JP4876097B2 - ヒートスプレッダとその製造方法および半導体装置 - Google Patents
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Description
従来のヒートスプレッダは、Si(ケイ素)やセラミック等によって形成されるのが一般的であった。しかし近時、W(タングステン)からなる多孔質体の細孔内にCu(銅)を溶浸させて形成されたCu−W複合材料や、Mo(モリブデン)からなる多孔質体の細孔内にCuを溶浸させて形成されたCu−Mo複合材料等からなるヒートスプレッダが提案されている(特許文献1参照)。
しかし高温で熱処理した場合には、基体中のCuがNiめっき層の最表面まで拡散して、前記最表面に露出した状態で蓄積される傾向がある。そして露出したCuは酸化したり腐食したりしやすいため、その露出量が多いほど、Niめっき層の、前記高温高湿環境等に対する耐性が低下して、半導体装置に高い信頼性を付与できないおそれがある。
その結果、接続面にNiめっきを施して、厚み0.2μm以上、1.2μm以下の第1めっき層を形成し、式(I):
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させたのち、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して、厚み0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させてNiめっき層を形成することで、
Niめっき層の基体との界面側の、前記界面から厚み方向に0.2μm以上、1.9μm以下の範囲でのCuの含有量RH(質量%)を式(III):
2.5質量%≦RH (III)
を満足する高濃度とし、かつ
前記Niめっき層の最表面にCuを含有させないか、または前記最表面におけるCuの含有量RS(質量%)を式(IV):
0質量%<RS≦0.3質量% (IV)
を満足する低濃度として、Niめっき層の最表面にCuを露出させないか、あるいは露出されるCuの量を少なくすると、
Niめっき層の、基体に対する良好な密着性を確保しながら、前記Niめっき層の、高温高湿環境等に対する耐性を向上して、前記Cuが酸化したり腐食したりすることによる、他部材の、ヒートスプレッダに対する接続の強度が低下したり、前記他部材がヒートスプレッダから剥離したりする不具合が発生するのを、これまでよりも抑制できることを見出した。
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させたのち、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して、厚み0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて形成され、
前記Niめっき層は、前記基体との界面から厚み方向に0.2μm以上、1.9μm以下の範囲にCuの含有量RH(質量%)が式(III):
2.5質量%≦RH (III)
を満足する高Cu領域を有すると共に、前記Niめっき層の最表面がCuを含まないか、または前記最表面におけるCuの含有量RS(質量%)が式(IV):
0質量%<RS≦0.3質量% (IV)
を満足し、かつ前記Niめっき層の、前記基体に対する密着強度SA(N/mm2)が90N/mm2以上であることを特徴とする。
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させる工程と、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して厚みが0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて前記Niめっき層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明は、W、Mo、またはダイヤモンドと、Cuとの複合材料からなり、他部材との接続のための接続面を有する基体を備え、前記基体の少なくとも前記接続面にNiめっき層が形成されたヒートスプレッダであって、前記Niめっき層が、前記接続面にNiめっきを施して、厚み0.2μm以上、1.2μm以下の第1めっき層を形成し、式(I):
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させたのち、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して、厚み0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて形成され、
前記Niめっき層は、前記基体との界面から厚み方向に0.2μm以上、1.9μm以下の範囲にCuの含有量RH(質量%)が式(III):
2.5質量%≦RH (III)
を満足する高Cu領域を有すると共に、前記Niめっき層の最表面がCuを含まないか、または前記最表面におけるCuの含有量RS(質量%)が式(IV):
0質量%<RS≦0.3質量% (IV)
