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JP4968161B2 - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪と路面との間で生じる駆動トルク、および車輪に与えるブレーキトルクを制御することの可能な、駆動力制御装置に関するものである。
一般に、車両には駆動力源が搭載されており、その駆動力源のトルクが車輪に伝達されて、車輪と路面との間で駆動トルクが発生する。また、車輪にブレーキトルクを与えることもできる。このように、車輪で生じる駆動トルク、および車輪に与えるブレーキトルクを制御する技術の一例が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載された車両の駆動トルク制御装置では、駆動装置が左右の前輪にトルク伝達可能に接続されている。この駆動装置は、電動機またはエンジンを含み、かつ、トランスミッションを含む。この駆動装置のトルクは、アクセル開度センサにより検出されるアクセルペダルの踏み込み量に基づいて、電子制御装置により制御される。また、駆動装置から左右の前輪に至るトルク伝達経路にはデファレンシャルが設けられている。さらに、前輪の他に左右の後輪が設けられており、前輪および後輪にブレーキトルクを与える制動装置が設けられている。この制動装置は、ドライバにより操作されるブレーキペダルと、左右の前輪および左右の後輪にそれぞれ別個に設けられたホイールシリンダと、ブレーキペダルの踏み込み量、またはブレーキペダルの踏み込み量に関わりなく、各ホイールシリンダの油圧を制御する油圧回路とを有している。
そして、駆動装置から前輪にトルクを伝達して駆動トルクが生じているときに、左右の前輪の一方がスリップしたときは、スリップしていない方の車輪の駆動トルクから、スリップした方の車輪の駆動トルクを減算して、スリップした車輪に与えるブレーキトルクを求めている。これにより、スリップした車輪における駆動トルクとブレーキトルクとの和が、スリップしていない車輪の駆動トルクと等しくなり、車種毎の適合を要することなく、スリップした車輪にブレーキトルクを過不足無く与えることができ、車輪のスリップを確実に抑制することができるとされている。なお、エンジントルクが車輪に伝達される構成の車両において、車輪のスリップが検出された場合に、エンジン回転数を制御することで、車輪のスリップを抑制する技術が、特許文献2に記載されている。
特開2007−50753号公報 特開平4−166628号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された駆動制御装置では、スリップした車輪に付与されるブレーキトルクに応答遅れがあり、スリップした車輪の駆動トルクを低下させることで、その車輪のスリップを抑制すると、車輪のスリップが解消されて、再度、その車輪の駆動トルクを高めると、結局はその車輪が再度スリップする虞があり、加速性を向上することができなかった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、第1の車輪または第2の車輪のうち、片方の車輪がスリップした場合に、車両の加速性を向上することの可能な駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の左右方向または前後方向で異なる位置に配置された第1の車輪および第2の車輪と、前記第1の車輪および第2の車輪にトルクを伝達する駆動力源と、前記第1の車輪および第2の車輪にブレーキトルクを与える制動装置とを有し、前記駆動力源から前記第1の車輪にトルクが伝達されてその第1の車輪と路面との間に生じる駆動トルク、および前記制動装置により前記第1の車輪に与えられるブレーキトルクと、前記駆動力源から前記第2の車輪にトルクが伝達されてその第2の車輪と路面との間に生じる駆動トルク、および前記制動装置により前記第2の車輪に与えられるブレーキトルクとを、前記第1の車輪と第2の車輪とで個別に変更することのできる駆動力制御装置において、前記第1の車輪のスリップ量と第2の車輪のスリップ量とに差が生じた場合に、スリップ量が大きい方の車輪で生じる駆動トルクの最大値と、スリップ量が小さい方の車輪の駆動トルクの最大値との差を求める