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JP4951201B2 - ビーム照射方法およびビーム照射装置 - Google Patents

ビーム照射方法およびビーム照射装置 Download PDF

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請求項に係る発明は、光や電子、イオンなどのビーム(粒子ビーム)を、被照射物に対して均一に照射するための方法および装置に関するものである。
電子やイオンなどの粒子を、被照射物へ均一に照射するための手法として、回転ディスクに被照射物を装着し、その回転ディスクを一定速度で回転させることで、被照射物を、電子やイオンのビームを横切るように走査する方法がある。この方法では、さらに回転ディスク全体を、回転ディスクの半径方向に往復運動させ、被照射物全体にビームが照射されるようにするのが一般的である。この手法を用いている代表的なものとしては、半導体製造過程で、シリコンウェハにイオンを注入するためのイオン注入装置がある。以下は、このシリコンウェハ用のイオン注入装置を例にとって、説明する。
図2(a)に、この方法による、ウェハ3へのイオン注入の様子を図示する。
図2(a)に示すように、回転ディスク1の回転による走査方向と、回転ディスク1の往復運動による走査方向とは、互いに概ね直交する方向を持ち、この二つのスキャンの組合せでウェハ3の全面にイオンを均一に注入する。一般的には回転の方が走査速度がはるかに速いため、ファストスキャン(高速スキャン)と呼ばれる。一方の往復運動による走査は、速度が遅いため、スロースキャンと呼ばれる。
ファストスキャンのために回転ディスク1を回転するとき、従来は図15のように、当該ディスク1’上に取り付けたウェハ3’は、外から見るとそのディスク1’とともに回転し姿勢が変わる。なお、図15中の符号3aは、ウェハ3’にあらかじめ形成されたノッチである。ノッチ3aの向きに注目すれば、ウェハ3’がディスク1’とともに回転して姿勢が変わっていることが分かる。
シリコンウェハへのイオン注入の場合、シリコンの結晶格子に対してどの方向から注入するか、あるいは、ウェハ上に形成される半導体デバイスの形状に対してどの方向から注入するか、といった注入するイオンの入射方向が問題となる。この入射方向を表す量として、一般には二つの角度が用いられる。
一つは、入射するイオンビームがウェハの法線からどれだけ傾いているかという角度(チルト角)である。もう一つは、その傾きが、ウェハのどちらの方向に倒れた傾きかを表す角度(ツイスト角)で、イオンビームの入射ベクトルをウェハ上に投影した線と、基準にする方向線とのなす角度で定義される。この定義の一例を図2(とくに(b)・(c))に示す。なお、チルト角が0度の時は、ウェハに対し法線方向から垂直にイオンが入射するということであり、入射ベクトルをウェハ上に投影しても方向が定まらないため、ツイスト角は定義されない。
図2(a)のように回転ディスク1にウェハ3を装填してイオン注入を行う場合、回転ディスク1の全体をイオンビーム5に対して傾けることでチルト角を調整する。ツイスト角は、回転ディスク1上のペデスタル2(ウェハ装填用のホルダー)へ装填する角度を変えることで調整される。
以上のようなイオン注入に関しては、たとえば下記の特許文献1(とくに当該文献中の図3およびその説明部分)に記載がある。
特開2000−11942号公報
上記のように回転ディスクを用いてイオン注入を行う場合、下記の点に関し改善が望まれる。
まず、上記のチルト角、ツイスト角がウェハ面の全体に渡って一定にはならず、それぞれの角度に偏差を生じる点である。
一般に、回転ディスクは、表面上にウェハの保持材を有するペデスタルが中心回転軸の方へ向かってやや内側に傾けられている。このペデスタルの傾きをコーン角と呼ぶ。このコーン角によってディスク回転時の遠心力からウェハをペデスタルに押し付ける方向の分力が生まれ、ウェハの圧着による保持を容易にすると共に、ウェハと回転ディスク間の熱的接触状態が良くなり冷却能力が向上する。しかしこのコーン角があるために、ウェハがイオンビームを横切る間にウェハの姿勢がねじれるように変化し、ウェハ内で場所によって注入角が変化する偏差が発生する。この注入角度偏差の量は、回転ディスク上でのウェハ装填位置の半径、コーン角、設定したチルト角、ウェハのサイズなどによって様々に変化する。
特に、ディスクをビーム軸に大きくチルトさせる場合の問題点は、チルト偏差よりもむしろツイスト偏差にある。チルト偏差はさほど大きくない。例えばコーン角が0度なら、チルト角偏差は常にゼロになる。しかし大きいチルト角になるほどツイスト偏差は大きくなる。これは、コーン角を0度にしても、チルトしたディスクの回転と共にウェハの方向が変わっていく以上は避けられない。
最近では、半導体デバイスが微細化したために、わずかな注入角度偏差がデバイス特性に影響する場合があり、イオン注入プロセスにもより高精度の注入が求められるようになってきている。どのようなチルト角度の設定値でも、チルト角、ツイスト角ともウェハ面内での偏差が可能な限り小さいことが必要なのである。
改善が望まれる第二の点は、前記のスロースキャンを、ビームが回転ディスクに当たっている半径方向の距離(R)に反比例するように速度を変えながら走査する点である。
一般的には回転ディスクが等速回転(角速度一定)であるため、回転ディスクの中心から見て、ビームが回転ディスクに当たっている半径方向の距離(R)に比例して、ファストスキャンの走査速度は速くなる。そのため、単に等速運動でスロースキャンを行うと、ファストスキャンの走査速度が速い部分ではイオンの注入密度(濃度)が薄くなり、遅い部分では注入密度が濃くなる。これを補償するために、ファストスキャンが早くなる(つまりRが大きい)部分ではスロースキャンを遅く、逆にファストスキャンが遅くなる(Rが小さい)部分ではスロースキャンを早くして、両者の組合せによって注入量(ドーズ)を均一にしているのである。
このようにRに反比例してスロースキャンする方法は、「1/Rスキャン」と呼ばれ、回転ディスクを用いたバッチ処理式のイオン注入機の全てで用いられている。1/Rスキャンを行うため、R方向のビーム位置を毎回測定しなければならず、またその測定誤差による注入ドーズ量の繰り返し精度の低下についても可能性が生じてしまう。
なお、以上のような課題は、ウェハにイオンを注入する場合のみには限らず、回転体上の被照射物に対してビームを照射する場合に、広く共通して発生するものである。
発明のビーム照射方法は、
・ 平面状の被照射物(たとえば前記のシリコンウェハ)を周回軌道上で移動させながら、特定の(すなわち移動経路の一部または全部の)照射位置にて被照射物の平面部にビーム(光や電子、イオンなどの粒子ビームをいう)を照射することとし、
