JP4945768B2 - 紡糸液組成物およびそれを用いた再生絹繊維の製造方法、並びに、該製造方法により得られた再生絹繊維 - Google Patents
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Description
本発明は、紡糸液組成物およびそれを用いた再生絹繊維の製造方法、並びに、該製造方法により得られた再生絹繊維に関し、より詳しくは、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持ち、生体内での分解が速やかであり、また、薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を有する再生絹繊維を得るに適した紡糸液組成物およびそれを用いた再生絹繊維の製造方法、並びに、該製造方法により得られた再生絹繊維に関する。
絹糸は、高い生体親和性を有する天然繊維であり、細くて強く、適度な弾性と柔軟性を有することに加え、糸の滑りがよく、結びやすく解けにくいという特性を持っていることから、手術用の縫合糸として用いられている。また絹糸はタンパク質であるため、抜糸しなくとも徐々に分解され吸収され得るが、生体内での分解性が低いため、一般には、抜糸する非吸収性縫合糸に分類されている。そこで、再生コラーゲンなどの、抜糸が不要な生体内分解吸収性の縫合糸も存在するが、この縫合糸は絹糸の10分の1の強度しかないため、コシがなく結び難い等の問題が指摘されている。
一方、家蚕再生絹糸の作製には、臭化リチウム等の中性塩や、銅エチレンジアミン等の錯塩水溶液など、家蚕絹フィブロインの溶解に用いられる溶媒が頻用されている。これらの水溶液は、絹フィブロインのβシート部分の強固な水素結合を壊す性質を持つため、長時間放置すると分子鎖までもが分解されるため分子量が低下するという欠点があるだけでなく、塩が残留したり、得られた再生絹糸の力学的物性が低いという問題があった。
これに対し、絹フィブロインの分子量の低下が起こりにくく、優れた力学的特性を有する再生絹繊維を得るための溶媒として、ヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)が知られている(特許文献1)。これは、一旦、天然の家蚕絹繊維を臭化リチウム等の塩水溶液に溶解し、透析によって塩を除去した後、流延乾燥して得られた絹フィブロインフィルムをHFIPに溶解させるものである。
特表平7−503288号公報
また、HFIPでは溶解に長時間を要することから、近年、HFIPに類似した化合物ヘキサフロロアセトン(HFA)を用いて再生絹糸を作製することも提案されている(特許文献2)。
特開2004−68161号公報
しかしながら、これらの再生絹繊維の目標は天然の絹繊維であったため、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ有する再生絹繊維を得るための努力がなされてきたのみであり、生体内での分解性についての検討は全くなされていなかった。
そこで本発明者等は、フッ素溶液から再生した再生絹繊維に対する生体内での分解性について検討した結果、天然の絹繊維よりも蛋白質分解酵素に対する分解性が良好であることを見出すと共に、紡糸溶媒としてヘキサフロロイソプロパノールを使用し、紡糸液中にヘマチンを含有させることにより、糸の引っ張り強度を改善することができることを見出した。
一方、黒色縫合糸は体内で判別しやすいため、アメリカで好んで使用されており、近年、日本でもその使用が増加している。しかしながら、黒色縫合糸の染色工程は、白色縫合糸に比較すると、手間がかかるため、より簡便な方法が求められていた。