算出手段と、この算出手段で求められた駆動トルクの最大値同士の差に基づいて、前記スリップ量が大きい方の車輪に与えるブレーキトルクを制御する第1ブレーキトルク制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1ブレーキトルク制御手段の処理により、スリップ量が大きい方の車輪のスリップが解消された後、その車輪に与えるブレーキトルクを、前記駆動力源からこの車輪に与えられていたトルク以下の値に制限する第2ブレーキトルク制御手段を、さらに有していることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、第1の車輪のスリップ量と第2の車輪のスリップ量とに差が生じた場合は、スリップ量が大きい車輪で生じる駆動トルクの最大値と、スリップ量が小さい車輪の駆動トルクの最大値との差を求める。ついで、求められた駆動トルクの最大値同士の差に基づいて、スリップ量が大きい車輪に与えるブレーキトルクを制御する。このため、スリップ量が大きい車輪の駆動トルクを一旦低下させて、その車輪のスリップを解消し、その後に、その車輪の駆動トルクを増加するときに、駆動トルクが最大値になるまではスリップしないため、他方の車輪で生じる駆動トルクを相対的に高くすることができる。したがって、車両の加速性が向上する。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、一方の車輪がスリップし、その後に車輪がスリップしなくなった場合は、車輪に伝達されるトルクの合計値が、制動側の値となることはなく、車両がドライバーの意思以上に減速されることを防止できる。
この発明において、車両の前後方向とは、車両の走行方向に沿った方向であり、車両の左右方向とは、車両の走行方向に対して直交する方向である。この発明における駆動力源は、車輪に伝達するトルクを発生し、かつ、そのトルクを制御できる装置である。この駆動力源には、エンジン、電動機、油圧モータ、フライホイールなどが含まれる。前記エンジンは、燃料を燃焼させてその熱エネエルギを運動エネルギに変換する動力装置である。このエンジンとしては内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンを用いることができる。電動機は、電気エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、電動機としては直流型電動機または交流型電動機を用いることができる。前記油圧モータは、オイルの流体エネルギを回転軸の運動エネルギに変換する動力装置である。フライホイールは、回転部材の回転慣性力を出力部材の運動エネルギに変換して出力する動力装置である。この発明においては、駆動力源のトルクが、デファレンシャルを経由して第1の車輪と第2の車輪とに分配される構成である。このため、第1の車輪と第2の車輪との回転数差が、デファレンシャルにより吸収される。この発明において、車輪と路面との間に生じる駆動トルクは、駆動力と言い換えることもできる。この発明における第1の車輪および第2の車輪は、駆動力源のトルクが伝達される駆動輪である。第1の車輪および第2の車輪には、左右で異なる位置に配置された右車輪および左車輪、または前後方向で異なる位置に配置された前輪および後輪が含まれる。この発明における車輪のスリップ量の大小関係は、例えば、車輪がスリップしたか否か、またはスリップ率の大小により判断される。また、第1ブレーキトルク制御手段および第2ブレーキトルク制御手段とは、ブレーキトルクを制御する手段である「ブレーキトルク制御手段」として、第1と第2とを有するという意味である。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示された車両1には、駆動力源2が搭載されており、その駆動力源2の出力軸と、変速機3の入力軸とトルク伝達可能に接続されている。前記駆動力源2としては、エンジンまたは電動機のうちの少なくとも一方を用いることができる。このエンジンは、燃料噴射量または吸入空気量点火時期を制御することにより、エンジントルクを制御可能である。電動機は、電流値の制御により出力トルクを制御できる。また、変速機3は入力回転数と出力回転数との比、つまり変速比を変更可能な動力伝達装置であり、変速機3としては、無段変速機または有段変速機の何れを用いても良い。無段変速機とは、変速比を無段階、つまり、連続的に変更可能な変速機であり、無段変速機としては、トロイダル型無段変速機、またはベルト式無段変速機を用いることができる。これに対して有段変速機とは、変速比を段階的、つまり、不連続に変更可能な変速機であり、有段変速機としては、選択歯車式変速機、常時噛み合い式変速機、遊星歯車式変速機を用いることができる。
