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JP4965350B2 - マスキング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、飲食品や医薬品の苦味、渋味、エグ味などの雑味や、飲食品や経口医薬品の風味としては強すぎる風味を、その基本風味バランスを変えることなく、極少量の添加でマスキングすることのできるマスキング剤に関する。
飲食品には、その飲食品毎に好ましい基本風味バランスがある。
しかし、飲食品の製造時における加熱殺菌や保存料添加などの食品加工工程中や、該飲食品の保存期間中に、苦味や渋味、あるいはエグ味などの、その風味バランスを崩す風味、すなわち雑味が生成してしまうことがある。
このような場合、それらの雑味を取り除く加工、例えば蒸留や溶出などをすればよいが、そのような操作は、微量成分を取り除くことであるから極めて煩雑で、また、飲食品の基本風味まで減少させてしまうおそれがある。
また、飲食品の中には、特定の風味だけが極めて強く、その飲食品の好ましい基本風味バランスを崩してしまっている場合もある。
このような場合は、その特定の風味を有する食品成分を配合しない、或は取り除く加工をすればいいが、他の風味まで削ることになってしまい、飲食品の風味バランスをさらに崩してしまうことになってしまう。
そのため、雑味を有する飲食品にあっては、飲食品の基本風味のバランスを大きく崩すことなく、上記雑味を感じなくさせることができ、また、特定の風味だけが極めて強い飲食品にあっては、極少量の成分を添加するだけで、その強すぎる特定の風味を弱めることができる、いわゆるマスキング剤の提案が各種行なわれてきた。
例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(例えば特許文献1参照)、ステビア抽出物(例えば特許文献2参照)、乾燥したアミ類、及び/又はオキアミ類抽出物(例えば特許文献3参照)、グルコン酸の非毒性塩(例えば特許文献4参照)などが提案されているが、特許文献1のマスキング剤は、乳化剤であるため、物性に影響を与えてしまうことが多く、また、その風味自体が悪いという問題があり、特許文献2のマスキング剤は、苦味・渋味を有する飲食品にしか効果がなく、また、強い甘味をもつため添加量が制限されるという問題があり、特許文献3のマスキング剤は、苦味にしか効果がないことに加え、添加量を比較的多く必要とするという問題があり、特許文献4のマスキング剤は、添加量を比較的多く必要とするという問題があった。
特開2002−65177号公報 特開2005−336078号公報 特開平10−179077号公報 WO00/48475公報
従って、本発明の目的は、飲食品や医薬品の雑味や、飲食品や医薬品の風味としては強すぎる風味を、その基本風味バランスを変えることなく、極少量の添加で、マスキングすることのできるマスキング剤、及びマスキング方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、ある特定の製法で得られた乳清ミネラルは、上記雑味や、強すぎる風味を持つ飲食品に、極少量添加しただけであっても、極めて強いマスキング効果を示すことを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、以下の(a)(b)(c)工程を経て得られた乳清ミネラルを有効成分として含有するマスキング剤を提供するものである。
(a)乳又はホエーを、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
(b)高ミネラル液(I)を、加熱処理することにより、カルシウム−リン酸複合体を分離・除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
(c)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
また、本発明は、該マスキング剤を飲食品や医薬品に添加することを特徴とする飲食品の雑味や強すぎる風味のマスキング方法を提供するものである。
本発明のマスキング剤は、飲食品に含まれる雑味や強すぎる風味を、その基本風味を変えることなく、極少量の添加でマスキングすることができる。
本発明のマスキング方法によれば、飲食品に含まれる雑味や強すぎる風味を、その基本風味を変えることなくマスキングすることができる。
まず、本発明で使用する乳清ミネラルについて詳述する。
本発明で使用する乳清ミネラルは以下の工程を経て得られるものである。
(a)乳又はホエーを、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
(b)高ミネラル液(I)を、加熱処理することにより、カルシウム−リン酸複合体を分離・除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
(c)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
上記、乳清ミネラルを得る工程において、その出発物質としては、乳又はホエーを使用する。
