなどの方法により創傷部を効果的に被覆する観点からは、スポンジ状、不織布状、綿状、ゲル状であるのが好ましい。本発明の創傷被覆材の厚さは、特に限定されないが、柔軟性、耐久性、滲出液の吸収性、前記のような深い創傷において創傷部を効果的に被覆するなどの観点から、好ましくは0.1〜20mm程度、より好ましくは0.5〜15mm程度、特に好ましくは1〜10mm程度、とりわけ好ましくは2〜6mm程度である。本発明の創傷被覆材の密度(創傷被覆材1cmあたりの重量)は、特に限定されないが、滲出液の保持力などの観点から、好ましくは0.001〜0.1g/cm程度、より好ましくは0.005〜0.05g/cm程度、とりわけ好ましくは0.005〜0.02g/cm程度である。本発明の創傷被覆材の吸水率(創傷被覆材の重量に対する、水に浸漬して吸水する水重量の割合)は、特に限定されないが、室温の水に約15分間浸漬した場合の吸水率が、好ましくは、100%以上、さらに好ましくは500%以上、とりわけ好ましくは1000〜5000%程度であるのが好ましい。吸水率が高いと、滲出液の多い創傷などに使用する場合に有利である。
さらに、本発明の創傷被覆材は、他の基剤に塗布、コーティング、付着または埋没して使用することもできる。他の基剤としては、ガーゼ、織布、不織布、綿状体、発泡体(スポンジ)、フィルム、メッシュ、シート、粘着材(テープ状やシート状等)などがあげられる。また本発明の創傷被覆材は、必要に応じて、成形後にポリウレタン樹脂やシリコン樹脂製のフィルムと貼り合わせてもよい。
本発明の創傷被覆材は、公知の方法またはそれに準じる方法により作製することができる。すなわち、アルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩は、公知の方法またはそれに準じる方法によって、目的の形態とすることができ、創傷被覆材とすることができる。例えば、多糖類もしくはその誘導体またはその塩は、それに適した架橋剤と反応させて、あるいは、架橋剤を用いることなく、光や温度など多糖類の種類に適する方法によって、共有結合架橋、疎水結合架橋、水素結合架橋、イオン結合架橋などを有する架橋体(ゲル状など)等とすることができる。あるいは、シート状の支持層に多糖類もしくはその誘導体またはその塩の集合体を積層させる形態(例えば、特開平07-136240号公報など参照)としてもよい。
架橋体作製方法としては、具体的には、例えば、ヒアルロン酸を水溶性エポキシ化合物で架橋した架橋ヒアルロン酸スポンジ(例えば、特開平11-319066号公報など参照)、また、ゼラチンとコラーゲンとを紫外線照射により架橋体としたもの(例えば、特開平11-047258号公報など参照)、あるいは、ヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロースを含有する酸性水溶液を凍結し、次いで解凍して製造される架橋ゲル(例えば、特開2003-019194号公報など参照)等、様々な方法が開示されている。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の架橋体(ゲル)を得る方法としては、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性アルギン酸塩の水溶液にカルシウムなどの2価の金属イオンを加えて架橋体とする方法、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩を2価ないし4価のアミン化合物などの多官能性試薬で架橋して架橋体とする方法(例えば、特開平8−24325号公報など参照)などがあげられる。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の架橋体(ゲル)をスポンジ状にする方法としては、例えば凍結乾燥による方法があげられる。凍結乾燥方法としては、一般的には、アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の架橋体(含水ゲル)を−20℃〜−100℃、好ましくは−30℃〜−80℃で凍結した後、真空乾燥する方法などがあげられる。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩を不織布状にする場合には、公知の方法またはそれに準じる方法によって行うことができる(例えば、特開平2−26559号公報、特開平5−209318号公報、特開平9−279462号公報など参照)。
