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JP4881520B2 - 油展ゴム、これを配合したゴム組成物、およびこれをトレッドゴムに用いたタイヤ並びに競技用タイヤ - Google Patents

油展ゴム、これを配合したゴム組成物、およびこれをトレッドゴムに用いたタイヤ並びに競技用タイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性、破壊特性およびグリップ特性を一段と向上させることのできる高性能タイヤのトレッドゴムに適したゴムおよびこれを配合したゴム組成物、並びに、これをトレッドゴムに使用したタイヤ、特に競技用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の高速走行安定性に対する要求が一段と厳しくなってきており、自動車のタイヤトレッド用ゴム材料に従来から要求されてきた耐摩耗性や破壊特性に加えて、ウェットスキッド抵抗性およびドライグリップ性に優れたゴムが強く望まれるようになってきた。
しかし、これらの特性、特に、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性およびドライグリップ性は、それぞれ相反する関係にあるので、これらを同時に満足させるのは困難である。
つまり、グリップ性はそのゴム組成物のヒステリシスロス特性に依存しているため、ゴム組成物のグリップ性を高めるためには、従来より芳香族系の軟化剤を多量に配合することで対応できるが、このことは、逆に、破壊特性の低下をもたらすという不都合があった。
【0003】
この点を改良するために、軟化剤の代わりに、低分子量SBRを用いる技術がある(参照:特開昭63−101440号公報)が、この技術の問題は、低分子量といえども架橋性を有する二重結合を有するので、その一部がマトリックスゴムと架橋し、マトリックスゴムに取り込まれてしまい、ヒステリシスロスを高める作用を発現し難いという点にあった。
また、この技術に対する改良として、低分子量成分の架橋を防止すべく、低分子量成分の二重結合を水素添加により飽和結合に変える試みもあるが、この場合は、マトリックスゴムとの相溶性が著しく悪化し、その結果として、破壊特性が低下し、さらには、低分子量成分がブリードしてくるという問題があった。
【0004】
そこで、低分子量成分のみならず、ゴム成分としての高分子量成分を共に、特定のミクロ構造を有するポリマーに限定して使用することにより、耐破壊性、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性を揃って向上させることに成功した技術がある(参照:特開2000−129037号公報)。
【0005】
この技術では、ゴム成分と低分子量成分をウェット状態で混合し、その分散の改良を図っている。しかし、時として、加硫ゴムの物性が充分でないことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の不都合に鑑みて、ゴム成分と低分子量成分の分散性を高めて、一層の物性向上を図ることを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、以下の構成とする。
本発明の油展ゴムは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られたポリスチレン換算重量平均分子量が4.0×10〜3.0×10 であり、結合スチレン量が10〜50重量%、ブタジエン部のビニル結合量が20〜70%である、リチウム系重合開始剤で重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(A)100重量部に対して、
ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られたポリスチレン換算重量平均分子量が5.0×10〜2.0×10 であり、結合スチレン量が25〜70重量%、ブタジエン部の二重結合のうち60%以上が水素添加された水添スチレン−ブタジエン共重合体(B)よりなる伸展油10〜200重量部を、乾燥状態で混練することにより得られる油展ゴムであって、かつ共重合体(A)の結合スチレン量と共重合体(B)の結合スチレン量が以下の式
共重合体(B)の前記結合スチレン量>共重合体(A)の前記結合スチレン量+10
を満たす関係にあり、共重合体(A)と共重合体(B)のみからなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のゴム組成物は、上記の油展ゴムをゴム成分として配合することを特徴とする。
さらに、本発明のタイヤおよび競技用タイヤは、上記ゴム組成物をトレッドゴムに使用したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、共重合体(A)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)により得られたポリスチレン換算重量平均分子量を4.0×105 〜3.0×106 と規定するが、これは、4.0×105 未満では破壊特性が低下し、3.0×106 を越えると重合溶液の粘度が高くなり生産性が低くなるからである。同様の観点から、好ましくは、7.0×105 〜2.5×106 である。
また、共重合体(A)の結合スチレン量を10〜50重量%と規定するが、これは、10重量%未満では破壊特性が低下し、ウェットスキッド抵抗性と他の特性とを同時に満足することが困難であり、50重量%を超えると耐摩耗性が低下するからである。同様の観点から、好ましくは、20〜50重量%である。
