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JP4887981B2 - ガスセンサ素子の製造方法 - Google Patents

ガスセンサ素子の製造方法 Download PDF

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JP4887981B2
JP4887981B2 JP2006237330A JP2006237330A JP4887981B2 JP 4887981 B2 JP4887981 B2 JP 4887981B2 JP 2006237330 A JP2006237330 A JP 2006237330A JP 2006237330 A JP2006237330 A JP 2006237330A JP 4887981 B2 JP4887981 B2 JP 4887981B2
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Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子の製造方法に関する。
従来より、固体電解質体の一方の面に被測定ガス側電極を、他方の面に基準ガス側電極を設けて、排気ガス等の被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子がある。該ガスセンサ素子は、排気ガス等の被測定ガス中に含まれる被毒物から被測定ガス側電極を保護するために、被測定ガスを導入するガス導入口を覆うように、多孔質保護層を設けている。
この多孔質保護層は、ガスセンサ素子の先端部をセラミックの保護層形成材料に浸漬して付着させることによって形成するため、基本的にガスセンサ素子の先端部の全周にわたって形成されることとなる。
また、内燃機関の排気ガス中には、燃料の燃焼により発生する水滴が含まれており、この水滴等がガスセンサの使用時に高温になっているセラミックのガスセンサ素子、特にヒータ部に付着すると、付着した部分が急激に温度低下し、周囲との間に温度差が発生する。これによる応力によりセラミックにクラック、亀裂等が入り、発熱体の断線に至る場合がある。
即ち、ガスセンサ素子は内蔵されたヒータ部によって加熱されるが、そのとき、ガスセンサ素子の表面に被測定ガスと共に飛来した水滴が付着すると、素子割れを招くおそれがある。特に、上記ヒータ部の発熱体に近いヒータ基板の側方角部に被水すると、周囲との間に大きな温度差ができると共に応力が集中しやすく、素子割れを招きやすい。
本発明者らが、水滴の付着によるクラックの発生状況を観察したところ、多孔質保護層に付着した水滴が多孔質保護層の保水性により瞬時に吸収、拡散し、付着部周辺の温度が急激に低下しており、多孔質保護層が耐被水性を低下させていることを見出した。そして上記のごとく素子割れが生じやすいヒータ基板の側方角部にも多孔質保護層が形成されていると、上記側方角部に被水したときに特に被水割れを招きやすいと考えられる。
また、逆に、多孔質保護層がない方が、耐被水性に優れていることがわかった。多孔質保護層がない場合、センサ素子表面に付着した水滴は、ライデンフロスト現象により、素子表面に殆ど広がることなく、瞬時に弾かれるように素子表面から離れるため、素子温度の低下は、多孔質保護層がある場合に比べて非常に小さく抑えることができ、その結果、水滴が付着した場合にクラックが生じ難いガスセンサ素子とすることができるものと考えられる。
ライデンフロスト現象とは、ガスセンサ素子の表面の高温部に水滴が接触した際に、水滴の表面が瞬時に蒸発し、蒸発した水蒸気層が素子表面と水滴の間に断熱層として作用する現象である。
一方、被水割れを防止するために、敢えて、ガスセンサ素子の全周に多孔質保護層を形成したものが開示されている(特許文献1)。しかしながら、上記のごとく、多孔質保護層は、保水効果があることにより、ヒータ基板の側方角部に多孔質保護層を形成することは、かえって被水割れを招きやすくする。
また、多孔質保護層の厚みを大きくすれば、付着した水滴を面方向に分散させて、水滴が素子表面に到達しないようにすることができるために、被水割れを抑制することができる。しかし、この場合には、ガスセンサ素子の熱容量が大きくなってしまい、速熱性が低下してしまう。これにより、ガスセンサ素子の早期活性を妨げることとなり、エンジン始動時における正確なガス濃度検出を行うことが困難となるという問題がある。
特開2003−322632号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供しようとするものである。
第1の参考発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記多孔質保護層を形成し、
次いで、上記発熱体側方角部に形成された上記多孔質保護層の少なくとも一部を研磨除去することにより、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある。
次に、第1の参考発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子の製造方法においては、上述のごとく、ガスセンサ素子における少なくともガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、多孔質保護層を形成し、次いで、上記発熱体側方角部に形成された多孔質保護層の少なくとも一部を研磨除去する。
これにより、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができると共に、上記発熱体側方角部に上記保護層非形成部を容易かつ確実に設けることができる。
このように、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができるため、本製造方法により得られるガスセンサ素子においては、被測定ガス中に含まれる被毒物を除去して、被測定ガス側電極の被毒を防ぐことができる。
また、上記のごとく、上記多孔質保護層を形成しない上記保護層非形成部が、上記発熱体側方角部の少なくとも一部に確実に設けることができるため、得られるガスセンサ素子の被水割れを効果的に抑制することができる。
つまり、被水割れの抑制効果のメカニズムとしては、以下のように考えることができる。
上記発熱体側方角部は、上述のごとく、被水した場合に熱応力が特に集中しやすい部分であり、第1の参考発明により得られるガスセンサ素子においては、この熱応力が集中しやすい部分に、多孔質保護層を形成しない部分である「保護層非形成部」が設けられる。
保護層非形成部は、保水性を有しておらず、仮に保護層非形成部に水滴が付着したとしても、上述したライデンフロスト現象により水滴は瞬時に素子表面から離れ、その被水部分の温度低下を抑制することができる。それ故、保護層非形成部を上記発熱体側方角部に配置することにより、被水割れを効果的に防ぐことができる。
また、上記ガスセンサ素子においては、多孔質保護層を全周に設けることもないし、特に多孔質保護層の厚みを大きくする必要もない。それ故、ガスセンサ素子の熱容量を小さく抑えることができ、速熱性を確保することができる。これにより、ガスセンサ素子の早期活性を確保することができる。
以上のごとく、第1の参考発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第2の参考発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記多孔質保護層を形成し、
次いで、上記ガスセンサ素子における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分に形成された多孔質保護層の少なくとも一部を研磨除去することにより、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある。
次に、第2の参考発明の作用効果につき説明する。
上記製造方法により得られるガスセンサ素子においては、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面に、多孔質保護層のない保護層非形成部が配される。それ故、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面が被水したとき、瞬時に水滴を素子表面から離脱させることができ、素子表面の温度低下を抑制し、素子割れを抑制することができる。また、上記多孔質保護層の形成量が少なくなる分、ガスセンサ素子の熱容量を小さくして、早期活性を容易にすることができる。
以上のごとく、第2の参考発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第1の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記発熱体側方角部の少なくとも一部に、有機材料からなるマスク層を形成し、