さらに、変速機3の出力側には、プロペラシャフト20を介在させてデファレンシャル4が動力伝達可能に接続されている。このデファレンシャル4は、回転可能に設けられたデフケースと、デフケースに取り付けられたピニオンギヤと、このピニオンギヤに噛合された2個のサイドギヤとを有している。2個のサイドギヤには別々にアクスルシャフト5,6が接続されており、アクスルシャフト5には左後輪7が動力伝達可能に接続され、アクスルシャフト6には右後輪8が動力伝達可能に接続されている。また、車両1の前後方向で左前輪7よりも前方には左前輪9が設けられており、車両1の前後方向で右前輪8よりも前方には右前輪10が設けられている。なお、駆動力源2のトルクは、右前輪10および左前輪9には伝達されない構成である。また、各車輪は、金属製のホイールの外周に、ゴム材料を主体とするタイヤが取り付けて構成されている。
さらに、右前輪10および左前輪9および右後輪8および左後輪7に与えるブレーキトルクを、個別に制御可能な制動装置11が設けられている。この制動装置11は、運転者により操作されるブレーキペダル12と、右前輪10に設けられたホイールシリンダ13と、左前輪9に設けられたホイールシリンダ14と、右後輪8に設けられたホイールシリンダ15と、左後輪7に設けられたホイールシリンダ16と、ホイールシリンダ13,14,15,16の油圧を個別に制御することのできる油圧回路17とを有している。この油圧回路17は、マスターシリンダおよびソレノイドバルブなどを有する公知のものである。そして、油圧回路17は油圧式のアクチュエータであり、ホイールシリンダ13,14,15,16の油圧を個別に制御することにより、右前輪10および左前輪9および右後輪8および左後輪7に与えるブレーキトルクを個別に調整できる。具体的には、ホイールシリンダの油圧を低下させると、車輪に与えられるブレーキトルクが低下し、ホイールシリンダの油圧を上昇させると、車輪に与えられるブレーキトルクが上昇する。
上記のように構成された車両1において、アクセルペダルの踏み込み量および車速に基づいて、車両1における要求駆動力が求められ、その要求駆動力に基づいて、駆動力源2の回転数およびトルクが制御され、かつ、変速機3の変速比が制御される。図2に示された車両においては、駆動力源2のトルクが、変速機3およびデファレンシャル4を経由してアクスルシャフト5,6に伝達される。そして、右後輪8にトルクが伝達されると、図3に示すように、右後輪8と路面19との接触部分で駆動トルク(駆動力)が生じ、左後輪7にトルクが伝達されると、左後輪7と路面19との接触部分で駆動トルク(駆動力)が生じる。さらに、ブレーキペダル12が踏み込まれると、ホイールシリンダ13,14,15,16の油圧が高められて、右前輪10および左前輪9および右後輪8および左後輪7にブレーキトルクが与えられる。ここで、各車輪に伝達されるトルク、およびブレーキトルク、各車輪で生じる駆動トルクを、図3に基づいて説明する。例えば、車両1が前進走行するとき、駆動力源2から右後輪8および左後輪7に反時計方向のトルクが与えられ、図3で左向きの駆動トルクが生じる。これに対して、ブレーキトルクは右後輪8および左後輪7に、図3で時計方向に与えられる。さらに、この実施例では、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ、ブレーキペダル12が踏み込まれていない時に、各車輪に与えるブレーキトルクを個別に制御することができる。そこで、ブレーキペダルが踏み込まれていないときに、各車輪にブレーキトルクを与える場合の制御例を説明する。
(第1制御例)
この第1制御例は、アクセルペダルが踏み込まれて加速要求が生じ、かつ、駆動力源2のトルクが右後輪8および左後輪7に伝達されて、右後輪8および左後輪7で駆動力が発生している時の例である。まず、右後輪8のタイヤと路面19との間で生じる駆動トルク、および左後輪7のタイヤと路面19との間で生じる駆動トルクが計算される(ステップS1)。このステップS1では、例えば次式を用いることができる。