【0010】
また、共重合体(A)のブタジエン部のビニル結合量を20〜70%と規定するが、これは、20%未満ではウェットスキッド抵抗性が不十分であり、70%を超えると耐摩耗特性が低下するからである。同様の観点から、好ましくは、30〜60%である。
共重合体(A)の結合スチレン量とブタジエン部のビニル結合量が上記好適範囲にある場合に、ウェットスキッド抵抗性と耐摩耗性のバランスにおいて優れている。
【0011】
さらに、本発明では、伸展油として使用する共重合体(B)のGPCにより得られたポリスチレン換算重量平均分子量を5.0×103 〜2.0×105 と規定するが、これは、5.0×103 未満では破壊特性、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性が劣り、2.0×105 を超えるとウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性が劣るからである。
また、共重合体(B)の結合スチレン量を25〜70重量%と規定するが、これは、25重量%未満では、ウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性が不十分であり、70重量%を越えると、樹脂状になるため組成物が固くなり、ウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性が低下するからである。
また、共重合体(B)のブタジエン部の二重結合のうち60%以上が水素添加されていることを規定するが、これは、水添率が60%未満では共重合体(A)との共架橋性が起こり、十分なグリップ性が得られないからである。水添率は高いほど共重合体(A)との共架橋性が下がるので、ヒステリシスロスが高くなり、優れたグリップ性を発揮する。この観点から、好ましい水添率の範囲は80%以上である。
また、本発明の油展ゴムは、共重合体(A)100重量部に対して、伸展油としての共重合体(B)を10〜200重量部の割合で配合して油展することを規定するが、これは、10重量部未満では強度とドライグリップ性の改良が不十分であり、200重量部を超えるとムーニー粘度が低くなり過ぎて生産性が悪くなるからである。同様の観点から、好ましくは20〜100重量部である。
【0012】
さらに、本発明の油展ゴムは、共重合体(A)の結合スチレン量と共重合体(B)の結合スチレン量が以下の式
共重合体(B)の前記結合スチレン量>共重合体(A)の前記結合スチレン量+10
を満たす関係にあることを規定するが、これは、共重合体(A)と共重合体(B)との相溶性を得るためであり、結合スチレン量の差が10重量%以下の場合、相溶性が得られず、共重合体(B)のゴム表面へのブリードが起こり、この油展ゴムを配合したゴム組成物を、タイヤのトレッドゴムに適用した場合、ケースゴム等の他部材との十分な接着が得られず、また、破壊強力も得られないからである。しかるに、上記条件を満たす共重合体(B)を用いることにより、優れた強度とグリップ性を満足する油展ゴムを得ることができる。また、より完全な相溶性を得るために共重合体(A)と水添共重合体(B)の結合スチレン含量の差が15重量%以上であることが好ましい。
【0013】
共重合体(A)は、ブタジエンとスチレンとを炭化水素溶媒中でエーテルまたは第三級アミンの存在下にリチウム系重合開始剤を用いて共重合させることにより得られる。
【0014】
上記炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。これらの炭化水素の中では、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素が好ましい。
【0015】
上記重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、その例としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチウムなどのアリルリチウム;ビニルリチウム、プロペニルリチウムなどのアルケニルリチウム;テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウムなどのアルキレンジリチウム;1,3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオベンゼンなどのアリレンジリチウム;1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,2,5−トリリチオナフタレン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,2,3,5−テトラリチオ−4−ヘキシルーアントラセン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムおよびテトラメチレンジリチウムであり、特に好ましくは、n−ブチルリチウムである。
【0016】
上記有機リチウム化合物の使用量は、反応操作における重合速度および生成される重合体の分子量によって決定されるが、通常、単量体100g当たりリチウム原子として0.02〜5mg原子程度、好ましくは0.05〜2mg原子である。
【0017】
