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JP4966239B2 - 有機性廃棄物処理方法、ガス化炉、改質炉、有機性廃棄物処理装置 - Google Patents

有機性廃棄物処理方法、ガス化炉、改質炉、有機性廃棄物処理装置 Download PDF

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JP4966239B2 JP2008085442A JP2008085442A JP4966239B2 JP 4966239 B2 JP4966239 B2 JP 4966239B2 JP 2008085442 A JP2008085442 A JP 2008085442A JP 2008085442 A JP2008085442 A JP 2008085442A JP 4966239 B2 JP4966239 B2 JP 4966239B2
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Description

本発明は、木質バイオマス、下水汚泥、都市ごみ等の有機性廃棄物をガス化炉でガス化し、このガスを有効利用するとともに、炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)を回収して、この炭化物も有効利用することが可能な有機性廃棄物処理方法及びこれに用いられるガス化炉、改質炉に関するものである。
従来から、ごみ等の廃棄物を処理するにあたり、最終処分場(埋立地)の延命化を図るために、焼却やガス化溶融等により廃棄物の減容化が図られている。一方、最近では二酸化炭素に代表される温室効果ガスの削減の要請から、ごみ等の廃棄物を単純に焼却・溶融処理するのではなく、図2に示されるような有機性廃棄物処理装置が提案されている。この装置は、木質廃棄物等の高発熱量廃棄物を、流動床式ガス化炉51で、500℃〜900℃でガス化し、発生した熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)の全量を改質炉52で約900℃〜1200℃の雰囲気で酸素と反応させて改質ガスを生成する技術である。改質ガスは、燃料として使用することができる。
しかしながら、この有機性廃棄物処理装置は、廃棄物を流動床式ガス化炉51で発生した熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)の全量を改質炉52に供給していたため、この熱分解残渣(炭化物)に含まれる灰分が溶融し、改質炉52内部にクリンカが生成する問題があった。
そこで特許文献1に示されるような有機性廃棄物の処理方法が提案されている。この装置は、流動床式のガス化炉と改質炉の間にサイクロン装置を設け、ガス化炉の温度と酸素比を制御し、前記サイクロン装置で炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)を回収するとともに、改質炉で改質ガスを生成する装置である。このようにサイクロン装置で熱分解残渣(炭化物)を回収することにしたので、クリンカの発生を抑制することが可能となるだけでなく、サイクロン装置で回収した熱分解残渣(炭化物)を、有効なエネルギー源として助燃剤や金属の電気炉における溶湯表面の保温材等に使用することが可能となる。なお熱分解残渣(炭化物)の性状に応じて、土壌改良剤等に使用することも可能となる。
熱分解残渣(炭化物)を、有効なエネルギー源として継続して使用するためには、使用先の要望に合わせて含有炭素量等の性状を調整する必要がある。また、生成した改質ガスをエンジン等の燃料として使用するにも、性状を調整する必要があった。しかし、この特許文献1に示される廃棄物処理装置のように、ガス化炉の温度と酸素比を制御するだけでは、熱分解残渣(炭化物)及び改質ガスの利用先用途に合わせてそれらの性状を細かく調整することが困難であった。また、熱分解残渣(炭化物)は改質炉の後段の集塵機でも回収されるため、その熱分解残渣(炭化物)とガス化炉の後段のサイクロンで回収される熱分解残渣(炭化物)とを混合した熱分解残渣(炭化物)の性状を利用用途に合わせることは困難であった。
