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JP4882052B2 - 自己組織化マップを用いた脈波診断システム並びに自己組織化マップの生成プログラム及び生成方法 - Google Patents

自己組織化マップを用いた脈波診断システム並びに自己組織化マップの生成プログラム及び生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Map)を用いた脈波の診断装置に関する。
自己組織化マップ(以下「SOM」という。)はヘルシンキ工科大学のコホネンが考案した教師なしニューラルネットワークであり、高次元データを2次元に圧縮して表示する仕組みを、神経回路網をヒントにして実現したものである。このSOMの手法によれば、多次元データを2次元のマップ上に投影することが可能となり、データの分類が視覚的に容易に可能となるため、種々の分野でSOMの応用が研究されている(非特許文献1)。
例えば、健康診断の分野におけるSOMの応用に関して特許文献1に開示の発明がある。特許文献1では、被験者の種々の健康状態に関するデータを入力ベクトルとして用いてSOMを生成している。このようにして得られるSOMに対し、患者の健康状態に関するデータを入力して、SOM上の対応するノード位置を強調表示させることで、患者の健康状態を容易に視覚的に認識することが可能となる。
一般に、患者の健康状態の診断に使用する情報として、血圧、コレステロール、中性脂肪、脈波等がある。特に、脈波は採取が容易であること、中枢から末梢にいたる血管動態に関して多くの情報をふくんでいることから、従来より、動脈硬化の程度の診断等に用いられてきた。脈波に関するデータを用いた健康診断用のSOMの生成に関して、特許文献2に開示がある。特許文献2によれば、脈波データから脈波以外の人体の情報を推測できるSOMを得ることができ、健康状態に関するデータを短時間で取得することが可能となる。
徳高平蔵、藤村喜久郎、山川烈監修、「自己組織化マップ応用事例集−SOMによる可視化情報処理」、海文堂、2002年10月 特開2003−263502号公報 特開2003−310558号公報
特許文献2では、加速度脈波の1周期分における最大点から最小点までの波形を12点でサンプリングして得られたデータを脈波に関するデータとして用いて、SOMを作成する。加速度脈波の波形は実際には複雑な形状をしており、この手法では、加速度脈波の種々の形状に対応できず、脈波データのみを用いてSOMを生成して健康診断に用いる場合には、精度の点で多少問題がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、脈波情報を用いたSOMを利用した健康診断システムにおいて、より精度のよい診断結果を得ることができる脈波診断システムを提供することにある。
本発明に係る脈波診断システムは、脈波データを入力ベクトルとして用いて学習させた自己組織化マップを用いたシステムである。その脈波診断システムは、被験者の脈波データをサンプリングして測定する脈波測定手段と、測定した脈波データを入力ベクトルとして用いて自己組織化マップを作成するSOM処理手段とを有する。特に、脈波測定手段は、脈波データの一周期内の最大振幅点から最小振幅点までのサンプリング点数が第1の所定数となるようにサンプリング周波数を設定し、そのサンプリング周波数でサンプリングしてサンプリングデータを取得する。SOM処理手段は、そのサンプリング周波数でサンプリングして得られた第2の所定数のサンプリングデータを入力ベクトルとして用いる。さらに、SOM処理手段は、被験者から一定期間内に採取された脈波データに含まれる複数周期の波形データを各周期毎に自己組織化マップ上に同時に表示する
本発明により得られる脈波に関するSOM(脈波マップ)を用いることで、医師の診断結果に近い、より精度のよい脈波波形の分類が可能となり、診断結果の精度を向上することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
以下に説明する脈波診断システムは、脈波データに関するSOM(Self-Organizing Map:自己組織化マップ)を用いた健康状態の診断を可能とするシステムである。
1.システム構成