上記乳としては、牛乳をはじめ、人乳、山羊乳、馬乳、さらにそれらを使用した脱脂乳、加工乳、及び、クリームなどが挙げられ、そのいずれでも使用することが可能である。また上記ホエーとしては、上記乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、さらには、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエーなどいずれでも使用することができる。
さらに、チーズを製造する際に副産物として得られるホエー、及びカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーは、その製造方法により酸性ホエーと甘性ホエーがあるが、そのどちらでも使用することができる。
本発明では、上記乳又はホエーの中でも、特にマスキング効果が高いことから、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、又はカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーを使用することが好ましく、さらに好ましくは、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーを使用し、特に好ましくは、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを使用する。
上記乳又はホエーは、上記(a)工程で、膜分離、及び/又はイオン交換により、脱ミネラル液と高ミネラル液(I)に分離される。
ここで使用する膜分離の方法としては、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離と各種の方法があり、また、ここで使用するイオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
上記(a)工程においては、特に分離効率が高いことから、ナノ濾過膜分離、及び/又は、逆浸透膜分離の方法によることが好ましく、ナノ濾過膜分離をした後に逆浸透膜分離を行なうことが更に好ましい。
次いで、上記(a)工程で得られた高ミネラル液(I)は、上記(b)工程において、カルシウム−リン酸複合体を分離、除去され、高ミネラル液(II)が得られる。
上記(b)工程としては、加熱処理をおこなうか、又はイオン交換をおこなう。
ここで、該加熱処理における加熱方法としては特に限定されず、直接加熱、間接加熱のどちらの方法でも可能である。
また、該加熱処理における加熱温度としては、好ましくは50〜99℃、更に好ましくは70〜90℃であり、その温度での保持時間は、好ましくは2〜60分、更に好ましくは15〜25分である。
上記加熱処理をおこなうことで、不溶性のカルシウム−リン酸複合体が生成するので、これを分離、除去し、高ミネラル液(II)を得る。
上記分離方法としては、濾過、遠心分離等、一般的な方法をとることができる。
上記イオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
さらに、上記(c)工程において、上記(b)工程で得られた高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60〜100質量%となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る。
上記濃縮方法としては特に限定されないが、水分のみを効率よく除去可能なことからエバポレ−ターを用いた減圧濃縮法が好ましい。
上記乾燥方法としては特に限定されず、スプレードライ法や凍結乾燥法など一般的な乾燥方法を適宜選択することができる。
上記(c)工程においては、水分の除去を効率的に行なうことが可能な点で、上記濃縮工程を採った後、上記乾燥工程を行なうことが好ましい。
その場合、濃縮工程では、固形分が好ましくは20〜60質量%になるまで濃縮したのち、続けて、固形分が好ましくは60〜100質量%となるまで乾燥することが好ましい。
本発明のマスキング剤の有効成分である上記乳清ミネラルは、固形分が20質量%以上であれば流動状、ペースト状、粉末状等どのような形態であってもよいが、飲食品への混合性が良好であること、また、保存時の吸湿性が防止されることから粉末状であることが好ましい。
なお、流動状やペースト状である場合、その固形分は好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは40〜70質量%であり、粉末状である場合、その固形分は好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。
本発明のマスキング剤は、上記乳清ミネラルを有効成分として含有するものである。
この発明のマスキング剤は、上記乳清ミネラルをそのまま単独で使用してもよく、また、各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤などの形状に製剤化して用いてもよい。これらの製剤中の上記乳清ミネラルの含有量は、乳清ミネラル由来の固形分として好ましくは5〜100%、より好ましくは10〜100質量%、さらに好ましくは20〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%である。
