JP4906402B2 - セメント混和剤 - Google Patents
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Description
このようなセメント混和剤においては、セメント組成物に対する減水性能に加えて、セメント組成物を取り扱う現場において作業しやすくなるように、その流動性を良好にすることができるものが求められている。すなわち減水剤として用いられるセメント混和剤は、セメント組成物の流動性を向上させることによる減水性能を発揮することになるが、このような性能を発揮すると共に、それを取り扱う現場において作業しやすくなるような流動性とすることができるものが土木・建築構造物等の製造現場において求められている。セメント混和剤がこのような性能を発揮すると、土木・建築構造物等の構築における作業効率等が改善されることとなる。
しかしながら、セメント組成物等に用いる場合、減水性があるだけでは不充分である。つまり、1)製造現場においてコンクリート等の流動性の保持性を向上させ、2)コンクリート等の状態がより作業しやすい状態となるようにすることにより、土木・建築構造物等の構築現場における作業効率等をさらに改善する等、改良の余地があった。
以下に本発明を詳述する。
上記セメント混和剤の好ましい形態としては、(1)重合体(I)と付加物(II)と化合物(III)とを組み合わせた形態、(2)多価アルコールアルキレンオキシド付加物単量体及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体を共重合してなるポリカルボン酸系重合体(以下、重合体(Ia)ともいう。)と付加物(II)と化合物(III)を組み合わせた形態、(3)多価アルコールアルキレンオキシド付加物単量体及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体を共重合してなるポリカルボン酸系重合体(重合体(Ia))とそれ以外のポリカルボン酸系重合体(以下、重合体(Ib)ともいう。)と化合物(III)を組み合わせた形態等である。これらの中でも、(1)の形態がより好ましい。
なお、多価アルコールアルキレンオキシド付加物単量体とは、多価アルコールアルキレンオキシド付加物のうち重合性不飽和二重結合を有するものであり、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体とは、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物のうち重合性不飽和二重結合を有するものである。
上記範囲とすることにより、セメント混和剤が、ポリカルボン酸系共重合体に加えて、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物と、スルホン酸系化合物とを更に含有して構成されるものとすることができ、本発明の作用効果を充分に発揮できることとなる。具体的には、ポリカルボン酸系共重合体(重合体(I))が99質量%含まれる場合には、残りの1質量%に多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(付加物(II))とスルホン酸系化合物(化合物(III))とが含まれていればよい。このように、付加物(II)と化合物(III)を重合体(I)に加えて更に含有することにより、従来の2成分系のセメント混和剤では充分には達成することができなかった種々の性能を発揮し、分散性及び経時保持性を優れ、作業しやすい流動性で、ブリージングを充分に低減できるセメント混和剤を得ることができる。
上記ポリカルボン酸系共重合体の含有量としてより好ましくは、5質量%以上含有することである。5質量%未満であると、分散性や減水性が著しく低下し、所望の流動性が得られなくなる。更に好ましくは10質量%以上であり、特に好ましくは15質量%以上であり、最も好ましくは20質量%以上である。
本発明のセメント混和剤が、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物と、スルホン酸系化合物とをそれぞれ5質量%以上含有して構成される場合、ブリージング抑制効果がより優れたものとすることができ、特に、水含有量が多い安価なコンクリートにおいても、充分に優れた効果を発揮することができることから、経済的に優れたコンクリートとすることができる。
(固形分測定方法)
1.アルミ皿を精秤する。
2.1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3.窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4.1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5.15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6.5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
1.固形分を20質量%に調整したセメント混和剤水溶液に20質量%のパラトルエンスルホン酸水溶液を加えてpH2.0に調整する。
2.1で調整した混合物を85℃に調温して1時間静置する。
3.混合物が2層に分離していることを確認して、上澄みと沈殿とに分離する。
4.上澄みを濃縮し、液体クロマトグラフィーによりパラトルエンスルホン酸量を定量し、パラトルエンスルホン酸量を差し引き、付加物(II)の質量を得る。得られた付加物(II)の質量を1で用いたセメント混和剤の重量で除すことにより、付加物(II)の固形分割合を測定する。
5.3で得られた沈殿に等量の水を加え、85℃に調温して1時間静置する。
6.混合物が2層に分離していることを確認して、上澄みと沈殿とに分離する。
7.上澄みを濃縮し、液体クロマトグラフィーによりパラトルエンスルホン酸量を定量し、パラトルエンスルホン酸量を差し引き、ポリカルボン酸系共重合体の質量を得る。得られたポリカルボン酸系共重合体の質量を1で用いたセメント混和剤の質量で除すことにより、ポリカルボン酸系共重合体の固形分割合を測定する。
上記付加物(II)としては、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及びポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物の少なくとも一つを含むものである。上記付加物(II)としては、いずれか一方を含むものである限り特に限定されない。
上記多価アルコール残基とは、多価アルコールが有する水酸基から活性水素を除いた構造をもつ基を意味するが、多価アルコールとの反応により形成される基に特に限定されるものではない。また、多価アルコールが有する水酸基に付加させるアルキレンオキシドについては、後述する。
このような化合物により多価アルコールアルキレンオキシド付加物の多価アルコール残基が形成されることになる。
上記ポリアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素数2〜8アルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる、これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなポリアルキレンイミンにより、付加物(I)のポリアルキレンイミン鎖が形成されることになるが、該ポリアルキレンイミン鎖は、直鎖状の構造、分枝状の構造、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。更に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等であってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子をもつ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
