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JP4984580B2 - 不具合対策支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、1以上の実体(部品、またはユニットなど)から生産される製品に関わる生産システムに生じる不具合に対する対策を支援する不具合対策支援装置に関し、特に、不具合の対策支援を効率よく行うことが可能な不具合対策支援装置に関する。
従来、1以上の部品から生産される製品に関わる生産システムにおいては、その製造工程中、試験段階、などの各段階において、設計の不備、人為的なミスなどによって、各種の不具合が生じている。そして、このような不具合を未然に防ぐために、様々な方法が考えられている。
その内のあるものは、生産システムを不具合を検出する主たる対象としてとらえており、また、別のものは、その不具合を検出する対象を、生産システムに限らず、より広範囲のシステムに対して設定している。
以下の説明においては、様々な技術を背景技術として説明するが、それらは、上記した区分に従って、生産システムを主たる対象に据えるものと、生産システムに限らず、より広い範囲のシステムをその守備範囲に据えるものとに大別される。
生産システムにおける、不具合を検出する手法には、当然、様々な手法があるが、それらの手法において用いられる基本的な概念として、部品表(Bill Of Material、以下ではBOMと呼ぶ)という概念がある。この部品表は、基本的には、1つの製品を構成する部品のリストを一覧表として提示したものであり、種別としては、設計に用いられるエンジニアリング−BOM(以下では、E−BOMと呼ぶ)と、製造に用いられるマニュファクチュアリング−BOM(以下では、M−BOMと呼ぶ)とがある。E−BOMは、製品がどのような部品(部位)によって構成されているのかを示しており、また、M−BOMは、E−BOMの情報を製品計画や、スケジュールなど、実際の生産活動の中で利用可能にするための情報を保持している。
また、生産システムにおける、不具合を検出する手法において用いられる、この他の概念としては、注目対象の耐性を示すストレングスと、その対象とインターフェイスを有する別の対象からその対象に加えられ、場合によっては、その対象に不具合を起こさせる駆動力を示すストレスとによって、不具合の発生メカニズムを解析するストレス・ストレングス・モデル(Stress Strength Model、以下ではSSMと呼ぶ)がある(下記非特許文献1参照)。なお、SSMは、元々は製造業における不具合の未然防止を目的とするものである。
そして、上記した各概念を用いた、生産システムにおける不具合を検出(分析)する方法として、下記非特許文献2に示される、段階的信頼性設計支援システム(以下では、古賀−青山モデルと呼ぶ)が知られている。
この古賀−青山モデルは、段階的設計(トップダウン設計)における信頼性評価を対象分野としており、製品を「実体」、「属性」、「インターフェイス」の3要素により表現している。そして、製品がどのような部品によって構成されるのかを示す情報(すなわち、上記E−BOM)を用いて、その製品に生じる不具合の分析を行っている。その際、上記SSM方式に基づいて、故障(不具合)の発生メカニズムが明らかにされる。しかし、古賀−青山モデルでは、そのメカニズムの解析結果を参照しつつ、別プロセスとして、Fault Tree Analysis(以下では、FTAと呼ぶ)や、Failure Mode and Effects Analysis(以下では、FMEAと呼ぶ)等の信頼性評価を行っており、作業として二度手間になっている。
すなわち、古賀−青山モデルでは、SSM方式のような狭義の定量的アプローチのための手法はうまく取り込めても、FTAやFMEA方式のような概念的にはより広範囲の対象に適用される、必ずしも定量的なアプローチを前提としていない手法を取り込むことは困難である。このことが、上記したSSMでの解析を行った後に、別プロセスで、FTAやFMEA方式による解析を行うという二度手間が古賀−青山モデルにおいて回避できない原因と考えられる。つまり、古賀−青山モデルと、FTAやFMEA方式との間にどのような連携(リンク)を設ければいいのか必ずしも明らかではない。
また、上記FMEA方式の場合には、E−BOMとは独立に、特定の不具合事象に着目して、その危険優先度をランク付けしており、複数の部品から生産される製品に生じる不具合の分析に直接適用できるような方式とはなっていないという事情もある。
なお、ここで、FTAは、(生産システムに限らずより広範囲の)システムにおける不具合事象の原因分析(人的原因、ソフトウェアによる要因も含む)を対象分野としており、不具合原因となる事象を、論理ゲートを介してツリー構造(故障木)の各部に配置することで、関連部の脆弱性の指摘と、対応策の勧告を行うことができるものである(下記非特許文献3参照)。
また、FMEAは、(生産システムに限らずより広範囲の)システムにおける不具合未然防止設計、不具合事象の影響分析・対策案勧告(ハードウェアの単一故障、工程設計が主対象)を対象とし、システムの構成要素の機能的な接続関係を明確にし、下位レベルの不具合事象が上位レベルにボトムアップ的にどのように影響するかを故障等級、対策案を加味したワークシート(表)を作成しながら系統的に検討し、設計図面に織り込まれた信頼性を評価するものである。この技法では、不具合事象の危険優先度を発生頻度・影響度・検出難易度に基づいてランク付けすることにより、設計の脆弱性に対して順位付けを行うことができ、設計の見直しと対策案を勧告できる。また、不具合事象の全てについて不具合を未然に防止するための検討を行うことができる(下記非特許文献3参照)。
このように、FTAやFMEAなどの各種方式は、生産システムに限らず、より広範囲のシステムを対象としている。このため、生産システムという若干、具体的なシステムに適用しようとした場合、FTAやFMEAなどが有する抽象的な概念を、その具体的なシステムに落とす作業が必要となり、それが、上記した古賀−青山モデルが、FTAやFMEAなどの各種方式とリンクして、1つのシステムを構成していない原因とも考えられる。
なお、上記FMEA方式は、製造工程情報を加味した分析を行う際に用いられる代表的な方式(ロジック)の1つである。上記のことから明らかなように、古賀−青山モデルは、一体的なシステムとしては、製造工程情報を加味できておらず、したがって、例えば、製品を構成する個々の部品の中のある部品の製造工程に原因があって、故障(不具合)を引き起こすような場合には対応できていない。
田村 泰彦、他2名 「不具合に関する構造化知識の活用システムの開発」 古賀 毅、他2名 「信頼性設計を段階的に支援する故障情報マネージメントシステムの提案と構築」 2001年、日本機械学会 第10回 交通・物流部門大会 鈴木順二郎他著 「FMEA−FTA実施法」 1982年、日科技連
本発明の課題は、不具合の対策支援を効率よく行うことが可能な不具合対策支援装置を提供することである。
本発明の一態様では、1以上の実体から生産される製品に関わる生産システムに生じる不具合に対する対策を支援する装置を扱う。この装置を用いて不具合に対する対策を支援するに際しては、上記実体で発生しうる不具合現象の網羅的な集合を対策支援に先立って抽出することが必要であるように、通常、思われている。
しかしながら、不具合に対する対策を支援するに際し、上記実体で発生しうる不具合現象の網羅的な集合を対策支援に先立って抽出しても、必ずしも有効な対策支援にはならない。つまり、不具合現象は、量産部門の現場担当者などからくる生データであり、表現上からも、例えば同一現象に対して、様々な表現が可能であるから、かえって混乱をまねいてしまう。
本発明の特徴は、1以上の実体から生産される製品に関わる生産システムに生じる不具合に対する対策を支援する装置において、前記実体で発生しうる不具合現象の網羅的な集合を示す情報を記憶する第1の不具合網羅記憶手段と、前記第1の不具合網羅記憶手段に記憶されている不具合現象を形態別に整理して得られる不具合モードの網羅的な集合を示す情報を記憶する第2の不具合網羅記憶手段と、前記実体で発生しうる不具合現象を形態別に整理して得られる不具合モードの網羅的な集合を示す情報を記憶する不具合網羅記憶手段と、予め製品構造情報と製造工程情報とを互いに関連付けて表現したモデル情報を製品・工程モデルとして記憶する製品・工程モデル記憶手段と、仕様書や標準書のデータ、製造方法に関する知識や生産システムにおける知見・ノウハウに関する知識等からなる知識データを記憶する知識データ記憶手段と、をあらかじめ備え、
前記第1及び第2の不具合網羅記憶手段に記憶されている前記網羅的な集合を示す不具合現象、不具合モード、及び、前記知識データ記憶手段に記憶されている知見・ノウハウ等の各種データをユーザが読み出して且つ該データを参照し、更に前記製品・工程モデル記憶手段に記憶された前記モデル情報を読み出して該モデル情報を骨組みとして持ち、該骨組みに対してユーザが該モデル情報に展開されている各属性に対して対応する属性値を記述するとともに既存の各種方式を用いて判定を行うロジック、並びに前記製品・工程モデル記憶手段に記憶された前記製造工程情報の属性としての状態情報、状態遷移の方向に係る情報を付加して品質知識データベースを構築する手段と、
所定の不具合現象が発生した際に、構築された前記品質知識データベースを読み出して、前記モデル情報中に存在する実体に複数の属性データを関連付ける手段および前記関連付けられた属性データの少なくとも一部を用いて前記実体における不具合現象の発生確率を算出して不具合の原因追求・影響分析による対策支援を行う第1の不具合対策支援手段と、
所定の不具合が起こる前に、構築された前記品質知識データベースを読み出して、前記モデル情報中に存在する実体に複数の属性データを関連付ける手段および前記関連付けられた属性データの少なくとも一部を用いて前記実体を用いる製品に内在する危険因子を危険優先度として算出し、該危険優先度を不具合未然防止支援に用いる第2の不具合対策支援手段と、
前記第1の不具合対策支援手段の前記不具合の原因追求による対策支援に対しては要因候補リストを、また前記不具合の影響分析による対策支援に対しては影響範囲と影響度候補リストを、それぞれ確率(寄与率)順にソートして出力し、一方、前記第2の不具合対策支援手段の前記不具合の未然防止支援による対策支援に対しては対策候補リストを確率(寄与率)順にソートして出力する出力手段と、を備えることである。
本発明の不具合対策支援装置は、1以上の実体から生産される製品に関わる生産システムに生じる不具合に対する対策を支援する装置である。そして、実体で発生しうる不具合現象を形態別に整理して得られる不具合モードの網羅的な集合を用いて対策検討を行っている。そして、この不具合モードを対策支援に用いられる各種方式の要素と関連付けることで、その各種方式を利用して対策支援を行うものである。上記各種方式には、FTAやFMEAなどのように、生産システムに限らず、より広範囲のシステムを対象とする方式も含まれる。不具合モードの網羅的な集合は、FTAやFMEAなどが有する抽象的な概念を、生産システムという若干、具体的なシステムに適用しようとした場合に、その具体的なシステムに落とす作業を容易にする。よって、対策支援を行う際に、FTAやFMEAなどを含む各種方式との連携が可能となり、不具合の対策支援を効率よく行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、1以上の部品から生産される製品に関わる生産システムを基本的には対象とし、その生産システムにおいて生じる不具合に対する対策を支援するものである。対策支援のより具体的な内容としては、不具合の分析を行うことや、また、その不具合を未然に防止する際の支援を行うことなどがある。
図1は、上記した生産システムにおける、製品が市場に投入されるまでのフェーズの流れを説明する図である。図に示すように、製品は、「製品設計」、「生産準備」、「量産製造」の各フェーズを経ることによって市場に投入される。
始めのフェーズである製品設計フェーズでは、例えば市場情報や商品企画情報に基づいて、機能、部品構成、形状、材質、信頼性等の設計が行われる。そして、この製品設計の結果として、製品図面、材質、などの製品モデルデータをデータベースに出力する。この製品モデルデータ中には、E−BOMや、設計FMEAが含まれていてもよい。