特開2007−229563号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、有機性廃棄物を処理して生成される熱分解残渣(炭化物)と改質ガスの性状を利用先の用途に合わせて調整することを目的としてなされたものである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣に熱分解し、熱分解残渣をサイクロンで回収したうえ、熱分解ガスとタールとを後段の改質炉に送り改質ガスを得る有機性廃棄物処理方法において、前記ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ガス化炉内に水蒸気を供給し、ガス化炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解し、ガス化炉の後段に設けたサイクロン装置で、遠心力の作用により熱分解残渣(炭化物)を回収するとともに、このサイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、サイクロン装置の後段に設けた改質炉に導入して、この改質炉内で、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させて改質ガスを生成する有機性廃棄物処理方法において、
ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。
なお、請求項3に記載の発明の望ましい実施形態の一例として、改質ガスにて必要分の電力を発電し、残りのエネルギーを、炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)として回収することが好ましい。
また、請求項3に記載の発明の望ましい実施形態の一例として、利用先の用途に合わせて熱分解残渣(炭化物)の性状を調整し、残りのエネルギーで改質ガスを生成することが好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、ガス化炉内に水蒸気を供給し、ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解するガス化炉において、
前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉であって、
前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解するガス化炉と、
前記ガス化炉から排出される熱分解ガス、タール、炭素分から、遠心力の作用で、熱分解残渣(炭化物)を回収するサイクロン装置と、
酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、前記サイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉を有する有機性廃棄物処理装置において、
前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
前記ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解する有機性廃棄物処理方法において、前記ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。このため、熱分解残渣(炭化物)、改質ガス共に利用先の用途に合わせ、性状を調整して回収することが可能となる。それにより、回収される熱分解残渣(炭化物)の有効利用の促進を実現し、有機性廃棄物のエネルギーを最大限再利用することが可能となる。また、有機性廃棄物(下水汚泥、木質バイオマス等)の性状、混合割合、発生量の季節変動等が生じた場合にも、用途に合わせた熱分解残渣(炭化物)と改質ガスを得ることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ガス化炉内に水蒸気を供給し、ガス化炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする。
このため、ガス化炉内の水炭素比を確実に制御することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解し、ガス化炉の後段に設けたサイクロン装置で、遠心力の作用により熱分解残渣(炭化物)を回収するとともに、このサイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、サイクロン装置の後段に設けた改質炉に導入して、この改質炉内で、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させて改質ガスを生成する有機性廃棄物処理方法において、
ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。
このため、前記ガス化炉内や改質炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。このため、熱分解残渣(炭化物)、改質ガス共に利用先の用途に合わせ、性状を調整して回収することが可能となる。それにより、回収される熱分解残渣(炭化物)の有効利用の促進を実現し、有機性廃棄物のエネルギーを最大限再利用することが可能となる。また、有機性廃棄物(下水汚泥、木質バイオマス等)の性状、混合割合、発生量の季節変動等が生じた場合にも、用途に合わせた熱分解残渣(炭化物)と改質ガスを得ることが可能となる。