・ その照射の間(複数個所で照射する場合には各照射の間)、被照射物の絶対姿勢(つまり外から見た姿勢。回転ディスク等に対する姿勢ではなく絶対座標系における姿勢。ビームに対する姿勢でもある)を一定に保つ(たとえば、被照射物上の任意の2点を結ぶ直線を平行移動させる)
ことを特徴とする。
ここにいうビームの照射については、その目的やビームの種類を問わない。たとえば、前記のように半導体ウェハにイオンを注入するためにイオンビームを照射したり、検査または加工等のために種々の物品に光を照射したりすることが考えられる。なお、ビームの位置は不変であるものとする。
被照射物の絶対姿勢を一定に保つための方法についても限定するものではない。被照射物に、適切な量の変位を与えて(たとえば下記の方法のように)姿勢維持をはかるのもよく、また、ジャイロ式の多段多軸による旋回機構等を利用して何ら積極的には操作や変位を加えずにそのように姿勢維持をはかるのもよい。
ビームが照射される間、被照射物の絶対姿勢を一定に保つことから、この発明の方法によれば、被照射物の全面に均一な角度からビームの照射が行われる。したがって、たとえば前記のようにイオン注入を行う場合にも、チルト角やツイスト角に偏差を生じることがない。なお、上記した照射物の移動は、連続した一定の軌跡を有する、円運動や往復円弧運動を含む任意の曲線に沿った移動または直線移動であればよい。照射物の移動がこのように任意のものであっても、照射位置での被照射物の絶対姿勢を一定に保つ以上、均一な角度からのビームの照射が実現される。
またこの発明の方法によれば、照射するビームが均一なものである限り、それを照射されて移動する被照射物上に、移動経路の曲率中心からの距離に応じた照射密度(濃度)分布が生じない、という利点もある。つまり、前記の例のように特定の距離(R)に比例して照射密度が薄くなる等の課題が発生しない。
発明のビーム照射方法は、とくに、
・ 被照射物上を通らない中心線の回りに被照射物を周回回転(公転)させながら、その回転とは反対向きに一定周期で被照射物を回転(自転)させることにより、被照射物の絶対姿勢を一定に保つ
とよい。なお、上記の各回転は、一方向への連続回転に限らず、特定の角度範囲内での往復回転でもよい。
被照射物をこのように回転(公転および自転)させれば、前記したようにその絶対姿勢を一定に保つことが容易である。たとえば図1(c)に示すように、回転ディスク1(回転体)上のウェハ3(被照射物)が回転ディスク1とともに矢印Aの向きに回転(公転)するとき、それによる回転を打ち消す矢印Bの向きおよび速さでウェハ3を回転(自転)させれば、ウェハ3の絶対姿勢の変化をなくすことができる。つまり、前記の例ではツイスト偏差を生じさせなくすることができる。なお、図1(c)において符号3aは、ウェハ3に形成されたノッチである(他の図においても同様)。
発明のビーム照射方法は、さらに、
・ ビームの照射方向とも上記照射位置の中央での被照射物の移動方向とも異なる、上記中心線と交差する方向(好ましくは上記の移動方向・照射方向と直角またはそれに近い方向)へ被照射物を直線移動(これには往復の直線移動を含む)し、
・ その直線移動を一定速度を基調として行う
とよい
ビームの照射方向とは、たとえば図2の例におけるビーム5の方向をいい、照射位置の中央での被照射物の移動方向とは、同じ図2におけるα軸に沿った方向(前記したファストスキャンの方向)をいう。また上にいう被照射物の「直線移動」は、たとえば前記したスロースキャンに相当するものである。
この方法では、前記のスロースキャン等に相当する被照射物の直線移動を、前記「1/Rスキャン」のように特定の割合で速度変化させることなく一定速度で行う。そのため、当該直線移動に関する制御が簡単化され、必要な設備コストも低減される。ビームの照射中は被照射物の絶対姿勢を一定に保つので、1/Rスキャンのような速度変化をさせなくとも、回転半径に対応した被照射物上の照射密度分布は生じないのである。
なお、二つのスキャンの組合せによって被照射物にビームを照射することから、この方法は、被照射物の全面に均一な照射をするうえで有利である。ビームの照射断面が被照射物の表面に比べて小さい場合には、被照射物を直線移動することは不可欠であるため、とくに意味がある。
発明のビーム照射方法は、さらに、
・ 上記照射の間、照射位置の中央での被照射物の上記移動方向(前記したファストスキャンの方向)に沿った方向への被照射物の移動速度(図2の例では、円周方向への速度ではなくそのファストスキャンの方向の速度成分)について、速度を均一化する(つまり速度変化を抑制する)
とよい
前記のように絶対姿勢を一定に保ちながら被照射物を移動させ、ほかに何らの操作もしないときは、被照射物上に照射量の不均一が発生することが避けられない。たとえば、図4のように回転ディスク1(回転体)上にあるウェハ3(被照射物)が回転ディスク1の回転によって移動しつつ絶対姿勢を保ちながらビームの照射を受けるときを考える。なお図4(a)・(b)の各図では、照射位置中央でのウェハ3の移動(ファストスキャン)の方向を水平(図の左右方向)に、前記直線移動(スロースキャン)の方向を垂直(図の上下方向)に表している。
図4(a)によると、ウェハ3は、方向(位相)を変えることなく、回転ディスク1の回転にともなってビームを横切る。回転ディスク1上の半径Rの所にウェハ3が搭載されているとすると、ウェハ3は、絶対姿勢を一定に保ちながら半径Rの軌跡Aでビームを横切ることになる。ビーム自身は動かないので、ウェハ3上に残されるビームの軌跡は逆方向に半径Rを持った円弧の軌跡A’となる。スロースキャンの速さを一定とすれば、同じ半径Rを持ったビームの軌跡A’が、スロースキャン方向に一定間隔に並ぶことになる。
ただし、絶対姿勢を一定に保ちながらウェハ3をディスク1上で回転させるとき、ウェハ3の速度はディスク1上の位置によって増減する。図4(b)に示すように、
0=v1−v3=v2+v3
であって、一地点においてはウェハ3上のどの位置でも移動方向の速度はいつも一定である。しかし、別の地点においては、たとえば図4(a)中のa地点からb地点へ移ると、すべての速度は変化し、
0’<v0
である。
このようなスキャンでは、水平方向の両端で濃く照射(注入)されるような注入不均一性が生じる。両側で軌跡の間隔が密になるのがその原因のように感じられるが、そうではない。スロースキャン方向に沿って見れば、軌跡の間隔は、あくまでも一定である。原因は、スロースキャン方向に垂直な方向の速度成分(この場合水平速度成分)が一定でないことにある。