従って、本発明の第1の目的は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に、生体内での分解が速やかであるだけでなく、薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を有する再生絹繊維を得ることも容易な、紡糸液組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に、生体内での分解が速やかであるだけでなく、必要に応じて薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を持たせることもできる、再生絹繊維の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に、生体内での分解が速やかであるだけでなく、必要に応じて薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を持たせた、手術用縫合糸に適した再生絹繊維を提供することにある。
本発明の第2の目的は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に、生体内での分解が速やかであるだけでなく、必要に応じて薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を持たせることもできる、再生絹繊維の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に、生体内での分解が速やかであるだけでなく、必要に応じて薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を持たせた、手術用縫合糸に適した再生絹繊維を提供することにある。
本発明の上記の諸目的は、ヘキサフロロイソプロパノール溶媒中に、絹フィブロインおよびヘマチンを含有する紡糸液組成物および該紡糸液組成物を凝固浴中で紡糸することを特徴とする再生絹繊維の製造方法、並びに、該製造方法により得られた再生絹繊維によって達成された。
前記絹フィブロインとしては、精錬した家蚕絹繊維を一旦塩水溶液に溶解し、次いで塩を除去した後に脱水・乾燥して得られる絹フィブロインを用いることが好ましい(請求項2)。また、前記紡糸液組成物中の絹フィブロインの含有量は、10〜17w/v%の範囲であることが好ましく(請求項3)、前記ヘマチンの含有量は、絹フィブロインの重量1に対し、0.03〜0.15重量部の範囲であることが好ましい(請求項4)。本発明の紡糸液組成物には、更に、再生絹繊維に炎症を防ぐ機能を持たせるため、炎症を防ぐ薬剤を含有させることができる(請求項5)。
本発明の再生絹繊維の製造方法は、上記した本発明の紡糸液組成物を凝固浴中で紡糸することを特徴とする(請求項6)。前記凝固浴の溶媒は、メタノールであることが好ましく(請求項7)、前記再生絹繊維を乾燥した後更に2〜4倍に延伸することが好ましい(請求項8)。
本発明の再生絹繊維の製造方法においては、本発明の紡糸液組成物を凝固浴中で紡糸及び延伸しても良く(請求項9)、この場合には、再生絹繊維に、より弾性を付与することができる(請求項12)。
本発明の再生絹繊維の製造方法においては、本発明の紡糸液組成物を凝固浴中で紡糸及び延伸しても良く(請求項9)、この場合には、再生絹繊維に、より弾性を付与することができる(請求項12)。
本発明の再生絹繊維は、本発明の製造方法により得られる天然絹繊維に勝るとも劣らない強度を有する再生絹繊維であり(請求項10)、特に、手術用縫合糸として好ましく用いられる(請求項11)。
本発明の紡糸液組成物から得られた本発明の再生絹繊維は、天然絹繊維に近い強度と伸びを併せ持つと共に生分解性にも優れるので、縫合糸、ガーゼ、人工血管などに用いる素材として有用である。
以下、本発明の紡糸液組成物、再生絹繊維の製造方法および再生絹繊維について詳細に説明する。
先ず、本発明の紡糸液組成物について説明する。本発明の紡糸液組成物は、ヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)溶媒中に、絹フィブロインおよびヘマチンを含有することを特徴とする。
先ず、本発明の紡糸液組成物について説明する。本発明の紡糸液組成物は、ヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)溶媒中に、絹フィブロインおよびヘマチンを含有することを特徴とする。