また、サイクロン装置で灰分を含む熱分解残渣(炭化物)の70%〜95%(サイクロン装置の回収効率により、任意に設計可能)を回収することとしたので、改質炉でクリンカの生成を防ぐことが可能となり、改質炉でのクリンカトラブルを解消することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、ガス化炉内に水蒸気を供給し、ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする。
このため、ガス化炉内や改質炉内の水炭素比を確実に制御することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解するガス化炉において、
前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
このため、前記ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。このため、熱分解残渣(炭化物)、改質ガス共に利用先の用途に合わせ、性状を調整して回収することが可能となる。それにより、回収される熱分解残渣(炭化物)の有効利用の促進を実現し、有機性廃棄物のエネルギーを最大限再利用することが可能となる。また、有機性廃棄物(下水汚泥、木質バイオマス等)の性状、混合割合、発生量の季節変動等が生じた場合にも、用途に合わせた熱分解残渣(炭化物)と改質ガスを得ることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉であって、
前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
このため、前記改質炉内の水炭素比(HO/Cモル比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。このため、熱分解残渣(炭化物)、改質ガス共に利用先の用途に合わせ、性状を調整して回収することが可能となる。それにより、回収される熱分解残渣(炭化物)の有効利用の促進を実現し、有機性廃棄物のエネルギーを最大限再利用することが可能となる。また、有機性廃棄物(下水汚泥、木質バイオマス等)の性状、混合割合、発生量の季節変動等が生じた場合にも、用途に合わせた熱分解残渣(炭化物)と改質ガスを得ることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)に熱分解するガス化炉と、
前記ガス化炉から排出される熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)から、遠心力の作用で、熱分解残渣(炭化物)を回収するサイクロン装置と、
酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、前記サイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉を有する有機性廃棄物処理装置において、
前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
前記ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする。
このため、前記ガス化炉内や改質炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする。このため、熱分解残渣(炭化物)、改質ガス共に利用先の用途に合わせ、性状を調整して回収することが可能となる。それにより、回収される熱分解残渣(炭化物)の有効利用の促進を実現し、有機性廃棄物のエネルギーを最大限再利用することが可能となる。また、有機性廃棄物(下水汚泥、木質バイオマス等)の性状、混合割合、発生量の季節変動等が生じた場合にも、用途に合わせた熱分解残渣(炭化物)と改質ガスを得ることが可能となる。
また、サイクロン装置で灰分を含む熱分解残渣(炭化物)の70%〜95%(サイクロン装置の回収効率により、任意に設計可能)を回収することとしたので、改質炉でクリンカの生成を防ぐことが可能となり、改質炉でのクリンカトラブルを解消することが可能となる。
(本発明の構成)
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の実施の形態を示す有機性廃棄物処理装置の説明図である。図1において、1はホッパー、2はフィーダ、3はガス化炉、4はブロア、5はサイクロン装置、6は改質炉、7は冷却塔、8は集塵機、9は精製設備、20は水炭素比制御手段である。水炭素比制御手段20については後で詳細に説明をする。
