JP4958571B2 - レーザー分解性樹脂組成物及びそれを用いるパターン形成材料 - Google Patents
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Description
レーザー加工によるパターン形成においては、レーザー彫刻部(凹部)が速やかに形成されることが望まれる。このためには、高感度なレーザー分解性パターン形成材料が必要となる。
特に、レーザーにより直接描画するタイプのフレキソ印刷版原版(いわゆるレーザー彫刻用フレキソ印刷版)においては、レーザー光による彫り易さ(彫刻感度)が製版スピードを左右する為、高感度なレーザー分解性樹脂組成物を用いたレーザー彫刻用フレキソ印刷版が望まれている。
すなわち、上記課題は下記の構成により達成される。
〔1〕
(A)下記式(1)で示される構造単位及び下記式(2)で示される構造単位の少なくともいずれかを主鎖中に有する高分子化合物、(B)主鎖に炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマー、及び(C)付加重合性のモノマーを含有することを特徴とするレーザー分解性樹脂組成物であって、該レーザー分解性樹脂組成物を重合させてなることを特徴とするレーザー分解性樹脂組成物。
〔2〕
前記(B)ポリマーがゴム弾性を有することを特徴とする上記〔1〕に記載のレーザー分解性樹脂組成物。
〔3〕
支持体上に、上記〔1〕又は〔2〕に記載のレーザー分解性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とするパターン形成材料。
〔4〕
前記パターン形成材料が、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版であることを特徴とする上記〔3〕に記載のパターン形成材料。
尚、本発明は上記〔1〕〜〔4〕に係る発明であるが、以下、その他についても参考のため記載した。
(3) 前記レーザー分解性樹脂組成物が、更に(C)重合性化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のレーザー分解性樹脂組成物。
(4) 上記(3)に記載のレーザー分解性樹脂組成物を重合させてなることを特徴とするレーザー分解性樹脂組成物。
(5) 支持体上に、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のレーザー分解性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とするパターン形成材料。
本発明のレーザー分解性樹脂組成物に用いられる式(1)で示される構造単位および式(2)で示される構造単位の少なくともいずれかを主鎖中に有する高分子化合物(以下、単に高分子化合物とも云う)は、上記のような構造単位を主鎖中に有する限り何れの高分子化合物でもよい。水不溶性から水溶性への変化を考えると、高分子化合物主鎖の繰り返し単位中に上記のような構造単位が含まれることが好ましい。そのような高分子化合物としては、以下の一般式(3)〜(6)で表される高分子化合物が挙げられる。
キシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2
)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
R8として好ましいものは、アルキル基、置換基アルキル基、アリール基、及び置換アリ
ール基である。
あっても良い。
本発明のレーザー分解性樹脂組成物が含有するバインダーポリマーは、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素不飽和結合をもつバインダーポリマーが好ましい。主鎖
にオレフィン(炭素-炭素二重結合) 及び 炭素-炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマーは、形成される被膜の機械的強度が高い点で更に好ましく、主鎖にオレフィンを含むポリマーが特に好ましい。
好ましい範囲としては、0.5万から50万である。数平均分子量が0.1万から100万の範囲であれば、形成される被膜の機械的強度を確保することができる。数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品に対して評価したものである。
併用樹脂の数平均分子量は、0.1万から100万の範囲が好ましい。より好ましい範
囲としては、0.5万から50万である。数平均分子量が0.1万から100万の範囲であれば、形成される被膜の機械的強度を確保することができる。数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品に対して評価したものである。
ることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。これらの中でも、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は、熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマーは、主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、重合性不飽和基を導入することも容易である。
熱可塑性樹脂において非エラストマー性のものとして、特に限定するものではないが、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
以下に、重合性化合物(モノマー)として付加重合性化合物を用いた場合を例に挙げ、より詳しく述べる。
<付加重合性化合物>
本発明に使用される好ましい重合性化合物である、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限なく用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの共重合体、ならびにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R及びR'は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
このような重合性化合物を、本発明に係る上記高分子化合物と併用することにより、レーザー彫刻の際に発生するカスの除去性がより向上する。
レーザー彫刻の前及び/又は後で、重合性化合物を含有するレーザー分解性樹脂組成物は、光、熱などのエネルギーにより重合、硬化させることができる。
開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue, 93, 435 (1993) やR.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A:Chemistry,73.81 (1993); J.P.Faussier, "Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications":Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998); M.Tsunooka et al., Prog.Polym.Sci., 21, 1 (1996)等に多く記載されている。また、F.D.Saeva, Topics in Current Chemistry, 156, 59 (1990); G.G.Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993); H.B.Shuster et al,JACS, 112, 6329 (1990); I.D.F.Eaton et al, JACS, 102, 3298 (1980)等に記載されているような、酸
化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
カルを発生し、上述の重合性化合物と重合反応を開始、促進させる化合物であるラジカル開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(a)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、下記の化合物が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(b)オニウム塩化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
ン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
を示す。(Z3)-は(Z2)-と同義の対イオンを表す。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
本発明で用いられるラジカル開始剤として好ましい(d)チオ化合物としては、下記一般式(4)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