粉体、顆粒状、錠剤などの形状に製剤化するための添加剤としては、アルギン酸類、ペクチン、海藻多糖類、カルボキシメチルセルロース等の増粘多糖類や、乳糖、でんぷん、二酸化ケイ素等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、ステビア等の甘味料、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、リン酸二ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の固結防止剤、ビタミン類、香料、酸化防止剤、光沢剤などが挙げられ、これらの一種または二種以上のものが適宜選択して用いられる。本発明のマスキング剤中における上記各種添加剤の含有量は、添加剤によって異なるが、好ましくは90質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
液剤の形状に製剤化する場合は、液体に溶解または分散させることにより得られる。そのような液体としては、水、エタノール、プロピレングリコール等が挙げられる。本発明のマスキング剤中における上記液体の含有量は、好ましくは90質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
本発明のマスキング剤は、様々な雑味や強すぎる風味のマスキングに適用でき、例えば苦味、渋味、収れん味、辛味および酸味等が挙げられる。また、缶詰やレトルト食品などの加熱殺菌食品における、いわゆる缶詰臭やレトルト臭のマスキングについても適している。中でも本発明のマスキング剤は苦味のマスキングに特に適している。
次に本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、本発明のマスキング剤を含有する飲食品である。
本発明の飲食品における、本発明のマスキング剤の含有量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求めるマスキング効果の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品100質量部に対し、マスキング剤に含まれる乳清ミネラルの固形分として、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.2質量部、さらに好ましくは0.001〜0.1質量部である。0.0001質量部未満、又は、0.5質量部を超えると、マスキング効果が認められ難く、また0.5質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
なお、本発明でいうところの飲食品としては、特に限定されるものではなく、例えば味噌、醤油、めんつゆ、たれ、だし、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソース、とんかつソース、ふりかけ等の調味料、お吸い物の素、カレールウ、ホワイトソース、お茶漬けの素、スープの素等の即席調理食品、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、焼肉、ハム、ソーセージ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅等のスナック類、食パン、菓子パン、クッキー等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品、パスタ、うどん、ラーメン等の麺類食品、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、風味ファットスプレッド等の油脂加工食品、フラワーペースト、餡等の製菓製パン用素材、パン用ミックス粉、ケーキ用ミックス粉、フライ食品用ミックス粉等のミックス粉、チョコレート、キャンディ、ゼリー、アイスクリーム、ガム等の菓子類、饅頭、カステラ等の和菓子類、コーヒー、コーヒー牛乳、紅茶、ミルクティー、豆乳、栄養ドリンク、野菜飲料、食酢飲料、ジュース、コーラ、ミネラルウォーター、スポーツドリンク等の飲料、ビール、ワイン、カクテル、サワー等のアルコール飲料類、牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳や乳製品等があげられる。
次に本発明の医薬品について述べる。
本発明の医薬品は、本発明のマスキング剤を含有する医薬品である。
本発明の医薬品における、本発明のマスキング剤の含有量は、特に限定されず、使用する医薬品や、求めるマスキング効果の強さに応じて適宜決定されるが、医薬品100質量部に対し、マスキング剤に含まれる乳清ミネラルの固形分として、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.2質量部、さらに好ましくは0.001〜0.1質量部である。0.0001質量部未満、又は、0.5質量部を超えると、マスキング効果が認められ難く、また0.5質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
なお、本発明でいうところの医薬品としては、経口医薬品であれば特に限定されるものではなく、例えば、カゼ薬、胃腸薬、頭痛薬、歯磨き剤等があげられる。
次に、本発明の飲食品のマスキング方法、及び本発明の医薬品のマスキング方法について述べる。