本発明の紡糸液組成物の調製方法は特に制限されるものではないが、家蚕絹等の天然絹繊維をそのままHFIPに溶解させることは困難であるため、通常は、繊維を一旦塩水溶液に溶解し、塩を除去した後に、脱水・乾燥して得られた絹フィブロインをHFIPに溶解させるなどの公知の方法を使用する。
具体的には、裁断した繭を精錬して得た絹フィブロインを、先ず臭化リチウム等の塩溶液に溶解した後、透析を行って無機塩を取り除いて絹フィブロイン水溶液とし、該水溶液から作製した絹フィブロインフィルムや凍結乾燥したスポンジ等をHFIPに溶解させる。
上記の塩溶液を使用することなく、絹繊維くずを直接HFAに溶かした後、HFAを除去して得た絹フィブロインをHFIPに溶解して使用することもできる。
具体的には、裁断した繭を精錬して得た絹フィブロインを、先ず臭化リチウム等の塩溶液に溶解した後、透析を行って無機塩を取り除いて絹フィブロイン水溶液とし、該水溶液から作製した絹フィブロインフィルムや凍結乾燥したスポンジ等をHFIPに溶解させる。
上記の塩溶液を使用することなく、絹繊維くずを直接HFAに溶かした後、HFAを除去して得た絹フィブロインをHFIPに溶解して使用することもできる。
上記の精錬方法の具体例は下記の通りである。例えば、100℃に加熱した0.5重量%の石鹸水溶液に上述した繭層を入れて操糸した後、撹拌しながら約30分間煮沸し、その後、100℃に加熱した蒸留水中で洗浄する。この操作を3回行い、更に蒸留水で30分間煮沸した後洗浄し、次いで乾燥することにより、絹フィブロインを覆う蛋白質(セリシン)や、その他の脂肪分などを除去した絹フィブロインを得る。
上記した塩溶液への溶解は、例えば、40〜80重量%濃度のLiBr水溶液を用い、絹フィブロインを加えて40℃程度に加熱し、溶け残りが無くなるまで振とうする。このときの塩溶液中の絹フィブロイン濃度は、通常5〜40重量%である。
得られた絹フィブロイン/LiBr水溶液を、ガラスフィルター等を用いて減圧濾過して水溶液中のゴミ等を除去する。次いで、セルロース等を用いた透析膜などを使用し、蒸留水を用いて透析し、塩を除いた絹フィブロイン水溶液とする。
得られた絹フィブロイン/LiBr水溶液を、ガラスフィルター等を用いて減圧濾過して水溶液中のゴミ等を除去する。次いで、セルロース等を用いた透析膜などを使用し、蒸留水を用いて透析し、塩を除いた絹フィブロイン水溶液とする。
得られた水溶液から水を除去し、HFIPに溶解させる絹フィブロインを単離する。通常は、水溶液をプレートに展開し、水を蒸発させてフィルムを作製したり、スプレー乾燥などを行なう。また、蒸留水を加え、例えば絹フィブロイン濃度が2w/v%以下の水溶液を調製し、凍結乾燥を行って得たスポンジ状の絹フィブロインを用いることもできる。
本発明の紡糸液組成物は、HFIP溶媒中に、このようにして得られた絹フィブロインをヘマチンと共に含有させる。通常は、HFIP溶媒に上記した絹フィブロインを溶解した後、ヘマチンを添加して紡糸液組成物とする。
絹フィブロイン/HFIP溶液は、通常、HFIP溶媒に、10〜17w/v%、好ましくは12〜15w/v%の範囲の絹フィブロインを加え、攪拌・溶解させて作製する。
絹フィブロイン/HFIP溶液は、通常、HFIP溶媒に、10〜17w/v%、好ましくは12〜15w/v%の範囲の絹フィブロインを加え、攪拌・溶解させて作製する。
ヘマチンは、下記に示されるポルフィリン系化合物(鉄(III) プロトポルフィリン)であり、紡糸液組成物に加えることにより、得られる再生絹繊維を容易に黒色に染色することができる。ヘマチンは、縫合糸の染色色素としてFDAで認可されており、生体組織との識別を容易にする機能を果たす。本発明においては、市販品(例えば、シグマ−アルドリッチ社製品;H3281 Hematin porcine等)を好適に使用することができる。