上記一般式(4)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェ
ニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(f)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(g)ボレート化合物の例としては、下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(5)で示される化合物例としては具体的には米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物および以下に示すものが挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(h)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群をあげることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(i)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体をあげることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(j)活性エステル化合物としては、特公昭62−6223記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホネート類をあげることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、下記一般式(6)から(12)のものを挙げることができる。
R38、−OR38を表わす。ここでR38はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またR37は−C(X2)3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基、を表わす。)
ゲン原子であり、mは1又は2である。)
2−フェニレン基又はN−R基であり、M4は置換又は非置換のアルキレン基又はアルケ
ニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基であり、R48はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R47は、炭素環式又は複素環式の2価の芳香族基であり、X4は塩素、臭素またはヨウ素原子であり、q=0及びr=1であるか又はq=1及
びr=1又は2である。)
R49は水素原子又はCH3-tX5 t基であり、R50はs価の置換されていてもよい不飽和有
機基である。)
R51は水素原子又はCH3-vX6 v基であり、R52はu価の置換されていてもよい不飽和有
機基である。)
このような炭素−ハロゲン結合を有する化合物の具体例としては、たとえば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、たとえば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、
2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、下記化合物等を挙げることができる。あるいはさらにM.P.Hutt、E.F.ElslagerおよびL.M.Herbel著「Journalof Heterocyclic chemistry」第7巻(No.3)、第511頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができる次のような化合物群、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明における開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明の分解性樹脂組成物には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
本発明において、760から1,200nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー等)を光源として用いる場合には、通常、赤外線吸収剤が用いられる。赤外線吸収剤は、レーザー光を吸収し、発熱して熱分解を促進する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc-は対アニオンを
示す。ただし、一般式(d)で示される色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示し、これらの基に置換基が導入可能な場合は、置換基を有してもよい。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ラン
タノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、樹脂組成物層を光硬化させる際の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、光重合開始剤により開始される光反応とそれに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するものに分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては通説がない場合も多い。
炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂して、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂して、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これ
らは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンゾオキサゾール類、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげられる。
また、本発明においては以上の成分の他に組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
さらに、樹脂組成物層の着色を目的として染料もしくは顔料等の着色剤を添加してもよい。これにより、画像部の視認性や、画像濃度測定機適性といった性質を向上させる事ができる。着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。着色剤の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために充填剤や、可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
本発明のパターン形成材料は、支持体上に本発明に係るレーザー分解性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とする。レーザー分解性樹脂組成物からなる層(以下、パターン形成層とも云う)は、(A)前記式(1)で示される構造単位及び前記式(2)で示される構造単位の少なくともいずれかを主鎖中に有する高分子化合物、及び(B)バインダーポリマーを含有する。パターン形成層は、必要に応じて、更に、上記の重合性化合物、開始剤、その他の成分を含んでもよい。
ここで、パターン形成材料とは、レーザー露光に起因して露光部が非露光部に比べて凹部を形成することにより凹凸パターンとなるパターン形成材料を意味する。従って、レーザー露光により直接的に(例えば、アブレーションにより)凹部を形成するタイプのパターン形成材料のみならず、レーザー露光後に加熱処理やアルカリ水溶液等による現像処理を施すことによって凹部を形成するタイプのパターン形成材料も包含する。本発明のパターン形成材料は、特に前者のタイプのパターン形成材料として好適に用いることができる。
本発明において好適に用いられるパターン形成材料としては、上記のような性質を持つものであれば特に用途は限定されず、平版、グラビア、凸版、スクリーンなどの印刷版原版、プリント配線用基板、半導体用フォトレジスト材料、光ディスク用記録材料など多岐に渡って利用可能である。本発明においては、レーザーによる直接彫刻製版、いわゆる「レーザー彫刻」に用いられる印刷版が好ましく用いられる。特にフレキソ印刷版が好ましく用いられ、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が本発明のパターン形成材料として最も好適である。
本発明において、パターン形成材料の支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、或いはポリカーボネートフィルムを挙げることができる。支持体の厚みは50〜350μm、更に100〜250μmがパターン形成材料の機械的特性、形状安定性あるいは取り扱い性等から好ましい。また、必要により、支持体とパターン形成層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤層を支持体の表面に設けてもよい。