図5にその理由を示す。ビームのスキャン速度(V)は、図5(a)の軌跡A’の円弧に沿った方向に一定である(V=Rω)ため、水平方向の速度成分VHは、図5(b)のように中心が最大でVH=Vとなり、角度θの位置ではVH=Vcosθ=Rωcosθ で減少することになる。そのため、同じビーム幅で一定時間に注入する面積がcosθに比例して減少していき、注入ドーズは逆に1/cosθ に比例して、両端で濃く注入されるような注入不均一性が生じる。図5(b)の場合、一定時間に注入される面積はS1>S2>S3となるので、S1の領域よりもS3の領域の方が濃く注入されることになるのである。
上に記載した照射方法は、照射の間、照射位置中央での被照射物の移動方向(上記ファストスキャンの方向)への被照射物の移動速度(上記の場合は速度VH)について変化が小さくなるように(上記の場合では、当該速度が VH=Vcosθ
で変化するよりも変化の度合いが小さくなるように、または変化がゼロになるように)被照射物の位置または速度に操作を加えるものである。当該速度VHの変化を小さくし、またはVHを一定にすることができれば、平行四辺形の面積の定理から図5(c)に示すとおり面積についてS1=S2=S3に近くなり、一見、軌跡の間隔が密に見えても均一なドーズ(照射密度)を得ることができる。なお、照射を受ける間の速度VHの分布を0.1%未満におさめると、照射密度の分布が+1.0%未満になり、半導体ウェハに対するイオン注入に関しては実用上きわめて有利である。
発明のビーム照射方法は、上記の方法を用いて、とくに、
・ 被照射物である半導体ウェハに、イオンビームを照射し注入する
とよい
半導体ウェハへのイオン注入に関しては、前記のとおり、わずかな注入角度偏差がデバイス特性に影響する場合があるため、チルト角の設定値にかかわらずチルト角・ツイスト角ともウェハ面内での偏差が可能な限り小さいことが必要である。また、さらにウェハ面へのドーズが均一であることが望まれるのはいうまでもない。そのため、この発明の方法によって、産業上の価値の高いきわめて有用な照射が行えるといえる。
発明のビーム照射装置は、
・ 回転体(回転する物体をいい、形状は問わない。たとえば前記の回転ディスク)における回転中心以外の箇所に被照射物の保持をなすホルダーを取り付け、
・ 回転体の回転にともなって回転(旋回)するホルダー上の被照射物の移動経路のうち特定の(すなわち上記経路の一部または全部の)照射位置で被照射物にビームを照射する照射手段を設け、
・ 上記照射位置での照射の間、被照射物の絶対姿勢を一定に保つための手段を、上記の回転体またはホルダーに付設した
ことを特徴とする。ビームの照射について目的やビームの種類を問わないこと、また被照射物の絶対姿勢を一定に保つための手段についても前記と同じく限定するものでないことは言うまでもない。
この照射装置によれば、発明の照射方法を円滑に実施することができる。上記のホルダー上に被照射物を保持させ、回転体を回転させながら照射手段によってビームを照射すると、前記発明のとおりにビームの照射と被照射物の移動とが行えるからである。被照射物の絶対姿勢を一定に保つための手段を回転体またはホルダーに付設しているので、照射の間、被照射物の絶対姿勢が変化することもない。
したがって、前記したように被照射物の全面に均一な角度からビームの照射が行われ、たとえば被照射物とする半導体ウェハにイオン注入を行う場合にも、チルト角やツイスト角に偏差を生じることがない。また、照射するビームが均一なものである限り、それを照射されて移動する被照射物上に、移動経路の曲率中心からの距離に応じた照射密度分布が生じない、という効果ももたらされる。
この装置には、構成が簡単であるという特長もある。特定方向へのスキャン(前記の例におけるファストスキャン)のための被照射物の移動を、被照射物の保持用ホルダーを回転体上に取り付けるという単純な構成により実現しているからである。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 被照射物の絶対姿勢を一定に保つ上記の手段として、回転体とは別にホルダーを回転(回転体とともにする回転を公転というとき「自転」というべき回転をさす)させるべくホルダー用回転駆動源(モータ等)を設けるとともに、双方(回転体およびホルダー)の回転速度を逆向きの同じ角速度にするための制御手段を設けた
ものにするとよい
この照射装置によれば、発明の照射方法を実施し、それによるメリットを享受することができる。被照射物を保持させたホルダーを、上記の制御手段によって回転体の回転(公転)とは逆向きの同じ大きさで回転(自転)させると、前記のとおり被照射物の絶対姿勢を一定に保てるからである。
発明のビーム照射装置は、
・ 被照射物の絶対姿勢を一定に保つ上記の手段として、回転体の回転にともない回転体と逆向きの同じ角速度でホルダーが回転するように回転体とホルダーとを連結する動力伝達手段を設けた
ものにするとよい
この照射装置によっても、発明の照射方法を実施できる。被照射物を保持させたホルダーを回転体とともに回転(公転)させるとき、上記した動力伝達手段の作用により回転体の回転と逆向きの同じ大きさの速度でホルダーが回転する結果、前記のとおり被照射物の絶対姿勢を一定に保てるからである。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 回転体の回転中心の線上に太陽歯車(歯車だけでなく、スプロケットまたはタイミングプーリ等にてなるものを含む)を設けてその回転を固定し、太陽歯車と歯数の等しい遊星歯車(やはり歯車だけでなく、スプロケットまたはタイミングプーリ等にてなるものを含む)を回転体上に設けて太陽歯車と連結する(この連結は太陽歯車・遊星歯車間で歯車同士を噛み合わせ、またはチェーンやタイミングベルトを巻き掛けて実現する)ことにより差動歯車機構または差動巻掛伝動機構を構成して、これを上記の動力伝達手段とし、
・ 上記のホルダーを上記遊星歯車の回転軸と一体に(つまりホルダーが遊星歯車とともに回転するように)取り付けた
ものにするとよい。「差動歯車機構」とは、噛み合った複数の歯車の中心を、回転可能なリンク(腕)などで連結した機構をいう。また「差動巻掛伝動機構」は、差動歯車機構の歯車の代わりに、ベルトまたはチェーンを巻き掛けた複数の車を同様にリンクなどで連結した機構である。
この装置の要部についての一例は図1(a)・(b)に示すとおりである。太陽歯車である固定プーリ21と、歯数の均しい遊星歯車であるペデスタル2(ホルダー)側のプーリ22とをタイミングベルト23で連結することにより、差動巻掛伝動機構20を構成している。そして、遊星歯車であるプーリ22の軸12と一体にペデスタル2を取り付けている。
この装置では、回転ディスク1(回転体)とともにペデスタル2(ホルダー)を回転(公転)させるとき、動力伝達手段である差動巻掛伝動機構(または差動歯車機構)20の作用によって、回転ディスク1の回転と逆向きの同じ大きさの速度でペデスタル2が回転する。したがって、被照射物であるウェハ3を、上記のとおり(つまり図1(c)のように)絶対姿勢を一定に保ちながら移動させることができる。