共重合体(A)を得るための重合反応は、バッチ重合方式、連続重合方式のいずれの方式によっても行うことができる。上記重合反応における重合温度は、0〜130℃の範囲が好ましい。また、重合反応は、等温重合、昇温重合あるいは断熱重合のいずれの重合形式によっても行うことができる。さらに、重合を行う際には、反応容器内にゲルが生成するのを防止するために、1,2−ブタジエンなどのアレン化合物を添加することもできる。
【0018】
一方、伸展油として使用する水添スチレン−ブタジエン共重合体(B)は、共重合体(A)と同様の方法により合成したポリマーを常法の水添方法により得ることができる。すなわち、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルト、1〜3族の有機金属化合物からなる水素化触媒;カーボン、シリカ、けいそう土などで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体等から選択される一種を触媒として1〜100気圧の加圧水素下で水素化する。
【0019】
本発明の油展ゴムは、溶液状態で分散して得られる、いわゆるウェット状態での油展ゴムではなく、乾燥状態で混練することにより得られる、いわゆるドライ状態での油展ゴムであり、ゴム補強充填剤等の他の配合剤との混練に先立って、混練製造される。
【0020】
本発明のゴム組成物のゴム成分は、共重合体(A)と共重合体(B)からなる油展ゴムのみでもよいし、さらに、伸展油としてではなく、共重合体(B)を配合したり、他のジエン系ゴムたとえば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴムなどを、混練時に配合して、ブレンドゴムとして用いてもよい。
得られた油展ゴムに、上記のように場合によりブレンド用のゴム、およびカーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウムなどの補強剤や各種の配合剤を加えてロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどによって混練りした後、硫黄、加硫促進剤などを添加して加硫し、タイヤ用トレッドゴムとして用いることができる。
本発明のゴム組成物に乳化重合スチレン−ブタジエンゴムをブレンドした場合には、特に高速走行重視型タイヤとして好適であり、ポリブタジエンをブレンドした場合は特に低温特性重視型タイヤとして好適である。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。なお、以下の各例における各種物性は、次の方法によって評価した。
(1)分子量(Mw )および分子量分布(Mw /Mn )は、ウォーターズ社製244型GPCを用い、検知器として示差屈折計を用い、次の条件で測定する。
カラム:東洋ソーダ製カラムGMH−3、GMH−6、G6000H−6
移動相:テトラヒドロフラン
(2)ポリスチレン換算重量平均分子量
ウォーターズ社製単分散スチレン重合体を用い、GPCによる単分散スチレン重合体のピークの分子量とGPCのカウント数との関係を予め求めて検量線を作成し、これを用いて、重合体のポリスチレン換算での分子量を求めた。
(3)加硫物性
破壊強度は、JISK6301−1995に従って測定した。
ウェットスキッド抵抗性およびドライスキッド抵抗性は、スキッドテスターにより、濡れた路面上および乾いた路面を再現して評価した。
耐摩耗性は、ランボーン式摩耗試験機により評価した。
【0022】
共重合体(A−1)の合成
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3−ブタジエン200gおよびスチレン100gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム0.10gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを3.5g加えた。分析値を表1に示す。
共重合体(A−2)〜(A−6)の合成
モノマーの仕込み比、触媒量等を変えた他は前記と同様にして合成した。分析値を表1に示す。
【0023】
共重合体(B−1)の合成
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3−ブタジエン150gおよびスチレン150gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム1.50gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認したのちトリブチルシリルクロライド4.68gを加え重合を停止した後、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部1000モルに対しニッケル1モルとなるよう仕込んだ。その後、反応系内に水素圧力30atmで水素を導入し、80℃で反応させた。水素添加率は四塩化炭素を溶媒として用い、15重量%の濃度で測定した100MHzのプロトンNMRの不飽和結合部のスペクトルの減少から算出した。
分析値を表2に示す。
共重合体(B−2)〜(B−4)の合成
モノマーの仕込み比、触媒量、水素圧力などを変えた他は前記と同様にして合成した。分析値を表2に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004881520
【0025】
【表2】
Figure 0004881520
【0026】
表3に、ゴム組成物の配合を示し、表4および表5には、得られたゴム組成物の加硫物性および油展ゴムの内訳、さらに、油展ゴムがドライ状態で混練により得たものかウェット状態で分散させて得たのもかの区別を示す。