本発明の紡糸液組成物は、通常、絹フィブロイン/HFIP溶液に、ヘマチン(粉体)を、絹重量1に対し、0.03〜0.15重量部、好ましくは0.05〜0.10重量部の範囲で加えて攪拌し、分散させることにより得ることができる。ヘマチン(粉体)は、保存中に劣化することがあるので、密封して冷暗所に保存する。
また、本発明の紡糸液組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、炎症を防ぐ薬剤を添加することができる。これにより、薬剤を徐放し炎症を防ぐ機能を有する再生絹繊維を得ることができる。このような薬剤としては、例えば、ビスフェノール構造をもった抗菌・抗真菌作用を示すtriclosan(トリクロサン)や塩酸テトラサイクリン(細菌による感染症の治療に使用)等が挙げられる。
次に、本発明の再生絹繊維の製造方法について説明する。本発明の再生絹繊維の製造方法は、上記した本発明の紡糸液組成物を紡糸原液とすれば良く、湿式紡糸、乾燥ジエット紡糸、乾式紡糸、エレクトロスピニングの何れであっても良い。長繊維を製造する場合には、凝固浴中に絹繊維を紡糸口を介して吐出させる湿式紡糸を行なうことが好ましいが、不織布を製造する場合には、エレクトロスピニングが好ましい。
湿式紡糸方法において使用する凝固浴は、絹フィブロインが不溶であり、且つ、HFIPを溶解するものであれば特に制限されることはない。例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等を挙げることができる。これらの中では、絹フィブロインの凝固能が高いことに加え、環境的に安全で廉価なメタノールを使用することが好ましい。
再生絹繊維は、HFIPを充分に除去するため、凝固浴中に数時間静置した後に風乾し、未延伸試料とする。これを延伸することにより天然の絹繊維に劣らない強度を付与することができる。再生絹繊維の収縮を防止し、引っ張り特性を向上させるために、張力下で乾燥することが好ましい。2〜4倍に延伸することにより得られる再生絹繊維は、直径約20〜数百μm程度の非常に均一な繊維径を有する延伸再生絹糸とすることができる。また、凝固浴から出され未だ濡れている間に冷延伸したり、凝固浴中で延伸した場合には、弾性に富んだ絹繊維とすることができる。
未延伸再生絹繊維の延伸倍率は、上記したように、通常延伸することにより実用強度を有する再生絹糸とすることができる2.0〜4.0倍であり、4倍以上に延伸することにより天然絹繊維を超える強度を得ることができるが、連続紡糸法の場合には、2.0〜3.0倍とすることが好ましい。2倍以上に延伸することにより、破断強度が250Mpa以上となり、キトサン、セルロース、牛乳、ピーナッツ、コーン、大豆などから得られる再生繊維の破断強度(100〜200Mpa)を超すことができる。
このようにして得られる再生絹繊維は、強度、伸び等は天然繊維に劣らないだけでなく、生体内での分解性が良好である。また、繊維径を任意に選択することができる上、薬剤付与も可能である等の特徴を有しているので、縫合糸、ガーゼ、人工血管などの素材作製に好適である。特に、ヘマチンを含有させることによって糸の伸びも改善されるので、直径25μm〜450μmの絹モノフィラメントを縫合糸として使用する場合には、視認しやすい手術用として好適であるという利点がある(第55回高分子学会年次大会及び平成18年度繊維学会年次大会)。
また、ヘマチンを含有する再生絹繊維は、耐光試験(JIS L 0841-0843)および洗濯試験(JIS L 0844)にも十分耐えることができるので、エレクトロスピニング法で製造した不織布は、ガーゼとして使用するのに好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
また、ヘマチンを含有する再生絹繊維は、耐光試験(JIS L 0841-0843)および洗濯試験(JIS L 0844)にも十分耐えることができるので、エレクトロスピニング法で製造した不織布は、ガーゼとして使用するのに好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<参考例1:家蚕絹フィブロイン試料の調製>