を満足し、かつ前記Niめっき層の、前記基体に対する密着強度SA(N/mm2)が90N/mm2以上であることを特徴とする。
(a) 先に説明したように、WやMoからなる多孔質体の細孔内にCuを溶浸させて形成されたCu−W複合材料やCu−Mo複合材料が挙げられる他、
(b) 多数の微小なダイヤモンド粒子を結合材としてのCuで結合した複合構造を有するCu−ダイヤモンド複合材料、
等も挙げられる。
2.5質量%≦RH (III)
を満足する高Cu領域5を有すると共に、その最表面6がCuを含まないか、または前記最表面6におけるCuの含有量RS(質量%)が式(IV):
0質量%<RS≦0.3質量% (IV)
を満足し、かつ前記Niめっき層3の、基体1に対する密着強度SA(N/mm2)が90N/mm2以上である必要がある。これにより、Niめっき層3の、基体1に対する良好な密着性を確保しながら、前記Niめっき層3の最表面に露出されるCuの量を少なくして、Niめっき層3の、高温高湿環境等に対する耐性を向上できる。そのため、前記Cuが酸化したり腐食したりすることによる、他部材の、ヒートスプレッダ4に対する接続の強度が低下したり、前記他部材がヒートスプレッダ4から剥離したりする不具合が発生するのを抑制できる。
また高Cu領域5におけるCuの含有量RHが式(III)を満足する範囲に限定されるのは、含有量RHが2.5質量%未満では、基体1から高Cu領域5へのCuの拡散が十分でないことになり、Niめっき層3の、基体1に対する良好な密着性を確保する効果、つまりNiめっき層3の、基体1に対する密着強度SA(N/mm2)を90N/mm2以上とする効果が得られないためである。
Niめっき層3の、基体1に対する密着強度SA(N/mm2)が90N/mm2以上に限定されるのは、密着強度SAが90N/mm2未満では、前記Niめっき層3の、基体1に対する良好な密着性を確保できないためである。つまり密着強度SAが90N/mm2未満では、ヒートスプレッダ4の接続面2に他部材を接続する際や、半導体装置の使用時の熱履歴等によってNiめっき層3が脹れを生じたり基体1から剥離したりしやすくなる。
Niめっき層3は、これも先に説明したように、その最表面6から厚み方向に0.3μm以上の範囲にCuを含まないか、またはその含有量RL(質量%)が式(V):
0質量%<RL<0.5質量% (V)
を満足する低Cu領域7を有しているのが好ましい。Niめっき層3の最表面6側に低Cu領域7を設けることによって、前記最表面6に蓄積されるCuの量をさらに少なくして、前記Cuの酸化や腐食による、他部材の、ヒートスプレッダ4に対する接続の強度が低下したり、前記他部材がヒートスプレッダ4から剥離したりする不具合の発生をより一層有効に防止できる。
図1では、高Cu領域5と低Cu領域7とが直接に接触するように記載されているが、前記両領域5、7間には、いずれの領域に課された条件も満足しない中間層が介在してもよい。
前記分析装置は、測定試料を、その最表面からアルゴンプラズマによって厚み方向に削りながら、所定の厚みごとに元素分析を繰り返す装置であって、前記分析装置によれば、測定試料を最表面から深さ数10μmに及ぶ範囲まで、分解能よく元素分析できると共に、分析面積が4mmφと広いので、偏析等の影響を少なくして、測定試料のより平均的な情報を得ることが可能である。
そして前記界面からNiめっき層3の最表面6へ向けて、前記Niめっき層3の厚み方向の、Cuの含有量RH(質量%)が2.5質量%以上、20質量%以下である領域の厚みを求めて高Cu領域5の厚みとすると共に、前記最表面6から基体1へ向けて、前記Niめっき層3の厚み方向の、Cuの含有量RL(質量%)が0.5質量%未満である領域の厚みを求めて低Cu領域7の厚みとする。
すなわち矩形平板状のヒートスプレッダを2枚用意し、前記2枚のヒートスプレッダの、それぞれ矩形の短辺側の一端から長さ方向の12.5mmの範囲を半田接合部として、Pb−Sn共晶半田(Pb:60質量%、Sn:40質量%)を用いて、220℃×3分間の条件で半田接合したものを試験片として用意する。次に前記試験片の、互いに反対方向に突出した2つの非接着部を、それぞれ精密万能試験機(オートグラフ)のつかみ具で保持して、試験片の幅方向の中心線と、つかみ具の中心線とが一致するように注意しながら50mm/分の速度で、それぞれ反対方向に引っ張った際の破断応力(N/mm2)を、Niめっき層3の基体1に対する密着強度SA(N/mm2)とする。
(i) W、Mo、またはダイヤモンドと、Cuとの複合材料からなる前記基体の少なくとも前記接続面にNiめっきを施して厚みが0.2μm以上、1.2μm以下の第1めっき層を形成し、式(I):
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させる工程と、
(ii) 前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して厚みが0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて前記Niめっき層を形成する工程と、