次のフェーズである生産準備フェーズでは、上記製品モデルデータ(E−BOM、設計FMEA、など)の他に、設備能力(C/T)、工程能力(C/T)、作業性(点検、工具交換)、治工具能力、設備・治工具コスト、などの各種制約条件を読み込み、工程/設備/治工具の設計を行う。すなわち、製造工程構成のフローを設計し、M−BOMを作成すると共に、設備・治工具選択、レイアウト設計や、工作図(加工部位・基準・寸法・方法、ツールパス)の作成や、製造工程信頼性の設計(工程FMEAと呼ぶ)を行う。この生産準備の結果として、設備/治工具仕様書、設備/治工具配置図、工作図、レイアウト図、プログラム、パラメータ、製造条件、工程フロー、作業要領、品質基準、M−BOM、工程FMEAなどの各データをデータベースに出力する。
そして、出力されたそれらの各データに基づいて、後段のフェーズである量産製造フェーズでは、部品、ユニットの加工組み付け、製品の組み立て、設備保全、品質保証、などを行う。
そして、これら各フェーズを経て、完成品としての製品が市場に投入される。
この製品に生じる不具合情報には、製品を市場に投入後に生じる市場からの不具合情報(以下、市場不具合と呼ぶ)と、工場での製造時や、上記各フェーズ内で生じる不具合情報(以下、生産不具合と呼ぶ)とがある。
図2は、図1の生産システムで不具合が発生した場合に行う、不具合処理の業務フローを示す図である。
図2に示すように、市場不具合が発生した場合や、生産不具合(図では、量産設備フェーズ中での組立工場において、生産不具合が発生している)が発生した場合には、不具合連絡票が、現場担当者等のクレーム発行部門によって作成される。
ステップS1では、この不具合連絡票に基づいて、不具合現象確認が行われる。不具合現象確認では、一次原因の特定、重要性の決定(すぐに対応するのか、後回しにしてもよいのかの決定)、優先順位の決定、発生頻度の確認、送り先の決定、が行われる。次のステップS2の処理では、S1で確認された現象について処置が実施され、ステップS3では、不具合の真因を分析すべく、不具合の原因追求が行われる。
次のステップS4では、ある部位に発生した不具合が影響する部品と工程の範囲が調査され、影響程度の把握と、送り先の決定が行われる。
なお、上記したステップS1〜S4の処理は、実際に発生した不具合に対応して行われる処理である。これに対し、後続のステップS5〜S7は、後述する危険優先度の観点から、発生した場合に、生産設備等に極めて大きな損害を与える可能性がある不具合について、未然に防止すべく対策を予め講じておくために行われる処理である。
まず、ステップS5で対策検討が行われる。ここでは、代替案の検討(一次対策、恒久対策)、対策による効果の見積もり、対策の実行順序の決定、などが行われる。そして、次のステップS6では、前ステップS5で検討された代替案の中から実行する案を選択し、実施決定し、実行部署に通知する。この実施部署への通知は、例えば製品設計部署に対しては仕様見直しであり、また、工程設計部署に対しては、標準書・基準書、作業手順書、加工法の見直しであり、また、設備設計部署に対しては、設備・工具仕様、作業環境、レイアウトの見直しであり、また、量産製造部署に対しては、ポカヨケ対策の見直しである。
上記通知を受けて、例えば製品設計部署では仕様書図面が、工程設計部署では基準書が、設備設計部署では仕様書図面が、それぞれ修正される。また、量産製造部署では、例えば作業手順書中のポカヨケ対策の内容に関連する部分が修正される。
続くステップS7では、前ステップS6で通知を行った各部署(各実行部門)からの実施をした旨の通知、または、その実施結果のフィードバックを受ける。そして、ステップS8で、処理結果、または、再発防止対策を上記クレーム発行部門に報告して、一連の不具合処理の業務フローを終了する。
図3は、本発明の一実施形態の生産システムにおける不具合対策支援システムの構成を示すブロック図である。
図において、不具合対策支援システム1は、登録部10、知見・ノウハウ蓄積部20、参照部30、及び不具合対策支援部40から構成されている。
知見・ノウハウ蓄積部20は、不具合に関する各種網羅表を記憶する不具合網羅表記憶部21、製品構造情報と製造工程情報とを互いに関連付けて(すなわち、統合的に)表現したモデル情報を格納するプロダクト・プロセス・モデル・データベース(Product Process Model Data Base、以下、PPMDBと呼ぶ)22、設計仕様書データ、標準書データ、基準書データ、製造方法に関する知識や生産システムにおける知見・ノウハウに関する知識等からなる知識データを記憶する知識データ記憶部23、及び、上記した不具合網羅表記憶部21、知識データ記憶部23、に記憶されている各種データを参照しつつ、PPMDB22のモデル情報を骨組みとして作成された、後述の不具合の対策支援を行う際に利用されるデータベースである、品質知識データベース(Quality Analysis / Question Answering Knowledge Data Base、以下、QA2−KDBと呼ぶ)24、を備えている。なお、不具合網羅表記憶部21、PPMDB22、QA2−KDB24については後述する。
この不具合対策支援システム1においては、例えば登録部10、参照部30、及び不具合対策支援部40は、クライアント装置が有する機能を提供しており、また、知見・ノウハウ蓄積部20は、サーバ装置が有する機能を提供している。
本システムのユーザは、登録部10を介して、事前に検討した設計情報を基にして、網羅表データ記憶部21、PPMDB22に、それぞれ保持されているデータの登録/削除などのメンテナンスを行う。
また、本システムのユーザは、参照部30を介して、知見・ノウハウ蓄積部20にアクセスして、知識データ記憶部23やQA2−KDB24に情報として保持されている知見・ノウハウを参照することができる。
また、本システムのユーザは、不具合対策支援部40を介して、知見・ノウハウ蓄積部20にアクセスすることにより、製品に生じた不具合、または、生じうる不具合に対する対策支援を行う。より具体的には、製品に生じた不具合については、その原因追求と影響分析を、また、製品に生じうる不具合については、未然防止のための支援を行う。
図4は、図3のPPMDBの概念的な構造を示す図である。
図4に示すように、PPMDBは、製品がどのような実体(ユニット、または、部品)から構成されるのかを示す製品製造情報、すなわち、製品が各ユニットからどのように構成されるのか、ユニットが各部品からどのように構成されるのかを示す情報を保持すると共に、製品が各ユニットからどのように製造されるのか、ユニットが各部品からどのように製造されるのか、各部品がそれぞれどのような工程によって製造されるのかを示す製造工程情報も保持している。つまり、PPMDBには、製品構造情報と製造工程情報とを互いに関連付けて(すなわち、統合的に)表現したモデル情報が格納されている。
より具体的には、図4においては、表現モデル50は、以下の情報を表現している。すなわち、実体51(ユニット1)が、実体52(部品1−1)と実体53(部品1−2)とから構成されるという製品構造情報と、実体52(部品1−1)に実体53(部品1−2)を組み合わせることによって実体51が完成するという製造工程情報と、原材料から中間品1〜3を経て実体52(部品1−1)が完成するという製造工程情報と、原材料から中間品1〜2を経て実体53(部品1−2)が完成するという製造工程情報と、を表現している。
さらに詳しく述べれば、実体52(部品1−1)から実体51(ユニット1)に向かう矢印71と、実体53(部品1−2)から実体51(ユニット1)に向かう矢印72とによって、実体51(ユニット1)が、実体52(部品1−1)と実体53(部品1−2)とから構成されるという上記製品構造情報が表現されている。
また、実体51(ユニット1)については、状態61(初期(準備))に向かう矢印66と、状態61(初期(準備))から状態62(中間品1)に向かう矢印67と、状態62(中間品1)から状態63(中間品2)に向かう矢印68と、状態63(中間品2)から状態64(完成品)に向かう矢印69とによって、実体52(部品1−1)、及び実体53(部品1−2)を入荷して状態61(初期(準備))が得られ、その後、例えば実体52(部品1−1)を組立てが行われる所定位置に移動するなどして、状態62(中間品1)が得られ、その状態62(中間品1)に対して、実体52(部品1−2)を組み合わせることで、状態63(中間品2)が得られ、その状態63(中間品2)に対して、例えば、正しく動作するか等の検査を行って実体51(ユニット1)が得られるという、上記製造工程情報が示されている。
また、実体52(部品1−1)については、状態81(原材料)に向かう矢印86と、状態81(原材料)から状態82(中間品1)に向かう矢印87と、状態82(中間品1)から状態83(中間品2)に向かう矢印88と、状態83(中間品2)から状態84(中間品3)に向かう矢印89と、状態84(中間品3)から状態85(完成品)に向かう矢印90とによって、原材料を入荷して状態81(原材料)が得られ、その後、その状態81(原材料)に対して切削処理を施して、状態82(中間品1)が得られ、その状態82(中間品1)に対して研磨処理を施して、状態83(中間品2)が得られ、その状態83(中間品2)に対して表面処理を施して、状態84(中間品3)が得られ、その状態84(中間品3)に対して、必要な検査を行って実体52(完成品、すなわち、部品1−1)が得られるという、上記製造工程情報が示されている。
また、実体53(部品1−2)については、状態91(原材料)に向かう矢印96と、状態91(原材料)から状態92(中間品1)に向かう矢印97と、状態92(中間品1)から状態93(中間品2)に向かう矢印98と、状態93(中間品2)から状態94(完成品)に向かう矢印99とによって、原材料を入荷して状態91(原材料)が得られ、その後、その状態91(原材料)に対して鍛造処理を施して、状態92(中間品1)が得られ、その状態92(中間品1)に対して熱処理を施して、状態93(中間品2)が得られ、その状態93(中間品2)に対して、必要な検査を行って実体53(完成品、すなわち、部品1−2)が得られるという、上記製造工程情報が示されている。
図5は、図4の表現モデル50に対応するテーブル100を示す図である。
図5において、テーブル100は、実体コード101、状態コード102、前状態コード103、状態遷移順104、状態遷移コード105、入力品目コード106、出力品目コード107、及び構成フラグ108の各項目によって構成される。なお、上記各項目の定義は以下の通りである。
実体コード・・・ユニットや部品などの実体に一意的に割り当てるコード
状態コード・・・各種状態に一意的に割り当てられるコード
前状態コード・・・状態コードが示す状態に遷移する前の状態に一意的に割り当てられるコード
状態遷移順・・・ユニットや部品などの1つの実体内で、その実体が完成するまでの製造工程における状態の遷移順を示すシリアル番号(通常、1から順に割り当てられる)。
状態遷移コード・・・状態遷移の条件(作業の種類)を示すコード
入力品目コード・・・ユニットや部品などの各実体の各製造工程において使用(入力)される品目に一意的に割り当てられるコード
出力品目コード・・・ユニットや部品などの各実体の各製造工程において製造(出力)される品目に一意的に割り当てられるコード
構成フラグ・・・ユニットなどの実体を構成する部品を示すフラグ
テーブル100を参照すると、各実体(ユニット、部品)は、完成した状態(完成品)の他に、製造工程における中間的な状態もデータとして保持していることが分かる。
部品1−1(実体52)については、実体コード101が「部品1−1」であるものに対応して、原材料(状態81)、中間品1(状態82)、中間品2(状態83)、中間品3(状態84)、及び完成品(状態85)の状態コード102が存在している。前状態コード103は、それぞれの状態コード102に対応するものであり、その状態コード102に遷移する前は、どの状態コード102であったのかという情報を示している。これら状態コード102とその状態コード102に対応する前状態コード103との組み合わせによって、状態遷移によって、状態がどのように変化したかが分かる。