図1は、本発明の脈波診断システム(以下「システム」という。)の構成の一例を示した図である。図1において、システムは、脈波データに関するSOM(以下「脈波マップ」という)を用いた診断処理を実行する情報処理装置1と、脈波を電気信号として検出するセンサ31と、センサからの出力信号を増幅する増幅器33とからなる。
情報処理装置1は、その全体動作を制御する制御部11と、画面表示を行う表示部17と、ユーザが操作を行う操作部19と、データやプログラムを記憶するデータ格納部とを備える。例えば、表示部17は液晶ディスプレイで構成され、操作部19はキーボードやマウス等である。さらに、情報処理装置1は、アナログ信号を設定されたサンプリング周波数(サンプリングレート)でデジタル信号に変換するAD変換器23、及び外部機器やネットワークに接続するためのインタフェース25を含む。
制御部11は、脈波マップの作成及び脈波マップによる診断処理を行うSOM処理部13と、センサ31で検出された脈波の検出情報を処理する脈波測定部15とを有する。制御部11はCPUやMPUからなり、プログラムを実行することで後述するSOM処理部13や脈波測定部15の機能を実現する。制御部11で実行されるプログラムは通信回線を通じて、またはCD−ROM等の記録媒体で提供可能である。
データ格納部21はデータやプログラムを記憶する手段であり、例えばハードディスクで構成される。データ格納部21は、制御部11で実行されるプログラム、測定された脈波データ、SOMに関する情報等を格納する。
センサ31は動脈の内圧の変化により生ずる指先の毛細血管の容積変化を計測した容積脈波を検出する。具体的には、センサ31は透過型フォトセンサで指先のヘモグロビン濃度変化を吸光度変化として捉えて、容積脈波を測定する。このようなセンサには、例えば、日本光電社製の「TL−201T」がある。
2.システム動作
以上の構成を有する本システムの動作を以下詳細に説明する。
2.1 脈波
最初に、本システムで取り扱う脈波について説明する。図2(a)に容積脈波の波形を示す。この容積脈波を微分したものが、図2(b)に示す速度脈波であり、さらにこの速度脈波を微分したものが、図2(c)に示す加速度脈波である。本システムでは、この加速度脈波を脈波の情報として健康診断に用いる。
図2(d)は、加速度脈波の最大点から最大点までを一周期(T)として切り出した加速度脈波の波形例を示した図である。加速度脈波とは心臓の収縮期の波形であり、a波、b波、c波、d波、e波の5つの成分を含む。a波は基線lより上に位置する陽性波、b波は基線lより下に位置する陰性波である。c、d、e波は生体条件により陰性または陽性に変化する。基線lを基準として各成分波の頂点までの距離をa、b、c、d、eとしたときに、従来「血管年齢」は次式で与えられる。
Figure 0004882052
従来知られている加速度脈波の分類法として佐野・小山内法がある(「加速度脈波による血液循環の評価とその応用」、佐野祐司他、労働科学,61(3)、第129−143頁、1985年、「加速度脈波による血液循環の評価とその応用(第2報)−波形定量化の試み−」、佐野祐司他、体力研究,68、第17−25頁、1988年、等参照)。佐野・小山内法は、図3に示すように、加速度脈波波形をおおまかにA〜Gの7種類に分類する。この分類によれば、加齢にともない、A、B型の波形の比率が少なくなり、D,E,F,G型の波形の比率が高くなるという傾向がある。このように、加速度脈波の波形は健康状態と密接な関係があることが知られている。
なお、本発明において一周期分の加速度脈波の波形は、加速度脈波の最大点から開始するよう切り出したものをいい、最大点を頂点aとし、それ以降、順に現れる頂点b、頂点c、頂点d、頂点eとする。
2.2 脈波データのグループ化
図4に2つの典型的な一周期分の加速度脈波の波形を示す。図4(a)は、波形の最小点が頂点bである場合の波形、すなわち、図3に示すA〜D型の波形を示す。図4(b)は、波形の最小点が頂点dである場合の波形、すなわち、図3に示すE〜G型の波形を示す。図3に示すように、5つのタイプの加速度脈波の波形は、b点(2番目の頂点)またはd点(4番目の頂点)で最小値をとっており、また、A型からG型に変化するにしたがい、最小値がb点からd点へと移行する。このように、加速度脈波の形状の把握においては、b点、d点の位置(振幅値)が重要な役割を果たしていると考えられる。