Twr=(Td−IdVdd)Rg/2−IwVwd−Tb ・・・(1)
ここで、Twrは各車輪毎の駆動トルク、Tdは駆動力源2のトルク、Idは動力伝達部材の慣性モーメント、Vddは動力伝達部材の回転加速度、Rgは変速機3およびデファレンシャル4のギヤ比、Iwは車輪の慣性モーメント、Vwdは車輪の回転加速度、Tbは車輪に与えられるブレーキトルクである。なお、上記の動力伝達部材には、アクスルシャフト5,6およびプロペラシャフト20が含まれる。
このステップS1についで、車輪、具体的には後輪でスリップが発生しているか否かが判断される(ステップS2)。車輪のスリップの有無は、
スリップ率=((車輪回転速度−車体速度)/車輪回転速度)×100
で求めることができ、例えば、特開2003−204534号公報、特開2003−204536号公報、特開2003−20374号公報などに記載されている周知の判定装置を用いればよい。このステップS2で肯定的に判断された場合は、駆動輪にスリップしていない車輪があるか否かが判断される(ステップS3)。右後輪8または左後輪7のいずれか一方がスリップしており、かつ、他方がスリップしていない場合は、ステップS3で肯定的に判断される。例えば、一方の駆動輪が積雪路、または凍結路に接触し、他方の駆動輪が舗装路に接触している場合に、ステップS3で肯定的に判断される。そして、車輪のスリップ率が、予め定められた値よりも大であるために、駆動力源2のトルクが低下されたか否かが判断される(ステップS4)。
このステップS4の技術的の意味を説明する。この実施例では、車輪がスリップした場合、スリップした車輪にブレーキトルクを与えて車輪のスリップ率を低下させるが、スリップ率が、予め定められた値よりも大である場合、ブレーキトルクを与えても車輪のスリップを抑制できない可能性があるため、ブレーキトルクの付与に加えて、駆動力源2のトルクを低下させる制御がおこなわれる。このステップS4で肯定的に判断された場合は、スリップしていない車輪(高μ輪)のタイヤと、路面19との間で生じる駆動トルクの最大値が、電子制御装置18に記憶される(ステップS5)。また、スリップしている車輪(低μ輪)のタイヤと、路面19との間で生じる駆動トルクの最大値が、電子制御装置18に記憶される(ステップS6)。このステップS5およびステップS6の処理は、何れを先におこなってもよく、または同時におこなってもよい。
このステップS5,S6の処理を、図4のマップにより説明する。図4のマップでは、横軸に車輪のスリップ率が示され、縦軸に駆動トルクが示されている。この図4には、高μ輪の特性および低μ輪の特性が示されている。この高μ輪はスリップしない車輪の特性を示し、低μ輪はスリップする車輪の特性を示す。スリップ率が同じであるとき、高μ輪の駆動トルクは低μ輪の駆動トルクよりも高い。なお、スリップ率が大きくなるほど駆動トルクが上昇し、所定のスリップ率以上になると、駆動トルクが低下する特性は、高μ輪および低μ輪で共通である。この図4に示すように、ステップS5では低μ輪でスリップが生じたとき、高μ輪の駆動トルクの最大値が記憶される。また、ステップS6では、低μ輪の駆動トルクの最大値が記憶される。つまり、ステップS6で記憶されるのは、スリップした車輪の実際の駆動トルクではない。ついで、ステップS5で求めた駆動トルクの最大値から、ステップS6で求めた駆動トルクの最大値を減算して、スリップした車輪に与えるブレーキトルクを計算する(ステップS7)。つまり、ステップS7では、図4の駆動トルク同士の差に対応するブレーキトルクが求められる。そして、スリップしている車輪にブレーキトルクを与える信号を出力し(ステップS8)、この制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS4の判断時点で、スリップ率が予め定められた値以下であると、駆動力源2のトルクを低下させる制御がおこなわれず、そのステップS4で否定的に判断される。このように、ステップS4で否定的に判断された場合は、スリップしていない車輪の駆動トルクから、スリップしている車輪の駆動トルクを減算して、スリップしている車輪に与えるブレーキトルクを計算し(ステップS9)、ステップS8に進む。また、ステップS3を経由してステップS10に進んだ場合は、左右の後輪が共にスリップしないように、左右の後輪に与えるブレーキトルクが求められる。さらに、ステップS2を経由してステップS10に進んだ場合は、ブレーキペダル12の踏み込み量に基づいて、左右の後輪に与えるブレーキトルクが計算される。すなわち、ステップS10では、今回のルーチンで車輪に与えるブレーキトルクは、前回のルーチンで車輪に与えたブレーキ力と同じになる。