また、実体コード101が「部品1−1」であるものについて、状態遷移順104を参照すると、部品1−1が完成するまでの状態遷移の順番を知ることができる。
さらに、状態遷移コード105を参照すると、状態コード101で示される状態に遷移するための条件(すなわち、状態コード101で示される状態に遷移するために行う作業の種類)を知ることができる。なお、このような状態遷移の条件(作業の種別)には、「組立(形態維持、従属変更)」、「加工」、「塗装」、「熱処理」などがある。加工、塗装、及び熱処理では、形態は変更されるが従属は維持される(形態変更、従属維持)。
入力品目コード106は、上記状態遷移コード105に示す作業内容をどの対象(状態)に対して行うかを示すものである。よって、状態遷移コード105が「原材料入荷」である状態に対しては設定されていない。同様に、出力品目コード107は、上記状態遷移コード105に示す作業内容を対応する入力品目コード106の対象(状態)に対して実施した場合の遷移先の状態を示しており、基本的には、状態遷移コード105に対応する実体コード101と状態コード102との組み合わせに一致する。
なお、以上の説明は、部品1−1(実体52)について行ったが、部品1−2(実体53)についても同様なので説明を省略する。
また、ユニット1(実体51)についても、部品1−1(実体52)と同様に、図4の表現モデル50に対応するテーブル100に必要な項目が設定される。ユニット1の場合はさらに、構成フラグ108に、部品1−1と部品1−2とを示すフラグが設定される。同一の実体コード101に対して、このフラグが2箇所以上に設定されている場合、その実体コード101の実体が、このフラグによって示される2以上の実体によって構成されることが示されている。例えば図5においては、「ユニット1が部品1−1と部品1−2とにより構成される」ことが示されている。これは、図4におけるユニット1の製品構造情報に対応する内容となっている。
なお、1以上の部品から生産される製品に関わる生産システムにおいては、様々な原因によって、不具合が引き起こされるものと考えられる。その不具合を引き起こしうる潜在的な危険源のことを以下ではハザードと呼ぶことにする。なお、このハザードはあくまで概念的なものであり、説明の便宜上、用いるものである。
図6は、図4の表現モデル50に対して、ハザードとインターフェイス情報を設定した一例を示す図である。
図6において、部品1−1は、原材料入荷時には、例えば間違った種類の原材料を入荷するなどのハザード1を有し、また、原材料を切削して中間品1へと加工する場合には、所定の手順から外れたり、その所定の手順を行うことになっている機器類が正しく動作しなかったりするなどのハザード2を有する。
また、部品1−1は、自身がインターフェイスを有する他の部品との間に相互作用がある。そして、このインターフェイスを介して、部品1−1は他の部品から、物質、信号、またはエネルギーの流れなどの相互作用を受ける。この場合には、部品1−1は、この相互作用が部品1−1の許容範囲を越えるというハザード10を有する。その他のハザードについても同様であるので説明は省略する。
なお、以上の説明では、ユニットは2個の部品から構成されていたが、より複雑な構成とすることができることはいうまでもない。
図7は、4個の部品から構成されるユニットの表現モデルを示す図である。
図7において、ユニット3は、部品3−1、部品3−2、部品3−3、部品3−4の4個の部品から構成されている。このユニット3の表現モデルには、構成の複雑さに対応して、(当然)より多くのハザードが存在している。
本実施形態においては、このような表現モデル(または、PPMDB)に対して、そのモデルが有する各実体にその実体に属する属性データ(一般には、複数の属性データ)を持たせると共に、それら属性データ内の少なくとも一部を用いて必要な情報(例えば、ある不具合の発生確率など)を算出させる構成である。
しかしながら、上記したように、不具合に対する対策を支援するに際し、上記実体で発生しうる不具合現象の網羅的な集合を対策支援に先立って抽出しても、必ずしも有効な対策支援にはならない。つまり、不具合現象は、量産部門の現場担当者などからくる生データであり、表現上からも、例えば同一現象に対して、様々な表現が可能であるから、かえって混乱をまねいてしまう。
このような事情から、本実施形態においては、不具合現象を解析対象として、ある程度定量的に扱うことを可能にするために、その不具合現象を階層的に形態別に整理した不具合モードを設けている。そして、不具合対策に用いられる各種方式(ロジック)において、この不具合モードを用いることによって、従来の狭義の定量的アプローチでは困難とされている製造工程における不具合の対策支援を、定量的に扱うことを可能としている。
例えば、従来の古賀−青山モデルでは、不具合現象の発生確率を定量的に解析するに際して、SSM方式を用いて、ストレス>ストレングス、の条件を満たす場合に不具合が発生するものとしている。しかし、このような定量的なアプローチはあくまで、上記した実体間におけるインターフェイスを介して伝播する相互作用にのみ適用できるものであって、その解析作業の後段には、そのSSM方式などによる解析結果を踏まえた上で、別プロセスとして、FTAやFMEAなどの各種方式を用いて因果関係や危険優先度などの分析を行っている。従来例で作業が二度手間になってしまう理由は、このSSM方式のような狭義の定量的アプローチと、FTAやFMEA方式のような、概念的には必ずしも定量的なアプローチを前提としていないものの間にリンクがとれていないことが原因として考えられる。
本実施形態においては、SSM方式のような狭義の定量的アプローチのための手法と、FTAやFMEA方式のような概念的にはより広範囲の対象に適用される、必ずしも定量的なアプローチを前提としていない手法との間にリンクをとるためのデータ構造として、図3に示す各種の不具合を網羅的に記憶した不具合網羅表記憶部を有している。
図8は、その図3の不具合網羅表記憶部21に記憶される各種網羅表を示す図である。
図8に示すように、図3の不具合網羅表記憶部21に記憶される網羅表は、不具合(故障)部位網羅表21a、不具合(故障)モード網羅表21b、不具合(故障)現象網羅表21c、不具合(故障)結果網羅表21d、不具合(故障)原因網羅表21e、不具合(故障)対策網羅表21fによって構成される。なお、不具合網羅表を構成するこれら表のうち、不具合(故障)結果網羅表21d、不具合(故障)原因網羅表21e、不具合(故障)対策網羅表21fは、下記非特許文献4に記載される、周知の技術である「失敗まんだら」に基づいて定義される。この「失敗まんだら」では、すべての失敗事例はヒューマンエラーであるという認識に立ち、失敗の脈絡を、人的原因→人の行動→結果という流れとして構造化する。そして、「原因」、「行動」、「結果」のそれぞれのフェーズをまんだらとして、さらに、それらのまんだらを階層分類し、体系化・標準化を行い、これにより失敗を知識化する。
統括 畑村 洋太郎 「失敗知識データベースの構造と表現」 平成14年12月、科学技術振興財団 失敗知識データベース整備事業 以下に、図3の不具合網羅表記憶部21に格納される各網羅表のデータ例を図9〜図18を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、「不具合」は「故障」より概念的に広いものと解釈している。すなわち、「不具合」は実体、状態、更には物事について、その事象に関する望ましくないことをいうのに対して、「故障」は製品(もの)について、その製品(もの)に関する望ましくないことをいう。
図9は、ある製品系統に対応する不具合(故障)部位網羅表21aの一例を示す図である。不具合(故障)部位網羅表21aは、不具合(故障)が発生する部位を網羅的に定義している。なお、図に示されるように、部位は階層的に定義されている。
図10、及び図11は、ある製品系統の製造工程や製品系統に対応する不具合(故障)モード網羅表21bの一例を示す図である。不具合(故障)モード網羅表21bは、その製品系統に発生しうる不具合(故障)モードを網羅的に定義している。ここで、不具合(故障)モードとは、不具合(故障)現象を形態別に整理して得られるパターンであり、その不具合(故障)モードを階層的に整理して、不具合(故障)モード網羅表が得られる。不具合(故障)モードの例としては、断線、短絡、折損、磨耗、などが挙げられる。なお、図10は、ヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)モードの例を示しているのに対して、図11は、物理現象をベースとした不具合(故障)モードの例を示している。
図12、及び図13は、ある製品系統の製造工程や製品系統に対応する不具合(故障)現象網羅表21cの一例を示す図である。不具合(故障)現象網羅表21cは、その製品系統に発生しうる不具合(故障)現象を網羅的に定義している。ここで、不具合(故障)現象網羅表21cでは、人間が器官などで感知できることや、計器などで計測できることを対象(表の要素)としている。つまり、不具合(故障)現象とは、不具合(故障)と認識された現象そのものを意味する。例えば、切れる、動かない、接触する、折れる、すり減る、変な音がする、電圧がxxVを越える、変な匂いがする、熱い、表面がざらついている、等である。なお、図12は、ヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)現象の例を示しているのに対して、図13は、物理現象をベースとした不具合(故障)現象の例を示している。
なお、図12、及び図13の不具合(故障)現象網羅表21cでは、不具合(故障)現象を上記した不具合(故障)モードと対応付けて示している。このような表示形式とすることにより、不具合(故障)現象に対応する不具合(故障)モードを以後行う解析に用いるようにすれば、同一現象に対しても、不具合連絡票を作成する(現場)担当者によって、様々な表現が可能であり混乱をまねくという、不具合(故障)現象を解析に用いた場合の不都合を回避でき、担当者(本システムのユーザ)の習熟度、熟練度などの属人的な因子を減らすことができる。
なお、図12に示すように、特にヒューマンエラーについては、不具合(故障)現象という表現の代わりにエラー現象という表現を用い、対応する不具合(故障)モードの方もエラーモードと呼ぶようにして、他の不具合(故障)現象、不具合(故障)モードから区別するようにしてもよい。
図14は、ある製品系統に対応する不具合(故障)結果網羅表21dの一例を示す図である。ここで、不具合(故障)結果とは、その製品系統の製品やその製造工程に不具合(故障)が発生したことに伴い、その不具合(故障)の発生の結果として表れる損害を示している。そして、不具合(故障)結果網羅表21dは、そのような不具合(故障)の発生の結果として表れる損害を階層的に分類して網羅的に定義している。図14においては、この階層的分類の上位項目については、上記した「失敗まんだら」に合わせて項目を設定している。この「失敗まんだら」では、結果は、人的、物的、組織・社会的な結果、外部への影響を伴う結果、これから必ず起こる結果、起こるかも知れない結果、に分類されており、図14でも、ほぼこの分類に沿って分類されている。ただし、当然のことではあるが、階層がより下位の項目については、この「失敗まんだら」を適用しようとする個々のシステムに応じて異なってくる。本実施形態の実体から生産される製品に関わる生産システムにおいては、上位項目が「物への結果」に属する下位項目は、「破損」、「不良現象」、「機能不全」となっており、さらに、項目「不良現象」に属する下位項目は、「電気故障」、「化学現象」、「熱流体現象」、「機械現象」などとなっている。
図15、及び図16は、ある製品系統の製造工程や製品系統に対応する不具合(故障)原因網羅表21eの一例を示す図である。ここで、不具合(故障)原因とは、その製品系統の製造工程やその製品に発生する不具合(故障)の原因を指している。そして、不具合(故障)原因網羅表21eは、そのような不具合(故障)原因を階層的に分類して網羅的に定義している。
なお、図15は、ヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)原因の例を示しているのに対して、図16は、物理現象をベースとした不具合(故障)原因の例を示している。このうち、図15のヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)原因の例では、上記した「失敗まんだら」に合わせて階層の上位項目(図中で左端に位置する項目)を設定している。