そこで、本発明では、最大点aから、最小点bまたはdまでの時間に着目し、この時間に基づき加速度脈波を2つのグループに分類する。具体的には、波形の1周期Tに対する、波形の最大点(a点)から波形の最小点(b点またはd点)までの時間ΔTの割合(以下これを「レート」という。)を求め、このレート(ΔT/T)を所定の閾値と比較して、加速度脈波の波形を、レートが閾値以下のグループ(低レートグループ)と、レートが閾値より高いグループ(高レートグループ)とに分類する。
レート = ΔT/T (2)
図5は、多数の被験者から採取した加速度脈波のデータの集合に対して、上式(2)にしたがい閾値を「0.2」としてレートを計算して分類した場合の、加速度脈波データ(すなわち被験者数)の分布を示した図である。同図に示すように、低レート側においては、最小点がb点である波形が集中し、高レート側においては、最小点がd点である波形が集中して分布するという顕著な傾向が見られた。
本発明では、上記分布結果を考慮し、高レートと低レートのそれぞれに対して脈波マップ(SOM)を作成する。これにより、脈波データによる精度のよい診断が可能になる。
2.3 脈波データの規格化
本システムでは、脈波マップ(SOM)に入力する脈波データとして一周期以内の加速度脈波の波形データを用いる。サンプリング周期毎に得られた加速度脈波の波形データ(サンプリングデータ)の各振幅値は、脈波の最大振幅値が1に、最小振幅値が0になるように正規化される。一周期分の加速度脈波の波形を示す波形データが(x1, x2, x3, …, xi)であるとき、脈波マップへの入力ベクトルは(x1, x2, x3,…, xj)(j≦i)とする。なお、x1は最大点aの振幅値となる。特に、その際、脈波マップに入力する一周期の脈波に対する波形データの総点数(jの値)を一定とするとともに最小点の次元が常に同じ次元となるように、脈波データを時間軸上で規格化する。このように波形データを規格化することで高精度に波形形状の区別が可能となる。
具体的には、本実施形態では、低レートの脈波データの場合、最小点bの値が波形データにおいて第15次元目になるように、また、高レートの脈波データの場合、最小点dの値が波形データにおいて第40次元目の値となるようにそれぞれサンプリング周期を設定し、そのサンプリング周期で取得した50点(50次元)の波形データを脈波マップに入力する。
なお、最小点b,dの次元数は15や40に限られない。また、SOMに入力する脈波データ総点数(jの値)も50に限られず、少なくとも点aから点dまでの4つの頂点が含まれるような値に設定するのが好ましい。
2.4 脈波データの取得処理
脈波マップに入力する脈波データの取得処理について説明する。この処理は主として脈波測定部15で実行される。
センサ31により検出された被験者の容積脈波の情報は、増幅器33で信号増幅され、AD変換器23でサンプリング周期毎にデジタル信号に変換される。脈波測定部15は、AD変換器23からデジタル信号の脈波データを受けて2次微分することで、加速度脈波のデータを得る。このような加速度脈波の取得は、前述の脈波データの規格化を行いながら実行される。
具体的には、低レート(レートが閾値以下)の脈波データの場合、最大点aから最小点bまでのサンプリング点数が15点となるように、脈波データのサンプリング周波数を決定する。このため、最初に所定のサンプリング周波数で脈波データのサンプリングを行い、その結果に基づいてサンプリング周波数を再設定する。例えば、図6(a)に示すように、最初に脈波データをサンプリングしたときの、最大点aから最小点bまでのサンプリング点数が25点であった場合、図6(b)に示すように、最大点aから最小点bまでのサンプリング点数が15点となるように、サンプリング周波数を設定し直し、その再設定されたサンプリング周波数で再度脈波データをサンプリングする。そして、一周期分の波形データとして、最大点aから50点数分のデータをSOMに入力する。
一方、高レート(レートが閾値より大きい)の脈波データの場合、最大点aから最小点dまでのサンプリング点数が40点となるように、脈波データのサンプリング周波数を決定する。例えば、図7(a)に示すように、最初に脈波データをサンプリングしたときの最大点aから最小点dまでのサンプリング点数が50点であった場合、図7(b)に示すように、最大点aから最小点dまでのサンプリング点数が40点となるように、サンプリング周波数を設定し直し、その再設定されたサンプリング周波数で再度脈波データをサンプリングする。そして、最大点aから50点数分のデータをSOMに適用するための一周期分の波形データとして採用する。