本発明の飲食品のマスキング方法は、上記本発明のマスキング剤を飲食品に添加するものであり、飲食品の基本風味を維持したまま、飲食品の雑味や強すぎる風味をマスキングするものである。
本発明のマスキング剤を飲食品に添加する方法は、特に限定されず、対象となる飲食品の加工時、調理時、飲食時等に、飲食品またはその素材に混合、散布、噴霧、溶解等任意の手段により行なわれる。
また、本発明の医薬品のマスキング方法は、上記本発明のマスキング剤を医薬品に添加するものであり、医薬品の基本薬効を維持したまま、医薬品の雑味や強すぎる風味を、マスキングするものである。
本発明のマスキング剤を医薬品に添加する方法は、特に限定されず、対象となる医薬品の加工時、調剤時、服用時等に、医薬品またはその素材に混合、散布、噴霧、溶解等任意の手段により行なわれる。
本発明のマスキング剤の、飲食品への添加量は、上述のとおり、飲食品100質量部に対し、マスキング剤に含まれる乳清ミネラルの固形分として、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.2質量部、さらに好ましくは0.001〜0.1質量部である。0.0001質量部未満、又は、0.5質量部を超えると、マスキング効果が認められ難く、また0.5質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
本発明のマスキング剤の、医薬品への添加量は、上述のとおり、医薬品100質量部に対し、マスキング剤に含まれる乳清ミネラルの固形分として、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.2質量部、さらに好ましくは0.001〜0.1質量部である。0.0001質量部未満、又は、0.5質量部を超えると、マスキング効果が認められず難く、また0.5質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
(a)工程:牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを出発原料とし、ナノ濾過膜分離後、さらに、逆浸透濾過膜分離により脱ミネラル液を分離し、固形分含量が2.5質量%である高ミネラル液(I)を得た。
(b)工程:(a)工程で得られた高ミネラル液(I)を、間接加熱、及び、直接蒸気加熱の組合せにより、80℃で20分間加熱処理し、生成したカルシウム−リン酸複合体を、遠心分離機により分離・除去し、高ミネラル液(II)を得た。
(c)工程:(b)工程で得られた高ミネラル液(II)を、エバポレーターを用いて固形分が60質量%以上となるまで濃縮し、さらにこの濃縮液をスプレードライ法により乾燥し、固形分が97質量%の乳清ミネラル(以下、乳清ミネラルAという)を得た。
〔製造例2〕
上記製造例1における、(b)工程を行なわず、高ミネラル液(I)を直接(c)工程に供した以外は同様にして固形分が97質量%の乳清ミネラル(以下、乳清ミネラルBという)を得た。
〔製造例3〕
上記製造例1の(c)工程における、エバポレーターによる濃縮を固形分が40質量%となるまで濃縮したのみに変更した以外は同様にして固形分が40質量%の流動状の乳清ミネラル(以下、乳清ミネラルCという)を得た。
〔実施例1〕
グレープフルーツをジューサーにて絞りグレープフルーツジュースを得た。上記製造例1で得た乳清ミネラルAをそのまま本発明のマスキング剤Aとし、この絞りグレープフルーツジュース100質量部に対し上記マスキング剤Aを0.005質量部添加し、十分に混合し、本発明の飲食品であるグレープフルーツジュース1を得た。得られた本発明のグレープフルーツジュース1は、無添加のグレープフルーツジュースに比べその基本風味バランスを変えることなく、苦味だけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔比較例1〕
上記製造例2で得た乳清ミネラルBをそのまま比較例のマスキング剤Bとし、上記絞りグレープフルーツジュース100質量部に対し上記マスキング剤Bを0.005質量部添加した以外は同様にして、比較例の飲食品であるグレープフルーツジュース2を得た。得られた比較例のグレープフルーツジュース2は、無添加のグレープフルーツジュースとほぼ同等の苦味を有するものであり、上記マスキング剤Aで見られた効果はまったく得られなかった。
〔実施例2〕
健胃散(マルピー/大日本住友製薬)100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.02質量部添加、十分に混合し、本発明の医薬品である健胃散を得た。得られた本発明の健胃散は、無添加の健胃散に比べその基本風味バランスを変えることなく、苦味だけが低減されており、極めて服用しやすいものであった。
〔実施例3〕
無糖レギュラーコーヒー(モカブレンド)のブラックコーヒー100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.005質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品であるブラックコーヒーを得た。得られた本発明のブラックコーヒーは、無添加のブラックコーヒーに比べその基本風味バランスを変えることなく、苦味だけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔実施例4〕
