JP4928297B2

JP4928297B2 - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

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Publication number: JP4928297B2
Application number: JP2007034760A
Authority: JP
Inventors: 薫江口
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 2007-02-15
Filing date: 2007-02-15
Publication date: 2012-05-09
Anticipated expiration: 2027-02-15
Also published as: JP2008197534A

Description

本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、放送用テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、銀塩写真用カメラ等に好適なものである。

近年、テレビカメラ、銀塩フィルム用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置には、高ズーム比でしかも高い光学性能を有したズームレンズが要望されている。

このうち、放送用のカラーテレビカメラ等の撮像装置では撮像手段の前方（物体側）に色分解光学系や各種のフィルターを配置するため、長いバックフォーカスを有するズームレンズであることが要望されている。

高ズーム比でバックフォーカスの長いズームレンズとして、最も物体側に正の屈折力のレンズ群を配置したポジティブリード型の４群ズームレンズが知られている。

この４群ズームレンズは、物体側から像側へ順に合焦用レンズ群を含む正の屈折力の第１レンズ群、変倍用の負の屈折力の第２レンズ群、変倍に伴う像面変動を補正するための正又は負の屈折力の第３レンズ群、結像用の正の屈折力の第４レンズ群より成っている。

このポジティプタイプの４群ズームレンズにおいて、光学系中に、回折光学素子を配置して色収差の補正を行い、高性能化を図ったズームレンズが知られている（特許文献１〜４）。

特許文献１は、第１レンズ群中に回折光学素子を用いた、ズーム比５程度のズームレンズを開示している。

特許文献２は、第１レンズ群中に回折光学素子を用いた、ズーム比２１程度のズームレンズを開示している。

特許文献３では、第２レンズ群または第３レンズ群に回折光学素子を用いて、色収差を軽減した、ズーム比１０倍程度のズームレンズを開示している。

特許文献４では、第３レンズ群に回折光学素子を用いた、ズーム比１０倍程度のズームレンズを開示している。
特開２０００−２２１４０２号公報特開２００３−２８７６７８号公報米国特許５２６８７９０号明細書特開平１１−３１１７４３号公報

ズームレンズの一部に回折光学素子を用いると、色収差の補正が容易になり、高ズーム比で高い光学性能を有したズームレンズを得るのが容易となる。

しかしながら、回折光学素子を単にレンズ系中に設けても、その位置やパワー、そして、それを含むレンズ群のレンズ構成等を適切に設定しないと色収差を良好に補正した高い光学性能のズームレンズを得ることは難しい。

例えば、前述したポジティブリード型の４群ズームレンズでは、高ズーム比になるにつれて望遠端において第１レンズ群から球面収差や色収差等の諸収差が多く発生してくる。

このため、高ズーム比化を図りつつ、高い光学性能を得るには第１レンズ群のレンズ構成を適切に設定し、望遠側において、色収差や球面収差の諸収差を良好に補正することが重要になってくる。

特に第１レンズ群のレンズ構成が適切でないと、回折光学素子を用いても、ズーミングによる収差変動、例えば、色収差、球面収差、ハロコマ収差、球面収差の色差等の変動を少なくし、高ズーム比で高性能化のズームレンズを得るのが困難となる。

本発明は、高ズーム比で、広角端から望遠端における全ズーム範囲にわたり色収差を良好に補正し、全ズーム範囲において高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。

本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、負の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群より構成され、該第１レンズ群は、少なくとも１つの回折光学素子を有しており、該回折光学素子の回折部の焦点距離をｆ_ＤＯＥ、全系の望遠端における焦点距離をｆ_Ｔ、該第１レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値をν_{Ｇ１+ａｖ}とするとき、
０．０２＜ｆ_Ｔ／ｆ_ＤＯＥ＜０．２
３０＜ν_{Ｇ１+ａｖ}＜８０
なる条件式を満足することを特徴としている。

本発明によれば、全ズーム範囲において高い光学性能を持ったズームレンズ及びそれを有する撮像装置を得られる。

以下、本発明のズームレンズ及びそれを有する撮像装置の実施例について説明する。

本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、負の屈折力の第３レンズ群、後方レンズ群を有している。

第１レンズ群はズーミングに際して固定のレンズ群である。

第１レンズ群は、少なくとも１つの回折光学素子を有している。

又第１レンズ群はフォーカスに際して固定の第１ａレンズ群と無限遠物体から至近物体へのフォーカスに際して物体側へ移動する第１ｂレンズ群を有している。

第２レンズ群は、広角端（短焦点距離端）から望遠端（長焦点距離端）へのズーミングに際して、像側へ単調に移動するレンズ群である。第３レンズ群は、物体側へ移動し、変倍に伴う像面変動を補正するレンズ群である。後方レンズ群は、ズーミングに際して固定の結像作用をする正の屈折力の第４レンズ群を有している。

図１は、本発明の実施例１のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図２、図３、図４はそれぞれ実施例１のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

実施例１は、広角端の画角が５８°、望遠端の画角が１．８°のズーム比３５のズームレンズである。

図５は、本発明の実施例２のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図６、図７、図８はそれぞれ実施例２のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

実施例２は、広角端の画角が６３．４°、望遠端の画角が１．５４°のズーム比４６のズームレンズである。

図９は、本発明の実施例３のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図１０、図１１、図１２はそれぞれ実施例３のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

実施例３は、広角端の画角が６０．２°、望遠端の画角が３．４°、ズーム比１９．５のズームレンズである。

図１３は、本発明の実施例４のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図１４、図１５、図１６はそれぞれ実施例４のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