本発明の有機性廃棄物処理装置で処理される有機性廃棄物には、木質バイオマス、畜糞、下水汚泥、都市ごみ、生ごみ、石油由来のプラスチック、RPF等、一般廃棄物、産業廃棄物を問わず有機物を含む廃棄物が含まれる。ホッパー1およびフィーダ2は、受け入れた有機性廃棄物を順次定量的に、ガス化炉3の炉本体3aに供給するものであり、スクリューコンベア等で構成されている。なお、定量フィーダ、シュート及び多重ダンパ等を組み合わせて、炉本体3aに供給する装置を構成することも可能である。
ガス化炉3は、有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気で熱分解し、未燃焼炭素を含む熱分解残渣(炭化物)、タール、熱分解ガスを生成するものである。ガス化炉3は、例えば流動床式のガス化炉である。流動床式のガス化炉3には循環流動床炉、気泡流動床炉いずれも含まれる。図1に示される流動床式のガス化炉3は循環流動床炉である。流動床式のガス化炉3は、縦方向に長く耐火物で構築された炉本体3aと、この炉本体3aの上部と連通し、炉本体3aの側方に配設されたホットサイクロン3bとから構成されている。ガス化炉に流動床式を採用した場合は、有機性廃棄物が炉内で壊砕されて、熱分解残渣(炭化物)を微小で均一な粒体として回収することが可能なため、性状調整及び有効利用が容易となる。
炉本体3aには、炉本体3a内に連通する投入口3cが形成され、フィーダ2で供給される有機性廃棄物が、投入口3cから炉本体3a内に投入されるようになっている。炉本体3aの底部には、流動媒体aが滞留している。流動媒体aは、例えば珪砂である。炉本体3aの底部には、気体供給部3dが配設されている。この気体供給部3dは、多孔を有する散気板や散気管等で構成されている。
気体供給部3dは、炉本体3aの底部に形成された気体供給口3eに接続している。気体供給口3eには、ブロア4等で空気等の酸素含有気体が圧送されるようになっている。気体供給口3eに供給される酸素含有気体は、必要に応じて予熱されるようになっており、予熱には排気ガス等の廃熱を利用してもよい。気体供給口3eに、酸素含有気体を供給すると、気体供給部3dの多孔から、酸素を含む気体が噴出し、有機性廃棄物が、流動媒体aとともに撹拌され、この際に熱分解されるようになっている。なお、炉本体3a内部の、酸素比を制御するために、炉本体3aに、窒素等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給口を設けることにしても差し支えない。炉本体3aには、有機性廃棄物の熱分解を促進するために、必要に応じて、助燃バーナや、助燃用燃料供給部が設けられている。
ホットサイクロン3bは、炉本体1a上部から導入される、熱分解残渣(炭化物)、タール、熱分解ガス、流動媒体aのうち、流動媒体aを回収し、炉本体3aの底部に戻すものである。ホットサイクロン3bは、外筒3gと内筒3hとから構成されている。外筒3gは、天井が閉じられた円筒形状をしている。外筒3gの上部は、炉本体3aと上部と連通している。外筒3gの下部は、円錐形状をしていて、炉本体3aに連通している。内筒3hは、外筒3gの天井板から、外筒3g内に突出し、外筒3gと同心円状に配設されている。
サイクロン装置5は、ガス化炉3の後段に配設されている。サイクロン装置5は、ホットサイクロン3bの内筒3hから導入される、熱分解残渣(炭化物)、タール、熱分解ガスのうち、熱分解残渣(炭化物)を除去し、この熱分解残渣(炭化物)を回収するものである。サイクロン装置5は、外筒5aと内筒5bとから構成されている。外筒5aは、天井が閉じられた円筒形状をしている。外筒5aの上部には、導入口5cが形成され、ホットサイクロン3bの内筒3hは、導入口5cに接続している。外筒5aの下部は、円錐形状をしている。内筒5bは、外筒5aの天井板から、外筒5a内に突出し、外筒5aと同心円状に配設されている。
改質炉6は、サイクロン装置5の後段に配設されている。改質炉6は、サイクロン装置5の内筒5bから導入された、タール、熱分解ガスを、空気比1以下の還元雰囲気で、酸素と水蒸気により改質し、改質ガスを生成するものである。改質炉6は、縦長の耐火物で構成されている。改質炉6には、改質炉6内に連通する導入口6aが形成されている。サイクロン装置5の内筒5bは、導入口6aに接続している。改質炉6には、改質炉6内に連通する、水蒸気供給口6bが形成されている。水蒸気供給口6bには、後述する水炭素比制御手段20で生成された加熱水蒸気が供給されるようになっている。改質炉6には、改質炉6内に連通する、気体供給口6bが形成されている。気体供給口6bには、酸素等の気体が供給されるようになっている。なお、気体供給口6bに供給される気体は、酸素を含有した空気、酸素を富化した空気(酸素含有気体と総称する、なお、酸素含有気体には、酸素のみの気体も含まれる)でもよいが、酸素がもっとも好ましい。また、必要に応じて加熱して供給されてもよい。
冷却塔7は、改質炉6の後段に配設されている。冷却塔7は、改質炉6で生成された改質ガスを冷却するものである。