図17、及び図18は、ある製品系統に対応する不具合(故障)対策網羅表21fの一例を示す図である。その製品系統の製品やその製造工程に不具合(故障)が発生した場合に、その発生の結果として表れる損害(上記不具合(故障)結果に対応)や、その発生原因(上記不具合(故障)原因に対応)を参照しつつ、そのような不具合(故障)が発生しないようにするために、その不具合(故障)に対する対策(すなわち、不具合(故障)対策)をとる必要がある。不具合(故障)対策網羅表21fは、そのような不具合(故障)対策を階層的に分類して網羅的に定義している。
なお、図17は、ヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)対策の例を示しているのに対して、図18は、物理現象をベースとした不具合(故障)対策の例を示している。このうち、図17のヒューマンエラーをベースとした不具合(故障)対策の例では、階層の上位項目(図中で左側に位置し、上端の項目が「原理」「問題」に対応する項目は対策を分類するための項目であり、対策は実現方法の項目に相当する)を設定している。
図4、または図5のPPMDBを用いて、その製品に関わる生産システムにおいて発生する不具合に対する対策支援を行う場合には、そのPPMDBが有する、製品構造情報と製造工程情報という枠組みを構成する個々の実体(ユニット、または、部品)に対して、その実体に属する属性データを(一般には複数)持たせると共に、それら属性データを用いる各種ロジック(方式)を持たせる。すなわち、PPMDBをベースに、各実体(ユニット、または、部品)、及びその実体の有する各状態に対して、属性データと、各種ロジックを更に追加したQA2−KDBを作る。そして、対策支援を行う際に参照される情報(例えば、ある不具合現象に対して不具合原因として最も疑わしいもの)を、上記QA2−KDBの各種ロジックを用いて算出する。その場合において、本実施形態の不具合対策支援システムのユーザは、以上に説明した各種不具合網羅表を、不具合現象、不具合モード、不具合原因、等に値を設定する際に適宜参照する。
上記した不具合を引き起こしうる潜在的な危険源としてのハザードは、図6のPPMDB同様、このQA2−KDB上にも設定することができる。図19は、そのようなQA2−KDB上に設定されたハザードの一例を示す図である。製造の各工程などにおいて、不具合が発生する可能性がある箇所をハザードとして特定し、図中に記載することで、危険源が可視化でき、イメージが得やすくなるという利点がある。なお、このハザードはあくまで概念的なものであり、説明の便宜上、用いるものであることは上記した通りである。
なお、図4がPPMDB22の概念的な図であるように、図19もQA2−KDB24に対する概念的な図であるが、参考までに以下に、PPMDB22をベースにして、QA2−KDB24の骨組み(すなわち、まだ属性データの各項目には属性値が登録されておらず、また、ロジックも未定義である状態のQA2−KDB)を自動生成する処理について、図20〜図23を参照しつつ説明する。
図20は、その自動生成処理のフローチャートである。
図20において、ステップS11で、PPMDB22からPPMDB情報100を取得する。この情報の一例は図5のテーブル100に示されている。
続いて、ステップS12で、取得したPPMDB情報100を用いて(すなわち、図5のテーブル100中の構成フラグを参照して)、製品構造情報、各実体を構成する要素(サブ実体)を階層的に抽出する(ブロック、ユニット、部品等)。例えば、図5のテーブル100に対しては、ユニット1が部品1−1と部品1−2によって構成されているという情報が抽出される。
そして、ステップS13で、抽出された各実体(サブ実体も含む)に対応する実体データモデル雛形(テンプレート)を、不図示のデータベースから取得する。例えば図5では、ユニット1、部品1−1、部品1−2に対応する実体データモデル雛形が取得される。なお、このデータベースは、対象とする製品系統の製品を構成するすべてのブロック、ユニット、部品、等の実体に対応する実体データモデル雛形を保持している。図21には、ユニット1用の実体データモデル雛形211、部品1−1用の実体データモデル雛形212の一例が示されている。なお、図示していないが、当然、部品1−2用の実体データモデル雛形も存在している。
そして、ステップS14において、上記各種実体データモデル雛形と、製品の構成(すなわち、製品構造情報)とに基づいて、プロダクトモデル対応のデータ構造214を作成する。尚、このプロダクトモデル対応のデータ構造214の一例を図21に示す。図21に示すように、プロダクトモデル対応のデータ構造214では、ステップS13で取得した各種実体データモデル雛形が製品構造情報(この場合は、ユニット1が部品1−1と部品1−2とにより構成されるという情報)に従って配置されている。
また、各実体の各状態に対応する状態データモデル雛形(テンプレート)が予め作成され、不図示のデータベースに保持されている。ステップS15では、このデータベースより、各実体の各状態に対応する状態データモデル雛形213を取得し、続くステップS16において、ステップS15で取得した各実体の各状態に対応する状態データモデル雛形213を、PPMDB情報100に基づいて(すなわち、図5のテーブル100の状態遷移順104を参照しつつ)、ステップS14で取得した各実体データモデル雛形内に順次追加することで、プロダクト・プロセスモデル対応のデータ構造215を作成する。
図22に、このプロダクト・プロセスモデル対応のデータ構造215の一例を示す。図において、ユニット1、部品1−1、部品1−2ごとに、対応する状態データモデル雛形が図5の状態遷移順に基づく順に従って追加されている。
なお、以上の説明では、各種テンプレート(実体データモデル雛形、状態データモデル雛形)は、予め作成されていたが、その作成方法について以下で簡単に説明しておく。
まず、実体データモデル雛形の場合は、製品設計情報(知見・ノウハウを含む)から整理・作成する。製品設計情報とは、製品の設計業務に関する情報・知見・ノウハウであり、ユニットまたは部品の機能性、性能、材料(材質)、幾何形状などの仕様情報、業務基準書や品質基準書などの各種基準書(これらはノウハウに相当)、過去の設計不良による不具合情報(現象、原因、対策等)(これらは知見・ノウハウに相当)、等を指している。
また、状態データモデル雛形の場合は、工程設計情報及び生産製造情報(知見・ノウハウを含む)から整理・作成する。工程設計情報・生産製造情報とは、製品を製造するための工程設計業務、製造業務に関する情報・知見・ノウハウであり、ユニットまたは部品の製造方法、条件、工程順、設備、治工具、工作仕様、レイアウトなどの工作仕様情報、業務基準書や品質基準書などの各種基準書(これらはノウハウに相当)、過去の設計不良による不具合情報(現象、原因、対策等)(これらは知見・ノウハウに相当)、生産製造現場からの各種知見・ノウハウ、ポカヨケ対策、等を指している。
以上説明した処理によって、図3のQA2−KDB24の骨組みが生成される。その後、そのQA2−KDB24に対し、各種ロジックを追加する。例えば図23では、ユニット1、部品1−1、部品1−2のそれぞれに対し、ロジック1とロジック2が追加されている。
ロジック1は、他の実体が、インターフェイスを介して、そのロジック1を有する実体に与えるストレスと、その実体が有するストレングスとを比較することで、相互作用に基づく不具合がこの実体で発生するかどうかを判定するロジックである。ロジック1には、例えばSSMロジックなどがある(具体例については後述する)。なお、SSMロジックによれば、その実体で不具合が発生する条件は、ストレス>ストレングスで与えられる。
また、各実体は、図4、図5に示すように、製造工程(「組立」も製造工程に含む)を有する。製造工程は、複数の状態と、それら連続する状態間を結ぶ矢印とによって構成される。各状態(図5の状態コードに相当)はその前の状態(図5の前状態コードに相当)に対して、図5の状態遷移コード105で示される状態遷移条件を満たすことによって(すなわち、そのコードに示される種別の作業を行うことによって)、現状態へと遷移する。したがって、現状態で生じる不具合には、前状態と前状態から現状態へのハザード混入を含めた遷移条件が関与してくる。
図23のロジック2は、そのロジック2を有する実体において、その実体の製造工程における不具合の因果関係を算定するロジックである。
また、本実施形態の不具合対策支援システムでは、図3の登録部10によって、上記した各属性に対して(属性)値を登録することや、ロジックを新規に定義したり、再定義したりできる。
図24は、図3の登録部10の機能の一例を説明する図である。
図24において、本実施形態の不具合対策支援システムのユーザは、図3の登録部10を介して、QA2−KDB24に設定された各属性に対して属性値を設定する。
この属性値の登録は、自動処理ではなく、人間が手作業で行う。本実施形態においては、図に示すように、予め作成されて上記不具合網羅表記憶部21に格納されている各種網羅表に基づいてマスタテーブル241に格納される各種マスタテーブル、すなわち、部位マスタテーブル、現象マスタテーブル、結果マスタテーブル、不具合モードマスタテーブル、原因マスタテーブル、対策マスタテーブル等の内容を、例えばユーザの情報処理端末のディスプレイに一覧表示して、ユーザに必要な項目を選択させることで、属性値の登録が行える。例えば、図示の実体/状態データモデルにおける属性「現象」に対して、属性値を設定する場合には、現象マスタテーブルを表示する。現象マスタテーブルには、具体的な現象、例えば発熱、振動、騒音等が格納されており、これらを一覧表示してユーザに選択させることで、属性「現象」に対する属性値を登録することができる。
更に、各種マスタテーブルから選択した属性値を、図3の知識データ記憶部23中の知見・ノウハウシートに反映させるようにしてもよい。マスタテーブルから知見・ノウハウシートへの書き込みに際しては、その属性値に対応するコメント等が含まれていてもよい。
また、上記属性だけでなく、他の属性(影響度、等)も含めて、実体/状態データモデルの各属性値を更新することもできる。
ここで、属性値の更新とは、例えば、
・発生頻度(属性)に関する属性値を、2回/月から3回/月に更新
・耐性(ストレングス)(属性)に関する属性値を、−30℃〜+50℃から−20℃〜+55℃に更新
・影響度(属性)に関する属性値を、2から5に更新
等である。
また、図24において、情報処理端末のユーザに任意のマスタテーブルを選択させてこれを表示し、この表示画面上で、ユーザによって、マスタテーブルの内容を変更、追加、削除等する入力操作を行わせることで、マスタテーブル241のメンテナンスを行うこともできる。
図3の不具合対策支援部40が、知見・ノウハウ蓄積部20に蓄積された各種情報を用いることによって実現される不具合対策支援機能には、不具合分析支援機能と不具合未然防止支援機能とがある。なお、不具合分析支援機能には、不具合原因追及(支援)機能と不具合影響分析機能とがある。
図25は、図3の不具合対策支援部40が行う全体的な処理の流れを、簡単なフローと共に説明する図である。
図25において、不具合が発生すると、不具合が発生した部位(部品)とその部位に発生した不具合現象とを示す不具合連絡票が例えば現場担当者によって作成される。本システムのユーザ(上記現場担当者が兼ねることもある)は、その不具合連絡票に記載される内容を図3の登録部10を介して取り入れる(ステップS21)。これにより、不具合が発生した部位に対応する不具合の現象が分かる。そして、ステップS22において、分析を行うことにより、実体(部位)/工程が分かると共に、原因候補がリストアップされる。このようにして得られた、部位、現象、原因を検索キーとして検索を行い、検索結果として、対策候補がリストアップされる。以上の分析結果は、部位、現象、原因、対策の組として体系化される。
なお、ステップS23では、対策検討が行われる。この対策検討においては、上記した対策候補の中からとるべき対策を選定したり、不具合の発生を未然に防止するためにとるべき対策の候補を危険優先度の観点からリストアップしたりする。