実施例４は、広角端の画角が２０．８°、望遠端の画角が１．４°、ズーム比１５のズームレンズである。

図１７は、本発明の実施例５のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図１８、図１９、図２０はそれぞれ実施例５のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

実施例５は、広角端の画角が２０．８°、望遠端の画角が１．０６°、ズーム比２０のズームレンズである。

図２１は、従来の参考例１としてのズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図２２、図２３、図２４は、従来の参考例１のズームレンズの無限遠物体のときの広角端、中間ズーム位置、望遠端における縦収差図である。

図２５は、本発明に係る回折光学素子の説明図である。

図２６は、本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の説明図である。

図２７は、本発明に係る回折光学素子の説明図である。

図２８は、本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の説明図である。

図２９は、本発明に係る回折光学素子の説明図である。

図３０は、本発明の撮像装置の要部概略図である。

レンズ断面図において、Ｌ１はズーミングに際して固定の正の屈折力の第１レンズ群である。Ｌ２はズーミング時に可動の負の屈折力の第２レンズ群（バリエータレンズ群）である。Ｌ３はズーミング時に可動であり、変倍に伴う像面位置の変動を補正する正の屈折力の第３レンズ群（コンベンセーターレンズ群）である。

ＳＰは開口絞りであり、第３レンズ群Ｌ３の像側に配置されている。Ｌ４は結像のための後方レンズ群（リレーレンズ群）である。Ｐは色分解プリズムや光学フィルターであり、硝子ブロックとして示している。ＩＰは像面であり、固体撮像素子（光電変換素子）の撮像面に相当している。Ａは回折部である。

収差図において、ｅ、ｇ、Ｆ、Ｃは順に、ｅ線、ｇ線、Ｆ線、Ｃ線である。Ｍ、Ｓはメリディオナル像面、サジタル像面、倍率色収差はｇ線、Ｃ線、Ｆ線によってあらわしている。ｆｎｏはＦナンバー、ωは半画角である。

すべての収差図において、球面収差は０．４ｍｍ、非点収差は０．４ｍｍ、歪曲は５％、横収差は、０．０５ｍｍのスケールで描かれている。

尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用の第２レンズ群Ｌ２が機構上光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。

次に各実施例の特徴について説明する。

広角端から望遠端へのズーミングに際して、第１レンズ群Ｌ１と第４レンズ群Ｌ４は固定（不動）である。第２レンズ群Ｌ２が像側に移動することにより主な変倍を行い、第３レンズ群Ｌ３が物体側に凸状の軌跡で往復運動をすることによって変倍に伴う像点の移動を補正している。

第１レンズ群Ｌ１は、一部の屈折力のあるレンズ群を移動することにより、フォーカスを行っている。

実施例１〜３において、第１レンズ群Ｌ１は第１ａレンズ群Ｌ１ａと第１ｂレンズ群Ｌ１ｂを有している。そして、被写体距離が無限遠物体から至近物体へ移動した際に、第１ａレンズ群Ｌ１ａは不動で、第１ｂレンズ群Ｌ１ｂを物体側に繰り出すことによってフォーカス（合焦）を行う。

また実施例４、５において、第１レンズ群Ｌ１は第１ａレンズ群Ｌ１ａ、第１ｂレンズ群Ｌ１ｂ、第１ｃレンズ群Ｌ１Ｃを有している。被写体距離が無限遠物体から至近物体へ移動した際に、第１ａレンズ群Ｌ１ａと第１ｃレンズ群Ｌ１ｃは不動で、第１ｂレンズ群Ｌ１ｂを物体側に繰り出すことによってフォーカスを行う。

一般にこのような４群構成のズームレンズにおいて、望遠端の焦点距離を長くし大口径化を図ろうとすると、第１レンズ群Ｌ１の有効径が著しく増大してくる。これは軸上光線の入射高が増加するためであり、これが原因となってズーミングや合焦（フォーカス）に際して球面収差や色収差をはじめとする諸収差の発生量が増大してくる。一般にこのときの諸収差を良好に補正するために各レンズ群のレンズ枚数を増やして設計の自由度を増加させると、レンズ系全体が大型化し高重量となってくる。

そこで、各実施例では、このように軸上光線の入射高が一番高くなる第１レンズ群Ｌ１に回折光学素子を配置している。これにより、第１レンズ群Ｌ１で発生する諸収差、特に色収差を良好に補正している。さらに第１レンズ群Ｌ１で発生する色収差補正の分担を、回折光学素子の効果が大きくなるように使用している。これにより、第１レンズ群Ｌ１中の正レンズに使用する硝材に自由度が増え、低比重の硝材を選ぶことができるようにして、諸収差の補正を良好に行っている。

回折部が設けられている第１レンズ群Ｌ１のレンズ構成は次のとおりである。

図１の実施例１において第１ａレンズ群Ｌ１ａは、負レンズと正レンズより成り、該負レンズの像側の面に回折部が形成されている。第１ｂレンズ群Ｌ１ｂは３つの正レンズより成っている。

図５の実施例２において、第１ａレンズ群Ｌ１ａは、負レンズと正レンズより成っている。第１ｂレンズ群Ｌ１ｂは３つの正レンズよりなっている。

このうち物体側から第１番目の正レンズの像側の面に回折部が形成されている。

図９の実施例３において、第１ａレンズ群Ｌ１ａは、負レンズと正レンズの接合レンズより成っている。第１ｂレンズ群Ｌ１ｂは２つの正レンズより成っている。

図１３の実施例４において、第１ａレンズ群Ｌ１ａは、正レンズ、負レンズと正レンズの接合レンズより成っている。第１ｂレンズ群Ｌ１ｂは２つの正レンズより成っている。第１ｃレンズ群Ｌ１ｃは、１つの負レンズより成り、該負レンズの物体側の面に回折部が形成されている。