ホルダーを回転(自転)させるための駆動源(モータ等)や制御機器類が不要であるうえ、当該回転がつねに適切な向き・速さになり、また汎用の簡単な部品によって要部を構成できる、といった利点がこの装置にはある。
発明のビーム照射装置は、さらに、
・ 上記照射の間の被照射物の絶対姿勢を設定変更するため、ホルダーの設定姿勢変更手段を設けた
ものにするとよい
上記照射の間、被照射物の(したがってホルダーの)絶対姿勢は前記のとおり一定に保つが、この装置では、一定に保つその絶対姿勢を、設定姿勢変更手段によって適宜に変更する(つまり別の一定の姿勢にする)ことができる。被照射物の絶対姿勢をこうして適宜に変更できると、ビームの照射方向に対する被照射物の向きを容易に変更することができる。被照射物をホルダーから取り外したうえ向きを変えて再びホルダーに保持させるといった作業が不要だからである。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 上記照射の間の被照射物の絶対姿勢を設定変更するため、回転を固定する上記太陽歯車の位相(つまり角度)を変更可能にした
ものにするとよい。つまり、この装置では、ホルダーの設定姿勢変更手段として、前記差動歯車機構(または差動巻掛伝動機構)における太陽歯車の位相(図1(a)・(b)の例では固定プーリ21の角度)を変更可能にするのである。
こうした装置なら、被照射物の絶対姿勢についての前記のような変更を、簡単な構造によって容易に行うことができる。固定している太陽歯車の角度を変更するだけで、ホルダーの絶対姿勢を、そのホルダーの回転中心回りで変更できるからである。共通の太陽歯車に対して複数の遊星歯車を連結し各遊星歯車の回転軸にホルダーを取り付けた場合には、上記のように太陽歯車の角度を変更するだけで、図3(a)・(b)のようにすべてのペデスタル2(ホルダー)およびウェハ3(被照射物)の絶対姿勢を一斉に変更できるという効果も発生する。なお、固定プーリ21(太陽歯車)は回転体1の回転中心の線上(支軸11上)にあって回転体1の回転中にも位置が変わらないため、ペデスタル2が回転している間にもその位相を変更でき、したがっていつでもペデスタル2およびウェハ3の絶対姿勢を変更することが可能である。
発明のビーム照射装置は、さらに、
・ ビームの照射方向とも上記照射位置の中央での被照射物の移動方向とも異なる方向(好ましくは上記の移動方向・照射方向と直角またはそれに近い方向)へ、上記の回転体を一定の基準速度で直線移動(往復の直線移動を含む)するとともに、
・ ビームの照射量を計測手段にて計測し、
・ 計測したビームの照射量に応じて、上記直線移動の速度を基準速度から変化させる
ものにするとよい
前記したように、ビームの照射方向とは、たとえば図2の例におけるビーム5の方向をいい、照射位置の中央での被照射物の移動方向とは、同じ図2におけるα軸6に沿った方向(前記したファストスキャンの方向)をいう。また、上にいう被照射物の「直線移動」は、たとえば前記したスロースキャンに相当するものである。
この装置では、前記のスロースキャン等に相当する被照射物の直線移動を、一定の基準速度による等速運動を基調として行うことができる(そのため、当該直線移動に関する制御が簡単化され、必要な設備コストも低減される)。しかし、上記のとおりビームの照射量を計測し、その照射量に応じて当該直線移動の速度を変化させるため、照射量の均一性について精度が高くなるという効果もある。ビームの照射量に変化がともなう場合、上記の計測手段によってその変化を知り、照射量の変化に応じて、照射量を均一化すべく直線移動(スロースキャン)の速度を変化させ得るからである。
なお、二つのスキャンの組合せによって被照射物にビームを照射することから、この装置が被照射物の全面に均一な照射をするうえで有利であり、また、ビームの照射断面が被照射物の表面に比べて小さい場合に有意義であることも明らかである。
発明のビーム照射装置は、さらに、
・ ビームの照射方向に対する上記回転体の角度(したがって、上記の円周軌道が含まれる面とビームの照射方向とがなす角度)を変更可能にした
ものにするとよい
この装置によって回転体の角度を変更すると、ビームの照射方向に対するホルダーの角度を変更でき、したがってビームの照射方向に対する被照射物の角度を変更することができる。そのため、駆動源等の機器・部品がホルダーに接続されている場合等にも、ホルダーおよび被照射物の絶対姿勢(前記のチルト角など)を容易に変更することができる。一つの回転体に複数のホルダーを設けている場合には、すべてのホルダー・被照射物の絶対姿勢を同時に変更できるという利点もある。
発明のビーム照射装置は、さらに、
・ 上記照射の間、照射位置の中央でのホルダーの上記移動方向(前記したファストスキャンの方向)に沿った方向へのホルダーの移動速度について変化を抑制しながらホルダーを変位させる等速化手段を設けた
ものとする
この照射装置によれば、発明による前記ビーム照射方法を実施することができる。そのため、絶対姿勢を一定に保って移動する被照射物にビームを照射する場合に発生する、照射量の不均一に関する課題を解決することができる。つまり、被照射物の全面に均一な角度からビームの照射を行うとともに、その照射密度の均一性を高めることが可能である。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 上記の等速化手段として、回転体の回転駆動源に、ホルダーが照射位置(その付近を含む)に達するたびに回転体の角速度を操作するものを配置した
ものにするのもよい
回転体の回転駆動源に配置して回転体の角速度を操作する上記の手段としては、たとえば、速度の適切な変更制御が可能なサーボモータを使用するとよい。また、定速モータ等を使用する場合にも、当該モータ等から回転体までの動力伝達経路中に不等速ギア(たとえば非円形ギヤ)などを設け、適切な位相において回転体の角速度を適切に変化させるのもよい。こうした手段によって回転体の角速度を適切に操作すると、上記方向(直線移動方向と直角方向)へのホルダーの移動速度について変化を小さくすることができる。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 上記の等速化手段として、回転体の回転駆動源とは別に、ホルダーが照射位置に達するたびに当該ホルダーの移動速度を操作する(つまり回転体に対するホルダーの相対速度を変更する)機構を配置した
ものにするのもよい