上記付加物(II)におけるオキシアルキレン基としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシドの他、ジペンタンエチレンオキシド、ジヘキサンエチレンオキシド等の脂肪族エポキシド;トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オクチレンオキシド等の脂環エポキシド;スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等の芳香族エポキシド等の1種又は2種以上により形成される構造であることが好適である。これらの中でも、エチレンオキシド(オキシエチレン基)が好適であり、エチレンオキシドを必須とする付加物(II)を用いると、セメント混和剤の親水性がより向上されて、分散性をより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる付加物や、エチレンオキシドとブチレンオキシドとからなる付加物である。このような付加物は、セメント混和剤とした場合のセメント組成物の減水性、スランプ保持性、空気量低減効果のバランスがよく、好適に用いることができる。更に好ましくは、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とを共に必須とすることである。
上記炭素数3以上のオキシアルキレン基を少なくとも1種以上有する付加物(II)において、炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、オキシプロピレン基であることが好適であり、炭素数3以上のオキシアルキレン基がオキシプロピレン基である形態もまた、本発明のセメント混和剤における好適な形態の1つである。
上記ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンにおいて、上記「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミン鎖の親水性が低下するおそれがある。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。上記多価付加物(II)において、ポリアルキレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数としては、2以上であることが好ましく、また、300以下であることが好ましい。2未満であると、付加物(II)の機能が充分に発揮されないおそれがあり、300を超えると、付加物(II)の重合性が低下するおそれがある。特に好ましくは、3以上である。また、より好ましくは200以下であり、更に好ましくは100以下であり、特に好ましくは75以下であり、最も好ましくは50以下である。なお、ジエチレントリアミンの平均重合数は2、トリエチレンテトラミンの平均重合数は3となる。
上記付加物(II)の特に好適な形態としては、上述したように、A−B−A型(A:オキシエチレン基、B:オキシプロピレン基)のブロック共重合構造を有し、かつ付加物(II)の末端がオキシエチレン基である形態であるが、該形態の付加物(II)としては、例えば、ポリエチレンイミンにエチレンオキシドをまず付加し、引き続いてプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをこの順に付加させることにより得られるものであることが好適である。
上記付加物(II)としては、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とする形態、オキシアルキレン基の平均付加モル数が100モル以上である形態、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とし、さらにオキシアルキレン基の平均付加モル数が100モル以上である形態が好適である。
上記重合体(Ib)が、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)を共重合してなるものである場合、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)と不飽和カルボン酸系単量体(b)の含有割合としては、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)1〜99質量%及び不飽和カルボン酸系単量体(b)99〜1質量%を含む単量体成分を共重合してなるものであり、更に好ましくは、該ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)40〜97質量%及び不飽和カルボン酸系単量体(b)60〜3質量%を含む単量体成分を共重合してなるものである。
以下では、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)、不飽和カルボン酸系単量体(b)、及び、多価アルコールアルキレンオキシド付加物単量体及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体(c)を、それぞれ単量体(a)、単量体(b)及び単量体(c)ともいう。
なお、上記重合体(I)を形成する単量体成分において、単量体(a)及び(b)の質量割合は、単量体(a)及び(b)の質量の合計を100質量%とした場合の質量%であり、上記重合体(Ia)を形成する単量体成分において、単量体(a)、(b)及び(c)の質量割合は、単量体(a)、(b)及び(c)の質量の合計を100質量%とした場合の質量%である。また、本発明では、後述するように、上記単量体以外のその他の単量体を用いることもできるが、その他の単量体を用いる場合には、単量体(a)、(b)及び(c)の合計が単量体成分中において主成分となるようにすることが好ましい。
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体としては、不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であればよく、不飽和カルボン酸ポリアルキレングリコールエステル系化合物が好適であり、中でも、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルが好適である。上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、不飽和基を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であればよく、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物が好適である。また、このような不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
このようなアルキレンオキシド付加物の中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド付加物であることが好ましい。更にエチレンオキシドが主体であるものが更に好ましい。
なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記一般式(2)で表される化合物の他にも、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレートが好適である。