図１７の実施例５において、第１ａレンズ群Ｌ１ａは、正レンズ、負レンズと正レンズの接合レンズより成っている。第１ｂレンズ群Ｌ１ｂは正レンズ、正レンズと負レンズの接合レンズより成っている。物体側の正レンズの物体側の面に回折部が形成されている。第１ｃレンズ群Ｌ１ｃは、正レンズと負レンズの接合レンズより成っている。

各実施例において、回折光学素子の回折部の焦点距離をｆ_ＤＯＥとする。全系の望遠端における焦点距離をｆ_Ｔとする。第１レンズ群Ｌ１に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値をν_{Ｇ１+ａｖ}とする。このとき、
０．０２＜ｆ_Ｔ／ｆ_ＤＯＥ＜０．２・・・（１）
３０＜ν_{Ｇ１+ａｖ}＜８０・・・（２）
なる条件式を満足している。

尚、各実施例において回折部とは、基板（平板又はレンズ）上に設けた１以上の回折格子をいう。又回折光学素子とは１以上の回折格子より成る回折部を基板（平板又はレンズ）上に設けた素子をいう。

又回折部の屈折力（パワー＝焦点距離の逆数）φＤは次の如く求められる。

回折部の回折格子の形状を、基準波長（ｅ線）をλ_０、光軸からの距離をＨ、位相をφ（Ｈ）とし、
φ（Ｈ）＝（２π・ｍ／λ_０）・（Ｃ_２・Ｈ^２＋Ｃ_４・Ｈ^４＋・・Ｃ_２ｉ・Ｈ^２ｉ）
・・・（ａ）
なる式で表したとき、２次項の係数Ｃ_２より、屈折力φＤは、
φＤ＝−２・Ｃ_２
となる。

即ち、
ｆ_ＤＯＥ＝−１／（２・Ｃ_２）
で表される。

条件式（１）は、前述した４群構成のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正と光学系全体の大きさとをバランス良く保つためのものである。

条件式（１）の上限値を超えると回折部のパワーが強くなりすぎて、色収差が補正過剰となってしまう。一方条件式（１）の下限値を超えてしまうと回折部のパワーが弱くなりすぎるため、望遠端において色収差を回折部だけでは補正することが難しくなる。このため、色収差の補正に蛍石などの異常分散性の高い硝材が必要となってしまうので良くない。

各実施例において、更なる光学性能の向上のためには条件式（１）の数値範囲を次のようにすることが好ましい。

０．０２＜ｆ_Ｔ／ｆ_ＤＯＥ＜０．１５・・・（１ａ）
また、更なる光学性能の向上のためには条件式（１ａ）の数値範囲は次のようにすることが好ましい。

０．０２＜ｆ_Ｔ／ｆ_ＤＯＥ＜０．１・・・（１ｂ）
条件式（２）は、第１レンズ群Ｌ１中の正レンズの材料のアッベ数の平均値に関する。

条件式（２）の上限値を超えてしまうと、異常分散性の高い硝材を使用することになるため、比重が大きい硝材が必要となり、重量が増加してしまう。またこれらの硝材は一般的に屈折率が低い硝材であるので、球面収差の補正が難しくなる。

一方条件式（２）の下限値を超えてしまうと、高分散材料ばかりを使用することになるため、回折部で補正可能な色収差のバランスを維持することが難しくなってしまう。よって回折部を色収差の補正に有効に使用することが難しくなる。

また、更なる光学性能の向上のためには条件式（２）の数値範囲は次のようにすることが好ましい。

４０＜ν_{Ｇ１+ａｖ}＜７１・・・（２ａ）
また、更なる光学性能の向上のためには条件式（２ａ）の数値範囲は次のようにすることが好ましい。

５０＜ν_{Ｇ１+ａｖ}＜７１・・・（２ｂ）
各実施例によれば、以上のように各構成要件を特定することによって、高ズーム比でありながら全ズーム域に渡って色収差の補正が良好で高画質の画像が得られる。

特に、第１レンズ群Ｌ１に回折光学素子を用いることで良好な光学性能を維持すること、ズーミング時に発生する軸上色収差の変動を効果的に補正することができる。

また条件式（１）および（２）を満足することにより、ズーミング時に発生する色収差の補正を回折光学素子が効果的に担っている。これにより、蛍石等の異常分散性硝材を使用することなく良好な光学特性を維持し、低比重硝材の使用やレンズ枚数を削減することができて全体を軽量にすることが容易になる。

各実施例のズームレンズにおいて、更に高ズーム比で良好なる光学性能を得るためには、以下の条件式を満足するのがより好ましい。これによれば、条件式に対応した効果が得られる。

第１レンズ群Ｌ１の焦点距離をｆ_１とする。このとき、
０．１＜ｆ_１／ｆ_Ｔ＜０．５・・・（３）
なる条件式を満足することである。

第１レンズ群Ｌ１は望遠端側での収差変動に大きく影響する。このため、条件式（３）の下限値を超えて第１レンズ群Ｌ１の屈折力が強くなりすぎると、全長の短縮には有利となるが、望遠端において球面収差や色収差が悪化してくる。逆に上限値を超えると高ズーム比を確保するのに必要な第２レンズ群Ｌ２の移動量が大きくなりすぎて全系の小型化が困難になる。