以上のように、本発明では、脈波データが低レートか高レートかをまず判断し、最大点から最小点までのサンプリング点数がそのレートの種類に応じた値となるように、脈波データのサンプリング周波数を設定する。
図8は、脈波測定部15により実行される脈波データの取得処理のフローチャートである。図8において、脈波測定部15は、最初、所定のサンプリング周波数(例えば、200Hz)で脈波データをサンプリングする(S1)。次に、一周期分の脈波データについて上式(2)にしたがいレートを算出する(S2)。算出したレートを所定の閾値(例えば、0.2)と比較する(S3)。
比較した結果、レートが閾値以下であれば、すなわち低レートであれば、最大点aから最小点bまでのサンプリング点数が15点となるように、AD変換器23に対して脈波データのサンプリング周波数を再設定する(S4)。一方、レートが閾値より高ければ、すなわち、高レートであれば、最大点aから最小点dまでのサンプリング点数が40点となるように、AD変換器23に対してサンプリング周波数を再設定する(S5)。
その後、再設定されたサンプリング周波数で再度、脈波データをサンプリングする(S6)。そして、一周期分のデータのうちa点から50点分のデータをSOMに適用するデータとして取得する。このようにして得られたa点から50点分のデータは、被験者名やデータ取得日等の情報と関連づけられてデータ格納部21に脈波データとして保存される。
2.5 脈波マップの生成
SOM処理部13は、以上のようにして得られる加速度脈波のデータをSOMに入力して学習させることで脈波マップを作成する。つまり、被験者一人一人について上記の方法で脈波データを採取し、採取した各脈波データについて上式(2)でレートを算出し、そのレートに基づいて、採取した複数の脈波データ群を低レートグループと高レートグループに分類する。そして、各グループ毎に、各グループに含まれる脈波データのみを用いて脈波マップを学習させることで、低レートグループと高レートグループのそれぞれに対して脈波マップを作成する。作成された2つの脈波マップはデータ格納部21に保存される。脈波マップへの入力データは、上記の方法で得られた50点の加速度脈波の波形を示す50次元のベクトルデータである。学習条件は以下のとおりである。
[表1]
Table 1 低レートのときの学習条件
Figure 0004882052
[表2]
Table 2 高レートのときの学習条件
Figure 0004882052
以上のようにして作成された脈波マップの例を図9に示す。同図において、マップMlは、低レートグループに含まれるデータのみで作成した脈波マップであり、マップMhは高レートグループに含まれるデータのみで作成した脈波マップである。低レート用のマップMlでは、A型からD型へ波形が連続的に配置されており、高レート用のマップMhでは、D型からG型へ波形が連続的に配置されているのがわかる。よって、これら2つのマップMl、Mhを組み合わせることで、全体としてA型からG型へ波形が連続的に配置されたマップが得られる。このようにして生成される脈波マップを用いることで連続的な波形の形状に基づいた診断が可能となる。
2.6 脈波マップによる診断処理
以下、脈波マップによる診断処理について説明する。本処理は主としてSOM処理部13により実行される。脈波マップによる診断処理に関して表示部17上に図10に示すようなボタン51、53が表示される。脈波測定開始ボタン51が押下されると、診断を受ける患者の脈波データの採取が開始される。
脈波測定開始ボタン51が押下されると、脈波データがセンサ31を介して脈波測定部15により取得され、取得されたデータがデータ格納部21に保持される。脈波データの取得処理は上述のとおりであるが、特に、診断処理時には、複数の周期の脈波データが取得され得るよう一定時間(例えば20秒間)測定が実施される。
脈波の測定に続いて診断開始ボタン53が押下されると、直前に取得したデータに基づいて診断が開始される。SOM処理部13はデータ格納部21から、診断を受ける被験者のデータを読み出し、レートを算出する。図8に示したフローチャートの処理を経て、レートが低レートであれば、データ格納部21から低レートの脈波マップMlを読み出す。または、図8に示したフローチャートの処理を経て、レートが高レートであれば、データ格納部21から高レートの脈波マップMhを読み出す。読み出した脈波マップを参照し、被験者のデータに最も近いノードを検索し、マップ上において、診断結果として検索したノードを視認可能に表示させる。これにより被験者または医師はマップを見ることで、視覚的に脈波の状態を認識でき、波形に基づいた診断が可能となる。