集塵機8は、冷却塔7の後段に配設されている。集塵機8は、バグフィルタやセラミックフィルタ等で構成され、サイクロン装置5で回収できず、改質炉6で改質されなかった熱分解残渣(炭化物)を回収するものである。
精製設備9は、集塵機8の後段に配設されている。精製設備9は、スクラバ等で構成され、改質ガスから、アンモニア、塩化水素、硫化水素、シアン化水素等の有害物質を除去し、燃料ガスに精製するものである。
水炭素比制御手段20は、ボイラー21、加熱装置22、流量計23、コントロール弁24、フローコントローラ25、遮断弁26とから構成されている。水炭素比制御手段20は、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや、改質炉6の水蒸気供給口6bに、加熱水蒸気を供給し、ガス化炉3の炉体内や改質炉6内の、後述する水炭素比を調整する手段である。
ボイラー21は、水から水蒸気を生成するものである。加熱装置22は、ボイラー21で生成した水蒸気を加熱して、200〜500℃の加熱水蒸気を生成するものである。なお、ボイラー21や加熱装置22の熱源として、有機性廃棄物をガス化する際や改質ガスを生成する際の排熱を利用することが好ましく、ガス化炉3、サイクロン装置5、改質炉6や、これらを接続する配管、若しくは、改質炉6と冷却塔7間に、熱交換器30を設け、この熱交換器30で回収した排熱を、ボイラー21や加熱装置22に利用することが好ましい。また、ボイラー21の燃料として改質ガスを使用することもできる。
流量計23は、コントロール弁24に供給される加熱水蒸気の流量を計測するものである。流量計23には、オリフィス式、渦式等の流量計が含まれる。
コントロール弁24は、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや改質炉6の水蒸気供給口6bに供給される、加熱水蒸気の流量(供給量)を調整するものである。コントロール弁24には、エア作動式、電動式等のコントロール弁が含まれる。
フローコントローラ25は、流量計23で計量した加熱水蒸気の流量に基づき、コントロール弁24を制御するものである。このように、流量計23で計測される加熱水蒸気の流量の情報に基づいて、フローコントローラ25がPDI制御を行い、コンロトロール弁24を制御して、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや改質炉6の水蒸気供給口6bに供給される加熱水蒸気の流量(供給量)を調整することにしている。
遮断弁26は、コントロール弁24と、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや改質炉6の水蒸気供給口6bとの流路を遮断するものである。必要に応じて遮断弁26を作動させて、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや改質炉6の水蒸気供給口6bへの加熱水蒸気の供給を遮断するようにしている。
なお、水炭素比制御手段20の各流路には、温度計や圧力計を設け、各流路の温度や圧力を計測して、ガス化炉3の水蒸気供給口3fや改質炉6の水蒸気供給口6bへ供給される加熱水蒸気の、温度や圧力を制御することが好ましい。
(有機性廃棄物の処理の説明)
有機性廃棄物はホッパー1から、フィーダ2により流動床式のガス化炉3の炉本体3a内に投入される。ブロア4で気体供給口3eに空気等の酸素含有気体を送給し、炉本体3a内の流動媒体aを撹拌する。気体供給口3aから供給される酸素含有気体の供給量を調整することにより、ガス化炉3の内部の酸素比が1以下の還元雰囲気に保たれるように制御している。なお、本発明において酸素比とは、有機性廃棄物の燃焼に必要な理論的な酸素量を1とした場合の、ガス化炉に供給される気体中に含有する酸素の割合を表した比率(モル比)である。有機性廃棄物は炉本体3a内で、流動媒体aとともに流動、撹拌されながら部分燃焼し、熱分解反応が行われ、可燃性の熱分解ガス、タール、炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)に分解される。
熱分解反応を行う際に、ガス化炉3の内部の温度は500℃〜900℃で、ガス化炉3の内部の酸素比は0.2〜0.7であることが好ましい。ガス化炉3の内部の酸素比を制御するために、気体供給口3eに供給する酸素含有気体の供給量を制御している。また、窒素等の不活性ガスを炉本体1内に供給して、ガス化炉3内部の酸素比を制御することにしても差し支えない。本発明では、水炭素比を制御するために、水蒸気供給口3fに供給する水蒸気の供給量を制御している。なお、本発明において、水炭素比とは、水(HO)のモル数(物質量ともいう、アボガドロ定数(6.0221367x1023)を単位とした物質の量である)を炭素のモル数で除した値(HO/Cモル比)である。ガス化炉3の内部の水炭素比は、水蒸気供給口3fから供給される加熱水蒸気中の水分量及び有機性廃棄物に含まれる水分量と、投入口3cから投入される有機性廃棄物に含まれる炭素分量から算出される比である。水分量には、有機性廃棄物に含まれる水素が部分燃焼して生成される水分量も含まれる。