次いで、上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記マスク層を覆うように、上記多孔質保護層を形成するための保護層形成材料を付着させ、
次いで、熱処理を行うことにより、上記多孔質保護層を焼成すると共に、上記マスク層を焼失させて該マスク層上の上記多孔質保護層を除去して、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子の製造方法においては、上記のごとく、上記発熱体側方角部に形成した上記マスク層の上から、ガスセンサ素子の所定長さ領域の全表面に上記保護層形成材料を付着させ、次いで、熱処理を行う。これにより、上記多孔質保護層を焼成すると共に、上記マスク層を焼失させて該マスク層上の上記多孔質保護層を除去して、上記保護層非形成部を設ける。
それ故、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができると共に、上記発熱体側方角部に上記保護層非形成部を容易かつ確実に設けることができる。また、上記多孔質保護層の焼成と上記マスク層の焼失とを一つの工程で行うことができるため、生産効率を向上させることができる。
このように、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができるため、本製造方法により得られるガスセンサ素子においては、被測定ガス中に含まれる被毒物を除去して、被測定ガス側電極の被毒を防ぐことができる。
また、上記のごとく、上記多孔質保護層を形成しない上記保護層非形成部が、上記発熱体側方角部の少なくとも一部に確実に設けることができるため、得られるガスセンサ素子の被水割れを効果的に抑制することができる。
以上のごとく、本発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第2の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に、有機材料からなるマスク層を形成し、
次いで、上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記マスク層を覆うように、上記多孔質保護層を形成するための保護層形成材料を付着させ、
次いで、熱処理を行うことにより、上記多孔質保護層を焼成すると共に、上記マスク層を焼失させて該マスク層上の上記多孔質保護層を除去して、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項2)。
本発明においても、上記第2の参考発明と同様に、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面に、多孔質保護層のない保護層非形成部が配される。それ故、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面が被水したとき、瞬時に水滴を素子表面から離脱させることができ、素子表面の温度低下を抑制し、素子割れを抑制することができる。また、上記多孔質保護層の形成量が少なくなる分、ガスセンサ素子の熱容量を小さくして、早期活性を容易にすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第3の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記多孔質保護層を形成する保護層形成材料を、少なくとも上記ガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を覆うと共に上記発熱体側方角部の少なくとも一部を残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させ、
次いで、上記保護層形成材料を熱処理して上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項7)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子の製造方法においては、上記のごとく、上記保護層形成材料を、上記ガス導入口を覆うと共に上記発熱体側方角部の少なくとも一部を残すように、ガスセンサ素子の表面に付着させ、次いで、保護層形成材料を焼成して多孔質保護層を形成する。
それ故、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができると共に、上記発熱体側方角部に上記保護層非形成部を容易かつ確実に設けることができる。
このように、上記ガス導入口を確実に覆うように多孔質保護層を容易に形成することができるため、本製造方法により得られるガスセンサ素子においては、被測定ガス中に含まれる被毒物を除去して、被測定ガス側電極の被毒を防ぐことができる。
また、上記のごとく、上記多孔質保護層を形成しない上記保護層非形成部が、上記発熱体側方角部の少なくとも一部に確実に設けることができるため、得られるガスセンサ素子の被水割れを効果的に抑制することができる。
以上のごとく、本発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
第4の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記多孔質保護層を形成する保護層形成材料を、少なくとも上記ガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を覆うと共に、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部を残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させ、
次いで、上記保護層形成材料を熱処理して上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項8)。
本発明においても、上記第2の参考発明と同様に、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面に、多孔質保護層のない保護層非形成部が配される。それ故、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面が被水したとき、瞬時に水滴を素子表面から離脱させることができ、素子表面の温度低下を抑制し、素子割れを抑制することができる。また、上記多孔質保護層の形成量が少なくなる分、ガスセンサ素子の熱容量を小さくして、早期活性を容易にすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
本発明において、上記ヒータ基板の側方角部とは、上記ヒータ基板における上記固体電解質体とは反対側の面の側端部の角部であって、上記ガスセンサ素子の側方角部でもある。そして、上記側方角部に面取り部が形成されている場合もあるが、この面取り部についても、上記側方角部に含まれる。
また、上記ガスセンサ素子としては、例えば、自動車エンジン等の各種車両用内燃機関の排気管に設置して、排気ガスフィードバックシステムに使用すべく、排気ガス中の酸素濃度を検出するA/Fセンサ素子やO2センサ素子、或いは排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx濃度を検知するNOxセンサ素子等がある。
なお、本明細書において、「先端側」とは、ガスセンサ素子において、排気管等に挿入する側をいい、その反対側を「基端側」という。
また、上記多孔質保護層は、上記ガス導入口以外のガスセンサ素子の表面にはなるべく形成されないことが好ましい。上記多孔質保護層が多く形成されると、被水割れの確率が高くなり、また、ガスセンサ素子の早期活性を妨げることとなるからである。従って、理想としては、上記多孔質保護層は上記ガス導入口にのみ設けることが好ましい。
また、上記保護層非形成部は、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の全体に設けることが好ましい(請求項14)。
この場合には、被水割れを一層確実に防ぐことができる。即ち、基本的に、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部は、被水による熱応力が集中しやすくクラックを発生しやすいため、かかる部分の全体に保護層非形成部を配置することにより、被水割れを一層確実に防ぐことができる。
また、上記第1の発明請求項1)及び上記第3の発明請求項7)において、上記保護層形成材料としては、例えば、スラリー状あるいはペースト状のものを用いることができる。
次に、上記第2の参考発明において、上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記多孔質保護層を形成した後、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部に形成された上記多孔質保護層の少なくとも一部をも研磨除去することにより、上記発熱体側方角部にも上記保護層非形成部を設けることが好ましい。