平成16年度秋繭(春嶺×鐘月)を鋏で細かく裁断し(約2mm×10mm程度)、定法により精錬して、フィブロインを覆う蛋白質(セリシン)や、その他の脂肪分などを除去して、絹フィブロインを得た。次いで、この絹フィブロインを、LiBr水溶液(9mol/L)に10w/v%となるように溶解した。
平成16年度秋繭(春嶺×鐘月)を鋏で細かく裁断し(約2mm×10mm程度)、定法により精錬して、フィブロインを覆う蛋白質(セリシン)や、その他の脂肪分などを除去して、絹フィブロインを得た。次いで、この絹フィブロインを、LiBr水溶液(9mol/L)に10w/v%となるように溶解した。
この水溶液を、セルロース透析膜(VISKASESELES COAP 製 Seamless Cellulose Tubing,36/32)を使用し、4日間蒸留水を用いて透析を行い、LiBrを取り除いた。更に遠心分離により、溶け残りやゴミ等を除去して家蚕絹フィブロイン水溶液を得た。得られた水溶液に蒸留水を加え、絹フィブロインの濃度を2w/v%以下とした水溶液を調製した。得られた水溶液を液体窒素を用いて凍結し、1日間凍結乾燥を行い、十分に水分が抜けたサンプルを減圧乾燥下で保存し、絹フィブロイン凍結乾燥サンプルとした。
参考例1で得られた絹フィブロイン凍結乾燥サンプル1.2gを、1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロイソプロパノール(和光純薬工業株式会社 製;以下HFIPと称する)10mLに添加し、2日間室温で攪拌して溶解した。次いで、ヘマチン(シグマ−アルドリッチ社製「Hematin porcine」)0.12gを添加して、紡糸液組成物を得た。
この紡糸原液をシリンダーに充填し、0.55mm径のノズルから、シリンジポンプを用い、メタノール100%の凝固浴中で絹繊維を紡糸した。紡糸した糸をモーターを用いて巻き取り、凝固浴中に3時間以上静置した後該凝固浴から取り出し、巻戻して両端を固定し、一晩風乾したものを未延伸試料とした。
この紡糸原液をシリンダーに充填し、0.55mm径のノズルから、シリンジポンプを用い、メタノール100%の凝固浴中で絹繊維を紡糸した。紡糸した糸をモーターを用いて巻き取り、凝固浴中に3時間以上静置した後該凝固浴から取り出し、巻戻して両端を固定し、一晩風乾したものを未延伸試料とした。
紡糸原液中の絹フィブロインの構造解析を行うため、絹フィブロイン濃度を約5重量%に調整し、ヘマチンを添加しない絹フィブロイン/HFIP溶液を用い、溶液13CNMR測定(JEOL社製、alpha500NMR分光計を使用、pulse delay 2.5sec、積算回数20439回、25℃で測定)を行った。得られたスペクトルの解析結果から、HFIP溶液中において、家蚕絹フィブロインは分解していないことが確認された。
さらに、構造情報を顕著に反映するAlaCβ、その他の主要アミノ酸の化学値を、水溶液系における絹フィブロインの化学シフトと比較すると、主要なアミノ酸のCβ炭素が高磁場側へ、Cα炭素が低磁場側へ移動していることが判明した。このことから、HFIP溶液中の絹フィブロインは、ヘリックスを多く含む構造であると推察された。特に、AlaCβの化学シフト値が、一般的なαヘリックス構造を形成した際に現れる15.8ppmより高磁場な14.6ppmに観察されたことから、HFIP中における家蚕絹フィブロイン分子のAlaCβ周辺は、非常に高い割合でヘリックス構造を形成していると考えられる。
また、絹フィブロイン濃度を約0.01重量%に調整した絹フィブロイン/HFIP溶液を用い、円二色性分光測定を行った(JASCO J-805 pectrometerを使用、25℃で測定)。その結果、HFIP中では、絹フィブロインは典型的なヘリックス構造とは異なる構造をとっていることが示唆された。
また、HFIP中における家蚕絹フィブロインのスペクトルの波形における222nmと205nmの比率は、Toniolo等の報告する310-ヘリックス構造で示される値と略同一であった(J.Am.Chem.Soc.1996,118,2744-2745.)。