また、本発明で用いる支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、パターン形成層あるいは接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射処理法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸処理法、強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などを挙げることができる。
本発明の分解性樹脂組成物をシート状、ロール状もしくは円筒状に成形するためには、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂組成物をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂組成物の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などをほどこしても良い。通常はPETやニッケルなどの素材からなるバックフィルムといわれる下敷きの上に成形される場合が多い。また、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製あるいは金属製の円筒状基体を用いることもできる。円筒状基体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。バックフィルムあるいは円筒状基体の役割は、パターン形成材料の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択する必要がある。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。例えば、厚み4.5μmの全芳香族ポリアミドフィルムの両面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートの層を積層したシート等でもよい。また、多孔質性のシート、例えば繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をバックフィルムとして用いることができる。バックフィルムとして多孔質性シートを用いる場合、感光性樹脂組成物を孔に含浸させた後に光硬化させることで、感光性樹脂硬化物層とバックフィルムとが一体化するために高い接着性を得ることができる。クロスあるいは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
本発明に係る上記高分子化合物を含有するレーザー分解性樹脂組成物は、このような硬化を行うことにより、レーザー彫刻の際に発生するカスの除去性が更に向上する。
この方法は、パターン形成材料がレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版である場合に特に効果がある。レーザー彫刻前に硬化させることでレーザー彫刻後形成されるレリーフがシ
ャープになり、また、レーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
中でも、硬化させる方法としては、組成物の加熱が作業の簡便さから好ましい。レーザー分解前の組成物に対して架橋(重合)を生起するための加熱には、オーブン、サーマルヘッド、加熱ロール、レーザー光線などあらゆる加熱方法が適用できる。温度コントロールが必要な場合は、オーブン、サーマルヘッド、加熱ロール等の温度をコントロールするか、レーザー光線の強度やスポット径を調節することで実施することができる。加熱温度は、共存する有機化合物の熱安定性の観点から、40〜250℃が好ましく、60〜220℃がより好ましく、80〜200℃が更に好ましい。
レーザー彫刻(特にレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版)に用いる場合の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定し得るが、好ましくは0.05〜10mmの範囲、より好ましくは0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる層を複数積層していても構わない。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとし、コンピューターを利用してレーザー装置を操作し、パターン形成材料上にレリーフ画像を作成する。
上記したように、レーザー彫刻に用いるパターン形成材料としては特に限定されないが、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が特に好ましく用いられる。
レーザー彫刻に用いるレーザーは、パターン形成材料がレーザーアブレーションによりパターン形成が可能なものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線あるいは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等も、有機化合物の分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版では、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーが好ましく用いられる。
実施例1〜5及び比較例1〜3
<樹脂組成物の調製>
表1に示すように、バインダーポリマー10gと本発明の高分子化合物あるいは比較用高分子化合物1gを、材料温度100℃で実験室用ニーダー中で混合した後、250℃のオーブンで30分加熱して、実施例1〜5及び比較例1〜3の樹脂組成物を調製した。
<水分散性の評価>
以下の条件にて、樹脂組成物の濁度を測定し水分散性評価の指標とした。
・積分球式濁度計(三菱化学製)
・測定範囲:1〜1000ppm
(測定条件)
上記で調製した各樹脂組成物0.5gを蓋付きサンプルビンに秤量し、蒸留水10gを加えた後、手で20回激しく振とうした。これを直接濁度測定用セルに入れ、濁度を測定
した。結果を表1に示す。
<パターン形成材料の作製>
下記表2に示す高分子化合物、バインダーポリマー、添加剤及びレーザー吸収剤を、材料温度170℃で実験室用ニーダー中で30分間混合し、レーザー吸収剤を均一に分散した。次いで得られた混合物を、重合性化合物及び開始剤とともに70℃でトルエン中に溶解し、60℃に冷却した後、125μm厚PETフィルム上に流延した。大気中室温で24時間、次いで60℃で3時間乾燥した。得られたパターン形成層(層厚み1000μm)を、接着成分混合物で被覆した125μm厚PETフィルムにラミネート(積層)した。これにより、パターン形成層は、接着成分混合物で被覆された125μm厚PETフィルムに転写された。次に、UVA光を15分間全面照射し、実施例6〜12及び比較例4〜6のパターン形成材料を作製した。但し、実施例6のパターン形成材料においては、重合性化合物(トリメチロールプロパントリアクリレート)を添加せず、バインダーポリマー(スチレン−ブタジエンブロックコポリマー)の量を55.00質量%とした。また、実施例6及び実施例7のパターン形成材料には、レーザー彫刻前のUVA光照射を実施しなかった。
レーザーでの彫刻を、炭酸(CO2)レーザーの場合、高品位CO2レーザーマーカML-9100シリーズ(KEYENCE(株)製)を用いて12Wでラインスピード20cm/秒、Nd−YAGレーザーの場合、MARKER ENGINE 3000(レーザーフロントテクノロジーズ(株)製)を用いて10Wでラインスピード10cm/秒で実施し、彫刻カスの付着した状態のパターン形成材料を得た。この彫刻カスの付着したパターン形成材料を蒸留水に20秒間浸漬した後、室温、常圧かつ無風の暗所で放置し乾燥した。乾燥後のパターン形成材料表面を光学顕微鏡で観察し、単位面積(1cm2)あたりに付着・残存しているカスの個数を数えた。上記操作を、各パターン形成材料につき3回実施し、その平均値をカスの個数として採用した。個数が少ないほどカスの除去性が良好であることを意味する。
Claims (4)
- 前記(B)ポリマーがゴム弾性を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー分解性樹脂組成物。
- 支持体上に、請求項1又は2に記載のレーザー分解性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とするパターン形成材料。
- 前記パターン形成材料が、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版であることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成材料。
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