図26は、上記した不具合原因追求支援機能を説明する図である。
図26(a)において、不具合が発生した実体(部品)に対応する不具合モードの網羅的な集合Aと、その実体に発生した不具合現象に対応する不具合モードの網羅的な集合Bとの共通集合をとることによって、その実体(部品)でその不具合現象が発生したことに関連付けられる不具合モードの網羅的な集合Cを抽出する。尚、図26(b)(c)は、図26(a)の説明に対応する各不具合網羅表間の関係を示す図である。図26(b)を参照すると、不具合が発生した実体(例えば、部位)B1に対しては、不具合モードK1,K2,K3がその網羅的な集合として対応しており、また、図26(c)を参照すると、その実体B1で発生した不具合現象G11に対しては、不具合モードK1,K3が網羅的な集合として対応していることが分かる。そして、不具合原因追求支援機能は、その共通集合である不具合モードK1,K3(これは、上記集合Cに対応する)に対応する不具合原因C1,C3を、実体B1で不具合現象G11が発生した(あるいは、発生する可能性がある)原因として推定する。
ここで、上記共通集合としての不具合モードK1,K3は、不具合が発生した実体B1とその実体B1に発生した不具合現象G11とを関連付けている。本実施形態においては、上記共通集合としての不具合モードK1,K3を介することで、実体B1で不具合現象G11が発生する確率を算出している。
図27は、図26の不具合(故障)原因追求(支援)機能をより具体的に説明する図である。
図27に示す表現モデルでは、ユニット1は部品1−1と部品1−2とから構成され、それは、上記したような製品構造情報と製造工程情報とを有しているが、ここではその説明は(上記したことの繰り返しになるので)省略する。
上記したように、製造工程においては、現状態で生じる不具合には、前状態と前状態から現状態へのハザード混入を含めた遷移条件が関与してくる。例えば図において部品1−1で、状態3に対しては状態2が、状態2に対しては状態1が不具合の原因となりうる。つまり、状態3から状態2や状態1への方向は、状態3で発生した不具合の原因を追求する方向を示している。これに対して、状態2や状態1から状態3への方向は、そのような不具合を生じさせうる潜在的な危険源(ハザード)が伝播する方向、あるいは、状態1〜3で発生した不具合が他に影響を及ぼすべく伝播していく方向を示している。図中に「状態遷移による伝播」と表記される矢印の方向は、このハザードの伝播方向に一致している。
なお、一方では、部品はインターフェイスが設定された(インターフェイスの設定は、ユーザが情報処理端末から行う)他の部品からストレスを受けていて、そのストレスがその部品の許容範囲(耐性、ストレングス)を越えた場合に不具合が発生する。なお、図は、部品1−2に不具合が発生した場合を想定している。このため、図中に「相互作用(インターフェイス)による伝播」と表記される矢印の方向は、部品1−1(すなわち、部品1−2から見て他の部品、但し、上記したようにユーザによって予め部品1−1と部品1−2との間にはインターフェイスが設定されている)から部品1−2に向かっている。
したがって、ある部品で不具合が発生した場合、それが、他の部品からのストレスによるものか、それともその部品自体の製造工程に問題があるのかをまず決める必要がある。図中の表現では、まず、相互作用分岐か状態遷移分岐かを決める必要がある。
以下に、不具合(故障)原因追及支援処理の概要を説明する。
まず、可能な不具合(故障)モードの原因脈路の同定を行う。すなわち、各実体について、予めハザード伝播路に沿って実体の状態遷移、及び他の実体から与えられる相互作用により発生しうる不具合(故障)モードを網羅的に定義し、それぞれの影響源から与えられる影響の度合い(影響度(寄与率))と、それらの不具合(故障)モードが発生する可能性を確率的・体系的に同定する。これにより原因脈路が作成される。
そして、上記したそれらの可能な故障モードが実際に発生する頻度を更に加味する。
更に、状態遷移によるストレングスへの影響(何をどの程度)、及び他の実体から与えられた相互作用によるストレスへの影響(何をどの程度)を体系的に記述する。
次に、発生する不具合(故障)モードの原因分析を行う。すなわち、不具合(故障)発生部位からハザード伝播路を逆方向(後方)へ遡って分析を行う。
まず、不具合(故障)現象から原因をストレングスの低下のみによるものか、ストレスの悪化のみによるものか、または、ストレングスの低下とストレスの悪化の両方によるものかを確率的に切り分ける。
ストレングス低下の確率が高い場合、状態分岐遷移に重点を置き、実体の製造過程で発生しうる確率の高い状態遷移における影響源を(確率の高い順に)リストアップする。
他の実体からのストレス悪化の確率が高い場合、相互作用分岐に重点を置き、他の実体で発生しうる確率の高い影響源を(確率の高い順に)リストアップする。
また、両方の場合、実体の製造過程で発生しうる確率の高い状態遷移における影響源と、他の実体で発生しうる確率の高い影響源との双方を(確率の高い順に)リストアップする。
尚、他の実体からのストレス悪化の確率が高い場合や、ストレングス低下の確率が高い場合で状態遷移が実体から生じる組立工程の場合には、その他の実体や、状態遷移が生じる実体を不具合(故障)モードと仮定し、上記した不具合(故障)モードの分析を繰り返し行う。
以下では、上記した不具合(故障)原因追求(支援)機能について、図28、及び図29のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、不具合の原因追求処理に先立って、本システムのユーザは、現場担当者から不具合連絡票を受け取る。この不具合連絡票には、不具合が発生した製品、その製品における不具合が発生した部位、その部位で発生した不具合(故障)現象、等が記載されている。そして、ステップS101において、ユーザは情報端末装置から、その不具合連絡票に記載される不具合が生じた製品の系統名を入力する。この系統名の入力に対して、ステップS102において、あらゆる製品系統に対してデータとして保持されているマスタテーブル群、QA2−KDB群の中から入力された系統名に対応する製品のマスタテーブル、QA2−KDBが選択される(対象製品系統の絞り出しが行われる)。
続くステップS103では、今回対象となる製品系統に対する部位マスタテーブルが読み込まれ、ユーザによって、その不具合連絡票に記載される不具合部位が選択される。そして、ステップS104において、対象製品系統のQA2−KDB(属性・属性値)が読み込まれ、ユーザによって、このQA2−KDBから不具合が発生した部位が選択される。この際、不具合網羅表間のリンク関係(このリンクも、自動処理ではなく、人間が手作業で行うものである)に基づいて、対象不具合部位でのありうる不具合モードの一覧(図26(b)では、K1,K2,K3)、及びそれに対応する不具合現象の一覧(図26(c)では、G11,G12,G21,G22)が表示される。
続いて、ステップS105において、ユーザによって、この一覧中に今回対象となる不具合現象に対応(一致)する不具合現象があるかどうかが判定される。図26を例にとると、今回対象となる不具合現象が、図26(c)の一覧中のG11,G12,G21,G22のいずれかに一致するかユーザによって判定される。
このように、ステップS105において、表示された不具合現象の一覧中に、対象不具合現象に対応する不具合現象が含まれていないと判定された場合は、ステップS106において、ユーザによって、現象マスタテーブルが開かれ、ステップS107で、ユーザによって、現象マスタテーブル中に、対象不具合現象が有るかどうかが判定される。無いと判定された場合、ステップS108において、ユーザによって、現象マスタテーブルがその対象不具合現象をデータとして追加するようにメンテナンスされ、その後、ステップS109において、ユーザによって、その追加した不具合現象が選択(登録)される。また、現象マスタテーブル中に有ると判定された場合、直ちに、上記ステップS109の処理が行われる。
その後、ステップS110において、ステップS109で登録された不具合現象(属性・属性値)をキーにしてQA2−KDBの不具合モード(右側)(属性・属性値)より、その不具合現象(属性・属性値)と対応する不具合モード(属性・属性値)を特定する。なお、ステップS105において、表示された不具合モードの一覧中に、対象不具合現象に対応する不具合現象が含まれていると判定された場合は、直ちに上記ステップS110が実行される。
続いて、図29に移行し、ステップS111において、ステップS110で特定された不具合モード(属性値)に関連するストレス事象(左側)(すなわち、不具合を発生した部位が、インターフェイスを有する他の部位から入力として受け取るストレス事象)を抽出する。
そして、ステップS112において、ステップS111で抽出されたストレス事象のそれぞれに対応するストレングスを更に抽出し、不具合発生時のストレス状況について、利用者(不具合連絡票を作成した現場担当者等)に確認する。この確認の結果として、ユーザによって、ストレスデータの入力、または、提示したストレス・ストレングスの比較結果(Yes/No/不明)のチェックが行われる。なお、比較結果(不明)は、利用者からの確認がとれず、不具合発生時のストレスデータが不明となるような場合等にチェックされる。
そして、このようにして抽出された(今回の不具合に関わる)全てのストレス項目について、以下のステップS113、及びS114の処理を実行する。
すなわち、まず、ステップS113において、ストレスがストレングスで示される許容範囲を越えるか(すなわち、ストレス>ストレングスであるか)が判定される。もし、許容範囲を越えれば、ステップS114において、そのストレス事象につながる実体を新たな不具合部位として設定する。
すべてのストレス項目について、ステップS113、及びS114の処理を終了したならば、続いて、ステップS115へ進み、上記ステップS114で設定した新たな不具合部位(実体)がないかを判定する。もしあれば、ステップS116において、ステップS114で設定された不具合部位を原因分析を行う新たな対象(不具合部位)として設定し、ステップS104に戻って、上記ステップS104〜S115を繰り返す。
一方、ステップS114において、新たな不具合部位の設定がなければ、ステップS117に進む。
ステップS117では、ステップS110で特定された不具合モードを基に、ステップS111で抽出されたストレスに関連する不具合モードを除いて、原因となりうる残りの事象(左側)について抽出し、その抽出されたそれぞれの事象の対象不具合モードへの影響度(寄与率)をその対象不具合モードに関わるロジック(FTAロジック等)、及び末端事象の発生確率から算出している。
そして、ステップS118において、ステップS117で抽出された事象を(対象不具合の)原因(候補)とし、更に、(ステップS117で)算出された対応する影響度(寄与率)をその原因(それら原因候補)が真である確率(その原因が真因となる確率)として、その原因(それら原因候補)と対応付けるようにして、その原因(要因)候補リストを、情報処理端末のディスプレイ上に一覧表示する。あるいは、この一覧表示した結果に対応する内容をQA2−KDBに格納する。なお、この一覧表示は、この原因追求支援処理の(分析)結果であり、「原因(要因)候補リスト」と呼ばれている。また、確率順にソートされて出力されることから「原因の確率(寄与率)順リスト」とも呼ばれている。
図30は、(対象不具合の)原因追求支援処理において原因(要因)候補リストが出力される様子を説明する図である。図に示すように、この原因(要因)候補リスト上の各原因項目に項目「リンク」を設けるようにしてもよい。このリンク情報を参照する(例えば、画面上でそのリンクを指定する)ことにより、その原因項目と関連する資料やデータ類を参照することができる。
以下に、図31〜図37を参照しつつ、上記した原因追求支援処理をより具体的に説明する。
図31は、導板と台金を部品として構成されるユニットに対応するQA2−KDBの構築例を示す図である。
図31において、ユニット1は、部品1−1(導板)と部品1−2(台金)とにより構成され、各実体(ユニット1、部品1−1、部品1−2)は、SSMロジックと、FTAロジックとを有している。
図32は、図31のユニット1を構成する部品1−1(導板)の実体/状態データモデルを、その部品1−1に適用されるSSMメソッド(ロジック)と共に示した図である。