この場合には、上記第2の参考発明の作用効果と上記第1の参考発明の作用効果との双方の作用効果を得ることができる。そのため、一層の被水割れ防止及び早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
次に、第1又は2の参考発明において、上記多孔質保護層の研磨除去は、弾性発泡体に砥粒を含有させた弾性研磨具によって行うことが好ましい。
この場合には、上記多孔質保護層の研磨除去を容易かつ確実に行うことができる。また、上記弾性研磨具のガスセンサ素子の形状への追従性により、上記ガスセンサ素子における上記発熱体側方角部のほかに、その周辺部も同時に研磨することができる。そのため、効率的に多孔質保護層の除去を行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、上記多孔質保護層の研磨除去は、ベルト状部材の表面に砥粒を付着させたベルト状研磨具によって行うこともできる。
この場合には、上記ガスセンサ素子の幅方向の両端部における2箇所の上記発熱体側方角部を、同時に研磨することができる。即ち、上記ベルト状研磨具は、自由に湾曲させることができるため、上記2箇所の発熱体側方角部に対して、上記ベルト状研磨具の表面を同時に接触させることができる。それ故、上記2箇所の発熱体側方角部を同時に研磨することができ、生産性を向上させることができる。
また、複数のガスセンサ素子の研磨処理を同時に行うことも可能である。また、ベルト状研磨具の押し当て方で、例えば、ヒータ基板の表面を押し当てて研磨することにより、発熱体側方角部とヒータ基板の表面とにおける多孔質保護層の除去を同時に行うこともできる。
次に、上記第2の発明請求項2)において、上記マスク層は、上記ガスセンサ素子における、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部にも形成することにより、該発熱体側方角部の少なくとも一部にも上記保護層非形成部を配置することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記第2の発明の作用効果と上記第1の発明の作用効果との双方の作用効果を得ることができる。そのため、一層の被水割れ防止及び早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
次に、上記第1又は2の発明(請求項1又は2)において、上記マスク層は、柔軟性を有するパッド材に付着させたマスク材を上記発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に転写することにより形成することが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記マスク層を容易かつ確実に形成することができるため、生産性に優れたガスセンサ素子の製造方法を得ることができる。そして、上記パッド材の柔軟性により、上記マスク材を上記ガスセンサ素子の発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に対しても同時に付着させることができる。それ故、上記発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部にも、容易かつ効率的に保護層非形成部を設けることができる。
また、上記マスク層は、フェルト材に含浸させたマスク材を上記発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に付着させることにより形成することもできる(請求項5)。
この場合にも、上記マスク層を容易かつ確実に形成することができるため、生産性に優れたガスセンサ素子の製造方法を得ることができる。また、上記フェルト材の形状を種々変更することにより、マスク層を形成しようとする部位、即ち、保護層非形成部を設けようとする部位の形状に対応させて、容易にマスク層を正確に形成することができる。
また、上記マスク層は樹脂からなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、熱処理を行うことにより、上記マスク層を容易に焼失させることが出来る。
また、上記マスク層としては、例えば、アクリル系、ブチラール系、セルロース系等の有機系樹脂、又は、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。
紫外線硬化樹脂を用いる場合には、マスク材を塗布した後に紫外線を照射することにより短時間でマスク層を硬化させることができる。これにより、マスク材の塗布後に時間を大きく空けることなく上記保護層形成材料を塗布することができるため、生産効率を向上させることができる。
また、上記マスク層は、上記ガスセンサ素子における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分にも形成することもできる。
この場合には、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面にも、多孔質保護層のない保護層非形成部が配される。それ故、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面が被水したときにも、素子割れを一層抑制することができる。また、ガスセンサ素子の熱容量を小さくして、早期活性を容易にすることができる。
次に、上記第4の発明(請求項8)において、上記保護層形成材料は、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部をも残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させることにより、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部にも、上記保護層非形成部を配置することが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記第4の発明の作用効果と上記第3の発明の作用効果との双方の作用効果を得ることができる。そのため、一層の被水割れ防止及び早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
次に、上記第3又は4の発明(請求項7又は8)において、上記保護層形成材料の付着は、ディスペンサによる塗布により行うことが好ましい(請求項10)。
この場合には、多孔質保護層を正確な位置に正確な大きさ及び厚みに形成することができる。即ち、ディスペンサは、吐出量の精密な制御が可能であるため、塗布部形状、面積や塗布厚みを精度良く制御することが可能である。また、ディスペンサの吐出部の径やディスペンサの素子表面に対する動作を制御することにより、複雑形状の素子表面への対応が可能である。また、複数のティスペンサを使用することにより、塗布面積の拡大や生産性の向上を図ることもできる。
また、上記保護層形成材料の付着は、ノズルからの噴射により行うこともできる(請求項11)。
この場合には、素子表面の形状が複雑な場合、特に、凹凸形状を有する場合にも、容易かつ確実に保護層形成材料を付着させることができる。
また、上記保護層形成材料の付着は、スクリーン印刷により行うこともできる(請求項12)。
この場合には、多孔質保護層を、正確な形状、大きさ、位置に形成することができる。
また、上記保護層形成材料の付着は、柔軟性を有するパッド材に付着させた上記保護層形成材料を上記ガスセンサ素子の表面に転写することより行うことが好ましい(請求項13)。
この場合には、素子表面が複雑な形状を有していても、パッド材をその形状に追従させることができるため、正確な形状、大きさ、位置に形成することができる。
参考例1
参考例にかかるガスセンサ素子の製造方法につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例の製造方法によって得られるガスセンサ素子1は、図1に示すごとく、酸素イオン伝導性の固体電解質体2と、該固体電解質体2の一方の面に設けた被測定ガス側電極21と、固体電解質体2の他方の面に形成した基準ガス側電極22と、固体電解質体2に積層したヒータ部3とを有する。
上記ヒータ部3は、通電によって発熱する発熱体31をヒータ基板32に形成してなると共に、該ヒータ基板32が固体電解質体2に積層されている。
上記ガスセンサ素子1は、図1、図2、図4、図5に示すごとく、被測定ガス側電極21に被測定ガスを導入するガス導入口11のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層4を表面に有している。
また、図1〜図3、図5に示すごとく、多孔質保護層4を形成しない保護層非形成部5を、上記発熱体31の軸方向長さに対応する領域におけるヒータ基板32の側方角部である発熱体側方角部33の少なくとも一部に配置している。