を含む本発明の製造方法によって製造できる。
そうすると、基体1との界面から第1めっき層の厚みにほぼ対応した範囲が高Cu領域5とされると共に、最表面6を含む、第2めっき層の厚みにほぼ対応した範囲が低Cu領域7とされたNiめっき層3が形成される。
(a) 還元剤として次亜リン酸ソーダ〔NaH2PO2等〕を用いた無電解Ni−Pめっき、
(b) 還元剤として水素化ホウ素化合物〔NaBH4、(CH3)2HN・BH3、(C2H5)2HN・BH3等〕を用いた無電解Ni−Bめっき、および
(c) 還元剤としてヒドラジン化合物〔N2H4、N2H4・H2SO4、N2H4・HCl、N2H4・2HCl等〕を用いた狭義の無電解Niめっき、
のいずれを採用してもよい。
第2めっき層は、Niめっき層3の最表面6を形成する層であるため、前記最表面6上に接続される他部材や、前記他部材を最表面6に接続するために用いられる樹脂接着剤等との相性や要求される特性等に応じて最適なNiめっき方法を選択して形成すればよい。例えば前記最表面6に、先に説明したAgフィラーと塩素とを含む樹脂接着剤を用いて他部材を接続する場合は、無電解Ni−Pめっきによって第2めっき層を形成するのが好ましい。Ni−Pめっき層は、熱処理をすることでNi3Pを生じ、前記Ni3Pが、樹脂接着剤中のAgフィラーや塩素イオンと良好な結合性を有するため、接続の信頼性を向上できる。
ヒートスプレッダ4は、図の例では、先に説明したように全体が平板状で、かつ前記平板の、図において下側の面13の中央部に、前記半導体素子12を収容するための凹部14が設けられた凹形状に形成された基体1を備えている。そして前記基体1の、凹部14の底面15が半導体素子12との接続のための接続面2とされ、前記凹部14の周囲の面13がパッケージ9との接続のための接続面2とされていると共に、図の例の場合は外周面の全面に、先に説明したようにCuの含有量を厚み方向に分布させたNiめっき層3が形成されてヒートスプレッダ4が構成されている。
(基体の作製)
平均粒径3μmのW粉末に1質量%のアクリルバインダを加えて平均粒径50μmに造粒し、前記造粒物を、幅30mm×長さ110mmの平面形状が矩形状の凹部を有する金型の、前記凹部内に充填して面圧1.5ton/cm2の圧力をかけて矩形平板状にプレス成形し、次いで水素ガス雰囲気中で800℃で1時間の加熱をしてバインダを除去させた後、引き続き水素ガス雰囲気中で1250℃に加熱して焼結させてWからなる多孔質体を作製した。
前記基体の表面の全面に、電気Niめっきによって厚み1.2μmの第1めっき層を形成し、水素ガス雰囲気中で800℃に加熱して熱処理した後、前記第1めっき層上に、無電解Ni−Pめっきによって厚み1μmの第2めっき層を形成し、水素ガス雰囲気中で500℃に加熱して熱処理してNiめっき層を形成すると共に、ヒートスプレッダを製造した。
前記ヒートスプレッダのNiめっき層について、前出のマーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置〔ホリバ・ジョバンイボン社(HORIBA JOBIN YVON S. A. S.)製のJY5000RF−PSS〕を用いて、Cu等の元素の、厚み方向の含有量の分布を測定した。測定は、先に説明したように測定試料を、その最表面からアルゴンプラズマによって厚み方向に削りながら、厚み約0.003μmごとに元素分析した結果をプロットすることで行った。結果を図4に示す。また、図4のうちCuの分布曲線を拡大して図5に示す。
日本工業規格JIS K 6850:1999「接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法」に規定された試験方法に則って、他部材の、ヒートスプレッダの接続面に対する接続の強度を示す接着強度を測定した。すなわち図3に示すように、前記ヒートスプレッダ4を2枚用意し、前記2枚のヒートスプレッダ4の、それぞれ短辺側の一端から長さ方向の12.5mmの範囲を接着部19として、70質量%のAgフィラーを含む液状のエポキシ樹脂接着剤の層20を介して、前記接着部19から、各々のヒートスプレッダ4の非接着部21がそれぞれ反対方向に突出するように重ね合わせた状態で、180℃で1時間の加熱をして接着剤を硬化させた後、さらに150℃で24時間、乾燥させて密着強度測定用の試験片22を作製した。
(密着強度の測定)
Niめっき層の、基体に対する密着強度を、前記接着強度の測定方法を応用した下記の方法で測定した。すなわち2枚のヒートスプレッダを、エポキシ樹脂接着剤に代えてPb−Sn共晶半田(Pb:60質量%、Sn:40質量%)を用いて、220℃×3分間の条件で半田接合したものを試験片として、前記と同様にして破断応力を測定したところ、オートグラフの測定限界である100N/mm2を超えており、Niめっき層は基体に対して強固に密着していることが確認された。