なお、診断開始ボタン53が押下されたときに、過去に取得され、データ格納部21に保存されている脈波データの中から任意の脈波データを指定できるようにしてもよい。また、1つのマップ上で1人の患者に対する診断結果を表示するのみならず、複数の患者の診断結果をまとめて1つのマップ上に表示させることも可能である。この場合は、医師等は複数の患者の脈波データを指定し、SOM処理部13は指定された複数の脈波データをデータ格納部21から読み出して上記処理を行う。
なお、本実施形態では、一人の患者に対して一定時間(例えば20秒)内に測定した加速度脈波データに含まれる複数周期の波形データの診断結果を周期毎の波形に分けて、それぞれ同じマップ上に表示する。一般に人が健康状態にある場合、一定時間内に測定したデータ中には、ほぼ一定数の周期の脈波が含まれるが、インフルエンザ等の疾病に罹患しているときは、その数が変化する(例えば、心拍数が上がり多くなる。)。本実施形態のように、一人の患者について1つのマップ上に一定時間に採取した脈波データを各周期毎に表示させることで、一定時間中に含まれる一周期分の脈波の数を視覚的に容易に認識でき、健康状態の変化を容易に認識できる。また、一般に、人の体調がよいときは、脈波波形の形状の時間的な変化すなわちバラツキは小さく、一方、体調不良のときは脈波波形のバラツキは大きくなる。よって、本実施形態のように、1つのマップ上に各周期毎に脈波に対する診断結果を表示させることで、体調がよいときは、マップ上の比較的近い位置に各脈波の診断結果が表示され、体調不良のときは、比較的分散した位置に各脈波の診断結果が表示されることになり、体調の良/不良の診断が容易となる。
図11、12に、診断結果が表示された脈波マップを示す。図11は、医師により比較的健常であると診断された患者の脈波データに対する診断結果が表示された脈波マップを示している。図中、低レート用の脈波マップMlの破線で囲まれた部分に診断結果が表示されている。この脈波マップMlから患者の脈波波形はB型であることが読み取れる。このマップMlから得られる結果は、医師の診断結果とも一致する。
図12は、医師により動脈硬化と診断された患者の脈波データに対する診断結果が表示された脈波マップを示している。図中、高レート用の脈波マップMhの破線で囲まれた部分に診断結果が表示されている。この脈波マップMhから患者の脈波波形はG型であることが読み取れる。このマップMhから得られる結果は、医師の診断結果とも一致する。
3.まとめ
以上のように、本発明のシステムにより得られる脈波マップを用いることで、医師の診断結果に近い、精度のよい脈波波形の分類が可能となる。特に、本発明では、脈波マップに入力するサンプリングデータを規格化することで、精度のよい脈波波形の分類が可能となる。また、脈波マップ生成時に、加速度脈波の最小点に着目して脈波を複数のグループに分類し、分類したグループ毎に脈波マップを作成する。これによりA型からG型へと連続的に変化するSOMの作成が可能となる。ここで、A型からG型へと連続的に変化するとは、例えば、A型の隣にはB型が必ず配置され、F型やG型が配置されることのないことを意味する。また、波形の最小点が常時同じ次元となるようSOMに入力する波形データの規格化を行うことにより、精度よく波形の分類が可能となる。
なお、以上の説明に用いたサンプリング点数、サンプリング周波数、SOM作成時の学習条件等の具体的な値は例示であり、本発明の範囲はその値に限定されることはない。
また、以上の説明では、脈波マップに対する入力データとして、脈波の波形に関するデータのみを用いたが、波形データに加えて入力データとして被験者の健康状態に関する種々のデータ(血圧、コレステロール、中性脂肪、γ−GTP等)等、脈波の波形以外の情報を含めてもよい。
また、上記の例では、1周期(T)に対する、最大点aから最小点b、dまでの時間(ΔT)の割合(レート)に基づいて脈波を分類したが、最小点が点bとなる場合と点dとなる場合とで、区別ができるような値であれば、レートの代わりに他の値を算出してもよい。