図32において、部品1−1(導板)は、インターフェイスを有し、かつ、隣接する他の部品(不図示)の発熱等によって、その他の部品(不図示)からストレス1(ストック温度)、ストレス2(ストック湿度)、ストレス3(ストック期間)を受けている。
上記した図28、図29のフローとの関係では、この部品1−1(導板)で発生した不具合現象5(「表面に錆びが発生する」)に関連付けられる不具合モードとして、不具合モード5(錆び)がステップS110で取得され、この不具合モード5(錆び)に関連するストレス事象(左側)として、ストレス1(ストック温度)、ストレス2(ストック湿度)、ストレス3(ストック期間)がステップS111で抽出される。この部品1−1の不具合モード5(錆び)のSSMメソッドロジックでは、条件式:(ストレス1>ストレングス1)&(ストレス2>ストレングス2)&(ストレス3>ストレングス3)が真であれば、不具合モード5(錆び)が真に設定される。なお、ストレングス1、ストレングス2、ストレングス3は、それぞれ、対錆温度閾値、対錆湿度閾値、対錆期間閾値を示す属性であり、ここでは、30℃、85%、10時間という値がそれぞれ属性値として格納されている。
ユーザは、不具合発生時のストレス状況の確認を利用者に対して行い、その結果として、ストレスが上記各閾値を越えるかどうかが判定される。
図33は、図31のユニット1を構成する部品1−1(導板)の実体/状態データモデルを、その部品1−1に適用されるFTAメソッド(ロジック)と共に示した図である。
図33において、部品1−1(導板)の実体/状態データモデルは、部品1−1(導板)の製造工程の各状態の各不具合モードに対応して、その不具合モードを出力とする複数のFTAメソッドロジックを有している。
図において、不具合モード2(反り)のFTAメソッドは、製造条件(部材送り方向不良)、製造条件(反り矯正力不良)、環境条件(巻き癖大)を末端事象とし、以下の論理式によって、不具合モード2(反り)に値を設定する。
論理式:(部材送り方向不良)+(反り矯正力不良)・(巻き癖大)
また、不具合モード6(反り)のFTAメソッドロジックは、ストック条件(重ね置きによる外力発生)、不図示の前段のFTAが出力する不具合モード、を末端事象とし、以下の論理式によって、不具合モード6(反り)に値を設定する。
論理式:(重ね置きによる外力発生)+(前段のFTAの出力する不具合モード)
なお、図では、不具合モード2(反り)はプレス加工工程に、不具合モード6(反り)はストック工程に、それぞれ関連する不具合モードとなっている。
本実施形態では、このように、ある状態に関連する不具合モードのメソッドロジックは、その状態の前状態に関連する不具合モードを左側(すなわち、入力側)に有する構成とすることもできる。したがって、このような前段の不具合モードを入力するメソッドロジックが数段続いた場合、全体のイメージとしては、大きな(トップ事象から見て、末端事象に至るまでのツリーの階層が深い)故障木を有することになる。
上記した図28、図29のフローとの関係では、この部品1−1(導板)で発生した不具合現象6(「反りが0〜0.2mmの範囲外となる」)に関連付けられる不具合モードとして、不具合モード6(反り)がステップS110で取得され、この不具合モード6(反り)に関連する事象(不具合モードも含む)(左側)として、上記したストック条件(重ね置きによる外力発生)、前段のFTAの出力する不具合モードが、またその前段のFTAに関連する事象(左側)として、・・・という具合に因果関係の連鎖を遡っていくことによって、最終的には、不具合モード2(反り)のFTAに関連する事象(左側)として、製造条件(部材送り方向不良)、製造条件(反り矯正力不良)、環境条件(巻き癖大)までがステップS117で取得され、これらの各事象を含む故障木によって、不具合モード6(反り)に対する各事象の影響度(原因事象の結果事象への寄与率)が(逆)算出される。
故障木における原因事象の結果事象への寄与率の算出方法としては、様々な方法があるが、それらの方法につき、以下、図34〜図35を参照しつつ説明する。
図34は、発生確率(寄与率)を算出する対象としての故障木の一例を示す図である。
図34において、トップ事象Fは、末端事象F1,F2,F3から以下の論理式によって求められる。
論理式:F=F1+F2・F3
故障木において事象の発生確率を算出する方法が知られている。
例えば、互いに排反ではない事象E,Fの発生確率P(E),P(F)の論理和P(E∪F)は、下記非特許文献5に記載されるように、以下の式で与えられる。
P(E∪F)=P(E)+P(F)−P(E∩F)
山本 周行 著 「統計学要論」 昭和39年4月、明文書房 上式に対応する故障木、すなわち、トップ事象A(発生確率P(A))が末端事象E1(発生確率P(E1))と末端事象E2(発生確率P(E2))との論理和からなり、事象E1とE2が独立事象である場合、P(E∩F)=P(E)P(F)が成り立つので、事象Aの発生確率P(A)は以下のようになる。P(A)=P(E1)+P(E2)−P(E1)P(E2) 本実施形態においては特に、上記した不具合モードが一般には排反事象になっていないことを考慮し、上記故障木の事象E1、E2の結果事象への寄与率PA(E1)、PA(E2)を、以下の式により算出する構成としている。PA(E1)=(1−P(E2)/2)P(E1)/P(A)PA(E2)=(1−P(E1)/2)P(E2)/P(A)ここで、末端事象(原因事象)E1、E2が同時に発生することがあっても(すなわち、P(E1∩E2)=P(E1)P(E2)≠0であっても)、PA(E1)+PA(E2)=1、が常に成り立つ、つまり、すべての末端事象(原因事象)について、そのトップ事象(結果事象)への寄与率をすべて合計すると常に「1」となるのが、本実施形態の構成の特徴であり、直感的に分かり易くなっている。
本実施形態においては、上式に示されるように、互いに排反事象とは限らない、複数の原因事象の論理和から結果事象(A)が導かれる構造をツリー構造が示す場合に、その結果事象(A)の発生確率をそれら複数の原因事象の発生確率で表した式における、それら複数の原因事象の発生確率の2つ以上の積により構成される項(P(E1)P(E2))を、それら複数の原因事象の発生確率の2つ以上に所定の割合で分配するようにして(ここでは等分して)、その原因事象の結果事象に対する寄与率を算出している。
なお、一般に原因事象Eiが排反事象とは限らず、A=E1∪・・・∪Enの場合に、事象Eiの結果事象に対する寄与率PA(Ei)とは、結果事象Aが発生した場合に、それが原因事象Eiの寄与により発生した割合を、各原因事象Eiに対するその合計値が1(100%)となるように定式化したものである。
更に、一例を示すと、事象A=E1∪E2∪E3の場合、
P(A)=P(E1)+P(E2)+P(E3)−P(E1)P(E2)−P(E1)P(E3)−P(E2)P(E3)+P(E1)P(E2)P(E3)
PA(E1)=(1−P(E2)/2−P(E3)/2+P(E2)P(E3)/3)P(E1)/P(A)
PA(E2)=(1−P(E1)/2−P(E3)/2+P(E1)P(E3)/3)P(E2)/P(A)
PA(E3)=(1−P(E1)/2−P(E2)/2+P(E1)P(E2)/3)P(E3)/P(A)
PA(E1)+PA(E2)+PA(E3)=1
となる。
一般には、A=E1∪・・・∪Enの場合、
P(A)=Σ i=1・・・nP(Ei)+(−1)Σ i,j∈1・・・n,i<jP(Ei)P(Ej)+・・・+(−1)n−2Σ i,j,・・・,k∈1・・・n,i<j<・・・<kP(Ei)P(Ej)・・・P(Ek)+(−1)n−1Π i=1・・・nP(Ei)
PA(Ei)=(1−(−1)Σi,j∈1・・・n,i<jP(Ei)P(Ej)/2+・・・+(−1)n−2Σ j,・・・,k∈1・・・n,j<・・・<kP(Ej)・・・P(Ek)/(n−1)+(−1)n−1Π i=1・・・nP(Ei)/n)P(Ei)/P(A)
で与えられる。
以上に説明した式によれば、各末端事象の発生確率(上記P(Ei))が既知であれば、それを用いることで、結果事象に対する各末端事象の寄与率PA(Ei)を算出することができる。しかし、すべての末端事象について発生確率が分かっていないこともある。そのような場合には、故障木の構造から末端事象の構造重要度を算出する方法と、すべての末端事象の事前確率を等しいものとして確率重要度を算出する方法を用いることができる。
まず、構造重要度について説明する。
図35は、図34の故障木に対応するテーブルであり、構造重要度を算出する際に用いるテーブルである。
このテーブルにおいて、頂上事象とは、図34のトップ事象Fを指している。そして、事象Fiの構造重要度Is(Fi)は以下の式により求められる。
Is(Fi)=ns(Fi)/2n−1(nは末端事象Fiの数)
ここで、ns(Fi)は、末端事象Fiが0から1に変化するときに頂上事象Fも0から1に変化する回数(他の末端事象Fj(i≠j)は変化しない)である。
例えば事象F1については、状態番号1から5、2から6、3から7、がこの条件を満たしており、ns(F1)=3で与えられるので、構造重要度Is(F1)=3/4となる。同様に、Is(F2)=Is(F3)=1/4となる。ANDゲートを介さずに頂上事象Fに達する事象F1の重要度が大きいという期待される結果が得られる。
次に、確率重要度について説明する。
確率重要度とは、i番目の原因事象Fiが頂上事象Fに与える影響の度合いを定量化したものである。事象Fiの確率重要度ΔF(Fi)は以下の式で与えられる。
ΔF(Fi)=F(Fi=1)−F(Fi=0)
ここで、重要度を算出する末端(原因)事象Fi以外の末端(原因)事象Fj(i≠j)の発生確率はすべて所定値(ここでは0.1)に設定され、事象Fiについて、確率重要度ΔF(Fi)が算出される。
例えば事象F1については、F(F1=1)は、末端事象F1,F2,F3の発生確率をそれぞれ、1,0.1,0.1としたときの頂上事象Fの発生確率であり、同様に、F(F1=0)は、末端事象F1,F2,F3の発生確率をそれぞれ、0,0.1,0.1としたときの頂上事象Fの発生確率である。これより、末端事象F1の確率重要度ΔF(F1)は次式で与えられる。
ΔF(F1)=F(F1=1)−F(F1=0)=1−(0.1×0.1)=0.99(72.3%)
同様にして、ΔF(F2)、ΔF(F3)は次式で与えられる。
ΔF(F2)=F(F2=1)−F(F2=0)=0.1+0.1×1−(0.1×(0.1×1))=0.19(13.9%)
ΔF(F3)=F(F3=1)−F(F3=0)=0.1+1×0.1−(0.1×(1×0.1))=0.19(13.9%)
なお、以上説明した不具合の原因追求支援処理における、原因(要因)候補リストの出力の仕方としては、必ずしも各末端事象に対応して確率順に出力する必要はない。
図36は原因追求支援処理における原因(要因)候補リストの出力例を示す図である。
図36(a)に示す故障木は、末端事象E1、E2、E3、E4と結果事象Yとを有する。これらの関係は次の論理式で与えられる。
Y=(E1+E2)・E3+E4
=E1・E3+E2・E3+E4
結果事象Yを、論理和(+)を含まない各項の論理和で表した上式におけるその各項を、原因(要因)候補リストの各項目に対応させてもよい。図36(b)を参照すると、事象E4、E1・E3、E2・E3の各事象について影響度が確率順にリストアップされている。
図37は、不具合(故障)影響分析機能を具体的に説明する図である。
図37に示す表現モデルでは、ユニット1は部品1−1と部品1−2とから構成され、それは、上記したような製品構造情報と製造工程情報とを有しているが、ここではその説明は(上記したことの繰り返しになるので)省略する。
上記したように、製造工程においては、現状態で生じる不具合には、前状態と前状態から現状態へのハザード混入を含めた遷移条件が関与してくる。例えば図において部品1−1で、状態3に対しては状態2が、状態2に対しては状態1が不具合の原因となりうる。つまり、状態3から状態2や状態1への方向は、状態3で発生した不具合の原因を追求する方向を示している。これに対して、状態2や状態1から状態3への方向は、そのような不具合を生じさせうる潜在的な危険源(ハザード)が伝播する方向、あるいは、状態1〜3で発生した不具合が他に影響を及ぼすべく伝播していく方向を示している。図中に「状態遷移による伝播」と表記される矢印の方向は、このハザードの伝播方向に一致している。