上記のように、右後輪8または左後輪7のいずれか一方がスリップし、かつ、他方がスリップしない状況となり、かつ、スリップしている車輪におけるブレーキトルクの付与応答性が相対的に低い場合は、駆動力源2のトルクダウン制御がおこなわれて、ステップS4で肯定的に判断されて、ステップS5,S6,S7,S8の処理がおこなわれる。つまり、スリップした車輪に与えられるブレーキトルクは、駆動トルクの最大値に基づく値であるため、ステップした車輪にブレーキトルクを与えてその車輪のスリップを解消し、再度、駆動力源2のトルクを高め、かつ、ブレーキトルクを低減させたとき、前回スリップした車輪が、今回はスリップしにくくなる。より具体的には、前回車輪がスリップした駆動トルクではスリップしないため、前回スリップしなかった車輪における今回の駆動トルクを相対的に高めることができる。したがって、車両1の加速性能を向上することができる。
なお、上記の具体例では、一方の車輪がスリップし、他方の車輪がスリップしない場合について説明しているが、左右の後輪が共にスリップした場合、そのスリップ率が相対的に高い車輪と低い車輪に分けて、図1および図5のフローチャートを実行することもできる。この場合、ステップS3では、左右の駆動輪のスリップ率に差があるかを判断し、このステップS3で肯定的に判断された場合はステップS4に進み、このステップS3で否定的に判断された場合はステップS10に進むルーチンとなる。ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、図1のステップS2,S3,S4,S5,S6の処理が、この発明の算出手段に相当し、ステップS7,S8の処理が、この発明の第1ブレーキトルク制御手段に相当する。
(第2制御例)
つぎに、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ、ブレーキペダル12が踏み込まれていない時に、各車輪に与えるブレーキトルクを個別に制御を含む第2制御例を、図5に基づいて説明する。特に、第2制御例は、車輪がスリップしてブレーキトルクを低下させる制御をおこない、かつ、車輪のスリップが解消された後に、アクセルペダルの踏み込み量が減少した時におこなわれる処理を含む。この図5に示すステップにおいて、図1と同じ処理をおこなうステップについては、図1と同じステップ番号を付してある。この第2制御例において、ステップS2で否定的に判断された場合は、前回のルーチンでスリップした車輪に与えられたブレーキトルクと、駆動力源からスリップした車輪に伝達されたトルクとを加えた値が、零ニュートン・メートル未満であったか否かが判断される(ステップS11)。図5のステップS11に示された「伝達トルク」は、駆動力源から、スリップした車輪に伝達されたトルクの意味である。このステップS11で否定的に判断された場合はステップS10に進む。
これに対して、ステップS11で肯定的に判断された場合は、前回スリップした車輪に与える今回のブレーキトルクを、そのスリップした車輪に伝達したトルクの大きさ、またはそれ以下の値に制限し(ステップS12)、ステップS8に進む。このステップS12の処理は、図5では
ブレーキトルク出力量=−1×伝達トルク
として示されている。この第2制御例でも第1制御例と同じ処理部分は、第1制御例と同じ効果を得られる。また、第2制御例では、車輪がスリップし、その後に車輪がスリップしなくなり、ステップS2からステップS11を経由してステップS12に進んだ場合は、個別の車輪に伝達されるトルクの合計値が、制動側の値となることはなく、車両1がドライバーの意思以上に減速されることを防止できる。また、スリップした車輪に与えるブレーキトルクが必要以上となることもない。ここで、図5に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS2,S11,S12の処理が、この発明の第2ブレーキトルク制御手段に相当する。