回転体の回転駆動源とは別にホルダーの移動速度を変更する上記の機構としては、つぎのようなものが考えられる。a)照射装置の付近に達したホルダーを、多関節ロボットアーム等によって適切な方向(直線移動方向と直角な方向)に適切な速度で変位させるもの、b)照射装置の付近においてホルダーの回転半径(回転体上での位置)を、案内ミゾ、多関節リンク等によって変更するもの、c)流体圧等にて伸縮するシリンダをそれぞれホルダーに連結して回転体上に取り付け、各ホルダーが照射装置付近に達するたびに各シリンダを伸縮させてホルダーを適切な方向に適切な速度で変位させるもの、d)流体圧等にて伸縮するシリンダをそれぞれホルダーに連結して回転体上に取り付け、各ホルダーが照射装置付近に達するたびに各シリンダを伸縮させてホルダーの回転半径を変更するもの----などである。このような手段によっても、上記方向(直線移動方向と直角方向)へのホルダーの移動速度について変化を小さくすることができる。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 上記の等速化手段として、回転体上に中間ホルダーを設けるとともにその中間ホルダー上で偏心回転(中間ホルダーの中心線を外れた線を中心とする回転)するように上記のホルダーを取り付け、
・ 上記回転体上での中間ホルダーの回転と、中間ホルダー上でのホルダーの偏心回転との合成運動によって、上記のとおり照射の間のホルダーの移動速度の変化を抑制する
ものにするとよい
この照射装置はたとえば図13のように構成することができる。回転ディスク1(回転体)上に、それぞれ中間ホルダー25を介してペデスタル2(ホルダー)を取り付け、ペデスタル2を、自身の中心点2aを外れた中間ホルダー25により偏心回転させる。ペデスタル2は、回転ディスク1上での中間ホルダー25の回転と回転ディスク1の回転軌跡Pとの合成された運動をし、軌跡Qに沿って移動する。それらの軌跡P・Qは図7(b)にも示している。図7(b)・図13における各軌跡の中央上部付近をビームの照射位置とするとき、最上部において回転半径が小さい等の理由により、照射の間のペデスタル2(およびウェハ3)の移動速度の水平方向性成分の変化が小さくなる。図14はペデスタル2等の水平方向(図2のα軸に沿った方向)への移動速度VHの時間的変化を示すが、移動速度変化の上記抑制の効果は、図示の軌跡Qのように表れる。
等速化手段の作用によってこのようにホルダー(ペデスタル2)の移動速度変化を小さくできる以上、この装置においても照射密度の均一性を高めることが可能である。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ 回転体の回転中心の線上に太陽歯車(歯車、スプロケットまたはプーリ)を設けてその回転を固定し、太陽歯車と歯数の等しい遊星歯車(同上)を回転体上に設けて太陽歯車と連結する(連結は、歯車の噛み合いまたはチェーンもしくはベルトによる)ことにより差動歯車機構または差動巻掛伝動機構を構成し(これを前記の動力伝達手段とし)、
・ 遊星歯車の回転軸上に第二太陽歯車を設け、当該第二太陽歯車と歯数の等しい第二遊星歯車を第二太陽歯車と連結して第二差動歯車機構または第二差動巻掛伝動機構を構成し、
・ 差動歯車機構または差動巻掛伝動機構の回転数に対する第二差動歯車機構または第二差動巻掛伝動機構の回転数を整数(n)倍にする伝動機構を設け(これらをもって上記の等速化手段とし)たうえ、
・ 上記のホルダーを上記第二遊星歯車の回転軸と一体に取り付けた
ものにするとよい。なお、上記の整数(n)は3〜5に定めるのが好ましい。
この照射装置は、たとえば図9〜図12のように構成することができる。これらの図の例では、
1. 回転ディスク1の主回転の中心軸上には、機枠から固定された固定プーリ21、21aがあり、
2. 回転ディスク1上の円周部には、適宜間隔を置いて外側プーリ34が軸支されて、固定プーリ21との間にタイミングベルト33が掛けられており、第三差動巻掛伝動機構40を構成する。
3. 外側プーリ34と同軸上にはプーリ22が軸支されており、プーリ22と固定プーリ21aとの間にタイミングベルト23が掛けられて差動巻掛伝動機構20を構成する。
4. プーリ22にはボス部27を介してプーリ31がプーリ22と同軸上で連結配置され、中継二段プーリを構成する。
5. 回転ディスク1上、外側プーリ34には偏芯ロータ25が同軸上で連結配置されている。
6. 偏芯ロータ25には、その円周上にペディスタル2(ウエハ3)と同軸連結のプーリ32とが軸支されており、プーリ32とプーリ31との間にタイミングベルト23’が掛けられ、第二差動巻掛伝動機構30を構成する。(ただし、固定プーリ21、21aは外側のウエハペデイスタルの数に応じて同軸で多段のプーリとなる。)
なお、これらを歯車列で構成するときは、各プーリ歯車に置き換わり、タイミングベルトのかわりに中間歯車が各々のプーリ軸間に軸支する図10のような構成となる。
発明のビーム照射装置は、とくに、
・ ホルダー上の被照射物である半導体ウェハにイオンビームを照射し注入するビーム照射装置であって、
・ 複数のホルダーが、一つの回転体とともに回転するよう設けられている
ものにするとよい
この照射装置では、半導体ウェハにイオンビームを照射・注入することから前記のビーム照射方法を実施でき、前記のように産業上の価値の高いきわめて有用な照射が行える。
また、複数のホルダーが一つの回転体とともに回転するよう設けられているため、回転体を回転させる一組の駆動源によって複数のホルダーを回転させ、もって、複数の被照射物へのビーム照射を同時に効率的に行うことができる。被照射物を直線移動(前記したスロースキャン)させたりその絶対姿勢を変更したりする操作が、回転体を移動しまたは角度変更するだけで各被照射物につき同時に行える、というメリットもある。
発明のビーム照射方法によれば、被照射物の全面に均一な角度からビームの照射が行われ、たとえば被照射物とする半導体ウェハにイオン注入を行う場合にも、チルト角やツイスト角に偏差を生じることがない。また、照射されるビームが均一なものである限り、被照射物上に、移動経路の曲率中心からの距離に応じた照射密度分布が生じない。
発明のビーム照射方法では、スロースキャン等に相当する被照射物の直線移動を一定速度を基調として行うため、当該直線移動に関する制御が簡単化され、必要な設備コストも低減される。
発明のビーム照射方法によれば、さらに、被照射物上の照射量の密度を均一にすることができる。
発明のビーム照射方法なら、とくに半導体ウェハへのイオン注入に関してきわめて有用な照射が行える。
発明によるビーム照射装置によれば、前記の照射方法を円滑に実施することができ、上記の効果がもたらされる。装置が簡単に構成できるという利点もある。発明の装置なら、ホルダーを回転(自転)させるための駆動源(モータ等)や制御機器類が不要である。とくに、汎用の簡単な部品によって要部を構成することもできる、という利点もある。
発明のビーム照射装置では、さらに、ビームの照射方向に対する被照射物の向きを容易に変更することができる。
発明のビーム照射装置なら、上記のような変更を、簡単な構造によって容易に行うことができる。複数のホルダーを取り付けた場合には、すべてのホルダーおよび被照射物の姿勢を一斉に変更できるという効果もある。しかも回転体1の回転中にもそのような姿勢変更が可能である。