また、上記の例では、脈波を低レートグループと高レートグループの2つのグループに分類したが、さらに細かく3つ以上のグループに分類することも考えられる。
また、上記の例では、一周期分の脈波データにおける最大振幅点aから最小振幅点b、dまでのサンプリング点数が所定数となるようにAD変換器23のサンプリング周波数を再設定したが、サンプリング周波数を再設定するかわりに、サンプリングしたデータの間引きや補完等の演算処理により最大振幅点aから最小振幅点b、dまでのサンプリング点数を調整することもできる。
また、上記の例では、一人の患者に対して一定期間内に採取した複数周期の波形に対する診断結果を1つのマップ上に表示させたが、一周期分の波形データに対する診断結果のみを表示させるようにしてもよい。
本発明の脈波診断システムの構成の一例を示した図 脈波を説明するための図 佐野・小山内法による加速度脈波の分類を説明した図 一周期分の加速度脈波の典型的な波形を示す図 本発明のレートに基づいて加速度脈波を分類したときの、加速度脈波データの分布を示す図 脈波データ採取時のサンプリング周波数の設定方法を説明するための図 脈波データ採取時のサンプリング周波数の設定方法を説明するための図 脈波データ取得処理のフローチャート 本発明により作成される脈波マップの一例を示す図 脈波診断システムにおいて、脈波マップによる診断処理に関して表示部上に表示されるボタンを示す図 医師により比較的健常であると診断された患者の脈波データに対する診断結果が表示された脈波マップを示す図 医師により動脈硬化であると診断された患者の脈波データに対する診断結果が表示された脈波マップを示す図
符号の説明
1 情報処理装置
11 制御部
13 SOM処理部
15 脈波測定部
17 表示部
19 操作部
21 データ格納部
23 AD変換器
25 インタフェース
31 センサ
33 増幅器
Mh 脈波マップ(高レート用)
Ml 脈波マップ(低レート用)

Claims (7)

  1. 脈波データを入力ベクトルとして用いて学習させた自己組織化マップを用いた脈波診断システムであって、
    被験者の脈波データをサンプリングして測定する脈波測定手段と、
    測定した脈波データを入力ベクトルとして用いて自己組織化マップを作成するSOM処理手段とを有し、
    前記脈波測定手段は、脈波データの一周期内の最大振幅点から最小振幅点までのサンプリング点数が第1の所定数となるようにサンプリング周波数を設定し、該設定したサンプリング周波数でサンプリングしてサンプリングデータを取得し、
    前記SOM処理手段は、前記サンプリング周波数でサンプリングして得られた第2の所定数のサンプリングデータを前記入力ベクトルとして用い
    前記SOM処理手段は、被験者から一定期間内に採取された脈波データに含まれる複数周期の波形データを各周期毎に自己組織化マップ上に同時に表示する、
    ことを特徴とする脈波診断システム。
  2. 前記SOM処理手段は、脈波の一周期における最小点の位置に基づいて脈波データを複数のグループに分類し、各グループ毎に自己組織化マップを作成する、ことを特徴とする請求項1記載の脈波診断システム。
  3. 前記SOM処理手段は、脈波データを、脈波データの一周期(T)に対する、前記一周期における振幅の最大点から最小点までの時間(ΔT)の割合が閾値以下の低レートグループと、前記割合が閾値より大きい高レートグループに分類し、低レートグループ及び高レートグループのそれぞれ別々に自己組織化マップを作成する、ことを特徴とする請求項2記載の脈波診断システム。
  4. 前記第1の所定数を前記グループ毎に設定する、ことを特徴とする請求項2記載の脈波診断システム。
  5. 前記SOM処理手段は、前記生成した自己組織化マップ上に、診断対象の被験者の脈波データに対する診断結果を表示する、ことを特徴とする請求項1記載の脈波診断システム。
  6. 前記脈波データは、容積脈波を2回微分して得られる加速度脈波データである、ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の脈波診断システム。
  7. 前記第2の所定数は、前記入力ベクトルが前記最大振幅点のデータ並びに前記最大振幅点から1番目ないし3番目の頂点のデータを含むように設定される、ことを特徴とする請求項記載の脈波診断システム。
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