また、図2に示された車両1は、駆動力源のトルクが後輪に伝達される構成の二輪駆動車であるが、図1および図5の制御は、駆動力源のトルクが、左右の前輪に伝達される構成の二輪駆動車でも実行可能である。この場合、前述した説明のうち、右後輪8を右前輪10と読み替え、左後輪7を左前輪9と読み替えればよい。さらに、駆動力源のトルクが、トランスファおよびセンターデファレンシャルを経由して、前輪と後輪とに分配される構成の四輪駆動車において、この発明を用いることもできる。この場合、図1および図5のフローチャートの説明において、右後輪および左後輪を、前輪および後輪と読み替えればよい。つまり、前輪のスリップ率と、後輪のスリップ率との差に基づいて、駆動力源から前輪および後輪に伝達するトルクを制御し、制動装置から、前輪および後輪に与えるブレーキトルクを制御することにより、車輪のスリップを抑制し、かつ、加速性能を向上させることができる。
また、図2に示された制動装置は、油圧式のアクチュエータによりブレーキトルクを生じる構造であるが、電磁力によりブレーキトルクを生じる制動装置を有する車両にも、この発明を適用できる。さらに、この具体例では、車両に対する加速要求を判断するために、運転者が足で操作するアクセルペダルを挙げているが、運転者が手で操作するレバー、ノブ、スイッチなどの操作量に基づいて、車両に対する加速要求を判断する車両においても、この発明を実行可能である。さらに、この具体例では、車両に対する制動要求を判断するために、運転者が足で操作するブレーキペダルを挙げているが、運転者が手で操作するレバー、ノブ、スイッチなどの操作量に基づいて、車両に対する制動要求を判断する車両においても、この発明を実行可能である。
この発明の駆動力制御装置で実行可能な第1制御例を示すフローチャートである。 この発明の駆動力制御装置の対象となる車両の概念図である。 図2に示された車輪におけるトルクを示す概念図である。 図2に示された車輪のスリップ率と駆動トルクとの関係を示すマップである。 この発明の駆動力制御装置で実行可能な第2制御例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両、 2…駆動力源、 7…左後輪、 8…右後輪、 11…制動装置、 19…路面。

Claims (2)

  1. 車両の左右方向または前後方向で異なる位置に配置された第1の車輪および第2の車輪と、前記第1の車輪および第2の車輪にトルクを伝達する駆動力源と、前記第1の車輪および第2の車輪にブレーキトルクを与える制動装置とを有し、前記駆動力源から前記第1の車輪にトルクが伝達されてその第1の車輪と路面との間に生じる駆動トルク、および前記制動装置により前記第1の車輪に与えられるブレーキトルクと、前記駆動力源から前記第2の車輪にトルクが伝達されてその第2の車輪と路面との間に生じる駆動トルク、および前記制動装置により前記第2の車輪に与えられるブレーキトルクとを、前記第1の車輪と第2の車輪とで個別に変更することのできる駆動力制御装置において、
    前記第1の車輪のスリップ量と第2の車輪のスリップ量とに差が生じた場合に、スリップ量が大きい方の車輪で生じる駆動トルクの最大値と、スリップ量が小さい方の車輪の駆動トルクの最大値との差を求める算出手段と、
    この算出手段で求められた駆動トルクの最大値同士の差に基づいて、前記スリップ量が大きい方の車輪に与えるブレーキトルクを制御する第1ブレーキトルク制御手段と
    を備えていることを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記第1ブレーキトルク制御手段の処理により、スリップ量が大きい方の車輪のスリップが解消された後、その車輪に与えるブレーキトルクを、前記駆動力源からこの車輪に与えられていたトルク以下の値に制限する第2ブレーキトルク制御手段を、さらに有していることを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
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