発明のビーム照射装置では、スロースキャン等に相当する被照射物の直線移動を、一定の基準速度による等速運動を基調として行うことができて制御が簡単化されるほか、照射量の均一性について精度が高くなるという効果もある。
発明のビーム照射装置ではさらに、ビームの照射方向に対する被照射物の角度を容易に変更することができる。
発明のビーム照射装置によれば、前記のビーム照射方法を実施することができ、被照射物の全面に均一な角度からビームの照射を行うとともに、その照射密度の均一性を高めることが可能である。
発明のビーム照射装置なら、前記ビーム照射方法を実施できるうえ、複数の被照射物へのビーム照射を同時に効率的に行うことができる。
以下、円盤状あるいはホイール状の回転ディスクに複数の半導体ウェハ(被照射物)を装着し、当該ウェハにイオンを照射し注入するイオン注入装置について実施の形態を紹介する。イオン注入装置では、回転ディスクの回転と、回転ディスクの概ね径方向に回転ディスク全体が往復運動することにより、各ウェハにイオンビーム(イオン粒子)を均一に照射する(図2参照)。
一般のイオン注入装置では、ウェハがイオンビームを横切る間に回転ディスクが回転することによってウェハの姿勢が変化するため、ウェハに対するビームの入射角(注入角:以降はチルト角と呼ぶ)と入射方向(注入方向:以降はツイスト角と呼ぶ)が、ウェハの面内で変化し、偏差を持つ。以下に示す装置は、このチルト角、ツイスト角の偏差の発生を、低減、あるいは完全に解消する手段を得ることを目的とする。また、その目的と同時に、ウェハが回転ディスクに装填され、回転ディスクが回転している状態であっても、チルト角、ツイスト角を任意に変化させられる手段を確立することで、多方向からビームをウェハに照射(注入)する処理を、高い生産性で行えるようにすることを目的とする。
ツイスト偏差の根本原因はディスクの回転と共にウェハの方向が変わっていくことである(図15参照)。従って、図1(c)のように、回転ディスク1上でペデスタル2が回転を打ち消す方向に回れば、外から見たウェハ3の方向は変わらない、すなわち、ツイスト偏差を生じさせなくできる。
ディスク1上でペデスタル2が回転を打ち消すように回すためには、各ペデスタル2にペデスタル回転用の回転駆動機構(モータ等)を設け、回転ディスク1の主回転Aに同期させて、回転ディスク1の主回転Aの方向とは逆方向に同じ回転数で、ペデスタル2を回転(回転B)させれば良い。例えば、回転ディスク1が反時計回りに1回転する間に、ペデスタル2が回転ディスク1上で時計回りに1回転すれば、外部から見たペデスタル2の姿勢は変化しない。
これと同じ動きを、各ペデスタル1毎にモータ等を使わないで行う方法が、図1(a)・(b)に示してある。同(a)・(b)では、回転ディスク1に遊嵌したペデスタル2と、回転ディスク1と共には回転しない固定ギア(プーリ)21とが、1:1の回転比でつながれている。こうすることで、回転ディスク1が回転しても、遊嵌したペデスタル2の向き(位相)は、固定ギア21の向き(位相)と常に同じに保たれる。
図1(a)・(b)では、両者のリンク(連結)は、プーリ21・22とタイミングベルト23で構成されているが、これは一例で、遊星ギアなどでリンクを構成することも可能である。
この方法の利点は、個々のペデスタル2にモータ等を設置する必要が無いことで、構成の容易さ、構成品のコスト、軽量化などの点で有利である。また、ペデスタル2毎に独立の回転駆動機構がある場合には、それぞれの回転数や位相を同期させるための調整方法、制御方法も複雑なものになることが予想されるが、固定ギア21の位相にペデスタル2の位相が連動しているので、同期の調整や制御が不要になる。さらに、回転ディスク1が停止しているか回転しているかに関わらず、図3のように固定ギア21の位相を変えることで全てのペデスタル2の位相を変えられるので、ツイスト角を変えた多方向の注入を連続して行いたい場合にも、ペデスタル2上にウェハ3を搭載しなおすことなく、さらには回転ディスク1の回転を止めることなく、連続して行うことができる。回転ディスク1の傾転を2軸で行うことで、チルト角、ツイスト角を変化させていた装置においては、ツイスト角の調整をこのペデスタル2の位相を変えることで全て行えるようになるので、傾転軸を1軸のみに減らすこともできる。
回転ディスク1の主回転Aの動きを、ペデスタル2がディスク1上で回転Bすることで打ち消し、外から見たペデスタル2(ウェハ3)の姿勢が変わらないようにすることができる。コーン角を0度にすれば、どんなに大きなチルト角に対しても、この方式により、チルト角、ツイスト角の偏差をゼロにすることができる。
図1のような機構によって、回転ディスク1の回転によるファストスキャンと、回転方向とは直角方向に回転ディスク1自身が往復運動するスロースキャン(図2の矢印8)とを実施した場合、図4・図5を用いて説明したとおり、ウェハ3においてイオン注入の密度が不均一になりがちである。前記したように、この現象に対する対策は、スロースキャン方向に垂直な方向でのファーストスキャンの速度成分(この場合水平速度VH)を一定にすることである。
スロースキャン方向に垂直な方向の速度成分を一定にするには、理論的には、ウェハ3がビーム5(図2参照)を横切る時間内に回転ディスク1の回転角θに応じて主回転Aの速度に変調をかける方法も考えられる。
実施の形態として紹介するのは、ウェハ3(ペデスタル2)を偏心して保持し、ディスク1の主回転Aに連動して、偏心中心の周りでウェハ3(ペデスタル2)を偏心回転させることで、主回転によって生じる水平速度の変化を、偏心回転の水平速度成分で打ち消す方法である。
この方法を図6に示す。
ここでは、次のように数値を定義する。
主回転半径 : R
偏心回転半径 : r
想定ビーム径 : φ
ウェハ径 : Φ
偏心/主 回転比 : n
初期位相差 : δ
主回転角速度 : ω
偏心回転角速度 : nω
まず、一定速度が必要なスキャン角度 θsを求める。
ウェハがビームを横切る間、一定速度が必要なので、その間のスキャン角度θsは、
R sinθs=r+(Φ+φ)/2
より
θs=sin−1{(2r+Φ+φ)/2R}
だけあれば十分である。
偏心中心の水平速度 VRHは、
RH=Rω cosωt
偏心中心に対するウェハ中心の水平速度 VrHは、
rH=r nω cos(nωt+δ)
よって、外から見たウェハ中心の実水平速度 VWHは、
WH=Rω cosωt+r nω cos(nωt+δ)
となる。
このVWHが、θsの範囲でほぼ一定となるような各変数の組合せを求めれば良い。