上記一般式(3)のMにおける金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子が好適である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。このような不飽和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が好適である。これらの中でも、セメント分散性能の向上の面から、メタクリル酸;その一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩を用いることが好ましく、不飽和カルボン酸系単量体(b)として好適である。
上記単量体(c1)を製造する方法としては、例えば、(1)多価アルコールにアルキレンオキシドを付加した化合物に不飽和基を導入する方法、(2)不飽和アルコール、不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物1molに対して1mol以上のグリシドールを付加反応させ1分子中に2個以上の水酸基を発生させた後、アルキレンオキサイドを付加反応させる方法等が挙げられる。
このような化合物により単量体(c1)の多価アルコール残基が形成されることになる。また、不飽和化合物としては、上述したものと同様のもの等を1種又は2種以上用いることができる。
上記ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物やその好ましい形態としては、上述したポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物における重合性不飽和二重結合を有さないものと同様である。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
上記その他の単量体(d)としては、詳述した中でも、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。より好ましくは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートであり、更に好ましくは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
上記共重合方法としては、例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の通常の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合方法においては、連鎖移動剤も必要に応じて使用することができる。このような連鎖移動剤としては、通常使用されるものを1種又は2種以上使用できるが、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。
上記疎水性連鎖移動剤とは、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適であり、上述した連鎖移動剤や、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する単量体、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
上記共重合方法により得られる重合体は、そのままでもセメント添加剤の主成分として用いられるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミンを用いることが好ましい。
(GPC分子量測定条件)
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4
000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に酢酸でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、トップピーク分子量(Mp)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.5.00
上記多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物及びポリカルボン酸系共重合体は、セメント添加剤の主成分として好適なものであり、これらにより、本発明のセメント混和剤を構成することもできる。このようなセメント添加剤について以下に説明する。上記セメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。また、超高強度コンクリートにも用いることができる。上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが好適である。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。なお、超高強度コンクリートとは、セメント組成物の分野で一般的にそのように称されているもの、すなわち従来のコンクリートに比べて水/セメント比を小さくしてもその硬化物が従来と同等又はより高い強度となるようなコンクリートを意味し、例えば、水/セメント比が25質量%以下、更に20質量%以下、特に18質量%以下、特に14質量%以下、特に12質量%程度であっても通常の使用に支障をきたすことのない作業性を有するコンクリートとなり、その硬化物が60N/mm2以上、更に80N/mm2以上、より更に100N/mm2以上、特に120N/mm2以上、特に160N/mm2以上、特に200N/mm2以上の圧縮強度を示すことになるものである。
なお、上記質量%は、固形分換算の値である。
ポリオール誘導体;特開平1−113419号公報に記載の如くアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載の如く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤;特開昭62−216950号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル若しくはポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物
等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物
等。
体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタ
ンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
上記セメント添加剤は、上述した通常使用されるセメント分散剤やセメント添加剤(材)の他に、セメント組成物の分散性、抑泡制等を向上させるものと併用させてもよい。
上記セメント添加剤や上記セメント分散剤をセメント組成物に加える方法としては、これらのセメント添加剤やセメント分散剤を混合してセメント混和剤とし、セメント組成物への混入を容易として行うことが好ましい。
重合体(I−1)の製造
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び、冷却菅を備えた反応器に、水654g、IPN−50(イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物)989gを仕込み、攪拌しながら温度を60℃に調整した。次いで、30%過酸化水素水2.9gを投入後、アクリル酸61.4gと水143.2gを混合した30%水溶液を3時間、並びに、L−アスコルビン酸1.13gとβ−メルカプトプロピオン酸2.73g及び水146.1gを混合した溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、60℃に保ったままで1時間攪拌し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重合体(I−1)の水溶液を得た。
重合体(I−2)の製造