なお、一方では、部品はインターフェイスが設定された(インターフェイスの設定は、ユーザが情報処理端末から行う)他の部品からストレスを受けていて、そのストレスがその部品の許容範囲(耐性、ストレングス)を越えた場合に不具合が発生する。なお、図は、部品1−1に不具合が発生した場合を想定している。このため、図中に「相互作用(インターフェイス)による伝播」と表記される矢印の方向は、部品1−1から部品1−2(すなわち、部品1−1で発生した不具合の影響が及ぶ部品)に向かっている。
したがって、ある部品で不具合が発生した場合、その部品とインターフェイスを有する他の部品のストレスへの影響が支配的か、それともその不具合が発生した部品(を用いる)の次の製造過程への影響が支配的かをまず決める必要がある。図中の表現では、まず、相互作用分岐か状態遷移分岐かを決める必要がある。
以下に、不具合(故障)影響分析(支援)処理の概要を説明する。
まず、可能な不具合(故障)モードの影響脈路の同定を行う。すなわち、各実体について、予めハザード伝播路に沿って実体の状態遷移、及び他の実体から与えられる相互作用により発生しうる不具合(故障)モードを網羅的に定義し、それぞれの影響源から与えられる影響の度合い(影響度)と、それらの不具合(故障)モードが発生する可能性を確率的・体系的に同定する。これにより影響脈路が作成される。
そして、上記したそれらの可能な故障モードの重要度、実際の発生頻度を更に加味する。
更に、状態遷移によるストレングスへの影響(何をどの程度)、及び他の実体から与えられる相互作用によるストレスへの影響(何をどの程度)を体系的に記述する。
次に、発生する不具合(故障)モードの影響分析を行う。すなわち、不具合(故障)発生部位からハザード伝播路を順方向(前方)に分析していく。
まず、不具合(故障)現象から影響をストレングスの低下のみによるものか、ストレスの悪化のみによるものか、または、ストレングスの低下とストレスの悪化の両方によるものかを確率的に切り分ける。
ストレングス低下の確率が高い場合、状態遷移分岐に重点を置き、実体の次の製造過程で発生しうる確率の高い影響(結果)を(確率の高い順に)リストアップする。
他の実体へのストレス悪化の確率が高い場合、相互作用分岐に重点を置き、他の実体で発生しうる確率の高い影響(結果)を(確率の高い順に)リストアップする。
また、両方の場合、実体の次の製造過程で発生しうる確率の高い影響(結果)と、他の実体で発生しうる確率の高い影響(結果)との双方を(確率の高い順に)リストアップする。
なお、他の実体へのストレス悪化の確率が高い場合や、ストレングス低下の確率が高い場合で状態遷移が実体から生じる組立工程の場合には、その他の実体や、状態遷移が生じる実体を不具合(故障)モードと仮定し、上記した不具合(故障)モードの影響分析を繰り返し行う。
なお、不具合(故障)影響分析(支援)機能については、図38のフローチャートを参照しつつ説明する。このフローは、不具合(故障)原因追求機能について説明した図29のフローに対応し、影響分析における相違点を記載したものである。なお、不具合(故障)原因追求機能について説明した図28のフローに対応する処理は、影響分析においても同じであるので省略する。また、以下の説明においては、図29との相違点を主に説明する。
まず、相互作用分岐における変更点は以下のようである。
不具合影響分析処理を行う場合でも、ステップS101〜ステップS110までの処理は、図28の不具合原因追求処理の場合と同じである。
ステップS110に続くステップS211において、ステップS110で特定された不具合モード(属性値)に関連するストレス事象(右側)(すなわち、不具合を発生した部位が、インターフェイスを有する他の部位へ出力するストレス事象)を抽出する。
このため、ステップS211の次のステップである、ステップS112において、ステップS211で抽出されたストレス事象のそれぞれに対応するストレングスを抽出した場合、そのストレングスは、不具合を発生した部位からインターフェイスを介してストレスを受ける他の部位の属性となる。
次に状態遷移分岐における変更点は以下のようである。
図29のステップS115の次のステップであるステップS217では、ステップS110で特定された不具合モードを基に、ステップS211で抽出されたストレス(右側)に関連する不具合モードを除いて、影響結果となりうる残りの事象(右側)について抽出し、その抽出されたそれぞれの事象の対象不具合モードからの影響度(確率)をその対象不具合モードに関わるロジック(FTAロジック等)、及び末端事象の発生確率から算出する。
そして、ステップS218において、ステップS217で抽出された事象を(対象不具合の)影響結果(候補)とし、更に、(ステップS217で)算出された対応する影響度(確率)をその影響結果(それら影響候補)が真である確率として、その影響(それら影響候補)と対応付けるようにして、その影響候補リストを、情報処理端末のディスプレイ上に一覧表示する。あるいは、この一覧表示した結果に対応する内容をQA2−KDBに格納する。なお、この一覧表示は、影響が及ぶ範囲をも示すことから、「影響範囲と影響度候補の(確率順)リスト」とも呼ばれている。
なお、影響分析を行う場合は、原因追及を行う場合とは、逆方向に故障木を進む。すなわち、影響分析においては、末端事象からトップ事象の方向に故障木を分析する。この場合、不具合が発生した実体の対応する不具合モードは、発生確率を1に設定して、その故障木での分析を行う。例えば、その不具合モードがORゲートの入力の1つであれば、そのORゲートの出力は1となり、また、その不具合モードが、2入力ANDゲートの入力の1つであれば、そのANDゲートの出力は他方の入力値となる。
なお、以上においては、実体/状態データモデル(QA2−KDB)に追加するロジックとしては、SSM、FTAロジックであったが、その他のロジックを追加することもできる。
以下では、FMEAロジックを、この追加するロジックとして考える。FMEAロジックは、不具合未然防止支援のために用いられるロジックである。したがって、実際に不具合が発生した後で、その発生した不具合に対して、対策を考えるのではなく、不具合が起こる前に、製品(より広くは、その製品に関わる生産システム全体)に内在する危険因子を危険優先度として算出し、この危険優先度を不具合未然防止支援のために用いている。
図39は、不具合未然防止支援処理のフローチャートである。
図39において、ステップS301において、ユーザによって、情報端末装置から、今回ターゲットとする製品系統名が入力されると共に、FMEAが起動される。そしてこの系統名の入力に対して、ステップS302において、あらゆる製品系統に対してデータとして保持されているマスタテーブル群、QA2−KDB群の中から入力された系統名に対応する製品のマスタテーブル、QA2−KDBが選択される(対象製品系統の絞り出しが行われる)。
続いて、ステップS302で選択された製品のすべての実体/工程に対して、以下のステップS303〜ステップS305の処理が繰り返される。
すなわち、ステップS303において、対象実体/工程のFMEAメソッドより、その対象実体/工程内の各不具合モードの危険優先数(危険優先度)を算出する。図40は、この様子を説明する図である。図において、今回対象となる実体/工程内には、n個の不具合モード(不具合モード1〜不具合モードn)が含まれている。各不具合モードでは、その不具合モードの危険優先数を下記の式に基づき算出している。
危険優先数=発生頻度×影響度×検出難易度
ここで、各項目の定義は、
・発生頻度・・・所定期間内(例えば1ヶ月内)にその不具合が発生する回数
・影響度・・・その不具合が発生した場合に生産システムが受ける影響の度合い
・検出難易度・・・その不具合を検出することの難易度
で与えられる。
続いてステップS304において、ステップS303で算出された各不具合モードの危険優先数を大小順でソートし、テーブルに格納する。なお、このテーブルは、実体/工程毎の各不具合モードの危険優先数を大小順にリストアップしたものであり、実体/工程内の各不具合モードの危険優先数(大小順)リストと呼ばれる。
続いてステップS305において、ステップS304で処理された実体/工程の各不具合モードを対応する危険優先数で全システム的に大小順でソートし、テーブルに格納する。なお、このテーブルは、全システム内における各不具合モードの危険優先数を大小順にリストアップしたものであり、全システム内の各不具合モードの危険優先数(大小順)リストと呼ばれる。
上記ステップS303〜ステップS305の処理が、対象製品のすべての実体/工程に対して行われると、ステップS306に進む。ステップS306では、情報処理端末のディスプレイ上に表示された「実体/工程別」、「システム一括」の項目からユーザによって、いずれかの項目が選択される。
続くステップS307では、ステップS306で選択された項目が「システム一括」であるかどうかが判定される。もし、「システム一括」が選択されていれば、ステップS308に進み、上記した全システム内の各不具合モードの危険優先数リストを出力装置に出力する。一方、「実体/工程別」が選択されていれば、ステップS309に進む。
ステップS309では、ユーザによって、実体/工程別表示を行うかどうかが決定される。行わない場合には、一連の不具合未然防止支援処理を終了する。一方、行う場合には、ステップS310において、対象とする製品系統の部位マスタテーブルから、ユーザによって、ディスプレイ上で対象とする実体/工程が選択される。
続くステップS311では、対象製品系統のQA2−KDBに基づいて、選択された実体/工程に対応する実体/工程内の各不具合モードの危険優先数リストを出力装置に出力する。そして、ステップS312で他の実体/工程を表示するかどうかがユーザによって選択される。もし、表示するなら、ステップS310に戻り上記処理が繰り返される。もし、表示しないなら、一連の不具合未然防止支援処理を終了する。
なお、ステップS308やS311で出力されるリストは、対策候補リストとも呼ばれている。
図41は、上記した対策候補リストのメンテナンス機能を説明する図である。
図41において、図40のステップS308やS311での出力結果として、対策候補リストが確率順にリストアップされる。
ステップS31で、ユーザによって、それらリストアップされた対策に対応する有効な対策があるかが判定される。もし、有効な対策があれば(S31でYES)、ステップS32でその有効な対策を選択し、QA2−KDB24中の属性「対策」に登録する。もし、有効な対策がなければ(S31でNO)、ステップS33で、ユーザによって、その有効な対策がマスタテーブル内にあるかどうかが判定される。もし、マスタテーブル内にあれば(S33でYES)、S34に進み、マスタテーブルから有効な対策が選択され、QA2−KDB24中の属性「対策」に登録する。また、もし、マスタテーブル内になければ(S33でNO)、S35に進み、必要な対策(文)をマスタテーブルに追加してからステップS34に進み、マスタテーブルから有効な対策を選択し、QA2−KDB24中の属性「対策」に登録する。
図42は、上記した不具合原因追求処理、不具合影響分析処理、及び不具合未然防止支援処理の結果としての候補リストの出力例を示す図である。図において、不具合の原因究明に対しては原因(要因)候補リストが、不具合の影響把握に対しては影響範囲(結果)と影響度候補リストが、不具合の未然防止支援(対策検討)に対しては対策候補リストが、それぞれ(確率(寄与率)順にソートされて)出力されている。
図43は、(ある実体に対応する)実体/状態データモデルの一例を示す図である。
図44は、図43の実体/状態データモデルの記述に利用される不具合原因網羅表を示す図である。なお、本実施形態においては、実体/状態データモデルの属性の中で、原因属性は、不具合原因網羅表を用いて属性値を記述している。
例えば図43の実体/状態データモデルの左側の属性の中で、加工製造方式(不良)は原因属性であり、図45の不具合原因網羅表を用いて属性値が記述されている。なお、「加工製造方式(不良)」という表記は2つの情報を有する。1つは属性「加工製造方式」が属性値「・・・」であるという情報であり、もう1つは原因属性が属性値「加工製造方式(不良)」であるという情報である。