具体的には、表4に記載の実施例1および2、参考例1および2、ならびに、比較例6の加硫ゴムは、共重合体(A)と共重合体(B)をドライ状態で混練して得た油展ゴムを使用した場合を示し、対応する比較例1〜5は、共重合体(A)と共重合体(B)をウェット状態で分散して得た油展ゴムを使用した場合を示す。
一方、表5に記載の実施例3および4、参考例3〜5、ならびに、比較例7〜11は、共重合体(B)の半量をドライ状態で伸展し、残りはウェット状態で伸展した場合と、全量をウェット状態で伸展した場合を対比して示す。
なお、表4、表5共に、A、B重合体の組み合わせが等しい比較例をコントロールとしている。
【0027】
【表3】
Figure 0004881520
【0028】
【表4】
Figure 0004881520
【0029】
【表5】
Figure 0004881520
【0030】
表4および表5に示す結果から明らかなように、各実施例の加硫ゴムは、各比較例および各参考例の加硫ゴムに比べて耐摩耗性、破壊特性、ウェットスキッド抵抗性、およびドライグリップ性が揃って向上している。
また、上記と同様にして調製した各実施例各比較例および各参考例のゴム組成物をトレッドゴムとして用いて、タイヤサイズ:315/40R18の競技用タイヤを作製し、テストコースの走行に供した。各実施例のタイヤは、いずれも、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性、ドライグリップ性共に、対応する各比較例および各参考例のタイヤに対して良好であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のスチレン−ブタジエン共重合体を、特定の水素添加された低分子量スチレン−ブタジエン共重合体で混練により油展することにより、この油展ゴムを配合したゴム組成物は、耐摩耗性と破壊特性が良好で、しかもウェットスキッド抵抗性、およびドライグリップ性に優れたものとなる。このゴム組成物は、タイヤトレッド用ゴムとして好適であり、これをトレッドゴムに使用したタイヤは、特に最近要望されている高速走行安定性に優れており、さらに、本発明のゴム組成物を競技用タイヤのトレッドゴムとした場合には、上記効果が顕著に現れる。

Claims (10)

  1. ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られたポリスチレン換算重量平均分子量が4.0×10〜3.0×10であり、結合スチレン量が10〜50重量%、ブタジエン部のビニル結合量が20〜70%である、リチウム系重合開始剤で重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(A)100重量部に対して、
    ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られたポリスチレン換算重量平均分子量が5.0×10〜2.0×10であり、結合スチレン量が25〜70重量%、ブタジエン部の二重結合のうち60%以上が水素添加された水添スチレン−ブタジエン共重合体(B)よりなる伸展油10〜200重量部を、乾燥状態で混練して得られる油展ゴムであって、かつ共重合体(A)の結合スチレン量と共重合体(B)の結合スチレン量が以下の式
    共重合体(B)の前記結合スチレン量>共重合体(A)の前記結合スチレン量+10
    を満たす関係にあり、共重合体(A)と共重合体(B)のみからなることを特徴とする油展ゴム。
  2. 共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量が7.0×10〜2.5×10であることを特徴とする請求項1記載の油展ゴム。
  3. 共重合体(A)の結合スチレン量が20〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の油展ゴム。
  4. 共重合体(A)のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%であることを特徴とする請求項1、2または3記載の油展ゴム。
  5. 共重合体(B)のブタジエン部の二重結合のうち80%以上が水素添加されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の油展ゴム。
  6. 共重合体(A)の結合スチレン量と共重合体(B)の結合スチレン量が以下の式
    共重合体(B)の前記結合スチレン量≧共重合体(A)の前記結合スチレン量+15
    を満たす関係にあることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の油展ゴム。
  7. 共重合体(A)100重量部に対して、共重合体(B)は20〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の油展ゴム。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の油展ゴムをゴム成分として配合することを特徴とするゴム組成物。
  9. 請求項8記載のゴム組成物をトレッドゴムに使用したことを特徴とするタイヤ。
  10. 請求項8記載のゴム組成物をトレッドゴムに使用したことを特徴とする競技用タイヤ。
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