炉本体3aで生成された熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)は、ホットサイクロン3bで、遠心力の作用により流動媒体aが除去されたうえ、ホットサイクロン3bの内筒3hから、サイクロン装置5の導入口5cに導入される。
導入口5cから、サイクロン装置5の外筒5a内に導入された熱分解ガス、タール、熱分解残渣(炭化物)は、遠心力の作用により熱分解残渣(炭化物)が分離され、炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)を回収することができる。熱分解残渣(炭化物)の炭素量はガス化炉3の炉本体3aの温度、酸素比及び水炭素比を制御することによって調整することが可能である。サイクロン装置5の回収効率は任意に設定可能だが、70%〜95%であることが好ましい。このサイクロン装置5で得られた炭素分を含む熱分解残渣(炭化物)は、集塵機8で回収される熱分解残渣(炭化物)と混合して、またはそれぞれ別にして、製鉄のための還元剤や保温材、融雪剤として、またコークス代替燃料等の熱源として有効利用することができる。製鉄のための保温材として利用する場合は、炭素分を25%程度より小さく調整することが好ましく、コークス代替燃料や製鉄のための炭素源として利用する場合は炭素分を40%程度以上で最大限に調整することが好ましい。
灰分を含む熱分解残渣(炭化物)をサイクロン装置5で回収することとしたので、改質炉6には熱分解残渣(炭化物)が70%〜95%程度除去された状態で、熱分解ガスとタールを供給することができるため、改質炉6内部で熱分解残渣(炭化物)に含有される無機分の溶融に起因するクリンカが生成することがなく、このクリンカ生成による改質炉6のトラブルを防止することができ、またクリンカを除去する手間を省くことが可能となる。
サイクロン装置5の内筒5bから排出される熱分解ガス及びタールは、導入口6cから約900℃〜1200℃に保たれた改質炉6内に導入され、酸素と水蒸気により改質される。改質炉6の内部で進む反応は下記の通りである。なお、下式中のCxHyは熱分解ガスとタールである。
・CxHy+(x+y/4)O2=xCO2+y/2・H2O………(1)
・CxHy+xH2O=(x+y/2)H2+xCO………………(2)
熱分解ガスと酸素との(1)の反応による燃焼熱は、改質炉6の熱源として利用される。タール及び熱分解ガス(CxHy)は、改質炉6中で熱により、水蒸気(H2O)と反応し、水素(H2)と一酸化炭素(CO)を主成分とする改質ガスになる。((2)の反応)タールと熱分解ガスが最適に改質されるために、改質炉6の温度と酸素比及び水炭素比を調整する。なお、改質炉6の内部の水炭素比は、水蒸気供給口6bから供給される加熱水蒸気中の水分量及び、導入口6aから導入される熱分解ガス、タールに含まれる炭素分量から算出される比である。水分量には、熱分解ガス及びタールに含まれる水素が酸素と反応して生成される水分量も含まれる。
改質炉6で生成された改質ガスは、集塵機8に導入されサイクロン装置5で回収されなかった熱分解残渣(炭化物)のうち、改質炉6で改質されなかった熱分解残渣(炭化物)が回収される。集塵機8で回収される熱分解残渣(炭化物)はガス化炉の温度、酸素比及びガス化炉と改質炉の水炭素比を制御することによって調整することが可能である。また、集塵機8で回収された熱分解残渣(炭化物)はサイクロン装置5で回収された熱分解残渣(炭化物)と混合して再利用されても良いし、別々の用途に再利用されても良い。
熱分解残渣(炭化物)を回収された改質ガスは、精製設備8に導入され有害物質が除去される。その後、改質ガスは、例えば発電機を駆動するガスエンジンに供給され、発電機のエネルギー源として利用される。発電された電力は、本発明の有機性廃棄物処理方法に使用されることとしても良いし、他の設備に送電しても良い。本発明の廃棄物の処理方法に使用されることとした場合、この電力は、例えばフィーダ2、ガス化炉3、ブロア4、サイクロン装置5、改質炉6等に使用される。なお、発電機を駆動する動力源としては、ガスエンジンの代わりに、ガスタービンや、ボイラーと蒸気タービンの組み合わせ等により、発電機を駆動させることとしてもよく、改質ガスは、これらガスタービン、ボイラー等の燃料としても使われることとしてもよい。また、改質ガスはガス化炉3や改質炉6の燃料に使用することもでき、その他系外の熱操作設備に供給して燃料として使用することも可能である。
(本発明の作用)