また、図45は図43の実体/状態データモデルの記述に利用される不具合部位網羅表を示す図である。例えば図43の実体/状態データモデルの属性「リム部」「バブ部」「スポーク部」は、図45の不具合部位網羅表中の項目「リム部」「バブ部」「スポーク部」を用いて記述されている。
なお、(例えば図43などに示す)実体/状態データモデル中の属性であって、上記した各種不具合網羅表を用いて記述するもの以外のものには、参考、補足情報として設計や製造上のノウハウ情報を設計書、規格書、基準書、等を用いて記述するものや、知見・ノウハウを有するドキュメントへのリンク情報などがある。
なお、以上の説明は、各種データを用いて行ってきたが、ここで、参考までに、それら各種データが実在する形態を示す。図46は、その各種データの実在の仕方を示す図である。図に示すように、各種データは、製品設計情報に関するもの、工程設計情報に関するもの、生産製造情報に関するもの、に大別される。そして、いずれのデータもその存在する形態としては、人の頭脳にある知見・ノウハウ、電子化または非電子化の図面・帳票情報、DB化された情報、のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせとして存在している。
本発明は、加工組立型の生産システムなどの生産システムの設計支援に適用できる。
生産システムにおける、製品が市場に投入されるまでのフェーズの流れを説明する図である。 図1の生産システムに対応する不具合処理の業務フローを示す図である。 本発明の一実施形態の生産システムにおける不具合対策支援システムの構成を示すブロック図である。 PPMDBの概念的な構造を示す図である。 図4の表現モデル(PPMDB)に対応するテーブルを示す図である。 図4の表現モデル(PPMDB)に対して、ハザードとインターフェイス情報を設定した一例を示す図である。 4個の部品から構成されるユニットの表現モデルを示す図である。 図3の不具合網羅表記憶部に記憶される各種網羅表を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)部位網羅表の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)モード網羅表(ヒューマンエラーベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)モード網羅表(物理現象ベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)現象網羅表(ヒューマンエラーベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)現象網羅表(物理現象ベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)結果網羅表の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)原因網羅表(ヒューマンエラーベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)原因網羅表(物理現象ベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)対策網羅表(ヒューマンエラーベース)の一例を示す図である。 ある製品系統に対応する不具合(故障)対策網羅表(物理現象ベース)の一例を示す図である。 図3のPPMDBをベースに生成されたQA2−KDB24上にハザードを設定した一例を示す図である。 図3のPPMDB22をベースにして、QA2−KDB24の骨組みを生成する処理を示すフローチャートである。 プロダクトモデル対応のデータ構造の一例を示す図である。 プロダクト・プロセスモデル対応のデータ構造の一例を示す図である。 生成された図3のQA2−KDB24の骨組みに対し、ロジックを追加したところを示す図である。 図3の登録部10の機能の一例を説明する図である。 図3の不具合対策支援部40が行う全体的な処理の流れを、簡単なフローと共に説明する図である。 不具合原因追求支援機能を説明する図である。 不具合(故障)原因追求(支援)機能をより具体的に説明する図である。 不具合(故障)の原因追求(支援)処理のフローチャート(その1)である。 不具合(故障)の原因追求(支援)処理のフローチャート(その2)である。 (対象不具合の)原因追求支援処理において原因(要因)候補リストが出力される様子を説明する図である。 導板と台金を部品として構成されるユニットに対応するQA2−KDBの構築例を示す図である。 図31のユニット1を構成する部品1−1(導板)の実体/状態データモデルを、その部品1−1に適用されるSSMメソッド(ロジック)と共に示した図である。 図31のユニット1を構成する部品1−1(導板)の実体/状態データモデルを、その部品1−1に適用されるFTAメソッド(ロジック)と共に示した図である。 発生確率(寄与率)を算出する対象としての故障木の一例を示す図である。 図34の故障木に対応するテーブルであり、構造重要度を算出する際に用いるテーブルである。 原因追求支援処理における原因(要因)候補リストの出力例を示す図である。 不具合(故障)影響分析機能を具体的に説明する図である。 不具合(故障)影響分析処理のフローチャートである。 不具合未然防止支援処理のフローチャートである。 ある対象製品系統に適用されるFMEAメソッド(ロジック)を示す図である。 対策候補リストのメンテナンス機能を説明する図である。 各種不具合対策支援処理の結果として出力される候補リストを示す図である。 実体/状態データモデルの一例を示す図である。 図43の実体/状態データモデルの記述に利用される不具合原因網羅表を示す図である。 図43の実体/状態データモデルの記述に利用される不具合部位網羅表を示す図である。 本実施形態における、各種データの実在の仕方を示す図である。
符号の説明
10 登録部
20 知見・ノウハウ蓄積部
21 不具合網羅表記憶部
21a 不具合部位網羅表
21b 不具合モード網羅表
21c 不具合現象網羅表
21d 不具合結果網羅表
21e 不具合原因網羅表
21f 不具合対策網羅表
22 PPMDB
23 知識データ記憶部
24 QA2−KDB
30 参照部
40 不具合対策支援部

Claims (7)

  1. 1以上の実体から生産される製品に関わる生産システムに生じる不具合に対する対策を支援する装置において、
    前記実体で発生しうる不具合現象の網羅的な集合を示す情報を記憶する第1の不具合網羅記憶手段と、
    前記第1の不具合網羅記憶手段に記憶されている不具合現象を形態別に整理して得られる不具合モードの網羅的な集合を示す情報を記憶する第2の不具合網羅記憶手段と、
    製品構造情報と製造工程情報とを互いに関連付けて表現したモデル情報を製品・工程モデルとして記憶する製品・工程モデル記憶手段と、
    仕様書や標準書のデータ、製造方法に関する知識や生産システムにおける知見・ノウハウに関する知識等からなる知識データを記憶する知識データ記憶手段と、
    をあらかじめ備え、
    前記第1及び第2の不具合網羅記憶手段に記憶されている前記網羅的な集合を示す不具合現象、不具合モード、及び、前記知識データ記憶手段に記憶されている知見・ノウハウ等の各種データをユーザが読み出して且つ該データを参照し、更に前記製品・工程モデル記憶手段に記憶された前記モデル情報を読み出して該モデル情報を骨組みとして持ち、該骨組みに対してユーザが該モデル情報に展開されている各属性に対して対応する属性値を記述するとともに既存の各種方式を用いて判定を行うロジック、並びに前記製品・工程モデル記憶手段に記憶された前記製造工程情報の属性としての状態情報、状態遷移の方向に係る情報を付加して品質知識データベースを構築する手段と、
    所定の不具合現象が発生した際に、構築された前記品質知識データベースを読み出して、前記モデル情報中に存在する実体に複数の属性データを関連付ける手段および前記関連付けられた属性データの少なくとも一部を用いて前記実体における不具合現象の発生確率を算出して不具合の原因追求・影響分析による対策支援を行う第1の不具合対策支援手段と、
    所定の不具合が起こる前に、構築された前記品質知識データベースを読み出して、前記モデル情報中に存在する実体に複数の属性データを関連付ける手段および前記関連付けられた属性データの少なくとも一部を用いて前記実体を用いる製品に内在する危険因子を危険優先度として算出し、該危険優先度を不具合未然防止支援に用いる第2の不具合対策支援手段と、
    前記第1の不具合対策支援手段の前記不具合の原因追求による対策支援に対しては要因候補リストを、また前記不具合の影響分析による対策支援に対しては影響範囲と影響度候補リストを、それぞれ確率(寄与率)順にソートして出力し、一方、前記第2の不具合対策支援手段の前記不具合の未然防止支援による対策支援に対しては対策候補リストを確率(寄与率)順にソートして出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする生産システムにおける不具合対策支援装置。
  2. 前記既存の方式はFTA方式であり、
    前記第1の不具合対策支援手段は、
    所定の不具合現象が発生した実体について、該所定の不具合現象に対応付けられた前記不具合モードが論理ゲートを介してツリー構造の各部に配置されてなるFTA情報を記憶する手段と、
    前記FTA情報のツリー構造を、前記所定の不具合現象が発生した実体を分析の開始点として該分析の開始点から所定の向きに進むことによって、該ツリーの各部に位置する不具合モードの発生確率(寄与率)を前記FTA方式に基づいて算出する手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の不具合対策支援装置。
  3. 前記FTA情報に基づいて、前記既存のFTA方式が該事象の発生確率(寄与率)を算出する場合に、
    互いに排反事象とは限らない、複数の原因事象の論理和から結果事象が導かれる構造を前記ツリー構造が示す場合に、前記結果事象の発生確率を前記複数の原因事象の発生確率で表した式における、該複数の原因事象の発生確率の2つ以上の積により構成される項を、該複数の原因事象の発生確率の2つ以上に所定の割合で分配するようにして、該原因事象の結果事象に対する寄与率を算出する手段を有することを特徴とする請求項2記載の不具合対策支援装置。
  4. 前記分析の開始点は不具合現象が発生した実体であり、該実体は他の実体との間にインターフェイスを介して相互作用を有することを特徴とする請求項記載の不具合対策支援装置。
  5. 前記インターフェイスを介して前記実体に影響を与える他の実体と、前記実体に対応する製造工程とでは、前記実体に発生した所定の不具合現象への発生原因としての寄与分が、いずれが大きいかを算出する手段を更に有し、
    該原因寄与分算出手段によって、前記実体に対応する製造工程からの影響の方が大きいと算出された場合には、前記発生確率(寄与率)算出手段は、前記実体に対応する製造工程の前記FTA情報に基づいて、前記実体に対応する製造工程に対して発生確率(寄与率)の算出を行うことを特徴とする請求項4記載の不具合対策支援装置。
  6. 前記インターフェイスを介して前記実体が影響を及ぼす他の実体と、前記実体が組み込まれる組立工程とでは、前記実体に発生した所定の不具合現象への影響としての寄与分が、いずれが大きいかを算出する手段を更に有し、
    該影響寄与分算出手段によって、前記他の実体への影響の方が大きいと算出された場合には、前記発生確率(寄与率)算出手段は、前記他の実体に対応する前記FTA情報に基づいて、前記他の実体に対して発生確率(寄与率)の算出を行うことを特徴とする請求項4記載の不具合対策支援装置。
  7. 前記既存の方式はFMEA方式であり、
    前記第2の不具合対策支援手段は、
    前記製品を構成する任意の実体について、該実体に対応付けられた前記不具合モードの危険優先度を前記FMEA方式に基づいて算出することを特徴とする請求項1記載の不具合対策支援装置。
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