上記ガスセンサ素子1を製造するに当たっては、まず、図6に示すごとく、ガスセンサ素子1における少なくともガス導入口11が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記多孔質保護層4を形成する。なお、ガスセンサ素子1は、その一部を絶縁碍子(図14の符号13参照)に挿通すると共に封止材によって封止された状態で使用されるが、その封止された部分よりも先端側の領域が、上記「被測定ガスに暴露される領域」となる。
次いで、図7〜図9に示すごとく、上記発熱体側方角部33に形成された上記多孔質保護層4の少なくとも一部を研磨除去することにより、図1に示すごとく、上記保護層非形成部5を設ける。
具体的には、例えば、図7に示すごとく、回転する研磨治具71に耐水ペーパ72を貼り付け、回転させながら該耐水ペーパ72をヒータ部3の発熱体側方角部33に押し当てることにより、多孔質保護層4を除去する。ヒータ基板32の表面320やガスセンサ素子1の側面100を研磨する場合には、研磨治具71の角度を変える。耐水ペーパ72の番手は、例えば#200を用いることができるが、任意に選択することができる。
多孔質保護層4は、スラリーディップ、乾燥後に研磨除去することが、削り残しが少なく、耐水ペーパの耐久性もよく、作業性、生産性がよいが、焼成後に研磨除去してもよい。
また、多孔質保護層4の研磨除去は、図8に示すごとく、弾性発泡体に砥粒を含有させた弾性研磨具73によって行うこともできる。即ち、上記と同様に回転する研磨治具71の表面に弾性研磨具73を固定して、該弾性研磨具73をガスセンサ素子1の発熱体側方角部33に押し当てることにより、多孔質保護層4を研磨除去する。
上記弾性研磨具73としては、酸化アルミニウム砥粒を特殊スポンジに塗布した構造を持ち、研磨力と柔軟性を兼ね備えるものを用いることが好ましい。研磨力は砥粒の粒度とスポンジ材の硬度で調整できる。例えば、弾性研磨具73として住友スリーエム製SF(#320〜#600)を使用することができる。
また、多孔質保護層4の研磨除去は、図9に示すごとく、ベルト状部材の表面に砥粒を付着させたベルト状研磨具74によって行うこともできる。この場合、ガスセンサ素子1の幅方向の両端部における2箇所の発熱体側方角部33に対して、上記ベルト状研磨具の表面を同時に接触させることにより、上記2箇所の発熱体側方角部を同時に研磨する。
このようにして得られるガスセンサ素子1は、図1、図2、図5に示すごとく、多孔質保護層4を形成しない保護層非形成部5が、上記発熱体側方角部33の全体に配置している。そして、発熱体側方角部33の全体のみならず、被測定ガスに曝される領域におけるヒータ基板32の側方角部330の全体にも配置している。更には、図2に示すごとく、ガスセンサ素子1の先端部におけるヒータ基板32の先端角部34にも、保護層非形成部5が配置されている。これらの保護層非形成部5も、上記の研磨除去方法により、多孔質保護層4を研磨除去することにより設ける。
上記製造方法により得られる本例のガスセンサ素子1は、自動車エンジン等の各種車両用内燃機関の排気管に設置して、排気ガスフィードバックシステムに使用すべく、排気ガス中の酸素濃度を検出するA/Fセンサ素子或いはO2センサ素子である。
また、図1に示すごとく、ガスセンサ素子1は、固体電解質体2とヒータ部3との間に、チャンバ形成層121を介在させており、該チャンバ形成層121と固体電解質体2との間に、基準ガスとなる外気を導入するチャンバ122を形成している。そして、該チャンバ122に、基準ガス側電極22が面している。
また、ヒータ基板32の側方角部330は面取り部を有する。
また、固体電解質体2における被測定ガス側電極21を設けた側には、スペーサ層123を介して多孔質の拡散抵抗層124が積層されている。そして、拡散抵抗層124の上には緻密な遮蔽層125が積層されている。また、固体電解質体2と拡散抵抗層124との間には、被測定ガスを導入する被測定ガス室126が形成されており、該被測定ガス室126に上記被測定ガス側電極21が面している。
そして、上記拡散抵抗層124の側端面のうち被測定ガスに曝される部分がガス導入口11となる。そして、このガス導入口11の周辺におけるガスセンサ素子1の角部はテーパ状に形成されている。
また、図3に示すごとく、ヒータ部3は、ヒータ基板32の内部又は上記チャンバ形成層121との接合面にヒータパターン310を設けてなる。そして、該ヒータパターン310はヒータ基板32の先端部付近において蛇行した状態で形成され、この部分が発熱体31となる。また、ヒータパターン310は、ヒータ基板32の基端部に設けられたヒータ端子311に接続されている。
上記固体電解質体2はジルコニア(ZrO2)を主成分としており、他の層は、アルミナ(Al23)を主成分としている。
また、拡散抵抗層124や遮蔽層125は、ガスセンサ素子1の先端部付近、即ちガスセンサ素子1の検知部の周囲に形成されており、それよりも基端側には設けていない。そして、多孔質保護層4は、このガスセンサ素子1の検知部付近に設けてある。また、この部分が被測定ガスに曝される部位である。
多孔質保護層4は、図1、図2に示すごとく、被測定ガスに曝される領域において、ヒータ基板32の側方角部330と先端角部34とこれらの周辺部を除く部分に形成されている。即ち、保護層非形成部5は、被測定ガスに曝される領域においては、側方角部330と先端角部34とこれらの周辺部にのみ配置されている。逆に、多孔質保護層4は、ガス導入口11以外に、ガスセンサ素子1の側面100、遮蔽層125の表面129、及びヒータ基板32の表面320にも形成されている。
保護層非形成部5の配置領域としては、具体的には以下の通りである。
即ち、図1に示すごとく、上記発熱体側方角部33(面取り部における側面側の端部)からガスセンサ素子1の側面100における保護層非形成部5の端部までの積層方向距離をa、発熱体側方角部33からガスセンサ素子1におけるヒータ部31とは反対側の表面(遮蔽層125の表面129)までの積層方向距離をbとしたとき、a/bは0.05以上である。
また、上記発熱体側方角部33からガスセンサ素子1のヒータ部3側の表面(ヒータ基板32の表面320)における保護層非形成部5の端部までの幅方向距離をc、ガスセンサ素子1のヒータ部3側の表面320の幅をdとしたとき、c/dは0.02以上である。
また、多孔質保護層4は多層に形成することこともある。本例においては、図1に示すごとく、多孔質保護層4は2層形成されており、ガスセンサ素子1の表面に近い第1保護層41と、ガスセンサ素子1の表面から遠い第2保護層42とを有する。そして、第2保護層42の方が、第1保護層41よりも粒径が大きい。
また、多孔質保護層4は、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分としており、多孔質保護層4のうち上記第1保護層41には、金属又は金属酸化物からなる触媒を担持してなる。ここで金属触媒としては、例えばPt、Rh、Ru、Pd等を用いることができ、金属酸化物触媒としては、例えばチタニア(TiO2)等を用いることができる。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子の製造方法においては、上述のごとく、ガスセンサ素子1における少なくともガス導入口11が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、多孔質保護層4を形成し、次いで、上記発熱体側方角部33に形成された多孔質保護層4の少なくとも一部を研磨除去する。
これにより、上記ガス導入口11を確実に覆うように多孔質保護層4を容易に形成することができると共に、上記発熱体側方角部33に上記保護層非形成部5を容易かつ確実に設けることができる。
このように、上記ガス導入口11を確実に覆うように多孔質保護層4を容易に形成することができるため、本製造方法により得られるガスセンサ素子1においては、被測定ガス中に含まれる被毒物を除去して、被測定ガス側電極21の被毒を防ぐことができる。
また、上記のごとく、多孔質保護層4を形成しない上記保護層非形成部5が、発熱体側方角部33の少なくとも一部に確実に設けることができるため、得られるガスセンサ素子1の被水割れを効果的に抑制することができる。
つまり、被水割れの抑制効果のメカニズムとしては、以下のように考えることができる。
上記発熱体側方角部33は、上述のごとく、被水した場合に熱応力が特に集中しやすい部分であり、本発明により得られるガスセンサ素子1においては、この熱応力が集中しやすい部分に、多孔質保護層4を形成しない部分である「保護層非形成部5」が設けられる。
保護層非形成部5は、保水性を有しておらず、仮に保護層非形成部5に水滴が付着したとしても、上述したライデンフロスト現象により水滴は瞬時に素子表面から離れ、その被水部分の温度低下を抑制することができる。それ故、保護層非形成部5を上記発熱体側方角部33に配置することにより、被水割れを効果的に防ぐことができる。
また、上記ガスセンサ素子1においては、多孔質保護層4を全周に設けることもないし、特に多孔質保護層4の厚みを大きくする必要もない。それ故、ガスセンサ素子1の熱容量を小さく抑えることができ、速熱性を確保することができる。これにより、ガスセンサ素子1の早期活性を確保することができる。