なお、低エンドトキシン処理したアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いた創傷被覆材の効果を最大限発揮するため、操作は全てエンドトキシンレベル、および、細菌レベルの低い環境下で行うことが望ましい。例えば、操作はクリーンベンチで、滅菌器具を使用して行うことが好ましく、使用する器具を市販のエンドトキシン除去剤で処理してもよい。
好ましいエンドトキシンレベルを示すまで精製したアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いて、上記のように創傷被覆材を作製した場合には、創傷被覆材のエンドトキシン含有量は、通常、500EU/g以下であり、さらに好ましくは300EU/g以下、とりわけ好ましくは150EU/g以下である。
創傷被覆材は、γ線やエチレンオキシドガス等により滅菌を施すことが好ましいが、γ線滅菌が最も好ましい。含水ゲルの状態で用いる場合には、滅菌が一般に困難であるので、架橋反応の段階から無菌的に行うことが望ましい。
創傷被覆材のカルシウム含有量が高い場合には止血効果が高まるが、高すぎると細胞毒性があることが報告されている。したがって、創傷被覆材の好ましいカルシウム含有量は、乾燥重量換算で、創傷被覆材総重量の約1〜6重量%の範囲であり、さらに好ましくは、1〜5重量%、とりわけ好ましくは1〜4重量%である。
創傷被覆材は、用途により、複数の天然由来の素材を組み合わせて作製してもよく、共有結合架橋、イオン結合架橋、疎水結合架橋など複数のゲル化方法を併用してもよい。柔軟性のコントロールや粘着性の付与などの目的で、Na+ 、Ca++、Mg++等の無機イオン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、PEG等の多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の高分子化合物等、薬理学的に許容される添加剤、安定化剤等を添加することもできる。また、消毒剤、抗生剤、抗菌剤、血行改善薬、TGFβ、PDGF、FGF 等の増殖因子、酵素阻害剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤等の抗炎症剤、フィブリン、コラーゲンなどの構造蛋白質、などの薬剤や生理活性物質等を添加することもできる。
本発明の創傷被覆材は、体表面の欠損部や損傷部、手術創などに直接適用することによって使用される。例えば、擦過創、切創、挫創等の一般創傷、採皮創、削皮創等の人為的な皮膚欠損創、切開創等の手術創、熱傷、潰瘍、褥瘡等に適用され、創傷部の治癒を促進する。創傷被覆材が乾燥状態である場合には、使用の際には、あらかじめ5%ブドウ糖液や生理食塩水等の生理学的に許容し得る溶液で適宜膨潤させて患部に適用してもよく、滲出液の多い場合には、乾燥状態で適用してもよい。
本発明の創傷被覆材を創傷面に適用する場合には、ガーゼ、非固着ガーゼ、ポリウレタンフィルムなどの二次被覆材や、粘着材などで固定してもよい。フィルム(例えば、ポリウレタンフィルムなど)、ハイドロコロイドなど、創傷面の湿潤環境を維持する作用を有する被覆材と併用してもよい。
本発明の創傷被覆材は、体表面に現れた部位を覆うようにして使用する。本発明の創傷被覆材が適用される創傷には、皮膚(表皮、真皮を含む)、皮下組織(結合組織、皮下脂肪組織を含む)、筋肉、軟骨、血管、神経などの損傷部分が含まれる。本発明の創傷被覆材は、上皮の損傷を含む創傷において優れた創傷治癒促進作用(具体的には上皮化促進作用など)を示すので、上皮の損傷を含む創傷に好ましく用いることができる。また、皮膚(表皮、真皮を含む)の損傷を含む創傷において、優れた創傷治癒促進作用(具体的には上皮化促進作用など)を示すので、皮膚の損傷を含む創傷に好ましく用いることができる。さらに、皮下組織(結合組織、皮下脂肪組織)に達する損傷部などの深い創傷においても、優れた創傷治癒促進作用(具体的には、上皮化促進作用など)を示すので、皮下組織に達する損傷を含む創傷などの深い創傷に好ましく用いることができる。
以下に、本発明の創傷被覆材の好ましい例である、アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の共有結合架橋体(ゲル)を用いた創傷被覆材について詳述する。
アルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の共有結合架橋体(ゲル)は、公知の方法またはそれに準じる方法(例えば、特開平8−24325号公報など参照)によって得ることができる。