第2めっき層の熱処理温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。前記ヒートスプレッダのNiめっき層について、実施例1と同様にして、Cu等の元素の厚み方向の含有量の分布を測定した。結果を図6に示す。また図6のうち、Cuの分布曲線を拡大して図7に示す。両図よりNiめっき層は、基体との界面から最表面に向かって厚み方向に1.8μmの範囲が、Cuの含有量RH(質量%)が式(III)の範囲内で、かつ最大含有量が6.3質量%である高Cu領域になっていることが確認されたが、多量のCuがNiめっき層の最表面まで拡散しており、前記Niめっき層の最表面のCuの含有量RS(質量%)が0.8質量%と高い上、低Cu領域が形成されていないことが判った。
第1めっき層の厚みを0.05μm(比較例2)、0.2μm(実施例2)、2.1μm(比較例3)としたこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
〈実施例3、4、比較例4〉
第2めっき層の厚みを0.3μm(比較例4)、0.6μm(実施例3)、2.5μm(実施例4)としたこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
第1めっき層の熱処理温度T1(℃)を500℃(比較例5)、620℃(実施例5)、900℃(比較例6)としたこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
〈実施例6〉
第1めっき層の熱処理温度T1(℃)を850℃とし、かつ第2めっき層の厚みを2.5μm、熱処理温度T2(℃)を580℃としたこと以外は実施例1と同様にしてヒートスプレッダを製造した。
第2めっき層の熱処理温度T2(℃)を250℃(比較例7)、280℃(比較例8)、300℃(実施例7)、350℃(実施例8)、550℃(実施例9)、620℃(比較例9)、700℃(比較例10)としたこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
第2めっき層を電気Niめっきによって形成したこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
〈実施例11〉
第1および第2めっき層を、いずれも無電解Ni−Bめっきによって形成したこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
下記の工程を経て作製したCu−Mo複合材料からなる基体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
(基体の作製)
平均粒径3μmのMo粉末に1質量%のアクリルバインダを加えて平均粒径50μmに造粒し、前記造粒物を、幅30mm×長さ110mmの平面形状が矩形状の凹部を有する金型の、前記凹部内に充填して面圧1.5ton/cm2の圧力をかけて矩形平板状にプレス成形し、次いで水素ガス雰囲気中で800℃で1時間の加熱をしてバインダを除去させた後、引き続き水素ガス雰囲気中で1250℃に加熱して焼結させてMoからなる多孔質体を作製した。
下記の工程を経て作製したCu−ダイヤモンド複合材料からなる基体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
(基体の作製)
平均粒径15μmのダイヤモンド粒子とCu粉末とを、ダイヤモンド複合材料の総体積に占めるダイヤモンド粒子の割合が60体積%となるように配合した混合物を、プレス圧2ton/cm2の条件で予備成形後、真空中でモリブデンからなるカプセル中に封止した。次いで前記カプセルを加圧圧力5GPa、加熱温度1100℃の条件で5分間、加圧しながら加熱し、次いで圧力を保持した状態で温度を500℃以下に下げて30分間、保持したのち常温、常圧に戻してカプセルを回収した。
〈比較例11〉
熱処理した第1めっき層の上に第2めっき層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ヒートスプレッダを製造した。
〈実施例14〉
(基体の作製)
平均粒径3μmのW粉末に1質量%のアクリルバインダを加えて平均粒径50μmに造粒し、前記造粒物を、縦35mm×横35mmの平面形状が矩形状の凹部を有する金型の、前記凹部内に充填して面圧1.5ton/cm2の圧力をかけて矩形平板状にプレス成形し、次いで水素ガス雰囲気中で800℃で1時間の加熱をしてバインダを除去させた後、引き続き水素ガス雰囲気中で1250℃に加熱して焼結させてWからなる多孔質体を作製した。
前記基体1の表面の全面に、電気Niめっきによって、厚み1.2μmの第1めっき層を形成し、水素ガス雰囲気中で800℃に加熱して熱処理した後、前記第1めっき層上に、無電解Ni−Pめっきによって、厚み1μmの第2めっき層を形成し、水素ガス雰囲気中で500℃に加熱して熱処理してNiめっき層3を形成して、Cuの含有量の分布が実施例1と同じヒートスプレッダ4を製造した。
縦30mm×横30mm×厚み1mmのアルミナ製のパッケージ9の、図2において上側の面10の中央部に、半田バンプ11を介して、縦15mm×横15mm×厚み0.2mmのシリコン系の半導体素子12を接続した後、前記半導体素子12の図において上側の面と、ヒートスプレッダ4の凹部14の底面15である接続面2上のNiめっき層3との間、およびパッケージ9の上側の面10と、ヒートスプレッダ4の凹部14の周囲の面13である接続面2上のNiめっき層3との間に、それぞれ15質量%のAgフィラーを含む液状のエポキシ樹脂接着剤の層を挟んだ状態で、150℃で1時間の加熱をして接着剤を硬化させて図2に示す半導体装置8を製造した。