また更に望ましくは条件式（３）の数値範囲を
０．１５＜ｆ_１／ｆ_Ｔ＜０．４５・・・（３ａ）
とすることで、更なる全系の小型化と高性能化が容易になる。

第３レンズ群Ｌ３と後方レンズ群Ｌ４との間には開口絞りＳＰが設けられている。

これは、開口絞りＳＰを大きな変倍作用を行うレンズ群よりも像側に置くことにより、射出瞳位置がズーミングによらず、常に遠くの一定の位置に保つことが容易となる。

故に、例えば撮像部に、３板プリズムに代表される色分解系や、撮像素子に入射角度によって特性が変化するＣＣＤやＣＭＯＳを用いるカラーカメラ等に用いる場合に、カラーシェーディングによる画質の劣化が起こりにくくなる。

回折部には、それ自体に非球面の効果を持たせても良い。各実施例の回折部の位相の式（ａ）において、光軸からの距離ｈの４乗の項の係数Ｃ４以降の高次の項に値を持たせることによって、これがなされる。

これにより、上記で述べた、色収差以外の非球面効果に加え、回折格子による非球面効果は、波長により異なるため、特に望遠側において、球面収差の色差変動を補正することが容易になる。

ここで、各実施例のズームレンズで用いた回折光学素子の構成について説明する。

第１レンズ群Ｌ１中に配置される回折光学素子を構成する回折部は、光軸に対して回転対称な回折格子より成っている。

図２５は回折光学素子１の回折部の一部拡大断面図であり、基板（透明基板）２上に１つの層よりなる回折格子（回折部）３を設けている。図２６は、この回折光学素子１の回折効率の特性を示す図である。図２６において横軸は波長を表し、縦軸は回折効率を表している。なお、回折効率は全透過光束に対する回折光の光量の割合であり、格子境界面での反射光などは説明が複雑になるのでここでは考慮していない。

回折格子３の光学材料は、紫外線硬化樹脂（屈折率ｎd＝１．５１３、アッベ数νd＝５１．０）を用い、格子厚ｄ１を１．０３μｍと設定し、波長５３０ｎｍ、＋１次の回折光の回折効率が最も高くなるようにしている。すなわち設計次数が＋１次で、設計波長が波長５３０ｎｍである。図２６中において＋１次の回折光の回折効率は実線で示している。

さらに、図２６では設計次数近傍の回折次数（＋１次±１次である０次と＋２次）の回折効率も併記している。図から分かるように、設計次数での回折効率は設計波長近傍で最も高くなり、それ以外の波長では徐々に低くなる。

この設計次数での回折効率の低下分が他の次数の回折光となり、フレアの要因となる。また、回折光学素子を光学系中の複数箇所に使用した場合には、設計波長以外の波長での回折効率の低下は透過率の低下にもつながることになる。

次に、異なる材料よりなる複数の回折格子を積層した積層型の回折光学素子について説明する。図２７は積層型の回折光学素子の一部拡大断面図であり、図２８は図２７に示す回折光学素子の＋１次の回折光の回折効率の波長依存性を表す図である。図２７の回折光学素子では、基板１０２上に紫外線硬化樹脂（屈折率ｎｄ＝１．４９９、アッベ数νｄ＝５４）からなる第１の回折格子１０４を形成している。更にその上に第２の回折格子１０５（屈折率ｎｄ＝１．５９８、アッベ数νｄ＝２８）を形成している。この材料の組み合わせにおいて、第１の回折格子１０４の格子厚ｄ１はｄ１＝１３．８μｍ、第２の回折格子１０５の格子厚ｄ２はｄ２＝１０．５μｍとしている。

図２８からも分かるように、積層構造の回折格子を備えた回折光学素子にすることで、設計次数の回折光において使用波長全域（ここでは可視域）で９５％以上という高い回折効率を得ている。

なお、前述の積層構造の回折光学素子としては、回折格子を構成する材料を紫外線硬化樹脂に限定するものではなく、他のプラスチック材等も使用できるし、基材によっては第１の層を直接基材に形成しても良い。また各格子厚が必ずしも異なる必要はなく、図２９のように材料の組み合わせによっては２つの層１０４と１０５の格子厚を等しくしても良い。この場合は表面に格子形状が形成されないことになるので、防塵性に優れ、回折光学素子の組立作業性を向上させることができる。更には２つの回折格子１０４と１０５を必ずしも密着させる必要はなく、空気層を隔てて２つの回折格子の層を配置しても良い。

回折部は光学面の上に施されているが、そのベースは球面又は平面又は非球面でも良い。また、それらの光学面にプラスチックなどの膜を回折部（回折面）として添付する方法である所謂レプリカ非球面で作成しても良い。

回折部は大きな異常分散性を有することから、このように第１レンズ群Ｌ１の面に回折部を設けることで、望遠側における軸上色収差、倍率色収差の補正を効果的に行うことが出来る。

回折格子の形状は、その２ｉ次項の位相係数をＣ_２ｉとした時、光軸からの距離Ｈにおける位相φ（Ｈ）は前述した式（ａ）のように次式で表される。ただしｍは回折次数、λ_０は基準波長である。

一般に、屈折光学系のアッベ数（分散値）νｄは、ｄ、Ｃ、Ｆ線の各波長における屈折力をＮｄ、ＮＣ、ＮＦとした時、次式で表される。

νｄ＝（Ｎｄ−１）／（ＮＦ−ＮＣ）＞０・・・（５）
一方、回折部のアッベ数νｄはｄ、Ｃ、Ｆ線の各波長をλｄ、λＣ、λＦとした時、
νｄ＝λｄ／（λＦ−λＣ）・・・（６）
と表され、νｄ＝−３．４５となる。

これにより、任意波長における分散性は、屈折光学系と逆作用を有することを示している。

また、回折部の基準波長における近軸的な一時回折光（ｍ＝１）の屈折力φは、回折部の位相を表す前式（ａ）から２次項の係数をＣ２とした時、φ= −２・Ｃ_２と表される。