具体的には、例えば、アルギン酸ナトリウム塩と後述の分子内に2〜4個のアミノ基を有する架橋性試薬とを、通常、水溶性カルボジイミドのような脱水縮合剤の存在下、共有結合を形成させることにより、共有結合架橋ゲルが得られる。この共有結合架橋ゲルは、強度が高く、安定性、耐熱水性に優れているため滅菌処理が容易であり、また、柔軟性も高く、細胞毒性が少なく、創傷治癒効果にも優れており、本発明の目的を達成するために最も望ましい。
「分子内に2〜4個のアミノ基を有する架橋性試薬」としては、窒素原子上にリジル(lysyl)基(-COCH(NH2)-(CH2)4-NH2)を有することもあるジアミノアルカン、すなわちジアミノアルカンおよびそのアミノ基がリジル基で置換されてリジルアミノ基を形成している誘導体が包含される。
従って、当該架橋性試薬には、一般式(I):
HN−(CH−NHR
(式中、RおよびRはそれぞれ水素原子またはリジル基であり、nは2〜18、好ましくは2〜12の整数を表わす。)で表わされる化合物が含まれ、具体的にはジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノオクタデカン、N-(リジル)-ジアミノエタン、N,N’-(ジリジル)-ジアミノエタン、N-(リジル)-ジアミノヘキサン, N,N’-(ジリジル)-ジアミノヘキサンなどが例示される。メチレン鎖の数が少ないと分子間の架橋反応が有効に行われず、一方、多すぎると架橋性試薬自身または架橋性試薬間で疎水性相互作用による凝集が生じ、架橋反応が阻害されるため、nは2から18であることが好ましく、2から12であることがさらに好ましい。とりわけ好ましくは、ジアミノエタン(エチレンジアミン)である。これらの化合物は、遊離形でもよいが、通常は塩(たとえばN−ヒドロキシコハク酸イミド塩)であるのが好ましい。架橋性試薬のうち、ジアミノアルカン類は、市販品として容易に入手できる。モノまたはジリジルジアミノアルカン類は、公知の有機合成法により合成できる。
上記の共有結合架橋ゲルの架橋率は、その架橋反応の条件により制御することができる。架橋率を低くすると、柔軟な架橋体が得られ、架橋率を高くすると、強固な架橋体が得られるが、目的や用途に応じて適宜調節できる。架橋反応は、時間と共に進行するので、高い架橋率が必要な場合には、反応時間を長くする。好ましい反応時間は、6〜72時間の範囲であり、さらに好ましくは15〜48時間である。反応温度は、一般に4〜37℃の範囲内で実施することができるが、反応効率の点から20〜30℃の範囲が好ましい。
上記の架橋反応の際、アルギン酸塩水溶液の濃度が低すぎると、十分な強度を有する架橋体が得られず、濃度が高すぎると溶解に時間がかかり、かつ得られる架橋体が硬いものとなるので、好ましくない。従って、アルギン酸塩水溶液の濃度は、0.1〜5重量%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量%、とりわけ好ましくは1重量%である。
上記の共有結合架橋ゲルは、通常、水洗により、残存した試薬や脱水縮合剤を除去し、精製することができる。共有結合架橋ゲルは、強度が高く、十分な洗浄に有利である。塩化カルシウムと塩化ナトリウムを含む水溶液で洗浄してもよく、この場合には、その後に水で洗浄することが望ましい。凍結乾燥してスポンジ状のキセロゲルとしてもよい。
上記の共有結合架橋ゲルを凍結乾燥によりスポンジ状のキセロゲルとした場合は、γ線やエチレンオキシドガス等により滅菌を施すことが好ましいが、γ線滅菌が最も好ましい。含水ゲルの状態での滅菌は一般に困難であるので、この場合には、架橋反応の段階から無菌的に行うことが望ましい。
上記の共有結合架橋ゲルの厚さは、0.1〜20mm程度、より好ましくは0.5〜15mm程度、特に好ましくは1〜10mm程度、とりわけ好ましくは2〜6mm程度である。また、スポンジ状のキセロゲルとした場合の密度は、好ましくは0.001〜0.1g/cm程度、より好ましくは0.005〜0.05g/cm程度、とりわけ好ましくは0.005〜0.02g/cm程度である。この共有結合架橋ゲルの吸水率は、室温の水に約15分間浸漬した場合、好ましくは300%以上、さらに好ましくは600%以上、さらに好ましくは1000〜5000%程度であって、吸水性に優れるため、滲出液の多い創傷には特に有効である。
このようにして得られたアルギン酸もしくはその誘導体またはその塩の共有結合架橋ゲル(好ましくは、スポンジ状のキセロゲル)を用いて、上述のように、公知の方法またはそれに準じる方法によって創傷被覆材を製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1(低エンドトキシンアルギン酸創傷被覆材の作製)
低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウム塩を用いて共有結合架橋ゲルによる創傷被覆材を作製した。実験は全て滅菌器具を使用し、クリーンベンチで行った。