図7(a)・(b)に、R=655mm、r=26.175mm、n=3 のときの、実水平速度の偏差の計算例とウェハ3の軌跡Qとを示す。この場合、ウェハ径Φ=300mm、想定ビーム径φ=100mmに対して、一定速度が必要なスキャン角度θsの領域内で、水平速度の偏差は、±0.06%に収まっており、実用上、ほぼ一定速度であると言ってもよい。なお、n=4、5に設定した別のケースについてウェハ3の軌跡Q’、Q”を図8(a)・(b)に示す。
さらに、この方法によれば、スロースキャンのどの位置であっても、ウェハ3を横切るファストスキャンの水平速度が一定であるので、スロースキャンに1/Rスキャンを使用する必要がない。すなわち、スロースキャンは一定速度の往復運動を基調とし、イオンビームの電流値が増減するのに応じて、それを補償する為にスロースキャン速度を変調するだけで良い。基準となるビーム電流に対するビーム電流の変動率Pに逆比例させて、スロースキャン速度を変調させれば良いのである。1/Rスキャンを使用しないので、R方向のビームの重心位置を測定する必要もないし、またその測定誤差に起因する注入ドーズの繰り返し精度の低下も心配しなくてよい。
以上に示した構想を具体化した実施例を、図9、図11、図12に示している。
この例における主たる構造部品は、ペデスタル2、偏心ロータ(中間ホルダー)25、ディスク本体1、固定プーリ21、中継用プーリ(またはギア)27の五つである。ペデスタル2はウェハ3を保持し、ウェハ中心を軸として自由に回転できる構造とする。中継用二段プーリ27を介し、主回転中心軸上にある固定プーリ21までタイミングベルト23(や遊星ギアなど)でリンクが取られている。偏心ロータ25は、ペデスタル2の回転軸を偏心した位置で保持し、偏心ロータ25自身も、自身の中心軸の回りに回転できる構造を持つ。中継用プーリ27は、主回転中心にある固定プーリ21とペデスタル2の位相を一致させるためのリンクに用いられるもので、偏心ロータ25の中心軸上に遊嵌され、偏心ロータ25の回転とは独立して自由に回転できる。固定プーリ21は、主回転とは連動しない独立のプーリで、主回転の中心軸上に配置される。偏心ロータ25とペデスタル2とを合わせた重心は、偏心ロータ25の中心軸に略一致させ、偏心回転でディスク1全体の回転モーメントが変化しないようにする。
ペデスタル2(ウェハ3)の姿勢が、外部から見て一定のまま、回転ディスク1が回転するので、この主回転による遠心力は、主回転の位相によって方向を変えながら、ウェハ3の全方向に作用する。したがって、ペデスタル2には、ウェハ3を保持するためのクランプが、ウェハ3の全周にわたって略均等な間隔で配置されなければならない。遠心力の作用する方向がどちらになっても、同時に複数のクランプで遠心力に抗するようにするためには、隣り合うクランプの間隔は、最大でも90度を越えない角度で配置するのが望ましい。
ウェハ3へのイオン注入では、注入中にウェハ3の温度上昇を抑制するための冷却が必要である。例えば、50keVのエネルギーを持つイオンを、電流値20mAでウェハ3に照射するとすれば、そのイオンビームの持つ熱量は1kWにもなり、もし冷却がなければ、ウェハ3の温度は、デバイスパターン形成のためにウェハ表面に塗布されているフォトレジストの耐熱温度を容易に超えてしまう。
そのため通常の回転ディスク1では、回転ディスク内に水などの冷媒を流す経路がペデスタル2の近傍まで設けられており、その冷媒によってペデスタル2を冷却することで間接的にウェハ3の温度上昇を抑えている。通常、ウェハ3を保持するペデスタル面にはラバーが貼られており、ウェハ3とペデスタル2間の熱伝達は、このラバーを介して行われる。この熱伝達は、ウェハをペデスタルに押し付ける力が強いほど効率が上がる。
コーン角をθとすると、ウェハ3に作用する遠心力にsinθを乗じた分力が、ウェハ3をペデスタル2に押し付ける力として作用する。通常の回転ディスク1はこの遠心力の分力を熱伝達をよくするための押し付け力として利用している。
しかし、コーン角を小さくしていくと、ペデスタル2へのウェハ3の押付け力は小さくなり、コーン角が0度になると、押付け力はゼロになってしまう。このように押付け力が低下あるいは消失すると、ウェハ3とペデスタル2との間の熱伝達が低下するため、代わりの手段が必要になる。
その代わりの手段としてこの実施例で使おうとするのは、静電チャックと呼ばれる機構である。これは静電力を用いてペデスタル2にウェハ3を保持する方法で、枚葉式のイオン注入機では広く使われている機構であるが、回転ディスク1によるウェハ3の保持には使われていない。
ウェハ3とペデスタル2の間の冷却にはガス冷却も有効である。ここでいうガス冷却とは、ガスの比熱によって熱を輸送するのではなく、低圧力下でガス分子の平均自由行程がガスを挟む二つの壁の間隔に近いときに、一方の高温側の壁と他方の低温側の壁の間でガス分子の運動が効率よくに熱を伝える現象である。このガス冷却の効率は、ガスの種類、ガスが入るギャップの寸法、ガスの圧力で決まるので、これらを管理しさえすればよい。ラバーのように熱伝達効率維持のための押し付け力が必要でないので、コーン角が小さいかまたはゼロとなるような回転ディスク1には、ラバーを介した冷却よりガス冷却のほうが適切かもしれない。
こうした構成では、先に述べたように、ペデスタル2が偏心ロータ25を介してディスク本体1に保持されるので、ウェハ3を冷却する熱の流れは、
ウェハ3→ペデスタル2→偏心ロータ25→ディスク本体1
となる。
ディスク本体1には水などの液体冷媒が流せるが、そこに遊嵌され回転できる構造のペデスタル2や偏心ロータ25にまで液体冷媒を流すのは困難である。したがって、ペデスタル2と偏心ロータ25および偏心ロータ25とディスク1間にも有効な熱伝達の手段を設けてやらなければならない。非接触で回転を妨げないガス冷却はここにも有効である(図12参照)。
したがって、全体として考えられる冷却の手段は
ウェハ3→(ラバー)→ペデスタル2→(ガス)→偏心ロータ25
→(ガス)→ディスク本体1→(冷却水)
か、または、
ウェハ3→(ガス)→ペデスタル2→(ガス)→偏心ロータ25
→(ガス)→ディスク本体1→(冷却水)
が考えられる。
前者の場合には、ペデスタル2−偏心ロータ25間、偏心ロータ25−ディスク本体1間に、ガスを導入する空隙を設ける。後者の場合には、それに加えて、ウェハ3−ペデスタル2間にも空隙を設ける。
それらの空隙の、ギャップ間隔および空隙を挟む対向2面の面積は、ガス冷却で輸送するに必要のある熱量に応じて設計する必要がある。ギャップ間隔は、導入するガス圧力での、そのガス分子の平均自由行程にほぼ近い値にするときが、単位面積あたりの熱伝達効率がよい。空隙を挟む対向2面の面積は、総入熱と単位面積あたりの熱伝達率とから、必要面積を決めればよい。
ギャップ間隔および空隙を挟む対向2面の面積は、機械的構造でほぼ一定に管理できるので、使用に当たっては、ガスの圧力を測定し、管理することが必要である。そのため、ガス導入空隙につながる導入経路に、導入したガスの圧力を測定するための機構(真空ゲージ)を設置する。