これらのことからHFIP中における家蚕絹フィブロインは、310-ヘリックス構造を形成していると推察される。従って、家蚕絹フィブロイン分子の溶液NMRにおいて観察された、通常のαヘリックスより低磁場の化学シフト値は、310-ヘリックス構造に起因した化学シフト値であると考えられる。
これらのことからHFIP中における家蚕絹フィブロインは、310-ヘリックス構造を形成していると推察される。従って、家蚕絹フィブロイン分子の溶液NMRにおいて観察された、通常のαヘリックスより低磁場の化学シフト値は、310-ヘリックス構造に起因した化学シフト値であると考えられる。
次に未延伸試料を、グラフ紙に両面テープで貼り付け、紙ごと固定チャックおよび移動チャックに挟んで、そのサンプルを延伸した。延伸には、手動一軸延伸機(井元製作所製)を用いた。延伸再生絹糸として、直径20μm程度から数百μm程度の延伸再生絹糸を作製した。作製した再生絹糸の繊維径は、天然繊維では得られない均一性を有し、かつ表面形状が滑らかな繊維であった。またその直径は、紡糸組成物の粘度、紡糸速度、紡糸口径、巻き取り速度、延伸倍率等によって変化することが確認された。
再生絹糸における絹フィブロインの局所構造および二次構造についての知見を得るため、固体13C CP/NMR測定を行った。測定はChemagnetic社製 CMX400NMR分光計を用い、室温で行った。測定条件は次の通りである。
[測定条件]
遅延パルス:3.00秒、接触時間:1m秒、スキャン:12,000回
[測定サンプル]
(A).天然絹繊維
(B).未延伸再生絹糸
(C).三倍延伸再生絹糸
[測定条件]
遅延パルス:3.00秒、接触時間:1m秒、スキャン:12,000回
[測定サンプル]
(A).天然絹繊維
(B).未延伸再生絹糸
(C).三倍延伸再生絹糸
固体NMR測定により得られたスペクトル中の構造情報を繊細に反映するAlaCβピークに着目した結果を図1に示す。
絹フィブロインAlaの構造分布が示された図1の結果から、各サンプルで強度比に違いがあることが確認された。延伸配向させたサンプルのピークほど、ランダム成分のピーク(16.6ppm)が減少し、逆に19.6ppmと21.9ppmのβシートピーク強度が向上する傾向にある。この変化成分は、延伸効果により分子が繊維軸方向に配向させられることによって増える成分であると考えられる。
絹フィブロインAlaの構造分布が示された図1の結果から、各サンプルで強度比に違いがあることが確認された。延伸配向させたサンプルのピークほど、ランダム成分のピーク(16.6ppm)が減少し、逆に19.6ppmと21.9ppmのβシートピーク強度が向上する傾向にある。この変化成分は、延伸効果により分子が繊維軸方向に配向させられることによって増える成分であると考えられる。
また、未延伸再生絹糸および三倍延伸糸を用いて、広角X線回折測定(理学電気製 回転対陰極X線回折装置 ULTRA18使用、50kV、250mA、ターゲットCu)を行なった(図2)。この結果から、延伸処理を行うことにより、回折スポットが現れるようになり、再生絹糸の配向が向上していることが観察された。なお、図2(A)は未延伸再生絹糸、図2(B)は三倍延伸糸の広角X線回折測定結果である。
HFIP延伸再生絹糸サンプルのX線散乱回折像を家蚕絹フィブロイン天然繊維のものと比較してみると、その配向は劣るもののスポットの場所には相同性が観察される。この結果は、両者の結晶部位のユニットセルが類似していることに起因する。つまり、さらなる繊維配向を引き起こすことが可能であれば、家蚕絹フィブロイン天然繊維と同等の繊維配向結晶構造を形成することができることが示唆されている。
<比較例1>
実施例1において、HFIPに代えてヘキサフロロアセトン水和物(SHIGMA社 製)を用い、実施例1と同様にして、ヘマチンを添加しない紡糸原液を得た。実施例1と同様に、溶液13CNMR測定を行った。また、これを用いて未延伸試料を作製し、未延伸再生絹糸および三倍延伸糸を用いて、広角X線回折測定を行った。