接着強度の測定のために、接着面が直径10mmの円形である治具を用意した。そして前記半導体装置8を、温度+85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で1000時間、静置した後、パッケージ9の、図2において下側の面23の中央部と、基体1の、図において上側の面24の中央部のNiめっき層3上とに、それぞれ前記治具の接着面を、半導体装置の製造で使用したのと同じエポキシ樹脂接着剤の層を挟んで重ねた状態で、150℃で1時間の加熱をして接着剤を硬化させて、それぞれの面に治具を接着した。
第2めっき層の熱処理温度を800℃としたこと以外は実施例14と同様にして、Cuの含有量の分布が比較例1と同じヒートスプレッダ4を製造し、前記ヒートスプレッダ4を使用したこと以外は実施例14と同様にして、図2に示す半導体装置8を製造した。そして前記半導体装置8を温度+85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で1000時間、静置した後、実施例14と同様にして引っ張り強度の推移を測定したところ、引張強度が0.98N/mm2の時点で、ほぼ同時にパッケージ9とヒートスプレッダ4との間、および半導体素子12とヒートスプレッダ4との間で剥離した。そこで剥離面を観察したところ、いずれの剥離面においても、Niめっき層3中のCuの腐食によって、エポキシ樹脂接着剤が前記Niめっき層3から剥離したことが確認された。
2、13、15 接続面
3 Niめっき層
4 ヒートスプレッダ
5 高Cu領域
6 最表面
7 低Cu領域
8 半導体装置
9 パッケージ(他部材)
12 半導体素子(他部材)
17、18 樹脂接着剤の層
Claims (6)
- W、Mo、またはダイヤモンドと、Cuとの複合材料からなり、他部材との接続のための接続面を有する基体を備え、前記基体の少なくとも前記接続面にNiめっき層が形成されたヒートスプレッダであって、前記Niめっき層が、前記接続面にNiめっきを施して、厚み0.2μm以上、1.2μm以下の第1めっき層を形成し、式(I):
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させたのち、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して、厚み0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて形成され、
前記Niめっき層は、前記基体との界面から厚み方向に0.2μm以上、1.9μm以下の範囲にCuの含有量RH(質量%)が式(III):
2.5質量%≦RH (III)
を満足する高Cu領域を有すると共に、前記Niめっき層の最表面がCuを含まないか、または前記最表面におけるCuの含有量RS(質量%)が式(IV):
0質量%<RS≦0.3質量% (IV)
を満足し、かつ前記Niめっき層の、前記基体に対する密着強度SA(N/mm2)が90N/mm2以上であることを特徴とするヒートスプレッダ。 - 前記基体がCu−W複合材料からなり、前記Cu−W複合材料におけるWの含有量が75質量%以上、95質量%以下である請求項1に記載のヒートスプレッダ。
- 半導体素子と、前記半導体素子の動作時に発生する熱を除去するための、請求項1または2に記載のヒートスプレッダとを備えることを特徴とする半導体装置。
- 前記ヒートスプレッダが複数の接続面を備え、前記複数の接続面のうち少なくとも1つの接続面に前記半導体素子、他の接続面に熱除去部材が、それぞれAgフィラーを配合した樹脂接着剤を介して接続されている請求項3に記載の半導体装置。
- 前記接続面に対する前記半導体素子、および前記熱除去部材の接着強度SB(N/mm2)が、それぞれ15.7N/mm2以上である請求項4に記載の半導体装置。
- 請求項1または2に記載のヒートスプレッダを製造するための製造方法であって、W、Mo、またはダイヤモンドと、Cuとの複合材料からなる前記基体の少なくとも前記接続面にNiめっきを施して厚みが0.2μm以上、1.2μm以下の第1めっき層を形成し、式(I):
620℃≦T1≦850℃ (I)
を満足する温度T1(℃)で熱処理して前記基体中から前記第1めっき層中にCuを拡散させる工程と、前記第1めっき層の表面にNiめっきを施して厚みが0.6μm以上、2.5μm以下の第2めっき層を形成し、式(II):
300℃≦T2≦580℃ (II)
を満足する温度T2(℃)で熱処理して前記第2めっき層と前記第1めっき層とを一体化させて前記Niめっき層を形成する工程とを含むことを特徴とするヒートスプレッダの製造方法。
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