2. 3g(20mmol)のN−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu、(株)ペプチド研究所)を酢酸エチル150mlに溶解し、10mlの酢酸エチルに溶解した0. 6g(10mmol)のエチレンジアミン(EDA、和光純薬工業株式会社)を室温で撹拌しながら滴下した。滴下終了後さらに1時間撹拌を続けた。析出した結晶を濾取し、減圧下に乾燥して2. 9g(収率約100%)のエチレンジアミン2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩(EDA・2HOSu)を得た。
エンドトキシンレベル約30EU/g(本実施例中のエンドトキシンレベルは、エンドスペシー(R) ES-24Sセット(販売元:生化学工業株式会社)により測定)のアルギン酸ナトリウム(Lessonia nigrescens由来、株式会社キミカ LotNo.5A06202)の1重量%水溶液30mlに、0. 05gのEDA・2HOSuと0. 96gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)を溶解して、12cm×8cmのテフロン(登録商標)被覆アルミトレイに流延して室温で静置し、およそ48時間後に架橋体が得られた。
得られた架橋体を、2.5mMの塩化カルシウムと143mMの塩化ナトリウムを含む水溶液で十分に洗浄した後、純水で4回洗浄し、凍結乾燥してからγ線滅菌を施し、白色のスポンジ状創傷被覆材とした。厚さは約4mmであった。
実施例2(創傷被覆材を用いる創傷治癒促進作用の検討)
ウサギの耳介全層欠損創を用いて創傷被覆材の創傷治癒促進効果の検討を行った。
白色家兎耳介内側面中央部を軟骨層が露出するまで、皮膚を剥離して、直径10mmφ全層(表皮層+真皮層)欠損創を作製した。
実施例1の創傷被覆材(NETX)(NETXのエンドトキシンレベル約150EU/g)と、低エンドトキシン処理を施していないアルギン酸ナトリウムを用いて同様の方法で作製した創傷被覆材(ETX)(ETXのエンドトキシンレベル約4000EU/g)を各群4例ずつそれぞれ貼付し、その上をポリウレタンフィルム被覆材で密閉した。試験被覆材のはがれ具合などを観察し、2〜3日ごとに試験被覆材を貼りかえ、7日後に摘出した。全体観察の写真を、図1および図2に示した。また、欠損部中心を含む断片組織をホルマリン固定し、HE染色して、光学顕微鏡で真皮層および上皮層を観察し、創閉鎖率、修復速度を評価した。実験開始後7日後における各被検体観察記録を表1に示し、NETX群とETX群との創閉鎖率、修復速度、炎症・浮腫発生率の比較を表2に示した。

観察記録

創閉鎖率:完全に創が閉鎖(上皮層が完全に創を覆う)した場合に治癒完了として、例数に対する治癒完了した例の割合
修復速度:10mm欠損に対する上皮化されていない残存創の直径
以上より、低エンドトキシン処理したアルギン酸塩を用いた創傷被覆材(NETX)では、低エンドトキシン処理されていないアルギン酸塩の創傷被覆材(ETX)と比較して、損傷後7日目における創閉鎖率および修復速度の点で優れていることから、NTEXは創の上皮化スピードを速める等によって、創傷治癒速度を向上させていることが分かる。また、NTEXは、炎症・浮腫発生率の点でもETXと比べて優れているため、創傷部位の悪化を抑制し、損傷前の正常な組織へ治癒する率を高めており、ゆえに治癒後の傷痕も残りにくいと考えられる。
実施例3(細胞毒性試験)
低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウム(エンドトキシンレベル約30EU/g)(株式会社キミカ LotNo.5A06202)と低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ LotNo.9J08201)について細胞毒性試験を行った。
L929細胞を6穴プレートに50cells/wellになるように播種し、一夜静置した。細胞が接着したことを確認した後、低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムと低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウムをそれぞれ終濃度が0.1mg/mLになるように添加し、何も添加しないものをコントロールとし、各群4例ずつ作製した。その後、5%CO2条件下、37℃で7日間培養した。7日後に培地を除去して1回PBSで洗浄した後、MeOHで5分間固定し、ギムザ染色液でコロニーを染色後、コロニー数をカウントし、平均値を求めた。