実施例1において、HFIPに代えてヘキサフロロアセトン水和物(SHIGMA社 製)を用い、実施例1と同様にして、ヘマチンを添加しない紡糸原液を得た。実施例1と同様に、溶液13CNMR測定を行った。また、これを用いて未延伸試料を作製し、未延伸再生絹糸および三倍延伸糸を用いて、広角X線回折測定を行った。
HFA中における家蚕絹フィブロインのAlaCβの化学シフト値は、15.7ppmであった。この値は、HFIP中における値に比べてより低磁場であり、典型的なαヘリックスの値と一致することから、HFA中ではαヘリックスとして家蚕絹フィブロインが存在していると考えられる。このことから、溶液構造は繊維状態の分子構造に大きな影響を与えていると考えられる。
広角X線回折測定の結果を、HFIP中における値と比較した結果、HFIP溶媒を用いて作製した再生絹糸の配向の方がHFA溶媒で作製した再生絹糸の配向より優れていることが確認された。
<走査型電子顕微鏡観察>
得られた再生絹糸の直径および表面構造等について観察するため、走査型電子顕微鏡観察を行った。また、エレクトロスピニング法を用いて作製した絹フィブロイン不織布についても、その形状の確認を行った。測定にはリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-7800(keyence社製)を用い、カーボンテープでサンプルを固定し、蒸着無しで測定した。加速電圧は1.1kV、working distannce(WD)は23mmであった。
得られた再生絹糸の直径および表面構造等について観察するため、走査型電子顕微鏡観察を行った。また、エレクトロスピニング法を用いて作製した絹フィブロイン不織布についても、その形状の確認を行った。測定にはリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-7800(keyence社製)を用い、カーボンテープでサンプルを固定し、蒸着無しで測定した。加速電圧は1.1kV、working distannce(WD)は23mmであった。
<引っ張り破断強度・伸度測定>
次に、繊維の引っ張り破断強度・伸度測定を行った。繊維断面積は、走査型電子顕微鏡観察によって得られた繊維直径から算出した。測定はSHIMADZU社製 EZ Graph(最大張力5Nロードセル使用)を用い、試験速度10mm/秒で行った。サンプルのずれを防止するため、厚紙で型枠を作製し、そこにサンプルを両面接着テープで固定して測定した。また、グラフは10点測定した平均値を用いて作成した。
次に、繊維の引っ張り破断強度・伸度測定を行った。繊維断面積は、走査型電子顕微鏡観察によって得られた繊維直径から算出した。測定はSHIMADZU社製 EZ Graph(最大張力5Nロードセル使用)を用い、試験速度10mm/秒で行った。サンプルのずれを防止するため、厚紙で型枠を作製し、そこにサンプルを両面接着テープで固定して測定した。また、グラフは10点測定した平均値を用いて作成した。
これらの結果から、HFIPとHFAを用いて作製した再生絹糸の繊維物性には違いが観察された。HFIPから作製された再生絹糸は絹フィブロインと同程度の繊維強度を示すが、HFAを用いて作製した再生絹糸ではその2/3程度の強度にとどまった。これらの結果はX線散乱解析パターンの結果などから観察された、繊維配向による違いであると考えられる。また、繊維弾性に関しては、両者とも天然繊維の約半分程度にとどまる結果となった。
また、延伸倍率を変化させることにより、繊維強度には違いが現れるが、紡糸後では2倍以上に伸びる非常に弾性の高い繊維であった絹フィブロイン再生絹糸は、延伸処理を行うほど強度が増すことが分かる。これは延伸を行うことにより、繊維内にある絹フィブロイン分子が配向を誘起されることに起因している。延伸倍率による絹繊維の強度変化を図3に示す。