ガス化炉3の運転条件(温度、酸素比)及びガス化炉3と改質炉6の水炭素比を制御すると、サイクロン装置5で回収される熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と集塵機8で回収される熱分解残渣(炭化物)の炭素量が変化する。そこで、ガス化炉3の温度、酸素比及びガス化炉と改質炉の水炭素比(H2O/Cモル比)を制御して、熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することとした。表1に前記運転条件を変化させた結果の1例を示す。なお、熱分解残渣(炭化物)の炭素分はサイクロン装置5で回収された熱分解残渣(炭化物)と集塵機8で回収された熱分解残渣(炭化物)を混合した仕上がりの性状で記載している。また、水炭素比(H2O/Cモル比)は後段の改質炉6での値を記載している。
Figure 0004966239
表1から明らかなように、ガス化炉3の温度を500℃とすると(運転条件1)、サイクロン装置5及び集塵機8で回収される熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素分は50%であり、水炭素比(H2O/Cモル比)が同じ場合は運転条件4で回収される熱分解残渣(炭化物)より多くの炭素を回収することが可能となる。またガス化炉温度を700℃とすると(運転条件3)、ガス化炉の酸素比が同じでも水炭素比(H2O/Cモル比)を高く制御した場合は熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素分は少なくなり、水炭素比(H2O/Cモル比)を低く制御した場合は熱分解残渣(炭化物)に含まれる炭素分は多くなる。
以上に説明したように、本発明によれば、有機性廃棄物を処理するに際して、ガス化炉3や改質炉6内の水炭素比を制御することにしたので、燃料ガス及び熱分解残渣(炭化物)の利用先の用途に合わせて運転条件を制御することにより、燃料ガス及び熱分解残渣(炭化物)の性状を調整することが可能となる。また、改質ガスにて系内で使用する必要分の所内電力のみを発電することとすれば、廃棄物処理場の電力や補助燃料等の使用を削減もしくは無くすことができ、自立型の廃棄物処理を実現するとともに、熱分解残渣(炭化物)として系外にエネルギーを供給することが可能となる。
なお、以上説明した実施形態では、水蒸気供給口3eや水蒸気供給口6bに供給される水蒸気量を制御することにより、ガス化炉3や改質炉6内の水炭素比を制御することにしたが、本発明はこの実施形態に限定されず、例えば、ガス化炉3内に投入される有機性廃棄物の含水率を調整することにより、ガス化炉3や改質炉6内の水炭素比を制御することが可能なことは言うまでもない。例えば、処理される有機性廃棄物が下水汚泥である場合には、下水を脱水して脱水ケーキを生成する際の脱水量を調整して、脱水ケーキの含水率を調整する。その後段に乾燥機を設置する場合は、乾燥ケーキの含水率を調整する。ホッパー1の前段に、ベルトプレス脱水器、加圧脱水器、真空脱水器、絞り加圧脱水器、多段式加圧等の脱水手段及び水蒸気乾燥機、熱風乾燥機等の乾燥手段を設けて、これらを制御することにより、ガス化炉に供給する有機性廃棄物の含水率を調整することが可能となる。また、含水率の高い下水汚泥、含水率が中程度の木質バイオマス、含水率が低い廃プラ等の混合比率を制御することによって、ガス化炉に供給する有機性廃棄物の含水率を調整することも可能である。
なお、水炭素比制御手段20の、コントロール弁24と遮断弁25は手動式のものであっても差し支えない。
なお、流動床式のガス化炉3を用いた実施形態について本発明を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されず、キルン式(内熱式)やキルン式(外熱式)等のガス化炉3にも適用することが可能である。
なお、本発明において、理論的に説明するために、酸素比をモル比で表しているが、実際には、当該モル比になるように、酸素含有気体の流量や酸素含有気体中に含まれる酸素量等を制御することにより、酸素比を制御している。当然のことながら、酸素比はモル比、質量比、体積比(標準状態)のいずれで定義しても同値となる。
また同様に、本発明において、理論的に説明するために、水炭素比をモル比で表しているが、実際には、当該モル比になるように、有機性廃棄物の組成・質量・含水率、水蒸気の流量や水分量等を制御することにより、水炭素比を制御している。水炭素比においては、モル比、質量比、体積比のいずれかで定義するかによって数値が変わり、前述の通り表1に示す水炭素比はモル比で記載している。ただし、本発明において水炭素比をモル比以外の例えば質量比にて制御することも当然可能である。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う有機性廃棄物処理方法、ガス化炉、改質炉、有機性廃棄物処理装置もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の実施の形態を示す説明図である。 従来の実施の形態を示す説明図である。