さらに、任意波長をλ、基準波長をλ_０とした時、任意波長の基準波長に対する屈折力変化は、次式となる。

φ’＝（λ／λ_０）×（−２・Ｃ_２）・・・（７）
これにより、回折部の特徴として、前式（ａ）の位相係数Ｃ２を変化させることにより、弱い近軸屈折力変化で大きな分散性が得られることが理解できる。
これは色収差以外の諸収差に大きな影響を与えることなく、色収差の補正を行うことを意味している。

また位相係数Ｃ_４以降の高次数の係数については、回折部の光線入射高の変化に対する屈折力変化は非球面と類似した効果を得ることができる。それと同時に、光線入射高の変化に応じて基準波長に対し任意波長の屈折力変化を与えることができる。このため、倍率色収差の補正に有効である。

図２１は本発明の実施例１のズームタイプと同じで、回折光学素子を有しない従来のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。

図２２、図２３、図２４は従来のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。

図２２〜図２４の収差図と、実施例１の図２〜図４の収差図と比較する。望遠端における軸上色収差が回折光学素子を色収差補正に用いた実施例１の方が、蛍石等の異常分散性硝材を使用していないにもかかわらず、同等またはそれ以上に改善されていることがわかる。

以下に本発明の数値実施例１〜５を示す。各数値実施例において、ｉは物体側からの面の順序を示し、Ｒｉは物体側より第ｉ番目の面の曲率半径、Ｄｉは物体側より第ｉ番目と第ｉ＋１番目の間隔、Ｎｉとνｉは第ｉ番目の光学部材の屈折率とアッベ数である。ｆ、ｆｎｏ、２ωはそれぞれ無限遠物体に焦点を合わせたときの全系の焦点距離、Ｆナンバー、画角を表している。

最後の３つの面は、フィルター等のガラスブロックである。

非球面形状は光軸方向にＸ軸、光軸と垂直方向にＨ軸、光の進行方向を正、Ｒを近軸曲率半径、ｋを離心率、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅを各々非球面係数としたとき、

なる式で表している。

回折部（回折面）は前述（ａ）式の位相関数の位相係数を与えることで表している。

そして、前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表６に示す。
(数値実施例１)
f = 10.0 〜 350.0 fno = 2.0 〜 3.8 2ω = 57.6°〜 1.8°
r1= 1464.477 d1= 5.45 n1= 1.84666 ν1= 23.78
回折光学素子 r2= 238.976 d2= 4.84
r3= 510.756 d3= 7.29 n2= 1.48749 ν2= 70.23
r4= -841.863 d4= 9.50
r5= 214.098 d5= 10.64 n3= 1.51633 ν3= 64.14
r6= -429.990 d6= 0.25
r7= 146.162 d7= 8.38 n4= 1.51633 ν4= 64.14
r8= 499.284 d8= 0.25
r9= 81.255 d9= 8.04 n5= 1.57099 ν5= 50.80
r10= 104.145 d10= (可変)
非球面 r11= 137.067 d11= 1.30 n6= 1.81600 ν6= 46.62
r12= 16.216 d12= 6.87
r13= -60.616 d13= 6.58 n7= 1.80518 ν7= 25.42
r14= -18.000 d14= 1.10 n8= 1.81600 ν8= 46.62
r15= -331.167 d15= 0.25
非球面 r16= 193.362 d16= 7.73 n9= 1.66998 ν9= 39.30
r17= -27.677 d17= 3.31 n10= 1.88300 ν10= 40.76
r18= -109.202 d18= (可変)
r19= -45.102 d19= 2.82 n11= 1.79952 ν11= 42.22
r20= 111.214 d20= 3.73 n12= 1.92286 ν12= 18.90
r21= -506.063 d21= (可変)
r22= 0.000 d22= 1.32
r23= 253.440 d23= 6.00 n13= 1.51633 ν13= 64.14
r24= -48.158 d24= 0.20
r25= 128.686 d25= 3.91 n14= 1.51823 ν14= 58.90
r26= -109.638 d26= 0.20
r27= 43.959 d27= 9.30 n15= 1.51633 ν15= 64.14
r28= -59.382 d28= 1.85 n16= 1.88300 ν16= 40.76
r29= 77.789 d29= 43.65
r30= 86.878 d30= 5.87 n17= 1.51823 ν17= 58.90
r31= -63.675 d31= 0.62
r32= 170.425 d32= 1.65 n18= 1.79952 ν18= 42.22
r33= 24.626 d33= 6.72 n19= 1.51823 ν19= 58.90
r34= 438.673 d34= 0.82
r35= 30.405 d35= 8.03 n20= 1.51633 ν20= 64.14
r36= -75.712 d36= 1.33 n21= 1.78590 ν21= 44.20
r37= 94.992 d37= 2.41
r38= 653.143 d38= 1.76 n22= 1.51823 ν22= 58.90
r39= -472.700 d39= 5.16
r40= ∞ d40= 37.50 n23= 1.60342 ν23= 38.03
r41= ∞ d41= 20.25 n24= 1.51633 ν24= 64.14
r42= ∞

非球面係数
11面 K= 12.86298 A= 0 B= -4.32030×10^-6
C= -1.69771×10^-8 D= 6.49100×10^-11 E= -1.31100×10^-18
16面 K= -3.76277 A= 0 B= 1.162499×10^-5
C= 3.89743×10^-8 D= -9.43000×10^-11 E= 3.74400×10^-18
位相係数
2面 C₂= -4.18426×10^-5 C₄= 8.353765×10^-10
C₆= -1.06146×10^-13C₈= 0