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び、冷却菅を備えた反応器に、水462g、IPN−50(イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物)1595gを仕込み、攪拌しながら温度を60℃に調整した。アクリル酸47.5gとアクリル酸2−ヒドロキシエチル115.2g及び水380gを混合した30%水溶液を3時間、並びに、2−メルカプトエタノール0.64g及び水199.4gを混合した溶液と、過硫酸ナトリウム11.2gと水188.8gを混合した水溶液をそれぞれ3.5時間かけて滴下した。その後、60℃に保ったままで1時間攪拌し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重合体(I−2)の水溶液を得た。
重合体(I−3)の製造
製造例2において、アクリル酸2−ヒドロキシエチルをアクリル酸2−ヒドロキシプロピルに変更した以外は同様に製造し、重合体(I−3)の水溶液を得た。
(製造例4)
重合体(I−4)の製造
製造例2において、アクリル酸2−ヒドロキシエチルをアクリル酸メチルに変更した以外は同様に製造し、重合体(I−4)の水溶液を得た。
重合体(I−5)の製造
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び、冷却菅を備えた反応器に、水614g、IPN−50(イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物)1046gを仕込み、攪拌しながら温度を60℃に調整した。アクリル酸51.2gと水48.8gを混合した水溶液を5時間、並びに、2−メルカプトエタノール0.64gとL−アスコルビン酸1.54g及び水117.8gを混合した溶液と、過硫酸ナトリウム5.56gと水114.4gを混合した水溶液をそれぞれ5.5時間かけて滴下した。その後、60℃に保ったままで1時間攪拌し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重合体(I−5)の水溶液を得た。
重合体(I−6)の製造
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び、冷却菅を備えた反応器に、水614g、IPN−50(イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物)1046gを仕込み、攪拌しながら温度を60℃に調整した。アクリル酸33.4gと水66.6gを混合した水溶液を5時間、並びに、L−アスコルビン酸1.54g及び水118.8gを混合した水溶液と、過硫酸ナトリウム4.38gと水115.6gを混合した水溶液をそれぞれ5.5時間かけて滴下した。その後、60℃に保ったままで1時間攪拌し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重合体(I−6)の水溶液を得た。
表1に、重合体(I−1)〜重合体(I−6)の組成を示す。
また略号は、下記のとおりである。
IPN−50:イソプレノール50EO付加物
SA:アクリル酸ナトリウム
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート
AM:アクリル酸メチル
付加物(II)の製造
攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量600;エチレンイミン付加数14)614gと水素化ナトリウム4gとを入れ、攪拌しながら、窒素で十分に置換した後、温度を150℃まで昇温した。次いで、エチレンオキサイドを1886g(ポリエチレンイミン活性水素に対して平均付加数3モル)をゆっくりと添加しながら反応させ、すべて添加してから同温度で30分間熟成させ、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド化合物2500gを得た。この化合物を中間体(c)とした。
さらに、攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に中間体(b)464gを入れ、攪拌しながら、窒素で十分に置換した後、温度を150℃まで昇温した。次いで、エチレンオキサイドを2036g(ポリエチレンイミン活性水素に対して平均付加数90モル)をゆっくりと添加しながら反応させ、すべて添加してから同温度で30分間熟成させ、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド化合物(付加物(II))を2500g得た。この付加物(II)を「P14−3EO−6PO−160EO」(付加物(II−1))とした。なお、付加物(II−1)〜付加物(II−3)は、重量平均分子量(Mw)600のポリエチレンイミン(P14:活性水素が1分子当たり平均14個を意味する。)に表記の順番に、EO(エチレンオキサイド)/PO(プロピレンオキサイド)をブロック付加したものである。なお、数字は、活性水素1個に対する付加モル数を表し、例えば、10EOなら10モルのエチレンオキサイドをブロック付加していることを表す。
表2に、用いた付加物(II)及び化合物(III)について、記載した。
表1及び2に示す成分を表4に示す割合で配合し、セメント混和剤を調製した。
得られたセメント混和剤を用いて、下記コンクリート試験を行い、分散性、保持性、ワーカビリティー、フィニィッシャビリティー、及び、これらの総合評価を行った。表3中、分散性等の全ての評価は5点満点で評価し、5点が最も優れていることを示す。なお、ワーカビリティーは、材料分離を生ずることなく、運搬、打込み、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる程度を表すフレッシュコンクリートの性質であり、フィニィッシャビリティーは、コンクリートの仕上がり面を要求された平滑さに仕上げようとする場合、その作業性の難易を示すフレッシュコンクリートの性質である。
コンクリート配合
単位量 水:170kg/m3、セメント(太平洋セメント社製:普通ポルトランドセメント):309kg/m3、粗骨材(青梅産砕石):949kg/m3、細骨材(大井川系川砂):850kg/m3
W/C=55%、s/a=48.0%
Claims (3)
- ポリカルボン酸系共重合体を含有してなるセメント混和剤であって、
該セメント混和剤は、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物と、スルホン酸系化合物とを更に含有して構成されるものであり、
ポリカルボン酸系共重合体と、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物と、スルホン酸系化合物との和100質量%に対し、多価アルコールアルキレンオキシド付加物及び/又はポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を5質量%以上、35質量%以下含有するとともに、スルホン酸系化合物を5質量%以上、35質量%以下含有して構成されるものである
ことを特徴とするセメント混和剤。 - 前記ポリカルボン酸系共重合体は、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体及び不飽和カルボン酸系単量体を必須とする単量体成分を共重合してなるものであり、
該ポリアルキレングリコール系不飽和単量体は、下記一般式(1):
ことを特徴とする請求項1記載のセメント混和剤。 - 前記スルホン酸系化合物は、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸、メラミンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物及びポリスチレンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のセメント混和剤。
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