符号の説明
1 ホッパー
2 フィーダ
3 ガス化炉
3a 炉本体
3b ホットサイクロン
3c 投入口
3d 気体供給部
3e 気体供給口
3f 水蒸気供給口
3g 外筒
3h 内筒
4 ブロア
5 サイクロン装置
5a 外筒
5b 内筒
5c 導入口
6 改質炉
6a 導入口
6b 水蒸気供給口
6c 気体供給口
7 冷却塔
8 集塵機
9 精製設備
20 水炭素比制御手段
21 ボイラー
22 加熱装置
23 流量計
24 コントロール弁
25 フローコントローラ
26 遮断弁
30 熱交換器
51 流動床式ガス化炉
52 改質炉
a 流動媒体

Claims (7)

  1. 有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣に熱分解し、熱分解残渣をサイクロンで回収したうえ、熱分解ガスとタールとを後段の改質炉に送り改質ガスを得る有機性廃棄物処理方法において、
    前記ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする有機性廃棄物処理方法。
  2. ガス化炉内に水蒸気を供給し、ガス化炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 有機性廃棄物を、酸素比1以下の還元雰囲気下に保たれたガス化炉内に投入して、熱分解ガス、タール、熱分解残渣に熱分解し、ガス化炉の後段に設けたサイクロン装置で、遠心力の作用により熱分解残渣を回収するとともに、このサイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、サイクロン装置の後段に設けた改質炉に導入して、この改質炉内で、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させて改質ガスを生成する有機性廃棄物処理方法において、
    ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内の水炭素比(HO/C比)を制御して、熱分解残渣に含まれる炭素量と改質ガスに含まれる炭素量の配合比率を調整することを特徴とする有機性廃棄物処理方法。
  4. ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の炉内に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御することを特徴とする請求項3に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  5. 酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣に熱分解するガス化炉において、
    前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
    前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とするガス化炉。
  6. 酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、タール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉であって、
    前記水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、炉内の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする改質炉。
  7. 酸素含有気体を供給する気体供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にして、炉内に投入された有機性廃棄物を、ガス、タール、熱分解残渣に熱分解するガス化炉と、
    前記ガス化炉から排出される熱分解ガス、タール、炭素分から、遠心力の作用で、熱分解残渣を回収するサイクロン装置と、
    酸素含有気体を供給する気体供給口及び水蒸気を供給する水蒸気供給口が形成され、前記気体供給口から供給する酸素含有気体の供給量を調整し、炉内を酸素比1以下の還元雰囲気にし、前記サイクロン装置から排出されるタール及び熱分解ガスを、酸素及び水蒸気と反応させ、改質ガスを生成する改質炉を有する有機性廃棄物処理装置において、
    前記ガス化炉に、炉内に水蒸気を供給する水蒸気供給口を形成し、
    前記ガス化炉及び改質炉の少なくとも一方の水蒸気供給口に供給する水蒸気の供給量を調整することにより、ガス化炉内及び改質炉内の少なくとも一方の水炭素比(HO/C比)を制御する水炭素比制御手段を設けたことを特徴とする有機性廃棄物処理装置。
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