ガスのリークを防ぎ、かつ回転動作も行うため、偏心ロータ25でのペデスタル2の保持、回転ディスク1での偏心ロータ25の保持には、磁性流体シールを用いる。ウェハ3とペデスタル2との間にもガスを導入する場合には、両者の接触面におけるウェハ3の外周付近に、O−リングなどのシールを設ける。なお、ガスは回転ディスク1内に設けられた導入路より導入される。
図1(a)・(b)・(c)は、発明のビーム照射装置においてウェハ3(被照射物)の絶対姿勢を一定に保つことに関する基本的構成と態様とを示す概念図である。 発明のビーム照射装置における回転ディスク1(回転体)とウェハ3、ビーム5等の関係を示す概念図である。 発明のビーム照射装置においてウェハ3の絶対姿勢を変更することに関する概念図である。 ウェハ3の表面におけるビームの軌跡等を示す説明図である。 図5(a)・(b)・(c)は、ウェハ3の表面において照射密度の不均一が生じる理由およびその改善方法を示す説明図である。 照射密度を均一化する手法を説明するための概念図である。 図7(a)・(b)は、図6の手法による実水平速度の偏差の計算例とウェハの軌跡とを示す線図である。 図8(a)・(b)は、図6の手法によって計算したウェハの他の軌跡を示す線図である。 図9(a)・(b)は、ビーム照射装置の具体的な構成を示す概念図(側面図および正面図)である。 図10(a)・(b)は、他のビーム照射装置の具体的な構成を示す概念図(側面図および正面図)である。 同じくビーム照射装置の具体的な構成を示す概念図である。 同じくビーム照射装置の具体的な構成を示す図であって、ペデスタル2の付近の拡大断面図である。 ビーム照射装置の具体的な構成についてウェハ3の軌跡および速度を説明するための概念図である。 軌跡に対応したウェハの水平速度VHの時間的変化を示す線図である。 従来のビーム照射装置における回転ディスク1’とウェハ3’との関係を示す概念図である。
符号の説明
1 回転ディスク(回転体)
2 ペデスタル(ホルダー)
3 半導体ウェハ(被照射物)
4 ビーム
20 差動巻掛伝動機構
21 固定プーリ(太陽歯車)
23 タイミングベルト
25 偏心ロータ(中間ホルダー)
30 第二差動巻掛伝動機構
33 タイミングベルト
A 主回転
Q 軌跡

Claims (11)

  1. 回転体における回転中心以外の箇所に被照射物の保持をなすホルダーを取り付け、回転体の回転にともなって回転するホルダー上の被照射物の移動経路のうち特定の照射位置で被照射物にビームを照射する照射手段を設け、上記照射位置での照射の間、被照射物の絶対姿勢を一定に保つための手段を、上記の回転体またはホルダーに付設したこと、
    上記照射の間、照射位置の中央でのホルダーの上記移動方向に沿った方向へのホルダーの移動速度について変化を抑制しながらホルダーを変位させる等速化手段を設けたこと、
    および、上記の等速化手段として、回転体上に中間ホルダーを設けるとともにその中間ホルダー上で偏心回転するように上記のホルダーを取り付けたこと
    を特徴とするビーム照射装置。
  2. 上記の等速化手段が、上記回転体上での中間ホルダーの回転と、中間ホルダー上でのホルダーの偏心回転との合成運動によって、上記のとおり照射の間のホルダーの移動速度の変化を抑制することを特徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  3. 回転体の回転中心の線上に太陽歯車を設けてその回転を固定し、太陽歯車と歯数の等しい遊星歯車を回転体上に設けて太陽歯車と連結することにより差動歯車機構または差動巻掛伝動機構を構成し、
    遊星歯車の回転軸上に第二太陽歯車を設け、当該第二太陽歯車と歯数の等しい第二遊星歯車を第二太陽歯車と連結して第二差動歯車機構または第二差動巻掛伝動機構を構成し、
    差動歯車機構または差動巻掛伝動機構の回転数に対する第二差動歯車機構または第二差動巻掛伝動機構の回転数を整数倍にする伝動機構を設けたうえ、
    上記のホルダーを上記の第二遊星歯車の回転軸と一体に取り付けた
    ことを特徴とする請求項2に記載のビーム照射装置。
  4. ホルダー上の被照射物である半導体ウェハにイオンビームを照射し注入するビーム照射装置であって、複数のホルダーが、一つの回転体とともに回転するよう設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビーム照射装置。
  5. 被照射物の絶対姿勢を一定に保つ上記の手段として、回転体とは別にホルダーを回転させるべくホルダー用回転駆動源を設けるとともに、双方の回転速度を逆向きの同じ角速度にするための制御手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のビーム照射装置。
  6. 被照射物の絶対姿勢を一定に保つ上記の手段として、回転体の回転にともない回転体と逆向きの同じ角速度でホルダーが回転するように回転体とホルダーとを連結する動力伝達手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のビーム照射装置。
  7. 回転体の回転中心の線上に太陽歯車を設けてその回転を固定し、太陽歯車と歯数の等しい遊星歯車を回転体上に設けて太陽歯車と連結することにより差動歯車機構または差動巻掛伝動機構を構成してこれを上記の動力伝達手段とし、上記のホルダーを上記の遊星歯車の回転軸と一体に取り付けたことを特徴とする請求項6に記載のビーム照射装置。
  8. 上記照射の間の被照射物の絶対姿勢を設定変更するため、ホルダーの設定姿勢変更手段を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビーム照射装置。
  9. 上記照射の間の被照射物の絶対姿勢を設定変更するため、回転を固定する上記太陽歯車の位相を変更可能にしたことを特徴とする請求項7に記載のビーム照射装置。
  10. ビームの照射方向とも上記照射位置の中央での被照射物の移動方向とも異なる、上記中心線と交差する方向へ、上記の回転体を一定の基準速度で直線移動するとともに、
    ビームの照射量を計測手段にて計測し、
    計測したビームの照射量に応じて、上記直線移動の速度を基準速度から変化させる
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のビーム照射装置。
  11. ビームの照射方向に対する上記回転体の平面上の姿勢の角度を変更可能にしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のビーム照射装置。
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