また、図8に示すごとく、上記多孔質保護層4の研磨除去を、弾性発泡体に砥粒を含有させた弾性研磨具73によって行うことにより、多孔質保護層4の研磨除去を容易かつ確実に行うことができる。また、弾性研磨具73のガスセンサ素子1の形状への追従性により、ガスセンサ素子1における発熱体側方角部33のほかに、その周辺部も同時に研磨することができる。そのため、効率的に多孔質保護層4の除去を行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、図9に示すごとく、上記多孔質保護層4の研磨除去を、上記ベルト状研磨具74によって行うことにより、ガスセンサ素子1の幅方向の両端部における2箇所の発熱体側方角部33を、同時に研磨することができる。即ち、上記ベルト状研磨具74は、自由に湾曲させることができるため、上記2箇所の発熱体側方角部33に対して、ベルト状研磨具74の表面を同時に接触させることができる。それ故、上記2箇所の発熱体側方角部33を同時に研磨することができ、生産性を向上させることができる。
また、複数のガスセンサ素子1の研磨処理を同時に行うことも可能である。
以上のごとく、本例によれば、被水割れを防ぐと共に早期活性を確保するガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
実施例1
本例は、図10〜図19に示すごとく、ガスセンサ素子1の表面の一部にマスク層61を形成し、次いで、マスク層61の上から、ガスセンサ素子1の所定領域における全表面に多孔質保護層4を形成し、次いで、マスク層61を焼失させて保護層非形成部5を設ける、ガスセンサ素子1の製造方法の例である。
即ち、まず、図11に示すごとく、発熱体側方角部33とその周辺部及びヒータ基板32の表面320に、有機材料からなるマスク層61を形成する(ステップS1)。
次いで、図12に示すごとく、ガスセンサ素子1における少なくともガス導入口11が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、マスク層61を覆うように、上記多孔質保護層4を形成するための保護層形成材料40(スラリー)を付着させる(ステップS2〜S5)。
次いで、熱処理を行うことにより、図13に示すごとく、多孔質保護層4を焼成すると共に、上記マスク層61を焼失させて該マスク層61上の多孔質保護層4を除去して、上記保護層非形成部5を設ける(ステップS6、S7)。
具体的には、アクリル系、セルロース系等のバインダーを有機溶剤に溶解して、ペースト状にしたマスク材610を、ガスセンサ素子1における保護層非形成部5を設けたい位置(発熱体側方角部33等)に、パッド転写法により塗布、乾燥することにより、図11に示すごとく、マスク層61を形成する(ステップS1)。
マスク層61は、図14〜図19に示すごとく、柔軟性を有するゴム製のパッド材62に付着させたマスク材610を発熱体側方角部33等に転写することにより形成する。その後、必要に応じて乾燥する。
次いで、多孔質保護層4のうちの第1保護層41を形成するためのスラリーに、ガスセンサ素子1をディップ(浸漬)して引き上げることにより、ガスセンサ素子1の所定長さ領域における全周に第1保護層用のスラリーを塗布し(ステップS2)、これを乾燥する(ステップS3)。
次いで、第2保護層42を形成するためのスラリーに、ガスセンサ素子1をディップ(浸漬)して引き上げることにより、上記第1保護層41の上に第2保護層用のスラリーを塗布し(ステップS4)、これを乾燥する(ステップS5)。
次いで、多孔質保護層4を設けたガスセンサ素子1を500〜1000℃程度で熱処理する。これにより樹脂膜からなるマスク層61は熱分解除去される(ステップS6)。そして、マスク層61上にディップ時に付着した多孔質保護層4はガスセンサ素子1とは付着強度を殆どなくすることができ、エア吹き付け、振動等により、容易に除去することができる(ステップS7)。以上により、所望の部分に、多孔質保護層4を精度よく形成することができる(図13)。
また、マスク層61(マスク材610)としては、紫外線硬化樹脂を含むペーストを用いることもできる。この場合、上記マスク層61を形成するに当っては、上記マスク材610をガスセンサ素子1の所定の表面にパッド転写した後、紫外線を照射することにより、マスク層61を硬化させる。
また、マスク材610としては、例えば、アクリル樹脂、テレピネオールを主成分とし、若干の分散剤、粘度安定化剤と、塗布部分の視認性を確保するために染料を添加したものを用いることができる。これにより、塗布形状の目視、または、カメラ等による画像認識による塗布部分の検査等を容易にすることが可能である。
また、マスク材610のパッド転写方法につき、図14〜図19を用いて説明する。
即ち、パッド転写には、得ようとするマスク層61に対応する大きさ、形状、深さを有する凹部631を設けた凹版63と、該凹版63の上面を摺動するリングブレード641を設けたインクポット64と、パッド材62とを用いる。
まず、図14に示すごとく、マスク材610を充填したインクポット64の下方に、凹版63の凹部631を配置する。これにより、凹部631にマスク材610を充填する。なお、このときの凹版63の位置を原点とする。
次いで、図15に示すごとく、凹版63を水平に移動させることにより、凹部631をインクポット64の下方からずらして、パッド材62の下方に移動させる。これにより、凹部631に所定量のマスク材610が充填された状態となる。
次いで、図16に示すごとく、パッド材62を下降させて凹版63に密着させた後、上昇させることにより、パッド材62に凹部631のマスク材610を転写する。
次いで、図17に示すごとく、凹版63を上記原点に戻す。
次いで、図18に示すごとく、マスク材610を付着させているパッド材62をガスセンサ素子1に密着させることにより、ガスセンサ素子1にマスク材610を転写する。
次いで、図19に示すごとく、パッド材62をクリーニングテープ65によって清掃してマスク材610の残渣を除去する。
そして、以上と同様のパッド転写処理を、順次、複数のガスセンサ素子1に対して行う。
なお、図14〜図18に示すごとく、ガスセンサ素子1を絶縁碍子13に挿通固定した状態でマスク層61の形成を行う。
本例の製造方法によって得られるガスセンサ素子1は、図13に示すごとく、ガス導入口11と、遮蔽層125の表面129及び角部と、ガスセンサ素子1の側面100とに設けている。また、ヒータ基板32の発熱体側方角部33及びその周辺部と、ヒータ基板32の表面320とには、保護層非形成部5が配されている。
その他は、参考例1と同様である。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例のガスセンサ素子の製造方法においては、上記のごとく、上記発熱体側方角部33に形成したマスク層61の上から、ガスセンサ素子1の所定長さ領域の全表面に上記保護層形成材料40を付着させ、次いで、熱処理を行う。これにより、上記多孔質保護層4を焼成すると共に、上記マスク層61を焼失させて該マスク層61上の上記多孔質保護層4を除去して、上記保護層非形成部5を設ける。
それ故、上記ガス導入口11を確実に覆うように多孔質保護層4を容易に形成することができると共に、上記発熱体側方角部33に上記保護層非形成部5を容易かつ確実に設けることができる。また、上記多孔質保護層4の焼成と上記マスク層61の焼失とを一つの工程(図6のステップS6)で行うことができるため、生産効率を向上させることができる。
また、マスク層61は、柔軟性を有するパッド材62に付着させたマスク材610を発熱体側方角部33に転写することにより形成する。これにより、マスク層61を容易かつ確実に形成することができるため、生産性に優れたガスセンサ素子の製造方法を得ることができる。そして、パッド材62の柔軟性により、マスク材61をガスセンサ素子1の発熱体側方角部33の周辺部に対しても同時に付着させることができる。それ故、発熱体側方角部61の周辺部にも、容易かつ効率的に保護層非形成部5を設けることができる。
また、マスク層61は、紫外線硬化樹脂からなるため、マスク材610を塗布した後に紫外線を照射することにより短時間でマスク層61を硬化させることができる。これにより、マスク材610の塗布後に時間を大きく空けることなく保護層形成材料40を塗布することができるため、生産効率を向上させることができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
実施例2
本例は、図20〜図22に示すごとく、フェルト材65に含浸させたマスク材610を発熱体側方角部33に付着させることにより、マスク層61を形成する、ガスセンサ素子の製造方法の例である。
即ち、図20に示すごとく、ノズル管650の内側に保持された多孔質のフェルト材65に、樹脂を含有するペースト状のマスク材610を含浸させる。そして、ノズル管650の先端から露出したフェルト材65の先端部653を、発熱体側方角部33等のガスセンサ素子1の表面における所定の領域に接触させながら移動させる。これにより、毛管現象を利用して、マスク材610をガスセンサ素子1の表面に塗布する。即ち、所謂、フェルトペンでマーキングすると同様にマスク層61を塗布形成することができる。