(数値実施例２)
f = 8.9 〜 410.0 fno = 2.0 〜 3.8 2ω = 63.4°〜 1.54°
r1= 596.741 d1= 6.17 n1= 1.83400 ν1= 37.16
r2= 139.043 d2= 1.42
r3= 141.047 d3= 17.00 n2= 1.48749 ν2= 70.23
r4= -1035.398 d4= 12.37
r5= 190.258 d5= 9.00 n3= 1.48749 ν3= 70.23
回折光学素子 r6= 724.127 d6= 0.12
r7= 171.110 d7= 9.00 n4= 1.48749 ν4= 70.23
r8= 498.733 d8= 0.12
r9= 168.400 d9= 10.00 n5= 1.51633 ν5= 64.14
r10= 1401.582 d10= (可変)
非球面 r11= -353.976 d11= 1.80 n6= 1.88300 ν6= 40.76
r12= 27.239 d12= 8.50
r13= -67.583 d13= 5.42 n7= 1.92286 ν7= 21.29
r14= -27.160 d14= 1.50 n8= 1.80400 ν8= 46.57
r15= 100.543 d15= 0.12
r16= 47.753 d16= 5.61 n9= 1.72342 ν9= 37.95
r17= -228.222 d17= 1.50 n10= 1.88300 ν10= 40.76
r18= 188.878 d18= (可変)
r19= -43.394 d19= 5.98 n11= 1.84666 ν11= 23.78
r20= -28.784 d20= 1.50 n12= 1.72916 ν12= 54.68
r21= -137.232 d21= 1.32
r22= -64.459 d22= 1.60 n13= 1.72916 ν13= 54.68
r23= -642.122 d23= (可変)
r24= (絞り) d24= 1.99
r25= 4587.238 d25= 4.72 n14= 1.60300 ν14= 65.44
r26= -65.557 d26= 0.12
r27= 99.677 d27= 8.19 n15= 1.48749 ν15= 70.23
r28= -71.758 d28= 0.66
r29= 145.422 d29= 4.04 n16= 1.69680 ν16= 55.53
r30= -186.666 d30= 2.00
r31= 82.169 d31= 5.97 n17= 1.48749 ν17= 70.23
r32= -61.421 d32= 1.85 n18= 1.80518 ν18= 25.42
r33= -400.086 d33= 4.83
r34= -87.259 d34= 1.65 n19= 1.88300 ν19= 40.76
r35= 192.396 d35= 41.52
r36= 82.172 d36= 3.98 n20= 1.75500 ν20= 52.32
r37= -144.276 d37= 0.78
r38= 49.793 d38= 6.29 n21= 1.84666 ν21= 23.78
r39= -76.111 d39= 1.45 n22= 1.80610 ν22= 33.27
r40= 23.771 d40= 1.50
r41= 31.332 d41= 10.67 n23= 1.48749 ν23= 70.23
r42= -28.121 d42= 1.72 n24= 1.80610 ν24= 33.27
r43= 99.045 d43= 1.11
r44= 113.940 d44= 7.04 n25= 1.48749 ν25= 70.23
r45= -33.773 d45= 0.50
r46= ∞ d46= 33.00 n26= 1.61340 ν26= 44.30
r47= ∞ d47= 13.20 n27= 1.51633 ν27= 64.14
r48= ∞

非球面係数
11面 K= -1.05555×10^-5 A= 0 B= 6.47916×10^-7
C= 0 D= 0 E= 0
位相係数
6面 C₂= -3.04767×10^-5 C₄= 6.56060×10^-11
C₆= -4.19036×10^-14 C₈= 0

(数値実施例３)
f = 9.5 〜 185.3 fno = 1.85 〜 2.85 2ω = 60.2°〜 3.4°
r1= 567.528 d1= 3.60 n1= 1.80518 ν1= 25.42
r2= 96.245 d2= 10.78 n2= 1.51633 ν2= 64.14
r3= -518.076 d3= 7.12
r4= 132.845 d4= 6.84 n3= 1.61800 ν3= 63.33
回折光学素子 r5= -482.834 d5= 0.05
r6= 58.604 d6= 6.56 n4= 1.69350 ν4= 50.80
r7= 150.000 d7= (可変)
r8= -1003.352 d8= 1.25 n5= 1.88300 ν5= 40.76
r9= 18.776 d9= 4.87
r10= -61.579 d10= 1.00 n6= 1.81600 ν6= 46.62
r11= 32.913 d11= 1.99
r12= 28.829 d12= 5.64 n7= 1.80518 ν7= 25.42
r13= -34.163 d13= 1.31 n8= 1.78800 ν8= 47.37
r14= 76.628 d14= (可変)
r15= -28.304 d15= 1.05 n9= 1.74320 ν9= 49.34
r16= 34.514 d16= 3.65 n10= 1.80810 ν10= 22.76
r17= 1305.509 d17= (可変)
r18= (絞り) d18= 1.73
r19= -454.502 d19= 3.65 n11= 1.72342 ν11= 37.95
r20= -51.478 d20= 0.18
r21= 154.116 d21= 3.66 n12= 1.52249 ν12= 59.84
r22= -63.366 d22= 0.40
r23= 36.390 d23= 8.07 n13= 1.48749 ν13= 70.23
r24= -34.524 d24= 1.62 n14= 1.83400 ν14= 37.16
r25= 186.891 d25= 21.94
r26= 97.137 d26= 5.83 n15= 1.51823 ν15= 58.90
r27= -43.827 d27= 0.23
r28= 70.596 d28= 1.50 n16= 1.83400 ν16= 37.16
r29= 21.654 d29= 7.16 n17= 1.51823 ν17= 58.90
r30= 477.952 d30= 0.20
r31= 67.728 d31= 7.59 n18= 1.51633 ν18= 64.14
r32= -23.556 d32= 1.30 n19= 1.80400 ν19= 46.57
r33= 74.724 d33= 0.31
r34= 38.089 d34= 6.92 n20= 1.51823 ν20= 58.90
r35= -53.056 d35= 5.00
r36= ∞ d36= 30.00 n21= 1.60342 ν21= 38.03
r37= ∞ d37= 16.20 n22= 1.51633 ν22= 64.14
r38= ∞