ラガービール100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.005質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品であるビールを得た。得られた本発明のビールは、無添加のビールに比べその基本風味バランスを変えることなく、苦味だけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔実施例5〕
センブリ(日本薬局方センブリ/山本漢方製薬(株))を所定の方法で煎じセンブリ液とした。このセンブリ液100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.02質量部添加、十分に混合し、本発明の医薬品であるセンブリ液を得た。得られた本発明のセンブリ液は、無添加のセンブリ液に比べその基本風味バランスを変えることなく、苦味だけが低減されており、極めて服用しやすいものであった。
〔実施例6〕
食酢を水で5倍希釈し食酢飲料とした。上記製造例3で得た乳清ミネラルCを固形分10質量%となるよう水で希釈し、これをUHT殺菌処理(殺菌温度140℃、保持時間6秒)し、さらに、孔径φ0.2μmの濾過膜を通過させたものを本発明のマスキング剤Cとした。
なお、製造例3で得られた乳清ミネラルCは目視で若干の濁りが見られ、分光光度計により波長660nmにて吸光度を測定したところ、Abs. 0.0020であったのに対し、本発明のマスキング剤Cは目視で透明であり、分光光度計により波長660nmにて吸光度を測定したところ、Abs. 0.0000であった。また、細菌検査を行ったところ、一般生菌数が陰性であり、常温保管可能なものであった。
上記食酢飲料100質量部に対し上記マスキング剤Cを0.05質量部添加し、十分に混合し、本発明の飲食品である食酢飲料1を得た。得られた本発明の食酢飲料1は、無添加の食酢飲料に比べその基本風味バランスを変えることなく、酸味だけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔実施例7〕
シロップ漬けみかん(固形分55質量%)の缶詰めを開封し、シロップ漬けみかん100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.002質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品であるシロップ漬けみかんを得た。得られた本発明のシロップ漬けみかんは、無添加のシロップ漬け缶詰みかんに比べその基本風味バランスを変えることなく、缶詰独特の加工臭だけが低減されており、極めて食べやすいものであった。
〔実施例8〕
豆乳(おいしい無調製豆乳/紀文(株))100質量部あたり、上記マスキング剤Cを0.2質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品である豆乳を得た。得られた本発明の豆乳は、無添加の豆乳に比べその基本風味バランスを変えることなく、豆臭さだけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔実施例9〕
水100mlに、塩化マグネシウム4mg、塩化ナトリウム105mg、塩化カリウム30mgを加え、更に、液糖5.0g、グレープフルーツ香料1mgを加え、十分に混合し、スポーツドリンクを得た。このスポーツドリンク100質量部あたり、上記マスキング剤Cを0.02質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品であるスポーツドリンクを得た。得られた本発明のスポーツドリンクは、無添加のスポーツドリンクに比べその基本風味バランスを変えることなく、収れん味だけが低減されており、極めて飲みやすいものであった。
〔実施例10〕
プレーンヨーグルト100質量部あたり、上記マスキング剤Aを0.02質量部添加、十分に混合し、本発明の飲食品であるプレーンヨーグルトを得た。得られた本発明のプレーンヨーグルトは、無添加のプレーンヨーグルトに比べ、酸味だけが低減されており、極めて食べやすいものであった。

Claims (4)

  1. 以下の(a)(b)(c)工程を経て得られた乳清ミネラルを有効成分として含有するマスキング剤。
    (a)乳又はホエーを、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
    (b)高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離・除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
    (c)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
  2. 苦味マスキング剤であることを特徴とする請求項1記載のマスキング剤。
  3. 請求項1又は2記載のマスキング剤を含有する経口医薬品。
  4. 請求項1又は2記載のマスキング剤を医薬品に添加することを特徴とする経口医薬品のマスキング方法。
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