本例においては、発熱体側方角部33及びその周辺と、ヒータ基板32の表面320とにマスク材610を塗布して、マスク層61を形成する。
図21、図22に示すごとく、上記フェルト材65は、紐状体であって、その基端部654をタンク651内に配置している。タンク651には、マスク材610が貯留されており、タンク651内の圧力を調整する加圧・減圧装置652が接続されている。この加圧・減圧装置652による加圧・減圧によって、フェルト材65へのマスク材610の供給量を調整している。即ち、マスク材610の粘度等に応じて、毛管現象を利用した塗布を行ったり、加圧・減圧により、インク材の吐出量を制御しながら不要な部分への染み出し或いはかすれを生じないようにしたりすることができる。
なお、フェルト材65の基端部654は必ずしもタンク651内に出ている必要はなく、ノズル管650の途中までフェルト材65が挿入されていてもよい。また、フェルト材65の形状は、図示した円柱状に限らず、塗布する面の形状に合せて適宜選択することが望ましい。また、フェルト材65の先端部653とガスセンサ素子1の表面とは、若干の隙間があっても塗布可能である。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、マスク層61を容易かつ確実に形成することができるため、生産性に優れたガスセンサ素子の製造方法を得ることができる。また、フェルト材65の形状を種々変更することにより、マスク層61を形成しようとする部位、即ち、保護層非形成部5を設けようとする部位の形状に対応させて、容易にマスク層を正確に形成することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
実施例3
本例は、図23、図24に示すごとく、多孔質保護層4を形成する保護層形成材料40を、少なくともガス導入口11のうち被測定ガスに暴露される領域を覆うと共に発熱体側方角部33の少なくとも一部を残すように、ガスセンサ素子1の表面に付着させ、次いで、保護層形成材料40を熱処理して多孔質保護層4を形成する、ガスセンサ素子の製造方法の例である。
上記保護層形成材料40の付着は、ディスペンサ66による塗布により行う。即ち、保護層形成材料40を、ペースト状又はスラリー状に調整し、ディスペンサ66により、多孔質保護層40を塗布すべき部分に直接的に部分塗布する。
その他は、参考例1と同様である。
この場合には、多孔質保護層4を正確な位置に正確な大きさ及び厚みに形成することができる。即ち、ディスペンサ66は、吐出量の精密な制御が可能であるため、塗布部形状、面積や塗布厚みを精度良く制御することが可能である。また、ディスペンサ66の吐出部の径やディスペンサ66の素子表面に対する動作を制御することにより、複雑形状の素子表面への対応が可能である。また、図24に示すごとく、複数のティスペンサ66を使用することにより、塗布面積の拡大や生産性の向上を図ることもできる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
実施例4
本例は、図25に示すごとく、保護層形成材料40の付着は、ノズル67からの噴射により行う、ガスセンサ素子の製造方法の例である。
即ち、ペースト状又はスラリー状に調整した保護層形成材料40を、多孔質保護層4を形成すべき部分に直接的に噴射することにより部分塗布する。
その他は、実施例3と同様である。
この場合には、素子表面の形状が複雑な場合、特に、凹凸形状を有する場合にも、容易かつ確実に保護層形成材料40を付着させることができる。
その他、実施例3と同様の作用効果を有する。
実施例5
本例は、図26に示すごとく、柔軟性を有するパッド材68に付着させた保護層形成材料40をガスセンサ素子1の表面に転写することより、ガスセンサ素子1の表面に多孔質保護層4を形成するガスセンサ素子の製造方法の例である。
即ち、上記実施例1において示したパッド材62と同様のパッド材68を用い、ペースト状に調整した保護層形成材料40を、ガスセンサ素子1の所定の表面に転写する。
その他は、実施例3と同様である。
本例の場合には、素子表面が複雑な形状を有していても、パッド材68をその形状に追従させることができるため、正確な形状、大きさ、位置に形成することができる。
また、膜厚については、転写ペーストを切り出す、版の溝深さを調整するといった方法により、精度良く制御が可能で、膜厚バラツキの小さい多孔質保護層4の形成が可能である。
その他、実施例3と同様の作用効果を有する。
また、上記実施例5と類似した方法として、スクリーン印刷により保護層形成材料40のガスセンサ素子1への付着を行う方法もある(図示略)。この場合にも、多孔質保護層を、正確な形状、大きさ、位置に形成することができる。
実施例6
本例は、図27に示すごとく、上記参考例1(図1)において示した積層方向距離aとbとの比a/bを、約50%としたガスセンサ素子1の例である。その他は、参考例1と同様である。
ガスセンサ素子1の側面100は、発熱体側方角部33より耐被水性は強いが、微小な焼成欠陥等、応力集中しやすい部位が亀裂の発生起点となる場合もある。このような場合、なるべく側面にも多孔質保護層を形成しない方が、ライデンフロスト現象により、クラック発生の確率を抑えることができる。そのため、a/bを大きくした本例によれば、クラック抑制効果を向上させることができる。
本例のガスセンサ素子1は、上述した参考例1、実施例1〜5の何れの方法によっても製造することができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
実施例7
本例は、図28に示すごとく、多孔質保護層4を1層で構成したガスセンサ素子1の例である。その他は、実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を奏する。
本例のガスセンサ素子1も、上述した参考例1、実施例1〜5の何れの方法によっても製造することができる。
実施例8
本例は、図29に示すごとく、発熱体31がチャンバ122に近い部分に埋設されたガスセンサ素子1の例である。
また、発熱体31の位置が固体電解質体2に近くなる分、ガスセンサ素子1の側面100において、固体電解質体2に近い位置が高温となる。それ故、この発熱体31の真横の側面には、多孔質保護層4を形成していない。
その他は、参考例1と同様である。
本例によれば、発熱体31を固体電解質体2に近付けることとなるため、ガスセンサ素子1の活性時間を短縮することができる。
本例のガスセンサ素子1も、上述した参考例1、実施例1〜5の何れの方法によっても製造することができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
実施例9
本例は、図30に示すごとく、遮蔽層125側及びヒータ部3側の角部に面取りを行っていないガスセンサ素子1の例である。
そして、発熱体側方角部33とその周辺部に、多孔質保護層4を形成しない保護層非形成部5を配置している。また、遮蔽層125側の角部にも多孔質保護層4を設けていない。それ以外の遮蔽層125の表面129、ヒータ基板32の表面320、ガスセンサ素子1の側面100には、多孔質保護層4を設けている。
また、本例においては、発熱体側方角部33周辺における保護層非形成部5の領域は、a/b=0.2(20%)、c/d=0.1(10%)となるような領域である。
また、遮蔽層125側の側方角部127周辺における保護層非形成部5の領域は、以下の通りである。即ち、上記側方角部127から保護層非形成部5の端部までの幅方向距離をeとし、ガスセンサ素子1の幅をfとしたとき、e/fが0.05(5%)である。また、上記側方角部127から保護層非形成部5の端部までの積層方向距離をgとしたとき、g/bが0.1(10%)である。
本例のガスセンサ素子1も、上述した参考例1、実施例1〜5の何れの方法によっても製造することができる。
その他は、参考例1と同様であり、参考例1と同様の作用効果を有する。
実施例10
本例は、図31に示すごとく、ガス拡散律速をピンホール142で機能させるよう構成したガスセンサ素子1の例である。
本例のガスセンサ素子1は、固体電解質体2における被測定ガス室126側に、スペーサ層123を介して緻密層141を積層し、該緻密層141にピンホール142を形成している。そして、ピンホール142は、緻密層141に積層された多孔質層143によって覆われている。
これにより、被測定ガスは、ピンホール142を通って、被測定ガス室126に導入され、ピンホール142の大きさや個数によって、被測定ガスの拡散律速を調整することができる。
そして、多孔質保護層4は、上記多孔質層143の表面144、ヒータ基板32の表面320、及びガスセンサ素子1の側面100に設けられている。また、発熱体側方角部33及び多孔質層143の側方角部145には多孔質保護層4を形成しない保護層非形成部5が配置される。