位相係数
5面 C₂= -5.83943×10^-5 C₄= 3.74402×10^-9
C₆= 0 C₈= 0

(数値実施例４)
f = 30 〜 450 fno = 2.8 〜 5.0 2ω = 20.8°〜 1.4°
r1= 113.637 d1= 11.25 n1= 1.51633 ν1= 64.14
r2= 417.586 d2= 0.15
r3= 131.046 d3= 4.00 n2= 1.74950 ν2= 35.33
r4= 82.652 d4= 16.98 n3= 1.48749 ν3= 70.23
r5= 1035.600 d5= 10.00
r6= 93.683 d6= 8.10 n4= 1.48749 ν4= 70.23
r7= 364.092 d7= 0.42
r8= 145.631 d8= 8.53 n5= 1.84666 ν5= 23.78
r9= 184.518 d9= 9.50
回折光学素子 r10= -64320.670 d10= 4.05 n6= 1.92286 ν6= 21.29
r11= 200.083 d11= (可変)
r12= 34.442 d12= 1.00 n7= 1.88300 ν7= 40.76
r13= 19.562 d13= 3.19
r14= -749.572 d14= 4.59 n8= 1.84666 ν8= 23.78
r15= -17.733 d15= 0.90 n9= 1.88300 ν9= 40.76
r16= 55.535 d16= 0.17
r17= 24.438 d17= 4.48 n10= 1.84666 ν10= 23.78
r18= 27.988 d18= 8.11
r19= -25.168 d19= 0.90 n11= 1.88300 ν11= 40.76
r20= -51.712 d20= (可変)
r21= -41.860 d21= 0.90 n12= 1.71700 ν12= 47.92
r22= 77.672 d22= 1.86 n13= 1.84666 ν13= 23.78
r23= -2875.064 d23= (可変)
r24= (絞り) d24= 0.74
r25= 71.450 d25= 4.95 n14= 1.60311 ν14= 60.64
r26= -46.436 d26= 0.15
r27= 98.053 d27= 5.46 n15= 1.62041 ν15= 60.29
r28= -888.571 d28= 0.15
r29= 60.279 d29= 7.24 n16= 1.48749 ν16= 70.23
r30= -39.608 d30= 1.00 n17= 1.80100 ν17= 34.97
r31= -266.405 d31= 9.14
r32= -41.886 d32= 1.00 n18= 1.75520 ν18= 27.51
r33= -143.407 d33= 38.00
r34= 180.865 d34= 3.08 n19= 1.48749 ν19= 70.23
r35= -35.735 d35= 2.65
r36= 47.355 d36= 5.13 n20= 1.48749 ν20= 70.23
r37= -27.941 d37= 0.80 n21= 1.88300 ν21= 40.76
r38= -859.131 d38= 2.50
r39= -76.546 d39= 0.80 n22= 1.83481 ν22= 42.72
r40= 34.012 d40= 2.04 n23= 1.48749 ν23= 70.23
r41= 57.738 d41= 1.50
r42= 42.009 d42= 6.12 n24= 1.69895 ν24= 30.13
r43= -28.285 d43= 1.00 n25= 1.80610 ν25= 40.92
r44= -50.808 d44= 5.00
r45= ∞ d45= 33.00 n26= 1.60859 ν26= 46.44
r46= ∞ d46= 13.20 n27= 1.51680 ν27= 64.17
r47= ∞ d47=