その結果、コントロールのコロニー数が27.25個であったのに対し、低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムで28.75個、低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウムでは27.5個であって、いずれの群もコントロールと比較しても細胞毒性は認められず、生体の創に適用しても毒性がなく、安全であることが示唆された。
実施例4(発熱性試験)
低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムと低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウム(実施例3と同検体)についてISOに準拠するウサギを用いた発熱性試験を行った。
低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムと低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウムの各1mg/mL生理食塩液溶液を10mg/kg体重になるようにウサギに静脈内投与し、その後の直腸体温の変化を記録した。
低エンドトキシン処理されていないアルギン酸ナトリウムでは、体温が1.29℃上昇し、発熱性が陽性であったが、低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムでは、体温上昇が0.06℃であり、発熱性は認められなかった。
以上の結果から、本発明の創傷被覆材は、低エンドトキシン処理されたアルギン酸などの多糖類もしくはその誘導体またはその塩を用いることから、重篤な創傷に適用した場合にも、創傷治癒促進効果に優れ、安全に使用できることが示唆された。
本発明の創傷被覆材は、優れた創傷治癒促進作用(具体的には上皮化促進作用など)を有するので、創傷治療のための優れた医療材料として有用である。特に、本発明の好ましい態様によれば、深い創傷においても優れた創傷治癒促進作用を有するので、深い創傷治療のための優れた医療材料として有用である。
本発明の創傷被覆材(NETX)の適用7日後の創傷面の全体観察の結果を示す図である。 比較創傷被覆材(ETX)の適用7日後の創傷面の全体観察の結果を示す図である。

Claims (12)

  1. 低エンドトキシン処理されたアルギン酸もしくはそのエステルまたはその塩と、分子内に2〜4個のアミノ基を有する架橋性試薬とを共有結合して得られる架橋体を用いることを特徴とする創傷被覆材。
  2. アルギン酸の塩を用いる、請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. アルギン酸ナトリウムを用いる、請求項2に記載の創傷被覆材。
  4. アルギン酸もしくはそのエステルまたはその塩のM/G比が2以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の創傷被覆材。
  5. アルギン酸もしくはそのエステルまたはその塩が、レッソニア属、マクロシスティス属、ラミナリア属、アスコフィラム属又はダービリア属の褐藻由来である、請求項1ないし4のいずれかに記載の創傷被覆材。
  6. アルギン酸もしくはそのエステルまたはその塩が、レッソニア・ニグレッセンズ由来である請求項5に記載の創傷被覆材。
  7. 厚さが、0.1〜20mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の創傷被覆材。
  8. 密度が、0.005〜0.05g/cmである請求項1ないし7のいずれかに記載の創傷被覆材。
  9. 低エンドトキシン処理が、洗浄、フィルターろ過、限外ろ過、カラムを用いた精製、吸着、有機溶媒処理、界面活性剤処理、またはこれらの組合せによって行われる、請求項1ないしのいずれかに記載の創傷被覆材。
  10. アルギン酸もしくはそのエステルまたはその塩のエンドトキシン含有量が100エンドトキシン単位(EU)/g以下である請求項1ないしのいずれかに記載の創傷被覆材。
  11. エンドトキシン含有量が500エンドトキシン単位(EU)/g以下である請求項1ないし10のいずれかに記載の創傷被覆材。
  12. カルシウム含有量が、乾燥重量換算で創傷被覆材総重量の1〜6重量%である、請求項1ないし11のいずれかに記載の創傷被覆材。
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