本例のガスセンサ素子1も、上述した参考例1、実施例1〜5の何れの方法によっても製造することができる。
その他は、参考例1と同様であり、参考例1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のガスセンサ素子の製造方法は、上記各実施例に示した形状のものに限られず、例えば、参考例1に示したガスセンサ素子において、発熱体側方角部33を面取りしていない形状にし、遮蔽層125側の角部は面取りしたままの状態のガスセンサ素子などにも適用することができ、その他、種々の形状のガスセンサ素子に本発明を適用することができる。
実施例11
本例は、図32に示すごとく、遮蔽層125の表面129に多孔質保護層4を形成しないガスセンサ1の例である。
即ち、ガスセンサ素子1における、ヒータ部3を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口11を除く部分に、多孔質保護層4を形成しない。
本例のガスセンサ1を製造するに当っては、参考例1の方法を用いることができる。この場合、ガスセンサ素子1における少なくともガス導入口11が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に多孔質保護層4を形成した後、発熱体側方角部33における多孔質保護層4と共に遮蔽層125の表面129に形成された多孔質保護層4をも研磨除去する。
あるいは、実施例1の方法と同様を用いることもできる。この場合、マスク層61を、発熱体側方角部33と共に遮蔽層25の表面129にも形成する。
その他は、参考例1と同様である。
本例の場合には、ヒータ部3を設けた側とは反対側の表面129にも、多孔質保護層4のない保護層非形成部5が配される。それ故、表面129が被水したときにも、瞬時に水滴を素子表面から離脱させることができ、素子表面の温度低下を抑制し、素子割れを一層抑制することができる。また、多孔質保護層4の形成量が少なくなる分、ガスセンサ素子1の熱容量を小さくして、早期活性を容易にすることができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
なお、ヒータ基板32の表面320にも多孔質保護層4を形成しない状態とすることもできる。また、発熱体側方角部33にも多孔質保護層4を形成し、上記表面129のみに保護層非形成部5を配置してもよい。
実施例12
本例は、表1〜表3に示すごとく、上記参考例1に示した、本発明の製造方法により得られるガスセンサ素子1の効果を確認した例である。
即ち、ガスセンサ素子1の発熱体側方角部33へ水滴を滴下したときに、どの程度の温度低下が起こるか、そして、クラックがどの程度発生するかにつき、試験を行った。
試験に当たっては、まず、発熱体側方角部33に多孔質保護層4を設けていない参考例1のガスセンサ素子1を水準1として用意した。そして、比較のために、発熱体側方角部33に多孔質保護層4を5μm、20μm、50μm、80μmの厚みに形成したものをそれぞれ水準2、3、4、5として用意した。
各試料に対し、発熱体31の中心にあたる発熱体側方角部33へ、0.1μLの水滴、および0.2μLの水滴をそれぞれ滴下した際の発熱体側方角部33の温度低下を測定した結果を表1に示す。
水滴滴下部のガスセンサ素子の表面温度は700℃とした。表面温度はサーモビューワで測定した。また、水滴滴下による温度低下ΔTは、各水準10個ずつの計測データの最小値〜最大値を示している。また、多孔質保護層の厚みは、発熱体側方角部33における2層(第1保護層41と第2保護層42)の総厚である。また、ガスセンサ素子の幅は4.2mm、厚みは2.0mmである。
Figure 0004887981
表1から、多孔質保護層4を形成しない場合は、温度低下量ΔTは、滴下量0.1μL、0.2μLのいずれの場合にも殆ど差異はなく、30℃から80℃であった。これに対して、多孔質保護層を形成した場合は、温度低下量ΔTは大きく、水準2の5μm、水準3の20μm、水準4の50μm形成した場合は、それぞれ、140から220℃、100から170℃、70から100℃であった。
また、水準5のように多孔質保護層を80μm形成すると、多孔質保護層を形成しない場合(水準1)と同程度の温度低下量となった。即ち、多孔質保護層を厚く形成することで、温度低下量を小さくすることが可能である。しかし、多孔質保護層を厚くすることでガスセンサ素子1の熱容量が増大し、速熱性が低下し、エンジン始動時からセンサ出力が得られるまでの、いわゆる活性時間が長くなってしまう。エミッション規制が厳しくなる中で、特に、エンジン始動時に排出されるTHC(トータル・ハイドロカーボン)の排出量を低下させるためにはこの活性時間を短くすることが必須である。
それ故、早期活性を確保しつつ、被水割れを防ぐためには、水準1のように多孔質保護層を発熱体側方角部に設けない本発明のガスセンサ素子を採用する必要がある。
また、上記の滴下試験におけるガスセンサ素子へのクラック発生率を表2に示す。クラック発生率は、各水準10個の試験結果において、(クラック発生本数/10)×100にて算出される値である。
Figure 0004887981
表2から分かるように、水滴滴下によるクラックは、水準1の多孔質保護層を形成しない場合は発生しない。多孔質保護層の厚みが薄いほうが表1の水滴滴下による温度低下量の大きさとほぼ相関して、クラックの発生率が高い。水準5のように多孔質保護層の厚みを80μm程度まで厚くすると、クラックは発生しない。これは、被水すると同時に多孔質保護層の面方向への吸水現象が起こり、水滴が素子表面に殆ど到達しないため、素子温度低下が小さく、クラックが発生しなかったと推察される。しかしながら、上述したごとく、活性時間の相当な遅れが生ずる。
次に、参考例1(図1)において示した、積層方向距離aとbとの比a/bと、水滴滴下によるガスセンサ素子のクラック発生率との関係を調べた。
その結果を表3に示す。クラック発生率は、上記表2に示すものと同様の算出方法によって得られる値である。また、ガスセンサ素子の体格は、上記表1の試験方法において示したものと同じである。また、拡散抵抗層は、発熱体側方角部から0.75b離れた位置に形成されている。
Figure 0004887981
a/bが2%(0.02)以下の場合は、クラックの発生があった。これは、ライデンフロスト現象と同時に、発熱体側方角部に被着した水滴が広がり、発熱体側方角部から僅かしか離れていない多孔質保護層が水滴の一部を保水し、素子表面温度が低下することによりクラックが発生したものと考えられる。一方、a/bを5%以上としたものについては、多孔質保護層への水滴の保水の影響は殆ど、または、全くないため、ライデンフロスト現象により、素子温度低下を小さく抑えることができ、クラックが発生しなかったと考えられる。
この結果から、a/bを5%(0.05)以上とすることにより、被水割れを一層効果的に防ぐことができると考えられる。
次に、発熱体側方角部33からヒータ基板32の表面320における保護層非形成部5の端部までの幅方向距離cと上記表面320の幅dとの比c/dと、水滴滴下によるガスセンサ素子のクラック発生率との関係を調べた。試験方法については、上記表3に示したものと同様である。
その結果を表4に示す。
Figure 0004887981
表4から分かるように、c/dが1%(0.01)以下の場合は、クラックの発生があった。一方、c/dを2%(0.02)以上としたものについては、多孔質保護層への水滴の保水の影響は殆ど、または、全くないため、ライデンフロスト現象により、素子温度低下を小さく抑えることができ、クラックが発生しなかったと考えられる。
この結果から、c/dを2%(0.02)以上とすることにより、被水割れを一層効果的に防ぐことができると考えられる。
参考例1における、ガスセンサ素子の断面図であって、図2のA−A線矢視断面図(上下の向きは逆)。 参考例1における、ガスセンサ素子の斜視図。 参考例1における、発熱体の位置を示すガスセンサ素子の平面説明図。 参考例1における、ガスセンサ素子の平面図。 参考例1における、ガスセンサ素子の側面図。 参考例1における、ガスセンサ素子の全周に多孔質保護層を形成した状態を表す断面図。 参考例1における、対水ペーパを用いた多孔質保護層の研磨除去方法の説明図。 参考例1における、弾性研磨具を用いた多孔質保護層の研磨除去方法の説明図。 参考例1における、ベルト状研磨具を用いた多孔質保護層の研磨除去方法の説明図。 実施例1における、多孔質保護層の形成方法を示す工程フロー図。 実施例1における、ガスセンサ素子の所定位置にマスク層を形成した状態を示す断面説明図。 実施例1における、マスク層の上から、ガスセンサ素子の全周に多孔質保護層のスラリーを形成した状態を示す断面説明図。 実施例1における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第1の説明図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第2の説明図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第3の説明図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第4の説明図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第5の説明図。 