さらに、4倍まで延伸したHFIP再生絹糸繊維と家蚕絹フィブロイン天然繊維の破断応力は、家蚕絹フィブロイン天然繊維が400M Pa、HFIP家蚕再生絹糸が500M Paであった。この結果から、HFIP家蚕再生絹糸の強度が、家蚕絹フィブロイン天然繊維の強度を超えられることが確認された。これはLock等の報告しているHFIP再生絹糸(国際公開番号WO93/15244号参照)と同程度の力学物性であった。延伸倍率を増したことによって、配向構造がさらに推進された結果だと考えられる。
<分解性観察>
実施例1で作製した三倍延伸糸および天然絹繊維を蛋白質分解酵素溶液に浸漬し、1日、3日、5日、7日、9日とサンプリングを行い、時間経過による繊維表面の変化を観察した。酵素溶液は、水100mlに、Dulbecco's phosphate bufferd saline(PBS,大日本製薬株式会社)1タブレットを、酵素(Protease▲十四▼ SIGMA製)濃度が2.0mg/mlになるように溶解した。同時にPBS溶液をネガティブコントロールとした。走査型電子顕微鏡で観察して比較した結果の一部を図4に示す。
実施例1で作製した三倍延伸糸および天然絹繊維を蛋白質分解酵素溶液に浸漬し、1日、3日、5日、7日、9日とサンプリングを行い、時間経過による繊維表面の変化を観察した。酵素溶液は、水100mlに、Dulbecco's phosphate bufferd saline(PBS,大日本製薬株式会社)1タブレットを、酵素(Protease▲十四▼ SIGMA製)濃度が2.0mg/mlになるように溶解した。同時にPBS溶液をネガティブコントロールとした。走査型電子顕微鏡で観察して比較した結果の一部を図4に示す。
上記した観察の結果、天然絹繊維の場合には、酵素による分解が9日後の観察で僅かに認められたが、PBSに浸漬した繊維は、9日後においても、繊維の表面構造は1日目と比較して全く変化が観察されず、表面は紡糸直後の平滑な形状を保っていた。一方、酵素溶液に浸漬した本発明の三倍延伸糸の場合には、9日後には繊維表面に凹凸が発生し、酵素による分解が明らかに始まっていた。また、PBS溶液の場合には、両者で有意差は認められなかった。
本発明によれば、従来の絹縫合糸(編み糸)の問題点を解消した、強度、伸び等が天然繊維に近いだけでなく、生体内の分解性が速やかであり、しかも繊維径が任意に選択可能、薬剤付与が可能である等の特徴を有する再生絹繊維が得られる。本発明の再生絹繊維は、縫合糸、ガーゼ、人工血管などの素材作製に好適であり、近年多く用いられている、コラーゲンやポリ乳酸繊維などの生体吸収性材料に置き換わる可能性が高いので、産業上極めて有意義である。
Claims (12)
- ヘキサフロロイソプロパノール溶媒中に、絹フィブロインおよびヘマチンを含有することを特徴とする紡糸液組成物。
- 前記絹フィブロインが、精錬した家蚕絹繊維を一旦塩水溶液に溶解して塩を除去した後に、脱水・乾燥して得られる絹フィブロインである、請求項1に記載された紡糸液組成物。
- 前記紡糸液組成物中の絹フィブロインの含有量が、10〜17w/v%の範囲である、請求項1に記載された紡糸液組成物。
- 前記ヘマチンの含有量が、絹フィブロインの重量1に対し、0.03〜0.15重量部の範囲である、請求項1に記載された紡糸液組成物。
- 更に、炎症を防ぐ薬剤を含有する、請求項1に記載された紡糸液組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載された紡糸液組成物を凝固浴中で紡糸することを特徴とする再生絹繊維の製造方法。
- 前記凝固浴の溶媒がメタノールである、請求項6に記載された再生絹繊維の製造方法。
- 前記再生絹繊維を乾燥した後更に2〜4倍に延伸する、請求項6に記載された再生絹繊維の製造方法。
- 請求項1〜5に記載された何れかに記載された紡糸液組成物を、凝固浴中で紡糸及び延伸することを特徴とする再生絹繊維の製造方法。
- 請求項6〜9の何れかに記載された製造方法により得られる再生絹繊維。
- 前記再生絹繊維が手術用縫合糸である、請求項10に記載された再生絹繊維。
- 請求項9に記載された再生絹繊維の製造方法によって得られる再生弾性絹繊維。
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