位相係数
10面 C₂= -9.22558×10^-5 C₄= 9.88283×10^-9
C₆= -3.21136×10^-12 C₈= 0

(数値実施例５)
f = 30 〜 600 fno = 2.8 〜 5.0 2ω = 20.8°〜 1.06°
r1= 129.531 d1= 12.04 n1= 1.48749 ν1= 70.23
r2= 199.653 d2= 0.15
r3= 135.666 d3= 4.00 n2= 1.84666 ν2= 23.78
r4= 95.801 d4= 21.13 n3= 1.48749 ν3= 70.23
r5= 4674.080 d5= 10.00
回折光学素子 r6= 132.315 d6= 9.38 n4= 1.48749 ν4= 70.23
r7= 379.593 d7= 0.42
r8= 82.832 d8= 16.81 n5= 1.48749 ν5= 70.23
r9= 1636.317 d9= 2.43 n6= 1.72047 ν6= 34.70
r10= 339.484 d10= 7.77
r11= 5178.571 d11= 4.74 n7= 1.92286 ν7= 21.29
r12= -245.720 d12= 2.20 n8= 1.72047 ν8= 34.70
r13= 171.961 d13= (可変)
非球面 r14= 25.345 d14= 1.50 n9= 1.88300 ν9= 40.76
r15= 14.543 d15= 5.50
r16= -125.389 d16= 4.16 n10= 1.92286 ν10= 21.29
r17= -20.114 d17= 0.90 n11= 1.88300 ν11= 40.76
r18= 45.415 d18= 0.17
r19= 23.054 d19= 3.96 n12= 1.92286 ν12= 21.29
r20= 31.043 d20= 4.27
r21= -21.550 d21= 1.20 n13= 1.88300 ν13= 40.76
r22= -50.342 d22= (可変)
r23= -43.932 d23= 1.50 n14= 1.71700 ν14= 47.92
r24= 61.947 d24= 2.32 n15= 1.84666 ν15= 23.78
r25= 528.648 d25= (可変)
r26= (絞り) d26= 0.74
r27= 82.201 d27= 5.90 n16= 1.60311 ν16= 60.64
r28= -49.990 d28= 0.15
r29= 70.827 d29= 5.09 n17= 1.62041 ν17= 60.29
r30= -147.728 d30= 0.15
r31= 49.683 d31= 6.99 n18= 1.48749 ν18= 70.23
r32= -47.260 d32= 1.30 n19= 1.80100 ν19= 34.97
r33= 245.471 d33= 8.70
r34= -56.437 d34= 1.20 n20= 1.75520 ν20= 27.51
r35= -490.165 d35= 38.00
r36= 180.865 d36= 4.28 n21= 1.48749 ν21= 70.23
r37= -35.735 d37= 2.00
r38= 47.355 d38= 5.01 n22= 1.48749 ν22= 70.23
r39= -27.941 d39= 1.00 n23= 1.88300 ν23= 40.76
r40= -859.131 d40= 2.50
r41= -76.546 d41= 1.00 n23= 1.83481 ν23= 42.72
r42= 34.012 d42= 2.04 n24= 1.48749 ν24= 70.23
r43= 57.738 d43= 1.50
r44= 42.009 d44= 4.54 n25= 1.69895 ν25= 30.13
r45= -28.285 d45= 1.00 n26= 1.80610 ν26= 40.92
r46= -72.551 d46= 5.00
r47= ∞ d47= 33.00 n27= 1.60859 ν27= 46.44
r48= ∞ d48= 13.20 n28= 1.51680 ν28= 64.17
r49= ∞

非球面係数
14面 K= 5.97571×10^-7 A= 0 B= 7.60584×10^-8
C= 6.08753×10^-12 D= 0 E= 0
位相係数
6面 C₂= -4.33312×10^-5 C₄= -5.63727×10^-10
C₆= -1.35271×10^-13 C₈= 0

次に数値実施例１〜５のズームレンズを撮影光学系として用いた撮影装置（テレビカメラシステム）の実施形態を図３０を用いて説明する。

図３０において、２０６はズームレンズを含む撮影装置本体、２０１は数値実施例１〜５のズームレンズによって構成された撮影光学系、２０２はフィルターや色分解プリズムに相当するガラスブロックを表している。

また２０３は撮影光学系２０１によって形成される被写体像を受光するＣＣＤなどの固体撮像素子、２０４、２０５は撮影装置本体２０６およびズームレンズ２０１の制御を司るＣＰＵである。

このように数値実施例１〜５のズームレンズをテレビカメラ等に適用することにより、高い光学性能を有する撮影装置を実現することができる。

数値実施例１の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図数値実施例１の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図数値実施例１の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図数値実施例１の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図数値実施例２の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図数値実施例２の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図数値実施例２の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図数値実施例２の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図数値実施例３の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図数値実施例３の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図数値実施例３の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図数値実施例３の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図数値実施例４の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図数値実施例４の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図数値実施例４の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図数値実施例４の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図数値実施例５の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図数値実施例５の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図数値実施例５の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図数値実施例５の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図参考例１の物体距離無限遠時の広角端におけるレンズ断面図参考例１の物体距離無限遠時、広角端における縦収差図参考例１の物体距離無限遠時、中間のズーム位置における縦収差図参考例１の物体距離無限遠時、望遠端における縦収差図単層構造の回折光学素子の断面図単層構造の回折光学素子の回折効率の説明図積層構造の回折光学素子の断面図構造の回折光学素子の回折効率の説明図構造の回折光学素子の断面図本発明の撮像装置の説明図

符号の説明

Ｌ１第１レンズ群
Ｌ２第２レンズ群
Ｌ３第３レンズ群
Ｌ４第４レンズ群
ＳＰ開口絞り
Ｐ色分解プリズムや光学フィルター
ＩＰ像面
Ｓサジタル像面
Ｍメリディオナル像面
ｇｇ線
ｅｅ線
ＦＦ線
ＣＣ線
ω 半画角

Claims

物体側から像側へ順に、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、負の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群より構成され、該第１レンズ群は、少なくとも１つの回折光学素子を有しており、該回折光学素子の回折部の焦点距離をｆ_ＤＯＥ、全系の望遠端における焦点距離をｆ_Ｔ、該第１レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値をν_{Ｇ１+ａｖ}とするとき、
０．０２＜ｆ_Ｔ／ｆ_ＤＯＥ＜０．２
３０＜ν_{Ｇ１+ａｖ}＜８０
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
前記第１レンズ群は、ズーミングに際して固定のレンズ群であり、前記第２レンズ群は、広角端から望遠端へのズーミングに際して、像側へ単調に移動するレンズ群であり、前記第３レンズ群は、物体側へ移動し、変倍に伴う像面変動を補正するレンズ群であることを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。
前記第３レンズ群と前記第４レンズ群との間には開口絞りが設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記載のズームレンズ。
前記第１レンズ群はフォーカスに際して固定の第１ａレンズ群と無限遠物体から至近物体へのフォーカスに際して物体側へ移動する第１ｂレンズ群を有することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載のズームレンズ。
前記第１レンズ群の焦点距離をｆ_１とするとき、
０．１＜ｆ_１／ｆ_Ｔ＜０．５
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載のズームレンズ。
請求項１乃至５のいずれか１項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された像を受光する固体撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。