実施例1における、マスク層のパッド転写方法を示す第6の説明図。 実施例2における、マスク層の形成方法の説明図。 実施例2における、タンク及び加圧・減圧装置を用いたマスク層の形成方法の説明図。 実施例2における、フェルト材及びタンクの断面説明図。 実施例3における、ディスペンサを用いた多孔質保護層の形成方法の説明図。 実施例3における、複数のディスペンサを用いた多孔質保護層の形成方法の説明図。 実施例4における、噴射ノズルを用いた多孔質保護層の形成方法の説明図。 実施例5における、パッド転写を用いた多孔質保護層の形成方法の説明図。 実施例6における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例7における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例8における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例9における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例10における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例11における、ガスセンサ素子の断面図。
符号の説明
1 ガスセンサ素子
11 ガス導入口
2 固体電解質体
21 被測定ガス側電極
22 基準ガス側電極
3 ヒータ部
31 発熱体
32 ヒータ基板
33 発熱体側方角部
4 多孔質保護層
5 保護層非形成部

Claims (14)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
    上記発熱体側方角部の少なくとも一部に、有機材料からなるマスク層を形成し、
    次いで、上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記マスク層を覆うように、上記多孔質保護層を形成するための保護層形成材料を付着させ、
    次いで、熱処理を行うことにより、上記多孔質保護層を焼成すると共に、上記マスク層を焼失させて該マスク層上の上記多孔質保護層を除去して、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  2. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
    上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に、有機材料からなるマスク層を形成し、
    次いで、上記ガスセンサ素子における少なくとも上記ガス導入口が形成されている長さ領域のうち被測定ガスに暴露される領域の全表面に、上記マスク層を覆うように、上記多孔質保護層を形成するための保護層形成材料を付着させ、
    次いで、熱処理を行うことにより、上記多孔質保護層を焼成すると共に、上記マスク層を焼失させて該マスク層上の上記多孔質保護層を除去して、上記保護層非形成部を設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  3. 請求項2において、上記マスク層は、上記ガスセンサ素子における、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部にも形成することにより、該発熱体側方角部の少なくとも一部にも上記保護層非形成部を配置することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記マスク層は、柔軟性を有するパッド材に付着させたマスク材を上記発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に転写することにより形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記マスク層は、フェルト材に含浸させたマスク材を上記発熱体側方角部の少なくとも一部、または上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に付着させることにより形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記マスク層は樹脂からなることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  7. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
    上記多孔質保護層を形成する保護層形成材料を、少なくとも上記ガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を覆うと共に上記発熱体側方角部の少なくとも一部を残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させ、
    次いで、上記保護層形成材料を熱処理して上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  8. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面に設けた被測定ガス側電極と、上記固体電解質体の他方の面に形成した基準ガス側電極と、上記固体電解質体に積層したヒータ部とを有し、該ヒータ部は、通電によって発熱する発熱体をヒータ基板に形成してなると共に、該ヒータ基板が上記固体電解質体に積層されており、上記被測定ガス側電極に被測定ガスを導入するガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を少なくとも覆うように形成された多孔質保護層を表面に有しており、また、該多孔質保護層を形成しない保護層非形成部を、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部に配置しているガスセンサ素子を製造する方法であって、
    上記多孔質保護層を形成する保護層形成材料を、少なくとも上記ガス導入口のうち被測定ガスに暴露される領域を覆うと共に、上記ヒータ部を設けた側とは反対側の表面であって上記ガス導入口を除く部分の少なくとも一部を残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させ、
    次いで、上記保護層形成材料を熱処理して上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  9. 請求項8において、上記保護層形成材料は、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部をも残すように、上記ガスセンサ素子の表面に付着させることにより、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の少なくとも一部にも、上記保護層非形成部を配置することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記保護層形成材料の付着は、ディスペンサによる塗布により行うことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  11. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記保護層形成材料の付着は、ノズルからの噴射により行うことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  12. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記保護層形成材料の付着は、スクリーン印刷により行うことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  13. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記保護層形成材料の付着は、柔軟性を有するパッド材に付着させた上記保護層形成材料を上記ガスセンサ素子の表面に転写することより行うことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項において、上記保護層非形成部は、上記発熱体の軸方向長さに対応する領域における、上記ヒータ基板の側方角部である発熱体側方角部の全体に設けることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
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